JP2000248223A - フッ素樹脂塗料および処理物品 - Google Patents

フッ素樹脂塗料および処理物品

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JP2000248223A
JP2000248223A JP11051278A JP5127899A JP2000248223A JP 2000248223 A JP2000248223 A JP 2000248223A JP 11051278 A JP11051278 A JP 11051278A JP 5127899 A JP5127899 A JP 5127899A JP 2000248223 A JP2000248223 A JP 2000248223A
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organic group
coating composition
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JP11051278A
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Yutaka Furukawa
豊 古川
Masami Kodera
真美 小寺
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた撥水性とその耐久性に優れた塗料組成物
および処理基材の提供。 【解決手段】フッ素樹脂と、フルオロシリコーン化合物
(ケイ素原子に1価含フッ素有機基が結合したオルガノ
シロキサン単位を含む化合物)を含む塗料組成物。さら
に、無機酸化物(光触媒作用を有する酸化チタン、シリ
カ等)を含むことで耐汚れ性等の機能も付与。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素樹脂とフル
オロシリコーン化合物を含む塗料組成物および処理物品
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の塗料組成物には、フルオロオレフ
ィンと種々の炭化水素との共重合体による1成分系の塗
料組成物、または、テトラフルオロエチレンもしくはフ
ッ化ビニリデンを主成分とし、アクリル樹脂を混合した
2成分系の塗料組成物がある。しかし、これらの塗料組
成物を用いて形成した塗膜(以下、塗膜ともいう。)の
撥水性は水の接触角で表すと80度前後であり、屋外で
使用した場合、排気ガス、砂塵、粉塵等が塗膜表面に付
着することにより、撥水性が低下する問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、処理基材
表面の撥水性の低下は、塗膜の表面に排気ガス等の有機
物質が付着し、さらにその有機物質に粉塵や砂塵が付着
して表面を覆うことに起因することをつきとめ、こうし
た原因を取り除く視点から本発明を完成させた。
【0004】本発明は撥水性、難着雪性または難着氷性
に優れる塗膜を形成できる塗料組成物の提供を目的とす
る。また、排気ガス、砂塵または粉塵等が塗膜の表面に
付着せず、撥水性が低下しない、強度の向上した塗膜を
形成できる塗料組成物の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、フッ素樹脂と
下記フルオロシリコーン化合物(A)とを含む塗料組成
物である。 フルオロシリコーン化合物(A):ケイ素原子に下式1
で表される1価含フッ素有機基が結合したオルガノシロ
キサン単位(A1 )を含むフルオロシリコーン化合物。 −X−Rf ・・・式1 ただし、式1中の記号は以下の意味を示す。 Rf :1価ポリフルオロ炭化水素基、または、エーテル
性酸素原子を含む1価ポリフルオロ炭化水素基。 X:2価有機基。
【0006】
【発明の実施の形態】本明細書において「有機基」は炭
素原子を含む基をいい、「炭化水素基」は、「エーテル
性の酸素原子を含む」等の記載がないかぎり、炭素原子
と水素原子のみからなる基をいう。炭化水素基は、芳香
