JP2020056825A - 感光性樹脂組成物、硬化膜、積層体、転写フィルム、及び、タッチパネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
静電容量型入力装置の電極パターンや枠部にまとめられた引き回し配線(例えば銅線などの金属配線)などを保護する等の目的で、指などで入力する表面とは反対側に透明樹脂層が設けられている。
特許文献1には、基材上に、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、チオール化合物と、を含有する感光性樹脂組成物からなる感光層を設ける第1工程と、上記感光層の所定部分を活性光線の照射により硬化させる第2工程と、上記感光層の上記所定部分以外を除去し、上記感光層の上記所定部分の硬化膜パターンを形成する第3工程と、を備え、上記感光性樹脂組成物が上記光重合開始剤としてオキシムエステル化合物及び/又はホスフィンオキサイド化合物を含む、樹脂硬化膜パターンの形成方法が記載されている。
特許文献2には、〔A〕エチレン性不飽和カルボン酸に由来する重合単位および/またはエチレン性不飽和カルボン酸無水物に由来する重合単位を有する共重合体、〔B〕エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、〔C〕光重合開始剤並びに〔D〕下記式(1)または(2):
(式(1)において、R1は、メチレン基または炭素数2〜20のアルキレン基であり、R2はメチレン基または炭素数2〜6の直鎖もしくは分岐アルキレン基でありそしてmは1〜20の整数を表わす)
(式(2)において、Rは、同一もしくは異なり、−H、−OHまたは下記式(2’)
で表わされるチオール化合物を含有することを特徴とする、液晶表示素子用スペーサーの形成に用いられる感光性樹脂組成物が記載されている。
また、本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、上記感光性樹脂組成物を用いた硬化膜、積層体、転写フィルム、及び、タッチパネルの製造方法を提供することである。
<1> バインダーポリマーと、エチレン性不飽和化合物と、光重合開始剤と、を含有し、上記エチレン性不飽和化合物が、チオエーテル結合を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aを含む感光性樹脂組成物。
<2> 上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aにおける少なくとも2つのエチレン性不飽和結合の間を連結する最短の連結鎖の原子数が、10個〜30個である<1>に記載の感光性樹脂組成物。
<3> 上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aにおける上記連結鎖が、炭素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる鎖である<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物。
<4> 上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aが有する硫黄原子の数が、1個以上4個以下である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
<5> 上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aが、2官能エチレン性不飽和化合物である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
<6> 上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aが、下記式A−1で表される化合物である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
<8> 上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aの含有量MAと上記エチレン性不飽和化合物Bの含有量MBとの質量比MA/MBの値が、0.2〜1.5である<7>に記載の感光性樹脂組成物。
<9> タッチパネル保護膜形成用である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
<10> 仮支持体と、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物からなる感光性層とを有する転写フィルム。
<11> <1>〜<9>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
<12> 基板、及び、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜を有する積層体。
<13> 基板上にタッチパネル用電極及びタッチパネル用配線の少なくとも一方が配置された構造を有するタッチパネル用基板を準備することと、上記タッチパネル用基板の上記タッチパネル用電極及びタッチパネル用配線の少なくとも一方が配置された側の面の上に、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を含有する感光性層を形成することと、上記タッチパネル用基板上に形成された上記感光性層をパターン露光することと、パターン露光された上記感光性層を現像することにより、上記タッチパネル用電極及びタッチパネル用配線の少なくとも一方の少なくとも一部を保護するタッチパネル用保護膜を得ることと、を含むタッチパネルの製造方法。
<14> 上記タッチパネル用保護膜が、上記タッチパネルの折り曲げ領域に設けられる<13>に記載のタッチパネルの製造方法。
また、本発明の他の実施形態によれば、上記感光性樹脂組成物を用いた硬化膜、積層体、転写フィルム、及び、タッチパネルの製造方法を提供することができる。
なお、本開示において、数値範囲を示す「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、本開示における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において「全固形分」とは、組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また、「固形分」とは、上述のように、溶剤を除いた成分であり、例えば、25℃において固体であっても、液体であってもよい。
また、本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
更に、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を包含する概念である。
また、本開示における重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶媒THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
本開示において、樹脂中の構成単位の割合は、特に断りが無い限り、モル割合を表す。
本開示において、分子量分布がある場合の分子量は、特に断りが無い限り、重量平均分子量(Mw)を表す。
以下、本開示を詳細に説明する。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、バインダーポリマーと、エチレン性不飽和化合物と、光重合開始剤と、を含有し、上記エチレン性不飽和化合物が、チオエーテル結合を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aを含む。
また、本開示に係る感光性樹脂組成物は、タッチパネル保護膜形成用感光性樹脂組成物として好適に用いることができ、タッチパネルの電極又は配線保護膜形成用感光性樹脂組成物としてより好適に用いることができる。
これによる優れた効果の作用機構は明確ではないが、以下のように推定している。
チオエーテル結合を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aを含有することにより、硬化膜において、炭素−炭素結合よりも結合長が長く、また、結合角の許容範囲の広い炭素−硫黄結合を導入した架橋構造を形成することにより、曲げ耐性が向上し、架橋ネットワークを密にすることができるため、水蒸気の透過速度を低減することができ、低透湿度も確保できる。
更に、チオエーテル結合を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aにより、架橋構造の一部に硫黄原子を導入することにより、硫黄原子の極性により、現像液への溶解性が高くなり、現像残渣が抑制される。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和化合物を含有し、上記エチレン性不飽和化合物が、チオエーテル結合を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aを含む。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和化合物として、チオエーテル結合を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aを含む。
上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aは、エチレン性不飽和結合を2つ以上有し、かつ、チオエーテル結合を1つ以上有する化合物である。
上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aが有するエチレン性不飽和結合の数としては、2官能以上15官能以下であることが好ましく、2官能以上6官能以下であることがより好ましく、2官能以上4官能以下であることが更に好ましく、2官能であることが特に好ましい。
上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aが有するエチレン性不飽和基としては、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、アリル基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、スチリル基等が挙げられる。
中でも、反応性、及び、得られる硬化膜の強度の観点から、(メタ)アクリロキシ基であることが好ましい。
また、上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aが有する2つ以上のエチレン性不飽和基は、同じ基であっても、互いに異なる基であってもよいが、同じ基であることが好ましい。
本開示において、「少なくとも2つのエチレン性不飽和結合の間を連結する最短の連結鎖の原子数」とは、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合に連結する原子から少なくとももう1つのエチレン性不飽和結合に連結する原子までを連結する最短の原子数である。
なお、エチレン性不飽和基を3つ以上有する場合、そのうちの2つのエチレン性不飽和結合の間の上記最短の連結鎖の原子数のうち、上記原子数の最も小さい2つのエチレン性不飽和結合の間の上記最短の連結鎖の原子数とする。
具体的には、下記化合物においては、波線間における最短の連結鎖の原子数であり、上記最短の連結基の原子数は12である。
なお、上記連結鎖を構成する原子は、2つのエチレン性不飽和結合の間を連結する最短の連結鎖を構成する原子のことであり、上記化合物のように、炭素原子に水素原子を有していても、最短の連結鎖を構成する原子は、炭素原子、酸素原子及び硫黄原子の3種類である。
また、上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aの分子量は、現像残渣抑制性、並びに、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性の観点から、260以上600以下であることが好ましく、280以上500以下であることがより好ましく、340以上420以下であることが特に好ましい。
また、上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aは、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性の観点から、炭素原子、水素原子、酸素原子及び硫黄原子のみからなる化合物であることが好ましい。
