JPH0814063B2 - 立体感覚に優れた発色性を有するシ−ト状物 - Google Patents

立体感覚に優れた発色性を有するシ−ト状物

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JPH0814063B2
JPH0814063B2 JP62002019A JP201987A JPH0814063B2 JP H0814063 B2 JPH0814063 B2 JP H0814063B2 JP 62002019 A JP62002019 A JP 62002019A JP 201987 A JP201987 A JP 201987A JP H0814063 B2 JPH0814063 B2 JP H0814063B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は表裏色彩が異なり、かつ、実質的に片面がス
トライプ状の模様を有した霜降り調の立体感覚に優れた
シート状物に関するものである。
[従来の技術] 従来、天然皮革および人工皮革の色彩は単色系が主体
であったために消費者にあきられやすく、また、フォー
マルな感覚を与えるものであった。
これに反し、高級感を持ちながらかつインフォーマル
な感覚を与える混色ウールタイプ製品は衣類の種類を問
わず、現在もなお多くの人々に愛用されているのは周知
の通りである。この点が注目され天然皮革にはなくて人
工皮革技術をもって生みだされた混色タイプの人工皮革
製品が提供されている。例えば、特開昭53−2667号、特
開昭53−11833号に開示されている。これらの技術は共
に発色性の異なる繊維を混繊することにより、その比率
を変えて得ようとするものである。
混色タイプすなわち霜降り調色彩の中には大別すると
2種のタイプがあり、濃色系を主体とする中に淡色系が
混在した、いわゆるメラジン調と言われるタイプ、更に
淡色系を主体とする中に濃色系が混在した,いわゆるヘ
ザー調と言われるタイプである。上記に示した混繊方式
技術をもって、この2種類のタイプを得ようとした場
合、例えばメラジン調においては、均一な混繊となるた
めに濃色の中に淡色が混在していても、はなれて見ると
外観上単色の色彩にしか感じられず立体感覚が損われて
しまう。逆に淡色系を多くしてヘザー調をねらっても同
じような欠点が生じる。また、これらの中間的混色をね
らうとケバケバした落ち着きのない色彩となり、高級感
のある立体感覚に優れた発色性を有する製品を得ること
が困難であった。またこれらの技術をもってして得られ
る製品は、実質的に表裏の発色がにかよったものとな
り、リバーシブル素材として使用できず、かつ、表裏の
外観品位、風合、タッチを変化に富んだものとすること
は不可能であった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は霜降り調シートとすることによって生ずる。
前記従来技術の不均衡な問題点を一挙に解決した立体感
覚に優れた発色性を有するシート状物を提供するもので
ある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは上記の問題点に解決すべく鋭意研究した
結果、遂に本発明に到達したものである。
即ち本発明の要旨は次の通りである。
(1)少なくともA、B2種以上の発色性の異なる繊維か
らなり、主として繊維Aからなる層と主として繊維Bか
らなる層とが交絡一体化したシートであって、主として
繊維Bからなる層の外面に、主として繊維Aからなる層
の繊維Aの一部を実質的に束状にシートの厚み方向に引
き抜いて形成された編目様ループ絡合を連続的に有した
ストライプ状の模様を有し、かつ主として繊維Aからな
る層および/または主として繊維Bからなる層は繊維A
と繊維Bとが混ざりあった霜降調の色彩を有したことを
特徴とする立体感覚に優れた発色性を有するシート状
物。
(2)シート状物が高分子弾性体の付与されたものであ