族炭化水素基または脂肪族炭化水素基のいずれでもよ
く、脂肪族炭化水素基が好ましく、特にアルキル基が好
ましい。
【0007】本発明の塗料組成物は、撥水性に優れたフ
ルオロシリコーン化合物(A)を含むことを特徴とす
る。フルオロシリコーン化合物(A)は、ケイ素原子に
下式1で表される1価含フッ素有機基が結合したオルガ
ノシロキサン単位(A1 )を含むフルオロシリコーン化
合物である。すなわち、シロキサン単位のケイ素原子に
エーテル性の酸素原子を含んでいてもよい1価ポリフル
オロ炭化水素基が結合したオルガノシロキサン単位を含
む化合物である。 −X−Rf ・・・式1 ただし、式1中の記号は以下の意味を示す。 Rf :1価ポリフルオロ炭化水素基、または、エーテル
性酸素原子を含む1価ポリフルオロ炭化水素基。 X:2価有機基。
【0008】また、フルオロシリコーン化合物(A)
は、オルガノシロキサン単位が2個以上重合した化合物
であり、該オルガノシロキサン単位としてオルガノシロ
キサ単位(A1 )、および、ケイ素原子に下式2で表さ
れる1価加水分解性有機基が結合したオルガノシロキサ
ン単位(A2 )、を必須とするフルオロシリコーン化合
物である。 −(CH2a Si(R13-b (Y)b ・・式2 ただし、式2中の記号は以下の意味を示す。 R1 :1価有機基。 Y:加水分解性基。 a:1以上の整数。 b:1、2または3。
【0009】1価含フッ素有機基(式1)におけるRf
は、1価ポリフルオロ炭化水素基、または、エーテル性
の酸素原子を含む1価ポリフルオロ炭化水素基、を示
す。1価ポリフルオロ炭化水素基である場合、該基は1
価炭化水素基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換
された基であり、ポリフルオロアルキル基が好ましい。
【0010】1価ポリフルオロ炭化水素基中のフッ素原
子の割合は、(1価ポリフルオロ炭化水素基中のフッ素
原子数)/(1価ポリフルオロ炭化水素基に対応する同
一炭素原子数の炭化水素基中の水素原子数)×100
(%)で表現した場合に60%以上であるのが好まし
く、特には80%以上であるのが好ましく、さらには実
質的に100%である場合、すなわち1価炭化水素基の
水素原子の実質的に全てがフッ素原子に置換された「1
価ペルフルオロ炭化水素基」であるのが好ましい。
【0011】また、1価ポリフルオロ炭化水素基は、直
鎖構造であっても分岐構造であってもよく、直鎖構造が
特に好ましい。分岐構造である場合には、分岐部分の炭
素数1〜3程度の短鎖であるのが好ましく、分岐部分が
1価ポリフルオロ炭化水素基の末端部分に存在している
構造が好ましい。1価ポリフルオロ炭化水素基の炭素数
は1〜18が好ましく、特に4〜12が好ましい。さら
に、1価ポリフルオロ炭化水素基としては、ポリフルオ
ロアルキル基が好ましく、ペルフルオロアルキル基がよ
り好ましい。ペルフルオロアルキル基の炭素数は1〜1
8が好ましく、特に4〜12が好ましい。
【0012】1価ポリフルオロ炭化水素基の具体例とし
ては、以下に示す例が挙げられる。なお、以下の具体例
中には、それぞれ構造異性の基に相当する基も含まれ
る。 C49 −[ただし、CF3 (CF23 −、(CF
32 CFCF2 −、(CF33 C−、CF3 CF2
CF(CF3 )−等の構造異性の基のいずれであっても
よい]、C511−[ただし、CF3 (CF24 −、
(CF32 CF(CF22 −、(CF33 CCF
2 −、CF3 (CF22 CF(CF3 )−等の構造異
性の基のいずれであってもよい]、C613−[ただ
し、CF3 (CF22 C(CF32 −等の構造異性
の基のいずれであってもよい]、C817−、C1021
−、C1225−、C1429−、C1633−、C18
37−、C2041−、HCt2t−(tは1以上の整
数)。
【0013】また、エーテル性酸素原子を含む1価ポリ
フルオロ炭化水素基とは、上記の1価ポリフルオロ炭化
水素基中の炭素−炭素結合間、または、上記の1価ポリ
フルオロ炭化水素基の結合末端の炭素原子にエーテル性
