JP2008239577A - 新規な光活性ビイミダゾール化合物と、これを含有してなる感光性組成物とその使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】平版印刷版、液晶ディスプレイ等の画像記録/形成材料として用いることができ、広く350nmから850nmの波長に対し高感度な新規な光重合開始剤/開始系を用いる感光性組成物を提供する。
【解決手段】一般式(I)で表されるビイミダゾール化合物
一般式(I)
Figure 2008239577

式中、R1〜R6はそれぞれ独立に、置換基を有しても良いヘテロアリール基、または置換基を有しても良いアリール基であり、ただしR1、R2の少なくとも一つは、オルト位に置換基を有するヘテロアリール基である。また、R3〜R6はそれぞれ互いに結合して、脂肪族性または芳香族性の環を形成することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、3次元光造形やホログラフィー、平版印刷用版材やカラープルーフ、フォトレジスト及びカラーフィルタといった画像形成材料やインクや塗料、接着剤等の光硬化樹脂材料用途に利用できる光開始剤化合物と、それを含んでなる感光性組成物、およびこれを用いた画像記録方法に関する。特にコンピュータ等のデジタル信号から各種レーザを用いて直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能な平版印刷用版材や光硬化性インク等として好適に用いられる感光性組成物、およびそれを用いた画像記録方法に関する。
波長300nm〜1200nmの紫外光、可視光、赤外光を放射する固体レーザ及び半導体レーザ、ガスレーザは高出力かつ小型のものが容易に入手できるようになっており、これらのレーザはコンピュータ等のデジタルデータから直接製版する際の記録光源として、非常に有用である。これら各種レーザ光に感応する記録材料については種々研究されており、代表的なものとして、例えば、感光波長760nm以上の赤外線レーザで記録可能な材料としては様々なポジ型記録材料(例えば特許文献1参照)、酸触媒架橋型のネガ型記録材料(例えば特許文献2参照)等があり、300nm〜700nmの紫外光または可視光レーザ対応型の記録材料としては、ラジカル重合型のネガ型記録材料等(例えば特許文献3及び特許文献4参照)に記載されている多数知られている。
これらの画像形成材料全てに共通の課題としては上述の各種エネルギー照射部と未照射部において、その画像のON−OFFをいかに拡大できるかであり、つまり画像形成材料の高感度と保存安定性の両立である。通常、光ラジカル重合系は高感度であるが、空気中の酸素による重合阻害により大きく低感度化する。そのため、特に平版印刷版においては画像形成層の上に酸素遮断性の層を設ける手段が取られている。しかし、酸素遮断性の層を設けると逆に暗重合等によるカブリが発生し、保存安定性が悪化する。従って、高感度と保存安定性の両立は困難な課題であり、従来の技術では十分に満足できる結果は得られておらず、従来にはない新たな技術が求められている。
一方、高感度化光開始剤については非特許文献1及び非特許文献2などに記載されており知られている。
また、本発明の背景技術としてはさらに液晶ディスプレイ用カラーフィルタ分野が知られている。
液晶ディスプレイは、表示装置としてCRTと比較すると、コンパクトであり、且つ、性能面では同等以上であることから、テレビ画面、パソコン画面、その他の表示装置としてCRTに置き換わりつつある。また、近年では、液晶ディスプレイの開発の動向は、画面が比較的小面積であった従来のモニター用途から、画面が大型で高度な画質が求められるTV用途に向かいつつある。
TV用途の液晶ディスプレイでは、従来のモニター用途のものに比し、より高度な画質が求められている。すなわち、コントラスト及び色純度の向上である。コントラスト向上のため、カラーフィルタの作製用の硬化性組成物に関しては、使用する着色剤(有機顔料等)の粒子サイズとして、より微小なものが求められている。
また、色純度向上のため、カラーフィルタ作製用の硬化性組成物の固形分中に占める着色剤(有機顔料)の含有率としては、より高いものが求められている。
一方、固体撮像素子用のカラーフィルタにおいては、更なる高精細化が望まれている。しかし、従来の顔料分散系を適用した硬化性組成物では、顔料が比較的粗大な粒子であるために色ムラが発生する等の問題があり、解像度の更なる向上を図ることは困難で、固体撮像素子のように微細パターンが要求される用途には適さなかった。そこで、着色剤として顔料の代わりに有機溶剤可溶性の染料を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
また、固体撮像素子用途のカラーフィルタについても、着色パターンの薄膜化が求められており、従来と同じ色濃度で薄膜化するためには、カラーフィルタ作製用の硬化性組成物中における着色剤の含有率を高くすることが要求される。
以上のように、液晶ディスプレイ用、固体撮像素子用いずれの場合においても、カラーフィルタ作製用の硬化性組成物は着色剤を含有するため、該硬化性組成物を硬化させるために必要な成分である光重合開始剤及び光重合性モノマーの含有量が制限されてしまい、強度が不充分になる、あるいは、硬化性が不充分で基材となる硬質表面との密着性が充分に得られない、などの問題があった。
さらに、近年、基板サイズの拡大に伴い、現像工程において現像液中でも長時間パターン形状を維持し、パターンに欠けや剥がれのない、高感度な硬化性組成物が求められている。
また本発明における特定構造のビイミダゾール化合物に類する従来知見としては、以下に示す特許文献6〜8が存在する。
米国特許第4708925号明細書 特開平8−276558号公報 米国特許2850445号明細書 特公昭44−20189号公報 特開平2−127602号公報 特開平2005−292778号公報 特公平5−60570号公報 特公平5−55011号公報 (Bruce M.Monroe et al.)著、Chemical Rev.、93、435(1993) (R.S.Davidson et.al.)著、Journal of Photochemistry and biology、73、81(1993)
本発明の目的は、作業性、経済性に優れた、グラフィックシステムに適合した走査露光用画像記録材料、カラーフィルタ用硬化性組成物として用いる感光性組成物を提供可能とする新規光活性ビイミダゾール化合物の開発にあり、これにより安価な短波半導体レーザの発振波長に対し高感度な画像記録材料として用いる感光性組成物が提供可能となる。
また、本発明の他の目的は、広く350nmから850nmの波長に対し、高感度でかつ黄灯下作業性の高い新規光重合開始剤、これを用いた感光性組成物を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、前記感光性組成物を用いた画像記録材料および画像記録方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、広く350nmから850nmの波長に対し高感度でありながらかつ保存安定性の高い感光性組成物を与えることができる新規光重合開始剤を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、増感色素と特定構造のアリール又はヘテロアリール基含有ビイミダゾール化合物とを組み合わせた場合に、感度と保存安定性が非常に優れる感光性組成物を与える光重合開始系が得られ、350nmから850nm、特には350nmから450nmにおける増感色素を用いた光増感に適した光重合開始系が得られることを見出したものである。
さらに、本発明における光重合開始剤と、ラジカルによって反応する付加重合性化合物、具体的にはエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物とからなる感光性組成物を用いた画像記録材料により、短波半導体レーザの発振波長に対し十分な感度を有し、しかも、明るいセーフライト下でも取り扱う事のでき、かつ保存安定性の高い感光性組成物が得られることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1) 一般式(I)で表されるビイミダゾール化合物。
一般式(I)
Figure 2008239577
(式中、R1〜R6はそれぞれ独立に、置換基を有しても良いヘテロアリール基、または置換基を有しても良いアリール基であり、ただしR1、R2の少なくとも一つは、下記一般式(II)で表される置換基を有するヘテロアリール基である。また、R3〜R6はそれぞれ互いに結合して、脂肪族性または芳香族性の環を形成することができる。
一般式(II)
Figure 2008239577
(式中、X1、X2の少なくともどちらかはハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、エステル、ケトン、シアノ、ジアルキルアミノ、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択される基であり、X1、X2の両方が前記基から独立に選択された基であってもよく、更にX1、X2の一つが前記基から選択された基であればもう一方は水素原子でもよい。Y1、Y2は炭素、窒素、硫黄、及び酸素原子から選ばれる原子を表し、X1、X2で置換されている場合にはカチオン性原子ではない。Zは単環若しくは複環のヘテロアリール基である。ZはさらにX1、X2以外に置換基を有しても良い。))
(2)(A)〜(C)を含有する感光性組成物。
(A)350〜850nmに吸収極大を持つ増感色素、
(B)上記(1)の一般式(I)で表されるビイミダゾール化合物
(C)エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物
(3)増感色素(A)が、クマリン、スチリル、シアニン、メロシアニン色素から選ばれることを特徴とする、上記(2)に記載の感光性組成物
(4)支持体上に、上記(2)または(3)に記載の感光性組成物を含有する感光層を有する画像記録材料。
(5)支持体上に、上記(2)または(3)に記載の感光性組成物を含有する感光層を有する平版印刷版原版
(6)上記(2)または(3)に記載の感光性組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタ用硬化性組成物。
(7)支持体上に、上記(2)または(3)に記載の感光性組成物を含有する感光層を有する画像記録材料に対し、450nmより短波長のレーザ光源を用いて走査露光を行う画像記録方法。
本発明におけるビイミダゾール化合物は、一般式(II)で表されるX1、X2基の立体障害により該平面とイミダゾイル環平面がねじれていることが特徴である。このようなねじれ構造を持ち、かつR1、R2がヘテロアリール基であるビイミダゾール化合物は従来報告されておらず、新規な高光活性ビイミダゾール化合物である。
本発明の上記特徴の構造を有する新規ビイミダゾール化合物により、それを用いた感光性組成物に対して、短波長半導体レーザによる走査露光に適した十分な感度を付与し、かつ保存安定性、作業性、経済性に優れた画像形成材料を与える事ができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔光重合開始系〕