更に、上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aは、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性の観点から、炭素数4〜16の直鎖アルキレン基を有することが好ましく、炭素数6〜14の直鎖アルキレン基を有することがより好ましく、炭素数8〜12の直鎖アルキレン基を有することが特に好ましい。
式(A−1)におけるLA1及びLA3はそれぞれ独立に、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性の観点から、炭素数2〜8のアルキレン基又は−LA6(SLA7)nA−であることが好ましく、炭素数2〜8のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
LA6及びLA7はそれぞれ独立に、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性の観点から、炭素数2〜8のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
nAは、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性の観点から、1〜4の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましく、1又は2であることが特に好ましい。
式(A−1)におけるLA2は、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性の観点から、炭素数2〜18のアルキレン基であることが好ましく、炭素数3〜18のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数4〜16のアルキレン基であることが更に好ましく、炭素数6〜14のアルキレン基であることが特に好ましく、炭素数8〜12のアルキレン基であることが最も好ましい。
式(A−2)におけるLA4及びLA5はそれぞれ独立に、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性の観点から、炭素数2〜8のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
LA1〜LA7におけるアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐を有していても、環構造を有していてもよいが、得られる硬化膜の曲げ耐性の観点から、直鎖アルキレン基であることが好ましい。
上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aの含有量は、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、1質量%〜40質量%であることが好ましく、2質量%〜30質量%がより好ましく、5質量%〜25質量%が特に好ましい。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和化合物として、脂環構造を有するエチレン性不飽和化合物Bを含むことが好ましい。
上記エチレン性不飽和化合物Bは、単官能エチレン性不飽和化合物であっても、多官能エチレン性不飽和化合物であってもよいが、得られる硬化膜の透湿度の観点から、多官能エチレン性不飽和化合物であることが好ましく、2〜4官能エチレン性不飽和化合物であることがより好ましく、2官能エチレン性不飽和化合物であることが更に好ましく、2官能(メタ)アクリレート化合物であることが特に好ましい。
なお、上記エチレン性不飽和化合物Bは、上記2官能エチレン性不飽和化合物Aとは異なる化合物であることが好ましい。
上記エチレン性不飽和化合物Bが有するエチレン性不飽和基としては、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、アリル基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、スチリル基等が挙げられる。
中でも、反応性、及び、得られる硬化膜の強度の観点から、(メタ)アクリロキシ基であることが好ましい。
また、上記エチレン性不飽和化合物Bが有する脂環構造としては、シクロアルカン環構造、ビシクロアルカン環構造、トリシクロアルカン環構造、テトラシクロアルカン環構造等が挙げられる。
具体的には、シクロペンタン環構造、シクロヘキサン環構造、アダマンタン環構造、ノルボルナン環構造、ノルボルネン環構造、イソボルナン環構造、トリシクロデカン環構造、テトラシクロドデカン環構造等が好ましく挙げられる。
中でも、上記エチレン性不飽和化合物Bが有する脂環構造としては、2環以上縮合脂環構造が好ましく、3環以上の縮合脂環構造がより好ましく、トリシクロデカン環構造が特に好ましい。
上記エチレン性不飽和化合物Bの含有量は、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、1質量%〜50質量%であることが好ましく、5質量%〜45質量%がより好ましく、10質量%〜40質量%が特に好ましい。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和化合物として、上記2官能以上のエチレン性不飽和化合物A及び上記エチレン性不飽和化合物B以外のエチレン性不飽和化合物(その他のエチレン性不飽和化合物)を含んでいてもよい。
その他のエチレン性不飽和化合物としては、特に制限はなく、公知のエチレン性不飽和化合物を用いることができる。
その他のエチレン性不飽和化合物が有するエチレン性不飽和基としては、特に制限はなく、公知のエチレン性不飽和基であればよい。具体的には、例えば、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、アリル基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、スチリル基等が挙げられる。
中でも、反応性、及び、得られる硬化膜の強度の観点から、(メタ)アクリロキシ基であることが好ましい。
上記感光性樹脂組成物における単官能エチレン性不飽和化合物の含有量は、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性の観点から、単官能エチレン性不飽和化合物を含まないが、又は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0質量%を超え5質量%以下であることが好ましく、単官能エチレン性不飽和化合物を含まないが、又は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0質量%を超え1質量%以下であることがより好ましく、単官能エチレン性不飽和化合物を含まないが、又は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0質量%を超え0.5質量%以下であることが更に好ましく、単官能エチレン性不飽和化合物を含まないことが特に好ましい。
酸基としては、例えば、リン酸基、スルホン酸基、及び、カルボキシ基が挙げられ、カルボキシ基が好ましい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、酸基を有する3〜4官能のエチレン性不飽和化合物(ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート(PETA)骨格にカルボキシ基を導入したもの(酸価=80mgKOH/g〜120mgKOH/g))、酸基を有する5〜6官能のエチレン性不飽和化合物(ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート(DPHA)骨格にカルボキシ基を導入したもの(酸価=25mgKOH/g〜70mgKOH/g))等が挙げられる。
これら酸基を有する3官能以上のエチレン性不飽和化合物は、必要に応じ、酸基を有する2官能のエチレン性不飽和化合物と併用してもよい。
カルボキシ基を含有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物は、特に制限されず、公知の化合物の中から適宜選択できる。
カルボキシ基を含有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、アロニックス(登録商標)TO−2349(東亞合成(株)製)、アロニックスM−520(東亞合成(株)製)、又は、アロニックスM−510(東亞合成(株)製)を好ましく用いることができる。
上記酸基を有するエチレン性不飽和化合物の含有量は、現像残渣抑制性、及び、得られる硬化膜の透湿度の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、1質量%〜50質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましく、1質量%〜10質量%が更に好ましい。
また、上記酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むその他のエチレン性化合物の総含有量としては、現像残渣抑制性、及び、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、1質量%〜50質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、1質量%〜20質量%が更に好ましく、1質量%〜10質量%が特に好ましい。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、バインダーポリマーを含む。
上記バインダーポリマーは、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
上記バインダーポリマーの酸価は、特に制限はないが、現像性の観点から、酸価60mgKOH/g以上のバインダーポリマーであることが好ましく、酸価60mgKOH/g以上のアルカリ可溶性樹脂であることがより好ましく、酸価60mgKOH/g以上のカルボキシル基含有アクリル樹脂であることが特に好ましい。
バインダーポリマーが、酸価を有することで、加熱により酸と反応可能な化合物と熱架橋し、3次元架橋密度を高めることができると推定される。また、カルボキシ基含有アクリル樹脂のカルボキシ基が無水化され、疎水化することにより湿熱耐性の改善に寄与すると推定される。
例えば、特開2011−95716号公報の段落0025に記載のポリマーのうちの酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂であるバインダーポリマー、特開2010−237589号公報の段落0033〜0052に記載のポリマーのうちの酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂等が、本実施形態における特定重合体Aとして好ましく用いることができる。
ここで、(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の少なくとも一方を含む樹脂を指す。
(メタ)アクリル樹脂中における(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の合計割合は、30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましい。
特定重合体Aは、反応性基を有していてもよく、反応性基を特定重合体Aに導入する手段としては、水酸基、カルボキシ基、第一級アミノ基、第二級アミノ基、アセトアセチル基、スルホン酸などに、エポキシ化合物、ブロックイソシアネート、イソシアネート、ビニルスルホン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、カルボン酸無水物などを反応させる方法が挙げられる。
これらの中でも、反応性基としては、ラジカル重合性基であることが好ましく、エチレン性不飽和基であることがより好ましく、(メタ)アクリロキシ基であることが特に好ましい。
芳香環を有する構成単位を形成するモノマーとしては、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
