JPH07103506B2 - 銀面調シ−ト状物およびその製造方法 - Google Patents

銀面調シ−ト状物およびその製造方法

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JPH07103506B2
JPH07103506B2 JP61292754A JP29275486A JPH07103506B2 JP H07103506 B2 JPH07103506 B2 JP H07103506B2 JP 61292754 A JP61292754 A JP 61292754A JP 29275486 A JP29275486 A JP 29275486A JP H07103506 B2 JPH07103506 B2 JP H07103506B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は銀面調シート状物およびその製造方法に関す
る。更に詳しくは特異な交絡構造を有し柔軟にして、耐
磨耗性の良い、かつ異外観表面を有する薄物銀面調シー
ト状物およびその製造方法に関するものである。
[従来の技術] 立毛を有する人工皮革、銀付人工皮革およびその製造方
法はこれまでに多数提案されている。近年、市場の要求
はより柔軟にして、異外観すなわちインフォーマルな薄
物指向へと変化しつつある。
しかしながら、これらの従来技術によって薄物化を図る
ことは以下のような欠点を有している。例えば、特開昭
58−191280号、特開昭59−43158号に開示されている技
術にあっては、表面が均一化されたフォーマルな中厚
物、厚物指向において優れた技術である。しかしなが
ら、前記特開昭に開示されているような特殊な複合繊
維、超極細繊維等の繊維ウェブにニードルパンチ、ある
いは高速流体流噴き当て処理を施しても、薄物化のため
に繊維ウェブ目付を低くすると、厚み方向の交絡度が低
下し、高度な三次元的絡合を得ることは困難となる。柔
軟にして製品強力をそこなわず薄物化するにはおのずと
技術的に限界があった。
一方、織編物を内層、または外層に介在させ、その表面
に極細繊維を積層し、ニードルパンチまたは高速流体噴
き当て処理を行ない、その表面を銀付加工する方法が提
供されている。この技術においても、薄物化する場合、
織編物が介在することによりシート厚みが加算され、積
層する極細繊維交絡層を少なくしなければならず、十分
な絡合構造が得られず貧弱な銀面となり、かつ、織編物
のしめる割合いが高くなり、極細繊維の柔軟性効果が十
分に発揮されず、製品としてドレープ性の劣るものとな
る。
すなわち従来技術においては、中厚物、厚物分野におい
てはそれなりに効果のある技術であると言えるが、薄物
化する場合においては製品強力と柔軟性とのバランスを
欠くものとなり、このような不均衡な問題は解消されて
いないのが現状である。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は薄物化することによって生ずる製品強力と柔軟
性および耐磨耗性との不均衡な問題点を一挙に解決した
銀面調シート状物およびその製造方法を提供するもので
ある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは上記の問題点を解決するため鋭意研究した
結果、遂に本発明に到達したものである。
即ち本発明の要旨は次の通りである。
(1) 0.5デニール以下の極細繊維によって交絡形成
された不織布状部分と該不織布状部分を形成する繊維が
シートの厚み方向に実質的に束状に引き抜かれて形成さ
れた編物様ループ状部分とからなる繊維質シートの少な
くとも片面が銀面調の表面を有することを特徴とする銀
面調シート状物。
(2) 少なくとも2種以上のポリマーからなる繊維長
20mm以上150mm以下の細化可能型複合繊維をウェブ化
し、次いで、ステッチャーンガイドニードルを有する縫