本発明の感光性組成物に使用される光重合開始系は、350〜850nm以下に吸収極大λmaxを有する増感色素と、一般式(I)で表されるビイミダゾール化合物(開始剤)からなる。
(B)一般式(I)で表されるビイミダゾール型化合物と、(A)350nm〜850nmに吸収極大λmaxを持つ増感色素を併せて、本明細書では光重合開始系と呼ぶ場合もある。更に共増感剤を使用する場合には、前記成分に共増感剤も含めて光重合開始系と呼ぶ場合もある。
<(B)ビイミダゾール化合物(開始剤)>
本発明の感光性組成物に用いられる光重合開始系を構成するビイミダゾール化合物は、一般式(II)で表されるX1、X2基の立体障害により該平面とイミダゾイル環平面がねじれ、かつR1、R2がヘテロアリール基であることが特徴である
一般式(I)
Figure 2008239577
(式中、R1〜R6はそれぞれ独立に、置換基を有しても良いヘテロアリール基、または置換基を有しても良いアリール基であり、ただしR1、R2の少なくとも一つは、下記一般式(II)で表される置換基を有するヘテロアリール基である。また、R3〜R6はそれぞれ互いに結合して、脂肪族性または芳香族性の環を形成することができる。)
一般式(II)
Figure 2008239577
(式中、X1、X2の少なくともどちらかはハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、エステル、ケトン、シアノ、ジアルキルアミノ、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択される基であり、X1、X2の両方が前記基から独立に選択された基であってもよく、更にX1、X2の一つが前記基から選択された基であればもう一方は水素原子でもよい。Y1、Y2は炭素、窒素、硫黄、及び酸素原子から選ばれる原子を表し、X1、X2で置換されている場合にはカチオン性原子ではない。Zは単環若しくは複環のヘテロアリール基である。ZはさらにX1、X2以外に置換基を有しても良い。)
一般式(I)について更に詳しく説明する。
1〜R6は、置換もしくは非置換のアリール基、より好ましくは炭素数6〜12のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、より好ましくは5員環〜8員環の単環ヘテロアリール基あるいは複環のヘテロアリール基を表す。ただしR1、R2の少なくとも一つは、一般式(II)で表される置換基を有するヘテロアリール基である。
本明細書においてヘテロアリール基は好ましくは、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有するヘテロアリール基である。
1〜R6の炭素数6〜12のアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
前記アリール基上の任意の置換基としてはC1−C10アルキル、C1−C10アルコキシ、C1−C10チオアルコキシ、C1−C10エステル、ケトン、シアノ、C1−C10ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ハロゲン等が挙げられる。
1〜R6に使用されるヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つ、より好ましくは窒素、酸素の少なくとも1つ、更に好ましくは窒素を少なくとも1つ含有する単環、もしくは多環芳香族環が用いられる。好ましくは5員環〜7員環の単環もしくは5員環〜7員環の環からなる多環構造を有する。
特に好ましいヘテロアリール基の例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フラザン等が挙げられ、これらは、更にベンゾ縮環しても良く、また置換基を有していても良い。
中でもより好ましくはチオフェン、フラン、インドール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン等が挙げられる。
1、R2として特に好ましいヘテロアリール基としては、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン等が挙げられ、特にピリジン、ピリミジンが好ましい。またピリジン、ピリミジン環を形成するN原子の位置はメタ位であることが感度/安定性の観点からより好ましい。
3〜R6として好ましいヘテロアリール基としては置換基を有しても良いチオフェン、フラン又はN置換ピロールが挙げられ、感度/安定性の観点から置換基を有しても良いチオフェン、フランがさらに好ましい。
1〜R6のヘテロアリール基(式(II)のヘテロアリール基を除く)上の任意の置換基としては、C1−C20アルキル、C1−C20アルコキシ、C1−C20チオアルコキシ、C1−C20エステル、ケトン、シアノ、C1−C20ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ハロゲン等が挙げられる。
1〜R6のヘテロアリール基(式(II)のヘテロアリール基を除く)またはアリール基上の置換基としてのアルキル基の好ましい例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
1〜R6のヘテロアリール基(式(II)のヘテロアリール基を除く)またはアリール基上の置換基としてのアルコキシ基(アルキル−O−基)におけるアルキル基の好ましい例は、前述のアルキル基と同じである。
1〜R6のヘテロアリール基(式(II)のヘテロアリール基を除く)またはアリール基上の置換基としてのチオアルコキシ基(アルキル−S−基)におけるアルキル基の好ましい例は、前述のアルキル基と同じである。
1〜R6のヘテロアリール基(式(II)のヘテロアリール基を除く)またはアリール基上の置換基としてのエステル基(−COO−アルキル基)におけるアルキル基の好ましい例は、前述のアルキル基と同じである。
1〜R6のヘテロアリール基(式(II)のヘテロアリール基を除く)またはアリール基上の置換基としてのジアルキルアミノ基におけるアルキル基の好ましい例は、前述のアルキル基と同じである。
3〜R6はそれぞれ互いに結合して、脂肪族性または芳香族性の環を形成することができる。
前記脂肪族性の環とは、3員環から8員環の炭素原子からなる環であり、非芳香族性の構造である。具体的にはシクロプロパン、ブタン、ヘプタン、ヘキサン等が挙げられる。
前記芳香族性の環とは、3員環から7員環の炭素原子からなる環構造であり、環状共役(共鳴)系を持ち、その共役に関与する電子の数がヒュッケル則に従う環を意味する。具体的には、ピロール、チオフェン、フラン、チアゾール、オキサゾール、ベンゼン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール等が挙げられる。
一般式(II)のX1、X2の少なくともどちらかはハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、エステル、ケトン、シアノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択される基である。
以下、各基の定義について述べる。
ハロゲンは、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素から選択され、塩素、臭素及びフッ素がより好ましい。
アルキル基は、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
ハロゲン化アルキル基は、前記アルキル基が1または複数のハロゲン原子により置換されている基である。
アルコキシ基(アルキル−O−基)及びチオアルコキシ基(アルキル−S−基)におけるアルキル基は、前述のアルキル基と同じである。
エステル基(−COO−アルキル基)におけるアルキル基は、前述のアルキル基と同じである。
ジアルキルアミノ基におけるアルキル基は、前述のアルキル基と同じである。
アリール基は、好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、具体的にはフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
ヘテロアリール基は、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する5〜8員環の単環、もしくは多環芳香族環であり、好ましいヘテロアリール基の例としては、チオフェン、フラン、インドール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン等が挙げられる。
一般式(II)におけるZの表す単環若しくは複環のヘテロアリール基は、R1及びR2のヘテロアリール基として述べたとおりである。
1、X2の好ましい置換基としては、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、エステル、ケトン、が挙げられ、より好ましくはハロゲン、アルキル、アルコキシである。
また本発明において、一般式(II)のより好ましい形態は下記一般式(III)である。
一般式(III)
Figure 2008239577
(式中、Y1、Y2、Zは前記の通りであり、Xはハロゲン、アルキル、アルコキシ、ケトン、またはエステルである)
一般式(III)で表されるR1、R2はイミダゾイル環連結部の両隣原子団に対し置換基を有するため、その立体障害によりイミダゾイル環平面に対しねじれ構造を持つ。この観点から、好ましい置換基はハロゲン、アルキル、エステル基であり、さらに好ましくは臭素、塩素、フッ素、メチル、t−ブチル、トリフルオロメチル、メチル(エチル)エステル基等が挙げられる。
次に、好ましい構造を有するビイミダゾール型化合物として、下記の例示化合物(I−1)〜(I−27)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。














Figure 2008239577
Figure 2008239577








Figure 2008239577
ここで、上述したイミダゾール型化合物の代表的な合成例を示す。
〔例示化合物(I−4)〕の合成
<作業工程>
Figure 2008239577
(上記化合物をI‘−4とする)
フェリシアン化カリウム3.7g、水酸化カリウム3.1g、水70ml、トルエン40mlを混合後、固体がなくなるまで室温で撹拌した。その後、I’−4を2.8g加えオイルバスを80℃に加熱し、還流下で4時間撹拌した。
還流下で4時間撹拌した反応液を放冷した後、水100mlを加えトルエンで抽出したトルエンでなる有機槽を塩化ナトリウム水溶液、ついで水で洗浄した。洗浄後、この有機相を濃縮すると赤灯色油状物が得られた。得られた液体をIPAで再結晶し、目的のI−4、2.5gを得た。(H−NMR、MSより同定)
1H−NMR:400MHz、CDCl3
