JP2000248029A - シリル(メタ)アクリレート共重合体およびその製造方法 - Google Patents

シリル(メタ)アクリレート共重合体およびその製造方法

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JP2000248029A JP11365889A JP36588999A JP2000248029A JP 2000248029 A JP2000248029 A JP 2000248029A JP 11365889 A JP11365889 A JP 11365889A JP 36588999 A JP36588999 A JP 36588999A JP 2000248029 A JP2000248029 A JP 2000248029A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (a)式[I][R1:水素原子、メチル基。R2、R3、R
4:互いに同一でも異なって」いてもよく、それぞれアルキ
ル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基の何
れかを示す。]で表されるシリル(メタ)アクリレート成分単位20〜8
0重量%、(b)下記式[II][R5:水素原子、メチル基。Z:酸
素原子または−NR7。Zが酸素原子の場合:R6は置換基を
有していてもよいヒト゛ロキシアルキル基、ヒト゛ロキシシクロアルキル基また
は式:-(R8O)nHで表されるホ゜リアルキレンク゛リコール基[R8:アルキ
レン基、n:2〜50の整数。]を示す。Zが−NR7の場合:R7
は、ハロケ゛ン、ヒト゛ロキシル基、アミノ基、置換アミノ基、アシル基、アルコ
キシ基の何れかで置換されていてもよいアルキル基を示し、R6
は水素原子を示す。]で表されるアクリル系不飽和単量体成
分単位0.01〜40重量%、および(c)上記(a)、(b)以外の
他の不飽和単量体成分単位5〜79.99重量%((a)+(b)+
(c)=100重量%)から構成され、GPCで測定した重量
平均分子量が20万以下のシリル(メタ)アクリレート共重合体。 【化1】 【効果】 クラックや塗膜剥離が起きにくく、塗膜の加
水分解速度が良好に制御され、特に高汚損環境下におけ
る防汚性や長期防汚性に優れた防汚塗膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、シリル(メタ)アクリレ
ート共重合体およびその製造方法に関し、さらに詳しく
は塗膜にクラックが発生しにくく、塗膜付着性が良好で
塗膜剥離が起きにくく、塗膜の加水分解速度が良好に制
御され、防汚性特に高汚損環境下における防汚性や長期
防汚性に優れた防汚塗膜が得られる防汚塗料を製造しう
るようなシリル(メタ)アクリレート共重合体およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】船底、水中構造物、漁網などは、
水中に長期間さらされることにより、その表面に、カ
キ、イガイ、フジツボ等の動物類、ノリ(海苔)等の植
物類、あるいはバクテリア類などの各種水棲生物が付着
・繁殖すると、外観が損ねられ、その機能が害されるこ
とがある。
【0003】特に船底にこのような水棲生物が付着・繁
殖すると、船全体の表面粗度が増加し、船速の低下、燃
費の拡大などを招くことがある。また、このような水棲
生物を船底から取り除くには、多大な労力、作業時間が
必要となる。また、バクテリア類が水中構造物などに付
着・繁殖し、さらにそこにスライム(ヘドロ状物)が付
着して腐敗を生じたり、更に大型の付着生物が鉄鋼構造
物などのような水中構造物の表面に付着・繁殖してその
水中構造物の腐食防止用の塗膜などを損傷すると、その
水中構造物の強度や機能が低下し寿命が著しく低下する
等の被害が生ずる虞がある。
【0004】従来では、このような被害を防止すべく、
船底などには防汚性に優れた防汚塗料として、例えば、
トリブチル錫メタクリレートとメチルメタクリレート等
との共重合体と、亜酸化銅(Cu2O)とを含有するも
のが塗布されていた。この防汚塗料中の該共重合体は、
海水中で加水分解されてビストリブチル錫オキサイド
(トリブチル錫エーテル,Bu3Sn-O-SnBu3:B
uはブチル基)あるいはトリブチル錫ハロゲン化物(B
3SnX:Xはハロゲン原子)等の有機錫化合物を放
出して防汚効果を発揮するとともに、加水分解された共
重合体自身も水溶性化して海水中に溶解していく「加水
分解性自己研磨型塗料」であるため、船底塗装表面は、
樹脂残渣が残らず、常に活性な表面を保つことができ
る。
【0005】しかしながら、このような有機錫化合物
は、毒性が強く、海洋汚染、奇形魚類や奇形貝類の発
生、食物連鎖による生態系への悪影響などが懸念され、
これに代わり得るような錫を含有しない防汚塗料の開発
が求められている。
【0006】このような錫を含有しない防汚塗料として
は、例えば、特開平4-26417 0号公報、特開
平4-264169号公報、特開平4-264168号
公報に記載のシリルエステル系防汚塗料が挙げられる。
しかしながら、これらの防汚塗料には、特開平6-1
57941号公報、特開平6-157940号公報な
どにも教示されているように、防汚性に劣り、クラッ
ク、剥離が生ずるとの問題点がある。
【0007】また、特開平2-196869号公報に
は、トリメチルシリルメタクリレート、エチルメタクリ
レートおよびメトキシエチルアクリレートをアゾ系重合
開始剤の存在下に共重合してなり、トリメチルシリル基
によりブロックされたカルボン酸基を含有するブロック
された酸官能性コポリマー(A)と、多価カチオンの化
合物(B)とを含有する防汚塗料が教示されている。し
かしながら、この防汚塗料から得られる塗膜は、耐クラ
ック性が充分満足しうるものではないという問題点があ
る。
【0008】特表昭60-500452号および特開
昭63-215780号公報には、(メタ)アクリル酸
のトリアルキルシリルエステルなどのオルガノシリル基
を有するビニル系単量体などを他のビニル系単量体と共
重合させてなり、数平均分子量が3000〜40000
の防汚塗料用樹脂が記載され、さらにオルトギ酸トリメ
チル等の有機系水結合剤、酸化第一銅等の防汚剤、ベン
ガラ等の顔料などを配合し得る旨記載されているが、上
記特開平6-157940号公報にも記載されている
ように、この防汚塗料用樹脂は、貯蔵中にゲル化しやす
く、この防汚塗料から形成される塗膜は、耐クラック
性、耐剥離性に劣るとの問題点がある。
【0009】また上記特表昭60-500452号に
対応する特公平5-32433号公報には、毒物(a)と、
式[(−CH2-CXCOOR)−(B)−:XはHまた
はCH3であり、RはSiR’3又はSi(OR’)3
R’はアルキル基などを示し、Bはエチレン性不飽和単
量体残基を示す]で表される反復単位を有し、特定の加
水分解速度などを有する重合体結合材(b)とからなる
防汚塗料が開示され、さらに溶剤、水感受性顔料成分、
不活性顔料、充填剤、遅延剤を含有し得る旨記載されて
いるが、この公報記載の防汚塗料から得られる塗膜は、
耐クラック性に劣るとの問題点がある。
【0010】 特開平7-18216号公報には、(A)
分子内に、式(I):-COO-SiR123(R1〜R3
は炭素数1〜18のアルキル基などを示す)で表される
トリ有機珪素エステル基を有する有機珪素含有単量体A
の重合体と、(B)銅または銅化合物とを主成分とする塗
料組成物において、上記の(A),(B)成分以外の必須
成分として、(C)式:
【0011】
【化7】
【0012】((C)中、R4〜R6は水素原子、炭素数
1〜18のアルコキシ基、シクロアルコキシ基、などを
示し、R7は炭素数1〜18のアルキル基などを示し、
nは1〜3の整数を示す)で表されるアルコキシ基含有
珪素化合物を含有した塗料組成物が開示されている。ま
た、該公報には、上記式(I)で表される基を有する単
量体Aと共重合可能なビニル系単量体Bとの共重合体A
Bが含まれていてもよい旨記載され、単量体Bとして、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられている。
【0013】しかしながら、該公報に記載の塗料組成物
から得られる塗膜は、耐クラック性や高汚損環境下にお
ける防汚性に劣るとの問題点がある。なお、高汚損環境
下とは、船舶または水中構造物が内海などの富栄養海域
環境や更にそのような海域で静置されたり、あるいは船
舶などでは運航〜停止を頻繁に繰り返したり10ノット
以下程度の低速で稼動しているような状態を指す。
【0014】なお、 特開平7-102193号公報
には、式:X−SiR123(但し、式中R1〜R3
いずれもアルキル基、アリール基の中から選ばれた基で
あって、互いに同一の基であっても異なる基であっても
よい。Xはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキ
シ基、マレノイルオキシ基またはフマロイルオキシ基で
ある。)で表される単量体Aと、式:Y−(CH2CH2
O)n−R4(但しR4はアルキル基またはアリール基で
あり、Yはアクリロイルオキシ基またはメ タクリロイ
ルオキシ基であり、nは1〜25の整数である。)で表
される単量体Bとを含む単量体混合物の共重合体と、防
汚剤とを必須成分として含有する塗料組成物が開示され
ている。さらに、該防汚剤としては、無機化合物として
亜酸化銅、銅粉等の銅化合物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛等が
挙げられ、金属を含む有機化合物としてオキシン銅等の