編機に該ウェブを通し、不織布状部分を編物様ループ状
部分とが交絡した構造を有する複合布帛構造物を形成し
た後、少なくとも下記のイ〜ハの各工程を組合せて加工
することを特徴とする銀面調シート状物の製造方法。
イ.複合布帛構造物をニードルパンチ、もしくは高速流
体を噴き当てて交絡処理する工程。
ロ.細化可能型複合繊維を溶解又は熱処理または機械処
理のいずれか、あるいは組合せて細化する工程。
ハ.不織布状部分表面および/または編物様ループ状部
分表面を型押し、もしくはプレスする工程。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のシート状物を構成する繊維としては、少なくと
も2成分以上の繊維形成性ポリマーからなる細化可能型
複合繊維を用いることにより得られるものである。
本発明で言う細化可能型複合繊維とは、溶媒または熱処
理あるいは機械的処理により極細化が可能な複合繊維を
示唆するものである。これらの細化可能型複合繊維は公
知の複合紡糸技術をもって得ることができる。
第1図〜第5図に本発明に用いられる細化可能型複合繊
維の具体的な概念図を示したが、これらに限定されるも
のではない。これらの細化可能型複合繊維の製造手段に
ついては例えば、第1図のような成分Bの中に、成分A
が繊維軸方向に連続して規制配置された断面を有する海
島型複合繊維の場合は、高分子相互配列体繊維紡糸口金
を用いて得ることができる。また第2図のように成分C
の中に、成分Aが繊維軸方向に連続して規制配置された
海島型構造を更に成分Bがとりかこんだ断面を有する複
合繊維の場合は、特開昭54−125718号に開示された海島
型多成分系繊維用紡糸口金を用いることにより得られ
る。また、この方法の変形として第3図に示したごとき
断面を有する複合繊維は、成分Aと成分Cの流れを例え
ば特公昭53−36182に記載のようなスタティックミキサ
ーに導入して海島型構造とし、更に成分Bで被覆する方
法により作ることが可能である。
上記の細化可能型複合繊維を構成するA、BあるいはC
成分としては次のような繊維形成性ポリマーが用いられ
る。例えば、ナイロン6、12、66、その他の共重合ナイ
ロン等のポリアミド類、ポリエチレンテレフタレートお
よびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよび
その共重合体等のポリエステル類、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等のポリオレフィン類、ポリアクリロニトリ
ル、ポリウレタン、ポリビニールアルコール、共重合ポ
リビニールアルコール、ポリスチレンおよびその共重合
体、熱水可溶型ポリエステル、熱水可溶型ポリアミド、
ポリフェニレンスルフアィド等のあらゆる繊維形成性ポ
リマーが用いられる。その組合せにあたっては溶媒への
溶解性あるいは熱処理、機械的処理による剥離、分割性
等を考慮して組合せればよい。例えば、第1図におい
て、A/B成分としてはポリエチレンテレフタレート/ポ
リスチレン、ポリエチレンテレフタレート/熱水可溶型
ポリエステル、第2図、第3図においてA/B/C成分とし
てはナイロン−6/ポリスチレン/共重合ポリスチレン、
ポリエチレンテレフタレート/ポリスチレン/熱水可溶
型ポリエステルなおB成分とC成分は同一成分であって
もよい。第4図、第5図においてA/B成分としてはポリ
エチレンテレフタレート/ナイロン−6、ナイロン−6/
ポリスチレン、第6図としてA/B成分としてはナイロン
−6/ポリエチレン、ナイロン−6/ポリスチレン等が挙げ
られるが、特に限定するものではない。これらの細化可
能型複合繊維を細化処理することにより得られる極細繊
維の太さは0.5デニール以下、好ましくは0.3デニール以
下を必要とする。これより太い繊維を用いると銀面を形
成させても、平滑性や緻密性が劣りかつ、柔軟性に欠け