δ3.72、3.77、3.82、3.90(s、3H*4)、δ6.59(dd、1H)、δ6.72(m、5H)、δ6.97(d、2H)、δ7.05(d、2H)、δ7.06(dd、1H)、δ7.11(d、2H)、δ7.18(dd、2H)、δ7.38(d、2H)、δ7.64(d、2H)、δ7.96(m、1H)、δ8.08(m、2H)
他のビイミダゾール型化合物についても、出発物質、添加する化合物等を適宜、選択することで、同様に合成することができる。
本発明の感光性組成物には、前述のビイミダゾール型化合物を組成物を構成する全固形分中、0.5〜20質量%含有することが好ましい。より好ましくは1〜10質量%である。増量により高感度化が可能だが、増量しすぎると、非重合性固形分が増加し、重合後の膜硬度が低下するため、かかる量とすることが好ましい。
本発明においては、前記特定のビイミダゾール型化合物に加え、本発明の効果を損なわない限りにおいて、他の公知の光重合開始剤、熱重合開始剤などを選択して併用することができる。これらの併用可能な重合開始剤としては、例えば、対カチオン部にカルボン酸構造を有しない公知のオニウム塩、トリハロメチル基を有するトリアジン化合物、過酸化物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、キノンジアジドなどが挙げられる。
併用し得るラジカル発生剤として好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号[0030]〜[0033]に記載されたものを挙げることができる。
他の重合開始剤を併用する場合、これらの含有量は、前記特定のラジカル発生剤の50質量%以下とすることが好ましい。
本発明において用いられるラジカル発生剤は、極大吸収波長が500nm以下であることが好ましく、さらに400nm以下であることが好ましい。
<(A)増感色素>
本発明の感光性組成物に用いられる増感色素は、350〜850nmに吸収極大λmaxを有する。より好ましくは、350〜450nmに吸収極大λmaxを持つものを挙げることができる。
このような増感色素としては、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、ジエチルアミノクマリン)、スチリル類(例えば、ジスチリルベンゼンまたは下記構造のアミノスチリル類)が挙げられる。
Figure 2008239577
より好ましい増感色素としては、クマリン類、スチリル類、シアニン類、及びメロシアニン類からなる群より選ばれる色素が挙げられる。
より好ましい増感色素の例としては、下記一般式(IV)〜(VII)で表される化合物が挙げられる。すなわち、メロシアニン色素として好ましくは一般式(IV、V)の化合物が挙げられ、シアニン色素として好ましくは一般式(VI)の化合物が挙げられ、アミノスチリル色素として好ましくは一般式(VII)で表されるスチリル系(R23がフェニル基)の化合物が挙げられる。
Figure 2008239577
一般式(IV)中、A1は硫黄原子またはNR6を表し、R6はアルキル基またはアリール基を表し、L2は隣接するA1及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R7、R8はそれぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、R7、R8は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子または硫黄原子を表す。
一般式(I)において説明したとおり、本明細書において“非金属原子団”とは、金属原子以外の原子団(例えば、水素原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等、あるいはこれらの組み合わせ)からなる基を意味する。
一般式(IV)において、R7、R8の定義における“一価の非金属原子団”の好ましい例としては、特に炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子である。
一般式(IV)においてL2、A1及び隣接炭素原子が共同して形成する“色素の塩基性核を形成する非金属原子団の好ましい例は、下記構造式で表される基である。
Figure 2008239577
上記式中、R1、R2はそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択され、X、Yはそれぞれ独立に、硫黄原子、NR3(R3は炭素数1〜10のアルキル基)、CR45(R4、R5はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を表す)、酸素原子を表す。
7、R8が互いに結合して形成する“色素の酸性核”とは、下記構造を表す。
Figure 2008239577
以下に一般式(IV)で表される化合物の好ましい具体例を示す。







Figure 2008239577
Figure 2008239577
一般式(V)中、A2は硫黄原子またはNR15を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R9、R10、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R15はアルキル基またはアリール基を表す。
一般式(V)における“一価の非金属原子団の基”及び“色素の塩基性核を形成する非金属原子団”は、一般式(IV)における定義と同義である。
一般式(V)で表される化合物の好ましい例としては、以下のものが挙げられる。













Figure 2008239577
Figure 2008239577
一般式(VI)中、A3、A4はそれぞれ独立に−S−または−NR18−を表し、R18はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L5、L6はそれぞれ独立に、隣接するA3、A4及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R16、R17はそれぞれ独立に一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性または芳香族性の環を形成することができる。
一般式(VI)における“一価の非金属原子団の基”及び“色素の塩基性核を形成する非金属原子団”は、一般式(IV)における定義と同義である。
一般式(VI)で表される化合物の好ましい例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2008239577

Figure 2008239577
一般式(VII)中、R23は置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、A5は酸素原子、硫黄原子または−NR24−を表す。R21、R22及びR24はそれぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、R24とR21、及びR22とR24はそれぞれ互いに脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合することができる)
一般式(VII)における“一価の非金属原子団の基”は、一般式(IV)における定義と同義である。
一般式(VII)のR23としては、置換もしくは非置換フェニル基、ナフチル基、が挙げられる。前記芳香族環またはヘテロ環の置換基としては、炭素数1〜10のジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基、アルコキシ、チオアルコキシ等が挙げられる。R23としてジアルキルアミノフェニル、ジフェニルアミノフェニル基が最も好ましい。
一般式(VII)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
Figure 2008239577
本発明における増感色素に関しては、さらに、平版印刷版用原版とした場合、その感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させる事で、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの色素の不要な析出抑制を行うことができる。
さらに、本発明の感光性組成物を用いて平版印刷版用原版とした場合、その感光層の好ましい使用様態である、(アルカリ)水系現像液への処理適性を高める目的に対しては、親水性部位(カルボキシル基並びにそのエステル、スルホン酸基並びにそのエステル、エチレンオキサイド基等の酸基もしくは極性基)の導入が有効である。特にエステル型の親水性基は、該感光層中では比較的疎水的構造を有するため相溶性に優れ、かつ、現像液中では、加水分解により酸基を生成し、親水性が増大するという特徴を有する。その他、例えば、該感光層中での相溶性向上、結晶析出抑制のために適宜置換基を導入することができる。例えば、ある種の感光系では、アリール基やアリル基等の不飽和結合が相溶性向上に非常に有効である場合があり、また、分岐アルキル構造導入等の方法により、色素π平面間の立体障害を導入することで、結晶析出が著しく抑制できる。また、ホスホン酸基やエポキシ基、トリアルコキシシリル基等の導入により、金属や金属酸化物等の無機物への密着性を向上させる事ができる。そのほか、目的に応じ、増感色素のポリマー化等の方法も利用できる。
これらの増感色素のどの構造を用いるか、単独で使用するか2種以上併用するか、添加量はどうか、といった使用法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて適宜設定できる。
例えば、増感色素を2種以上併用することで、感光性組成物層への相溶性を高めることができる。増感色素の選択は、感光性の他、使用する光源の発光波長でのモル吸光係数が重要な因子である。モル吸光係数の大きな色素を使用する事により、色素の添加量は比較的少なくできるので、経済的であり、かつ平版印刷版用原版に用いた場合、その感光層の膜物性の点からも有利である。該感光層の感光性、解像度や、露光膜の物性は光源波長での吸光度に大きな影響を受けるので、これらを考慮して増感色素の添加量を適宜選択する。
ただし、例えば5μm以上の厚い膜を硬化せしめる目的に対しては、低い吸光度の方がかえって硬化度を上げられる場合もある。比較的薄い膜厚で使用する平版印刷版としての使用に際しては、増感色素の添加量は、感光層の吸光度が0.1から1.5の範囲、好ましくは0.25から1の範囲となるように設定するのが好ましい。平版印刷版として利用する場合には、これは、通常、感光層成分100質量部に対し、0.05〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.2〜10質量部の範囲である。
また本発明において用いる増感色素は、酸化電位及び励起状態の酸化電位が負に大きい時、活性剤化合物への電子移動効率が向上し、結果高感度化することが推定されている。このため、増感色素の励起状態の酸化電位(便宜上、Eox*と表記する)は−1.7より負に大きいのが好ましい。さらに平版印刷版として利用する場合には、Eox*は−1.9〜−2.3が望ましく、より好ましくは−2.1〜−2.3である。
<(C)エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物>
本発明の感光性組成物の(C)成分は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、より詳細には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定すること無く用いることができる。
これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類があげられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
また、イソシアナト基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用する事も可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものをあげる事ができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(VIII)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R)COOCH2CH(R′)OH (VIII)
(ただし、RおよびR′はHあるいはCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
さらに、特開昭63−277653号,特開昭63−260909号、特開平1−105238号各公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等もあげることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの、付加重合性化合物について、どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて、任意に設定できる。例えば次のような観点から選択される。感光スピードの点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上がこのましい。また、平版印刷版用の感光層に用いた場合、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感光性と、強度を両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や、疎水性の高い化合物は感光スピードや、膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく無い場合がある。また、該感光層中の他の成分(例えば後述のバインダーポリマー、前述の光重合開始剤(系)、後述の着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうる事がある。また、支持体、オーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
該感光層中の付加重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましく無い相分離が生じたり、感光層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、感材成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点から、好ましい配合比は、多くの場合、組成物全成分に対して5〜80質量%、好ましくは25〜75質量%である。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
<(D)バインダーポリマー>
本発明の感光性組成物を、その好ましい実施形態である平版印刷版用原版の感光層への適用に際しては、前述の光重合開始系および付加重合性化合物の他にさらにバインダーポリマーを使用することが好ましい。バインダーとしては線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」としては、どれを使用しても構わない。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とする水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である線状有機高分子重合体が選択される。
線状有機高分子重合体は、組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号各公報に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体および〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体は、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号各公報、および特開平13−312062号公報等に記載される、酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。また、特開平11−171907号公報記載のアミド基を有するバインダーは、優れた現像性と膜強度を併せ持ち、好適である。
さらにこの他に水溶性線状有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。これらの線状有機高分子重合体は全組成物中に任意な量を混和させることができる。しかし90質量%を超える場合には形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ましくは30〜85質量%である。また光重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と線状有機高分子重合体は、質量比で1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。好ましい実施様態においてバインダーポリマーは実質的に水不要でアルカリに可溶なものが用いられる。そうすることで、現像液として、環境上好ましくない有機溶剤を用いないかもしくは非常に少ない使用量に制限できる。この様な使用法においてはバインダーポリマーの酸価(ポリマー1gあたりの酸含率を化学等量数で表したもの)と分子量は画像強度と現像性の観点から適宜選択される。好ましい酸価は、0.4〜3.0meq/gであり好ましい分子量は3000から50万の範囲で、より好ましくは、酸価が0.6〜2.0分子量が1万から30万の範囲である。
<(E)その他の成分>
本発明の感光性組成物を平版印刷版用原版等の画像記録材料の感光層として用いるには、さらにその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。
以下、好ましい添加剤に関し例示する。
(E1)共増感剤
ある種の添加剤(以後、共増感剤という)を用いることで、該感光層の感度をさらに向上させる事ができる。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、先述の光重合開始系の光吸収により開始される光反応、と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、過酸化物、酸化剤、還元剤等)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するもの、に分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
(a)還元されて活性ラジカルを生成する化合物
炭素−ハロゲン結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
フェロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。
(b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等が挙げられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロノン−1類、並びに、これらと、ヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類をあげる事ができる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン酸ナトリウム等を挙げることができる。
(c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物
ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等が挙げられる。
これらの共増感剤のより具体的な例は、例えば、特開平9−236913号公報中に、感度向上を目的とした添加剤として、多く記載されている。以下に、その一部を例示するが、本発明はこれらに限定されるものはない。
Figure 2008239577
これらの共増感剤に関しても、先の増感色素と同様、さらに、平版印刷版用原版の感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素やチタノセン、付加重合性不飽和化合物その他のラジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。これらの共増感剤は、単独でまたは2種以上併用して用いることができる。使用量はエチレン性不飽和二重結合を有する化合物100質量部に対し0.05〜100質量部、好ましくは1〜80質量部、さらに好ましくは3〜50質量部の範囲が適当である。
(E2)熱重合防止剤
また、本発明の感光性組成物においては、以上の基本成分の他に、その製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また平版印刷版用原版等の感光層として塗布する場合、必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で該感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
(E3)着色剤
本発明の感光性組成物を平版印刷版用原版等の画像記録材料の感光層として用いる場合、さらに、該感光層の着色を目的として染料もしくは顔料の着色剤を添加してもよい。これにより、平版印刷版用原版としての、製版後の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させる事ができる。
着色剤としては、多くの染料は光重合系感光層の感度の低下を生じるので、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5質量%〜約5質量%が好ましい。
(E4)その他の添加剤
