JP2005099105A - 光重合性組成物 - Google Patents

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Tomotaka Tsuchimura
智孝 土村
Hiroshi Tashiro
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Abstract

【課題】作業性や経済性に優れたCTPシステムに適合した走査露光用平版印刷版等に適用した際に、感度の低下を招くことなく、強制経時後においても、網点面積を忠実に再現することができる光重合性画像記録材料用組成物を提供すること。
【解決手段】 付加重合性化合物、及び、光重合性開始剤を含有する光重合性組成物において、スルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物を含有することを特徴とする光重合性組成物。また、前記スルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物の算出されたlogP値が−2.0以上、7.0以下であることが好ましい。更に、前記光重合性開始剤がチタノセン化合物であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光重合性画像記録材料用組成物(以下、光重合性組成物ともいう)に関し、特に、作業性や経済性に優れたCTPシステムに適合した走査露光用平版印刷版に適用した際に、高感度であり、かつ、保存安定性に優れた光重合性組成物に関する。
従来、平版印刷版としては親水性支持体上に親油性の感光性樹脂を設けた構成を有するPS版が広く用いられ、その製版方法として、通常は、リスフイルムを介してマスク露光(面露光)後、非画像部を溶解除去することにより所望の印刷版を得ていた。
近年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出力する、ディジタル化技術が広く普及してきている。そして、その様なディジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用される様になってきた。その結果レーザ光のような指向性の高い光をディジタル化された画像情報に従って走査し、リスフイルムを介す事無く、直接印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術が切望されており、これに適応した印刷版用原版を得ることが重要な技術課題となっている。
このような走査露光可能な平版印刷版用原版として、従来、親水性支持体上に設ける親油性感光性樹脂層として非常に感光スピードに優れた光重合系組成物を用い、さらに酸素遮断性の保護層を設けた構成が提案され、既に上市されている。該構成の原版は、現像処理が簡便であり、さらに解像度、着肉性、耐刷性に優れるといった望ましい刷版、印刷性能を有する。
一方、近年のレーザ技術の進歩は目覚ましく、例えば、InGaN系の材料を用い、360nmから450nm域で連続発振可能な半導体レーザが実用されるに至った。これらの短波光源を用いたCTPシステムを構築できれば、より明るいセーフライト下での作業が可能な、感光域が短波な感材が使用できるようになる。さらに、半導体レーザは構造上、安価な製造が可能であり、CTPシステム用光源として非常に好ましいものである。
これらのことから、350nmから450nmの比較的短波な半導体レーザーを用いたCTPシステムに適した平版印刷版用原版を得ることが、本産業分野において強く望まれるようになっている。
近年、上記短波光源用CTPシステム用に、トリアジン開始系(特開平14-116540号公報)、チタノセン開始系(特開平13-42524号公報)を光重合性層中に有する印刷版が開示されている。トリアジン開始系を有する印刷版に関しては、高感度であり、黄色灯下での取り扱いも可能であったが、保存安定性(長期強制経時;60℃、3日等)が不十分であるという問題があった。
また、レーザー光源として波長800nm以上の赤外レーザーを用いたCTPシステムにおいては明室下(黄色灯または白色灯)での取り扱いが可能なものが、例えば特許文献1(特開2002−139843号公報)に開示されている。
しかし、赤外レーザーを光源に用いるCTPシステムにおいては、強力なビーム露光のために印刷版表面の破壊(アブレーション)が起き、その際生じるカスなどが問題となっている。また、赤外レーザー用感材は可視光レーザー用感材に比べ大幅に低感度であるため、生産性で劣るという問題も有する。
一方、感度と保存安定性の両立を目的とした感光性平版印刷版材料としては、特定の増感色素を用いた特許文献2(特開2002−351065号公報)、特定の中間層を用いた特許文献3(特開2003−43692号公報)、特定の架橋剤を用いた特許文献4(特開2003−64130号公報)などが知られている。
特開2002−139843号公報(第2頁) 特開2002−351065号公報 特開2003−43692号公報 特開2003−64130号公報
従って、本発明の目的は、作業性や経済性に優れたCTPシステムに適合した走査露光用平版印刷版等に適用した際に、感度の低下を招くことなく、強制経時後においても、網点面積を忠実に再現することができる光重合性画像記録材料用組成物を提供することにある。
光重合性平版印刷版は、光開始系、光重合系を出来るだけ高感度な設計にしており、反面、経時での安定性が低いという欠点を有していた。一方、本発明者は前述の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、チタノセン化合物を含有する光重合性画像記録材料における強制経時での網点面積変動は、感光層内における開始系若しくは重合系の分解によるものであると推定され、酸化防止機能を有す、特定化合物を添加することで良化することを見出した。そこで、更に検討を重ねた結果、感度と経時安定性の両立が可能な化合物があることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下の構成を有する。
(1) 付加重合性化合物、及び、光重合性開始剤を含有する光重合性組成物において、スルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物を含有することを特徴とする光重合性組成物。
(2) 前記スルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物の算出されたlogP値が−2.0以上、7.0以下であることを特徴とする前記(1)に記載の光重合性組成物。
(3) 前記光重合性開始剤としてチタノセン化合物を含有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の光重合性組成物。
(4) 支持体上に前記(1)〜(3)の何れかに記載の光重合性組成物を含有する記録層を備えた画像記録材料。
本発明の光重合性組成物を用いた画像記録材料の感度と経時安定性の両立についての作用機構については詳細は不明であるが以下のように考えている。
自然経時により感材中の開始系素材である色素、添加剤等が溶存酸素により酸化され、ラジカルの発生効率が低下するが、開始系素材より先に酸化される化合物を添加することで、開始系素材の酸化を抑制しラジカルの発生効率の低下を抑制することができると本発明者は推測した。更に、感材中での分布の制御が重要であるのではないかと推測した。それらの仮定に基づき、スルフィド、若しくは、スルホキシド化合物を添加した結果、特定の構造を有するスルフィド、若しくは、スルホキシド化合物で、網点の細りを抑制できるとことを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、開始系素材近傍に分布し、開始系素材より先に酸化される化合物を添加することで、自身の酸化が優先的に起こり、経時での開始効率の低下を抑制し、網点の細りを抑制できるとことが可能になることを見出したものと考えており、これにより、感度の低下を招くことなく、網点面積を忠実に再現することができる光重合性画像記録材料が得られる。
本発明によれば、高感度であり、かつ、保存安定性に優れた光重合性画像記録材料用組成物を提供することができる。
本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<スルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物>