の酸素原子が挿入された基をいい、1価ポリフルオロ炭
化水素基中の炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が
結合した基が好ましい。
【0014】エーテル性酸素原子を含む1価ポリフルオ
ロ炭化水素基としては、ポリフルオロオキシアルキレン
部分を含む基が好ましく、特にペルフルオロオキシアル
キレン部分を含む基が好ましく、とりわけ、ペルフルオ
ロオキシアルキレン部分を含みかつ末端がペルフルオロ
アルキル基である基が好ましい。該ペルフルオロオキシ
アルキレン部分としては、ペルフルオロオキシメチレ
ン、ペルフルオロオキシエチレン、ペルフルオロオキシ
プロピレン、ペルフルオロオキシブチレン等が挙げられ
る。
【0015】エーテル性酸素原子を含む1価ポリフルオ
ロ炭化水素基の具体例としては、以下に示す例が挙げら
れる。
【0016】
【化2】CF3 (CF24 OCF(CF3 )−、 F[CF(CF3 )CF2 O]u CF(CF3 )CF2
CF2 −(uは1以上の整数)、 F[CF(CF3 )CF2 O]y CF(CF3 )−(y
は1以上の整数)、 F(CF2 CF2 CF2 O)v CF2 CF2 −(vは1
以上の整数)、 (CF2 CF2 O)w CF2 CF2 −(wは1以上の整
数)。
【0017】1価含フッ素有機基(式1)中のXは2価
有機基であり、2価炭化水素基、または、炭素−炭素結
合間にエーテル性酸素原子を含む2価炭化水素基、を示
す。2価炭化水素基としては、アルキレン基が好まし
く、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。とり
わけ、−(CH2i −(ここで、iは1〜20の整
数、好ましくは4〜8の整数である。)で表される直鎖
構造のアルキレン基が好ましい。分岐構造である場合に
は、分岐部分の炭素数が1〜3程度の短鎖のものが好ま
しい。炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子を含む2
価炭化水素基としては、上記アルキレン基の炭素−炭素
結合間の1か所にエーテル性酸素原子が挿入された基が
好ましい。
【0018】1価含フッ素有機基(式1)は、下式1
a、下式1b、または下式1cで表される基であるのが
好ましい。ただし、式1a、式1b、および式1c中の
記号は、下記の意味を示す。 Rf1、Rf3:それぞれ独立に、1価ポリフルオロ炭化水
素基。 Rf2:エーテル性酸素原子を含む1価ポリフルオロ炭化
水素基。 X1 、X2 、X3 、X4 、およびX5 :それぞれ独立
に、2価炭化水素基。 Rf1−X1 −・・・式1a Rf2−X2 −O−X3 −・・・式1b Rf3−X4 −O−X5 −・・・式1c
【0019】Rf1、Rf2、Rf3としては、それぞれ、上
記の1価ポリフルオロ炭化水素基、または、エーテル性
酸素原子を含む1価ポリフルオロ炭化水素基、の好まし
い態様として説明した基が好ましい。X1 、X2 、X
3 、X4 、およびX5 は、それぞれ独立に、−(CH
2h −(ここで、hは1〜10の整数、好ましくは2
〜4の整数である。)で表される直鎖のアルキレン基が
好ましい。
【0020】さらに、1価含フッ素有機基(式1)は、
下式1a’、下式1b’、または下式1c’で表される
1価含フッ素有機基であるのが好ましい。ただし、式1
a’、式1b’、および式1c’中の記号は、下記の意
味を示す。 d:1〜18の整数、好ましくは6〜12の整数。 e:0〜10の整数、好ましくは1〜5の整数。 g:1〜18の整数、好ましくは4〜12の整数。 X1 、X2 、X3 、X4 、X5 :それぞれ独立に、2価
炭化水素基であり、好ましくは直鎖アルキレン基。
【0021】
【化3】 F(CF2d −X1 − ・・・式1a’ F[CF(CF3 )CF2 O]e CF(CF3 )−X2 −O−X3 − ・・・式1b’ F(CF2g −X4 −O−X5 − ・・・式1c’
【0022】式1a’の具体例を挙げる。下式中のペル