たものとなる。
本発明の繊維質シートを形成する極細繊維は前記の細化
可能型複合繊維を細化処理した後の残存成分によって形
成される。例えば前記の第1図、第2図、第3図、第6
図のポリマー組合せにおいては、A成分が残存成分とな
り、第4図、第5図においてはA成分あるいはポリマー
の組合せによっては、A、B両成分とも残存成分とな
る。
このような細化可能型複合繊維を用いて得られた本発明
の銀面調シート状物の特異な絡合構造を更に詳細に説明
する。
第7図は本発明の銀面調シート状物を得るために用いる
複合布帛構造物の断面である。この複合布帛を形成する
繊維1本が第1図〜第6図に示したごとき断面を有する
細化可能型複合繊維である。
溶媒溶解性、熱処理あるいは機械的処理による剥離、分
割性を考慮して、2種以上の混繊を行なっても、本発明
の布帛構造を損うものではない。第7図において、X方
向から見た表面は第9図に示したごときに不織布状表面
を有し、X′方向から見た表面が第8図に示したごとき
一方向に連続した編物様ループ状表面を有している。す
なわち、従来のニードルパンチあるいは高速流体の噴き
当て処理で得られる交絡構造とはまったく異なる高度な
三次元的交絡構造を有するものである。従って、単なる
不織布でもなく、単なる編地でもなく、細化可能型複合
繊維が一面で不織布状交絡部分を形成し、該不織布状交
絡部分を形成する同一繊維が、厚み方向に実質的に束状
に引き抜かれ、他面で編物様ループ状交絡部分を形成
し、これらが三次元的に不離一体化され交絡した特異な
複合布帛構造を形成している。
従って、この布帛構造物を形成する細化可能型複合繊維
を溶媒もしくは熱処理あるいは機械的処理により極細化
したシート状物を後述する銀面加工処理を施して得られ
る本発明の銀面調シート状物は単なる不織布構造ではな
く、編物様ループ絡合を有するために、柔軟にして製品
物性を損なわず、薄物化でき、かつ、編物様ループ模様
とシボ模様がおりなすインフォーマルな外観模様を発生
させることができることは容易に想像できるであろう。
このような基本構造に高分子弾性体が付着した場合、特
に少なくとも表面および表面近傍に近い部分やシート内
部の空隙部に高分子弾性体が存在する構造が好ましい。
特に高分子弾性体が極細繊維や極細繊維が束状となった
部分をとりまく形で存在するのがシート状物の柔軟性を
損なわせないので好ましい。高分子弾性体としては、ポ
リウレタンエラストマー、アクリロニトリル−ブタジエ
ンラバー、ブタジエンラバー、天然ゴム、ポリ塩化ビニ
ール、ポリアミドなどが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。なかでも最終製品として得られるシ
ートの銀面形成性、弾性、柔軟性、取扱い易さ等の点か
らポリウレタンが好ましく用いられる。本発明の製造方
法によれば薄物化が容易に達成でき、かつ、従来技術で
作り得る範中の厚物シートも勿論作ることが可能であ
る。例えば、第7図に示したごとき複合布帛構造物を少
なくとも2枚以上積層することによって達成できる。積
層方法は第9図の不織布状面同士、第8図の編物様ルー
プ面同士あるいは第8図と第9図の表面同士を積層、あ
るいは第7図または第8図あるいは第9図の表面に任意
の厚さを有する繊維ウェブを積層し、ニードルパンチあ
るいは高速流体噴き当て処理等の交絡手段をもって厚物
シート化することが可能である。任意の厚さを有する繊
維ウエブとは細化可能型複合繊維ウエブ、または0.5d以
下の長繊維ウエブあるいはメルトブローウエブ等であ
る。すなわち、本発明の銀面調シート状物は、第7図に
示したような複合布帛構造物から得られる繊維質シート
を基本構造とするが、前述の積層手段をもって技術的に
応用展開させ、シート内部に該基本構造を保持している
ものであってもよい。
次に、本発明の銀面調シート状物の製造方法を以下に説
明する。