本発明の光重合性組成物にはスルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物を含有することを特徴とする。
スルフィド化合物、及び、スルホキシド化合物としては、下記一般式(I)、又は、一般式(II)で表される構造が好ましい。
Figure 2005099105
式中、X及びX’はそれぞれ独立して、単結合又は2価の連結基を表し、
Yは1価の有機基を表し、
Z及びZ’はそれぞれ独立して、炭素数2以上の有機基を表し、
nは0から5の整数を表す。
X,X’が表す2価の連結基としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐、鎖状または環状のアルキレン基、炭素数2〜20の直鎖または分岐、鎖状または環状のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基、炭素数6〜20のアリーレン基(単環、複素環)、−C(=O)N−、−OC(=O)N−、−NC(=O)N−、−SC(=O)N−、−C(=S)−、−OC(=S)−、−NC(=S)−、−SC(=S)−、−O−、−C(=O)O−、−C(=O)−、−S−、−SO2−、−SO3−、−SO2N−、−NH−、−NR−、−NAr−、−N=N−、−N(=NH)N−等(ここで、Rはアルキル、アルケニル、アルキニルを表し、Arは、アリール(単環、ヘテロ環)を表す。)を挙げることができる。
また、上記2価の連結基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、炭素数1〜20の直鎖又は分岐、鎖状又は環状のアルキル基、炭素数2〜20の直鎖又は分岐、鎖状又は環状のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアシルオキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のカルバモイルオキシ基、炭素数1〜20のカルボンアミド基、炭素数1〜20のスルホンアミド基、炭素数1〜20のカルバモイル基、炭素数0〜20のスルファモイル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のN−アシルスルファモイル基、炭素数1〜20のN−スルファモイルカルバモイル基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20のイミノ基、炭素数3〜20のアンモニオ基、カルボキシル基、スルホ基、オキシ基、メルカプト基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜20のアリールスルフィニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数1〜20のウレイド基、炭素数2〜20のヘテロ環基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数0〜20のスルファモイルアミノ基、炭素数2〜20のシリル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基、イソシアニド基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基、オニウム基等が挙げられる。
また、XはYと上記連結基を介して連結していてもよい。
一価の有機基Yの具体例としては、炭素数1〜20の直鎖又は分岐、鎖状又は環状のアルキル基、炭素数2〜20の直鎖又は分岐、鎖状又は環状のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアシルオキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のカルバモイルオキシ基、炭素数1〜20のカルボンアミド基、炭素数1〜20のスルホンアミド基、炭素数1〜20のカルバモイル基、炭素数0〜20のスルファモイル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のN−アシルスルファモイル基、炭素数1〜20のN−スルファモイルカルバモイル基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20のイミノ基、炭素数3〜20のアンモニオ基、カルボキシル基、スルホ基、オキシ基、メルカプト基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜20のアリールスルフィニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数1〜20のウレイド基、炭素数2〜20のヘテロ環基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数0〜20のスルファモイルアミノ基、炭素数2〜20のシリル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基、イソシアニド基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基、オニウム基、水素原子等が挙げられる。これらの置換基は、更に置換基を有していても良い。
一価の有機基Z,Z’の具体例としては、炭素数2〜20の直鎖又は分岐、鎖状又は環状のアルキル基、炭素数2〜20の直鎖又は分岐、鎖状又は環状のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数2〜20のカルバモイルオキシ基、炭素数2〜20のカルボンアミド基、炭素数2〜20のスルホンアミド基、炭素数2〜20のカルバモイル基、炭素数0〜20のスルファモイル基、炭素数2〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のN−アシルスルファモイル基、炭素数2〜20のN−スルファモイルカルバモイル基、炭素数2〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数2〜20のイミノ基、炭素数3〜20のアンモニオ基、カルボキシル基、スルホ基、オキシ基、メルカプト基、炭素数2〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜20のアリールスルフィニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数2〜20のウレイド基、炭素数2〜20のヘテロ環基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数0〜20のスルファモイルアミノ基、炭素数2〜20のシリル基、イソシアネート基、イソシアニド基、シアノ基、オニウム基等が挙げられる。これらの置換基は、更に置換基を有していても良い。
特に上記Zの中でも、カルゴキシル基を有するものが特に好ましい。
本発明において用いられるスルフィド化合物及びスルホキシド化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005099105
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本発明において用いられる、スルフィド化合物、及び、スルホキシド化合物としては、下記一般式(III)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2005099105
式中、Xは単結合又は2価の連結基を表し、Yは1価の有機基を表し、Zは炭素数2以上の有機基を表し、nは0から5の整数を表す。
一般式(III)において、X、Y、Z及びnは、上記一般式(I)のX、Y、Z及びnと同義である。Zとしては、カルボキシル基を有するものが好ましい。
一般式(III)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005099105
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スルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物としてさらに好ましくは、下記一般式(IV)で表される化合物である。
Figure 2005099105
式中、Yは1価の有機基を表し、Zは炭素数1以上の有機基を表し、nは0から5の整数を表す。
一般式(IV)において、Y、Z及びnは、上記一般式(I)のY、Z及びnと同義である。