フルオロアルキル基は、直鎖構造であるのが好ましい。 C49 −(CH22 −、 C49 −(CH23 −、 C49 −(CH24 −、 C511−(CH22 −、 C511−(CH23 −、 C613−(CH22 −、 C817−(CH22 −、 C817−(CH23 −、 C817−(CH24 −、 C919−(CH22 −、 C919−(CH23 −、 C1021−(CH22 −。
【0023】式1b’の具体例を挙げる。
【0024】
【化4】F[CF(CF3 )CF2 O]2 CF(CF
3 )CH2 O(CH23 −、 F[CF(CF3 )CF2 O]4 CF(CF3 )CH2
O(CH23 −、 F(CF2 CF2 CF2 O)2 CF2 CF2 CH2
(CH23 −。
【0025】式1c’の具体例を挙げる。ただし、下式
中のペルフルオロアルキル基は直鎖構造であるのが好ま
しい。 C49 −(CH22 −O−(CH23 −、 C613−(CH22 −O−(CH23 −、 C817−(CH22 −O−(CH23 −、 C817−(CH23 −O−(CH23 −。
【0026】フルオロシリコーン化合物(A)は、オル
ガノシロキサン単位(A1 )を必須とする。オルガノシ
ロキサン単位(A1 )としては、(R14)(A10)Si
2/2 、(A102 SiO2/2 、(A10)SiO3/2
(A103 SiO1/2 、(R13)(R15)(A10)Si
1/2 、(R142 (A10)SiO1/2 [ただし、A10
は1価含フッ素有機基(式1)を示し、R14およびR15
は、それぞれ独立に1価有機基を示し、他の有機基が好
ましい。]が挙げられる。
【0027】他の有機基とは、1価含フッ素有機基(式
1)および1価加水分解性有機基(式2)以外の有機基
であり、1価炭化水素基が好ましく、特にアルキル基が
好ましい。アルキル基の炭素原子数は1〜10が好まし
く、特に1〜4が好ましく、とりわけ1(すなわちメチ
ル基)が好ましい。また、アルキル基は直鎖構造が好ま
しい。
【0028】フルオロシリコーン化合物(A)は、オル
ガノシロキサン単位(A1 )とともに下式2で表される
ケイ素原子に1価加水分解性基が結合したオルガノシロ
キサン結合(A2 )を必須とするフルオロシリコーン化
合物であるのが好ましい。 −(CH2a Si(R13-b (Y)b ・・式2 ただし、式2中の記号は以下の意味を示す。 R1 :1価有機基。 Y:加水分解性基。 a:1以上の整数。 b:1、2または3。
【0029】1価加水分解性有機基(式2)におけるR
1 は1価炭化水素基が好ましく、特にアルキル基が好ま
しい。これらアルキル基の炭素原子数は1〜10が好ま
しく、特に1〜4が好ましく、とりわけ1(すなわちメ
チル基)であるのが好ましい。アルキル基は直鎖構造が
好ましい。
【0030】また、1価加水分解性有機基(式2)にお
けるYは加水分解性基を示し、塩素原子、臭素原子、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が例示され、メ
トキシ基が好ましい。aは1〜3の整数が好ましく、特
に3が好ましい。bは2または3が好ましく、特に3が
好ましい。
【0031】1価加水分解性有機基(式2)の具体例を
挙げる。 −(CH22 Si(OCH33 、 −(CH22 Si(CH3 )(OCH32 、 −(CH23 SiCl3 、 −(CH23 Si(CH3 )Cl2 、 −(CH23 Si(OC253 、 −(CH23 Si(CH3 )(OC252 、 −(CH23 Si(OCH33 、 −(CH23 Si(CH3 )(OCH32
【0032】オルガノシロキサン単位(A2 )として
は、(R16)(B10)SiO2/2 、(B102 SiO
2/2 、(B10)SiO3/2 、(B103 SiO1/2
(R16)(R17)(B10)SiO1/2 、(R162 (B
10)SiO1/2 [ただし、B10は1価加水分解性有機基
(式2)を示し、R16およびR17は、それぞれ独立に1
価有機基を示し、他の有機基が好ましい。]が挙げられ
る。
