JP2776190B2 - 撥水処理剤組成物 - Google Patents

撥水処理剤組成物

Info

Publication number
JP2776190B2
JP2776190B2 JP7303193A JP7303193A JP2776190B2 JP 2776190 B2 JP2776190 B2 JP 2776190B2 JP 7303193 A JP7303193 A JP 7303193A JP 7303193 A JP7303193 A JP 7303193A JP 2776190 B2 JP2776190 B2 JP 2776190B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
group
integer
repellent composition
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7303193A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06256756A (ja
Inventor
猪智郎 小野
由亘 嶋崎
省二 一戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP7303193A priority Critical patent/JP2776190B2/ja
Publication of JPH06256756A publication Critical patent/JPH06256756A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2776190B2 publication Critical patent/JP2776190B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス、セラミック、
金属などの無機質表面処理に好適に用いられ、優れた撥
水性、防汚性を与えることができる有機溶剤可溶性の撥
水処理剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ガラ
ス、セラミック、金属などの無機質材料は、その表面を
各種表面処理剤で処理することにより、表面の性質を改
良し、更に高性能化、応用範囲の拡大を図る研究が種々
行われている。
【0003】その1つとして、本来親水性の表面をシリ
コーン系組成物で処理することにより撥水性表面に改質
する方法も提案されており、特にパーフロロアルキル基
を含有するポリシロキサン又はポリシラザン(特開昭5
8−147484号公報、特開昭60−221470号
公報、特開平4−96935号公報)が撥水性に優れた
ものとして知られている。
【0004】しかしながら、これらは撥水効果には優れ
るものの、水滴の落下性に劣るため、例えば窓ガラス、
自動車のドアミラー、フロントガラスなどに適用した場
合、水滴が落下せずガラス表面に水玉状にとどまるの
で、空気中のチリ、油分などが付着して新たな汚れを生
じたり、視界を悪くしたりするという欠点があった。
【0005】また、特開平3−290437号公報で提
案されている含フッ素シラザン化合物は、上記欠点は改
良されているものの、一般有機溶剤への溶解性が悪く、
フロン規制対象物質である1,1,3−トリクロロトリ
フロロエタンのようなフロン類や高価なフッ化炭化水素
類にしか安定に溶けず、そのため応用範囲が限定される
という問題があった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、優れた撥水性、防汚性を与えることができると共
に、一般の有機溶剤に溶解可能な撥水処理剤組成物を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)下
記一般式(1)で示されるパーフロロアルキル基含有有
機ケイ素化合物又は該化合物の部分加水分解縮合物、
(B)下記一般式(2)で示されるSiH基含有メチル
ポリシロキサン化合物、(C)脂肪酸金属塩又は金属ア
ルコキシドを含有する組成物が、撥水処理剤として有効
であることを知見した。
【0008】
【化3】 (但し、式中R1、R2はそれぞれ炭素原子数1〜4の1
価の炭化水素基、Qは炭素原子数2〜10の2価の有機
基、pは1〜12の整数、aは0又は1を表す。)
【0009】
【化4】 (但し、式中Aは水素原子又はメチル基、mは0〜10
0の整数、nは0〜200の整数、10≦m+n≦20
0であるが、n=0のときAは水素原子である。)
【0010】すなわち、上記(A)成分のパーフロロア
ルキル基含有有機ケイ素化合物が撥水性能を有すること
は公知であるが、上述したように(A)成分のみでは水
滴の落下性が不十分である。ところが、これに(B)成
分のSiH基含有メチルポリシロキサン化合物、更に
(C)成分の脂肪酸金属塩又は金属アルコキシドを併用
することにより、優れた撥水性能を与えると共に、水滴
の落下性が向上し、しかも無機表面との化学結合も促進
されて、撥水耐久性、防汚耐久性が顕著に増大するこ
と、更にこれら(A)、(B)、(C)成分それぞれが
一般の有機溶剤に可溶であるため、特殊なフッ素系溶剤
を使用しなくても良く、撥水処理剤として利用範囲が広
いことを見い出し、本発明をなすに至ったものである。
【0011】従って、本発明は上記(A)成分、(B)
成分及び(C)成分を含有することを特徴とする撥水処
理剤組成物を提供する。
【0012】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明の撥水処理剤組成物を構成する(A)成分
は、上述したように下記一般式(1)で示されるパーフ
ロロアルキル基含有有機ケイ素化合物又は該化合物の部
分加水分解縮合物である。
【0013】
【化5】
【0014】この式中、R1、R2は、それぞれ炭素原子
数1〜4の1価炭化水素基であり、具体的にはメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基などが例示され
る。Qはパーフロロアルキル基とケイ素原子とを結合す
る炭素原子数2〜10の2価の有機基であり、具体的に
は下記式のものが例示される。−CH2CH2−,−CH
2OCH2CH2CH2−,−CONHCH2CH2CH
2−,−CONHCH2CH2NHCH2CH2CH2−,−
SO2NHCH2CH2CH2−,−CH2CH2OCONH
CH2CH2CH2−また、pはパーフロロアルキル基の
炭素数を表すもので、1〜12であり、pが12を超え
ると有機溶剤への溶解性がなくなってしまう。更に、a
は0又は1である。
【0015】このような式(1)で示されるパーフロロ
アルキル基含有有機ケイ素化合物としては、次のような
化合物を例示することができる。
【0016】
【化6】
【0017】この(A)成分は上記一般式(1)で示さ
れる化合物そのまま用いても良く、また式(1)で示さ
れる化合物の部分加水分解物を使用しても良く、更にこ
れらの1種を単独で又は2種以上併用して用いることが
できる。
【0018】次に、本発明の撥水処理剤組成物を構成す
る(B)成分のSiH基含有メチルポリシロキサン化合
物は、下記一般式(2)で示される化合物である。
【0019】
【化7】
【0020】この式(2)中、Aは水素原子又はメチル