一般式(IV)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005099105
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スルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物としては、下記一般式(V)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2005099105
式中、Yは1価の有機基を表し、Zは炭素数1以上の有機基を表し、nは0から5の整数を表す。
一般式(V)において、Y、Z及びnは、上記一般式(I)のY、Z及びnと同義である。
更に一般式(V)におけるZとしては、炭素数1〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のカルボキシル基を有することが好ましく、カルボキシル基を有することが最も好ましい。
一般式(V)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005099105
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<LogP値>
本発明において、前記スルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物の算出されたlogP値は好ましくは−2.0以上、7.0以下であることを特徴とする。
ここで、logPとはオクタノール/水の分配係数の対数値であり、分子の親疎水性を表す重要なパラメータである。対応する置換またはフラグメントパラメータは、Piパラメータである。これらのパラメータは、C.HanschおよびA.LeoのSubstituent Constants for Correlation Analysis in Chemistry and Biology(John Wiley & Sons,New York,1969)やA.K.GhoseらのJ.Comput.Chem.9:80(1988)に記載されている。算出されたlogP(cLogPと称されることがよくある)値は、置換Pi値の表を利用するフラグメントの追加の処理または測定されたフラグメント値のより精巧な処理に基づきオクタノール/水分配係数を算出する専門プログラムを使用することによって算出される。後者の例は、広く使用されているコンピュータ−プログラム、MedChem Software(Release3.54,1991年8月、Medicinal Chemistry Project,Pomona College,Claremont,CA)等がある。
これらのパラメータの使用は、提供される分子および本発明のスルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物の性能を定量的に予測することを可能にする。総合的な電子の影響Σを与えるにはハメットパラメーターを機械的に合計する。置換パラメーターおよびフラグメントパラメーターは容易に入手できるので、logPおよびΣの概算は目的の予期する分子について容易に行うことが可能である。
このパラメータは、感光層中での分布の指標として本発明において有効であると考えている。前述したように、本発明においてスルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物の算出されたlogP値は−2.0以上、7.0以下が好ましく、−1.0以上、6.0以下がより好ましく、1.0以上、4.0以下が最も好ましい。
また、含有量は、感光層塗布液の固形分中0.3〜30wt%が好ましく、0.5〜20wt%がより好ましい。
本発明の光重合性組成物は、上記スルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物と、(C−1)光重合開始系および(C−2)付加重合性化合物とを必須成分とし、さらに必要に応じて、(C−3)バインダーポリマーおよび(C−4)その他の成分を含んで成る。以下、これらの成分について具体的に説明する。
(C−1)光重合開始系
本発明における光開始系は、少なくとも1種のチタノセン化合物を含有することが好ましい。チタノセン化合物としては、単独または適当な増感色素との共存下で光照射した場合、活性ラジカルを発生し得るチタノセン化合物であればいずれでもよく、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41483号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−291号、特開平3−27393号、特開平3−12403号、特開平6−41170号の各公報に記載される公知の化合物を適宜に選択して用いることができる。
さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル(以下「T−1」ともいう。)、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)フェニル)チタニウム(以下「T−2」ともいう。)等を挙げることができる。
チタノセン化合物との組み合わせにおいて、特に400nm付近に増感能を有する色素としては、特開平2001−42524号公報記載のカルバゾール骨格を有するものや、特開平2001−100412号公報記載のオキサゾリジン骨格を有するものが特に好ましい。
また、500nm付近に増感能を有する色素としては、特開平9−328505号公報、特開平8−272096号公報記載のメロシアニン色素などが好ましい。
チタノセン化合物に関しても、先の増感色素と同様、さらに、光重合性層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素や、付加重合性不飽和化合物その他のラジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらのチタノセン化合物の使用法に関しても、後述の付加重合性化合物、増感色素同様、感材の性能設計により適宜、任意に設定できる。例えば、2種以上併用することで、光重合性層への相溶性を高める事ができる。チタノセン化合物の使用量は通常多い方が感光性の点で有利であり、光重合性層用組成物(以下、単に光重合性組成物とも称する)成分100質量部に対し、0. 5〜80質量部、好ましくは1〜50質量部の範囲で用いることで十分な感光性が得られる。一方、本発明の主要な目的である、黄色等、白色灯下での使用に際しては、500nm付近の光によるカブリ性の点からチタノセンの使用量は少ない事が好ましいが、増感色素との組み合わせによりチタノセンの使用量は光重合性組成物成分100質量部に対し6質量部以下、さらに1.9質量部以下、さらには1.4質量部以下にまで下げても十分な感光性を得ることができる。
(C−2)付加重合性化合物
以下に、付加重合性化合物について詳しく述べる。
成分(C−2)として好ましく用いられる付加重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有するものであり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態を有する。
モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能もしくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナト基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、ハロゲン基、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用する事も可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が挙げら
れる。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有するものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載される1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(1)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた、1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R)COOCH2CH(R′)OH (1)