る特許請求の範囲第(1)項に記載の立体感覚に優れた
発色性を有するシート状物。
(3)シート状物を形成する繊維が、少なくとも1種以
上の極細繊維を用いたものである特許請求の範囲第
(1)項に記載の立体感覚に優れた発色性を有するシー
ト状物。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる発色性の異なる繊維とは、次のよ
うな繊維形成性ポリマーが用いられる。例えば、ナイロ
ン−6、12、66その他の共重合ナイロン等のポリアミド
類、ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合体、
ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体等のポ
リエステル類、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリ
オレフィン類、ポリウレタン、ポリアクリルロトリル、
ポリビニールアルコール、ポリスチレンおよびその共重
合体、ポリフェニレンスルファイド、焼成無機繊維類等
が用いられる。繊維の断面形状については特に限定する
ものではなく、円形、変形型、中空型、芯鞘型等のあら
ゆる形状が、目的・用途に応じて用いられる。
本発明において発色性が異なるとは、上記の繊維類に
おいて、.染料染着性の異なるポリマーの組合せ、
.繊維デニールの異なる同種または異種ポリマーの組
合せ、.原着化された同種または異種ポリマーの組合
せ、.のいずれかの組合せによって発色性に差
異を生じさせることを示唆するものである。具体的組合
せの例については以後の説明中で明らかになるであろ
う。
これらの発色性の異なる繊維層が交絡一体化したシー
トとは、従来技術の発色性の異なる繊維を混繊した繊維
ウエブをニードルパンチあるいは高速流体噴き当て等の
絡合手段によって得られる通常の三次元的交絡をした不
織布構造とは異なるものである。すなわち、発色性の異
なる繊維Aが主として形成する従来の不織布状絡合部分
の層と、該不織布状絡合部分を形成する同一繊維がその
下に積層される主として繊維Bが形成する不織布状絡合
部分を実質的に束状にかつシートの厚み方向に引き抜か
れ、繊維B層の上に一方向に連続した編物様ループ状絡
合を形成したものであって、単に不織布構造でもなく、
単に編物構造でもない両者を同時に合せ持つ高度な絡合
構造を有するシート状物である。従って、このシートを
例えば繊維Aが染色されて繊維Bが染色されない黒糸の
染料でもって染色加工を施した場合、繊維Aが形成する
不織布状絡合表面は実質的に均一な黒色の発色を有し、
他面においては実質的に染色されていない繊維Bの上に
黒色に染色された繊維Aが編物様ループ状のストライプ
模様を形成し、かつ、繊維AとBが混在した霜降り調の
色彩が得られる。ところが従来技術の単なる混繊によっ
て得られるシートは、白黒色の霜降り調であるが、こな
れがよく表面の発色が単調となり本発明法により得られ
るようなストライプ状の模様を有さない。また従来技術
では、近くでは霜降り調にみえるが、遠方からは単色に
しかみえないため立体感覚に劣るものとなる。また表裏
の色彩が実質的に同程度となり、リバーシブル素材とし
ても使用できないものとなることはシート構造からして
明白であろう。
従来の霜降り調タイプはA、B繊維の混繊比率によっ
て色彩を変化させるものであったが、本発明によると、
特に混繊比率を変化させなくとも、シート表面に形成さ
れる編物様ループ状絡合部分の感覚を調整することによ
って、容易に霜降り度合を変化させることができる。こ
の点、コストおよび加工性面からしても従来技術に比較
し、優れたものである。
勿論、2種以上の発色性の異なる繊維を混繊したもの
を積層すれば、よりマイルドな落ち着きのある上品なス
トライプ状模様を有した立体感覚に優れた霜降り調のシ
ート状物とすることもできる。
本発明でいうシート状物の片面が実質的に均一な色彩
を有するとは、単色で均一な色彩あるいは均一に混色さ