本発明の感光性組成物を平版印刷版用原版等の感光層に用いる場合、さらに、その硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、その他可塑剤、該感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、バインダーポリマーを使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とバインダーポリマーとの合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
また、後述する平版印刷版用原版の感光層の膜強度(耐刷性)向上を目的とした、現像後の加熱・露光の効果を強化するための、UV開始剤や、熱架橋剤等の添加もできる。
その他、該感光層と支持体との密着性向上や、未露光感光層の現像除去性を高めるための添加剤、中間層を設ける事を可能である。例えば、ジアゾニウム構造を有する化合物や、ホスホン化合物等、後述の基板と比較的強い相互作用を有する化合物の添加や下塗りにより、密着性が向上し、耐刷性を高める事が可能であり、一方ポリアクリル酸や、ポリスルホン酸のような親水性ポリマーの添加や下塗りにより、非画像部の現像性が向上し、汚れ性の向上が可能となる。
本発明の感光性組成物を平版印刷版用原版等の画像記録材料の感光層として支持体上に塗布する際には、種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50質量%が適当である。
前記感光層の支持体被覆量は、主に、感光層の感度、現像性、露光膜の強度・耐刷性に影響しうるもので、用途に応じ適宜選択することが望ましい。被覆量が少なすぎる場合には、耐刷性が十分でなくなる。一方多すぎる場合には、感度が下がり、露光に時間がかかる上、現像処理にもより長い時間を要するため好ましくない。本発明の感光性組成物の主要な使用目的である走査露光用平版印刷版としては、その被覆量は乾燥後の質量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.5〜5g/m2である。
<(F)画像記録材料>
本発明の感光性組成物の主要な使用目的の一つは支持体上に本発明の感光性組成物を含有する感光層を有する画像記録材料を作成することである。
画像記録材料の1つの例として平版印刷版用原版が挙げられる。
平版印刷版用原版を得るには該感光性組成物からなる感光層を、表面が親水性の支持体上に設ける事が望ましい。親水性の支持体としては、従来公知の平版印刷版用原版に使用される親水性支持体を限定無く使用することができる。
使用される支持体は寸度的に安定な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙若しくはプラスチックフィルム等が含まれ、これらの表面に対し、必要に応じ親水性の付与や、強度向上、等の目的で適切な公知の物理的、化学的処理を施してもよい。
特に、好ましい支持体としては、紙、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板があげられ、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であり、必要に応じた表面処理により親水性や強度に優れた表面を提供できるアルミニウム板は特に好ましい。また、特公昭48−18327号公報に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。
好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、さらにアルミニウムがラミネート又は蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みは通常およそ0.1mm〜0.6mm程度であり、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
また金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合には、粗面化(砂目立て)処理、珪酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸、硝酸等の電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。また、アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するために、例えば、界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
さらに、粗面化したのちに珪酸ナトリウム水溶液に浸漬処理されたアルミニウム板が好ましく使用できる。特公昭47−5125号公報に記載されているようにアルミニウム板を陽極酸化処理したのちに、アルカリ金属珪酸塩の水溶液に浸漬処理したものが好適に使用される。陽極酸化処理は、例えば、燐酸、クロム酸、硫酸、硼酸等の無機酸、もしくは蓚酸、スルファミン酸等の有機酸またはそれらの塩の水溶液または非水溶液の単独または二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施される。
また、米国特許第3658662号明細書に記載されているようなシリケート電着も有効である。
さらに、特公昭46−27481号、特開昭52−58602号、特開昭52−30503号各公報に開示されているような電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理および珪酸ソーダ処理を組合せた表面処理も有用である。
さらにまた、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレイン、陽極酸化処理さらに珪酸ソーダ処理を順に行ったものも好適である。
さらに、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えば硼酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。
さらに特開平7−159983号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起こし得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
その他好ましい例として、任意の支持体上に表面層として耐水性の親水性層を設けたものも挙げることができる。この様な表面層としては例えば米国特許第3055295号明細書や、特開昭56−13168号公報記載の無機顔料と結着剤とからなる層、特開平9−80744号公報記載の親水性膨潤層、特表平8−507727号公報記載の酸化チタン、ポリビニルアルコール、珪酸類からなるゾルゲル膜等を上げる事ができる。
これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とするために施される以外に、その上に設けられる感光性組成物の有害な反応を防ぐため、かつ感光層の密着性の向上等のために施されるものである。
<(G)保護層>
本発明の感光性組成物の望ましい使用態様は走査露光用平版印刷版として用いることである。走査露光用平版印刷版は、通常、露光を大気中で行うため、該感光性組成物からなる層の上に、さらに、保護層を設ける事が好ましい。
保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、この様な保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できる事が望ましい。この様な、保護層に関する工夫が従来よりなされており、米国特許第3,458,311号明細書および特開昭55−49729号公報に詳しく記載されている。
保護層に使用できる材料としては例えば、比較的、結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いる事がよく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが知られていが、これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的に最も良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテルおよびアセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の共重合成分を有していてもよい。ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100%加水分解され、分子量が300から2400の範囲のものをあげる事ができる。
具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等があげられる。
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかしながら、極端に酸素遮断性を高めると、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い上極めて重要である。即ち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を親油性の重合層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。
これに対し、これら2層間の接着性を改善すべく種々の提案がなされている。例えば、ポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョンまたは水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60質量%混合し、重合層の上に積層することにより十分な接着性が得られる。本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用する事ができる。このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311号明細書および特開昭55−49729号公報に詳しく記載されている。
さらに、保護層に他の機能を付与する事もできる。例えば、露光に使う、350nmから450nmの光の透過性に優れ、かつ500nm以上の光を効率よく吸収しうる着色剤(水溶性染料等)の添加により、感度低下を起こすことなく、セーフライト適性をさらに高める事ができる。
<(H)画像記録方法>
本発明の感光性組成物を用いた感光材料を平板印刷版用原版等の画像記録材料として使用する際には、通常、画像露光したのち、現像液で感光層の未露光部を除去し、画像を得る。これらの感光性組成物を平版印刷版用原版に使用する際、その好ましい現像液としては、特公昭57−7427号公報に記載されているような現像液が挙げられ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノエタノールアミンまたはジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤の水溶液が適当である。このようなアルカリ溶液の濃度が0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%になるように添加されるが、本発明において使用できる現像溶液はこれに限定されるものではない。