(ただし、RおよびR′はHまたはCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
さらに、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号各公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた光重合性層を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌 vol. 20、No. 7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの付加重合性化合物について、どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせ
て、任意に設定できる。例えば次のような観点から選択される。
感光スピードの点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部、すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものが良く、さらに、異なる官能数、異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感光性と強度の両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や、疎水性の高い化合物は感光スピードや、膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく無い場合がある。また、光重合性層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうる事がある。また、支持体、オーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
光重合性層中の付加重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましくない相分離が生じたり、光重合性層の粘着性による製造工
程上の問題(例えば、感材成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液中での析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点から、好ましい配合比は、多くの場合、光重合性組成物全成分に対して5〜80質量%、好ましくは25〜75質量%である。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
(C−3)バインダーポリマー
本発明の光重合性組成物を用いた画像記録材料の好ましい実施形態である平版印刷版への適用に際しては、光重合性層に更にバインダーポリマーを使用することが好ましい。バインダーとしては線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」は特に限定的ではなく、いずれを使用してもよい。好ましくは水現像または弱アルカリ水現像を可能とする水または弱アルカリ水可溶性または膨潤性である線状有機高分子重合体が選択される。線状有機高分子重合体は、光重合性組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水または有機溶剤現像剤の仕様に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号各公報に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられる。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体が挙げられる。この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体および〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体は、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
また、特公平7−120040号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号各公報、特願平10−116232号明細書等に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。
また、特開平11−171907号記載のアミド基を有するバインダーは優れた現像性と膜強度をあわせもち、好適である。
さらにこの他に水溶性線状有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
これらのバインダーポリマーは全光重合性組成物中に任意な量で混和させることができる。しかし、90質量%を超える場合には形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えない傾向がある。好ましくは30〜85質量%である。また、前記付加重合性化合物とバインダーポリマーとは、質量比で1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。
好ましい実施様態においてバインダーポリマーは実質的に水不要でアルカリに可溶なものが用いられる。これにより、現像液として環境上好ましくない有機溶剤を用いないかもしくは非常に少ない使用量に制限できる。この様な使用法においてはバインダーポリマーの酸価(ポリマー1gあたりの酸含率を化学等量数で表したもの)と分子量は画像強度と現像性の観点から適宜選択される。好ましい酸価は、0.4〜3.0meq/gであり、好ましい分子量は3000から50万の範囲である。より好ましくは、酸価が0.6〜2.0、分子量が1万から30万の範囲である。
(C−4)その他の成分
本発明の光重合性層には、さらにその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤について例示する。
(C−4−1)共増感剤
ある種の添加剤を用いることで、感度をさらに向上させる事ができる(以下、この添加剤共増感剤という)。これらの作用機構は明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、先述の開始系の光吸収により開始される光反応とそれに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、過酸化物、酸化剤、還元剤等)と共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するかまたは連鎖移動剤として作用するものに分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。(a)〜(c)に分類される化合物について以下詳細に説明する。
(a)還元されて活性ラジカルを生成する化合物
・炭素−ハロゲン結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
・窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
・酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
・オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
・フェロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。
(b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物
・アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
・アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等が挙げられる。
・含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
・α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロノン−1類、並びに、これらと、ヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類を挙げることができる。
・スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン酸ナトリウム等を挙げることができる。
(c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物:例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等が挙げられる。
これらの共増感剤のより具体的な例は、例えば特開昭9−236913号公報に、感度向上を目的とした添加剤として多く記載されている。以下に、その一部を例示するが、本発明はこれらに限定されるものはない。
Figure 2005099105
これらの共増感剤に関しても、増感色素と同様、さらに、光重合性層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素や活性剤、付加重合性不飽和化合物その他のパートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらの共増感剤は、単独でまたは2種以上併用して用いることができる。使用量は付加重合性化合物100質量部に対し0.05〜100質量部が好ましく、より好ましくは1〜80質量部、さらに好ましくは3〜50質量部の範囲である。
(C−4−2)重合禁止剤
また本発明においては、光重合性組成物(以下、単に組成物とも称する)の製造中あるいは保存中において付加重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で光重合性層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
(C−4−3)着色剤等
さらに光重合性層の着色を目的として、染料もしくは顔料を添加してもよい。これにより、印刷版としての製版後の視認性や画像濃度測定機適性といった、いわゆる検版性を向上させることができる。着色剤としては、多くの染料は光重合性層の感度の低下を生じるので、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5質量%〜約5質量%が好ましい。
(保護層)
本発明の光重合性組成物を走査露光用平版印刷版に適用する場合においては、通常、露光を大気中で行うため、光重合性組成物の層の上に、さらに、保護層を設けることが好ましい。保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や、塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、このような保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが望ましい。このような、保護層に関する工夫が従来よりなされており、米国特許第3、458、311号明細書や特開昭55−49729号公報に詳しく記載されている。保護層に使用できる材料としては例えば、比較的、結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることがよく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが知られているが、これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。
保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、およびアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100モル%加水分解され、分子量が重量平均分子量で300から2400の範囲のものを挙げることができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかしながら、極端に酸素遮断性を高めると、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い上極めて重要である。これらの対策としては、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョンまたは水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などの添加剤を20〜60質量%混合し、重合層の上に積層することが知られている。本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用することができる。このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311号明細書や特開昭55−49729号公報に詳しく記載されている。
さらに、保護層に他の機能を付与することもできる。例えば、露光に使う、350nmから450nmの光の透過性に優れ、かつ500nm以上の光を効率良く吸収しうる、着色剤(水溶性染料等)の添加により、感度低下を起こすことなく、セーフライト適性をさらに高めることができる。
(C−4−4)その他の添加剤
さらに、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、その他可塑剤、光重合性層(感光層)表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤(バインダーポリマー)を使用した場合、付加重合性化合物とバインダーポリマーとの合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
また、後述する膜強度(耐刷性)向上を目的とした、現像後の加熱・露光の効果を強化するための、UV開始剤や、熱架橋剤等の添加もできる。
その他、光重合性層と後述の支持体との密着性向上や、未露光光重合性層の現像除去性を高めるための添加剤、中間層を設けることも可能である。例えば、ジアゾニウム構造を有する化合物や、ホスホン化合物、等、基板と比較的強い相互作用を有する化合物の添加や下塗りにより、密着性が向上し、耐刷性を高める事が可能であり、一方ポリアクリル酸や、ポリスルホン酸のような親水性ポリマーの添加や下塗りにより、非画像部の現像性が向上し、汚れ性の向上が可能となる。
上記光重合性組成物を後述の支持体上に塗布する際には種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は、単独または混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50質量%が適当である。
光重合性層の支持体被覆量は、主に光重合性層の感度、現像性、露光膜の強度・耐刷性に影響しうるもので、用途に応じ適宜選択することが望ましい。被覆量が少なすぎる場合には、耐刷性が十分でなくなる。一方多すぎる場合には、感度が下がり、露光に時間がかかる上、現像処理にもより長い時間を要するため好ましくない。本発明の主要な目的である走査露光用平版印刷版としては、その被覆量は乾燥後の質量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.5〜5g/m2である。
〔支持体〕
本発明の光重合性組成物を平版印刷版に用いる場合、通常支持体上に前記組成物からなる光重合性感光層を設ける。
本発明に使用される支持体は寸度的に安定な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙若しくはプラスチックフィルム等が含まれ、これらの表面に対し、必要に応じ親水性の付与や、強度向上、等の目的で適切な公知の物理的、化学的処理を施しても良い。
特に、好ましい支持体としては、紙、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板があげられ、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であり、必要に応じた表面処理により親水性や強度に優れた表面を提供できるアルミニウム板は特に好ましい。また、特公昭48−18327号公報に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。
アルミニウム基板は、寸度的に安定なアルミニウムを主成分とする金属板であり、純アルミニウム板の他、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、またはアルミニウム(合金)がラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムまたは紙の中から選ばれる。