【0033】フルオロシリコーン化合物(A)中には、
オルガノシロキサン単位として、オルガノシロキサン単
位(A1 )およびオルガノシロキサン単位(A2 )以外
のオルガノシロキサン単位(A3 )を含むのが好まし
い。
【0034】オルガノシロキサン単位(A3 )は、他の
有機基のみがケイ素原子に結合したオルガノシロキサン
単位である。オルガノシロキサン単位(A3 )として
は、(R18)(R19)SiO2/2 、(R17)SiO
3/2 、(R18)(R19)(R20)SiO1/2 [ただし、
18、R19、およびR20は、それぞれ独立に、他の有機
基が好ましい。]等が挙げられる。
【0035】フルオロシリコーン化合物(A)のオルガ
ノシロキサン単位の連なり方は、直鎖状または分岐状で
あるのが好ましく、特に直鎖状が好ましい。フルオロシ
リコーン化合物(A)が直鎖構造である場合、1価含フ
ッ素有機基(式1)、および、1価加水分解性有機基
(式2)の結合位置としては特に限定されず、SiO
1/2 単位またはSiO2/2 単位のいずれに結合していて
もよく、SiO2/2 単位に結合するのが好ましい。
【0036】また、フルオロシリコーン化合物(A)が
分岐構造である場合には、ケイ原子に1価有機基が結合
していないシロキサン単位(SiO4/2 単位)を含んで
いてもよい。本発明における、フルオロシリコーン化合
物(A)としては、下記化合物が好ましく、特に式3で
表される化合物が好ましい。
【0037】
【化5】 (R2)(R3)(R4)SiO・[Si(R5)(R6)On ・[Si(R7)(R8)O]m・[Si(R9)(R10)O]k・ ・Si(R11)(R12)(R13)・・・式3 (R2)(R3)(R5)SiO・[Si(R7)(R8)O]m・[Si(R9)(R10)O]k・Si(R11)(R12)(R13) (R2)(R3)(R7)SiO・[Si(R5 (R6)O]n・[Si(R9)(R10)O]k・Si(R11)(R12)(R13) (R2)(R3)(R5)SiO・[Si(R9)(R10)O]k・Si(R7)(R12)(R13)
【0038】ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
式におけるオルガノシロキサン単位の連なり方は、ブロ
ックであってもランダムであってもよい。 R2 、R3 、R4 、R6 、R8 、R9 、R10、R11、R
12、およびR13:それぞれ独立に1価有機基を示し、
式1で表される1価含フッ素有機基または式2で表され
る1価加水分解性有機基であってもよい。 R5 :前記式1で表される1価含フッ素有機基。 R7 :前記式2で表される1価加水分解性有機基。 n:1以上の整数。 m:1以上の整数。 k:0以上の整数。 Rf 、X、R1 、Y、a、およびb:上記と同じ意味。
【0039】フルオロシリコーン化合物(A)における
2 、R3 、R4 、R6 、R8 、R9 、R10、R11、R
12、およびR13は、他の有機基である場合が好ましく、
特にメチル基が好ましい。また、nは1〜30が好まし
く、特に2〜10が好ましい。mは1〜10が好まし
く、特に1〜5が好ましい。kは0〜100が好まし
く、特に0〜80が好ましい。なお、kが0である場合
は、(R9 )(R10)Si02/2 単位は、存在しないこ
とを意味する。n/m/kはフッ素含有量によって適宜
変更されうるが、好ましくは(50〜1)/1/(10
0〜1)であり、特には(30〜10)/1/(100
〜80)が好ましい。
【0040】さらに、フルオロシリコーン化合物(A)
は、常温で流動状態にある化合物が好ましく、特にオイ
ル状である化合物が好ましい。フルオロシリコーン化合
物(A)の分子量は4×102 〜1×106 が好まし
く、特に1×103 〜1×104 が好ましい。
【0041】フルオロシリコーン化合物(A)中のフッ
素含有量は5〜80重量%が好ましく、特に10〜50
重量%が好ましい。フルオロシリコーン化合物(A)中
の加水分解性基含有基(式2)の数は1〜10が好まし
く、特に1〜5が好ましい。式3で表される化合物の具
