JP2000247958A - ヘキサアリールビイミダゾール化合物、これを用いた感光性組成物及びパターンの製造法並びに電子部品 - Google Patents

ヘキサアリールビイミダゾール化合物、これを用いた感光性組成物及びパターンの製造法並びに電子部品

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JP2000247958A JP5095899A JP5095899A JP2000247958A JP 2000247958 A JP2000247958 A JP 2000247958A JP 5095899 A JP5095899 A JP 5095899A JP 5095899 A JP5095899 A JP 5095899A JP 2000247958 A JP2000247958 A JP 2000247958A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶解性に優れ、高感度な光重合開始剤となる新
規なヘキサアリールビイミダゾール化合物、優れた感光
特性を有し、低露光量でも形状パターンに優れる感光性
組成物、優れた耐熱性、耐薬品性を示すポリイミドパタ
ーンの製造法、信頼性に優れた電子部品を提供する。 【解決手段】一般式(I) 【化1】 (但し、個々のRは各々独立にアルキル基であり、個々
のXは各々独立にフッ素原子又は水素原子である)で示
されるヘキサアリールビイミダゾール化合物、これを用
いた感光性組成物及びパターンの製造法並びに電子部
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光重合開始剤とし
て有用なヘキサアリールビイミダゾール化合物、これを
用いた感光性組成物及びパターンの製造法並びに電子部
品に関する。
【0002】
【従来の技術】感光性樹脂組成物は、UVインキ、印刷
用刷版、また近年はレーザーを用いたホログラムなど幅
広い産業分野で用いられているが、半導体の分野でも微
細加工用のポジ型レジストだけでなく、バッファーコー
トやパッシベーション膜などの保護膜として感光性の耐
熱性高分子が用いられている。このような感光性耐熱材
料の例としては、特公平5−67026号公報及び特公
昭63−31939号公報に記載されているように、芳
香族テトラカルボン酸二無水物を芳香族ジアミン化合物
に感光基を導入したものなどが知られている。
【0003】これらの加工には、半導体の製造ラインに
用いられているステッパと呼ばれる縮小投影露光機が用
いられている。これまでステッパとしては、超高圧水銀
灯のg−lineと呼ばれる可視光(波長:435n
m)を使ったg線ステッパが主流であったが、さらに加
工ルール微細化の要求に対応するため、i線ステッパ
(波長:365nm)に移行しつつある。
【0004】しかしながら、これらの感光性ポリイミド
前駆体は耐熱性、機械特性に優れる芳香族系モノマに基
本骨格を用いており、そのポリイミド前駆体自体の吸収
のため、紫外領域での透光性が低く、i線(波長:36
5nm)での透過率は非常に低いため、露光部における
光化学反応を充分に行うことができず、低感度であった
り、パターンの形状が悪化するという問題が見られた。
【0005】さらに半導体素子の高密度実装方式である
LOC(リードオンチップ)に対応して表面保護用ポリ
イミド膜はさらに厚膜のものが求められているため、透
過性が低い問題はさらに深刻になる。したがってi線ス
テッパーによる照度が非常に低くなる底部においても充
分な感度を有し、良好なパターン形状の得られる感光性
ポリイミドが強く求められている。
【0006】感光性樹脂組成物の構成成分のうち最も感
度に影響が深いものとして光重合開始剤が挙げられる
が、このような条件で高感度な光重合開始剤として、1
−フェニル−1、2−プロパンジオン−2−(o−エト
キシカルボニル)オキシムなどのオキシムエステル化合
物、さらに2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,
4,5,5−テトラフェニルビイミダゾール(o−Cl
−HABI)等のヘキサアリールビイミダゾール化合物
が用いられてきた。しかしながらオキシムエステル化合
物は一般に熱安定性が充分でなく、o−Cl−HABI
等のヘキサアリールビイミダゾール化合物は半導体プロ
セスにおいてClイオンの遊離が問題となっていた。さ
らにどちらの開始剤も感度として現状では、不充分であ
った。またCl−HABIは溶媒に対しての溶解性が低
く、充分な配合量で用いることができないため、感度が
不十分になることがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のもの
に比べて、溶解性に優れ、高感度な光重合開始剤となる
新規なヘキサアリールビイミダゾール化合物を提供する
ものである。また本発明は、優れた感光特性を有し、低
露光量でも形状に優れる良好なパターンが得られる感光
性組成物を提供するものである。また本発明は、前記課
題に加えて、優れた耐熱性、耐薬品性を示し、半導体素
子の表面コート膜等の保護膜や薄膜多層配線基板の層間
絶縁膜等に好適なポリイミド膜を形成できる感光性組成
物を提供するものである。また本発明は、優れた感光特
性を有し、低露光量でも形状に優れる良好なパターンが
得られると共に、その一部はアルカリ水溶液で良好な現
像が実現でき、さらに優れた耐熱性、耐薬品性を示すポ
リイミドパターンが製造可能なパターンの製造法を提供
するものである。さらに本発明は、前記のパターンを有
することにより信頼性に優れた電子部品を提供するもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来から
の光開始剤であるo−Cl−HABIのようなヘキサア
リールビイミダゾールの骨格において、塩素のかわりに
フッ素を導入し、さらに4,5−フェニル部のメタ位に
アルコキシ基を導入した新規なヘキサアリールビイミダ
ゾール化合物が前記課題を解決することを見いだした。
【0009】即ち本発明は、一般式(I)
【化4】 (但し、個々のRは各々独立にアルキル基であり、個々
のXは各々独立にフッ素原子又は水素原子である)で示
されるヘキサアリールビイミダゾール化合物に関する。
また本発明は、前記一般式(I)における4つのRがメ
チル基であるヘキサアリールビイミダゾール化合物に関
する。また本発明は、前記一般式(I)のXの結合する
2つのベンゼン環各々において、2つ又は3つのXがフ
ッ素原子であるヘキサアリールビイミダゾール化合物に
関する。
【0010】また本発明は、一般式(II)
【化5】 で示されるヘキサアリールビイミダゾール化合物に関す
る。
【0011】また本発明は、一般式(III)
【化6】 で示されるヘキサアリールビイミダゾール化合物に関す
る。
【0012】また本発明は、(A)光重合可能な炭素−
炭素二重結合を有する化合物及び(B)前記のヘキサア
リールビイミダゾール化合物を含有してなる感光性組成
物に関する。また本発明は、前記(A)成分が、光重合
可能な炭素−炭素二重結合を有するポリイミド前駆体で
ある感光性組成物に関する。また本発明は、前記(A)
成分100重量部に対して、前記(B)成分0.1〜2
0重量部を用いる感光性組成物に関する。
【0013】また本発明は、さらに、常圧において10
0℃以上の沸点を有する付加重合性化合物を含有する前
記感光性組成物に関する。また本発明は、前記の何れか
に記載の感光性組成物を用いて被膜を形成する工程、該
被膜に所定のパターンのマスクを介して光を照射する工
程、及び該光照射後の被膜を有機溶媒または塩基性水溶
液を用いて現像する工程を含むパターンの製造法に関す
る。
【0014】また本発明は、前記の現像する工程が、塩
基性水溶液を用いて現像するものであるパターンの製造
法に関する。また本発明は、前記の製造法により得られ
るパターンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有してな
る電子部品に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明における、前記一般式
(I)で示される新規なヘキサアリールビイミダゾール
化合物は、従来公知のo−Cl−HABIのようなヘキ
サアリールビイミダゾールの骨格において、塩素のかわ
りにフッ素又は水素原子を導入し、さらに4,5−フェ
ニル部のメタ位にアルコキシ基を導入したものである。
フッ素原子を含むものが感度に優れるので好ましい。こ
の構造をとることにより、低露光量でも形状に優れる良
好なパターンが得られる、高感度な光重合開始剤とな
る。一般式(I)においてRで示されるアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基等、炭素原子数1〜10のアルキル基が好ましい
ものとして挙げられ、中でもメチル基が好ましいものと
して挙げられる。
【0016】一般式(I)で示されるヘキサアリールビ