例えば、第1図のごとき繊維断面を有する細化可能型複
合繊維を繊維長20mm以上、150mm以下にカットしたステ
ープルファイバーとし開綿、カード・クロスラッパー装
置に通しウェブを形成する。該フェブを装置幅方向に等
間隔で配列設置されたステッチヤーンガイドニードルを
有する縫編機に通す。ここで言うステッチヤーンガイド
ニードルとは原理的にはニードル先端が一般にいうベラ
針のごとき構造を有するものである。従って、ウェブの
片面からウェブの厚み方向に、前記ニードルがつきささ
り、一定の深さにおいてウェブ形成繊維を実質的に束状
として捕まえ再度、同方向へ引き抜かれてループ(オー
ルドループ)を形成する。このオールドループの中を再
度、ニードルが厚み方向につきささり、一定の深さにお
いてウェブ形成繊維を実質的に束状として捕まえ、再
度、オールドループの中を通って引き抜かれて編目を形
成する。この動作が縫編機の全幅方向において繰り返し
行われるために布帛のタテ方向に連続した第8図に示し
たごとき編物様ループ状部分が形成され、反対面には第
9図のごとき不織布状部分が形成される。結果として、
第7図に示すがごとき単に不織布でもなく、単に編物で
もない両者の絡合構造を同時に有する複合布帛構造物が
得られるのである。この間の工程において、細化可能型
繊維の繊維長が20mm未満であると、ウェブ形成時にウェ
ブ切れが発生し、均一な目付が得られず、かつ強固な複
合布帛を得ることが困難である。また繊維長が150mmを
超えると、前記縫編機に通す場合、繊維長が長すぎてス
テッチヤーンガイドニードルによって、布帛の厚み方向
に繊維を引き抜くときの抵抗がきつくなり、繊維の移動
がスムースに行なわれず均一な編物様ループを形成する
ことが困難となり、布帛の横方向に斑が発生し、均一な
複合布帛構造物を得ることが困難である。前記ウェブは
カード・クロスラッパー装置を通した後、ウェブの形態
保持の点からプレパンチ装置により若干のニードリング
を行なったものであってもさしつかえない。但し、この
場合の針密度は100本/cm2以下、好ましくは50本/cm2
下に押さえておくことが繊維の移動をスムースに行なわ
せる点から好ましいと言える。
かくして得られた複合布帛構造物の少なくとも片面をニ
ードルパンチまたは高速流体流を噴き当てて細化可能型
繊維のB成分の割裂と、露出したA成分の極細繊維束の
フィブリル化絡合を行ない、しかる後にB成分に対して
は溶剤で、A成分に対しては非溶剤である液体によっ
て、B成分を溶解除去し、次いで少なくとも片面を型押
しあるいはプレスして本発明の銀面調シート状物とする
のである。または、複合布帛構造物をB成分に対しては
溶剤で、A成分に対しては非溶剤である液体によって、
B成分を溶解除去し、次いで少なくとも片面を型押しあ
るいはプレスして本発明の銀面調シート状物とするので
ある。
これらの方法においてB成分の溶解工程と型押しあるい
はプレス工程を逆にしても良い。また、ニードルパンチ
または高速流体流の噴き当て処理をする前に、B成分の
溶解除去工法を入れても良い。また、型押しあるいはプ
レスを行なう前、またはB成分を溶解除去する前か後に
おいて高分子弾性体を付与し、湿式凝固あるいは乾式凝
固により弾性体をA成分の繊維あるいは繊維束のまわり
に付与する工程を組合せることが可能である。
ニードルパンチあるいは高速流体の噴き当て処理を行な
う場合、第8図に示した編物様ループ絡合を切断しない
ような条件をとることが好ましい。例えば、第9図に示
した不織布状部分から絡合処理を行なう場合と、第8図
に示した編物様ループ状部分からの絡合処理を行なう場
合とでは、ニードルパンチにおいては針深度、針密度を
適当に変更し、高速流体の噴き当てにおいては高速流体
噴射圧力を適当に変更するのが好ましい。
通常、ニードルパンチを用いる場合は100〜3000本/c
m2、高速流体を用いる場合は10〜300kg/cm2程度の範囲
が好ましい。