体例としては、下記化合物が挙げられる。ただし、下式
中、A11は、−(CH23 OCH2 CF(CF3
[OCF2 CF(CF3 )]3 Fを示す。
【0042】
【化6】(CH3)3SiO・{Si[(CH2)2(CF2)7CF3](CH3)O}5・[Si
(CH3)2O]44・・{Si[(CH2 )3Si(OCH3)3](CH3)O}・Si(C
H3)3、 [(CH3O)3Si(CH2)2](CH3)2SiO・{Si[(CH2)3(CF2)7CF3](CH
3)O]5・・[Si(CH3)2O]45・Si(CH3)2[(CH2)2Si(OCH3)3 ] 、 (CH3)3SiO・[SiA11(CH3O]5・[Si(CH3)2O]45・・{Si[(CH2)2S
i(OCH3)3](CH3)O}・Si(CH3)3 、 [(CH3O)3Si(CH2)2](CH3)2SiO・{SiA11(CH3)O}5・・[Si(C
H3)2O]45・Si(CH3)2 [(CH2)2Si(OCH3)3] 、 (CH3)3SiO・{Si[(CH2)3O(CF2)7CF3](CH3)O}5・[Si(CH3)
2O]45・{Si[(CH2)2Si(OCH3)3](CH3)O}・Si(CH3)3 、 [(CH3O)3Si(CH2)2](CH3)2SiO・{Si[(CH2)3O(CF2)7CF3](C
H3O]5・・[Si(CH3)2O]45・Si(CH3)2[(CH2)2Si(OCH3)3]。
【0043】フルオロシリコーン化合物(A)の製造方
法としては、1価含フッ素有機基(式1)が結合した環
状ポリシロキサン、1価加水分解性有機基(式2)が結
合した環状ポリシロキサン、および必要に応じて他の有
機基が結合した環状ポリシロキサンとを、ジシロキサン
とともに共加水分解する方法(特開平8−30202
0)が挙げられる。
【0044】また、1価加水分解性有機基(式2)が結
合した環状ポリシロキサン、水素原子が結合した環状ポ
リシロキサン、およびジシロキサンとを共加水分解する
等の方法で、ケイ素原子に直接結合した水素原子および
1価加水分解性基有機基(式2)を有するヒドロシリコ
ーン化合物とし、このヒドロシリコーン化合物に下式4
または5で表される化合物等をヒドロシリル化する方法
も採用できる。ただし、式4および式5中のX6 および
7 は、それぞれ独立して、単結合または2価炭化水素
基を示し、単結合またはアルキレン基が好ましい。 Rf −X6 −CH2 CH=CH2 ・・・式4 Rf −X7 −O−CH2 CH=CH2 ・・・式5
【0045】フルオロシリコーン化合物(A)を添加す
る利点は、フッ素樹脂と無機酸化物の隙間を埋め、撥水
性の経時劣化を防止できることにある。フッ素樹脂と無
機酸化物の表面自由エネルギー差が大きいため、フッ素
樹脂と無機酸化物との間に隙間が発生し、長期の使用に
よって隙間に水が侵入して撥水性が低下する。そこで、
低表面自由エネルギーを有するフルオロシリコーン化合
物(A)を添加することにより、長期の使用においても
撥水性の低下を防止できる。
【0046】本発明におけるフッ素樹脂は、熱可塑性ま
たは熱硬化性のフッ素樹脂である。フッ素樹脂として
は、末端基が部分的または完全にフッ素化されているの
が好ましく、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフル
オロエチレン−エチレン共重合体樹脂、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂また
はフッ化ビニル樹脂が好ましい。なお、上記フルオロシ
リコーン化合物(A)でもあるフッ素樹脂については、
本発明ではフッ素樹脂から除外する。フッ素樹脂は2種
以上を用いてもよい。フルオロシリコーン化合物(A)
の割合は、フッ素樹脂100重量部に対して1〜50重
量部が好ましい。
【0047】本発明の塗料組成物は、フッ素樹脂とフル
オロシリコーン化合物(A)にさらに無機酸化物を含ん
でもよい。無機酸化物としては、酸化チタンが好まし
く、特にアナターゼ型またはルチル型の結晶構造の酸化