れた色彩を示唆するものである。このことは後述する製
造方法の説明の中で明らかにされる。
本発明に用いる各種繊維の太さは、通常30デニール以
下のものである。本発明のシート状物を柔軟化あるいは
スエードライクな風合、タッチ、外観品位にする場合に
は、少なくとも1種以上の繊維を1.0デニール以下の極
細繊維とするのが好ましい。極細繊維は公知の複合溶融
紡糸技術、例えば高分子相互配列体繊維、海島型ブレン
ド繊維、菊花状分割型繊維等を適用することによって得
ることができる。
これらの複合繊維を形成する繊維形成ポリマーとして
は、例えば、ナイロン6、12、66、その他の共重合ナイ
ロン等のポリアミド類、ポリエチレンテレフタレートお
よびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよび
その共重合体等のポリエステル類、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等のポリオレフィン類、ポリアクリロニトリ
ル、ポリウレタン、ポリビニールアルコール、共重合ポ
リビニールアルコール、ポリスチレンおよびその共重合
体、熱水可溶型ポリエステル、熱水可溶性ポリアミド、
ポリフェニレンスルファイド等のあらゆる繊維形成性ポ
リマーが用いられる。その組合せは溶媒への溶解性ある
いは熱処理、機械的処理による剥離、分割性複合繊維で
ない他の繊維との組合せを考慮して組合せればよい。
本発明のシート状物は皮革ライクな風合を出すため
に、また、製品の物性をより高めるために、高分子弾性
体を付与するのが好ましい。高分子弾性体とは、ポリウ
レタンやアクリル樹脂、硬化シリコーンゴム、アクリロ
ニトリルブタジエンラバー、ブタジエンラバー、天然ゴ
ム、ポリ塩化ビニール、ポリアミド等の一般公知の高分
子弾性体を適用することができる。また、これらの高分
子弾性体中に安定剤、顔料等の添加剤が付与されたもの
であってもよい。
以下に本発明のシート状物を具体的に製造方法をもっ
て、より詳細に説明する。
まず発色性の異なるステープルファイバーを準備す
る。例えば、染料により染色性を異にするものとして、
分散染料可染型繊維にはポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートあるいはこれらの共重合体
等があり、塩基性可染型繊維としては、−SO3Me基、特
に−SO3Na基をもつもの、または混合してなるもの、例
えば、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリブチレ
ンテレフタレート、ポリアミド等にイソフタル酸ナトリ
ウムスルホネートなどの共重合したもの、あるいは混合
したものがある。
酸性染料可染型繊維としては、−NH2末端基をもつポ
リアミド等で、ナイロン6、12、66、610などがあげら
れる。
直接または反応性可染型繊維としては、反応性基を有
するものであれば良い。例えばポリビニールアルコール
系のもの、セルロース系のもの等があげられる。これら
の各種染料により染色される繊維はいずれも公知であ
り、例示した以外のものも使用可能であることは言うま
でもない。
これらの群から選ばれた少なくとも2種の繊維を組合
せる。
次に繊維デニールの異なる同種または異種ポリマーの
組合せによる発色性の異なる繊維としては前記の染料染
色性の異なる繊維または同一染料により染色される繊維
の太さをかえたものを組合せる。繊維デニールとしては
通常30デニール以下において、太デニール繊維と細デニ
ール繊維のデニール比は使用する染料によって異なるた
め一概には限定できないが、通常3倍以上であることが
発色性差をだすのに好ましい。細デニール繊維は前述し
た複合繊維を用い、細化処理するのが、加工性の点で好
ましい。
次に原着化された同種または異種ポリマーの組合せに
よる発色性の異なる繊維としては、前記の染料染色性の
異なるポリマーまたは同一染料により染色されるポリマ