有機銅系化合物;有機ニッケル系化合物;ジンクピリチ
オン等の有機亜鉛系化合物;が挙げられている。しかし
ながら、該公報には、アクリル酸2−ヒドロキシエチル
等を用いた有機シリルエステル基含有重合体は何ら示さ
れていない上に、高汚損環境下における防汚性に劣ると
の問題点がある。
【0015】(10) 特開平8-199095号公報に
は、上記特開平7-102193号公報に記載の式
(1):X−SiR123で表される単量体Aと、式
(2):Y−(CH(R4))−(OR5)(但しR4
アルキル基、R5はアルキル基またはシクロアルキル基
である。Yはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオ
キシ基、マレイノイルオキシ基またはフマロイルオキシ
基である。)で表される単量体Bと、必要によりこれら
A、Bと共重合可能なビニル系単量体Cとを含む単量体
混合物の共重合体と、防汚剤とを必須成分として含有す
る塗料組成物が開示されている。このビニル系単量体C
としては、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステ
ル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられている。さら
に、該防汚剤としては、無機化合物として亜酸化銅、銅
粉等の銅化合物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられ、金
属を含む有機化合物としてオキシン銅等の有機銅系化合
物;有機ニッケル系化合物;ジンクピリチオン等の有機
亜鉛系化合物;が挙げられている。
【0016】(11) 特開平8-269388号公報に
は、式(1):X−SiR123(但し、式中R1〜R
3はいずれも炭素数1〜20の炭化水素基であって、互
いに同一の基であっても異なる基であってもよい。Xは
アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレ
ノイルオキシ基、フマロイルオキシ基またはイタコノイ
ルオキシ基である。)で表される単量体Aと、式
(2):Y−(CH2CH2O)n−R4(但しR4はアル
キル基またはアリール基であり、Yはアクリロイルオキ
シ基、メタクリロイルオキシ基、マレイノイルオキシ
基、フマロイルオキシ基またはイタコノイルオキシ基で
あり、nは1〜25の整数である。)で表される単量体
Bとを含む単量体混合物の共重合体と、ビス(2−ピリ
ジンチオール−1−オキシド)銅塩(:銅ピリチオン)
とを、必須成分として含有する塗料組成物が開示されて
いる。さらに、上記単量体Aとして、ジメチル−t−ブ
チルシリルアクリレート等が挙げられ、上記防汚剤とし
ては、無機化合物として亜酸化銅、銅粉等の銅化合物、
硫酸亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられ、金属を含む有機化合
物としてオキシン銅等の有機銅系化合物;有機ニッケル
系化合物;ジンクピリチオン等の有機亜鉛系化合物;が
挙げられている。また、添加可能な溶解速度調整剤とし
てロジン、ロジン誘導体などが挙げられている。
【0017】(12) 特開平8-269389号公報に
は、トリオルガノシリル基を有する不飽和単量体Aと、
下記式(2)〜(9)の何れかで表される単量体Bとを
含む単量体混合物の共重合と、防汚剤とを含有する塗料
組成物が開示されている。
【0018】各単量体Bは、それぞれ下記の通りであ
る。式(2)CH2=CR4COOR5−NR67[R4
は、HまたはCH3 を示し、R5はアルキレン基を示
し、R6、R7は、アルキル基であって、互いに同一でも
異なっていてもよい。]で示される三級アミノ基含有単
量体、式(3)CH2=CR8COOR9−NR101112
(Y)[R8はHまたはCH3を示し、R9はアルキレン基
を示し、R10〜R12は、アルキル基であって、互いに同
一でも異なっていてもよく、Yはハロゲン原子を示
す。]で示される四級アンモニウム塩含有単量体、式
(4)CH2=CH−Z[ZはN含有複素環からなる基を
示す。]で示される窒素含有複素環を含む単量体、式
(5)CH2=CR13COO(R14O)m(R15O)n
16O)o −R17 [R13は、H、CH3を示し、R14
エチレン基を示し、R15は炭素数3のアルキレン基を示
し、R16は炭素数4のアルキレン基を示し、R17はアル
キル基、アリール基を示す。m、n、oは0以上の整数
でn、oは同時に0でない。]で示される分子内にアル
コキシ基またはアリーロキシアルキレングリコール基を
有する単量体、式(6)CH2=CR18CONR19
20[R18は、H、CH3を示し、R19、R20 は、アルキル
基であり互いに同一でも異なっていてもよい。]で示さ
れる(メタ)アクリル酸アミド、式(7)CH2=CR21
CON()Q[R21は、H、CH3を示し、N()Qは、
N含有基で、QにO、N、S等を含有してもよい。]で
示される窒素含有環状炭化水素基を含む(メタ)アクリ
ル酸アミド、式(8)CH2=CR23COOCH2−T
[R23は、H、CH3を示し、Tは、フラン環、テトラ
ヒドロフラン環を示す。]で示されるフラン環含有(メ
タ)アクリル酸系エステル、式(9)CH2=CH−C
N。
【0019】また、上記単量体A、Bと共重合可能な任
意成分として、アクリル酸、アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル等種々の共重合性モノマー
が挙げられている。
【0020】またその実施例には、トリn−ブチルシリ
ルアクリレート(TBSA)とジエチルアミノエチルメタクリ
レート(DEAEMA)とメチルメタクリレート(MMA)とからな
る共重合体や、トリn−ブチルシリルアクリレート(TBS
A)とN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)とメチルメ
タクリレート(MMA)とからなる共重合体等が示されてい
るが、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等を用いた共重
合体は何ら示されていない。
【0021】また、該組成物に配合可能な成分として、
上記特開平8-269388号公報に記載の防汚剤と同
様の防汚剤が挙げられている。 (13) 特開平8-269390号公報には、式(1):
X−SiR123(但し、式中R1〜R3は何れもアル
キル基、アリール基の中から選ばれた基であって、互い
に同一の基であっても異なる基であってもよい。Xはア
クリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレノ
イルオキシ基、フマロイルオキシ基またはイタコノイル
オキシ基である。)で表される単量体Aを用いた重合体
と、式(2):Y−(CH2CH2O)n−R4(但しR4
はアルキル基またはアリール基であり、Yはアクリロイ
ルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレイノイルオ
キシ基、フマロイルオキシ基またはイタコノイルオキシ
基であり、nは1〜25の整数である。)で表される単
量体Bを用いた重合体と、防汚剤とを含む塗料組成物が
開示されている。上記防汚剤としては、上記特開平8-
269388号公報に記載の防汚剤と同様の防汚剤が挙
げられている。また、添加可能な成分としてロジン等の
樹脂、沈降防止剤などが挙げられている。
【0022】(14) 特開平8-277372号公報に
は、前記(11):特開平8-269388号公報に記載の
式(1):X−SiR123で表される単量体Aと、
同じく同公報に記載の式(2):Y−(CH2CH2O)
n−R4で表される単量体Bとを含む単量体混合物の共重
合体と、トリフェニルボロンピリジン錯体とを含有し、
樹脂成分および海棲生物付着阻害剤が金属を含まない重
合体および金属を含まない有機系阻害剤のみで構成され
た塗料組成物が開示されている。また、添加可能な溶解
速度調整剤としてロジン、ロジン誘導体などが挙げられ
ている。
【0023】(15) 特開平10-30071号公報に
は、(A)ロジン、ロジン誘導体またはロジン金属塩から
なるロジン系化合物の1種または2種以上と、(B)式
(1):X−SiR123(但し、式中R1〜R3は何
れもアルキル基、アリール基の中から選ばれた基であっ
て、互いに同一の基であっても異なる基であってもよ
い。Xはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ
基、マレノイルオキシ基、フマロイルオキシ基、イタコ
ノイルオキシ基、シトラコノイルオキシ基である。)で
表される単量体Mの1種または2種以の重合体、および
/または、該単量体Mの1種または2種以上とそれ以外
の重合性単量体の1種または2種以上との重合体からな
る有機シリルエステル基含有重合体と、(C)防汚剤とを
含む塗料組成物が開示されている。また、単量体Mと共
重合可能な任意成分としての他の単量体として、アクリ
ル酸、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル等が挙げられているが、該公報には、(メタ)アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシプロピル等を用いた有機シリルエステル基含
有重合体は何ら示されていない。
【0024】なお、上記防汚剤としては、上記特開平8
-269388号公報に記載の防汚剤と同様の防汚剤が
挙げられている。また、添加可能な成分として、顔料、
塩素化パラフィン、沈降防止剤などが挙げられている。