チタンが好ましい。酸化チタンは光触媒作用を有するた
め、本発明における無機酸化物として好ましい。
【0048】酸化チタンを含むことにより、窒素酸化物
を含む排気ガス、粉塵、たばこのヤニ等に対する耐汚れ
性が向上し、撥水性の耐久性が得られる。また、酸化チ
タンは、紫外線によって処理基材表面に付着した有機物
質を二酸化炭素と水に分解するため、大気浄化性、抗菌
性または消臭性が要求される分野にも適用できる。酸化
チタンは、太陽光だけでなく蛍光灯でも光触媒作用を有
するため、酸化チタンを含む塗料組成物は屋外でも室内
でも適用できる。
【0049】光触媒作用のある酸化チタンは汚れを分解
するため、通常の塗料に酸化チタンを添加した塗膜では
酸化チタンの強力な反応により塗膜自身が分解されチョ
ーキングを起こすが、本発明の塗料組成物は、フッ素樹
脂およびフルオロシリコーン化合物(A)がフッ素系で
あり、フッ素原子と炭素原子との強い結合力(C−Fの
結合エネルギー:116kcal/mol)により、酸
化チタンによっても分解されず、表面に付着した汚れの
みが分解される。
【0050】また、シリカを添加することにより、塗膜
の強度が向上する。無機酸化物の割合は、フッ素樹脂1
00重量部に対して0.1〜50重量部が好ましい。
【0051】本発明の塗料組成物を用いて形成した塗膜
は、撥水性を有するため撥水性、難着雪性または難着氷
性が必要とされる物品に使用できる。撥水性が必要な物
品としては傘などの雨具が挙げられ、難着雪性または難
着氷性が必要な物品としては豪雪地の建物の屋根および
無線通信用アンテナなどが挙げられる。
【0052】
【実施例】[例1]フッ素樹脂としてテトラフルオロエ
チレン樹脂粉末(平均分子量8500、平均粒径1μ
m)100重量部、下式6で表されるフルオロシリコー
ン(オイル状、ランダム)2重量部、酸化チタン(アナ
ターゼ型の粉末、平均粒径50nm)2重量部、シリカ
1.5重量部を、溶剤の酢酸ブチルで希釈し、ボールミ
ルを用いて撹拌して塗料組成物を作製した。得られた塗
料組成物を、エポキシ樹脂を主材料とするFRP板にス
プレー塗装して試験基材を得た。
【0053】
【化7】
【0054】[例2]フルオロシリコーンオイルを用い
ない他は例1と同様にして、塗料組成物を作製して試験
基材を得た。
【0055】[例3]酸化チタンを用いない他は例1と
同様にして、塗料組成物を作製して試験基材を得た。
【0056】[例4]シリカを用いない他は例1と同様
にして、塗料組成物を作製して試験基材を得た。
【0057】[評価方法]上記で得た試験基材をつぎの
方法で評価した。結果を表1に示す。 (1)撥水性 試験基材表面に約4μL(4×10-93 )の水滴を滴
下して、協和界面化学(株)製の接触角計を用いて水の
接触角(単位:度)を測定した。測定は室温23℃で行
い、測定数5点の平均値を採用した。該値が大きいほど
撥水性が高いことを示す。
【0058】(2)耐久性 屋外暴露を行い、撥水性の経時変化を測定した。試験基
材は日当たりのよい屋上(神奈川県横浜市)に設置され
た暴露台に、傾斜角45度、南向きに設置し、300日
間暴露した。300日後の試験基材について、水の接触
角を測定した。また、この屋外暴露後300日が経過し
試験基材表面を手でこすり、剥離の有無を観察した。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、フルオロシリコ
ーン化合物を含むため長期間水に浸漬される環境におい
ても、高い撥水性を保持できる。すなわち、本発明の塗
料組成物を用いて塗膜を形成した処理基材は、撥水性、
難着雪性または難着氷性の耐久性に優れる。また、本発
明の塗料組成物に無機酸化物を含む場合は、塗膜表面に
付着する汚れを分解することで撥水性の耐久性に優れ
る。さらに、窒素酸化物を含む排気ガス、粉塵、砂塵、
たばこのヤニ等に対する耐汚れ性、大気浄化性、抗菌
性、消臭性の効果も有し、屋外および室内における適用