高速流体に用いられる流体としては、安全性、取扱いの
容易性、コスト等から水を用いるのが好ましいが、細化
可能型複合繊維のポリマー組合せあるいは目的に応じて
有機溶剤、アルカリ、酸等の水溶液を用いてもよい。こ
れらの処理は本発明のシート状物のより高度な三次元的
交絡をもたらし、製品強力、耐磨耗性の向上に効果があ
り、更に、シート表層部における極細繊維および極細繊
維束が形成する繊維密度を高め、型押しもしくはプレス
加工後の良好な銀面形成に効果をもたらすものである。
これらの主工程の間に通常の人工皮革製造の技術、例え
ば、複合布帛構造物の収縮処理あるいは細化処理前にポ
リビニールアルコールなどの形態保型剤の付与等を自由
に組合せてもなんらさしつかえない。
また、銀面加工を施していない片面を毛羽立て処理を行
ない、本発明のシート状物を片面は銀面調とし、一方は
立毛を有するスエード調としたリバーシブルな製品とす
るのに好ましい。この工程は型押しあるいはプレス工程
の前または後または染色後に行なうのが好ましい。
形押しもしくはプレスの条件は繊維素材あるいはコーテ
ィングする高分子弾性体素材の特性から決めればよく、
特に制限はない。通常100℃〜250℃の温度で、圧力のか
かる条件で行なう。
上記により得られる本発明の銀面調シート状物は、仕上
樹脂の塗布処理、染色処理、撥水処理、揉み処理などの
高次加工処理を行なって高品位化して商品価値を高め、
衣料用途、靴用途、資材用途などの各種用途に広く適用
できる。
以下に本発明を実施例にて詳細に説明するが、これらの
実施例によって、本発明が制約、限定されるものではな
い。むしろ、次の応用発展をもたらすものである。
[実施例] 実施例1 第1図に示した繊維断面を有する細化可能型複合繊維を
形成するため高分子相互配列体繊維紡糸用口金を用い、
A成分にナイロン−6、B成分に熱水可溶性ポリエステ
ルを用いて紡糸し、A/B成分比率が63/37重量%、A成分
を構成する本数が223本、A成分1本の繊維デニールが
約0.014d、複合繊維デニールが5.0d、繊維長が約51mm、
ケン縮数が約10山/inの高分子相互配列体繊維原綿を準
備した。この原綿を開綿、カード、クロスラッパーの各
工程を通しウェブとした。次いで、ステッチヤーンガイ
ドを有するマリモタイプの縫編機(ステッチ長1.5mm、
ゲージ18mm)に通し、速度1.2mで加工した。
得られた複合布帛構造物の不織布状面を直径0.1mmの孔
が0.6mm間隔で1列に並んだ噴射ノズルから、圧力70kg/
cm2で柱状熱水流を噴き当てる処理を行ない、その後乾
燥し目付175g/m2のシートを得た。このシート状物を150
℃で皮革様シボの彫刻されたエンボスロールで型押し
た。得られたシート状物は、フィブリル化交絡した極細
繊維と極細繊維束の絡合層にシボを有する銀面が形成さ
れ、前記極細繊維および極細繊維束がシートの厚み方向
に引き抜かれ、実質的に束状となって編物様ループ状部
分とが不離一体化された片面に編目模様を有する柔軟な
薄物銀面調シート状物であった。
実施例2 第2図に示したごとき繊維断面を有する細化可能型複合
繊維を形成するため特開昭54−125718に開示された海島
型多成分系繊維用紡糸口金を用いた。A成分がポリエチ
レンテレフタレート、B成分が熱水可溶型ポリエステ
ル、C成分にポリスチレンを用いて紡糸し、(A+B)
/B成分比率が50/50重量%、A/C成分比率が60/40重量
%、A、C成分で構成される本数が16本、その1本中に
A成分が8本あり、A成分1本の繊維デニールが約0.00
7dで、A、B、C成分が構成する複合繊維デニールが約
3.0d、繊維長が約38mm、ケン縮数約8山/inの原綿を作
成した。
この原綿を開綿機、カード、クロスラッパーを通しウェ
ブを作成した。次いで実施例1で用いた縫編機に同条件
で通し複合布帛構造物を得た。次いで、不織布状表面を
針密度700本/cm2となるようにニードルパンチを行ない