イミダゾール化合物の具体例としては、2,2’−ビス
(2−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テト
ラキス(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,
2’−ビス(2,3−ジフルオロメチルフェニル)−
4,4’,5,5’−テトラキス(3−メトキシフェニ
ル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジフル
オロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(3
−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス
(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’
−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビイミダゾー
ル、2,2’−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−
4,4’,5,5’−テトラキス(3−メトキシフェニ
ル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3,4−ト
リフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキ
ス(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’
−ビス(2,3,5−トリフルオロフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラキス(3−メトキシフェニル)
ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3,6−トリフ
ルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス
(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−
ビス(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラキス(3−メトキシフェニル)
ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリフ
ルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス
(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−
ビス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)−
4,4’,5,5’−テトラキス(3−メトキシフェニ
ル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3,4,6
−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テ
トラキス(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロ
フェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(3−メ
トキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス
(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’
−テトラキス(3−エトキシフェニル)ビイミダゾー
ル、2,2’−ビス(2,5−ジフルオロフェニル)−
4,4’,5,5’−テトラキス(3−エトキシフェニ
ル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,6−ジフル
オロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(3
−エトキシフェニル)ビイミダゾール等が挙げられる。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用され
る。中でも、前記一般式(II)又は(III)で示さ
れる2,2’−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−
4,4’,5,5’−テトラキス(3−メトキシフェニ
ル)ビイミダゾール(3−MeO−2,6F−HAB
I)又は2,2’−ビス(2,4−ジフルオロフェニ
ル)−4,4’,5,5’−テトラキス(3−メトキシ
フェニル)ビイミダゾール(3−MeO−2,4F−H
ABI)が、高感度でより好ましい。
【0017】これらのヘキサアリールビイミダゾール化
合物の製造法に特に制限はなく、例えば、L.A.Ce
sconらによるJournal of Organi
cChemistry,36,pp2262−2267
(1971)記載の方法、特開平10−36354号公
報記載の方法等により合成することができる。例えば、
2−(ジフルオロフェニル)−4,5−ビス(3−アル
コキシフェニル)イミダゾールに、N−メチルピロリド
ン、アルコール(メタノール、プロパノール等)、エチ
レングリコールアルキルエーテルなどの極性溶媒を加え
て室温で撹拌しながら溶解させ、これにフェリシアン化
カリウムおよび水酸化ナトリウムの水溶液を、反応温度
10〜20℃に保ちながら、ゆっくりと滴下し、滴下後
さらに室温で撹拌を続けて反応を終了させ、反応物をろ
過し水で洗浄し、乾燥することにより得ることができ
る。さらに必要に応じて、アセトン−メタノール等の溶
媒に溶解して再結晶させ、精製することができる。
【0018】本発明の感光性組成物は、(A)光重合可
能な炭素−炭素二重結合を有する化合物及び(B)前記
のヘキサアリールビイミダゾール化合物を含有する。前
記(A)成分は低分子化合物でも高分子化合物でもよ
く、低分子化合物と高分子化合物を併用してもよく、目
的とする用途に応じて種類と量を適宜選択することが可
能である。高分子化合物としては、ポリエステル(多価
アルコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチ
ロールプロパン、ネオペンチルグリコール等)と多価カ
ルボン酸(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、セバ
シン酸、アジピン酸等)から製造したコポリエステル
等)、ビニル系重合体(メタクリル酸、アクリル酸、メ
タクリル酸又はアクリル酸のアルキルエステル、例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アク
リレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート等のビニル系単量体のホモポ
リマ又はコポリマなど)、ポリホルムアルデヒド、ポリ
ウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、セルロース
エステル(メチルセルロース、エチルセルロース等)、
ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸ア
ミドなどの重合体で光重合可能な炭素−炭素二重結合を
有する化合物が挙げられる。
【0019】低分子化合物としては、常圧において10
0℃以上の沸点を有する付加重合性化合物が好ましい。
常圧において沸点が100℃より低いものでは系内に含
有する溶剤を乾燥等によって除去する際または活性光線
を照射する際、該付加重合性化合物が揮散して特性上好
ましくないからである。これらの化合物は、通常分子量
は1000以下である。低分子化合物の具体的な例とし
ては、多価アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とを
縮合して得られる化合物、(例えばエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート(ジアクリレートまたはジメタ
クリレートの意味、以下同じ)、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジ(1,2−プロピレングリ
コール)ジ(メタ)アクリレート、トリ(1,2−プロ
ピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、テトラ
(1,2−プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレ
ート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート等)、スチレン、ジビニルベンゼン、