以下の説明において、上記に挙げたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板をアルミニウム基板と総称して用いる。前記アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがあり、合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。本発明では純アルミニウム板が好適であるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のもの、例えばJIS A 1050、JISA 1100、JIS A 3103、JIS A 3005などを適宜利用することが出来る。また、本発明に用いられるアルミニウム基板の厚みは、およそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mmから0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。この厚みは印刷機の大きさ、印刷版の大きさおよびユーザーの希望により適宜変更することができる。アルミニウム基板には適宜必要に応じて後述の基板表面処理が施されてもよく、施されなくてもよい。
〔粗面化処理〕
支持体として用いられるアルミニウム基板は、通常粗面化処理される。
粗面化処理方法は、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレインなどがある。さらに塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に粗面化する電気化学的粗面化方法、およびアルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を粗面化するブラシグレイン法のような機械的粗面化法を用いることができ、上記粗面化方法を単独あるいは組み合わせて用いることもできる。
その中でも粗面化に有用に使用される方法は塩酸または硝酸電解液中で化学的に粗面化する電気化学的方法であり、適する陽極時電気量は50C/dm2〜400C/dm2の範囲である。さらに具体的には、0.1〜50%の塩酸または硝酸を含む電解液中、温度20〜80℃、時間1秒〜30分、電流密度100C/dm2〜400C/dm2の条件で交流および/または直流電解を行うことが好ましい。
また、特開2003−112484号公報記載のような特定の中波構造と小波構造を重畳した構造の砂目形状を表面に有する支持体も好適に用いることができる。
このように粗面化処理したアルミニウム基板は、酸またはアルカリにより化学的にエッチングされてもよい。好適に用いられるエッチング剤は、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等であり、濃度と温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50%、20〜100℃である。エッチングのあと表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられる酸は硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。特に電気化学的粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度の15〜65質量%の硫酸と接触させる方法および特公昭48−28123号公報に記載されているアルカリエッチングする方法が挙げられる。
以上のように処理された後、処理面の中心線平均組さRaが0.1〜0.8μmであれば、特に方法条件は限定しない。
〔陽極酸化処理〕
以上のようにして粗面化処理されたアルミニウム基板には、その後に陽極酸化処理がなされ酸化皮膜が形成される。
陽極酸化処理は、硫酸、燐酸、シュウ酸もしくは硼酸/硼酸ナトリウムの水溶液が単独もしくは複数種類組み合わせて電解浴の主成分として用いられる。この際、電解液中に少なくともAl合金板、電極、水道水、地下水等に通常含まれる成分はもちろん含まれても構わない。さらには第2、第3成分が添加されていても構わない。ここでいう第2、第3成分とは、例えばNa、K、Mg、Li、Ca、Ti、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属のイオンやアンモニウムイオン等に陽イオンや、硝酸イオン、炭酸イオン、塩素イオン、リン酸イオン、フッ素イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イオン、ケイ酸イオン、硼酸イオン等の陰イオンが挙げられ、その濃度としては0〜10000ppm程度含まれてもよい。陽極酸化処理の条件に特に限定はないが、好ましくは30〜500g/リットル、処理液温10〜70℃で、電流密度0.1〜40A/m2の範囲で直流または交流電解によって処理される。形成される陽極酸化皮膜の厚さは0.5〜1.5μmの範囲である。好ましくは0.5〜1.0μmの範囲である。
以上の処理によって作製された支持体が、陽極酸化皮膜に存在するマイクロポアのポア径が5〜10nm、ポア密度が8×1015〜2×1016個/m2の範囲に入るように処理条件は選択されなければならない。
さらに、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えば硼酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。さらに特開平7−159983号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起こし得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
その他好ましい例として、任意の支持体上に表面層として耐水性の親水性層を設けたものも挙げることができる。この様な表面層としては例えば米国特許第3055295号明細書や、特開昭56−13168号公報記載の無機顔料と結着剤とからなる層、特開平9−80744号公報記載の親水性膨潤層、特表平8−507727号公報記載の酸化チタン、ポリビニルアルコール、珪酸類からなるゾルゲル膜等を挙げる事ができる。これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とするために施される以外に、その上に設けられる光重合性層の有害な反応を防ぐため、かつ感光層(光重合性層)の密着性の向上等のために施されるものである。
〔中間層〕
本発明における光重合性画像記録材料には、光重合性層と支持体との間の密着性や汚れ性を改善する目的で、中間層を設けてもよい。このような中間層の具体例としては、特公昭50−7481号、特開昭54−72104号、特開昭59−101651号、特開昭60−149491号、特開昭60−232998号、特開平3−56177号、特開平4−282637号、特開平5−16558号、特開平5−246171号、特開平7−159983号、特開平7−314937号、特開平8−202025号、特開平8−320551号、特開平9−34104号、特開平9−236911号、特開平9−269593号、特開平10−69092号、特開平10−115931号、特開平10−161317号、特開平10−260536号、特開平10−282682号、特開平11−84674号、特開平10−69092号、特開平10−115931号、特開平11−38635号、特開平11−38629号、特開平10−282645号、特開平10−301262号、特開平11−24277号、特開平11−109641号、特開平10−319600号、特開平11−84674号、特開平11−327152号、特開2000−10292号、特開2000−235254号、特開2000−352824号、特開2001−209170号、特開2002−229187号の各公報、特願平11−284091号明細書等に記載のものを挙げることができる。
また、この中間層の成分に着色剤を添加することで、先ほど説明した、支持体上における着色剤の下塗りを兼ねることも出来る。
本発明の光重合性組成物を用いた画像記録材料は、通常、画像露光したのち、現像液で感光層の未露光部を除去し、画像を得る。