【0025】しかしながらこれら〜(15)には、アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル等を用いた有機シリルエステ
ル基含有重合体は何ら示されておらず、また、これら公
報に記載の塗料組成物では、得られる塗膜は耐クラック
性に劣るか、あるいは得られる塗膜は耐クラック性、耐
剥離性(塗膜付着性)、防汚性特に高汚損環境下におけ
る防汚性や長期防汚性、自己研磨性などのバランスの点
で充分でない。
【0026】さらに、(16)特公平5−82865号公報
には、共重合可能な任意成分として、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト等が挙げられている。また(17)特開平9−48947
号公報、(18)特開平9−48948号公報、(19)特開平
9−48949号公報、(20)特開平9−48950号公
報、(21)特開平9−48951号公報、(22)特公平5−
32433号公報、(23)USP4,593,055、(2
4)特開平2−1968669号公報、(25)WO91/1
4743には、シリル(メタ)アクリレート系共重合体
が記載されている。しかしながら、これら公報(16)〜
(25)には、ヒドロキシ含有モノマー等を用いた共重合
体は何ら示されていない。また、これら公報(16)〜
(25)に記載の共重合体を用いた防汚塗料では、得られ
る塗膜は耐クラック性に劣るか、あるいは得られる塗膜
は耐クラック性、耐剥離性(塗膜付着性)、防汚性特に
高汚損環境下における防汚性や長期防汚性、自己研磨性
などのバランスの点でさらなる改良の余地がある。
【0027】また、(26)特開昭63−215780号公
報には、共重合成分としてメチルメタクリレート、n−
ブチルメタクリレート、アクリルアミド等を用いた共重
合体が示され、該共重合体と亜酸化銅とを配合した防汚
塗料が示されているが、上記公報に記載の防汚塗料など
と同様の問題点がある。
【0028】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、塗膜にクラッ
クが発生しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起き
にくく、塗膜の加水分解速度が良好に制御され、防汚性
特に高汚損環境下における防汚性や長期防汚性に優れた
防汚塗膜が得られる防汚塗料を製造しうるようなシリル
(メタ)アクリレート共重合体およびその製造方法を提
供することを目的としている。
【0029】
【発明の概要】本発明に係るシリル(メタ)アクリレー
ト共重合体は、(a) 式[I]:
【0030】
【化8】
【0031】[式[I]中、R1は、水素原子またはメチル
基を示し、R2、R3、R4は、互いに同一でも異なって
いてもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、
置換基を有していてもよいフェニル基の何れかを示
す。]で表されるシリル(メタ)アクリレート成分単位
20〜80重量%、(b)式[II]:
【0032】
【化9】
【0033】[式[II]中、R5は、水素原子またはメチ
ル基を示し、Zは、酸素原子または−NR7を示し、Z
が酸素原子である場合には、R6は置換基を有していて
もよいヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキ
ル基または
【0034】
【化10】
【0035】で表されるポリアルキレングリコール基
[但し、R8は、アルキレン基であり、nは、2〜50の
整数を示す。]を示し、Zが−NR7である場合には、R
7は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミ
ノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換されてい
てもよいアルキル基を示し、R6は水素原子を示す。]
で表されるアクリル系不飽和単量体成分単位0.01〜
40重量%、および(c)上記(a)成分単位および(b)成分
単位以外の他の不飽和単量体成分単位5〜79.99重
量%(但し、(a)+(b)+(c)=100重量%)から構成
され、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GP
C)で測定した重量平均分子量が20万以下であること
を特徴としている。
【0036】本発明の好ましい態様においては、上記不
飽和単量体成分単位(c)が、(メタ)アクリル酸エステ
ル、スチレン、ビニルエステルのうちから選択される1
種または2種以上の化合物から誘導されるものであるこ
とが望ましい。
【0037】本発明に係るシリル(メタ)アクリレート
共重合体の製造方法は、式[I-a]:
【0038】
【化11】
【0039】[式[I-a]中、R1は、水素原子またはメチ
ル基を示し、R2、R3、R4は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル
基、置換基を有していてもよいフェニル基の何れかを示
す。]で表されるシリル(メタ)アクリレート20〜8
0重量%、(b1)式[II-a]:
【0040】
【化12】
【0041】[式[II-a]中、R5は、水素原子またはメ
チル基を示し、Zは、酸素原子または−NR7を示し、
Zが酸素原子である場合には、R6は置換基を有してい
てもよいヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアル
キル基または式:
【0042】
【化13】
【0043】で表されるポリアルキレングリコール基
[但し、R8は、アルキレン基であり、nは、2〜50の
整数を示す。]を示し、Zが−NR7である場合には、R
7は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミ
ノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換されてい
てもよいアルキル基を示し、R6は水素原子を示す。]
で表されるアクリル系不飽和単量体0.01〜40重量
%、および(c1)上記単量体(a1)および(b1)と共重合しう
る他の不飽和単量体5〜79.99重量%(但し(a1)+
(b1)+(c1)=100重量%)をラジカル重合開始剤の存
在下に重合させて上記のシリル(メタ)アクリレート共
重合体を得ることを特徴としている。
【0044】本発明の好ましい態様においては、上記不
飽和単量体(c1)が、(メタ)アクリル酸エステル、スチ
レン、ビニルエステルのうちから選択される1種または
2種以上の化合物であることが望ましい。
【0045】本発明によれば、塗膜にクラックが発生し
にくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起きにくく、塗
膜の加水分解速度が良好に制御され、防汚性特に高汚損
環境下における防汚性や長期防汚性に優れ、しかもこれ
ら特性にバランスよく優れた防汚塗膜が得られる防汚塗
料を製造しうるようなシリル(メタ)アクリレート共重
合体およびその製造方法が提供される。
【0046】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るシリル(メ
タ)アクリレート共重合体およびその製造方法について
具体的に説明する。
【0047】<シリル(メタ)アクリレート共重合体>
本発明に係るシリル(メタ)アクリレート共重合体は、
下記式[I]で表されるシリル(メタ)アクリレート成分
単位(a)と、下記式[II]で表されるアクリル系不飽和単
量体成分単位(b)と、これら成分単位(a)および(b)以外
の他の不飽和単量体成分単位(c)とから構成されてい
る。
【0048】以下、このシリル(メタ)アクリレート共
重合体を構成する各成分単位(a)、(b)、(c)について順
次説明する。[シリル(メタ)アクリレート成分単位(a)] シリル(メ
タ)アクリレート成分単位(a)は、下記式[I]で表され
る。
【0049】式[I]:
【0050】
【化14】
【0051】式[I]中、R1は、水素原子またはメチル基
を示し、R2、R3、R4は、互いに同一でも異なってい
てもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、置
換基を有していてもよいフェニル基の何れかを示し、上
記アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜18、さらに
好ましくは1〜6であり、シクロアルキル基の炭素数
は、好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8であ
る。また、上記フェニル基中の水素原子と置換可能な置
換基としては、アルキル、アリール、ハロゲンなどが挙
げられる。
【0052】このようなシリル(メタ)アクリレート成
分単位を誘導しうるシリル(メタ)アクリレートは、下
記式[I-a]で表される。式[I-a]:
【0053】
【化15】
【0054】式[I-a]中、R1は、上記式[I]中のR1と同
様のものであって、水素原子またはメチル基を示し、R
2、R3、R4も上記式[I]中のR2、R3、R4と同様のも
のであって、互いに同一でも異なっていてもよく、それ
ぞれ上記と同様のアルキル基、シクロアルキル基、置換
基を有していてもよいフェニル基の何れかを示す。この
ようなシリル(メタ)アクリレート[I-a]としては、具
体的には、例えば、(メタ)アクリル酸トリメチルシリ
ルエステル、(メタ)アクリル酸トリエチルシリルエス