4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニル
ピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、1,3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロ
キシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−
ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラ
メチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙
げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使
用される。
【0020】また前記付加重合性化合物は有機溶剤に可
溶なものが好ましい。有機溶剤としては、例えば、アセ
トン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、トルエ
ン、クロロホルム、メタノール、エタノール、1−プロ
パノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブ
タノール、t−ブタノール、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、シクロペンタノン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−
ピロリドン、Nーアセチルー2ーピロリドン、Nーベン
ジルー2ーピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチル
スルホキシド、エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート、スルホラン、ヘキサメチレンホスホルトリア
ミド、Nーアセチルーεーカプロラクタム、ジメチルイ
ミダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が好適
な例として挙げられる。これらは単独で用いても良い
し、混合系として用いることも可能である。
【0021】感光性組成物の用途が、半導体装置の表面
保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等である
場合、膜の耐熱性等が要求されるので、光重合可能な炭
素−炭素二重結合を有するポリイミド前駆体を用いるこ
とが好ましい。光重合可能な炭素−炭素二重結合を有す
るポリイミド前駆体としては、光重合可能な炭素−炭素
二重結合を有する化合物がポリアミド酸の側鎖に共有結
合した構造を有するポリアミド酸不飽和エステル、同様
のポリアミド酸不飽和アミド、ポリアミド酸に炭素−炭
素二重結合を有するアミン化合物を混合して、カルボキ
シル基とアミノ基のイオン結合により炭素−炭素二重結
合を導入したものなどが挙げられる。炭素−炭素不飽和
二重結合は、アクリロイル基又はメタクリロイル基の形
で含まれることが好ましい。
【0022】これらの中で、本発明で使用する(B)成
分と組み合わせ用いることにより優れた感度と現像時間
の短縮が図れることから、下記一般式(IV)で示され
る繰り返し単位を有するポリアミド酸不飽和エステルが
好ましいものとして挙げられる。
【化7】 (式中、Rは4価の有機基、Rは2価、3価または
4価の有機基、Rは炭素−炭素二重結合を有する1価
の有機基、Aは酸性を示す1価の基、nは0,1または
2である)
【0023】一般式(IV)で示される繰り返し単位に
おいて、R1で示される4価の有機基は、通常、ジアミ
ンと反応してポリイミド前駆体を形成することができる
テトラカルボン酸又はその誘導体の残基であり、硬化し
て得られるポリイミド膜の機械特性、耐熱性及び接着性
の観点から、炭素数4以上の4価の有機基であることが
好ましい。炭素数4以上の4価の有機基の中では、芳香
環(ベンゼン環、ナフタレン環等)を含む総炭素数6〜
30の有機基であることがより好ましい。また、テトラ
カルボン酸の4つのカルボキシル基の結合部位は、芳香
環のオルト位又はペリ位に存在する2つの結合部位を1
組として、その2組からなることが好ましい。なお、1
分子のポリアミド酸エステル中、複数存在する前記繰り
返し単位において、全てのR1は、同じであってもよく
異なっていてもよい。
【0024】一般式(IV)において、nが1または2
であるものは、塩基性水溶液に対する溶解性に優れる点
で好ましい。Aで示される酸性を示す基としては、スル
ホン酸基(−SOH)、スルフィン酸基(−SO
H)、カルボキシル基(−COOH)及びフェノール
性水酸基のいずれかとすることが良好な可溶性を示すの
で好ましく、カルボキシル基及びフェノール性水酸基
が、ポリイミド前駆体の合成が容易なのでより好まし
い。なお、1分子のポリアミド酸エステル中、複数存在
する前記繰り返し単位において、全てのAは、同じであ
ってもよく異なっていてもよい。また、nが0である場
合において、塩基性水溶液に対する溶解性を付与するた
めには、前記一般式(IV)の繰り返し単位以外に、前
記一般式(IV)で示される繰り返し単位のR2が水素
原子の単位を有すること、すなわちポリアミド酸の部分
エステルであることが好ましい。
【0025】一般式(IV)において、酸性を示す基A
の結合している基Rは、通常、テトラカルボン酸又は
その誘導体と反応してポリイミド前駆体を形成できるジ
アミン残基であり、硬化して得られるポリイミド膜の機
械特性、耐熱性及び接着性の観点から、芳香族環を含む
有機基であることが好ましく、硬化して得られるポリイ
ミド膜の機械特性、耐熱性及び接着性の観点から、芳香
族環を含む総炭素数6〜30の有機基であることがより
好ましい。なお、ポリイミド前駆体分子中、複数存在す
る前記繰り返し単位において、全てのR2は、同じであ
ってもよく異なっていてもよい。
【0026】前記一般式(IV)において、Rで示さ
れる炭素−炭素二重結合を有する基としては、下記一般
式(V)
【化8】 (但し、R、R及びRは、各々独立に、水素、ア
ルキル基、フェニル基、ビニル基及びプロペニル基から
選択された基であり、Rは2価の有機基を示す)で表
される有機基が高感度の感光性を付与できるため好まし
い。前記アルキル基としては炭素原子数1〜4のものが
挙げられる。また、Rで示される2価の有機基として
は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素原
子数1〜20のアルキレン基が挙げられる。これらの中
で、メタクリロイルオキシアルキル基及びアクリロイル
オキシアルキル基(アルキルの炭素数が1〜20のも
の)は、高い感度を実現するのみならず、合成も容易で
あるため本発明に好適である。前記ポリアミド酸エステ
ルは、前記一般式(IV)で示される繰り返し単位以外
の繰り返し単位を含んでいてもよい。
【0027】本発明のポリイミド前駆体において、一般
式(IV)で示される繰り返し単位の割合としては、n
が1または2である場合は全繰り返し単位中のモル百分
率で、10〜100モル%であることが、塩基性水溶液
での現像性及び良好なパターン形状のバランスに優れる
ので好ましく、80〜100モル%であることがより好
ましい。この調整は、材料として使用するテトラカルボ
ン酸二無水物、ジアミン、炭素−炭素二重結合含有化合
物の種類と量により調整することが可能である。
【0028】また、nが0である場合は、一般式(I
V)で示される繰り返し単位の割合としては、10〜1
00モル%であることが、パターン形状に優れるので好
ましく、30〜100モル%であることがより好まし
く、塩基性水溶液での現像性を与えるためには、それ以
外の単位、例えば、ポリアミド酸又はそのカルボキシル
基の一方がエステルの繰り返し単位が、15〜50モル
%であることが好ましい。
【0029】前記ポリアミド酸エステルは、テトラカル
ボン酸二無水物と不飽和基を有するヒドロキシ基含有化
合物を混合して反応させ、テトラカルボン酸のハーフエ
ステルを製造した後、塩化チオニルにより酸クロリド化
し、ついで、ジアミンと反応させる方法や、前記テトラ
カルボン酸ハーフエステルをカルボジイミド類を縮合剤
としてジアミンと反応させる酸クロライド法、カルボジ
イミド縮合剤を用いる方法、イソイミド法等により合成
することができる。
【0030】前記テトラカルボン酸二無水物としては、
例えば、オキシジフタル酸、ピロメリット酸、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,
3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,5,6
−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリ
レンテトラカルボン酸、スルホニルジフタル酸、m−タ
ーフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、
p−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボ
ン酸、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,
2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジ
カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス{4’−
(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェ
ニル}プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス{4’−(2,3−又は3,4−ジ
カルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン、下記一般
式(VI)
【化9】 (式中、R及びRは、各々独立に一価の炭化水素基
を示し、sは1以上の整数である)で表されるテトラカ
ルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸の二無水物が挙げ
られ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使
用される。
【0031】また、一般式(IV)で示される繰り返し
単位におけるジアミン残基(R−(A)n)のうちn
が1又は2のものを与えるジアミンとしては、3,5−
ジアミノ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’
−ジアミノビフェニル、3,4−ジアミノ安息香酸、
3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニ
ル、2,3−ジアミノ−4−ヒドロキシピリジン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,4−ジアミノフェノール、
2,4−ジアミノ安息香酸、3−カルボキシ−4,4’
−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジカルボキ
シ−4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3−カル
ボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,
3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメ
タン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビ
フェニル、3,3’,5,5’−テトラカルボキシ−
4,4’−ジアミノビフェニル、3−カルボキシ−4,
4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジカル
ボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス
(3−カルボキシ−4−アミノフェニル)プロパン等が
挙げられる。
【0032】一般式(IV)で示される繰り返し単位に
おいて、nが0のジアミン残基を与えるジアミンとして
は、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,
4’−、2,2’−)ジアミノジフェニルエーテル、
4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’
−、2,2’−)ジアミノジフェニルメタン、4,4’
−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−、2,
2’−)ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−(又
は3,4’−、3,3’−、2,4’−、2,2’−)
ジアミノジフェニルスルフィド、パラフェニレンジアミ
ン、メタフェニレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、m−キシリレンジアミン、o−トリジン,o−トリ
ジンスルホン、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−
ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−
(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4−ジアミ
ノメシチレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’
−ベンゾフェノンジアミン、ビス−{4−(4’−アミ
ノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス{4−(4’−アミノ
フェノキシ)フェニル}プロパン、3,3’−ジメチル
−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,
5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、ビス{4−(3’−アミノフェノキシ)フェ
ニル}スルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)
プロパン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用される。
【0033】その他、ジアミン残基としては接着性向上
のために、下記一般式(VII)
【化10】 (式中、R10及びR11は二価の炭化水素基を示し、
それぞれ同一でも異なっていてもよく、R12及びR
13は一価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異な
っていてもよく、tは1以上の整数である)で表される
ジアミノポリシロキサン等のジアミンを使用することも
できる。R10及びR11としては、メチレン基、エチ
レン基、プロピレン基等のアルキレン基、フェニレン基
等のアリーレン基、それらの結合基などが挙げられ、R
12及びR13としては、メチル基、エチル基等のアル
キル基、フェニル基等のアリール基などが挙げられる。
これらを用いる場合、全アミン成分に対して、1〜30
モル%用いることが好ましい。
【0034】また、ジアミンとして、耐熱性向上のため
に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3−スル
ホンアミド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−
4−スルホンアミド、3,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル−3’−スルホンアミド、3,3’−ジアミノジ
フェニルエーテル−4−スルホンアミド、4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル−3−カルボキサミド、3,
4’−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボキサミ
ド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3’−カ
ルボキサミド、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル
−4−カルボキサミド等のスルホンアミド基又はカルボ
キサミド基を有するジアミン化合物を使用することもで
きる。これらを用いる場合、全アミン成分に対して、1
〜30モル%用いることが好ましい。これらの、ジアミ
ンは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0035】本発明において、ポリイミド前駆体(A)
の分子量としては、イミド化後の硬化膜特性の点から、
重量平均分子量で、10,000〜200,000が好
ましく、20,000〜80,000がより好ましい。
分子量が10,000未満であると、機械強度が劣る傾
向にあり、200,000を超えると現像性が劣る傾向
がある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パー
ミエーション・クロマトグラフィー)で測定し、ポリス
チレン換算で算出することができる。
【0036】本発明の感光性組成物において、前記一般
式(I)で表されるヘキサアリールビイミダゾール化合
物の含有量は、(A)成分100重量部に対して、0.
1〜20重量部とすることが好ましく、0.1〜10重
量部とすることがより好ましく、0.5〜10重量部と
することがさらに好ましい。
【0037】また本発明の感光性組成物において、ポリ
イミド前駆体を含む組成物の場合、さらに前記の常圧に
おいて100℃以上の沸点を有する付加重合性化合物を
含むことが好ましく、これは、前記ポリイミド前駆体1
00重量部に対して5〜50重量部の割合で使用するこ
とが好ましい。
【0038】さらに本発明の感光性組成物は、光重合開
始剤系にアミンなどの水素供与体を加えることにより、
さらに高感度化することが可能となる。水素供与体とし
て特に好ましい化合物としては、アリールグリシン系の
化合物およびメルカプト化合物が挙げられる。アリール
グリシン系化合物としては、N−フェニルグリシン(N
PG)、N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−
(p−ブロモフェニル)グリシン、N−(p−シアノフ
ェニル)グリシン、N−(p−メチルフェニル)グリシ
ン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−(p−ブ
ロモフェニル)−N−メチルグリシン、N−(p−クロ
ロフェニル)−N−エチルグリシン等が挙げられる。
【0039】また前記メルカプト化合物としては、メル
カプトベンゾキサゾール、メルカプトベンゾチアゾー
ル、メルカプトベンゾイミダゾール、2、5−メルカプ
ト−1,3,4−チアジアゾール、1−フェニル−5−
メルカプト−1H−テトラゾ−ル、5−メチル−1,
3,4−チアジアゾール−2−チオール、3−メルカプ
ト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール等が
挙げられる。水素供与体の含有量は、(A)成分100
重量部に対して、0.1〜15重量部とすることが好ま
しく、0.5〜10重量部にすることがより好ましい。
【0040】本発明の感光性組成物の光開始剤系とし
て、必要に応じて増感剤を含有してもよい。増感剤とし
ては、例えば7−N,N−ジエチルアミノクマリン、7
−ジエチルアミノ−3−テノニルクマリン、3,3’−
カルボニルビス(7−N,Nージエチルアミノ)クマリ
ン、3,3’−カルボニルビス(7−N,Nージメトキ
シ)クマリン、3−チエニルカルボニル−7−N,N−
ジエチルアミノクマリン、3−ベンゾイルクマリン、3
−ベンゾイル−7−N,N−メトキシクマリン、3−
(4’−メトキシベンゾイル)クマリン、3,3’−カ
ルボニルビス−5,7−(ジメトキシ)クマリン、ベン
ザルアセトフェノン、4’−N,N−ジメチルアミノベ
ンザルアセトフェノン、4’−アセトアミノベンザル−
4−メトキシアセトフェノン、ジメチルアミノベンゾフ
ェノン、ジエチルアミノベンゾフェノン(EAB)、
4,4’−ビス(N−エチル,N−メチル)ベンゾフェ
ノン(MEAB)等が挙げられる。これらの含有量は、
特に制限はなく、例えば、i線露光する場合、365n
mの波長におけるモル吸光係数と分子量によって異なる
が、光学密度として0.1〜1.0が好ましい。その具
体的な量としては、(A)成分100重量部に対して、
0.1〜2重量部とすることができる。
【0041】本発明の感光性組成物は、通常、各成分が
有機溶剤中に溶解又は分散されている。使用される有機
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン、トルエン、クロロホルム、メタノ
ール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、キシレ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンタノ
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセ
チル−2−ピロリドン、N−ベンジル−2−ピロリド
ン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、スルホラ
ン、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、N−アセチル
−ε−カプロラクタム、ジメチルイミダゾリジノン、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレング
リコールジメチルエーテル等が好適な例として挙げられ
る。これらは単独で用いても良いし、混合系として用い
ることも可能である。その使用量に特に制限はないが、
一般に組成物の総量に対して10〜90重量%であるこ
とが好ましい。本発明の感光性組成物は他の添加物、例
えば、可塑剤、接着促進剤等の添加物を含有しても良
い。
【0042】本発明のパターン製造法は、前記の感光性
組成物を用いて、フォトリソグラフィ技術により該組成
物の硬化物からなる膜を形成するものである。ポリイミ
ド前駆体を含む組成物の場合、本発明のパターン製造法
では、まず、支持基板表面にポリイミド前駆体を含む本
発明の感光性組成物からなる被膜が形成される。なお、
本発明のパターン製造法では、被膜または加熱硬化後の
ポリイミド被膜と支持基板との接着性を向上させるた
め、あらかじめ支持基板表面を接着助剤で処理しておい
てもよい。
【0043】ポリイミド前駆体を含む感光性組成物から
なる被膜は、前記組成物のワニスの膜を形成した後、こ
れを乾燥させることにより形成される。ワニスの膜の形
成は、ワニスの粘度などに応じて、スピンナを用いた回
転塗布、浸漬、噴霧印刷、スクリーン印刷などの手段か
ら適宜選択された手段により行う。なお、被膜の膜厚
は、塗布条件、本組成物の固形分濃度等によって調節で
きる。また、あらかじめ支持体上に形成した被膜を支持
体から剥離してポリイミド前駆体組成物からなるシート
を形成しておき、このシートを上記支持基板の表面に貼
り付けることにより、上述の被膜を形成することもでき
る。
【0044】つぎに、この被膜に、所定のパターンのフ
ォトマスクを介して光(紫外線等)を照射した後、有機
溶剤または塩基性水溶液により未露光部を溶解除去し
て、所望のレリーフパターンを得る。本発明の組成物
は、露光に用いる光源としてi線を用いても良好なレリ
ーフパターンを得ることができる。現像工程は、通常の
ポジ型フォトレジスト現像装置を用いて行ってもよい。
現像に用いる溶液としては、有機溶媒を用いることもで
きるが、耐環境性等の面から、塩基性水溶液が好ましい
ものとして挙げられる。
【0045】有機溶媒としては、γ−ブチロラクトン、
シクロペンタノン、N−メチルピロリドン、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルアセトアミド、これらの混合溶液
などが挙げられる。塩基性水溶液は、通常、塩基性化合
物を水に溶解した溶液である。塩基性化合物の濃度は、
通常0.1〜50重量%とするが、支持基板等への影響
などから好ましく、0.1〜30重量%とすることがよ
り好ましい。なお、ポリイミド前駆体の溶解性を改善す
るため、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロピルアルコール、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド等の水溶性有機溶媒を、さらに含有していても
よい。
【0046】上記塩基性化合物としては、例えば、アル
カリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムイオン
の、水酸化物または炭酸塩や、アミン化合物などが挙げ
られ、具体的には、2−ジメチルアミノエタノール、3
−ジメチルアミノ−1−プロパノール、4−ジメチルア
ミノ−1−ブタノール、5−ジメチルアミノ−1−ペン
タノール、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、2
−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、3
−ジメチルアミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノー
ル、2−ジエチルアミノエタノール、3−ジエチルアミ
ノ−1−プロパノール、2−ジイソプロピルアミノエタ
ノール、2−ジ−n−ブチルアミノエタノール、N,N
−ジベンジル−2−アミノエタノール、2−(2−ジメ
チルアミノエトキシ)エタノール、2−(2−ジエチル
アミノエトキシ)エタノール、1−ジメチルアミノ−2
−プロパノール、1−ジエチルアミノ−2−プロパノー
ル、N−メチルジエタノ−ルアミン、N−エチルジエタ
ノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N
−t−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタ
ノールアミン、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパン
ジオール、トリエタノールアミン、トリイソプロパノー
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエ
タノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N
−t−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、
ジイソプロパノールアミン、2−アミノエタノール、3
−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノ
ール、6−アミノ−1−ヘキサノール、1−アミノ−2
−プロパノール、2−アミノ−2,2−ジメチル−1−
プロパノール、1−アミノブタノール、2−アミノ−1
−ブタノール、N−(2−アミノエチル)エタノールア
ミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−ア
ミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオー
ル、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモ
ニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水
素アンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプ
ロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピル
アンモニウムヒドロキシド、アミノメタノール、2−ア
ミノエタノール、3−アミノプロパノール、2−アミノ
プロパノール、メチルアミン、エチルアミン、プロピル
アミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリイソプロピルアミンなどを用いることが好ま
しいが、水に可溶であり、水溶液が塩基性を呈するもの
であれば、これら以外の化合物を用いても構わない。
【0047】得られたレリーフパターンは、好ましくは
150℃〜450℃の範囲から選ばれた温度で加熱処理
することにより、ポリイミドからなるパターンとするこ
とができる。このパターンは、高解像度であり、また、
耐熱性が高く、機械特性に優れる。
【0048】ポリイミド前駆体を含む本発明の感光性組
成物は、半導体装置や多層配線板等の電子部品に使用す
ることができ、具体的には、半導体装置の表面保護膜や
層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に好適で
ある。本発明の電子部品は、前記組成物を用いて形成さ
れる表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制
限されず、様々な構造をとることができる。
【0049】以下に、電子部品として半導体装置の製造
工程の一例を説明する。図1は多層配線構造の半導体装
置の製造工程図である。図において、回路素子を有する
Si基板等の半導体基板は、回路素子の所定部分を除い
てシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回
路素子上に第1導体層が形成されている。前記半導体基
板上にスピンコート法等で層間絶縁膜としてのポリイミ
ド樹脂等の膜4が形成される(工程(a))。
【0050】次に塩化ゴム系またはフェノールノボラッ
ク系の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコ
ート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部
分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられて
いる(工程(b))。前記窓6Aの層間絶縁膜4は、酸
素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手
段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられ
ている。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食
することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッ
チング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される
(工程(c))。
【0051】さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2
導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完
全に行われる(工程(d))。3層以上の多層配線構造
を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を
形成することができる。
【0052】次に表面保護膜8が形成される。この図の
例では、この表面保護膜を前記感光性重合体組成物をス
ピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形
成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後、
現像液にて現像してパターンを形成し、加熱してポリイ
ミド膜とする。このポリイミド膜は、導体層を外部から
の応力、α線などから保護するものであり、得られる半
導体装置は信頼性に優れる。なお、上記例において、層
間絶縁膜を本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物を用
いて形成することも可能であり、これによりレジスト塗
布及びエッチング工程を省略することができる。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 合成例 ポリイミド前駆体の合成 (1)酸クロライドの合成 200mlの四つ口フラスコに、3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)9.
42g(0.032モル)、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート(HEMA)8.32g(0.064モ
ル)、ピリジン5.06g(0.064モル)、tーブ
チルカテコール0.03g、N−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)70mlを入れ、60℃で攪拌すると、2
時間で透明な溶液になった。この溶液を室温でその後7
時間攪拌した後、フラスコを氷で冷却し、塩化チオニル
9.88g(0.083モル)を10分で滴下した。そ
の後室温で1時間攪拌し、酸クロライドを含む溶液を得
た。
【0054】(2)ポリイミド前駆体(ポリアミド酸エ
ステル)の合成 別の200mlの四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ
安息香酸4.72g(0.031モル)、ピリジン5.
06g(0.064モル)、t−ブチルカテコール0.
03g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)50m
lを入れフラスコを氷で冷却し攪拌しながら(10℃以
下を保って)、上記で得た酸クロライド溶液を1時間で
ゆっくりと滴下した。その後室温で1時間攪拌し、1リ
ットルの水へ投入して、析出したポリマを濾取して水で
2度洗い、真空乾燥したところ、ポリアミド酸エステル
が22g得られた。このポリアミド酸エステルの重量平
均分子量をGPC(ゲルパーミェーションクロマトグラ
フィー)で測定したところ、ポリスチレン換算で44,
000であった。
【0055】実施例1 2,2’−ビス(2,6−ジフ
ルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス
(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール(3−MeO
−2,6F−HABI)の調製 2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5−ビス
(3−メトキシフェニル)イミダゾール(3.50g)
に、N−メチルピロリドン20gを加えて室温で撹拌し
ながら溶解させる。これにフェリシアン化カリウム6.
0gおよび水酸化ナトリウム3.6gを水100mlに
溶解した液を、反応温度10〜20℃に保ちながら、ゆ
っくりと滴下した。滴下後さらに10時間室温で撹拌を
続けた。反応終了後、反応物をろ過し水で洗浄し、乾燥
した。アセトン−メタノールにより再結晶し目的とする
2,2’−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラキス(3−メトキシフェニル)
ビイミダゾール(3−MeO−2,6F−HABI)の
白色粉末を得た。
【0056】純度:98.1%(HPLC) 融点:172℃(DSC)、極大吸収波長λmax:2
59(アセトニトリル中) 赤外吸収スペクトル:図2 元素分析:(単位:%)
【表1】
【0057】実施例2 2,2’−ビス(2,4−ジフ
ルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス
(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール(3−MeO
−2,4F−HABI)の調製 2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,5−ビス
(3−メトキシフェニル)イミダゾール(3.55g)
に、N−メチルピロリドン20gを加えて室温で撹拌し
ながら溶解させた。これにフェリシアン化カリウム6.