ーに無機系あるいは有機系の顔料を添加した繊維を組合
せる。
更には、これまでに記載した発色性の差を生じさせる
手段を組合せることも可能である。
具体的な一例として、適度なケン縮を付与した、繊維
長20mm以上、150mm以下のポリエチレンテレフタレート
繊維(A)とイソフタル酸ナトリウムスルホネートを共
重合したポリエチレンテレフタレート繊維(B)を、そ
れぞれ別々に開綿、カード、クロスラッパーM/Cにかけ
てそれぞれウエブを作成する。この時、繊維長が20mm未
満であるとカード、クロスラッパー工程においてウエブ
切れが発生して好ましくない。また150mmを越えると後
述する縫編加工処理時に支障を誘発し好ましくない。
この2種類のウエブを上下に積層し、ステッチヤーン
ガイドニードルを有する縫編機に通し加工する。ここで
言うステッチヤーンガイドニードルとは通常のニードル
パンチに用いられる単に突刺して繊維を一方向に移動さ
せるものではなく、原理的にはニードル先端が一般に言
うベラ針のごとき構造、作用を有するものである。従っ
て繊維A層とB層の積層ウエブを繊維A層側から繊維B
層側へこのステッチヤーンガイドニードルが貫通し、そ
の後、再度繊維A層側に引き抜かれる。この時、ベラ針
のごとき作用が働き、実質的に繊維Bを束状として捕ま
え繊維A層を貫通し、繊維A層表面に実質的に繊維Bか
らなるループ(オールドループ)を形成する。次いで、
このオールドループの中を再度、ニードルが繊維A層お
よびB層を貫通し、繊維Bを束状として捕まえて再度オ
ールドループの中を通って引き抜かれループ(ニュール
ープ)を形成する。このオールドループとニューループ
を形成する動作が縫編機の全巾方向において繰り返し行
なわれるためシートのタテ方向に連続した編物様ループ
状絡合が形成され、反対面は繊維B層で形成される不織
布状層が残り、これらが不離一体化されたシートが得ら
れる。この工程において、繊維長が150mmを超えている
と、ステッチヤーンガイドニードルによる繊維の引き抜
き抵抗がきつくなり、繊維の移動がスムースに行なわれ
ず、均一な編物様ループを形成することが困難となり、
シートの横方向に斑が発生し、目付斑、厚み斑が多発し
好ましくない。
得られたシートの主として繊維Bが形成する不織布層
側をニードルパンチあるいは高速流体噴射処理を行な
う。この加工によって、繊維Bは繊維Aと編物様ループ
を形成する繊維Bとが構成している絡合層内部および外
部表面に露出する。次いで、このシートをカチオン染
料、例えば黒色系カチオン染料を用いて染色処理を行な
う。
かくして得られたシートは、不織布状表面を有する片
面が実質的に均一な黒色の発色を有し、一方の面におい
ては、白黒色のミックスされた霜降り調の色彩の中に黒
色の編物様ループが、タテ方向にストライプ状の模様を
有した立体感覚に優れた表裏発色性の異なるリバーシブ
ル素材として好適なシート状物を製造することができる
のである。
シート中に高分子弾性体を付与する場合は、例えばDM
F系ポリウレタンを目的、用途に応じて適量含浸し、湿
式凝固させた後、温水中で脱DMF処理を行ない乾燥す
る。次いで、染色処理を行なうものである。この製品は
適度なパッカビリティーを有する耐摩耗性、強力が向上
した立体感覚に優れた、リバーシブル素材として好適な
シート状物が得られる。
本発明において使用する繊維Aがポリエチレンテレフ
タレート/ポリスチレン、繊維Bがイソフタル酸ナトリ
ウムスルホネート共重合ポリエチレンテレフタレート/
ポリスチレンの組合せからなる高分子相互配列体繊維を
用いた場合、前記の具体例と同様な加工を行ないシート
を形成する。次いでこのシートをトリクロールエチレン
中に通して高分子相互配列体繊維のポリスチレンを除去
し、繊維AおよびBを極細化する。これを前記と同様の
黒色系カチオン染料を用いて染色処理を行なう。かくし
て得られたシートは、極細繊維が形成する不織布状表面
が実質的に均一な黒色の発色を有し、一方の面において
は、極細繊維が形成する白黒色のミックスされた霜降り