テル、(メタ)アクリル酸トリプロピルシリルエステ
ル、(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリルエステ
ル、(メタ)アクリル酸トリブチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリsec−ブチルシリルエステ
ル、(メタ)アクリル酸トリiso−ブチルシリルエス
テル等のようにR2、R3およびR4が同一のシリル(メ
タ)アクリレート;(メタ)アクリル酸ジsec−ブチ
ル−メチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸sec
−ブチル−ジメチルシリルエステル、(メタ)アクリル
酸ジメチルプロピルシリルエステル、(メタ)アクリル
酸モノメチルジプロピルシリルエステル、(メタ)アク
リル酸メチルエチルプロピルシリルエステル等のように
2、R3およびR4のうちの1部または全部が互いに異
なったシリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0055】本発明においては、このようなシリル(メ
タ)アクリレートは1種または2種以上組み合わせて用
いることができる。このようなシリル(メタ)アクリレ
ートの内では、R2、R3およびR4が、それぞれ独立に
メチル基、エチル基、n−、iso−プロピル基、se
c−,tert−,iso−ブチル基等の炭素数が1〜
18程度のアルキル基であるものが好ましく、さらには
2、R3およびR4のうちの少なくとも1つのアルキル
基の炭素数が3以上であるものが好ましく、またR2
3およびR4の総炭素数が5〜21程度のものが好まし
い。このようなシリル(メタ)アクリレートのうちで
は、特にシリル(メタ)アクリレート共重合体合成の容
易性、あるいはこのようなシリル(メタ)アクリレート
共重合体を用いてなる防汚塗料組成物の造膜性、貯蔵安
定性、研掃性の制御のしやすさなどを考慮すると、(メ
タ)アクリル酸トリiso−プロピルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリiso−ブチルシリルエステ
ル、(メタ)アクリル酸ジsec−ブチル−メチルシリ
ルエステル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル−ジメ
チルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリsec−
ブチルシリルエステルが最も好ましく用いられる。
【0056】[アクリル系不飽和単量体成分単位(b)]ア
クリル系不飽和単量体成分単位(b)(単に、不飽和単量
体成分単位(b)とも言う。)は、下記式[II]で表され
る。
【0057】式[II]:
【0058】
【化16】
【0059】式[II]中、R5は、水素原子またはメチル
基を示し、Zは、酸素原子または−NR7を示す。Zが
酸素原子である場合には、R6は置換基を有していても
よいヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル
基または式:
【0060】
【化17】
【0061】で表されるポリアルキレングリコール基
[但し、R8は、アルキレン基であり、nは、2〜50の
整数を示す。]を示す。上記式[II]中のヒドロキシアル
キル基の炭素数は、好ましくは1〜18、さらに好まし
くは2〜9であり、また上記ヒドロキシシクロアルキル
基の炭素数は、好ましくは3〜10、さらに好ましくは
3〜8であり、上記ポリアルキレングリコール基中のア
ルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜8、さらに好ま
しくは2〜4である。
【0062】また、Zが−NR7である場合には、R
7は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミ
ノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換されてい
てもよい上記と同様の炭素数のアルキル基を示し、R6
は水素原子を示す。
【0063】このような不飽和単量体成分単位(b)を誘
導しうる不飽和単量体は、下記式[II-a]で表される。式
[II-a]:
【0064】
【化18】
【0065】式[II-a]中、R5は、上記式[II]中のR5
同様のものであって、水素原子またはメチル基を示し、
Zは、上記式[II]中のZと同様のものであって、酸素原
子または−NR7を示す。
【0066】Zが酸素原子である場合には、R6は置換
基を有していてもよいヒドロキシアルキル基、ヒドロキ
シシクロアルキル基または式:
【0067】
【化19】
【0068】で表されるポリアルキレングリコール基
[但し、R8は、アルキレン基であり、nは、2〜50の
整数を示す。]を示す。上記式[II-a]中のヒドロキシア
ルキル基の炭素数は、好ましくは1〜18、さらに好ま
しくは2〜9であり、また上記ヒドロキシシクロアルキ
ル基の炭素数は、好ましくは3〜10、さらに好ましく
は3〜8であり、上記ポリアルキレングリコール基中の
アルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜8、さらに好
ましくは2〜4である。また、Zが−NR7である場合
には、R7は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、
置換アミノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換
されていてもよいアルキル基を示し、R6は水素原子を
示す。
【0069】このような不飽和単量体[II-a]としては、
具体的には、例えば、式[II-a]中、Zが酸素原子である
ものとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメ
タクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、
1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=
2)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n
=4)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート
(n=5)、ポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト(n=8)、ポリエチレングリコールモノメタクリレ
ート(n=10)、ポリエチレングリコールモノメタク
リレート(n=15)、ポリプロピレングリコールモノ
メタクリレート(n=5)、ポリプロピレングリコール
モノメタクリレート(n=9)、ポリプロピレングリコ
ールモノメタクリレート(n=12)等が挙げられる。
【0070】また、上記式[II-a]中、Zが−NR7であ
るものとしては、具体的には、例えば、N−メチロール
アクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、
N−エトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチル
アミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミ
ノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド等が挙げられる。
【0071】これらの不飽和単量体[II-a]は、1種また
は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの
不飽和単量体[II-a]のうちでは、ヒドロキシル基含有モ
ノマーが好ましく、ヒドロキシル基含有モノマーのうち
では2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシブチルメタクリレートなどを用いると、適度の溶出
性を有する防汚塗膜が得られるため好ましい。
【0072】[不飽和単量体成分単位(c)]不飽和単量
体成分単位(c)は、上記成分単位(a)および上記成分単位
(b)と共に本発明のシリル(メタ)アクリレート共重合
体を構成しており、しかも上記成分単位(a)、(b)の何れ
とも異なる成分単位であって、このような不飽和単量体
成分単位(c)を誘導しうる不飽和単量体(c1)としては、
具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸オクチル等
の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン等のスチレン類;酢酸ビニ
ル、安息香酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル
等のビニルエステル類;クロトン酸エステル類、イタコ
ン酸エステル類、フマル酸エステル類、マレイン酸エス
テル類等が挙げられ、これらのうちでは、(メタ)アク
リル酸エステル類、スチレン類、ビニルエステル類が適
度の塗膜強度を有する防汚塗膜が得られるため好まし
い。
【0073】これらの不飽和単量体は、1種または2種
以上組み合わせて用いられる。本発明に係るシリル(メ
タ)アクリレート共重合体には、上記シリル(メタ)ア
クリレート成分単位(a)は、20〜80重量%、好まし
くは30〜70重量%の量で、アクリル系不飽和単量体
成分単位(b)は0.01〜40重量%、好ましくは0.