0gおよび水酸化ナトリウム3.6gを水100mlに
溶解した液を、反応温度10〜20℃に保ちながら、ゆ
っくりと滴下した。滴下後さらに10時間室温で撹拌を
続けた。反応終了後、反応物をろ過し水で洗浄し、乾燥
した。アセトン−メタノールにより再結晶し目的とする
2,2’−ビス(2,4−ジフルオロフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラキス(3−メトキシフェニル)
ビイミダゾール(3−MeO−2,4F−HABI)の
淡黄色の粉末を得た。
【0058】純度:99.8%(HPLC) 融点:152℃(DSC)、極大吸収波長λmax:2
60(アセトニトリル中) 赤外吸収スペクトル:図3 元素分析:(単位:%)
【表2】 なお、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,
4',5,5'−テトラフェニルビスイミダゾール(Cl
−HABI)については市販のものを使用した。
【0059】実施例3及び比較例1 (1)感光性ポリイミド前駆体組成物の調製 合成例で得られたポリイミド前駆体10gをγ−ブチロ
ラクトン16g、シクロペンタノン2gに溶解し、モノ
マーとしてテトラエチレングリコールジアクリレート
2.5g及び表3に示す感光剤を配合した後、3μm孔
のフィルタを用いて加圧濾過して、溶液状の感光性ポリ
イミド前駆体組成物を得た。
【0060】
【表3】 *感光性ポリイミド前駆体100重量部、モノマー25
重量部に対しての光開始剤の配合 Cl−HABI:2,2−ビス(2−クロロフェニル)
−4,4,5,5−テトラフェニルビイミダゾール 3−OMe−2,6F−HABI:2,2−ビス(2,
6−ジフルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラキ
ス(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール NPG:N−フェニルグリシン
【0061】(2)パターンの形成 (1)で調製した感光性ポリイミド前駆体組成物を、シ
リコンウエハ上に回転塗布し、ホットプレート上90℃
で200秒加熱して14μm厚の塗膜を得た。この塗膜
をi線ステッパにより40(mJ/cm)ステップで
40〜360(mJ/cm)また100(mJ/cm
)ステップで100〜900(mJ/cm)露光を
行った。その際、マスクパターンには、解像性評価のた
めの開口パターンと細線密着性評価のための島残しのパ
ターンの2種類を用いて評価した。その後2.38重量
%または8.10重量%テトラメチルアンモニウムヒド
ロキシド水溶液で浸漬現像を行い、さらに水でリンスし
た。
【0062】現像後のパターンの膜厚と形状を測定、観
察した。そこで残膜として、膜厚7μm(残膜率50
%)を得るために必要な露光量(mJ/cm)を感度
(E1/2)及び開口・島残しパターンで解像度8μm
を得るために必要な露光量(mJ/cm)を実用感度
として表4に示した。
【表4】
【0063】さらに実施例1で得られたパターンを用い
て、窒素雰囲気下で、100℃で30分間、200℃で
30分間、350℃で60分間加熱し、ポリイミドパタ
ーンを得た。得られたポリイミドパターンの膜厚は7.
0μmであり、良好なポリイミドパターンが得られた。
【0064】実施例4及び比較例2 (1)ポリイミド前駆体組成物の調製 得られたポリイミド前駆体10gをN−メチルピロリド
ン16g、シクロペンタノン2gに溶解し、モノマーと
してテトラエチレングリコールジメタクリレート2.0
g及び表5に示す感光剤を配合した後、3μm孔のフィ
ルタを用いて加圧濾過して、溶液状の感光性ポリイミド
前駆体組成物を得た。
【0065】
【表5】 *感光性ポリイミド前駆体100重量部、モノマー20
重量部に対しての光開始剤の配合 MEAB:4,4’−ビス(N−エチル,N−メチル)
ベンゾフェノン
【0066】(2)パターンの形成 (1)で調製した感光性ポリイミド前駆体組成物を、シ
リコンウエハ上に回転塗布し、ホットプレート上90℃
で200秒加熱して18μm厚の塗膜を得た。この塗膜
をi線ステッパにより40(mJ/cm)ステップで
40〜360(mJ/cm)露光を行った。その後γ
−ブチロラクトン/酢酸ブチルで浸漬現像を行い、さら
にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
で段階的にリンスした。現像後のパターンの膜厚と形状
を測定、観察した。そこで残膜として、膜厚9μm(残
膜率50%)を得るために必要な露光量(mJ/c
)を感度(E1/2)及び開口パターンで解像度6
μmを得るために必要な露光量(mJ/cm)を実用
感度として表6に示した。
【0067】
【表6】
【0068】実施例2で得られたパターンを用いて、窒
素雰囲気下で、100℃で30分間、200℃で30分
間、350℃で60分間加熱し、ポリイミドパターンを
得た。得られたポリイミドパターンの膜厚は9μmであ
り、良好なポリイミドパターンが得られた。
【0069】実施例5 (1)ポリイミド前駆体組成物の調製 合成例で得られたポリイミド前駆体10gをγ−ブチロ
ラクトン16g、シクロペンタノン2gに溶解し、テト
ラエチレングリコールジアクリレート2.5g及び表7
に示す感光剤を配合した後、3μm孔のフィルタを用い
て加圧濾過して、溶液状の感光性ポリイミド前駆体組成
物を得た。
【0070】
【表7】 *感光性ポリイミド前駆体100重量部、モノマー25
重量部に対しての光開始剤の配合 3−OMe−2,4F−HABI:2,2−ビス(2,
4−ジフルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラキ
ス(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール
【0071】(2)パターンの形成 実施例3で調製した感光性ポリイミド前駆体組成物を、
シリコンウエハ上に回転塗布し、ホットプレート上90
℃で200秒加熱して14μm厚の塗膜を得た。この塗
膜をi線ステッパにより40(mJ/cm)ステップ
で40〜360(mJ/cm)また100(mJ/c
)ステップで100〜900(mJ/cm)露光
を行った。その際マスクパターンには、解像性評価のた
めの開口パターンと細線密着性評価のための島残しのパ
ターンの2種類を用いて評価した。その後2.38重量
%または8.10重量%テトラメチルアンモニウムヒド
ロキシド水溶液で浸漬現像を行い、さらに水でリンスし
た。
【0072】現像後のパターンの膜厚と形状を測定、観
察した。そこで残膜として、膜厚7μm(残膜率50
%)を得るために必要な露光量(mJ/cm)を感度
(E1/2)及び開口・島残しパターンで解像度8μm
を得るために必要な露光量(mJ/cm)を実用感度
として表8に示した。
【表8】