調の色彩の中に黒色の極細繊維からなる編物様ループ
が、タテ方向にストライプ状の模様を有した柔軟にし
て、スエードタッチな外観品位をもった、立体感覚に優
れた表裏発色性の異なるリバーシブル素材として好適な
シート状物が得られるのである。
本発明において、加工工程の間に通常の人工皮革製造
の技術、例えば、シートの収縮処理あるいはポリビニー
ルアルコールなどの形態保型剤の付与あるいは立毛処理
等を自由に組合せてもなんらさしつかえない。また本発
明のシート状物をより高付加価値な製品とするために、
仕上樹脂の塗布処理、撥水処理、揉み処理などの高次加
工処理を行なってもよい。
本発明のシート状物は、衣料用、産業用、家具用、壁
装用、インテリヤ用などのあらゆる分野に使用すること
ができる。特に色目を重視する分野において特に有効に
活用できる。
以下に本発明を実施例にて詳細に説明するが、これら
の実施例によって、本発明が制約、限定されるものでは
ない。むしろ、次の応用発展をもたらすものである。
[実施例] 実施例1 次に示した発色性の異なる2種類の繊維を準備した。
(1)繊維(A) 繊維デニール1.0d、繊維長51mm、ケン縮数約10山/in
のポリエチレンテレフタレートからなる繊維。
(2)繊維(B) 繊維デニール1.5d、繊維長51mm、ケン縮数約8山/in
のイソフタル酸ナトリウムスルホネート、8.0mol%(対
全酸性分)共重合ポリエチレンテレフタレートからなる
繊維。
繊維AおよびBを別々に同量を開綿、カード、クロス
ラッパーM/Cに通し、ウエブを作成した。次いでこの繊
維A、Bのウエブを上下に積層し、ステッチヤーンガイ
ドニードルを有するマリモタイプの縫編機に、繊維Aか
らなるウエブが縫編機のステッチヤーンガイドニードル
側にくるようにし、ステッチ長1.5mm、ゲージ18mmとし
速度1.2mで加工した。次いで、縫編様ループを形成して
いないシート面を針密度1000本/cm2となるようにニード
ルパンチを行なった。得られた繊維シートを沸水中に通
し、収縮処理を行ない、出口でマングルニップを行なっ
た後、乾燥した。このものをグレー系の分散染料とブラ
ック系のカチオン染料を用いて、120℃で45分間一浴染
色処理を行なった。
かくして得られた製品は、一面が実質的に均一な黒色
を有した不織布状表面であり、他面が黒色とグレー色の
混在した霜降り調の中に、一方向に黒色の編物様ループ
状のストライプ模様を有したリバーシブル素材として好
適な立体感覚に優れたシート状物であった。
実施例2 次に示した2種類の複合繊維を準備した。
(1)繊維(A) 島成分がポリエチレンテレフタレート、海成分がポリ
スチレンからなる高分子相互配列体型繊維であって、 島成分/海成分比率:55/45重量% 複合繊維デニール:3.0d 島本数:36本 島繊維デニール:0.048d ケン縮数:約10山/in 繊維長:約51mm (2)繊維(B) 島成分がイソフタル酸ナトリウムスルホネート3.8mol
%(対全酸性分)共重合ポリエチレンテレフタレート、
海成分がポリスチレンからなる高分子相互配列体型繊維
であって、 島成分/海成分比率:57/43重量% 複合繊維デニール:3.8d 島本数:16本 島繊維デニール:0.135d ケン縮数:約11山/in 繊維長:約51mm 繊維AおよびBを別々に同量を開綿、カード、クロス
ラッパーM/Cに通し、ウエブを作成した。次いで繊維
A、Bのウエブを上下に積層し、実施例1と同様に、繊
維Aからなるウエブが縫編機のステッチヤーンガイドニ
ードル側にくるようにし、実施例1と同条件で加工し
た。次いで実施例1と同様にニードルパンチを行なっ
た。得られたシートを熱水中に通し、収縮処理を行なっ
た後、乾燥した。
このものに、ポリビニールアルコール溶液を全島成分
重量に対して、固形分で10%付着するように含浸した
後、乾燥した。次いでトリクロールエチレン中に浸漬
し、ニップして脱海処理を行なった後、乾燥した。しか
る後、DMF系ポリウレタン溶液を全島成分に対して、固