1〜20重量%の量で、不飽和単量体成分単位(c)は5
〜79.99重量%、好ましくは10〜60重量%
((a)+(b)+(c)=100重量%)の量で含まれている
ことが、塗膜強度と消耗性の点で望ましい。
【0074】またこのようなシリル(メタ)アクリレー
ト共重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフィー
(GPC)で測定した重量平均分子量は、20万以下、
好ましくは5000〜10万であることが、(該シリル
(メタ)アクリレート共重合体を配合した防汚塗料調製
の容易性、得られた防汚塗料の塗装作業性、防汚塗膜の
消耗速度、耐クラック性などの点で望ましい。<シリル(メタ)アクリレート共重合体の製造> このよ
うなシリル(メタ)アクリレート共重合体を得るには、
上記式[I-a]で表されるシリル(メタ)アクリレート(a
1)20〜80重量%と、上記式[II-a]で表される不飽和
単量体(b1)0.01〜40重量%と、上記単量体[I-a]
および[II-a]と共重合しうる他の不飽和単量体(c1)5〜
79.99重量%(但し(a1)+(b1)+(c1)=100重量
%)をラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重合、塊状
重合、乳化重合、懸濁重合等の各種方法にてランダム重
合させればよい。
【0075】ラジカル重合開始剤としては、従来より公
知のアゾ化合物、過酸化物などを広く用いることがで
き、アゾ化合物としては、具体的には、例えば、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、過
酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、tert
−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパー
オキシオクテート、クメンハイドロパーオキサイド、t
ert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパー
オキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート、tert−ブチルハイドロパー
オキサイド、過硫酸塩(カリ塩、アンモニウム塩)等が
挙げられる。
【0076】上記重合物を防汚塗料に用いる場合には、
上記各種重合法のうちでは、有機溶剤中で重合が行われ
る溶液重合法や塊状重合法が好ましく、溶液重合の際用
いられる有機溶剤としては、キシレン、トルエン等の芳
香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水
素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;イソプ
ロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール
類;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類;等が挙げられる。これらの溶剤は、1種または2種
以上組み合わせて用いられる。<シリル(メタ)アクリレート共重合体の用途> このよ
うにして得られる本発明に係るシリル(メタ)アクリレ
ート共重合体は、塗料用特に防汚塗料用の塗膜形成成
分、溶出制御成分として好適に用いられる。
【0077】このシリル(メタ)アクリレート共重合体
が含有された防汚塗料によれば、塗膜にクラックが発生
しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起きにくく、
塗膜の加水分解速度が良好に制御され、防汚性特に高汚
損環境下における防汚性や長期防汚性に優れた防汚塗膜
が得られる。<その他の成分> このような防汚塗料組成物は、上記シ
リル(メタ)アクリレート共重合体{(メタ)アクリル
酸シリルエステル系共重合体とも言う。}を必須成分と
して含有しているが、この成分以外に、銅および/また
は銅化合物等の各種防汚剤、酸化亜鉛(亜鉛華)、脱水
剤、タレ止め・沈降防止剤、ロジン等の溶出促進成分、
塩素化パラフィン等の可塑剤、着色顔料、体質顔料など
の各種顔料、アクリル樹脂、ポリアルキルビニルエーテ
ル(ビニルエーテル系(共)重合体)などの各種樹脂、
消泡剤、色別れ防止剤、レベリング剤などの各種添加剤
など、下記のような成分を含有していてもよい。[ビニルエーテル系(共)重合体] このビニルエーテル系
(共)重合体は、 式[III]:H2C=CHO−R (式[III]中、Rは炭化水素基を示す。)で表される
ビニルエーテルから誘導される成分単位を含有する
(共)重合体である。
【0078】上記ビニルエーテル[III]は、ビニルエ
ーテル結合(H2C=CH−O−)を有するビニルエー
テルであり、式[III]中の炭化水素基Rとしては、通
常炭素数が1〜25の脂肪族系、芳香族系の炭化水素基
が挙げられ、直鎖状でも分岐を有していても良く、また
シクロヘキシル環に代表されるような脂環構造を有して
いても良い。また、上記炭化水素基(炭素数が2以上の
場合)を構成する炭素原子C1は、該アルキル基中に含
まれ炭素原子C1に隣接する炭素原子C2と、酸素原子を
介してエーテル結合(C1−O−C2)を形成していても
良く、また、炭化水素基を構成する水素原子は、他の官
能基(−OH、−NH2 など)にて置換されていても良
い。
【0079】より具体的には、上記式[III]中のRは
1価の炭化水素基を示し、1価の炭化水素基としては、
アルキル基、置換されていてもよいフェニル基等が挙げ
られる。
【0080】上記ビニルエーテル系(共)重合体は、上
記式[III]で表されるビニルエーテルの単独重合体ま
たはこのビニルエーテル[III]を主成分として50重
量%以上の量で含有するビニルエーテル系共重合体(こ
れらをまとめて、単に「ビニルエーテル系(共)重合
体」とも言う。)であることが望ましい。
【0081】上記ビニルエーテル系(共)重合体として
具体的には、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエ
チルエーテル、ポリビニルイソプロピルエーテル、ポリ
ビニルイソブチルエーテルなどを例示することができ
る。
【0082】このようなビニルエーテル系(共)重合体
は、防汚塗料組成物中に、合計で通常、0.1〜10重
量%、好ましくは0.2〜5重量%の量で含まれている
ことが望ましい。また防汚塗料組成物中に含まれる(メ
タ)アクリル酸シリルエステル系(共)重合体100重
量部に対して、該ビニルエーテル系(共)重合体は、通
常、0.3〜60重量部、好ましくは0.6〜40重量
部の量で含まれていることが望ましい。
【0083】このビニルエーテル系(共)重合体が、該
防汚塗料組成物中にこの範囲にあると、得られる塗膜の
耐クラック性、耐剥離防止性、溶出速度安定性に優れる
ようになる傾向がある。
【0084】[防汚剤]防汚剤としては、銅および/ま
たは銅化合物が好ましい。このような銅化合物として
は、有機系、無機系の銅化合物の何れであってもよく、
無機系の銅化合物としては、例えば、亜酸化銅、チオシ
アン化銅(チオシアン酸第一銅、ロダン銅)、塩基性硫
酸銅、塩化銅、酸化銅等が挙げられ、有機系の銅化合物
としては、例えば、塩基性酢酸銅、オキシン銅、ノニル
フェノールスルホン酸銅、カツパービス(エチレンジア
ミン)−ビス(ドデシルベンゼンスルホネート)、ナフ
テン酸銅、ロジン銅、ビス(ペンタクロロフェノール
酸)銅などが挙げられ、好ましくは無機系の亜酸化銅、
チオシアン化銅(ロダン銅)が用いられる。
【0085】このような銅化合物は、銅に代えて、ある
いは銅と共に1種または2種以上組合わせて用いること
ができる。このような銅および/または銅化合物は、こ
の防汚塗料組成物中に、合計で通常、1〜70重量%、
好ましくは3〜65重量%の量で含まれていることが望
ましい。また防汚塗料組成物中に含まれるシリル(メ
タ)アクリレート共重合体100重量部に対して、該銅
および/または銅化合物は、合計で通常、3〜1400
重量部、好ましくは10〜1300重量部の量で含まれ
ていることが望ましい。
【0086】この銅および/または銅化合物が、該防汚
塗料組成物中にこの範囲にあると、防汚性に優れるよう
になる傾向がある。本発明においては、防汚剤として、
上記銅および/または銅化合物と共に、あるいは上記銅
および/または銅化合物に代えて、下記式[IV]で示され
るピリチオン系化合物[E](すなわち、金属−ピリチオ
ン類)[式中R1〜R4は、それぞれ独立に水素、アルキ
ル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基を示し、M