【0073】得られたパターンを用いて、窒素雰囲気下
で、100℃で30分間、200℃で30分間、350
℃で60分間加熱し、ポリイミドパターンを得た。得ら
れたポリイミドパターンの膜厚は7.0μmであり、良
好なポリイミドパターンが得られた。
【0074】実施例6 (1)ポリイミド前駆体組成物の調製 合成例で得られたポリイミド前駆体10gをN−メチル
ピロリドン16g、シクロペンタノン2gに溶解し、モ
ノマーとしてテトラエチレングリコールジメタクリレー
ト2.0g及び表9に示す感光剤を配合した後、3μm
孔のフィルタを用いて加圧濾過して、溶液状の感光性ポ
リイミド前駆体組成物を得た。
【0075】
【表9】 *感光性ポリイミド前駆体100重量部、モノマー20
重量部に対しての光開始剤の配合
【0076】(2)パターンの形成 (1)で調製した感光性ポリイミド前駆体組成物を、シ
リコンウエハ上に回転塗布し、ホットプレート上90℃
で200秒加熱して18μm厚の塗膜を得た。この塗膜
をi線ステッパにより40(mJ/cm)ステップで
40〜360(mJ/cm)露光を行った。その後γ
−ブチロラクトン/酢酸ブチルで浸漬現像を行い、さら
にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
で段階的にリンスした。
【0077】現像後のパターンの膜厚と形状を測定、観
察した。そこで残膜として、膜厚9μm(残膜率50
%)を得るために必要な露光量(mJ/cm)を感度
(E1/2)及び開口パターンで解像度6μmを得るた
めに必要な露光量(mJ/cm)を実用感度として表
10に示した。
【表10】
【0078】得られたパターンを用いて、窒素雰囲気下
で、100℃で30分間、200℃で30分間、350
℃で60分間加熱し、ポリイミドパターンを得た。得ら
れたポリイミドパターンの膜厚は9μmであり、良好な
ポリイミドパターンが得られた。以上の結果から明らか
なように、本発明のヘキサアリールビイミダゾール化合
物を用いた感光性組成物は、比較例における従来型のヘ
キサアリールビイミダゾール化合物(Cl−HABI)
を用いた組成物に比べて、4〜5倍の感度を有し、より
少ない露光量で充分なパターニング特性が得られる。
【0079】
【発明の効果】本発明のヘキサアリールビイミダゾール
化合物は、従来のものに比べて、高感度な光重合開始剤
となるものである。また本発明の感光性組成物は、優れ
た感光特性を有し、低露光量でも形状に優れる良好なパ
ターンが得られるものである。また本発明の感光性組成
物は、前記効果を奏し、さらに、優れた耐熱性、耐薬品
を示し、半導体素子の表面コート膜等の保護膜や薄膜多
層配線基板の層間絶縁膜等に好適なポリイミド膜を形成
できるものである。また本発明のパターンの製造法によ
れば、優れた感光特性を有し、低露光量でも形状に優れ
る良好なパターンが得られると共に、その一部はアルカ
リ水溶液で良好な現像が実現でき、さらに優れた耐熱
性、耐薬品性を示すポリイミドパターンが製造可能であ
る。さらに本発明の電子部品は、前記のパターンを有す
ることにより信頼性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多層配線構造の半導体装置の製造工程図であ
る。
【図2】 2,2’−ビス(2,6−ジフルオロフェニ
ル)−4,4’,5,5’−テトラキス(3−メトキシ
フェニル)ビイミダゾールの赤外吸収スペクトルであ
る。
【図3】 2,2’−ビス(2,4−ジフルオロフェニ
ル)−4,4’,5,5’−テトラキス(3−メトキシ
フェニル)ビイミダゾールの赤外吸収スペクトルであ
る。
【符号の説明】
1…半導体基板、 2…保護膜、 3…第1導体層、
4…層間絶縁膜層、 5…感光樹脂層、 6A、6B、
6C…窓、 7…第2導体層、 8…表面保護膜層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/312 H01L 21/30 502R 564D Fターム(参考) 2H025 AA01 AA03 AA06 AA10 AA20 AB16 AB17 AB20 AC01 AD01 BC13 BC31 BC69 CA28 FA17 2H096 AA27 BA05 GA03 GA08 5F046 CA07 DA02 JA01 JA21 5F058 AA05 AA10 AC02 AC07 AE01 AF04 AF06 AF10 AG01 AH02 AH03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (但し、個々のRは各々独立にアルキル基であり、個々
    のXは各々独立にフッ素原子又は水素原子である)で示
    されるヘキサアリールビイミダゾール化合物。
  2. 【請求項2】一般式(I)における4つのRがメチル基
    である請求項1記載のヘキサアリールビイミダゾール化
    合物。
  3. 【請求項3】一般式(I)のXの結合する2つのベンゼ
    ン環各々において、2つ又は3つのXがフッ素原子であ
    る請求項1又は2記載のヘキサアリールビイミダゾール
    化合物。
  4. 【請求項4】一般式(II) 【化2】 で示されるヘキサアリールビイミダゾール化合物。
  5. 【請求項5】一般式(III) 【化3】 で示されるヘキサアリールビイミダゾール化合物。
  6. 【請求項6】(A)光重合可能な炭素−炭素二重結合を
    有する化合物及び(B)請求項1,2,3,4又は5記
    載のヘキサアリールビイミダゾール化合物を含有してな
    る感光性組成物。
  7. 【請求項7】(A)成分が、光重合可能な炭素−炭素二
    重結合を有するポリイミド前駆体である請求項6記載の
    感光性組成物。
  8. 【請求項8】(A)成分100重量部に対して、(B)
    成分0.1〜20重量部を用いる請求項6又は7記載の
    感光性組成物。
  9. 【請求項9】さらに、常圧において100℃以上の沸点
    を有する付加重合性化合物を含有する請求項7又は8記
    載の感光性組成物。
  10. 【請求項10】請求項6〜9の何れかに記載の感光性組
    成物を用いて被膜を形成する工程、該被膜に所定のパタ
    ーンのマスクを介して光を照射する工程、及び該光照射
    後の被膜を有機溶媒又は塩基性水溶液を用いて現像する
    工程を含むパターンの製造法。
  11. 【請求項11】現像する工程が、塩基性水溶液を用いて
    現像するものである請求項10記載のパターンの製造
    法。
  12. 【請求項12】請求項10又は11記載の製造法により
    得られるパターンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有
    してなる電子部品。
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