について優れた効果を奏する。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J035 BA01 CA02U CA021 CA061 CA16M CA16N CA161 EA01 FB01 GA08 GB05 LA03 LB01 4J038 CD101 CD121 CD131 DL072 HA216 HA446 JC31 NA05 NA07 PB05 PB06 PC02 PC06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素樹脂と下記フルオロシリコーン化合
    物(A)とを含む塗料組成物。 フルオロシリコーン化合物(A):ケイ素原子に下式1
    で表される1価含フッ素有機基が結合したオルガノシロ
    キサン単位(A1 )を含むフルオロシリコーン化合物。 −X−Rf ・・・式1 ただし、式1中の記号は以下の意味を示す。 Rf :1価ポリフルオロ炭化水素基、または、エーテル
    性酸素原子を含む1価ポリフルオロ炭化水素基。 X:2価有機基。
  2. 【請求項2】フルオロシリコーン化合物(A)が、オル
    ガノシロキサン単位が2個以上重合した化合物であり、
    該オルガノシロキサン単位としてオルガノシロキサン単
    位(A1 )、および、ケイ素原子に下式2で表される1
    価加水分解性有機基が結合したオルガノシロキサン単位
    (A2 )、を必須とするフルオロシリコーン化合物であ
    る請求項1に記載の塗料組成物。 −(CH2a Si(R13-b (Y)b ・・式2 ただし、式2中の記号は以下の意味を示す。 R1 :1価有機基。 Y:加水分解性基。 a:1以上の整数。 b:1、2または3。
  3. 【請求項3】フルオロシリコーン化合物(A)が下式3
    で表される化合物である請求項2に記載の塗料組成物。
    ただし、式3中の記号は以下の意味を示す。また、式3
    におけるオルガノシロキサン単位の連なり方は、ブロッ
    クであってもランダムであってもよい。R2 、R3 、R
    4 、R6 、R8 、R9 、R10、R11、R12、および
    13:それぞれ独立に1価有機基を示し、下式1で表さ
    れる1価含フッ素有機基または下式2で表される1価加
    水分解性有機基であってもよい。 R5 :下式1で表される1価含フッ素有機基。 R7 :下式2で表される1価加水分解性有機基。 n:1以上の整数。 m:1以上の整数。 Rf :1価ポリフルオロ炭化水素基、または、エーテル
    性酸素原子を含む1価ポリフルオロ炭化水素基。 X:2価有機基。 k:0以上の整数。 R1 :1価有機基。 Y:加水分解性基。 a:1以上の整数。 b:1、2または3。 【化1】 −X−Rf ・・・式1 −(CH2a Si(R13-b (Y)b ・・・式2
  4. 【請求項4】フッ素樹脂とフルオロシリコーン化合物
    (A)と、さらに無機酸化物とを含む請求項1、2また
    は3に記載の塗料組成物。
  5. 【請求項5】無機酸化物が酸化チタンまたはシリカであ
    る請求項4に記載の塗料組成物。
  6. 【請求項6】フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン樹
    脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
    ン共重合体樹脂またはフッ化ビニル樹脂である請求項1
    〜5のいずれかに記載の塗料組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の塗料組成
    物を用いて塗膜を形成した処理物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004331969A (ja) * 2003-05-05 2004-11-25 Northrop Grumman Corp 有害な生物学的病原体及び有毒化学物質に対する保護用の自己除染または自己洗浄コーティング

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