目付210g/m2のシートを得た。得られたシートを熱水中
で浸漬、ニップを繰り返し、収縮処理と同時にB成分を
溶解除去し乾燥した。次いで不織布状部分を形成するシ
ート面を実施例1と同条件で、通常の水を用いて柱状水
流噴き当て処理を行った後、乾燥した。水流噴き当て処
理を行なったシート表面に、2液ポリウレタン溶液をグ
ラビアコーターでもって5g/m2塗布し、160℃で皮革様シ
ボの彫刻されたエンボスロールで型押しを行なった。そ
の後、トリクロールエチレンを用いて、C成分を溶解除
去し乾燥した。このシートをサーキュラー染色機で100
℃で45分間液流による揉み処理を行なった。
得られたシート状物はフィブリル化交絡した極細繊維と
極細繊維束が交絡した部分表面に銀面が形成され、前記
極細繊維および極細繊維束がシートの厚み方向に引き抜
かれ、実質的に束状となって編物様ループ状層とが交絡
した、液流揉みによるランダムなシボとエンボスによる
型押しシボが適度にミックスされた片面に編目模様を有
する柔軟にして裏面タッチの優れたリバーシブル素材と
しても用いられる薄物化された銀面調シート状物であっ
た。
実施例3 実施例2で作成したと同じ複合布帛構造物を用いて、編
物様ループ状部分面同士を合せて積層し、針密度が1000
本/cm2となるようにニードルパンチを行なった。得られ
たシートを熱水中で浸漬、ニップを繰り返し、処理装置
と同時にB成分を溶解除去し乾燥した。次いでシートの
片面を実施例2と同条件で柱状水流噴き当て処理を行な
った後乾燥した。水流噴き当て処理を行なったシート面
の反対側から、溶液濃度8%のDMF系ポリウレタンを含
浸し、湿式凝固した。このシートを熱水中で脱溶媒処理
した後、乾燥した。次いで水流噴き当て処理を行なった
シート面上に2液ポリウレタン溶液をグラビアコーター
でもって4g/m2塗布し、160℃で皮革様シボを有するエン
ボスロールで型押しを行なった。その後、トリクロール
エチレンを用いて、C成分を溶解除去し乾燥した。次い
でエンボスロールで型押しをしなかった面をサンドペー
パーバフ装置でもって立毛処理を行なった。その後、ブ
ルー系の分散染料を用いてサーキュラー染色機で120
℃、60分間染色処理を行なった。
得られた銀面調シート状物は極細繊維おび極細繊維束が
形成する絡合部分と前記繊維がシートの厚み方向に引き
抜かれて形成された編物様ループ状部分とが三次元的に
絡合された基本構造が互いに不離一体化された、かつシ
ート内部の極細繊維および極細繊維束のまわりにポリウ
レタンが配置された銀面構造を有し、片面が立毛してい
るスエード調ライクな外観品位、タッチを有する柔軟性
に優れたブルー系に染色された銀面調シート状物であっ
た。
比較例1 実施例2で用いた細化可能型複合繊維原綿を開綿機、カ
ード、クロスラッパー、プレパンチ装置の各工程を通し
ウェブを作成した。このウェブを針密度700本/cm2とな
るようにニードルパンチを行ない目付220g/m2のシート
を得た。次いで熱水中に通し、収縮処理と同時にB成分
の溶解除去を行った後、乾燥した。
以後、実施例2と同じように加工処理を行なった。この
加工方法はニードルパンチによる絡合のみで、得異な絡
合構造を有していないために、かつ、低目付であるがた
めに、上記の熱水処理時における寸法安定性が悪く、均
一なポリウレタン膜塗布性が劣るものであった。得られ
た製品は、薄物化された銀綿調シート状物ではあった
が、実施例2に比し、製品強力の劣る外観、品位共に低
下したものであった。
比較例2 実施例1で用いた細化可能型複合繊維を繊維長10mmと19
0mmにカットした原綿を準備した。この2種類の原綿を
開綿機、カード、クロスラッパー装置に通しウェブを作
成した。繊維長10mmの原綿は、クロスラッパー装置出口
でウェブ切れが発生し、不均一なウェブとなり以後加工
を中止した。一方、繊維長190mmは均一なウェブとなっ