その他、本発明の光重合性組成物を用いた画像記録材料を平版印刷版用原版として適用する場合の製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱しても良い。この様な加熱により、感光層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは、全面露光を行う事も有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ましい。温度が高すぎると、非画像部迄がかぶってしまう等の問題を生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる。
本発明による走査露光平版印刷版の露光方法は、公知の方法を制限なく用いる事ができる。望ましい、光源の波長は300〜600nmが適当であり、好ましくは350〜450nmであり、具体的にはInGaN系半導体レーザが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでも良い。また、本発明の感光層成分は、高い水溶性のものを使用する事で、中性の水や弱アルカリ水に可溶とすることもできるが、この様な構成の平版印刷版は印刷機上に装填後、機上で露光−現像といった方式を行う事もできる。
また現像処理された感光性平版印刷版は、特開昭54−8002号、同55−115045号、同59−58431号等の各公報に記載されているように、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理される。感光性平版印刷版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
上述の感光性平版印刷版を従来公知の現像液を用いて現像し、画像形成することが可能であるが、特に以下に示す特殊な現像液を用いるのが、画像形成性、現像カスの発生の抑
制の点から好ましい。
これらの従来公知の現像液としては、特公昭57−7427号公報に記載されているような現像液が挙げられ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノエタノールアミンまたはジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤の水溶液が適当である。このようなアルカリ溶液の濃度が0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%になるように添加される。
また、このようなアルカリ性水溶液には、必要に応じて界面活性剤やベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような有機溶媒を少量含むことができる。例えば、米国特許第3375171号および同第3615480号各明細書に記載されているものを挙げることができる。さらに、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号の各公報に記載されている現像液も挙げることができる。
また、特殊な現像液とは、現像液組成物として以下の要件を満たすものであると現在のところは考えている。
第1に画像形成性に対し極めて良好な働きをすること(未露光部の現像性は高く、露光部に対する現像液の浸透性は低い。また、感光層の溶解挙動は非膨潤的であり、感光層表面から順に溶解していく)。
第2に未露光部の感光層を完全に除去することができ、支持体表面を印刷汚れの発生しない親水面として再生できること。
第3に上述の現像不溶性化合物を安定に分散或いは可溶化するため、これらの不溶性化合物と相互作用する疎水性サイトと水中で分散安定化させる親水性サイトを有する非イオン性化合物を含有すること。
第4に塩析や現像速度低下を防ぐため、塩濃度が低いこと(非珪酸塩系であり、pHも従来のアルカリ現像液に比較して低いことが必要)。
第5に現像処理時の不安定化要因となる、水に含有されるCaイオン等の2価金属を除去するキレート剤を含有すること。
この内、第1、第2に関しては感光層成分の特徴も重要な要因となる。特に光重合性の平版印刷版の感光層であれば制約は受けないが、現在判っているところでは、光重合性感光層酸価が従来のものよりも低いことは、本発明の現像液との相乗効果を得る点では、重要であると考えられる。
[光重合性層酸価]
ここでいう光重合性層酸価とは、感光性平版印刷版の支持体上に塗設されている光重合性層(光重合性層の上に塗設されるオーバーコート層、例えば、酸素遮断層は含まない)層1gあたりに含有されるpKa9以下の酸の等量である。実験的には光重合性層を水酸化ナトリウム水溶液により直接、滴定して求めることができるが、光重合層用組成物中のpKa9以下の酸基を有する化合物の含有量から計算により求めることもできる。
具体的に光重合性層酸価を変える方法としては、光重合性層成分である架橋剤モノマー/酸基を有するバインダーポリマー(線状高分子)の含有比の変更および酸基の少ない低酸価バインダーポリマーの使用などが考えられる。
低酸価バインダーポリマーとしては、酸価1.5meq/g以下が好ましい。より好ましくは1.2meq/g以下である。
本発明の光重合性層の光重合性層酸価は1.0meq/gであることが好ましい。酸価0.20〜0.60meq/gの光重合性層を有する平版印刷版に適用する方が効果的である。さらに画像形成性の点でより好ましくは0.30〜0.50meq/gの光重合性層を有するものである。
上記の特殊な現像液は、従来の現像液に比べて浸透性が低く、光硬化部の内部や、支持体表面を破壊せずに、表面から溶解していく事を特徴としている。この現像液を用いた場合
は、現像液が硬化部に浸透して、画像部が支持体からポロリと剥離されてしまうような事が無く、光重合性層の硬化度にきちんと対応した形で現像する事ができる。フレア光のような微量な光で硬化してしまった部分は硬化度が低く、一方、レーザー露光された画像部は硬化度が十分に高いため、該現像液を用いた場合には、フレア光により微妙に硬化した非画像部はきちんと現像され、レーザー露光部は現像されずに、しっかりとした画像部を形成することができる。
また、支持体上に色素を下塗りした場合において、上記の特殊現像液は色素の溶解、分散性に優れる為、非画像部における残色を低減させ、検版性の向上をもたらすことから、この点でも好ましい。このような特殊な現像液の例は特願2000-334851号明細書に開示されており、市販品としては富士フィルム社のDV-2現像液がこれに当たる。即ち、非常に硬調な画像を形成することができる。
本発明による光重合性組成物を用いた画像記録材料の用途としては走査露光用平版印刷版の他、広く、光硬化樹脂の用途として知られるものに制限なく適用できる。
例えば、必要に応じカチオン重合性化合物と併用した液状の光重合性組成物に適用することで、高感度な光造形用材料が得られる。また、光重合にともなう、屈折率の変化を利用し、ホログラム材料とすることもできる。光重合に伴う、表面の粘着性の変化を利用して様々な転写材料(剥離感材、トナー現像感材等)にも応用できる。マイクロカプセルの光硬化にも適用できる。フォトレジスト等の電子材料製造、インクや塗料、接着剤等の光硬化樹脂材料にも応用できる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[スルフィドまたはスルホキシド化合物の合成例]
2−アリルオキシエタノール5.6g、トリエチルアミン6.9gをTHF50mlに溶解して氷冷下攪拌し、チオジプロピオン酸クロライド5gを滴下ロートで30分かけて滴下した。その後室温で1時間攪拌した後、析出した結晶を濾過して除去した。続いて、濾液を減圧留去した後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、化合物Dを9.8g得ることが出来た。
同様の方法で2−アリルオキシエタノールをベンジルアルコールに変更することで、化合物Aを合成した。
チオジエタノール8.0g、トリエチルアミン16.6gをTHF100mlに溶解して氷冷下攪拌し、ベンゾイルクロライド18.4gを滴下ロートで30分かけて滴下した。その後室温で1時間攪拌した後、析出した結晶を濾過して除去した。続いて、濾液を減圧留去した。得られた結晶をアセトン20gに溶解し、水500Lに投入し晶析させた。その後、真空ポンプで30分乾燥し、化合物Bを24.8g得ることが出来た。
同様の方法で2−アリルオキシエタノールをチオビスベンゼンチオールに、ベンゾイルクロライドをメタクリル酸クロライド に変更することで、化合物Hを合成した。