は、Zn、Cu、Na、Mg、Ca、Ba、Pb、F
e、Al等の金属を示し、nは価数を示す]などが含ま
れていてもよい。
【0087】
【化20】
【0088】このようなピリチオン系化合物は、この防
汚塗料組成物中に、合計で通常、0.1〜15重量%、
好ましくは0.5〜10重量%の量で含まれていること
が望ましい。また防汚塗料組成物中に含まれるシリル
(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して、
該ピリチオン系化合物は、合計で通常、0.3〜300
重量部、好ましくは2〜200重量部の量で含まれてい
ることが望ましい。
【0089】この防汚塗料組成物においては、このピリ
チオン系化合物と共に、あるいはこのピリチオン系化合
物に代えて下記の防汚剤(他の防汚剤)を含有していて
もよく、このような他の防汚剤としては、従来より公知
の各種防汚剤を用いることができ、具体的には、例え
ば、テトラメチルチウラムジサルファイド、カーバメー
ト系の毒物(例:ジンクジメチルジチオカーバメート、
マンガン-2-エチレンビスジチオカーバメート)、2,
4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N
−ジメチルジクロロフェニル尿素、4,5−ジクロロ-
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2,4,6
−トリクロロフェニルマレイミド、ピリシン-トリフェ
ニルボラン等を挙げることができる。本発明において
は、このような防汚剤をジンクピリチオン(上記式[IV]
で、R1〜R4=H、M=Zn、n=2のものに相当)等
のピリチオン系化合物とともに、1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。
【0090】また、この防汚塗料組成物に含まれる銅お
よび/または銅化合物、ピリチオン系化合物などの各種
防汚剤の含有量は、防汚塗料組成物調製時に用いられる
防汚剤、被膜形成性共重合体などの種類あるいはこのよ
うな防汚塗料組成物が塗布形成される船舶等の種類(船
舶では、外航−内航用、各種海水域用、木造−鋼鉄船用
等)などにもより一概に決定されないが、上記シリル
(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して、
防汚剤総量として通常10〜1400重量部の量で、好
ましくは20〜1300重量部の量で含有されているこ
とが望ましい。
【0091】この防汚剤総量が10重量部未満では、防
汚性に劣ることがあり、また1400重量部を超えると
それ以上の防汚性は期待できない上に、耐クラック性に
劣ることがある。
【0092】例えば、防汚剤としてジンクピリチオンと
亜酸化銅(Cu2O)とを組み合わせて用いる場合、ジ
ンクピリチオンは、シリル(メタ)アクリレート共重合
体100重量部に対して2〜200重量部の量で、ま
た、この亜酸化銅は、上記シリル(メタ)アクリレート
共重合体100重量部に対して通常10〜1300重量
部程度の量で防汚塗料組成物中に含有されていても良
い。このようにジンクピリチオンと亜酸化銅とを含有し
ていても、この防汚塗料組成物は、前述したような従来
例に係る防汚塗料と異なり貯蔵安定性に優れ、貯蔵中に
増粘・ゲル化しない。 [酸化亜鉛(亜鉛華)]このような防汚塗料組成物に
は、酸化亜鉛(亜鉛華)が含有されていても良い。この
ように酸化亜鉛が配合された防汚塗料組成物では、得ら
れる塗膜強度が向上し、塗膜の研掃性を効果的に制御で
きる。
【0093】また、このような酸化亜鉛は、消耗度調
整、塗膜硬度調整の観点から、この防汚塗料組成物中
に、通常、0.5〜35重量%、好ましくは1〜25重
量%の量で含まれていることが望ましい。 [脱水剤]この防汚塗料組成物には、無機系あるいは有
機系の脱水剤、好ましくは無機系の脱水剤が配合されて
いても良い。このように脱水剤が配合された防汚塗料組
成物では、貯蔵安定性を一層向上させることができる。
【0094】無機脱水剤としては、具体的には、例え
ば、無水石膏(CaSO4)、合成ゼオライト系吸着剤
(商品名:モレキュラーシーブ等)、オルソギ酸メチ
ル、オルソ酢酸メチル等のオルソエステル類、オルソほ
う酸エステル、シリケート類やイソシアネート類(商品
名:アディティブT1)等が挙げられ、無水石膏、モレ
キュラーシーブが好ましく用いられる。このような無機
脱水剤は、1種または2種以上組み合わせて用いること
ができる。
【0095】このような脱水剤特に無機脱水剤は、上記
シリル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対
して、通常、0.02〜100重量部、好ましくは0.
2〜50重量部の量で配合することが好ましい。
【0096】また、このような無機脱水剤は、この防汚
塗料組成物中に、合計で通常、0.01〜10重量%、
好ましくは0.1〜5重量%の量で含まれていることが
望ましい。このような量で無機脱水剤が防汚塗料組成物
中に含まれていると、貯蔵安定性が向上する傾向があ
る。 [タレ止め・沈降防止剤]タレ止め・沈降防止剤として
は、公知のタレ止め・沈降防止剤が、任意量で配合され
ていてもよい。このようなタレ止め・沈降防止剤として
は、Al、Ca、Znのステアレート塩、レシチン塩、
アルキルスルホン酸塩などの塩類、ポリエチレンワック
ス、アミドワックス、水添ヒマシ油ワックス系,ポリア
マイドワックス系および両者の混合物、合成微粉シリ
カ、酸化ポリエチレン系ワックス等が挙げられ、好まし
くは水添ヒマシ油ワックス、ポリアマイドワックス、合
成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワックスが用いられ
る。このようなタレ止め・沈降防止剤としては、楠本化
成(株)製の「ディスパロンA-603-20X」、「ディスパ
ロン4200-20」等の商品名で上市されているものが挙げ
られる。 [溶出促進成分]溶出促進成分は、海水中で塗膜の自己
研磨作用を促進する働きを有し、このような溶出促進成
分としては、ロジン(例:商品名「ロジンWW」)およ
びその誘導体、モノカルボン酸およびその塩等が挙げら
れる。
【0097】ロジンには、ガムロジン、ウッドロジン、
トール油ロジンなどがあるが、本発明ではいずれをも使
用することができる。ロジンの誘導体としては、例え
ば、不均化ロジン、低融点不均化ロジン、水添ロジン、
重合ロジン、マレイン化ロジン、アルデヒド変性ロジ
ン、ロジンのポリオキシアルキレンエステル、還元ロジ
ン(ロジンアルコール)、ロジンおよびロジン誘導体の
金属塩(ロジンおよびロジン誘導体の銅塩、亜鉛塩、マ
グネシウム塩など)、ロジンアミン等が挙げられる。こ
れらのロジン及びその誘導体は、1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。
【0098】モノカルボン酸としては、例えば、炭素数
5〜30程度の脂肪酸、合成脂肪酸、ナフテン酸が挙げ
られる。モノカルボン酸の塩としては、Cu塩、Zn
塩、Mg塩、Ca塩等が挙げられる。これらの溶出促進
成分のうちでは、ロジンまたはその誘導体またはナフテ
ン酸の金属塩が好ましい。これらの溶出促進成分は、1
種または2種以上組み合わせて用いることができる。こ
れらの溶出促進成分は、防汚塗料組成物中に固形分換算
で、0.1〜30重量%、好ましくは、0.1〜20重
量%、さらに好ましくは0.5〜15重量%の量で含有
されていることが望ましい。溶出促進成分の配合割合
は、塗膜の防汚性能および耐水性能の観点からこの範囲
にあることが望ましい。
【0099】また防汚塗料組成物中に含まれるシリル
(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して、
該溶出促進成分は、合計で通常、0.3〜600重量
部、好ましくは2〜300重量部の量で含まれているこ
とが望ましい。
【0100】この溶出促進成分が、該防汚塗料組成物中
にこの範囲にあると、防汚性や塗膜の消耗性に優れるよ
うになる傾向がある。 [顔料、溶剤]顔料としては、従来公知の有機系、無機
系の各種顔料(例:チタン白、ベンガラ、有機赤色顔
料、タルクなど)を用いることができる。なお、染料等
の各種着色剤も含まれていてもよい。
【0101】顔料の形態として針状、扁平状、鱗片状の
ものを使用することにより塗膜の耐クラック性を一層向
上させることが可能である。溶剤としては、例えば、脂
肪族系、芳香族系(例:キシレン、トルエン等)、ケト
ン系、エステル系、エーテル系など通常、防汚塗料に配
合されるような各種溶剤が用いられる。 <防汚塗料組成物の製造>このような防汚塗料組成物
は、従来より公知の方法を適宜利用することにより製造