基であり、mは0〜100の整数、nは0〜200の整
数である。また、m+nが10未満では水滴の落下性が
不足して防汚性が悪くなり、200を超えると組成物の
安定性が悪くなるので、m+nは10〜200を満足す
る必要がある。なお、nが0のときAは水素原子であ
る。
【0021】これらの(A)成分と(B)成分との配合
比率は、重量比で(A)/(B)=5/95〜95/
5、特に20/80〜80/20の範囲とすることが好
ましい。(A)成分の比率が5重量部未満では十分な撥
水性が得られない場合があり、95重量部を超えると水
滴の落下性が不足し、十分な防汚性が得られなくなる場
合がある。
【0022】本発明の撥水処理剤組成物を構成する
(C)成分の脂肪酸金属塩及び金属アルコキシドは、
(A)、(B)両成分と無機質表面との反応に触媒とし
て作用するもので、具体的にはジブチル錫ジラウレー
ト、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエー
ト、鉄オクトエート、テトライソプロピルチタネート、
テトラブチルチタネート、テトラブチルチタネートの加
水分解縮合物などが例示される。この(C)成分の配合
量は、(A)、(B)成分の合計100部(重量部、以
下同様)に対して0.1〜10部、特に0.5〜5部の
範囲とすることが好ましい。
【0023】本発明の組成物は、上述した(A)、
(B)及び(C)成分を必須成分とするものであるが、
これらのほかガラスビーズ、石英粉、カーボン、グラフ
ァイト、タルク、マイカ、更には銀、銅、ニッケル、ア
ルミニウム、亜鉛などの金属粉末、アルミナ、亜鉛華、
酸化チタンなどの金属酸化物、ガラス繊維、カーボン繊
維、有機繊維などの繊維物質、窒化ほう素、炭化けい素
を本発明の目的を損わない範囲で配合しても差し支えな
い。
【0024】本発明の組成物を構成する(A)、(B)
及び(C)成分は、いずれも一般の有機溶剤に可溶であ
り、使用に当っては有機溶剤に溶解して希釈することが
好ましい。この溶剤としては、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル類、塩
化メチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン
などの塩素化炭化水素類のような一般的な有機溶剤が使
用できる。なお、アルコール類は保存中に(B)成分が
脱水素反応を起こすため、好ましくない。このような溶
液にする場合、固形分の濃度は、0.1〜5重量%程度
とすることが良い。
【0025】本発明の撥水処理剤組成物は、ガラス、金
属、セラミックなどの特に無機質材料の表面を浸漬、ス
プレー、刷毛塗り、スピンナー等の手段で塗布した後、
乾燥することにより、これらの表面を耐久性のある撥水
性、防汚性に優れた表面にすることができる。この場
合、乾燥は室温で十分であるが、40〜200℃で5〜
60分加熱することが好ましく、これにより耐久性を向
上させることができる。また、対象となる被処理物とし
ては、家屋、自動車、鉄道、航空機などの窓ガラス、
鏡、ガラス、レンズなどの光学製品、各種ガラス器具、
陶器、タイル、あるいは反射防止やシリコーンハードコ
ーティングなどの処理をしたプラスチック材料などが例
示される。
【0026】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。
【0027】[実施例1〜5、比較例1、2]表1に示
すパーフロロアルキル基含有有機ケイ素化合物、SiH
基含有メチルポリシロキサン、ジブチル錫ジラウレー
ト、テトラブチルチタネート、有機溶剤を同表に示す量
で配合して撥水処理剤組成物を調製した。なお、表中の
数字は重量部を示す。
【0028】
【表1】
【0029】上記のように調製した撥水処理剤組成物
を、予めアセトンで脱脂洗浄し、乾燥したガラス板上
に、浸漬によりコーティングを行った後、100℃で1
0分間熱処理を施した。この表面を下記に示すような方
法で水の接触角、水滴落下角度、防汚性を測定した。結
果を表2に示す。 (水の接触角)水平に保ったガラス板上に5μlの水を
垂らし、Contact AnglemeterCA−
A(協和科学(株)製)にて接触角を測定した。 (水滴落下角度)静摩擦係数測定器(新東科学(株)製
HEIDON−10型)にガラス板を水平にセットし、
100μlの水を垂らす。次いで、徐々に傾きをかけ、
水が落下し始めたときの角度を測定した。 (防汚性)サンシャインウエザーメーター(スガ試験機
製)中にガラス板を45°の角度でセットし、100時
間暴露した後、外観を観察した。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明の撥水処理剤組成物は、一般の有
機溶剤に可溶で使い易いと共に、無機質表面を処理する
ことにより簡単に耐久性のある撥水性、防汚性表面を与
えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83/05 C08L 83/05 C09D 5/00 C09D 5/00 183/04 183/04 183/05 183/05 (72)発明者 一戸 省二 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 3/18 C09K 3/00 C03C 17/30 C08K 5/05 - 5/057 C08K 5/09 - 5/098 C08K 5/54 C08L 83/05 C09D 5/00 - 5/46 C09D 183/04 - 183/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1)で示されるパー
    フロロアルキル基含有有機ケイ素化合物又は該化合物の
    部分加水分解縮合物、 【化1】 (但し、式中R1、R2はそれぞれ炭素原子数1〜4の1
    価の炭化水素基、Qは炭素原子数2〜10の2価の有機
    基、pは1〜12の整数、aは0又は1を表す。) (B)下記一般式(2)で示されるSiH基含有メチル
    ポリシロキサン化合物、 【化2】 (但し、式中Aは水素原子又はメチル基、mは0〜10
    0の整数、nは0〜200の整数、10≦m+n≦20
    0であるが、n=0のときAは水素原子である。) (C)脂肪酸金属塩又は金属アルコキシドを含有してな
    ることを特徴とする撥水処理剤組成物。
JP7303193A 1993-03-08 1993-03-08 撥水処理剤組成物 Expired - Fee Related JP2776190B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7303193A JP2776190B2 (ja) 1993-03-08 1993-03-08 撥水処理剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7303193A JP2776190B2 (ja) 1993-03-08 1993-03-08 撥水処理剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06256756A JPH06256756A (ja) 1994-09-13
JP2776190B2 true JP2776190B2 (ja) 1998-07-16