また、このような水系現像溶液には、必要に応じて界面活性剤やベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような有機溶媒を少量含むことができる。例えば、米国特許第3375171号および同第3615480号各明細書に記載されているものを挙げることができる。さらに、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号の各公報に記載されている現像液も優れている。
特に好ましい現像液としては、特開2002−202616号公報に記載の、下記式で表される非イオン性化合物を含有し、pHが10〜14であり、かつ3〜30mS/cmの電導度を有する現像液が挙げられる。
A−W
(式中、AはA−HのLogPが1.5以上の疎水性有機基を表し、WはのLogPが1.0未満の非イオン性の親水性有機基を表す。)
その他、本発明の感光性組成物を感光層に用いた平版印刷版用原版からの平版印刷版の製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱してもよい。この様な加熱により、該感光層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは全面露光を行う事も有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ましい。温度が高すぎると、非画像部迄がかぶってしまう等の問題を生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる。
本発明の感光性組成物を感光層に用いた平版印刷版用原版の露光方法は、公知の方法を制限なく用いる事ができる。望ましい光源の波長は450nm以下、更に望ましくは350nm〜450nmであり、具体的にはInGaN系半導体レーザが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。また、該感光層成分は、高い水溶性のものを使用する事で、中性の水や弱アルカリ水に可溶とすることもできるが、この様な構成の平版印刷版用原版は印刷機上に装填後、機上で露光−現像といった方式を行う事もできる。
また、本発明による感光性組成物に対するその他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
350nm〜450nmの入手可能なレーザ光源としては以下のものを利用することができる。
ガスレーザとして、Arイオンレーザ(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザ(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザ(441nm、325nm、1mW〜100mW)、固体レーザとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、半導体レーザ系として、KNbO3リング共振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)その他、パルスレーザとしてN2レーザ(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)。特にこの中でAlGaInN半導体レーザ(市販InGaN系半導体レーザ400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
また走査露光方式の平版印刷版露光装置としては、露光機構として内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式があり、光源としては上記光源の中で連続発振可能なものが好ましく利用することができる。現実的には感材感度と製版時間の関係で、以下の露光装置が特に好ましい。
・内面ドラム方式で総出力20mW以上の半導体レーザとなる様に、ガスレーザあるいは固体レーザ光源を1個以上使用するシングルビーム〜トリプルビームの露光装置
・フラットベッド方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザ、ガスレーザあるいは固体レーザを1個以上使用したマルチビーム(1〜10本)の露光装置
・外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザ、ガスレーザあるいは固体レーザを1個以上使用したマルチビーム(1〜9本)の露光装置
・外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザあるいは固体レーザを1個以上使用したマルチビーム(10本以上)の露光装置以上のようなレーザ直描型の平版印刷版においては、一般に感材感度X(J/cm2)、感材の露光面積S(cm2)、レーザ光源1個のパワーq(W)、レーザ本数n、全露光時間t(s)との間に式(eq1)が成立する。
X・S=n・q・t (eq 1)
i)内面ドラム(シングルビーム)方式の場合
レーザ回転数f(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)の間には一般的に式(eq 2)が成立する。
f・Z・t=Lx (eq 2)
ii)外面ドラム(マルチビーム)方式の場合
ドラム回転数F(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq 3)が成立する。
F・Z・n・t=Lx (eq 3)
iii)フラットヘッド(マルチビーム)方式の場合
ポリゴンミラーの回転数H(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq 4) が成立する。
F・Z・n・t=Lx (eq 4)
実際の印刷版に要求される解像度(2560dpi)、版サイズ(A1/B1、副走査長42inch)、20枚/1時間程度の露光条件と本発明の感光性組成物の感光特性(感光波長、感度:約0.1mJ/cm2)を上記式に代入することで、本発明の感光性組成物を用いた感材においては総出力20mW以上のレーザを用いたマルチビーム露光方式との組み合わせが特に好ましいことが理解できる。更に操作性、コスト等を掛け合わせることにより外面ドラム方式の半導体レーザーマルチビーム(10本以上)露光装置との組み合わせが最も好ましいことになる。
また、本発明による感光性組成物の用途としては走査露光用平版印刷版の他、広く、光硬化樹脂の用途として知られるものに制限なく適用できる。例えば、必要に応じカチオン重合性化合物と併用した液状の光重合性組成物に適用することで、高感度な光造形用材料が得られる。また、光重合にともなう、屈折率の変化を利用し、ホログラム材料とすることもできる。光重合に伴う、表面の粘着性の変化を利用して様々な転写材料(剥離感材、トナー現像感材等)にも応用できる。マイクロカプセルの光硬化にも適用できる。フォトレジスト等の電子材料製造、インクや塗料、接着剤等の光硬化樹脂材料にも応用できる。
更に、本発明の感光性組成物に含まれる一般式(I)及び(II)で表される化合物および増感色素からなる光重合開始系は、感光性に優れ、かつ安定性に優れた光重合開始系であり、上記に詳述した感光性組成物以外にも、種々の利用法を使用することができる。例えば、光による高効率でのラジカル生成は例えば、トリフェニルメタン系ロイコ染料の酸化発色を高感度で引き起こす事ができる。また、ある種のポリメチン系色素に対し、ラジカル付加による消色反応を引き起こすことができる。また、該光重合開始系は光によりラジカルと同時に、酸成分も発生するので、酸により吸収の変化する化合物や、酸により架橋反応を起こす樹脂組成物、酸により分解し溶解性が向上しうる樹脂組成物と組み合わせる事で、高感度な画像形成材料を作成する事ができる。
<(I)着色剤>
本発明の感光性組成物(以下、硬化性組成物ともいう)を、カラーフィルタ用硬化性組成物として用いる場合、更に着色剤を含有することが好ましい。
カラーフィルタ用硬化性組成物に含有されうる着色剤には特に制限はなく、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができる。該着色剤としては、耐光性の観点から、顔料であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物に用いることができる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を用いることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、なるべく細かいものの使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。また、上記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、および前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
有機顔料としては、例えば、
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 31, 53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199, ;
C.I.ピグメント オレンジ36, 38, 43, 71;
C.I.ピグメント レッド81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177,209, 220, 224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32, 39;
C.I.ピグメント ブルー 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66;
C.I.ピグメント グリーン 7, 36, 37;
C.I.ピグメント ブラウン 25, 28;
C.I.ピグメント ブラック 1, 7;
カーボンブラック等を挙げることができる。
本発明では、特に顔料の構造式中に塩基性のN原子をもつものを好ましく用いることができる。これら塩基性のN原子をもつ顔料は本発明の組成物中で良好な分散性を示す。その原因については十分解明されていないが、感光性重合成分と顔料との親和性の良さが影響しているものと推定される。
本発明において好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 108, 109, 110, 138, 139, 150, 151, 154, 167, 180, 185,
C.I.ピグメント オレンジ36, 71,
C.I.ピグメント レッド 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32,
C.I.ピグメント ブルー 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.ピグメント ブラック 1