チオジエタノール3.1gをTHF100mlに溶解し、窒素雰囲気、氷冷下攪拌し手いる中、NaH(60w%)2.0gを加えた。続いて、ベンジルブロマイド8.5gを加え、そのまま30分攪拌した後、室温下で24時間攪拌した。次に、反応液を水100ml中に投入し、1規定の塩酸で中和後、酢酸エチルで有機相を抽出し、減圧留去した。その後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、化合物Cを5.0g得ることが出来た。
なお、logP値の算出は、CAChe Work System 4.9の化学計算ソフトを用い、Editorで化学構造を入力後、CAChe Project Leaderで、atom typing schemeを用いて行った。
[支持体の製造例]
(支持体1:陽極酸化アルミニウム支持体の製造)
厚さ0.30mmの材質1Sのアルミニウム板を8号ナイロンブラシと800メッシュのパミストンの水懸濁液を用い、その表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で、水洗後、20%HNO3で中和洗浄、水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ0.45μm(Ra表示)であった。ひきつづいて30%のH2SO4水溶液中に浸漬し、55℃で2分間デスマットした後、33℃、20%H2SO4水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配置して、電流密度5A/dm2において50秒間陽極酸化したところ、厚さが2.7g/m2であった。これを支持体1とした。
(支持体2の製造)
上記支持体1に下記の表面処理用下塗り液状組成物1をP量が約0.05g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させたものを支持体2とした。
<下塗り用液状組成物1>
フェニルホスホン酸 2質量部
メタノール 800質量部
水 50質量部
(支持体3の製造)
上記支持体1に下記の表面処理用下塗り液状組成物2をSi量が約0.001g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させたものを支持体3とした。
<下塗り用液状組成物2>
下記成分を混合攪拌し、約5分後に発熱が見られ、60分間反応させた後、内容物を別の容器に移し、メタノールをさらに3万質量部加えたものを液状組成物2とした。
ユニケミカル(株)ホスマーPE 20質量部
メタノール 130質量部
水 20質量部
パラトルエンスルホン酸 5質量部
テトラエトキシシラン 50質量部
3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 50質量部
(支持体4の製造)
上記支持体1に、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム共重合体(60/25/15モル比、分子量Mn=3万)を、水/メタノール=5g/95gに溶解した液を塗布量が3mg/m2となるように塗布し、80℃、30秒間乾燥させたものを支持体4とした。
[平版印刷版用原版の製造例]
上述の支持体1〜4上に、下記組成の光重合性組成物を乾燥塗布質量が表1中に示す量となるように塗布し、95℃で乾燥させ、光重合性層を形成した。
(光重合性層塗布液(光重合性組成物):下記表1に詳細を記載)
付加重合性化合物(A) 表1記載
バインダーポリマー(B) 表1記載
増感剤(D) 0.10質量部
開始剤(I) 0.05質量部
添加剤(H) 0.25質量部
フッ素系界面活性剤 0.02質量部
(メガファックF-177:大日本インキ化学工業(株)製)
熱重合禁止剤 0.03質量部
(N-ニトロソヒドロキシルアミンアルミニウム塩)
ε型の銅フタロシアニン分散物 0.2 質量部
メチルエチルケトン 16.0 質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 16.0 質量部
本発明の下記スルフィドもしくはスルホキシド化合物 0.10質量部
Figure 2005099105
Figure 2005099105
なお、光重合性層塗布液に用いる、付加重合性化合物(A)、バインダーポリマー(B)、増感剤(D)、光開始剤(I)、添加剤(H)を以下に示す。
Figure 2005099105
Figure 2005099105
「保護層の塗設」
この感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550)の3質量%の水溶液を乾燥塗布質量が2g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥した。
(露光)
露光1(感光層1〜4、比較感光層1)
感光層1〜4、比較感光層1を有する平版印刷版用原版を波長405nmのバイオレットLD(FFEI社製バイオレットボクサー)で50μJ/cm2の露光量で、4000dpiにて175線/インチの条件でベタ画像と1〜99%の網点画像(1%刻み)を走査露光した。
露光2(感光層5)
感光層5を有する平版印刷版用原版をFD・YAGレーザー(CSI社製プレートジェット4、532nm)で100μJ/cm2の露光量で、4000dpiにて175線/インチの条件でベタ画像と1〜99%の網点画像(1%刻み)を走査露光した。
(現像)
現像液1(または2)及びフィニッシングガム液FP−2W(富士写真フイルム製)を仕込んだ自動現像機(富士写真フイルム製LP−850P2)で標準処理を行った。プレヒートの条件は版面到達温度が100℃、現像液温は30℃、現像液への浸漬時間は約15秒であった。
現像液1、2は下記組成よりなり、pHは25℃でそれぞれ11.5(現像液1)、12.3(現像液2)、であり、導電率は5mS/cm(現像液1)、17mS/cm(現像液2)であった。
(現像液1の組成)
水酸化カリウム 0.15g
ポリオキシエチレンフェニルエーテル(n=13) 5.0 g
キレスト400(キレート剤) 0.1 g
水 94.75g
(現像液2の組成)
1K−珪酸カリウム 2.5 g
水酸化カリウム 0.15g
ポリオキシエチレンフェニルエーテル(n=13) 5.0 g
キレスト400(キレート剤) 0.1 g
水 92.25g
[印刷等評価]
上記で得られた平版印刷版用原版の感度、保存安定性について、下記の方法で評価した。結果は表−2にまとめた。
(感度の評価)
上記印刷版を表−2記載の条件で露光し、その直後に表−2記載の条件で現像して画像形成を行い、その際の50%網点の面積%を網点面積測定器(グレタグーマクベス)で測定した。
(保存安定性の評価)
上記平版印刷版用原版として、合紙とともにアルミクラフト紙で密閉し、60℃で4日放置したものを用いた以外は感度評価時とすべて同じ方法で網点面積測定を行った。次に、60℃、4日放置有りの網点面積と60℃、4日放置無しの網点面積との差を取り、強制経時による網点変動(Δ%)を測定した。この数字の絶対値が小さいほど強制経時による影響が少ない、すなはち保存安全性が高いことを示す。
結果を表−2に示す。
Figure 2005099105
Figure 2005099105
Figure 2005099105
Figure 2005099105
Figure 2005099105
表−2から明らかなように、本発明の特徴である、スルフィド、若しくは、スルホキシド化合物を添加した各実施例の平版印刷版用原版においては、感度と保存安定性を両立しつつ、セーフライト安全性が向上しており満足すべき結果を得たが、各比較例の平版印刷版用原版においては、何らかの性質において不満足なものであった。

Claims (4)

  1. 付加重合性化合物、及び、光重合性開始剤を含有する光重合性組成物において、スルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物を含有することを特徴とする光重合性組成物。
  2. 前記スルフィド化合物、又は、スルホキシド化合物の算出されたlogP値が−2.0以上、7.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の光重合性組成物。
  3. 前記光重合性開始剤としてチタノセン化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光重合性組成物。
  4. 支持体上に請求項1〜3の何れかに記載の光重合性組成物を含有する記録層を備えた画像記録材料。
JP2003329627A 2003-09-22 2003-09-22 光重合性組成物 Pending JP2005099105A (ja)

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