芳香環を有する構成単位としては、後述する式P−2で表される構成単位を少なくとも1種含有することが好ましい。また、芳香環を有する構成単位としては、スチレン化合由来の構成単位であることが好ましい。
脂肪族環式骨格を有する構成単位を形成するモノマーとして、具体的には、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記脂肪族環式骨格を有する構成単位が有する脂肪族環としては、ジシクロペンタン環、シクロヘキサン環、イソボロン環、トリシクロデカン環等が好ましく挙げられる。中でも、トリシクロデカン環が特に好ましく挙げられる。
なお、本開示において、「主鎖」とは樹脂を構成する高分子化合物の分子中で相対的に最も長い結合鎖を表し、「側鎖」とは主鎖から枝分かれしている原子団を表す。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリル基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
バインダーポリマーがエチレン性不飽和基を有する構成単位を含有する場合、エチレン性不飽和基を有する構成単位の含有量は、バインダーポリマーの全質量に対し、5質量%〜70質量%であることが好ましく、10質量%〜50質量%であることがより好ましく、20質量%〜40質量%であることが更に好ましい。
本明細書において、酸価は、JIS K0070(1992年)に記載の方法に従って、測定された値を意味する。
特定重合体Aの重量平均分子量は、1万以上が好ましく、2万〜10万がより好ましい。
カルボン酸無水物構造は、鎖状カルボン酸無水物構造及び環状カルボン酸無水物構造のいずれであってもよいが、環状カルボン酸無水物構造であることが好ましい。
環状カルボン酸無水物構造の環としては、5〜7員環が好ましく、5員環又は6員環がより好ましく、5員環が更に好ましい。
また、環状カルボン酸無水物構造は、他の環構造と縮環又は結合して多環構造を形成していてもよいが、多環構造を形成していないことが好ましい。
多環構造において、環状カルボン酸無水物構造に対し縮環又は結合している他の環構造の数としては、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
他の環構造としては、炭素数3〜20の環状の炭化水素基、炭素数3〜20のヘテロ環基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、特に限定されないが、脂肪族ヘテロ環基及び芳香族ヘテロ環基が挙げられる。
また、ヘテロ環基としては、5員環又は6員環が好ましく、5員環が特に好ましい。
また、ヘテロ環基としては、酸素原子を少なくとも一つ含有するヘテロ環基(例えば、オキソラン環、オキサン環、ジオキサン環等)が好ましい。
Z1aは、−C(=O)−O−C(=O)−を含む環を形成する2価の基を表す。n1aは0以上の整数を表す。
ここでいう他の環構造としては、上述した、カルボン酸無水物構造と縮環又は結合してもよい他の環構造と同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
Z1aが炭素数2〜4のアルキレン基を表す場合、n1aは0〜4の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0が更に好ましい。
n1aが2以上の整数を表す場合、複数存在するRA1aは、同一でも異なっていてもよい。また、複数存在するRA1aは、互いに結合して環を形成してもよいが、互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
下記の構成単位中、Rxは、水素原子、メチル基、CH2OH基、又はCF3基を表し、Meは、メチル基を表す。
なお、本開示において、「構成単位」の含有量をモル比で規定する場合、当該「構成単位」は「モノマー単位」と同義であるものとする。また、本開示において上記「モノマー単位」は、高分子反応等により重合後に修飾されていてもよい。以下においても同様である。
RP2としては、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素原子6〜12のアリール基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、又はエチル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
スチレン化合物としては、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、α,p−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン等が挙げられ、スチレン又はα−メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。
式P−2で表される構成単位を形成するためのスチレン化合物は、1種のみであっても2種以上であってもよい。
その他の構成単位は、酸基を含有しないことが好ましい。
その他の構成単位としては特に限定されないが、単官能エチレン性不飽和化合物に由来する構成単位が挙げられる。
上記単官能エチレン性不飽和化合物としては、公知の化合物を特に限定なく用いることができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニル化合物;アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物の誘導体;等が挙げられる。
バインダーポリマーの含有量は、得られる硬化膜の強度、及び、転写フィルムにおけるハンドリング性の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、10質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上70質量%以下であることが更に好ましい。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤としては特に制限はなく、公知の光重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤としては、オキシムエステル構造を有する光重合開始剤(以下、「オキシム系光重合開始剤」ともいう。)、α−アミノアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤(以下、「α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤」ともいう。)、α−ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤(以下、「α−ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤」ともいう。)、アシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤(以下、「アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤」ともいう。)、N−フェニルグリシン構造を有する光重合開始剤(以下、「N−フェニルグリシン系光重合開始剤」ともいう。)等が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、特に制限はないが、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましい。
また、光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、硬化後の硬度の観点から、熱架橋性化合物を含有することが好ましく、ブロックイソシアネート化合物を含有することがより好ましい。
なお、熱架橋性化合物とは、「加熱により架橋反応を起こし得る官能基(熱架橋性基)を1分子中に1つ以上有する化合物」をいう。
熱架橋性化合物としては、ブロックイソシアネート化合物、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物のエポキシ化合物、メラミン系化合物などが挙げられる。
中でも、現像残渣抑制性、並びに、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性の観点から、ブロックイソシアネート化合物が好ましい。
ブロックイソシアネート化合物とは、「イソシアネートのイソシアネート基をブロック剤で保護(マスク)した構造を有する化合物」のことをいう。
本明細書中におけるブロックイソシアネートの解離温度とは、「示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ(株)製、DSC6200)によりDSC(Differential scanning calorimetry)分析にて測定した場合に、ブロックイソシアネートの脱保護反応に伴う吸熱ピークの温度」のことをいう。
イソシアヌレート構造を有するブロックイソシアネート化合物の中でも、オキシム化合物をブロック剤として用いたオキシム構造を有する化合物が、オキシム構造を有さない化合物よりも解離温度を好ましい範囲にしやすく、現像残渣を少なくしやすい観点から好ましい。
ラジカル重合性基としては、特に制限はなく、公知の重合性基を用いることができ、例えば、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基等のエチレン性不飽和基、グリシジル基等のエポキシ基を有する基などが挙げられる。中でも、重合性基としては、得られる硬化膜における表面の面状、現像速度及び反応性の観点から、エチレン性不飽和基であることが好ましく、(メタ)アクリロキシ基であることがより好ましい。
ブロックイソシアネート化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、1質量%〜50質量%であることが好ましく、5質量%〜30質量%であることがより好ましい。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、接触する金属配線の変色防止性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、複素環化合物を更に含むことが好ましい。
上記複素環化合物が有するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。中でも、接触する金属配線の変色防止性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、窒素原子、及び、硫黄原子、及び、酸素原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子をヘテロ原子として有することが好ましく、窒素原子を少なくともヘテロ原子として有することがより好ましい。
上記複素環化合物としては、接触する金属配線の変色防止性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、窒素原子を有することが好ましく、上記複素環化合物における複素環が窒素原子を含むことがより好ましく、上記複素環化合物における複素環が窒素原子を含む5員環であることが更に好ましく、上記複素環化合物における複素環が窒素原子及び硫黄原子及び酸素原子を含む5員環であることが特に好ましい。
また、上記複素環化合物の複素環としては、接触する金属配線の変色防止性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、5員環、又は、6員環であることが好ましく、5員環であることがより好ましい。
また、上記複素環化合物がメルカプト基を有する場合、上記複素環化合物におけるメルカプト基の数は、特に制限はないが、接触する金属配線の変色防止性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1又は2であることが更に好ましく、1であることが特に好ましい。