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。上記組合せの具体例を以下に示す。例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独またはそれらの少なくとも一種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料またはペリレン系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー139との混合が好ましい。また、赤色顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:50が好ましい。100:4以下では400nmから500nmの光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:51以上では主波長が短波長よりになり、NTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。特に、上記質量比としては、100:10〜100:30の範囲が最適である。尚、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で、または、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、37とC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180またはC.I.ピグメントイエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:150が好ましい。上記質量比が100:5未満では400nm〜450nmの光透過率を抑えることが困難となり色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:150を越えると主波長が長波長よりになりNTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。上記質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。例えばC.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:30が好ましく、より好ましくは100:10以下である。
また、ブラックマトリックス用の顔料としては、カーボン、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン単独または混合が用いられ、カーボンとチタンカーボンとの組合せが好ましい。また、カーボンとチタンカーボンとの質量比は、100:0〜100:60の範囲が好ましい。100:61以上では、分散安定性が低下する場合がある。
本発明において、着色剤が染料である場合には、組成物中に均一に溶解して硬化性組成物を得ることができる。
本発明の硬化性組成物に含有される着色剤として使用できる染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に開示されている色素が使用できる。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
また、水またはアルカリ現像を行うレジスト系の場合、現像により光未照射部のバインダーおよび/または染料を完全に除去するという観点では、酸性染料および/またはその誘導体が好適に使用できる場合がある。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/または、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有するものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
以下に酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。例えば、
acid alizarin violet N;acid black 1,2,24,48;acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243;Food Yellow 3;およびこれらの染料の誘導体が挙げられる。
この中でも酸性染料としては、acid black 24;acid blue 23,25,29,62,80,86,87,92,138,158,182,243,324:1;acid orange 8,51,56,63,74;acid red 1,4,8,34,37,42,52,57,80,97,114,143,145,151,183,217;acid violet 7;acid yellow 17,25,29,34,42,72,76,99,111,112,114,116,184,243;acidgreen 25等の染料およびこれらの染料の誘導体が好ましい。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料およびこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
なかでも、(I)着色剤としては、トリアリルメタン系、アントラキノン系、アゾメチン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アンスラピリドン系から選ばれる着色剤であることが好ましい。
本発明において使用しうる着色剤は、染料、若しくは、平均粒径r(単位nm)は、20≦r≦300、好ましくは125≦r≦250、特に好ましくは30≦r≦200を満たす顔料が望ましい。このような平均粒径rの顔料を用いることにより、高コントラスト比であり、かつ高光透過率の赤色および緑色の画素を得ることができる。ここでいう「平均粒径」とは、顔料の一次粒子(単微結晶)が集合した二次粒子についての平均粒径を意味する。
また、本発明において使用しうる顔料の二次粒子の粒径分布(以下、単に「粒径分布」という。)は、(平均粒径±100)nmに入る二次粒子が全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上であることが望ましい。
前記した平均粒径および粒径分布を有する顔料は、市販の顔料を、場合により使用される他の顔料(平均粒径は通常、300nmを越える。)と共に、好ましくは分散剤および溶媒と混合した顔料混合液として、例えばビーズミル、ロールミル等の粉砕機を用いて、粉砕しつつ混合・分散することにより調製することができる。このようにして得られる顔料は、通常、顔料分散液の形態をとる。
本発明の硬化性組成物に含有される(I)着色剤の含有量としては、硬化性組成物の全固形分中、25質量%〜95質量%であることが好ましく、30質量%〜90質量%がより好ましく、40質量%〜80質量%が更に好ましい。
着色剤が少なすぎると、本発明の硬化性組成物によりカラーフィルタを作製した際に、適度な色度が得られなくなる傾向がある。一方、多すぎると光硬化が充分に進まず膜としての強度が低下したり、また、アルカリ現像の際の現像ラチチュードが狭くなる傾向があるが、本発明に係る特定増感剤は光吸収効率が高いことから、硬化性組成物中に着色剤を高濃度に含有する場合であっても、顕著に感度向上効果が発揮される。
<(J)分散剤>
本発明の硬化性組成物が(I)着色剤として顔料を含有する場合、該顔料の分散性を向上させる観点から、(J)分散剤を添加することが好ましい。
本発明に用いうる分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、および、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうる顔料分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
これらの分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、特に、顔料誘導体と高分子分散剤とを組み合わせて使用することが好ましい。
本発明における分散剤の含有量としては、顔料に対して、1質量%〜80質量%であることが好ましく、5質量%〜70質量%がより好ましく、10質量%〜60質量%が更に好ましい。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料に対して、5質量%〜100質量%の範囲が好ましく、10質量%〜80質量%の範囲がより好ましい。また、顔料誘導体を使用する場合であれば、その使用量としては、顔料に対し1質量%〜30質量%の範囲にあることが好ましく、3質量%〜20質量%の範囲にあることがより好ましく、5質量%〜15質量%の範囲にあることが特に好ましい。
本発明において、着色剤としての顔料と分散剤とを用いる場合、硬化感度、色濃度の観点から、着色剤及び分散剤の含有量の総和が、硬化性組成物を構成する全固形分に対して30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上85質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上80質量%以下であることが更に好ましい。
<開始剤/増感色素配合量の記載/カラーフィルタ組成物>
(開始剤量)
本発明の硬化性組成物に含有される(B)光重合開始剤の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対し0.1質量%〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%〜30質量%、特に好ましくは0.3質量%〜20質量%である。この範囲で、良好な感度とパターン形成性が得られる。
(増感色素量)
本発明の硬化性組成物における特定増感剤(増感色素)の含有量は、硬化性組成物の全固形分中、0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.1質量%〜20質量%がより好ましく、0.2質量%〜20質量%が更に好ましい。
(開始剤/増感色素の混合比)
また、本発明においては、開始剤の分解効率の観点から、(B)光重合開始剤と、(A)特定増感色素との質量比〔(B)/(A)〕が、0.1以上10以下であることが好ましく、0.3以上5以下であることがより好ましく、0.5以上3以下であることが更に好ましい。
[実施態様I:平版印刷版]
以下、平版印刷版実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜11および比較例1〜4〕