た。このウェブを実施例1と同条件で縫編機に通し加工
した。繊維長が長いためにステッチヤーンガイドニード
ルによる引き抜き性が悪化し、編物様ループ目が不均一
となり、シートが横段に入り、厚み斑、目付斑が発生
し、均一な複合布帛構造物が得られなかった。この複合
布帛構造物を用いて、以後実施例1と同様な加工を行な
った。
得られた製品は、実施例1に比し、厚みの不均一な、横
方向にシボ斑の発生した品位の劣るものであった。
[発明の効果] 本発明の銀面調シート状物は、その製造方法からして、
極細繊維および極細繊維束が従来にない高度な三次元的
絡合構造を有するがために、柔軟にして、製品強力、耐
磨耗性を保持した従来技術の限界を超えた薄物化が可能
である。
また、この基本構造をベースとして、種々の積層手段を
組合せることにより、自在に厚みが調整でき、風合、タ
ッチ、発色性、保温性、通気性、吸水性等を調整するこ
とが可能である。
更には、タテ方向に比してヨコ方向の伸縮性が大きくと
れるため、一方向への伸縮性を特に要求する用途に好ま
しい。立毛処理を組合せることにより、一面が銀面調を
有し、他面が立毛を有するリバーシブル使いが可能な銀
面調シート状物が得られる。編物様ループ状部分に銀面
を形成させれば、編目模様とシボとがおりなすインフォ
ーマルな外観品位を出すことができる。勿論、銀面に使
用しない場合においても、裏面に極細繊維が形成する、
タッチのよい編目模様を出すことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は本発明に用いられる細化可能型複合繊
維1本の断面概念図、第7図は本発明の銀面調シート状
物を得るための複合布帛構造物の繊維の形状を示す顕微
鏡写真断面図、第8図は複合布帛構造物の一面を形成す
る編物様ループ状部分の繊維の形状を示す顕微鏡写真表
面図、第9図は第8図の複合布帛構造物の反対面を形成
する不織布状部分の繊維の形状を示す顕微鏡写真表面図
である。 A:A成分 B:B成分 C:C成分 X:不織布状表面 X′:編物様ループ状表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/48 C D06M 11/05 (56)参考文献 特開 昭57−25482(JP,A) 特開 昭63−120149(JP,A) 特開 昭53−122875(JP,A) 実開 昭51−38074(JP,U) 特公 昭49−35100(JP,B1) 特公 昭53−37938(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.5デニール以下の極細繊維によって交絡
    形成された不織布状部分と該不織布状部分を形成する繊
    維がシートの厚み方向に実質的に束状に引き抜かれて形
    成された編物様ループ状部分とからなる繊維質シートの
    少なくとも片面が銀面調の表面を有することを特徴とす
    る銀面調シート状物。
  2. 【請求項2】少なくとも2種以上のポリマーからなる繊
    維長20mm以上150mm以下の細化可能型複合繊維をウェブ
    化し、次いで、ステッチヤーンガイドニードルを有する
    縫編機に該ウェブを通し、不織布状部分を編物様ループ
    状部分とが交絡した構造を有する複合布帛構造物を形成
    した後、少なくとも下記のイ〜ハの各工程を組合せて加
    工することを特徴とする銀面調シート状物の製造方法。 イ.複合布帛構造物をニードルパンチ、もしくは高速流
    体を噴き当てて交絡処理する工程。 ロ.細化可能型複合繊維を溶解又は熱処理または機械処
    理のいずれか、あるいは組合せて細化する工程。 ハ.不織布状部分表面および/または編物様ループ状部
    分表面を型押し、もしくはプレスする工程。
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