中でも、トリアゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、トリアジン化合物、ローダニン化合物、チアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、又は、ベンゾオキサゾール化合物が好ましく、トリアゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、又は、ベンゾオキサゾール化合物がより好ましく、チアジアゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、又は、ベンゾオキサゾール化合物が特に好ましい。
R5は、水素原子、アルキル基又はアミノ基であることが好ましく、水素原子又はアミノ基であることがより好ましい。
R2h〜R4h、R8h、R10h〜R13h、R15h〜R18h、R22h、R24h、R26h〜R28h及びR30hはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、メルカプト基又はアルキルチオ基であることが好ましく、水素原子、アミノ基、メルカプト基又はアルキルチオ基であることがより好ましい。
R15h〜R17hはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、メルカプト基又はアルキルチオ基であることが好ましく、アミノ基又はヘテロアリール基であることがより好ましく、アミノ基又はピリジル基であることが特に好ましい。
また、合成上の観点から、R15〜R17は、同じ基であることが好ましい。
R18hは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、メルカプト基又はアルキルチオ基であることが好ましく、水素原子、アミノ基、メルカプト基又はアルキルチオ基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
R6h、R14h、R21h、R23h及びR29hはそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基であることが好ましく、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基又はカルボキシ基であることがより好ましい。
また、R6h、R14h、R21h、R23h及びR29hは、上記各式におけるベンゼン環上の任意の位置の水素原子を置換し結合することができる。
R19hは、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
n1〜n5はそれぞれ独立に、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、上記複素環化合物は、接触する金属配線の変色防止性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、上記式H5〜式H7及び式H13のいずれかで表される化合物であることが好ましく、上記式H5、式H6及び式H13のいずれかで表される化合物であることがより好ましく、上記式H6で表される化合物、又は、上記式H13で表される化合物であることが更に好ましく、上記式H13で表される化合物であることが特に好ましい。
トリアゾール化合物及びベンゾトリアゾール化合物としては、以下の化合物が例示できる。
上記複素環化合物の含有量は、特に制限はないが、接触する金属配線の変色防止性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.01質量%〜20質量%であることが好ましく、0.1質量%〜10質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜8質量%であることが更に好ましく、1質量%〜5質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる硬化物の硬度及び金属配線への腐食防止性により優れ、また、得られる硬化物の透明性に優れる。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、チオール化合物を更に含むことができる。
チオール化合物としては、単官能チオール化合物、又は、多官能チオール化合物が好適に用いられる。中でも、硬化後の硬度の観点から、2官能以上のチオール化合物(多官能チオール化合物)を含むことが好ましく、多官能チオール化合物であることがより好ましい。
本開示において多官能チオール化合物とは、メルカプト基(チオール基)を分子内に2個以上有する化合物を意味する。多官能チオール化合物としては、分子量100以上の低分子化合物が好ましく、具体的には、分子量100〜1,500であることがより好ましく、150〜1,000が更に好ましい。
多官能チオール化合物の官能基数としては、硬化後の硬度の観点から、2官能〜10官能が好ましく、2官能〜8官能がより好ましく、2官能〜6官能が更に好ましい。
また、多官能チオール化合物としては、タック性、並びに、硬化後の曲げ耐性及び硬度の観点から、脂肪族多官能チオール化合物であることが好ましい。
更に、チオール化合物としては、硬化後の曲げ耐性及び硬度の観点から、第二級チオール化合物がより好ましい。
単官能脂肪族チオール化合物としては、具体的には、1−オクタンチオール、1−ドデカンチオール、β−メルカプトプロピオン酸、メチル−3−メルカプトプロピオネート、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
単官能芳香族チオール化合物としては、ベンゼンチオール、トルエンチオール、キシレンチオール等が挙げられる。
式1におけるAは、タック性、並びに、硬化後の曲げ耐性及び硬度の観点から、炭素数1〜15のn価の脂肪族基、又は、上記式2で表される基であることが好ましく、炭素数4〜15のn価の脂肪族基、又は、上記式2で表される基であることがより好ましく、炭素数5〜10のn価の脂肪族基、又は、上記式2で表される基であることが更に好ましく、上記式2で表される基であることが特に好ましい。
また、式1におけるAは、タック性、並びに、硬化後の曲げ耐性及び硬度の観点から、水素原子及び炭素原子からなるn価の基、又は、水素原子、炭素原子及び酸素原子からなるn価の基であることが好ましく、水素原子及び炭素原子からなるn価の基であることがより好ましく、n価の脂肪族炭化水素基であることが特に好ましい。
式1におけるR1はそれぞれ独立に、タック性、並びに、硬化後の曲げ耐性及び硬度の観点から、炭素数1〜15のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数3のアルキレン基であることが更に好ましく、1,2−プロピレン基であることが特に好ましい。上記アルキレン基は、直鎖状であっても、分岐を有していてもよい。
式S−1中のR1Sにおけるアルキル基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、炭素数の範囲としては1〜16が好ましく、1〜10がより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、2−エチルへキシル基等であり、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基が好ましい。
R1Sとしては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、又は、イソプロピル基が特に好ましく、メチル基又はエチル基が最も好ましい。
式S−2中のnS価の連結基であるL1Sとしては、例えば−(CH2)mS−(mSは2〜6の整数を表す。)などの二価の連結基、トリメチロールプロパン残基、−(CH2)pS−(pSは2〜6の整数を表す。)を3個有するイソシアヌル環などの三価の連結基、ペンタエリスリトール残基などの四価の連結基、ジペンタエリスリトール残基などの五価又は六価の連結基が挙げられる。
チオール化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0.1質量%〜40質量%が好ましく、0.5質量%〜30質量%がより好ましく、1質量%〜25質量%が特に好ましい。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、例えば、特許第4502784号公報の段落0017及び特開2009−237362号公報の段落0060〜0071に記載の界面活性剤、公知のフッ素系界面活性剤等を用いることができる。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、メガファック(登録商標)F551(DIC(株)製)が挙げられる。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、重合禁止剤を少なくとも1種含有してもよい。
重合禁止剤としては、例えば、特許第4502784号公報の段落0018に記載された熱重合防止剤(重合禁止剤ともいう)を用いることができる。
中でも、フェノチアジン、フェノキサジン又は4−メトキシフェノールを好適に用いることができる。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、水素供与性化合物を更に含むことが好ましい。
本開示において水素供与性化合物は、光重合開始剤の活性光線に対する感度を一層向上させる、或いは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
このような水素供与性化合物の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、上述した成分以外のその他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、例えば、特許第4502784号公報の段落0018に記載の熱重合防止剤、特開2000−310706号公報の段落0058〜0071に記載のその他の添加剤、等が挙げられる。
金属酸化物粒子の金属には、B、Si、Ge、As、Sb、Te等の半金属も含まれる。硬化膜の透明性の観点から、粒子(例えば金属酸化物粒子)の平均一次粒子径は、1〜200nmが好ましく、3〜80nmがより好ましい。平均一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて任意の粒子200個の粒子径を測定し、測定結果を算術平均することにより算出される。粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を粒子径とする。
粒子の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0質量%〜35質量%が好ましく、0質量%〜10質量%がより好ましく、0質量%〜5質量%が更に好ましく、0質量%〜1質量%が更に好ましく、0質量%(即ち、上記感光性樹脂組成物に粒子が含まれないこと)が特に好ましい。
具体的には、上記感光性樹脂組成物における着色剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、1質量%未満が好ましく、0.1質量%未満がより好ましい。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、塗布による層形成の観点から、溶剤を更に含むことが好ましい。
溶剤としては、有機溶剤が好ましい。
有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(別名:1−メトキシ−2−プロピルアセテート)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム、n−プロパノール、2−プロパノールなどを挙げることができる。また、使用する溶剤は、これらの化合物の混合物である混合溶剤を含有してもよい。
溶剤としては、メチルエチルケトンとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混合溶剤、又はジエチレングリコールエチルメチルエーテルとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混合溶剤が好ましい。
粘度は、例えば、VISCOMETER TV−22(東機産業(株)製)を用いて測定する。
感光性樹脂組成物が溶剤を含有する場合、感光性樹脂組成物の表面張力(25℃)は、塗布性の観点から、5mN/m〜100mN/mが好ましく、10mN/m〜80mN/mがより好ましく、15mN/m〜40mN/mが特に好ましい。
表面張力は、例えば、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学(株)製)を用いて測定する。
また、溶剤として、必要に応じて沸点が180℃〜250℃である有機溶剤(高沸点溶剤)を使用することもできる。
本開示に係る硬化膜は、本開示に係る感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜である。なお、本開示に係る感光性樹脂組成物が溶剤を含む場合は、本開示に係る硬化膜は、本開示に係る感光性樹脂組成物の固形分を硬化してなる硬化膜である。
また、本開示に係る感光性樹脂組成物が溶剤を含む場合は、膜状に本開示に係る感光性樹脂組成物を基材へ塗布した後、加熱乾燥、風乾、減圧乾燥等の公知の方法により、溶剤の少なくとも一部を除去し、その後硬化を行い、硬化膜を形成することが好ましい。
また、上記硬化膜は、所望のパターン形状であってもよい。
本開示に係る硬化膜は、層間絶縁膜(絶縁膜)やオーバーコート膜(保護膜)として好適に用いることができ、タッチパネル用保護膜としてより好適に用いられる。
本開示に係る感光性樹脂組成物の固形分を硬化してなる硬化膜は、膜物性に優れるため、有機EL表示装置や液晶表示装置の用途に有用である。
中でも、本開示に係る硬化膜は、タッチパネル用保護膜としてより好適に用いることができ、タッチパネル配線用保護膜としてより好適に用いることができる。
上記硬化膜の厚さは、特に制限はないが、1μm以上20μm以下が好ましく、2μm以上15μm以下がより好ましく、3μm以上12μm以下が特に好ましい。
本開示に係る転写フィルムは、仮支持体と、本開示に係る感光性樹脂組成物を含む層(以下、「感光性層」ともいう。)と、を備える。
本開示に係る転写フィルムは、仮支持体を有する。
仮支持体は、フィルムであることが好ましく、樹脂フィルムであることがより好ましい。
仮支持体としては、可撓性を有し、かつ、加圧下、又は、加圧及び加熱下において、著しい変形、収縮又は伸びを生じないフィルムを用いることができる。
このようなフィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルム、及びポリカーボネートフィルムが挙げられる。
中でも、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
また、仮支持体として使用するフィルムは、シワ等の変形や、傷がないものであることが好ましい。
本開示に係る転写フィルムは、本開示に係る感光性樹脂組成物を含む層(感光性層)を備える。
上記感光性層は、本開示に係る感光性樹脂組成物を含む層であればよいが、本開示に係る感光性樹脂組成物からなる層、又は、本開示に係る感光性樹脂組成物の固形分からなる層であることが好ましい。
上記感光性樹脂組成物が溶剤を含む場合には、公知の方法により少なくとも一部の溶剤を除去し、上記感光性層を形成することが好ましい。溶剤は、完全に除去されている必要はないが、上記感光性層における溶剤の含有量は、上記感光性層の全質量に対し、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。
上記感光性層の厚さが、20μm以下であると、転写フィルム全体の薄膜化、感光性層又は得られる硬化膜の透過率向上、感光性層又は得られる硬化膜の黄着色化抑制等の面で有利である。
上記感光性層の厚さは、製造適性の観点から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、3μm以上が特に好ましい。
本開示において、「屈折率」は、波長550nmにおける屈折率を指す。
本開示における「屈折率」は、特に断りが無い限り、温度23℃において波長550nmの可視光で、エリプソメトリーによって測定した値を意味する。
上記感光性層の形成方法の一例として、仮支持体上に、溶剤を含有する感光性樹脂組成物を塗布し、必要に応じ乾燥させることにより形成する方法が挙げられる。
塗布の方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、印刷法、スプレー法、ロールコート法、バーコート法、カーテンコート法、スピンコート法、ダイコート法(即ち、スリットコート法)等が挙げられ、ダイコート法が好ましい。
乾燥の方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥等の公知の方法を、単独で、又は複数組み合わせて適用することができる。
本開示に係る転写フィルムは、更に、感光性層からみて仮支持体が存在する側とは反対側に、第二の樹脂層を備えてもよい(例えば、後述する転写フィルムの具体例参照)。
第二の樹脂層としては、屈折率調整層が好ましく挙げられる。
屈折率調整層を備える態様の転写フィルムによれば、透明電極パターンを備えるタッチパネル用基板に対し、転写フィルムの屈折率調整層及び感光性層を転写することによりタッチパネル用保護層を形成した場合において、透明電極パターンがより視認されにくくなる(すなわち、透明電極パターンの隠蔽性がより向上する。)。透明電極パターンが視認される現象は、一般に、「骨見え」と称されている。
透明電極パターンが視認される現象、及び、透明電極パターンの隠蔽性については、特開2014−10814号公報及び特開2014−108541号公報を適宜参照できる。
第二の樹脂層の屈折率は、骨見え抑制の観点から、感光性層の屈折率よりも高いことが好ましい。
第二の樹脂層の屈折率は、好ましくは1.50以上、より好ましくは1.55以上、特に好ましくは1.60以上である。
第二の樹脂層の屈折率の上限は特に制限されないが、2.10以下が好ましく、1.85以下がより好ましく、1.78以下が更に好ましく、1.74以下が特に好ましい。
転写後の光硬化により、強度に優れた硬化膜を形成する観点からは、第二の樹脂層は光硬化性を有することが好ましい。
また、熱硬化により、硬化膜の強度をより向上させることができる観点から、第二の樹脂層は熱硬化性を有することが好ましい。
第二の樹脂層は、熱硬化性及び光硬化性を有することが好ましい。
第二の樹脂層は、アルカリ可溶性(例えば、弱アルカリ水溶液に対する溶解性)を有することが好ましい。
また、第二の樹脂層の膜厚は、20nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましく、55nm以上が更に好ましく、60nm以上が特に好ましい。
例えば、ITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ)からなる透明電極パターンのように透明電極パターンの屈折率が1.8〜2.0の範囲である場合は、第二の樹脂層の屈折率は、1.60以上が好ましい。この場合の第二の樹脂層の屈折率の上限は特に制限されないが、2.1以下が好ましく、1.85以下がより好ましく、1.78以下が更に好ましく、1.74以下が特に好ましい。
また、例えば、IZO(Indium Zinc Oxide;酸化インジウム亜鉛)からなる透明電極パターンのように、透明電極パターンの屈折率が2.0を超える場合は、第二の樹脂層の屈折率は、1.70以上1.85以下が好ましい。
酸化ジルコニウム粒子の例としては、日産化学工業(株)製のナノユースOZ−S30M(メタノール分散液、不揮発分30.5質量%)、堺化学工業(株)製のSZR-CW
(水分散液、不揮発分30質量%)、SZR−M(メタノール分散液、不揮発分30質量%)等が挙げられる。
酸化チタン粒子の例としては、テイカ(株)製のTS−020(水分散液、不揮発分25.6質量%)、日産化学工業(株)製チタニアゾルR(メタノール分散液、不揮発分32.1質量%)等が挙げられる。
金属酸化物粒子として酸化チタンを用いる場合、電極パターン等の被隠蔽物の隠蔽性が良好になり、被隠蔽物の視認性を効果的に改善することができるという観点から、酸化チタン粒子の含有量は、第二の樹脂層の全質量に対して、1質量%〜95質量%が好ましく、20質量%〜90質量%がより好ましく、40質量%〜85質量%が更に好ましい。
第二の樹脂層の成分については、特開2014−108541号公報の段落0019〜0040及び0144〜0150に記載されている硬化性第二の樹脂層の成分、特開2014−10814号公報の段落0024〜0035及び0110〜0112に記載されている透明層の成分、国際公開第2016/009980号の段落0034〜段落0056に記載されているアンモニウム塩を有する組成物の成分等を参照することができる。
また、第二の樹脂層が含有するバインダーポリマー及びエチレン性不飽和化合物としては、上記第一の樹脂層が含有するバインダーポリマー及びエチレン性不飽和化合物と同様のものを使用することができ、好ましい範囲も同様である。
第二の樹脂層が金属酸化抑制剤を含有する場合には、第二の樹脂層を基板(即ち、転写対象物)上に転写する際に、第二の樹脂層と直接接する部材(例えば、基板上に形成された導電性部材)を表面処理することができる。この表面処理は、第二の樹脂層と直接接する部材に対し金属酸化抑制機能(保護性)を付与する。
金属酸化抑制剤としては、上述したものが挙げられる。
第二の樹脂層に含有され得るその他の成分としては、上述した感光性層に含まれる各成分と同様のものが挙げられる。
第二の樹脂層は、その他の成分として、界面活性剤を含有することが好ましい。
第二の樹脂層の形成方法の一例として、仮支持体上に形成された上述の感光性層上に、水系溶剤を含有する態様の第二の樹脂層形成用組成物を塗布し、必要に応じ乾燥させることにより形成する方法が挙げられる。
塗布及び乾燥の方法の具体例は、それぞれ、感光性層を形成する際の塗布及び乾燥の具体例と同様である。
第二の樹脂層形成用組成物は、例えば、バインダーポリマー、エチレン性不飽和化合物、粒子、及び水系溶剤を含有する。
また、第二の樹脂層形成用組成物としては、国際公開第2016/009980号の段落0034〜0056に記載されている、アンモニウム塩を有する組成物も好ましい。
本開示に係る転写フィルムは、更に、感光性層からみて仮支持体とは反対側に、保護フィルムを備えていてもよい。
本開示に係る転写フィルムが、感光性層からみて仮支持体とは反対側に第二の樹脂層を備える場合には、保護フィルムは、好ましくは、第二の樹脂層からみて仮支持体とは反対側に配置される。
保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、及びポリカーボネートフィルムが挙げられる。
保護フィルムとしては、例えば、特開2006−259138号公報の段落0083〜0087及び0093に記載のものを用いてもよい。
本開示に係る転写フィルムは、更に、仮支持体と感光性層との間に、熱可塑性樹脂層を備えていてもよい。
転写フィルムが熱可塑性樹脂層を備える場合には、転写フィルムを基板に転写して積層体を形成した場合に、積層体の各要素に気泡が発生しにくくなる。この積層体を画像表示装置に用いた場合には、画像ムラなどが発生し難くなり、優れた表示特性が得られる。
熱可塑性樹脂層は、アルカリ可溶性を有することが好ましい。
熱可塑性樹脂層は、転写時において、基板表面の凹凸を吸収するクッション材として機能する。
基板表面の凹凸には、既に形成されている、画像、電極、配線なども含まれる。熱可塑性樹脂層は、凹凸に応じて変形し得る性質を有していることが好ましい。
熱可塑性樹脂層の厚さが3μm以上であると、基板表面の凹凸に対する追従性が向上するので、基板表面の凹凸をより効果的に吸収できる。
熱可塑性樹脂層の厚さが30μm以下であると、プロセス適性がより向上する。例えば、仮支持体に熱可塑性樹脂層を塗布形成する際の乾燥(溶剤除去)の負荷がより軽減され、また、転写後の熱可塑性樹脂層の現像時間が短縮される。
塗布及び乾燥の方法の具体例は、それぞれ、感光性層を形成する際の塗布及び乾燥の具体例と同様である。
溶剤としては、熱可塑性樹脂層を形成する高分子成分を溶解するものであれば、特に制限されず、有機溶剤(例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、n−プロパノール、及び2−プロパノール)が挙げられる。
本開示に係る転写フィルムは、更に、仮支持体と感光性層との間に、中間層を備えていてもよい。
本開示に係る転写フィルムが熱可塑性樹脂層を備える場合、中間層は、好ましくは、熱可塑性樹脂層と感光性層との間に配置される。
中間層の成分としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース、又は、これらのうちの少なくとも2種を含む混合物である樹脂が挙げられる。
また、中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されているものを用いることもできる。
上記の場合、例えば、まず、仮支持体上に熱可塑性樹脂層形成用組成物を塗布し、乾燥させて熱可塑性樹脂層を形成する。次いで、この熱可塑性樹脂層上に中間層形成用組成物を塗布し、乾燥させて中間層を形成する。その後、中間層上に、有機溶剤を含有する態様の感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥させて感光性層を形成する。この場合の有機溶剤は、中間層を溶解しない有機溶剤であることが好ましい。
図1は、本開示に係る転写フィルムの一具体例である転写フィルム10の概略断面図である。
図1に示されるように、転写フィルム10は、保護フィルム16/第二の樹脂層20A/感光性層18A/仮支持体12の積層構造(即ち、仮支持体12と、感光性層18Aと、第二の樹脂層20Aと、保護フィルム16と、がこの順に配置された積層構造)を有する。
ただし、本開示に係る転写フィルムは、転写フィルム10であることには限定されず、例えば、第二の樹脂層20A及び保護フィルム16は省略されていてもよい。また、仮支持体12と感光性層18Aとの間に、上述の熱可塑性樹脂層及び中間層の少なくとも一方を備えていてもよい。
転写フィルム10は、ネガ型材料(ネガ型フィルム)である。
転写フィルム10の製造方法は、例えば、仮支持体12上に感光性層18Aを形成する工程と、感光性層18A上に第二の樹脂層20Aを形成する工程と、第二の樹脂層20A上に保護フィルム16を形成する工程と、をこの順に含む。
転写フィルム10の製造方法は、第二の樹脂層20Aを形成する工程と保護フィルム16を形成する工程との間に、国際公開第2016/009980号の段落0056に記載されている、アンモニアを揮発させる工程を含んでもよい。
以下に述べる本開示に係る積層体は、本開示に係る硬化膜を有していればよいが、基板、電極、及び、本開示に係る硬化膜をこの順に積層してなる積層体であることが好ましい。
また、上記感光性層は、所望のパターン形状であってもよい。
また、本開示に係る積層体は、基板上に、本開示に係る転写フィルムから仮支持体を除いた後の感光性層を有することが好ましい。
本開示に係る静電容量型入力装置は、本開示に係る硬化膜、又は、本開示に係る積層体を有する。
上記基板は、静電容量型入力装置の電極を含む基板であることが好ましい。
また、上記電極は、静電容量型入力装置の電極であることが好ましい。
既述の積層体の構成とすることにより、透明電極パターンの隠蔽性が良好となる。
また、基板は、透明な基板であることが好ましく、透明な樹脂基板であることがより好ましい。本開示における透明とは、全可視光線の透過率が85%以上であることを意図し、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
基板の屈折率は、1.50〜1.52が好ましい。
ガラス基板としては、例えば、コーニング社のゴリラガラス(登録商標)などの強化ガラスを用いることができる。
樹脂基板としては、光学的に歪みがないもの及び透明度が高いものの少なくとも一方を用いることが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリイミド(PI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、シクロオレフィンポリマー(COP)等の樹脂からなる基板が挙げられる。
透明な基板の材質としては、特開2010−86684号公報、特開2010−152809号公報、及び特開2010−257492号公報に記載されている材質が好ましく用いられる。
タッチパネル用電極としては、例えば、タッチパネルの少なくとも画像表示領域に配置される透明電極パターンが挙げられる。タッチパネル用電極は、画像表示領域からタッチパネルの枠部にまで延びていてもよい。
タッチパネル用配線としては、例えば、タッチパネルの枠部に配置される引き回し配線(取り出し配線)が挙げられる。
タッチパネル用基板及びタッチパネルの好ましい態様は、透明電極パターンのタッチパネルの枠部に延びている部分に、引き回し配線の一部が積層されることにより、透明電極パターンと引き回し配線とが電気的に接続されている態様が好適である。
引き回し配線の材質としては、金属が好ましい。引き回し配線の材質である金属としては、金、銀、銅、モリブデン、アルミニウム、チタン、クロム、亜鉛及びマンガン、並びに、これらの金属元素の2種以上からなる合金が挙げられる。引き回し配線の材質としては、銅、モリブデン、アルミニウム又はチタンが好ましく、銅が特に好ましい。
タッチパネル用電極保護膜の厚さの好ましい範囲は、上述した感光性層の厚さの好ましい範囲と同様である。
なお、本開示において、折り曲げ領域とは、所定の曲率半径で折り曲げられた領域又は所定の曲率半径で折り曲げることができる領域を意味する。所定の曲率半径とは、好ましくは40mm以下、より好ましくは10mm以下、特に好ましくは5mm以下である。
他の実施態様においては、上記タッチパネルは、折り曲げ領域で、折りたたまれていてもよい。また、他の実施態様においては、上記タッチパネルは、その中央部付近に折り曲げ領域を有していてもよい。
上記開口部は、感光性層の非露光部が現像液によって溶解されることによって形成され得る。
この場合において、タッチパネル用電極保護膜が、転写フィルムを用いて高温のラミネート条件で形成された場合においても、タッチパネル用電極保護膜の開口部における現像残渣が抑制される。
第一屈折率調整層の好ましい態様は、転写フィルムに備えられ得る第二の樹脂層の好ましい態様と同様である。第一屈折率調整層は、第一屈折率調整層形成用組成物の塗布及び乾燥によって形成されてもよいし、別途、屈折率調整層を備える転写フィルムの屈折率調整層を転写することによって形成されてもよい。
第一屈折率調整層を備える態様のタッチパネルは、好ましくは、第二の樹脂層を備える態様の本開示に係る転写フィルムを用い、転写フィルムにおける感光性層及び第二の樹脂層を転写することによって形成することが好ましい。この場合、転写フィルムにおける感光性層からタッチパネル用電極保護層が形成され、転写フィルムにおける第二の樹脂層から第一屈折率調整層が形成される。
第二屈折率調整層の好ましい態様は、転写フィルムに備えられ得る第二の樹脂層の好ましい態様と同様である。
図2は、本開示に係るタッチパネルの第1具体例であるタッチパネル30の概略断面図である。より詳細には、図2は、タッチパネル30の画像表示領域の概略断面図である。
図2に示されるように、タッチパネル30は、基板32と、第二屈折率調整層36と、タッチパネル用電極としての透明電極パターン34と、第一屈折率調整層20と、タッチパネル用電極保護膜18と、がこの順序で配置された構造を有する。
タッチパネル30では、タッチパネル用電極保護膜18及び第一屈折率調整層20が、透明電極パターン34の全体を覆っている。しかし本開示に係るタッチパネルはこの態様には限定されない。タッチパネル用電極保護膜18及び第一屈折率調整層20は、透明電極パターン34の少なくとも一部を覆っていればよい。
第二屈折率調整層36及び第一屈折率調整層20は、第1領域40及び第2領域42の両方を、他の層を介して被覆するよりも、直接被覆することが好ましい。「他の層」としては、例えば、絶縁層、透明電極パターン34以外の電極パターン、等が挙げられる。
第二屈折率調整層36と接触する箇所における透明電極パターン34の端部の形状が、図2に示される如きテーパー形状である場合は、テーパー形状に沿って(すなわち、テーパー角と同じ傾きで)、第一屈折率調整層20が積層されていることが好ましい。
透明電極パターン34は、例えば、以下の方法により形成できる。
第二屈折率調整層36が形成された基板32の上に、スパッタリングにより電極用薄膜(例えばITO膜)を形成する。この電極用薄膜の上に、エッチング用感光性レジストを塗布することにより、又は、エッチング用感光性フィルムを転写することにより、エッチング保護層を形成する。次いで、露光及び現像により、このエッチング保護層を所望とするパターン形状にパターニングする。次いで、エッチングにより、電極用薄膜のうちパターニングされたエッチング保護層に覆われていない部分を除去する。これにより、電極用薄膜を所望の形状のパターン(すなわち、透明電極パターン34)とする。続いて、剥離液によりパターニングされたエッチング保護層を除去する。
まず、図1に示した転写フィルム10(すなわち、保護フィルム16/第二の樹脂層20A/感光性層18A/仮支持体12の積層構造を有する転写フィルム10)を準備する。
次に、転写フィルム10から保護フィルム16を取り除く。
次に、保護フィルム16が取り除かれた転写フィルム10を、第二屈折率調整層36及び透明電極パターン34が順次設けられた基板32(即ち、タッチパネル用基板)の上にラミネートする。ラミネートは、保護フィルム16が取り除かれた転写フィルム10の第二の樹脂層20Aと、透明電極パターン34と、が接する向きで行う。このラミネートにより、仮支持体12/感光性層18A/第二の樹脂層20A/透明電極パターン34/第二屈折率調整層36/基板32の積層構造を有する積層体が得られる。
次に、積層体から仮支持体12を取り除く。
次に、仮支持体12が取り除かれた積層体をパターン露光することにより、感光性層18A及び第二の樹脂層20Aをパターン状に硬化させる。感光性層18A及び第二の樹脂層20Aのパターン状に硬化は、それぞれ別個のパターン露光によって別個に行ってもよいが、1回のパターン露光によって同時に行うことが好ましい。
次に、現像によって感光性層18A及び第二の樹脂層20Aの非露光部(即ち、非硬化部)を除去することにより、感光性層18Aのパターン状の硬化物であるタッチパネル用電極保護膜18(パターン形状については不図示)、及び、第二の樹脂層20Aのパターン状の硬化物である第一屈折率調整層20(パターン形状については不図示)をそれぞれ得る。パターン露光後の感光性層18A及び第二の樹脂層20Aの現像は、それぞれ別個の現像によって別個に行ってもよいが、1回の現像によって同時に行うことが好ましい。
図3は、本開示に係るタッチパネルの第2具体例であるタッチパネル90の概略断面図である。
図3に示されるように、タッチパネル90は、画像表示領域74及び画像非表示領域75(すなわち、枠部)を有する。
図3に示されるように、タッチパネル90は、基板32の両面にタッチパネル用電極を備えている。詳細には、タッチパネル90は、基板32の一方の面に第1透明電極パターン70を備え、他方の面に第2透明電極パターン72を備えている。
タッチパネル90では、第1透明電極パターン70及び第2透明電極パターン72のそれぞれに、引き回し配線56が接続されている。引き回し配線56は、例えば銅配線である。
タッチパネル90では、基板32の一方の面において、第1透明電極パターン70及び引き回し配線56を覆うようにタッチパネル用電極保護膜18が形成されており、基板32の他方の面において、第2透明電極パターン72及び引き回し配線56を覆うようにタッチパネル用電極保護膜18が形成されている。
基板32の一方の面及び他方の面には、それぞれ、第1具体例における第一屈折率調整層及び第二屈折率調整層が設けられていてもよい。
本開示に係るタッチパネルを製造する方法には、特に制限はないが、以下の製造方法が好ましい。
本開示に係るタッチパネルの好ましい製造方法は、
基板上に電極等(すなわち、タッチパネル用電極及びタッチパネル用配線の少なくとも一方)が配置された構造を有するタッチパネル用基板を準備すること(以下、「準備工程」ともいう。)と、
タッチパネル用基板の電極等が配置された側の面の上に、本開示に係る転写フィルムを用いて感光性層を形成すること(以下、「感光性層形成工程」ともいう。)と、
タッチパネル用基板の上記面の上に形成された感光性層をパターン露光すること(以下、「パターン露光工程」ともいう。)と、
パターン露光された感光性層を現像することにより、電極等の少なくとも一部を保護するタッチパネル用電極保護膜を得ること(以下、「現像工程」ともいう。)と、
を含む。
また、上記タッチパネル用保護膜は、上記タッチパネルの折り曲げ領域に設けられることが好ましい。上記態様であると、曲げ耐性に優れたタッチパネル用電極保護膜の効果をより発揮することができる。
更に、上記好ましい製造方法では、本開示に係る転写フィルムを用い高温のラミネート条件で感光性層を形成した場合においても、現像後の感光性層の非露光部において、現像残渣の発生が抑制される。
準備工程は、便宜上の工程であり、基板上に電極等(すなわち、タッチパネル用電極及びタッチパネル用配線の少なくとも一方)が配置された構造を有するタッチパネル用基板を準備する工程である。
準備工程は、予め製造されたタッチパネル用基板を単に準備するだけの工程であってもよいし、タッチパネル用基板を製造する工程であってもよい。
タッチパネル用基板の好ましい態様は、上述のとおりである。
感光性層形成工程は、タッチパネル用基板の電極等が配置された側の面の上に、本開示に係る転写フィルムを用いて感光性層を形成する工程である。
この態様では、本開示に係る転写フィルムをタッチパネル用基板の電極等が配置された側の面の上にラミネートし、本開示に係る転写フィルムの感光性層を上記面の上に転写することにより、上記面の上に感光性層を形成する。
ラミネート(感光性層の転写)は、真空ラミネーター、オートカットラミネーター等の公知のラミネーターを用いて行うことができる。
ラミネート温度としては、80℃〜150℃が好ましく、90℃〜150℃がより好ましく、100℃〜150℃が特に好ましい。
上述のとおり、本開示に係る転写フィルムを用いる態様では、ラミネート温度が高温(例えば120℃〜150℃)である場合においても、熱かぶりによる現像残渣の発生が抑制される。
ゴムローラーを備えたラミネーターを用いる場合、ラミネート温度は、ゴムローラー温度を指す。
ラミネート時の基板温度には特に制限はない。ラミネート時の基板温度としては、10℃〜150℃が挙げられ、20℃〜150℃が好ましく、30℃〜150℃がより好ましい。基板として樹脂基板を用いる場合には、ラミネート時の基板温度としては、10℃〜80℃が好ましく、20℃〜60℃がより好ましく、30℃〜50℃が特に好ましい。
また、ラミネート時の線圧としては、0.5N/cm〜20N/cmが好ましく、1N/cm〜10N/cmがより好ましく、1N/cm〜5N/cmが特に好ましい。
また、ラミネート時の搬送速度(ラミネート速度)としては、0.5m/分〜5m/分が好ましく、1.5m/分〜3m/分がより好ましい。
その後、必要に応じ、上記積層体から仮支持体を剥離する。ただし、仮支持体を残したまま、後述のパターン露光を行うこともできる。
パターン露光工程は、タッチパネル用基板上に形成された感光性層をパターン露光する工程である。
ここで、パターン露光とは、パターン状に露光する態様、すなわち、露光部と非露光部とが存在する態様の露光を指す。
タッチパネル用基板上の感光性層のうち、パターン露光における露光部が硬化され、最終的に硬化膜となる。
一方、タッチパネル用基板上の感光性層のうち、パターン露光における非露光部は硬化せず、次の現像工程で、現像液によって除去(溶解)される。非露光部は、現像工程後、硬化膜の開口部を形成し得る。
パターン露光は、マスクを介した露光でもよいし、レーザー等を用いたデジタル露光でもよい。
また、露光工程では、パターン露光後であって現像前に、感光性層に対し熱処理(いわゆるPEB(Post Exposure Bake))を施してもよい。
現像工程は、パターン露光された感光性層を現像することにより(即ち、パターン露光における非露光部を現像液に溶解させることにより)、電極等の少なくとも一部を保護するタッチパネル用電極保護膜を得る工程である。
現像液としては、アルカリ性水溶液を用いることが好ましい。
アルカリ性水溶液に含有され得るアルカリ性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン(2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)、等が挙げられる。
アルカリ性水溶液の25℃におけるpHとしては、8〜13が好ましく、9〜12がより好ましく、10〜12が特に好ましい。
アルカリ性水溶液中におけるアルカリ性化合物の含有量は、アルカリ性水溶液全量に対し、0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜3質量%がより好ましい。
有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、及び、N−メチルピロリドンを挙げることができる。
有機溶剤の濃度は、0.1質量%〜30質量%が好ましい。
現像液は、公知の界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましい。
シャワー現像を行う場合、パターン露光後の感光性層に現像液をシャワー状に吹き付けることにより、感光性層の非露光部を除去する。感光性層と熱可塑性樹脂層及び中間層の少なくとも一方とを備える転写フィルムを用いた場合には、これらの層の基板上への転写後であって感光性層の現像の前に、感光性層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワー状に吹き付け、熱可塑性樹脂層及び中間層の少なくとも一方(両方存在する場合には両方)を予め除去してもよい。
また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付けつつブラシなどで擦ることにより、現像残渣を除去することが好ましい。
現像液の液温度は、20℃〜40℃が好ましい。
基板が樹脂基板である場合には、ポストベークの温度は、100℃〜160℃が好ましく、130℃〜160℃がより好ましい。
このポストベークにより、透明電極パターンの抵抗値を調整することもできる。
また、感光性層がカルボキシ基含有(メタ)アクリル樹脂を含む場合には、ポストベークにより、カルボキシ基含有(メタ)アクリル樹脂の少なくとも一部をカルボン酸無水物に変化させることができる。これにより、現像性、及び、硬化膜の強度に優れる。
現像工程がポスト露光する段階及びポストベークする段階を含む場合、好ましくは、ポスト露光、ポストベークの順序で実施する。
本開示に係る画像表示装置は、本開示に係る静電容量型入力装置、好ましくは本開示に係るタッチパネル(例えば、第1〜第2具体例のタッチパネル)を備える。
本開示に係る画像表示装置としては、本開示に係るタッチパネルを公知の液晶表示素子と重ね合わせた構造を有する液晶表示装置が好ましい。
タッチパネルを備える画像表示装置の構造としては、例えば、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行(株)テクノタイムズ)、三谷雄二監修、『タッチパネルの技術と開発』、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292に開示されている構造を適用することができる。
<感光性転写材料(転写フィルム)の作製>
<<感光性層の形成>>
厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(仮支持体、16QS62(東レ株式会社製))の上に、スリット状ノズルを用いて、下記の処方101からなる感光性層用塗布液を、乾燥後の厚みが9.0μmになるように調整して塗布し、75℃から120℃の温度勾配をもつ熱風対流式乾燥機で乾燥して溶剤を除去して、感光性層を形成した。
・化合物(1)(エチレン性不飽和化合物A、下記化合物、合成品):12.51部
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール60g、トリエチルアミン73.3g、アセトニトリル500mLを混合した。これに氷冷下アクリル酸クロリド65.5gをアセトニトリル100mLに溶解させた液を2時間かけて滴下した。反応液を室温まで昇温し、更に1時間反応させた。反応液に水10mLを加え10分間撹拌した後、酢酸エチル900mlを加えた。有機層を水洗、乾燥した後、p−メトキシフェノール0.6gを加え濃縮すると粗生成物が得られた。これをカラムクロマトグラフィーにより精製すると化合物(1)が65g得られた。
・カルボン酸基を有する多官能エチレン性不飽和化合物(アロニックスTO2349、東亞合成(株)製):3.05部
・重合体A(バインダーポリマー、下記に示す樹脂、酸価95mgKOH/g、Mw=27,000):50.82部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(光重合開始剤、Irgacure 907、BASF社製):0.77部
・アクリロイル基を有するブロックイソシアネート化合物(熱架橋性化合物、カレンズAOI−BM、昭和電工(株)製):12.50部
・防錆剤(1,2,4−トリアゾール、東京化成工業(株)製):0.20部
・水素供与性化合物(N−フェニルグリシン、純正化学(株)製):0.10部
・スチレン/無水マレイン酸=4:1(モル比)の共重合体(SMA EF−40、酸無水物価1.94mmol/g、重量平均分子量10,500、Cray Valley社製):1.20部
・界面活性剤(メガファック F551、DIC(株)製):0.16部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート:122.41部
・メチルエチルケトン:122.41部
次に、前記の感光性層上に、スリット状ノズルを用いて、下記の処方201からなる第二の樹脂層用塗布液を、乾燥後の厚みが70nmになるように調整して塗布し、40℃から95℃の温度勾配をもつ熱風対流式乾燥機で乾燥して溶剤を除去し、感光性層に直接接して配置された第二の樹脂層を形成した。
ここで、処方201は、酸基を有する樹脂と、アンモニア水溶液を用いて調製しており、酸基を有する樹脂はアンモニア水溶液で中和され、酸基を有する樹脂のアンモニウム塩を含む水系樹脂組成物である第二の樹脂層用塗布液を調製した。
・アクリル樹脂(ZB−015M、富士フイルムファインケミカル(株)製、メタクリル酸/メタクリル酸アリルの共重合樹脂、重量平均分子量2.5万、組成比(モル比)=20/80、固形分5.00%、アンモニア水溶液):4.92部
・カルボン酸基を有する多官能エチレン性不飽和化合物(アロニックス TO−2349、東亞合成(株)製):0.04部
・ZrO2粒子(ナノユースOZ−S30M、固形分30.5%、メタノール69.5%、屈折率が2.2、平均粒径:約12nm、日産化学工業(株)製):4.34部
・防錆剤(ベンゾトリアゾール誘導体、BT−LX、城北化学工業(株)製):0.03部
・界面活性剤(メガファックF444、DIC(株)製):0.01部
・蒸留水:24.83部
・メタノール:65.83部
上記のようにして得られた、仮支持体の上に感光性層と、感光性層に直接接して配置された第二の樹脂層とをこの順で設けた積層体に対し、その第二の樹脂層の上に、厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム、16QS62(東レ(株)製))を圧着し、実施例1の感光性転写材料を作製した。
固形分の比率が下記表1又は表2に示す組成の感光性層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜19、及び、比較例1〜5の感光性転写材料(転写フィルム)をそれぞれ作製した。
<<曲げ耐性の評価>>
−曲げ耐性評価用試料の作製−
得られた感光性転写材料を、保護フィルムを剥離してから、145℃30分間の熱処理をした東洋紡(株)製ポリエチレンテレフタレートフィルムのコスモシャインA4300(厚み50μm)の両方の面の上にラミネートし、仮支持体/感光性層/第二の樹脂層/コスモシャインA4300(厚み50μm)/第二の樹脂層/感光性層/仮支持体の層構造を有する積層体Aを形成した。ラミネートの条件は、ラミロール温度100℃、線圧3N/cm、搬送速度4m/分とした。
その後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、仮支持体を介して露光量120mJ/cm2(i線)で両面を全面露光した。両面の仮支持体を剥離してから、更に露光量375mJ/cm2(i線)で両面露光した後、145℃、30分間のポストベークを行うことにより、感光性層を硬化させて硬化膜を形成した。
このようにして、厚さ8μmの硬化膜/コスモシャインA4300(厚み50μm)/厚さ8μmの硬化膜からなる曲げ耐性評価用試料を得た。
曲げ耐性評価用試料を用い、以下のようにして曲げ耐性を評価した。
図4は、曲げ耐性評価における曲げ耐性評価用試料の状態を示す断面模式図である。
上記で得られた曲げ耐性評価用試料を5cm×12cmの長方形に裁断した。図4に示すように、裁断した曲げ耐性評価用試料102のうち、短辺の一方に100gのおもり104をつけて加重し、直径dミリメートルの金属製ロッド106に90°の角度で接するように保持する(図4における曲げ耐性評価用試料102の状態)。その後、金属製ロッド106に巻きつくように曲げ耐性評価用試料102を180°に曲げた状態(図4における曲げ後の曲げ耐性評価用試料102Aの状態)となるまで曲げ耐性評価用試料を屈曲させ、元の位置に戻す運動(往復方向D)を10往復させ、試料の表面のクラックの有無を目視で確認した。
この金属製ロッド106の直径dを変えながら、上記の動作を行い、クラックが発生しない最も小さいdを求めた。下記評価基準において、Aが曲げ耐性が最も良く、Eが曲げ耐性が最も悪い。A、B及びCのいずれかであることが好ましく、Aが最も好ましい。
A:クラックが発生しない最も小さいdが2mm以下
B:クラックが発生しない最も小さいdが2mmより大きく3mm以下
C:クラックが発生しない最も小さいdが3mmより大きく4mm以下
D:クラックが発生しない最も小さいdが4mmより大きく5mm以下
E:クラックが発生しない最も小さいdが5mmより大きい
−透湿度測定用試料の作製−
各実施例又は比較例の感光性転写材料を、保護フィルムを剥離してから、住友電気工業(株)製PTFE(四フッ化エチレン樹脂)メンブレンフィルターFP−100−100上にラミネートし、仮支持体/感光性層/第二の樹脂層/メンブレンフィルターの層構造を有する積層体Aを形成した。ラミネートの条件は、メンブレンフィルター温度40℃、ラミロール温度100℃、線圧3N/cm、搬送速度4m/分とした。
更に、積層体Aから仮支持体を剥離し、感光性層に保護フィルムを剥離した転写フィルムを上記と同様にさらに4回ラミネートして、仮支持体/(感光性層/第二の樹脂層)×4層/メンブレンフィルターの積層構造を有する積層体Bを形成した。
得られた積層体Bの感光性層を、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、仮支持体を介して露光量120mJ/cm2(i線)で露光した。仮支持体を剥離してから、更に露光量375mJ/cm2(i線)で露光した後、145℃、30分間のポストベークを行うことにより、感光性層を硬化させて硬化膜を形成した。
以上により、合計膜厚40μmの硬化膜/メンブレンフィルターの積層構造を有する透湿度測定用試料を得た。
透湿度測定用試料を用い、JIS−Z−0208(1976)を参考にして、カップ法による透湿度測定を実施した。以下、詳細を説明する。
まず、透湿度測定用試料から直径70mmの円形試料を切り出した。次に、測定カップ内に乾燥させた20gの塩化カルシウムを入れ、次いで上記円形試料によって蓋をすることにより、蓋付き測定カップを準備した。
この蓋付き測定カップを、恒温恒湿槽内にて65℃、90%RHの条件で24時間放置した。上記放置前後での蓋付き測定カップの質量変化から、円形試料の水蒸気透過度(WVTR)(単位:g/(m2・day))を算出した。
上記測定を3回実施し、3回の測定でのWVTRの平均値を算出した。WVTRの平均値に基づき、下記評価基準に従い、水蒸気透過度(WVTR)を評価した。下記評価基準において、A、B、Cのいずれかであることが好ましく、A又はBがより好ましく、Aが最も好ましい。
結果を表1又は表2に示す。
なお、上記測定では、上述のとおり、硬化膜/メンブレンフィルターの積層構造を有する円形試料のWVTRを測定した。しかし、メンブレンフィルターのWVTRが硬化膜のWVTRと比較して極めて高いことから、上記測定では、実質的には、硬化膜自体のWVTRを測定したことになる。
A:WVTRの平均値が220g/(m2・day)未満
B:WVTRの平均値が220g/(m2・day)以上240g/(m2・day)未満
C:WVTRの平均値が240g/(m2・day)以上260g/(m2・day)未満
D:WVTRの平均値が260g/(m2・day)以上280g/(m2・day)未満
E:WVTRの平均値が280g/(m2・day)以上
得られた感光性転写材料を、保護フィルムを剥離してから、銅板の上の片面にラミネートした。ラミネートの条件は、ラミロール温度100℃、線圧3N/cm、搬送速度4m/分とした。
その後、得られた露光前の積層体に、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、露光マスク(オーバーコート形成用パターンを有す石英露光マスク、1mmのラインアンドスペース:5ライン)面と仮支持体との間の距離を125μmに設定し、仮支持体を介して露光量100mJ/cm2(i線)でパターン露光した。
仮支持体を剥離後、パターン露光後の積層体を炭酸ソーダ1%水溶液33℃で45秒間洗浄処理した。洗浄処理後の銅基板に超高圧洗浄ノズルから超純水を噴射した。引き続き、空気を吹きかけて銅基板上の水分を除去した。
このパターンのスペース部分の残渣を目視及び光学式顕微鏡で確認した。
下記評価基準において、Aが最も良く、Eが最も悪い。A、B及びCのいずれかであることが好ましく、Aが最も好ましい。
A:目視及び顕微鏡で観察して、全く残渣が無い
B:目視では残渣は観察されないが、顕微鏡で観察すると、パターン近傍にのみ僅かに残渣がある
C:目視では残渣は観察されないが、顕微鏡で観察すると、スペース部分に僅かに残渣がある
D:目視では残渣は観察されないが、顕微鏡で観察すると、スペース部分に顕著に残渣がある
E:目視観察で、残渣が顕著に観察される。
・化合物(2)〜(8)、(C1)及び(C2):下記化合物
1,6−ヘキサンジチオール80g、2−ブロモエタノール136.4g、メタノール1,200mLを混合し、これに水酸化カリウム72.2gをゆっくりと加えた。4時間還流した後室温まで放冷し、これを水2Lへ注いだ。析出した固体をろ取、乾燥すると3,10−ジチア−1,12−ドデカンジオール88gが得られた。得られた3,10−ジチア−1,12−ドデカンジオールを3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールの代わりに用いた以外は化合物(1)の合成と同様の手法を用いて化合物(2)が得られた。
1,6−ヘキサンジチオールの代わりに1,10−ドデカンジチオールを用いた以外は化合物(2)と同様の手法を用いて化合物(3)を合成した。
1,6−ヘキサンジチオールの代わりに3,7−ジチア−1,9−ノナンジチオールを用いた以外は化合物(2)と同様の手法を用いて化合物(4)を合成した。
チオジグリコールとアクリル酸クロリドを用い、化合物(2)の合成と同様の手法を用いて化合物(5)を合成した。
化合物(2)の合成と同様の手法を用いて化合物(6)を合成した。
2,3−ジメルカプト−1−プロパノールを原料として用い、化合物(2)の合成と同様の手法により、チオエーテル連結を導入した後にアクリル酸クロリドと反応させることにより化合物(7)を得た。
ジチオエリスリトールを原料として用い、化合物(2)の合成と同様の手法により、チオエーテル連結を導入した後にアクリル酸クロリドと反応させることにより化合物(8)を得た。
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールの代わりに、1,8−オクタンジオールを用いた以外は化合物(1)と同様の手法を用いて化合物(C1)を合成した。
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールの代わりに1,16−ヘキサデカンジオールを用いた以外は化合物(1)と同様の手法を用いて化合物(C2)を合成した。
ドデカンチオール20g、2−ブロモエタノール13.7g、メタノール200mLを混合し、これに水酸化カリウム7.2gをゆっくりと加えた。4時間還流した後室温まで放冷し、これに酢酸エチル500mL加えた。有機層を水洗、乾燥、濃縮すると、3−チア−1−ペンタデカノールが22g得られた。3−チア−1−ペンタデカノール22g、トリエチルアミン10.8g、及び、テトラヒドロフラン200mLを混合し、これに氷冷下アクリル酸クロリド8.9gを30分間かけて滴下した。室温まで昇温し更に1時間反応させた後水10mLを加え10分撹拌した後、酢酸エチル500mLを加えた。有機層を水洗、乾燥した後、p−メトキシフェノール0.6gを加え濃縮すると粗生成物が得られた。これをカラムクロマトグラフィーにより精製すると比較用化合物(C3)が20g得られた。
12:仮支持体
16:保護フィルム
18,18A:感光性層
20,20A:第二の樹脂層(第一屈折率調製層)
30:タッチパネル
32:基板
34:透明電極パターン
36:第二屈折率調整層
40:透明電極パターンが存在する第1領域
42:透明電極パターンが存在しない第2領域
56:引き回し配線
70:第1透明電極パターン
72:第2透明電極パターン
74:画像表示領域
75:画像非表示領域
90:タッチパネル
102:曲げ耐性評価用試料
102A:180°に曲げた状態の曲げ耐性評価用試料
104:おもり
106:金属製ロッド
D:往復方向
d:金属製ロッド106の直径
Claims (14)
- バインダーポリマーと、
エチレン性不飽和化合物と、
光重合開始剤と、を含有し、
前記エチレン性不飽和化合物が、チオエーテル結合を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aを含む
感光性樹脂組成物。 - 前記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aにおける少なくとも2つのエチレン性不飽和結合の間を連結する最短の連結鎖の原子数が、10個〜30個である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aにおける前記連結鎖が、炭素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる鎖である請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aが有する硫黄原子の数が、1個以上4個以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aが、2官能エチレン性不飽和化合物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aが、下記式A−1で表される化合物である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
式(A−1)中、RA1及びRA2はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、LA1及びLA3はそれぞれ独立に、アルキレン基又は−LA6(SLA7)nA−を表し、LA2、LA6及びLA7はそれぞれ独立に、アルキレン基を表し、nAは1〜8の整数を表す。 - 前記エチレン性不飽和化合物が、脂環構造を有するエチレン性不飽和化合物Bを含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記2官能以上のエチレン性不飽和化合物Aの含有量MAと前記エチレン性不飽和化合物Bの含有量MBとの質量比MA/MBの値が、0.2〜1.5である請求項7に記載の感光性樹脂組成物。
- タッチパネル保護膜形成用である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 仮支持体と、
請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性層とを有する
転写フィルム。 - 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
- 基板、及び、
請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜を有する
積層体。 - 基板上にタッチパネル用電極及びタッチパネル用配線の少なくとも一方が配置された構造を有するタッチパネル用基板を準備することと、
前記タッチパネル用基板の前記タッチパネル用電極及びタッチパネル用配線の少なくとも一方が配置された側の面の上に、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を含有する感光性層を形成することと、
前記タッチパネル用基板上に形成された前記感光性層をパターン露光することと、
パターン露光された前記感光性層を現像することにより、前記タッチパネル用電極及びタッチパネル用配線の少なくとも一方の少なくとも一部を保護するタッチパネル用保護膜を得ることと、を含む
タッチパネルの製造方法。 - 前記タッチパネル用保護膜が、前記タッチパネルの折り曲げ領域に設けられる請求項13に記載のタッチパネルの製造方法。
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