(支持体の調製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板を10質量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20質量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて1質量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬後30質量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20質量%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2において、陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表面粗さを測定したところ、0.3μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
(バックコート層の調製)
このように処理された基板の裏面に下記のゾル−ゲル反応液をバーコーターで塗布し100℃で1分間乾燥し、乾燥後の塗布量が70mg/m2のバックコート層を設けた支持体を作成した。
ゾル−ゲル反応液
下記(A)成分を混合、撹拌すると約5分で発熱が開始した。60分間反応させた後、(B)成分からなる液を加えることによりバックコート塗布液を調製した。
(A)成分
テトラエチルシリケート 55質量部
水 25質量部
メタノール 10質量部
リン酸 0.05質量部
(B)成分
ピロガロールホルムアルデヒド縮合樹脂(分子量2000) 6質量部
ジメチルフタレート 6質量部
フッ素系界面活性剤 0.7質量部
(N−ブチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエチルアクリレート/ポリオキシエチレンアクリレート共重合体:分子量2万)
メタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製,メタノール30質量%)
50質量部
メタノール 800質量部
(感光層の調製)
このように処理されたアルミニウム板上に、下記組成の光重合性組成物を乾燥塗布量が1.0g/m2となるように塗布し、80℃、2分間乾燥させ感光層を形成させた。
Figure 2008239577
上記重合性化合物 1.5 g
アリルメタクリレート/メタクリル酸/
N−イソプロピルアクリルアミド共重合体 2.0 g
(共重合モル比67/13/20)
光重合開始系 (表1中に記載)
増感色素
開始剤化合物
共増感剤
フッ素系ノニオン界面活性剤(F−177P) 0.02g
熱重合禁止剤N−ニトロソフェニルヒドロキシル 0.01g
アミンアルミニウム塩
顔料分散物 2.0 g
顔料分散物の組成
組成: Pigment Blue 15:6 15質量部
アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合 10質量部
(共重合モル比83/17)
シクロヘキサノン 15質量部
メトキシプロピルアセテート 20質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
メチルエチルケトン 20.0 g
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0 g
(保護層の調製)
この感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550)の3質量%の水溶液を乾燥塗布質量が2g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥した。
(重合感度の評価:365nm露光)
得られた平版印刷版用原版に対し、光学フィルター(365nm用)を通したキセノンランプを用い、50μJ/cm2の露光エネルギーとなるよう露光を行った。その露光により平版印刷版中の二重結合消失率をIRスペクトル変化から測定、計算により特定露光量に対する重合反応率(%)を見積もった(すなわち全ての2重結合が反応した場合、100%となる)。でIRスペクトル測定にはThermo社製NICOLET 6700 RT−FTIR、露光機としてはHOYA社製 EXECURE 3000を用いた。
(保存安定性の評価)
実施例に挙げた構成で作成した平版印刷版を、下記2条件で、前記重合感度の評価を行った。
(i)塗布終了後、即時に感度評価
(ii)60℃、10日条件の強制保存条件下で保存後、感度評価
ここで言う感度は、前記したものと同じである。(i)の感度と(ii)の感度の差((ii)/(i))を重合感度比と定義した。この値が1に近いほど、経時時間無し感材と強制経時後感材における画像形成感度に変化が小さいことを示し、保存安定性が高いと言える。






Figure 2008239577
上記表1の結果によれば、比較例1で示される2,2'−ビス−(2−クロロフェニル)4,5,4',5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール(最も一般的なビイミダゾール化合物)は、安定性が高い開始系を与えるが十分な感度が得られない。また比較例2、3は十分な感度を示さない。また比較例2,3の開始剤化合物は、R1、R2オルト位にあたる部位に置換基を持たない構造であり、このような構造のロフィンダイマーの保存安定性が大きく低下することがわかった。また比較例4は更に低感度であり、かつ安定性も大きく低下しているのがわかる。
これに対し、実施例1〜11の組成物は高感度でかつ保存安定性も優れていた。特に4,6、9、10,11などは、非常に高感度でありながらも、LD−5(H−1商品名)(比較例1)を用いた場合と比べて同等以上の保存安定性を示しており非常に優れた開始系を与える。これらの実施例は本発明の開始剤化合物及び組成物が高感度/保存安定性を両立した発明であることを示している。
[実施態様II:感光性組成物]
本発明の効果は平版印刷版に限定されるものではなく、画像形成材料全般に対して使用可能な感光性組成物として効果を見出すことが可能である。アクリレートラジカル重合系における本質的感度/安定性を評価するため下記組成で評価を実施した。
〔実施例12〜22および比較例5〜8〕
(感光層の調製)
<光重合開始系> (表2中に記載)
増感色素
開始剤化合物
共増感剤
<重合系>
バインダー PMMA(ポリメチルメタクリレート、平均分子量15000 Aldrch社製) 1g
モノマー ブレンマーAE90 (EO鎖含有アクリレート、平均分子量90、新中村化学社製) 1g
溶剤 MEK(メチルエチルケトン) 7g
このように調製された感光性組成物を、前述のAL基板上に乾燥塗布量が1.0g/m2となるように塗布し、80℃、1分間乾燥させ感光層を形成した。
(重合感度の評価:365nm露光)
得られた平版印刷版用原版に対し、光学フィルター(365nm用)を通したキセノンランプを用い、20mJ/cm2の露光エネルギーとなるよう露光を行った。露光はFT−IR装置内部を5分間窒素置換し、酸素クエンチ効果が小さい環境下で行った。その露光により上記感光性組成物中の二重結合消失をIRスペクトル変化から測定、計算により特定露光量に対する重合反応率(%)を見積もった(すなわち全ての2重結合が反応した場合、100%となる)。IRスペクトル測定にはThermo社製NICOLET 6700 RT−FTIR、露光機としてはHOYA社製 EXECURE 3000を用いた。
(保存安定性の評価)
実施例に挙げた構成で作成した感光性組成物を、下記2条件で、前記重合感度の評価を行った。
(i)塗布終了後、即時に感度評価
(ii)60℃、10日条件の強制保存条件下で保存後、感度評価
ここで言う感度は、前記したものと同じである。(i)の感度と(ii)の感度の差((ii)/(i))を重合感度比と定義した。この値が1に近いほど、経時時間無し感材と強制経時後感材における画像形成感度に変化が小さいことを示し、保存安定性が高いと言える。
Figure 2008239577
上記表2の結果によれば、比較例5の組成物は、安定性が高い開始系を与えるが十分な感度が得られない。また比較例6〜8のビイミダゾール化合物、一般式(I)のR1、R2のオルト位にあたる部位に置換基を持たない構造であり、これら構造のロフィンダイマーは感度が低くかつ保存安定性が低下しているのがわかる。
これに対し、実施例15〜22の組成物は、高感度でありながらも、LD−5(比較例1)より高い保存安定性を示しており非常に優れた開始系を与える。特に、実施例12、14、15、17、21、22のビイミダゾール化合物は高感度でありながらも保存安定性が非常に高く、本発明が高感度/保存安定性を両立した発明であることを示している。
なお、本実施例中のヘキサアリールビイミダゾール化合物の構造は本明細書中に例示したものであり、その他の化合物の構造は以下の通りである。
Figure 2008239577

Claims (7)

  1. 一般式(I)で表されるビイミダゾール化合物。
    一般式(I)
    Figure 2008239577
    (式中、R1〜R6はそれぞれ独立に、置換基を有しても良いヘテロアリール基、または置換基を有しても良いアリール基であり、ただしR1、R2の少なくとも一つは、下記一般式(II)で表される置換基を有するヘテロアリール基である。また、R3〜R6はそれぞれ互いに結合して、脂肪族性または芳香族性の環を形成することができる。
    一般式(II)
    Figure 2008239577
    (式中、X1、X2の少なくともどちらかはハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、エステル、ケトン、シアノ、ジアルキルアミノ、アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択される基であり、X1、X2の両方が前記基から独立に選択された基であってもよく、更にX1、X2の一つが前記基から選択された基であればもう一方は水素原子でもよい。Y1、Y2は炭素、窒素、硫黄、及び酸素原子から選ばれる原子を表し、X1、X2で置換されている場合にはカチオン性原子ではない。Zは単環若しくは複環のヘテロアリール基である。Zは更にX1、X2以外に置換基を有しても良い。))
  2. (A)〜(C)を含有する感光性組成物:
    (A)350〜850nmに吸収極大を持つ増感色素、
    (B)請求項1に記載の一般式(I)で表されるビイミダゾール化合物、
    (C)エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物。
  3. 増感色素(A)が、クマリン、スチリル、シアニン、及びメロシアニン色素からなる群より選ばれることを特徴とする、請求項2に記載の感光性組成物。
  4. 支持体上に、請求項2または3に記載の感光性組成物を含有する感光層を有する画像記録材料。
  5. 支持体上に、請求項2または3に記載の感光性組成物を含有する感光層を有する平版印刷版原版。
  6. 請求項2または3に記載の感光性組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタ用硬化性組成物。
  7. 支持体上に、請求項2または3に記載の感光性組成物を含有する感光層を有する画像記録材料に対し、450nmより短波長のレーザ光源を用いて走査露光を行う画像記録方法。
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