することができ、例えば、上記シリル(メタ)アクリレ
ート共重合体と、該共重合体100重量部に対して3〜
1400重量部の量の銅および/または銅化合物、0〜
300重量部の量のピリチオン系化合物(但し防汚剤総
量で25〜1200重量部)と、0.3〜200重量部
の量のビニルエーテル系(共)重合体と、2〜700重
量部の量で必要により用いられる亜鉛華と、0.03〜
200重量部の量の脱水剤(例:無水石膏、モレキュラ
ーシーブ)と、適宜量で用いられるタレ止め・沈降防止
剤、顔料、溶剤などとを一度にあるいは任意の順序で加
えて攪拌・混合・分散すればよい。
【0102】この防汚塗料組成物は、1液性で貯蔵安定
性に優れ、防汚塗料の付着性、耐久性、防汚性といった
各種要求性能を満足するものである。上記のような防汚
塗料組成物を水中構造物(例:原子力発電所の給排水
口)、湾岸道路、海底トンネル、港湾設備、運河・水路
等のような各種海洋土木工事の汚泥拡散防止膜、船舶、
漁具(例:ロープ、漁網)などの各種成形体の表面に常
法に従って1回〜複数回塗布すれば、耐クラック性、防
汚性に優れた防汚塗膜被覆船体または水中構造物などが
得られる。なお、この防汚塗料組成物は、直接上記船体
または水中構造物等の表面に塗布してもよく、また予め
防錆剤、プライマーなどの下地材が塗布された船体また
は水中構造物等の表面に塗布してもよい。さらには、既
に従来の防汚塗料による塗装が行われ、あるいは上記シ
リル(メタ)アクリレート共重合体が含有された本発明
の防汚塗料組成物による塗装が行われている船体、水中
構造物等の表面に、補修用として本発明の防汚塗料組成
物を上塗りしてもよい。このようにして船体、水中構造
物等の表面に形成された防汚塗膜の厚さは特に限定され
ないが、例えば、30〜150μm/回程度である。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、塗膜にクラックが発生
しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起きにくく、
塗膜の加水分解速度が良好に制御され、防汚性特に高汚
損環境下における防汚性や長期防汚性に優れ、しかもこ
れら特性にバランスよく優れた防汚塗膜が得られる防汚
塗料を製造しうるようなシリル(メタ)アクリレート共
重合体およびその製造方法が提供される。
【0104】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限
されるものではない。なお、以下のポリマーの製造実施
例、比較例などにおいて、「部」は「重量部」の意味で
ある。
【0105】
【ポリマーの製造実施例】(共重合体S−1の製造)攪
拌機、コンデンサー、温度計、滴下装置、窒素導入管、
加熱・冷却ジャケットを備えた反応容器にキシレン10
0部を仕込み窒素気流下で85℃の温度条件に加熱攪拌
を行った。同温度を保持しつつ滴下装置より、上記反応
器内にトリイソプロピルシリルアクリレート50部、メ
チルメタクリレート45部、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート5部および重合開始剤の2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル1部の混合物を2時間かけて滴下し
た。その後同温度で4時間攪拌を行なった後、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル0.4部を加え更に同温
度で4時間攪拌を行ない、無色透明の共重合体溶液S−
1を得た。
【0106】得られた共重合体溶液S−1の加熱残分
(105℃の恒温器中3時間乾燥後の加熱残分)は5
0.9%であり、25℃における粘度は353cpsで
あり、GPCにより測定した数平均分子量(Mn)は5
132であり、重量平均分子量(Mw)は19344で
あった。共重合体S−1のGPCクロマトグラムを図1
にIRスペクトルのチャートを図20に示す。
【0107】GPCおよびIRの測定条件は以下の通り
である。 [GPC測定条件] 装 置:東ソー社製 HLC−8120GPC カラム:東ソー社製 Super H2000+H4000 6mmI.D.,15cm 溶離液:THF 流 速:0.500ml/min 検出器:RI カラム恒温槽温度:40℃ [IR測定条件] 装 置:日立製作所製 270−30形 日立赤外分光光度計 測定方法:KBrセル、塗布法
【共重合体S−2〜共重合体S−23および比較例用共
重合体H1〜H5の製造実施例および比較例】上記共重
合体S−1の製造の際に、滴下配合成分を表1〜5に示
すように変えた以外は、上記と同様にして共重合体S−
2〜共重合体S−23および比較例用共重合体H1〜H
5を得て、上記と同様にこれらの共重合体(溶液)の物
性値を測定した。
【0108】結果を合わせて表1〜5に示す。
【0109】
【防汚塗料の製造実施例1〜29、製造比較例1〜5】
[防汚塗料組成物の製造例]表6〜9に示す配合組成の
防汚塗料組成物を製造するに際しては、ガラスビーズを
入れたペイントシェーカー内でこれらの配合成分を一緒
にして2時間振とうした後、100メッシュのフィルタ
ーにてロ過して、所望の防汚塗料組成物を得た。
【0110】該防汚塗料組成物について常温で2ヶ月間
貯蔵後の貯蔵安定性を表6〜9に合わせて示す。貯蔵安
定性の評価は塗料試作直後と常温2ヶ月間貯蔵後の粘度
(ストーマー粘度計により測定した25℃におけるKu
値)の増加度により行った。
【0111】(評価基準) 5:粘度の増加が10未満 4:粘度の増加が20未満 3:粘度の増加が30未満 2:粘度の増加が30以上 1:流動性がなくKu値の測定が不可。
【0112】また、該防汚塗料組成物を用いた防汚性、
消耗度の評価を下記のようにして行った。結果を表6〜
9に合わせて示す。(なお表中では、防汚塗料組成物の
製造実施例、製造比較例を単に実施例、比較例と略記す
る。)
【0113】[防汚性の評価]広島湾の海水中に設置し
た回転ドラムの側面に取付け可能なように曲げ加工が施
された70×200×3mmのサンドブラスト鋼板を用
意した。
【0114】このサンドブラスト鋼板に、エポキシ系ジ
ンクリッチプライマー、エポキシ系防食塗料、ビニル系
バインダーコートをそれぞれの乾燥膜厚が20μm、1
50μm、50μmとなるように1日毎に順次重ねて塗
装した後、供試防汚塗料組成物をその乾燥後の膜厚が2
00μmとなるように塗装し、試験板を得た。回転ドラ
ムにこの試験板を取り付けて周速5ノット、50%稼動
条件(夜間12時間稼動、昼間12時間停止の交互運
転)にて12ヶ月間高汚損環境条件での試験を行い防汚
性の評価を行った。
【0115】防汚性の評価については目視で行い以下の
基準を用いた。 (評価基準) 5:塗膜表面に付着物を認めない 4:塗膜表面に薄いスライムの付着を認める 3:塗膜表面に濃いスライムの付着を認める 2:塗膜表面にスライムの付着及び部分的にシオミドロ
など植物の付着を認める 1:塗膜表面全体がシオミドロなどの植物で覆われてい
る また、下記のような条件で消耗度の評価を行った。
【0116】[消耗度の評価]直径300mmで厚さ3
mmの円盤状サンドブラスト鋼板にエポキシ系ジンクリ
ッチプライマー、エポキシ系防食塗料、ビニル系バイン
ダーコートをそれぞれの乾燥膜厚が20μm、150μ
m、50μmとなるよう1日毎に順次重ねて塗装した
後、7日間室内で乾燥した。その後隙間500μmのア
プリケーターを用い供試防汚塗料組成物を円心から半径
方向に放射状に塗装し、試験板を得た。25℃の海水を
入れた恒温槽中でモーターにこの試験板を取り付け、周
速15ノットで1ヶ月間回転し、円周付近の消耗度(膜
厚減少)を測定した。
【0117】評価結果を合わせて表6〜9に示す。ま
た、膜厚減少測定時の塗膜状態を目視で観察し、以下の
基準にて評価を行った。
【0118】(評価基準) 5:塗膜に異常を認めない 4:部分的に微細なワレを認める 3:全体的に微細なワレを認める 2:部分的に顕著なワレを認める 1:全体的に顕著なワレを認める 評価結果を合わせて表6〜9に示す。
【0119】なお、表中の成分名称等は以下の通りであ
る。 「トヨパラックス150」東ソー(株)製の塩素化パ
ラフィン、平均炭素数:14.5、塩素含有量:50
%、粘度:12ポイズ/25℃、比重:1.25/25
℃。 「ルトナールA−25」BASF社製のポリビニルエ
チルエーテル、粘度:2.5〜6.0Pa・s/23
℃、比重:0.96/20℃。 「ロジン溶液」WWロジンの50%キシレン溶液 「ナフテン酸銅溶液」ナフテン酸銅のキシレン溶液、
溶液中の銅含有率:8%。 「可溶性無水石膏D−1」(株)ノリタケカンパニー
リミテド製、IIICaSO4、白色粉末、平均粒径15μ
m。 「ディスパロン4200−20」楠本化成(株)製、
酸化ポリエチレンワックス 20%キシレンペースト 「ディスパロンA603−20X」楠本化成(株)製 脂肪酸アマイドワックス 20%キシレンペースト
【0120】
【表1】
【0121】
【表2】
【0122】
【表3】
【0123】
【表4】
【0124】
【表5】
【0125】
【表6】
【0126】
【表7】
【0127】
【表8】
【0128】
【表9】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、共重合体S−1のGPCクロマトグラ
ムである。
【図2】図2は、共重合体S−2のGPCクロマトグラ
ムである。
【図3】図3は、共重合体S−3のGPCクロマトグラ
ムである。
【図4】図4は、共重合体S−6のGPCクロマトグラ
ムである。
【図5】図5は、共重合体S−9のGPCクロマトグラ
ムである。
【図6】図6は、共重合体S−10のGPCクロマトグ
ラムである。
【図7】図7は、共重合体S−11のGPCクロマトグ
ラムである。
【図8】図8は、共重合体S−12のGPCクロマトグ
ラムである。
【図9】図9は、共重合体S−13のGPCクロマトグ
ラムである。
【図10】図10は、共重合体S−14のGPCクロマ
トグラムである。
【図11】図11は、共重合体S−15のGPCクロマ
トグラムである。
【図12】図12は、共重合体S−16のGPCクロマ
トグラムである。
【図13】図13は、共重合体S−17のGPCクロマ
トグラムである。
【図14】図14は、共重合体S−18のGPCクロマ
トグラムである。
【図15】図15は、共重合体S−19のGPCクロマ
トグラムである。
【図16】図16は、共重合体S−20のGPCクロマ
トグラムである。
【図17】図17は、共重合体S−21のGPCクロマ
トグラムである。
【図18】図18は、共重合体S−22のGPCクロマ
トグラムである。
【図19】図19は、共重合体S−23のGPCクロマ
トグラムである。
【図20】図20は、共重合体S−1のIRスペクトル
のチャートである。
【図21】図21は、共重合体S−2のIRスペクトル
のチャートである。
【図22】図22は、共重合体S−3のIRスペクトル
のチャートである。
【図23】図23は、共重合体S−6のIRスペクトル
のチャートである。
【図24】図24は、共重合体S−9のIRスペクトル
のチャートである。
【図25】図25は、共重合体S−10のIRスペクト
ルのチャートである。
【図26】図26は、共重合体S−11のIRスペクト
ルのチャートである。
【図27】図27は、共重合体S−12のIRスペクト
ルのチャートである。
【図28】図28は、共重合体S−13のIRスペクト
ルのチャートである。
【図29】図29は、共重合体S−14のIRスペクト
ルのチャートである。
【図30】図30は、共重合体S−15のIRスペクト
ルのチャートである。
【図31】図31は、共重合体S−16のIRスペクト
ルのチャートである。
【図32】図32は、共重合体S−17のIRスペクト
ルのチャートである。
【図33】図33は、共重合体S−18のIRスペクト
ルのチャートである。
【図34】図34は、共重合体S−19のIRスペクト
ルのチャートである。
【図35】図35は、共重合体S−20のIRスペクト
ルのチャートである。
【図36】図36は、共重合体S−21のIRスペクト
ルのチャートである。
【図37】図37は、共重合体S−22のIRスペクト
ルのチャートである。
【図38】図38は、共重合体S−23のIRスペクト
ルのチャートである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 143/04 C09D 143/04 //(C08F 230/08 220:10 212:08 218:04) (72)発明者 有 村 秀 隆 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内 (72)発明者 濱 津 富三男 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内 (72)発明者 中 村 直 哉 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)式[I]: 【化1】 [式[I]中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R
    2、R3、R4は、互いに同一でも異なっていてもよく、
    それぞれアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有し
    ていてもよいフェニル基の何れかを示す。]で表される
    シリル(メタ)アクリレート成分単位20〜80重量
    %、 (b)式[II]: 【化2】 [式[II]中、R5は、水素原子またはメチル基を示し、
    Zは、酸素原子または−NR7を示し、 Zが酸素原子である場合には、R6は置換基を有してい
    てもよいヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアル
    キル基または式: 【化3】 で表されるポリアルキレングリコール基[但し、R8は、
    アルキレン基であり、nは、2〜50の整数を示す。]
    を示し、 Zが−NR7である場合には、R7は、ハロゲン、ヒドロ
    キシル基、アミノ基、置換アミノ基、アシル基、アルコ
    キシ基の何れかで置換されていてもよいアルキル基を示
    し、R6は水素原子を示す。]で表されるアクリル系不
    飽和単量体成分単位0.01〜40重量%、 および (c)上記(a)成分単位および(b)成分単位以外の他の不飽
    和単量体成分単位5〜79.99重量%(但し(a)+(b)
    +(c)=100重量%)から構成され、ゲルパーミエイ
    ションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平
    均分子量が20万以下であることを特徴とするシリル
    (メタ)アクリレート共重合体。
  2. 【請求項2】不飽和単量体成分単位(c)が、(メタ)ア
    クリル酸エステル、スチレン、ビニルエステルのうちか
    ら選択される1種または2種以上の化合物から誘導され
    るものである請求項1に記載のシリル(メタ)アクリレ
    ート共重合体。
  3. 【請求項3】(a1)式[I-a]: 【化4】 [式[I-a]中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、
    2、R3、R4は、互いに同一でも異なっていてもよ
    く、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、置換基を
    有していてもよいフェニル基の何れかを示す。]で表さ
    れるシリル(メタ)アクリレート20〜80重量%、 (b1)式[II-a]: 【化5】 [式[II-a]中、R5は、水素原子またはメチル基を示
    し、Zは、酸素原子または−NR7を示し、 Zが酸素原子である場合には、R6は置換基を有してい
    てもよいヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアル
    キル基または式: 【化6】 で表されるポリアルキレングリコール基[但し、R8は、
    アルキレン基であり、nは、2〜50の整数を示す。]
    を示し、 Zが−NR7である場合には、R7は、ハロゲン、ヒドロ
    キシル基、アミノ基、置換アミノ基、アシル基、アルコ
    キシ基の何れかで置換されていてもよいアルキル基を示
    し、R6は水素原子を示す。]で表されるアクリル系不
    飽和単量体0.01〜40重量%、 および (c1)上記単量体(a1)および(b1)と共重合しうる他の不飽
    和単量体5〜79.99重量%(但し(a1)+(b1)+(c1)
    =100重量%)をラジカル重合開始剤の存在下に重合
    させて請求項1に記載のシリル(メタ)アクリレート共
    重合体を得ることを特徴とするシリル(メタ)アクリレ
    ート共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】不飽和単量体(c1)が、(メタ)アクリル酸
    エステル、スチレン、ビニルエステルのうちから選択さ
    れる1種または2種以上の化合物である請求項3に記載
    の方法。
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