Family

ID=13506577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7303193A Expired - Fee Related JP2776190B2 (ja) 1993-03-08 1993-03-08 撥水処理剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2776190B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE1008724A3 (nl) * 1994-09-27 1996-07-02 Couttenier Andre Samenstelling voor het beschermen en waterafstotend maken van een siliciumhoudend substraat.
JP3912288B2 (ja) 2001-03-21 2007-05-09 ダイキン工業株式会社 無機・有機複合材料からなる表面処理剤
US7247386B2 (en) * 2003-12-23 2007-07-24 3M Innovative Properties Company Composition of an oligomeric fluorosilane and surface treatment of retroreflective sheet
US7847015B2 (en) 2006-11-15 2010-12-07 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Coating composition
WO2012157507A1 (ja) * 2011-05-17 2012-11-22 東亞合成株式会社 表面処理剤及び表面処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06256756A (ja) 1994-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1584664B1 (en) Antifouling coating compositons and coated articles
JP3601580B2 (ja) パーフルオロポリエーテル変性アミノシラン及び表面処理剤並びに該アミノシランの被膜が形成された物品
KR101861383B1 (ko) 플루오로옥시알킬렌기 함유 중합체 조성물, 상기 조성물을 포함하는 표면 처리제, 상기 표면 처리제로 처리된 물품 및 광학 물품
US5405655A (en) Temperature-resistant and/or nonwetting coatings of cured, silicon-containing polymers
KR102441819B1 (ko) 내열성을 가진 발수발유 처리제 및 그의 제조방법 및 물품
JP2877616B2 (ja) 親水撥油処理剤
JP3622830B2 (ja) コーティング剤組成物及びそのコーティング被膜を有する物品
CN101628980A (zh) 经全氟聚醚改性的聚硅氮烷以及使用其的表面处理剂
JP6497449B2 (ja) コーティング剤組成物
KR20140052871A (ko) 코팅제 조성물, 상기 조성물을 포함하는 표면 처리제 및 상기 표면 처리제로 표면 처리된 물품
JP5747699B2 (ja) フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及び該シランを含む表面処理剤並びに該表面処理剤で表面処理された物品
JP2000026610A (ja) 硼素―および/またはアルミニウム―含有混合物、混成材料およびコ―チング
US5489328A (en) Water repellent agent
JP3876961B2 (ja) 表面処理剤及び撥水・撥油性物品
JP2776190B2 (ja) 撥水処理剤組成物
JP4502112B2 (ja) 防汚性コーティング剤及び被覆物品
JP3232525B2 (ja) 撥水処理剤
JP3228085B2 (ja) 撥水処理剤
JP2762205B2 (ja) 新規含フッ素チタノシロキサン化合物及びそれを用いた硬化皮膜形成剤
JP3269314B2 (ja) 撥水処理剤
WO2019176458A1 (ja) 含フッ素コーティング剤組成物、表面処理剤及び物品
JPH0940910A (ja) 撥水処理剤
JPH04144940A (ja) 撥水撥油剤組成物
JP2841427B2 (ja) 防汚加工剤
JPH06184527A (ja) 撥水処理剤、その撥水処理基材およびその製法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080501

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090501

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100501

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees