JP3976110B2 - 光重合型平版印刷版 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光重合型平版印刷版に関し、詳細には、平網部分の印刷画像が鮮明であり小さな点も忠実に再現される等の印刷性に優れた光重合型平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光重合系を利用した感光材料はラジカル重合による増幅機構により高感度化が可能な系として注目されてきた。画像形成技術の発展に伴い、レーザー露光による直接製版システムが普及し始め、これらレーザー露光に対する高感度な感光材料が求められており、高感度化に有利なラジカル重合を利用した感光系が数多く研究、開発されている。
このような光重合系を利用した印刷版用原版としては、その一つとして、親水性表面を有する支持体上に、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、バインダー樹脂等からなる光重合層を有するものがある。このような印刷版用原版の画像形成は、レーザー等の露光により光重合開始系が光吸収し、活性ラジカルを生成、エチレン性不飽和化合物の付加重合を引き起こし、光重合層の不溶化を生じることによるものである。
【0003】
上記のような印刷版用原版は、その光重合層の塗布ムラや乾燥ムラを防ぐ目的で、該光重合層塗布液中にフッ素系界面活性剤を添加することが、一般的に行われている。
また上記のような光重合層は、酸素による重合阻害を受けやすいため、該光重合層の上に酸素遮断性に優れた保護層を設けるなどの工夫が行われている。このような酸素遮断性に優れた保護層を構成する素材としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のような水溶性ポリマーが知られている。
【0004】
しかしながら、上記のような光重合層の上に酸素遮断性に優れた保護層を有する印刷版用原版を、レーザー等による画像露光後、現像して印刷版とし印刷に供した場合、平網部分の印刷画像が不鮮明になったり、小さな点が飛ぶなどの印刷性の劣化の問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の技術の問題点を克服し、平網部分の印刷画像が鮮明であり小さな点も忠実に再現される等の印刷性に優れた光重合型平版印刷版を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、保護層に特定の界面活性剤を含有させることによって、前記従来の技術の問題点を克服できることを見出し本発明を成すに至った。
即ち本発明は、以下の通りである。
(1)親水性表面を有する支持体上に、フッ素系界面活性剤を含有する光重合層と、該光重合層の上に、水溶性ビニル重合体及びHLBが11〜16であって、下記一般式(I)または( II )で表されるノニオン界面活性剤を含有する保護層とを有することを特徴とする光重合型平版印刷版。
n 2n+1 O−(CH 2 CH 2 O) m −H 一般式(I)
(n、mはそれぞれ独立に、5〜50の整数を表す。)
n 2n+1 COO−(CH 2 CH 2 O) m −H 一般式( II
(n、mはそれぞれ独立に、5〜50の整数を表す。)
(2) 前記一般式(I)で表されるノニオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、及びポリオキシエチレンベヘニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である上記(1)に記載の光重合型平版印刷版。
(3)前記一般式( II )で表されるノニオン界面活性剤が、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエートからなる群から選択される少なくとも1種である上記(1)に記載の光重合型平版印刷版。
【0007】
前記従来の光重合型平版印刷版による印刷性劣化の原因としては、光重合層の重合反応が完全でないことによるものと考えられる。この重合反応が不完全である原因としては酸素の影響による重合阻害が考えられる。またこの重合阻害の原因としては、光重合層の上の保護層に不均一なムラがあり保護層膜厚の薄い部分から酸素が透過することによるものと考えられる。
通常、光重合型平版印刷版の保護層を構成する素材としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のような水溶性ポリマーが知られているが、このような水溶性ポリマーからなる層を親油性の光重合層上に積層しようとすると、光重合層の低表面張力のため、保護層の親水性溶液は光重合層表面に塗れ広がらず塗布ムラとなってしまう。この問題は、光重合層の塗布ムラや乾燥ムラを防ぐ目的で該光重合層塗布液中にフッ素系界面活性剤を添加した場合、より顕著になる。
【0008】
そこで、本発明の光重合型平版印刷版は、該保護層に、HLBが11〜16であって、特定の構造を有するノニオン界面活性剤を含有させることにより、上記従来の光重合型平版印刷版の印刷性劣化を防止することができた。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光重合型平版印刷版について詳細に説明する。
本発明の光重合型平版印刷版の保護層に含まれるノニオン界面活性剤としては、HLBが11〜16の範囲にあり、下記一般式(I)または(II)で表されるものである。
【0010】
n2n+1O−(CH2CH2O)m−H 一般式(I)
(n、mはそれぞれ独立に、5〜50の整数を表す。)
n2n+1COO−(CH2CH2O)m−H 一般式(II)
(n、mはそれぞれ独立に、5〜50の整数を表す。)
【0011】
前記一般式(I)で表されるノニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等が挙げられる。
【0012】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、Newcol 1010(日本乳化剤(株))、NIKKOL BD−10、NIKKOL BT−5、NIKKOL BT−7、NIKKOL BT−9、NIKKOL BT−12(日光ケミカルズ(株))、エマルゲン707、エマルゲン709(花王(株))等が挙げられる。
【0013】
ポリオキシエチレンラウリルエーテルとしては、Newcol 1100、Newcol 1110(日本乳化剤(株))、NIKKOL BL−4.2、NIKKOL BL−9EX(日光ケミカルズ(株))、エマルゲン108、エマルゲン109P、エマルゲン120(花王(株))、ベグノール L 20(東邦化学工業(株))等が挙げられる。
【0014】
ポリオキシエチレントリデシルエーテルとしては、Newcol 1310(日本乳化剤(株))等が挙げられる。
ポリオキシエチレンセチルエーテルとしては、NIKKOL BC−7、NIKKOL BC−10TX、NIKKOL BC−15TX(日光ケミカルズ(株))、エマルゲン220(花王(株))等が挙げられる。
ポリオキシエチレンステアリルエーテルとしては、Newcol 1820(日本乳化剤(株))、エマルゲン320P(花王(株))、ベグノール T 10(東邦化学工業(株))等が挙げられる。
【0015】
ポリオキシエチレンオレイルエーテルとしては、Newcol 1208、Newcol 1210、Newcol 1200(日本乳化剤(株))、NIKKOL BO−10TX、NIKKOL BO−15TX(日光ケミカルズ(株))、エマルゲン409P、エマルゲン420(花王(株))、ベグノール O16、ベグノール O 20、ベグノール T 6(東邦化学工業(株))等が挙げられる。
【0016】
前記一般式(II)で表されるノニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等が挙げられる。
ポリエチレングリコールモノラウレートとしては、エマノーン1112(花王(株))、NIKKOL MYL−10(日光ケミカルズ(株))等が挙げられる。
【0017】
ポリエチレングリコールモノステアレートとしては、NIKKOL MYS−10、NIKKOL MYS−25(日光ケミカルズ(株))等が挙げられる。
ポリエチレングリコールモノオレエートとしては、エマノーン4110(花王(株))、NIKKOL MYO−10(日光ケミカルズ(株))等が挙げられる。
上記ノニオン界面活性剤の保護層中の含有量としては、特に限定されないが、保護層の乾燥重量に対し、0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.2〜5.0重量%である。
【0018】
本発明の光重合型平版印刷版の保護層に含まれる水溶性ビニル重合体としては、特に限定されないが、具体的には、ポリビニルアルコール、その部分エステルもしくはエーテル、およびポリビニルアセタールなどが挙げられる。また、その他有用な重合体として、ポリビニルピロリドン等が知られている。これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100%加水分解され、分子量が300から2400の範囲のものを挙げる事ができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。
【0019】
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかしながら、極端に酸素遮断性を高めると、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い上極めて重要である。即ち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を親油性の感光層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。これに対し、これら2層間の接着性を改善すべく種々の提案がなされている。たとえば米国特許第292,501号、米国特許第44,563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョンまたは水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60重量%混合し、感光層の上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用することができる。このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。
【0020】
本発明の光重合型平版印刷版の光重合層は、光重合開始剤、付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物、高分子バインダーおよびフッ素系界面活性剤を必須成分とし、必要に応じ、共増感剤、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の添加剤を含む。
【0021】
本発明の光重合型平版印刷版の光重合層に含まれる光重合開始剤としては、使用する光源の波長により、特許、文献等で公知である種々の光重合開始剤、または2種以上の光重合開始剤の併用系(光重合開始系)を適宜選択して使用することができる。
可視光線、Arレーザー、半導体レーザーの第2高調波、SHG−YAGレーザーを光源とする場合には、種々の光重合開始剤(系)が提案されており、例えば米国特許第2,850,445号に記載のある種の光還元性染料、例えばローズべンガル、エオシン、エリスロシンなど、あるいは染料と開始剤との組み合わせによる系、例えば染料とアミンの複合開始系(特公昭44−20189号)、ヘキサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系(特公昭45−37377号)、ヘキサアリールビイミダゾールとp−ジアルキルアミノベンジリデンケトンの系(特公昭47−2528号、特開昭54−155292号)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系(特開昭48−84183号)、環状トリアジンとメロシアニン色素の系(特開昭54−151024号)、3−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−112681号、特開昭58−15503号)、ビイミダゾール、スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−140203号)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−1504号、特開昭59−140203号、特開昭59−189340号、特開昭62−174203号、特公昭62−1641号、米国特許第4766055号)、染料と活性ハロゲン化合物の系(特開昭63−1718105号、特開昭63−258903号、特願平2−63054号など)、染料とボレート化合物の系(特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開昭64−13140号、特開昭64−13141号、特開昭64−13142号、特開昭64−13143号、特開昭64−13144号、特開昭64−17048号、特開平1−229003号、特開平1−298348号、特開平1−138204号など)、ローダニン環を有する色素とラジカル発生剤の系(特開平2−179643号、特開平2−244050号)、チタノセンと3−ケトクマリン色素の系(特開昭63−221110号)、チタノセンとキサンテン色素さらにアミノ基あるいはウレタン基を含む付加重合可能なエチレン性不飽和化合物を組み合わせた系(特開平4−221958号、特開平4−219756号)、チタノセンと特定のメロシアニン色素の系(特開平6−295061号)、チタノセンとベンゾピラン環を有する色素の系(特開平8−334897号)等を挙げることができる。
【0022】
本発明の平版印刷版用原版の光重合層において、特に好ましい光重合開始剤(系)は、少なくとも1種のチタノセンを含有する。
本発明において光重合性開始剤(系)として用いられるチタノセン化合物は、その他の増感色素との共存下で光照射した場合、活性ラジカルを発生し得るチタノセン化合物であればいずれであってもよく、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41483号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−291号、特開平3−27393号、特開平3−12403号、特開平6−41170号公報に記載されている公知の化合物を適宜に選択して用いることができる。
【0023】
さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル(以下「T−1」ともいう。)、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフエニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフエニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)フェニル)チタニウム(以下「T−2」ともいう。)等を挙げることができる。
【0024】
これらのチタノセン化合物は、さらに、光重合層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素や、付加重合性不飽和化合物その他のラジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらのチタノセン化合物の使用法に関しても、後述の付加重合性化合物同様、光重合型平版印刷版の性能設計により適宜、任意に設定できる。例えば、2種以上併用することで、光重合層への相溶性を高める事ができる。チタノセン化合物の使用量は通常多い方が感光性の点で有利であり、光重合層成分100重量部に対し、0. 5〜80重量部、好ましくは1〜50重量部の範囲で用いることで十分な感光性が得られる。
【0025】
本発明の光重合型平版印刷版の光重合層に使用される、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(以下、単に、付加重合性化合物ともいう)は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いる事ができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらにハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用する事も可能である。
【0026】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
【0027】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0028】
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
【0029】
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
【0030】
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものをあげる事ができる。
【0031】
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(III)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0032】
CH2=C(R1)COOCH2CH(R2)OH 一般式(III)
(ただし、R1およびR2は、HまたはCH3を示す。)
【0033】
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
さらに、特開昭63−277653,特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
【0034】
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌 vol. 20、No. 7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0035】
これらの付加重合性化合物について、どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な光重合型平版印刷版の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。感光スピードの点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものが良く、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感光性と強度の両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や疎水性の高い化合物は、感光スピードや膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく無い場合がある。また、光重合層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうる事がある。また、前述の保護層、後述の支持体等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。光重合層中の付加重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましく無い相分離が生じたり、光重合層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、光重合層成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点から、好ましい配合比は、多くの場合、光重合層組成物全成分に対して5〜80重量%、好ましくは25〜75重量%である。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
【0036】
本発明の光重合型平版印刷版の光重合層に使用する高分子バインダー(バインダーポリマーともいう)としては、線状有機高分子重合体が好ましい。このような「線状有機高分子重合体」としては、どれを使用しても構わない。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とする水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である線状有機高分子重合体が選択される。線状有機高分子重合体は、組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
【0037】
特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体および〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体は、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特願平10−116232号の明細書等に記載される、酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。また特願平9−363195記載のアミド基を有するバインダーは、優れた現像性と膜強度とを併せ持ち好ましい。
【0038】
さらにこの他に水溶性線状有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
【0039】
本発明において、最も好ましいバインダーポリマーは、それ自身が架橋性基(不飽和基ともいう)およびカルボキシル基を側鎖に有し、且つ架橋性基(不飽和基ともいう)が下記一般式〔IV〕
【0040】
【化1】
Figure 0003976110
【0041】
〔式中、R3〜R7は、水素、ハロゲノ、カルボキシル、スルホ、ニトロ、シアノ、アミド、アミノやそれぞれ置換基を有していてもよいアルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、環状アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニルから選ばれた基であり、Zは酸素、硫黄、NHまたはNR8(R8はアルキル基)から選ばれる〕で表わされるところに特徴がある。
【0042】
なお、上記一般式〔IV〕におけるR3〜R7のアルキル基は、直鎖、分枝または環状であってもよく、炭素数1〜7のものが好ましく、これらのアルキル基には更に炭素数1〜2のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、フェニル基、ヒドロキシ基などの置換基を有していてもよく、R3〜R7のアリール基としてはフェニル基、フリル基が好ましく、これにはハロゲノ基(例えばクロロ、ブロモなど)、ヒドロキシ基、炭素数1〜7のアルキル基、アリール基(例えばフェニル、メトキシフェニルなど)、炭素数1〜7個のアルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基などの置換基を有していてもよい。R3〜R7のアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましく、アリールオキシ基としてはフェニルオキシ基が好ましく、これには炭素数1〜7のアルキルもしくはアルコキシ基などの置換基を有していてもよい。R3〜R7のアルキルアミノ基としては、炭素数1〜15のものが好ましく、アリールアミノ基としてはフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基が好ましい。R3〜R7のアルキルスルホニル基としては炭素数1〜15のものが好ましく、アリールスルホニル基としてはフェニルスルホニル基などが好ましく、これには炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、アミノ基などの置換基を有していてもよい。
【0043】
更に本発明の光重合型平版印刷版の光重合層のバインダーとして用いられる、架橋性基を側鎖に有するポリマーは、米国特許第3,376,138号、第3,556,792号、第3,556,793号各明細書により公知であるが、開示されているポリマーは、ポリマーそのものが、光架橋性レジストとして使われており、本発明の光重合型平版印刷版の光重合層組成物のバインターとしての使用方法とは明白な相異がある。
【0044】
上記ポリマーの合成方法には、大別して次の2つの方法がある。
(A法):カルボン酸、カルボン酸ハライド、カルボン酸無水物基を側鎖として有する幹ポリマーに対して、下記一般式〔IV−a〕
【0045】
【化2】
Figure 0003976110
【0046】
〔式中、R3〜R7は一般式〔IV〕の場合と同義であり、AはOH、−SH、−NH2、−NHR8(R8はアルキル基)またはハロゲン原子を示す。〕
で示される化合物を高分子反応させて、下記一般式〔IV−b〕
【0047】
【化3】
Figure 0003976110
【0048】
(式中、R3〜R7は一般式〔IV〕の場合と同義)で示される架橋性基を−COO−、−COS−、−CONH−または−CONR8−(R8はアルキル基)の各連結基を介して導入する方法。
(B法):前記一般式〔IV〕で示される架橋性基とさらに該架橋性基よりも付加重合反応性に富んだエチレン性不飽和基とを有するモノマーを不飽和カルボン酸と共重合させて、ポリマーを得る方法。
【0049】
上記A法をさらに詳しく示すと、幹ポリマーとしてはアクリル酸又はメタアクリル酸の共重合体および当該共重合体を高分子反応により酸ハロゲン化物とした共重合体が挙げられる。また、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物等の共重合体が挙げられる。共重合するコモノマーとしては、スチレンまたはそのアルキル置換誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アリールエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アリールエステル、または脂肪族ビニルエステルが挙げられる。好ましくはアクリル酸またはメタアクリル酸とアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジルとの共重合体が挙げられる。これらの共重合体に架橋性基を導入するには一般式〔IV−a〕で示される架橋性アルコール、アミン、チオール、ハロゲン化物を所定反応条件下、反応溶媒中に前述の共重合体と混合溶解し、反応触媒および重合禁止剤とを加え加熱することによつて得られる。具体的にはメタクリル酸とメタクリル酸ベンジルの共重合体を例にとって以下に示す。
【0050】
攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器および温度計を備えつけた300mlの三つ口フラスコ中にポリ(メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル=27/73モル比)19.8g、反応溶媒として酢酸エチレングリコールモノメチルエーテルを40.2g、架橋性基を含有する試薬としてアリル臭素化物6.0g、触媒としてトリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド10.4gおよび重合禁止剤としてパラメトキシフェノール0.01gを加え混合溶解し、窒素雰囲気下70℃にて13時間加熱攪拌を行った。冷却後メチルエチルケトンを加え遊離する四級塩を除去する。さらにメタノールを加えて希釈し希塩酸中に注いで沈殿させる。水洗した後吸引濾過し、真空乾燥させると得られるポリマーの収量は13.6gであった。アリル基は幹ポリマーのカルボン酸に対して35%導入された。
このとき粘度は30℃のメチルエチルケトンで〔η〕=0.161であった。
【0051】
無水マレイン酸の共重合体に該架橋性基を導入する合成例は米国特許第2,047,398号明細書に記載された方法で行なうことができ、これにより無水マレイン酸部が開環した不飽和エステル、アミド、チオエステル等が導入される。なお、無水マレイン酸共重体への架橋性基の導入方法としては、特開昭48−82902号公報に記載の類似例が挙げられるが、この方法による架橋性基はマレイン酸イミドの窒素原子に結合しており、明白に前述のポリマーとは異なった化合物であり、本発明に使用される架橋性基を側鎖に有するポリマーとは区別される。
【0052】
一方、B法をさらに詳しく示すと、該架橋性基を有する少なくとも2つ以上の炭素−炭素二重結合を含むモノマーは、既知合成法により該架橋性基を有するアルコール、アミン、チオールと不飽和カルボン酸、好ましくはアクリル酸またはメタクリル酸との縮合反応により合成される。この少なくとも2つ以上の不飽和基を含むモノマーを不飽和カルボン酸、好ましくはアクリル酸またはメタクリル酸と共重合させることにより該架橋性基を有する共重合体を得る。共重合するモノマーは、不飽和カルボン酸に付け加えてさらに他のモノマーが共重合されてもよく、例えばアクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、メタクリル酸べンジル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0053】
以下、メタクリル酸アリルとメタクリル酸との共重合例を示す。類似の合成法として、米国特許第2,047,398号明細書に記載の方法が挙げられる。
攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器、滴下漏斗および温度計を設置した3リットルの4口フラスコに反応溶媒として1,2−ジクロルエタン1.68リットルを入れ窒素置換しながら70℃に加熱した。滴下漏斗にメタクリル酸アリル100.8g、メタクリル酸7.6gおよび重合開始剤として2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.68gを0.44リットルの1,2−ジクロルエタンに溶解して入れておき、2時間かけてこの混合溶液をフラスコ中に攪拌しながら滴下した。
【0054】
滴下終了後さらに反応温度70℃で5時間攪拌し反応を完結した。加熱終了後重合禁止剤としてパラメトキシフェノール0.04gを加え反応溶液を500mlまで濃縮し、この濃縮液を4リットルのヘキサンに加えて沈殿させ、真空乾燥後61g(収率56%)の共重合ポリマーを得た。このとき粘度は30℃のメチルエチルケトンで〔η〕=0.068であった。
【0055】
前記一般式〔IV−a〕で示される代表的な化合物は、アリルアルコール、2−メチルアリルアルコール、クロチルアルコール、3−クロル−2−プロペン−1−オール、3−フェニル−2−プロペン−1−オール、3−(ヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2,4−ジヒドロキシフェニル−2−プロペン−1−オール、3−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフエニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4−エトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−メトキシ−4−プロポキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、
【0056】
3−(2,4,6−トリメトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−メトキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−1−(3'−メトキシフェニル)−4−ベンジルオキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−フェノキシ−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−フェニル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3,3−{ジ−(2,4,6−トリメチルフェニル)}−2−プロペン−1−オール、3−フェニル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3,3−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、3−(2−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2,4−ジクロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2−ブロムフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−ブロム−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、3−クロル−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、
【0057】
3−(2−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−(4−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−(4−アミノフェニル)−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3,3−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、2−エチル−1,3−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、2−エトキシメチレン−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、2−フェノキシ−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、2,3−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、1,2,3−トリフェニル−2−プロペン−1−オール、2,3,3−トリフェニル−2−プロペン−1−オール、2−エトキシ−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1,3−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、1−(4−メチルフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、
【0058】
1,3−ジ(4−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、1−(4−ブロムフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、1,3−ジ(2−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−プロペン−1−オール、1,1−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1,1,3−トリフェニル−2−プロペン−1−オール、1,1,3,3−テトラフェニル−2−プロペン−1−オール、1−(4−メチルフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−(ドデシルスルホニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−2−プロペン−1−オール、1,2−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−2−メチル−2−プロペン−1−オール、1−シクロへキシル−2−プロペン−1−オール、1−フェノキシ−2−プロペン−1−オール、2−ベンジル−2−プロペン−1−オール、1,1−ジ(4−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、1−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、
【0059】
1−カルボキシアミド−2−プロペン−1−オール、1−シアノ−2−プロペン−1−オール、1−スルホ−2−プロペン−1−オール、2−エトキシ−2−プロペン−1−オール、2−アミノ−2−プロペン−1−オール、3−(3−アミノ−4−メトキシフェニルスルホニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4−メチルフェニルスルホニル)−2−プロペン−1−オール、3−フェニルスルホニル−2−プロペン−1−オール、3−ベンジルスルホニル−2−プロペン−1−オール、3−アニリノスルホニル−2−プロペン−1−オール、3−(4−メトキシアニリノスルホニル)−2−プロペン−1−オール、3−アニリノ−2−プロペン−1−オール、3−ナフチルアミノ−2−プロペン−1−オール、3−フェノキシ−2−プロペン−1−オール、3−(2−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−メチルフェノキシ)−2−プロペン−1−オール、3−(2,4−ジメチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、1−メチル−3−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、3−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、3−ブロム−3−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、1−カルボキシ−3−クロル−3−メチル−2−プロペン−1−オール、1−カルボキシ−3−メチル−2−プロペン−1−オール、
【0060】
1−(2−カルベトキシイソプロピル)−3−メチル−2−プロペン−1−オール、1−(1−カルベトキシプロピル)−2−プロペン−1−オール、1−(1−カルベトキシエチル)−3−メチル−2−プロペン−1−オール、1−カルベトキシ−3−クロル−3−メチル−2−プロペン−1−オール、1−カルベトキシメチレン−3−メチル−2−プロペン−1−オール、1−アミド−2,3−ジメチル−2−プロペン−1−オール、1−シアノ−3−メチル−2−プロペン−1−オール、3−スルホ−2−プロペン−1−オール、3−ブトキシ−2−プロペン−1−オール、1−シクロへキシル−3−(2−ヒドロキシシクロへキシル)−2−プロペン−1−オール、3−シクロベンジル−2−プロペン−1−オール、3−フリル−2−プロペン−1−オール、3−クロム−2−プロペン−1−オール、3−ブロム−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−クロル−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−ブロム−2−プロペン−1−オール、1−カルボイソブトキシ−3−クロル−3−メチル−2−プロペン−1−オール、2−クロル−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−クロルシンナミルアルコール)、2−ブロム−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−ブロムシンナミルアルコール)、
【0061】
2−ブロム−3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、2−フルオロ−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−フルオロシンナミルアルコール)、2−フルオロ−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、2−ニトロ−3−クロル−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、2−ニトロ−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−ニトロシンナミルアルコール)、2−シアノ−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−シアノシンナミルアルコール)、2−クロル−2−プロペン−1−オール(2−クロルアリルアルコール)、2−ブロム−2−プロペン−1−オール(2−ブロムアリルアルコール)、2−カルボキシ−2−プロペン−1−オール(2−カルボキシアリルアルコール)、2−カルベトキシ−2−プロペン−1−オール(2−カルベトキシアリルアルコール)、2−スルホン酸−2−プロペン−1−オール(2−スルホン酸アリルアルコール)、2−ニトロ−2−プロペン−1−オール(2−ニトロアリルアルコール)、2−ブロム−3,3−ジフルオロ−2−プロペン−1−オール、2−クロル−3,3−ジフルオロ−2−プロペン−1−オール、2−フルオロ−3−クロル−2−プロペン−1−オール、2,3−ジブロム−3−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、
【0062】
2,3−ジヨード−3−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、2,3−ジブロム−2−プロペン−1−オール、2−クロル−3−メチル−2−プロペン−1−オールが挙げられる。また上記具体例において、1位のアルコールをチオアルコールやアミン、ハロゲンで置き換えた化合物も勿論使用できる。
ポリマー中の架橋性基含有量の好ましい範囲はそれぞれ共重合モル比で、10〜90モル%、5〜60モル%、より好ましい範囲は20〜70モル%、10〜40モル%である。
【0063】
これらの有機高分子重合体は光重合層成分の全組成中に任意な量を混和させることができる。しかし90重量%を超える場合には形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ましくは10〜90%、より好ましくは30〜80%である。また光重合可能なエチレン性不飽和化合物と有機高分子重合体は、重量比で1/9〜9/1の範囲とするのが好ましい。より好ましい範囲は2/8〜8/2であり、更に好ましくは3/7〜7/3である。
バインダーポリマーの酸価/分子量は画像強度、現像性に大きな影響を及ぼすが、本発明において好ましい領域は酸価が0.4〜1.6meq/g、分子量が1.0万〜30万の範囲であり、さらには酸価0.6〜1.3meq/g、分子量が2〜20万の範囲である。
【0064】
本発明の光重合型平版印刷版の光重合層には、その塗布性を向上させる目的でフッ素系界面活性剤が含有されている。
該光重合層に含有されているフッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、(i)3〜20の炭素原子を有しかつ40重量%以上のフッ素を含有し、末端部分が少くとも3つの十分にフッ素化された炭素原子を有するフルオロ脂肪族基(以下Rf基という)を含有するアクリレートまたはRf基を含有するメタクリレートと、(ii)ポリ(オキシアルキレン)アクリレートまたはポリ(オキシアルキレン)メタクリレートとの共重合体であって、Rf基含有アクリレートまたはRf基含有メタクリレートモノマー単位が、該共重合体の重量に基づいて7〜25重量%であり、該共重合体の分子量が6,000〜100,000であることを特徴とするものである。
【0065】
フルオロ脂肪族基Rfは飽和されかつ一般に1価の脂肪族基である。これは直鎖、分枝鎖及び十分に大きい場合には環式又はこれらの組み合せ(例えばアルキルシクロ脂肪族基)である。フルオロ脂肪族骨格鎖は炭素原子にのみ結合した連鎖の酸素及び/または3価の窒素ヘテロ原子を含むことができ、このヘテロ原子はフルオロ炭素基間の間に安定な結合を与えかつRf基の不活性特性を妨害しない。Rf基は、十分な効果を発揮するためには、3〜20、好ましくは6〜12の炭素原子を有し、かつ40重量%以上好ましくは50重量%以上の、炭素原子に結合したフッ素を有するものである。Rf基の末端の少なくとも3つの炭素原子は十分にフッ素化されている。Rf基の末端は例えば、CF3CF2CF2-であり、好適なRf基は、CnF2n+1(nは3以上の整数)のように実質上完全に、または十分にフッ素化されたアルキル基である。
【0066】
Rf基フッ素含有量が40重量%未満では、光重合層の塗布性を向上させる目的が十分に達成されない。フッ素原子はRf基の末端に局在化している方が効果が大きい。Rf基の炭素原子数が2以下でも、フッ素含有率を高くすることはできるが、フッ素原子の総量が不十分となり、効果が弱い。炭素原子数が2以下の十分にフッ素化されたRf基含有モノマーの、共重合体に対する比率を高くすることによって共重合体中のフッ素含有率を高くしても、フッ素原子が局在化していないため、十分な効果が得られない。
一方、Rf基の炭素原子数が21以上では、フッ素含有量が高いと得られた共重合体の溶剤に対する溶解性が低くなり、またフッ素含有量が低いと、フッ素原子の局在化が十分でなくなり、十分な効果が得られない。
【0067】
共重合体中の可溶化部分はポリ(オキシアルキレン)基(OR')xであって、R'は2〜4の炭素原子を有するアルキレン基、例えば-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH(CH3)CH2-、または-CH(CH3)CH(CH3)-であることが好ましい。前記のポリ(オキシアルキレン)基中のオキシアルキレン単位はポリ(オキシプロピレン)におけるように同一であってもよく、または互いに異なる2種以上のオキシアルキレンが不規則に分布されたものであってもよく、直鎖または分枝鎖のオキシプロピレンおよびオキシエチレン単位であったり、または、直鎖または分枝鎖のオキシプロピレン単位のブロックおよびオキシエチレン単位のブロックのように存在するものであってもよい。このポリ(オキシアルキレン)鎖は1つまたはそれ以上の連鎖結合(例えば
【0068】
【化4】
Figure 0003976110
【0069】
-S-など)で仲介され、または含むことができる。連鎖の結合が3つまたはそれ以上の原子価を有する場合には、これは分枝鎖のオキシアルキレン単位を得るための手段を供する。またこの共重合体を光重合層組成物に添加する場合に、所望の溶解度を得るためには、ポリ(オキシアルキレン)基の分子量は250〜2,500が適当である。光重合層の塗布性を向上させる目的を十分に達成するためには、ポリ(オキシアルキレン)基の分子量は600〜2,500が好ましい。ポリ(オキシアルキレン)基の分子量が250〜600では共重合体の溶解は得られるけれど、ポリ(オキシアルキレン)基含有モノマー単位数が多くなり、共重合体中でRf基が局在化していないため効果が不十分となる。逆にポリ(オキシアルキレン)基の分子量が大きい程ポリ(オキシアルキレン)基含有モノマー単位数が少なくなり、共重合体中でRf基が局在化するため効果が十分に発揮される。しかし分子量が2,500以上では溶解度が低下してしまう。
【0070】
本発明の光重合型平版印刷版の光重合層中に含有される上記共重合体は、例えば、フルオロ脂肪族基含有アクリレートまたはフルオロ脂肪族基含有メタクリレートと、ポリ(オキシアルキレン)アクリレートまたはポリ(オキシアルキレン)メタクリレート、例えばモノアクリレートまたはジアクリレートまたはその混合物との遊離基開始共重合によって製造できる。ポリアクリレートオリゴマーの分子量は、開始剤の濃度と活性度、単量体の濃度および重合反応温度を調節することによって、および連鎖移動剤、例えばチオール、例えばn−オクチルメルカプタンを添加することによって調整できる。一例として、フルオロ脂肪族基含有アクリレート、Rf-R″-O2C-CH=CH2(ここでR″は、例えばスルホンアミドアルキレン、カルボンアミドアルキレン、またはアルキレンである)、例えばC8F17SO2N(C4H9)CH2CH2O2CCH=CHをポリ(オキシアルキレン)モノアクリレート、CH2=CHC(O)(OR′)xOCH3と共重合させると下記の繰返し単位を有する共重合体が得られる。
【0071】
【化5】
Figure 0003976110
【0072】
上記フルオロ脂肪族基含有アクリレートは米国特許第2,803,615号、同第2,642,416号、同第2,826,564号、同第3,102,103号、同第3,282,905号および同第3,304,278号に記載されている。上記共重合体の製造に使用されるポリ(オキシアルキレン)アクリレートおよびこの目的のために有用な他のアクリレートは、市販のヒドロキシポリ(オキシアルキレン)材料、例えば商品名“プルロニック”〔Pluronic(旭電化工業(株)製)〕、アデカポリエーテル(旭電化工業(株)製)、“カルボワックス”〔Carbowax(グリコ・プロダクス)(Glyco Products)Co.製)〕、“トリトン”〔Toriton(ローム・アンド・ハース) (Rohm and Hass)Co.製)〕およびP.E.G.(第一工業製薬(株)製)として販売されいてるものを公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリドまたは無水アクリル酸と反応させることによって製造できる。別に、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート、CH2=CHCO2(R′O)xCOCH=CH2、例えばCH2=CHCO2(C2H4O)10(C3H6O)22(C2H4O)10COCH=CH2を前記のフルオロ脂肪族基含有アクリレートと共重合させると、下記の繰返し単位を有するポリアクリレート共重合体が得られる。
【0073】
【化6】
Figure 0003976110
【0074】
本発明の光重合型平版印刷版の光重合層に含有される前記共重合体を製造するのに適する他のフルオロ脂肪族基含有末端エチレン系不飽和単量体は、米国特許第2,592,069号、同第2,995,542号、同第3,078,245号、同第3,081,274号、同第3,291,843号および同第3,325,163号に記載されており、上記フルオロ脂肪族基含有末端エチレン系不飽和単量体を製造するのに適したエチレン系不飽和材料は米国特許第3,574,791号に記載されている。
【0075】
該共重合体はフルオロ脂肪族基含有アクリレートまたはフルオロ脂肪族基含有メタクリレートとポリ(オキシアルキレン)アクリレートまたはポリ(オキシアルキレン)メタクリレートとの共重合体であって、フルオロ脂肪族基含有モノマー単位をオリゴマーの重量に基づいて7〜25重量%含有し、分子量は6,000〜100,000が好ましく、10,000〜100,000が特に好ましい。フルオロ脂肪族基含有モノマー単位が7重量%より少ないと塗膜の均一性に対する効果が十分でなく、逆に25重量%より多いと塗膜の均一性に対して効果が十分にあるけれど、インキ受容性を劣化させてしまう。
【0076】
さらに共重合体分子量が、6,000より小さいと塗膜の均一性に対する効果が十分でなく、100,000より大きいと溶剤に対する溶解性が低下するので好ましくない。
我々は従来フルオロ脂肪族基含有モノマー量が少なく、塗膜の均一性に対する効果が十分でないと考えていた領域においても、ポリ(オキシアルキレン)基の分子量を大きくし、そして共重合体の分子量を大きくすれば、十分な効果が得られることを見出したのである。
【0077】
該共重合体は、フルオロ脂肪族基含有モノマーとして、フルオロ脂肪族基含有アクリレートをフルオロ脂肪族基含有モノマー単位に対して50〜100重量%使用し、かつポリ(オキシアルキレン)アクリレートモノマー単位をフルオロ脂肪族基含有モノマー単位の全重量に対して25重量%以上使用して得られたものが好ましく、フルオロ脂肪族基含有アクリレートとポリ(オキシアルキレン)アクリレートとの共重合体が特に好ましい。フルオロ脂肪族基含有メタクリレートがフルオロ脂肪族基含有モノマー単位に対して50重量%以上になると溶剤溶解性が低下する。また、ポリ(オキシアルキレン)アクリレートモノマーがフルオロ脂肪族基含有モノマー単位の全重量に対して25重量%未満の場合、塗膜にピンホールが発生しやすくなる。
【0078】
本発明の光重合型平版印刷版の光重合層に含有されるフッ素系界面活性剤の好ましい使用範囲は、光重合層組成物(溶媒を除いた塗布成分)に対して0.01〜5重量%の範囲であり、更に好ましい使用範囲は0.05〜3重量%の範囲である。フッ素系界面活性剤の使用量が0.01重量%未満では効果が不十分であり、また5重量%より多くなると、塗膜の乾燥が十分に行われなくなったり、感光材料としての性能(たとえば現像性)に悪影響をおよぼす。
【0079】
本発明の光重合型平版印刷版の光重合層には、以上の基本成分の他に、さらにその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤に関し例示する。
[共増感剤]
本発明の光重合型平版印刷版の光重合層には、共増感剤を用いることで、該光重合層の感度をさらに向上させる事ができる。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、先述の光重合開始剤(系)の光吸収により開始される光反応と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、過酸化物、酸化剤、還元剤等)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するもの、に分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
【0080】
(a)還元されて活性ラジカルを生成する化合物
炭素−ハロゲン結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
フェロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。
【0081】
(b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等が挙げられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
【0082】
α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロノン−1類、並びに、これらとヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類を挙げる事ができる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン酸ナトリウム等を挙げる事ができる。
【0083】
(c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物:例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等が挙げられる。
これらの共増感剤のより具体的な例は、例えば、特開昭9−236913号中に、感度向上を目的とした添加剤として、多く記載されている。以下に、その一部を例示するが、本発明の光重合型平版印刷版の光重合層に用いられるものは、これらに限定されるものはない。
【0084】
【化7】
Figure 0003976110
【0085】
これらの共増感剤に関しても、さらに、光重合層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素やチタノセン、付加重合性不飽和化合物その他のラジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらの共増感剤は、単独または2種以上併用して用いることができる。使用量はエチレン性不飽和二重結合を有する化合物100重量部に対し0.05〜100重量部、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは3〜50重量部の範囲が適当である。
【0086】
[重合禁止剤]
また、本発明の光重合型平版印刷版の光重合層においては、光重合性組成物の製造中あるいは保存中において、重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01重量%〜約5重量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で光重合層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5重量%〜約10重量%が好ましい。
【0087】
[着色剤]
さらに、本発明の光重合型平版印刷版の光重合層に、その着色を目的として染料もしくは顔料を添加してもよい。これにより、印刷版としての、製版後の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させる事ができる。着色剤としては、多くの染料は光重合層の感度の低下を生じるので、着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5重量%〜約5重量%が好ましい。
【0088】
[その他の添加剤]
さらに、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、その他可塑剤、光重合層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計重量に対し10重量%以下添加することができる。
また、後述する膜強度(耐刷性)向上を目的とした、現像後の加熱・露光の効果を強化するための、UV開始剤や、熱架橋剤等の添加もできる。
【0089】
上記の光重合層を後述の支持体上に設ける際には、該光重合層成分の光重合性組成物を種々の有機溶剤に溶かして、該支持体上に塗布するように供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50重量%が適当である。
【0090】
前記光重合層の被覆量は、主に、光重合層の感度、現像性、露光膜の強度・耐刷性に影響しうるもので、用途に応じ適宜選択することが望ましい。被覆量が少なすぎる場合には、耐刷性が十分でなくなる。一方多すぎる場合には、感度が下がり、露光に時間がかかる上、現像処理にもより長い時間を要するため好ましくない。その被覆量としては、乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当であり、より好ましくは0.5〜5g/m2である。
【0091】
「支持体」
本発明の光重合型平版印刷版の支持体としては、従来公知の、平版印刷版用原版に使用される親水性支持体を限定無く使用することができる。使用される支持体は寸度的に安定な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等が含まれ、これらの表面に対し、必要に応じ親水性の付与や、強度向上等の目的で、適切な公知の物理的、化学的処理を施しても良い。
【0092】
特に、好ましい支持体としては、紙、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が挙げられ、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であり、必要に応じた表面処理により親水性や強度にすぐれた表面を提供できるアルミニウム板はさらに好ましい。また、特公昭48−18327号に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。
【0093】
好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、さらにアルミニウムがラミネート又は蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0094】
また金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合には、粗面化(砂目立て)処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸、硝酸等の電解液中で交流又は直流により行う方法がある。特開昭54−63902号に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することもできる。また、アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するために、例えば、界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。陽極酸化処理は、例えば、燐酸、クロム酸、硫酸、硼酸等の無機酸、もしくは蓚酸、スルファミン酸等の有機酸、またはそれらの塩の水溶液あるいは非水溶液の単独もしくは二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施される。さらに、特公昭46−27481号、特開昭52−58602号、特開昭52−30503号に開示されているような電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理を組合せた表面処理も有用である。さらに、特開昭56−28893号に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレイン、陽極酸化処理を順に行ったものも好適である。
【0095】
前記支持体表面の親水化処理としては、広く公知の方法が適用できる。特に好ましい処理としては、シリケートまたはポリビニルホスホン酸等による親水化処理が施される。皮膜はSi、またはP元素量として2〜40mg/m2、より好ましくは4〜30mg/m2で形成される。
塗布量はケイ光X線分析法により測定できる。
上記の親水化処理は、アルカリ金属ケイ酸塩、またはポリビニルホスホン酸が1〜30重量%、好ましくは2〜15重量%であり、25℃のpHが10〜13である水溶液に、陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム基板を、例えば15〜80℃で0.5〜120秒浸漬することにより実施される。
【0096】
前記親水化処理に用いられるアルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムなどが使用される。アルカリ金属ケイ酸塩水溶液のpHを高くするために使用される水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがある。
なお、上記の処理液にアルカリ土類金属塩もしくは第IVB族金属塩を配合してもよい。
アルカリ土類金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウムのような硝酸塩や、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ホウ酸塩などの水溶性の塩が挙げられる。
第IVB族金属塩としては、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムなどを挙げることができる。
【0097】
アルカリ土類金属塩もしくは、第IVB族金属塩は単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの金属塩の好ましい範囲は0.01〜10重量%であり、さらに好ましい範囲は0.05〜5.0重量%である。
また、米国特許第3,658,662号明細書に記載されているようなシリケート電着も有効である。特公昭46−27481号、特開昭52−58602号、特開昭52−30503号に開示されているような電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理および親水化処理を組合せた表面処理も有用である。
【0098】
本発明の光重合型平版印刷版は、画像露光の後、光重合層の未露光部を現像処理して除去することにより平版印刷版を製版することができる。
本発明の光重合型平版印刷版の露光方法は、公知の方法を制限なく用いる事ができる。望ましい、光源の波長は350nmから650nmであり、具体的にはレーザ各種の光源が好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでも良い。また、本発明の光重合型平版印刷版の光重合層成分は、高い水溶性のものを使用する事で、中性の水や弱アルカリ水に可溶とすることもできるが、この様な構成の光重合型平版印刷版は印刷機上に装填後、機上で露光−現像といった方式を行う事もできる。
【0099】
また、本発明の光重合型平版印刷版に対するその他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
前記露光後の現像処理に使用される現像液としては、pH14以下のアルカリ水溶液が特に好ましく、より好ましくはアニオン系界面活性剤を含有するpH8〜13のアルカリ水溶液が使用される。例えば、第三リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。
これらのアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0100】
また本発明の光重合型平版印刷版の現像処理においては、現像液中にアニオン界面活性剤1〜20wt%加えるが、より好ましくは、3〜10wt%で使用される。少なすぎると現像性が悪化し、多すぎると画像の耐摩耗性などの強度が劣化するなどの弊害が出る。
アニオン界面活性剤としては、例えばラウリルアルコールサルフェートのナトリウム塩、ラウリルアルコールサルフェートのアンモニウム塩、オクチルアルコールサルフェートのナトリウム塩、例えばイソプロピルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩、イソブチルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩、ポリオキシエチレングリコールモノナフチルエーテル硫酸エステルのナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、メタニトロベンゼンスルホン酸のナトリウム塩などのようなアルキルアリールスルホン酸塩、第2ナトリウムアルキルサルフェートなどの炭素数8〜22の高級アルコール硫酸エステル類、セチルアルコールリン酸エステルのナトリウム塩などの様な脂肪族アルコールリン酸エステル塩類、たとえばC1733CON(CH3)CH2CH2SO3Naなどのようなアルキルアミドのスルホン酸塩類、例えばナトリウムスルホコハク酸ジオクチルエステル、ナトリウムスルホコハク酸ジヘキシルエステルなどの二塩基性脂肪族エステルのスルホン酸塩類などが含まれる。
【0101】
必要に応じてベンジルアルコール等の水と混合するような有機溶媒を現像液に加えてもよい。有機溶媒としては、水に対する溶解度が約10重量%以下のものが適しており、好ましくは5重量%以下のものから選ばれる。たとえば、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−フェニルプロパノール、1,4−フェニルブタノール、2,2−フェニルブタノール、1,2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘクサノール、4−メチルシクロヘクサノール及び3−メチルシクロヘクサノール等を挙げることができる。有機溶媒の含有量は、使用時の現像液の総重量に対して1〜5重量%が好適である。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係があり、有機溶媒の量が増すにつれ、アニオン界面活性剤の量は増加させることが好ましい。これはアニオン界面活性剤の量が少ない状態で、有機溶媒の量を多く用いると有機溶媒が溶解せず、従って良好な現像性の確保が期待できなくなるからである。
【0102】
また、さらに必要に応じ、消泡剤及び硬水軟化剤のような添加剤を含有させることもできる。硬水軟化剤としては、例えば、Na227、Na533、Na339、Na24P(NaO3P)PO3Na2、カルゴン(ポリメタリン酸ナトリウム)などのポリリン酸塩、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのようなアミノポリカルボン酸類の他2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;2一ホスホノブタノントリカルボン酸−2,3,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,2、2、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類を挙げることができる。このような硬水軟化剤の最適量は使用される硬水の硬度およびその使用量に応じて変化するが、一般的には、使用時の現像液中に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲で含有させられる。
【0103】
更に、自動現像機を用いて、該光重合型平版印刷版を現像する場合には、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補充液または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。この場合米国特許第4,882,246号に記載されている方法で補充することが好ましい。 また、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号、同57−7427号の各公報に記載されている現像液も好ましい。
【0104】
その他、本発明の光重合型平版印刷版から平版印刷版を製版するための製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱しても良い。この様な加熱により、光重合層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上、感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは、全面露光を行う事も有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ましい。温度が高すぎると、非画像部迄がかぶってしまう等の問題を生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる。
【0105】
このようにして現像処理された光重合型平版印刷版は、特開昭54−8002号、同55−115045号、同59−58431号等の各公報に記載されているように、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理される。本発明の光重合型平版印刷版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
印刷時、版上の汚れ除去のため使用するプレートクリーナーとしては、従来より知られているPS版用プレートクリーナーが使用され、例えば、CL−1,CL−2,CP,CN−4,CN,CG−1,PC−1,SR,IC(富士写真フイルム株式会社製)等が挙げられる。
【0106】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0107】
〔実施例1〕
厚さ0.30mmのアルミニウム板をナイロンブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁液とを用いその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で160クーロン/dm2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その平均表面粗さを測定したところ、0.6μm (Ra表示)であった。引き続いて30%の硫酸水溶液中に浸漬し55℃で2分間デスマット処理した後、20%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2において、陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように2分間陽極酸化処理した。
【0108】
このように処理されたアルミニウム板上に、下記組成の感光液を乾燥塗布量が1.4g/m2となるように塗布し、120℃1分間乾燥させ光重合層を形成させた。
【0109】
〔感光液〕
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 1.5 g
アリルメタクリレート/メタクリル酸 2.0 g
(80/20重量比)共重合体、分子量3万
下記化合物1(増感染料) 0.15 g
下記化合物2(光重合開始剤) 0.20 g
下記化合物3(光重合開始剤) 0.40 g
ε−フタロシアニン分散物 0.20 g
メガファックF-177(大日本インキ化学工業(株)製 0.02 g
フッ素系界面活性剤)
クペロンAL(ニトロソ化合物、和光純薬(株)製) 0.015g
プロピレングリコールモノメチルエーテル 7.0 g
メチルエチルケトン 9.0 g
【0110】
【化8】
Figure 0003976110
【0111】
この光重合層の上に下記組成からなる保護層を乾燥重量が2.5g/m2になるように塗布し、120℃60秒間乾燥させた。
【0112】
ポリビニルアルコール(ケン化度98.5モル%、重合度500) 22 g
ポリエチレングリコール(重合度=10)モノラウリルエーテル 0.6g
HLB=12.1
純水 450 g
【0113】
このプレートをCymbolic Sciences社製FD−YAGレーザープレートセッターPlate Jet 4を用いて、露光量260設定(版面光強度0.17mJ/m2)4,000DPI、default条件で175線/inchの網点画像露光を行った後、富士写真フイルム株式会社製デジタルプレートプロセッサーLP−850Pに、富士写真フイルム株式会社製現像液LP−D(10倍水希釈液)を仕込み現像処理した後、版面上のハイライト微小網点の再現性を評価した。
また、保護層の塗布面状を目視評価した。結果は下記表−1にまとめて示す。
【0114】
〔実施例2〜5、 比較例1〜5〕
実施例1の保護層塗布液のポリエチレングリコールモノラウリルエーテルを下記表−1の化合物に変えた以外は、実施例1と同一の条件で、実施例2〜5、比較例1〜5のサンプルを作製した。これらのサンプルを実施例1と同じ方法で、ハイライト微少網点の再現性、および保護層の塗布面状を評価した結果を合わせて下記表−1に示した。
【0115】
【表1】
Figure 0003976110
【0116】
上記のように、実施例1〜5のサンプルは、微小網点の再現性が2.0%と優れ、保護層の塗布面状もハジキ、ムラがなく、良好であった。これに対して、比較例のサンプルは、微小網点の再現性が実施例のものより劣り、保護層の塗布面状もムラがあり好ましくなかった。
【0117】
【発明の効果】
本発明の光重合型平版印刷版は、保護層にHLBが11〜16のノニオン界面活性剤を含有することによって、光重合層の上に均一な保護層が形成され、薄いムラ部分から酸素が透過することがなくなるものと考えられ、結果的に、平網部分の印刷画像が鮮明であり小さな点も忠実に再現される等の印刷性に優れたものとすることができる。

Claims (3)

  1. 親水性表面を有する支持体上に、フッ素系界面活性剤を含有する光重合層と、該光重合層の上に、水溶性ビニル重合体及びHLBが11〜16であって、下記一般式(I)または( II )で表されるノニオン界面活性剤を含有する保護層とを有することを特徴とする光重合型平版印刷版。
    n 2n+1 O−(CH 2 CH 2 O) m −H 一般式(I)
    (n、mはそれぞれ独立に、5〜50の整数を表す。)
    n 2n+1 COO−(CH 2 CH 2 O) m −H 一般式( II
    (n、mはそれぞれ独立に、5〜50の整数を表す。)
  2. 前記一般式(I)で表されるノニオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、及びポリオキシエチレンベヘニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の光重合型平版印刷版。
  3. 前記一般式( II )で表されるノニオン界面活性剤が、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエートからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の光重合型平版印刷版。
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