形分で20%付着するように含浸した後、湿式凝固し、温
水中で脱溶媒、脱ポリビニールアルコール処理を行ない
乾燥した。次いで、シートのニードリングした側をサン
ドペーパーでもって積極的にバフィングし、他面を軽く
酢化処理した。得られた生機を実施例1と同条件で染色
処理を行なった。
かくして得られた製品は、一面が実施的に均一な黒色
の立毛を有し、立面が黒色とグレー色の混在した霜降り
調の中に、一方向に黒色の編物様ループ状のストライプ
模様を有したスエード調の外観品位、適度なパッカビリ
ティーを兼備えたリバーシブル素材として好適な立体感
覚に優れたシート状物であった。
比較例1 実施例1で用いた繊維AとBを同量混繊し、開綿、カ
ード、クロスラッパーM/Cにかけてウエブ(I)を作成
した。一方、実施例2で用いた繊維AとBも同量混繊し
ウエブ(II)を作成した。ウエブ(I)およびウエブ
(II)をそれぞれ実施例1と同様にニードルパンチし、
シート(I)、(II)を得た。得られたシート(I)を
実施例1と同様に染色処理し、シート(II)については
実施例2と同様の加工を行ない染色処理した。
シート(I)から得られた製品は、特異な絡合構造を
有していないために、毛布状となり品位の劣るものとな
り、発色性は表裏、実質的に差がなく、黒とグレーが混
在した霜降り調ではあるが、ケバケバした落ち着きのな
い、立体感覚に欠けたものであった。一方、シート(I
I)から得られた製品もスエード調の外観品位を有する
ものの、表裏の発色性は実質的に差がなく、シート
(I)から得られた製品と同様に、立体感覚に劣る、リ
バーシブル素材としては不適当なものであった。
[発明の効果] 本発明のシート状物は、特異な絡合構造を有するが故
に、以下の様な優れた効果を発揮することができる。
片面が実質的に均一な発色性を保持し、他面が霜降
り調で、かつ、ストライプ状の模様を有するがために、
立体感覚に優れた製品を得ることができる。
表裏の発色性および品位、タッチ、外観が異なるた
めに、リバーシブル素材として好適に利用することがで
きる。
霜降り調の度合は、従来の混繊比率を、その都度か
えてウエブを作る必要はなく、縫編機のニードリング条
件をかえるだけで変化に富んだ製品を作ることができ、
加工安定性、経済的にも有利である。
特異な絡合構成を有するシートからなるため製品強
力の低下を押えて、耐摩耗性の向上した立体感覚に優れ
た薄物シート化が可能である。
従って、従来の人工皮革は、主としてアウターウエア
ーが主体であったが、本発明はインナーウエアーにも使
用可能である。
本発明品をスリットヤーンにすると、織編物として
立体感覚に富んだ製品を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともA、B2種以上の発色性の異なる
    繊維からなり、主として繊維Aからなる層と主として繊
    維Bからなる層とが交絡一体化したシートであって、主
    として繊維Bからなる層の外面に、主として繊維Aから
    なる層の繊維Aの一部を実質的に束状にシートの厚み方
    向に引き抜いて形成された編目様ループ絡合を連続的に
    有したストライプ状の模様を有し、かつ主として繊維A
    からなる層および/または主として繊維Bからなる層は
    繊維Aと繊維Bとが混ざりあった霜降調の色彩を有した
    ことを特徴とする立体感覚に優れた発色性を有するシー
    ト状物。
  2. 【請求項2】シート状物が高分子弾性体の付与されたも
    のである特許請求の範囲第1項に記載の立体感覚に優れ
    た発色性を有するシート状物。
  3. 【請求項3】シート状物を形成する繊維が、少なくとも
    1種以上の極細繊維を用いたものである特許請求の範囲
    第1項に記載の立体感覚に優れた発色性を有するシート
    状物。
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