明 細 書
感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの 形成方法、プリント配線板及び半導体素子
技術分野
[0001] 本発明は、感光性榭脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの 形成方法、プリント配線板及び半導体素子に関するものである。
背景技術
[0002] 電気及び電子部品の小型化、軽量化、及び多機能化に伴!、、それを構成する半 導体素子や半導体パッケージ、プリント配線基板は、高度に精細化している。そのよ うな高精細化に対応するために、ソルダーレジストゃフォトビア法に用いる感光性榭 脂コート層の原料となる感光性榭脂に対しては高解像度化が要求されている。また、 半導体素子等の製造コストの低減も同時に要求されており、スループットの向上のた め、感光性榭脂に対して高感度化も望まれている。
[0003] これまで、感光性永久レジストをプリント配線板に適用する場合、液状のソルダーレ ジストが広く用いられており、現在でもソルダーレジストは液状が主流である。そのソ ルダーレジストに含有される光重合開始剤としては、露光時の酸素阻害の影響を抑 えるため、良好な表面硬化性を示すものが選定されている。
[0004] 一方、ソルダーレジスト等の感光性永久レジストは、プリント配線板等の最終製品に 残存するため、欧州連合によって提案され 2006年力も施行されることになつている R oHS指令に対応すベぐ更にその規制を先取りする形で、材料のハロゲンフリー化 が要求されている。 日本プリント基板工業会 CFPCA)の規定によると、ダイォキシンの 発生原因と考えられているハロゲン原子を含有しないハロゲンフリー製品は、その材 料中のハロゲン原子含有量がトータルで 1500ppm以下、 1種類のハロゲン原子当た りで 900ppm以下である必要がある。
[0005] そのため、ハロゲン原子を有せずかつ表面硬化性に優れた光重合開始剤、例えば 、 2 メチル 1 [4 (メチルチオ)フエ-ル] 2 モルフォリノプロパン 1 オン( 1— 907)や 2 ベンジル一 2—メチルアミノー 1— (4 モルフォリノフエ-ル)一ブタノ
ンー 1 (I 369)が感光性永久レジストやソルダーレジストの材料として広く用いられ ている。
[0006] し力しながら、上記光重合開始剤を用いた場合、高感度化を図るためにその配合 量を増加させるとレジスト形状が悪化する傾向にあり、近年の高解像度化の要求を満 たすのが困難になっている。一方、例えば特許文献 1では、可視光領域の光線に対 し高い感度を示す新規な増感剤を含有する可視光感光性組成物の提供を意図して 、増感剤(光重合開始剤)として、 405nm付近に大きな吸収波長を持つチタノセンィ匕 合物を用いた感光性組成物が提案されて 、る。
特許文献 1:特開平 3 - 223759号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] しかしながら、特許文献 1に開示された光重合開始剤を用いると、はんだ耐熱性が 十分ではなぐ特に永久レジスト用の感光性榭脂組成物材料に採用するには更に改 善の余地があることが明らかになった。
[0008] そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、光重合開始剤等の成分 がハロゲン原子を有して ヽなくても、十分に高 1ヽ光感度及び十分に高!ヽ解像度の両 方を同時に満足することが可能であり、し力も、硬化物がはんだ耐熱性に十分優れた 感光性榭脂組成物を提供することを目的とする。また、そのような感光性榭脂組成物 を用いた永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法、プリント配線 板及び半導体素子を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0009] 上記目的を達成する本発明の感光性榭脂組成物は、 (A)カルボキシル基を有する ポリマ(以下、「A成分」ともいう。)、(B)ハロゲン原子を有しないへキサァリールビイミ ダゾールイ匕合物(以下、「B成分」ともいう。)、(C)水素供与性ィ匕合物(以下、「C成分 」ともいう。)、及び (D)アクリル基又はメタクリル基を有する光重合性ィ匕合物(以下、「 D成分」ともいう。)を含有することを特徴とする。
[0010] 本発明の感光性榭脂組成物は、十分に優れた光感度を示す。本発明者らはハロ ゲン原子を有しないへキサァリールビイミダゾールイ匕合物と水素供与性ィ匕合物とを共
存させた際に奏される優れた光応答性、つまり反応速度が速いことをその主な要因 の一つとして考えている。
[0011] 本発明の感光性榭脂組成物は、十分に優れた解像度を示す。本発明者らは上述 の光反応性、及びノヽロゲン原子を有しな 、へキサァリールビイミダゾールイ匕合物の露 光波長における光吸収が小さいことをその主な要因の一つとして考えている。
[0012] 本発明の感光性榭脂組成物は、十分に優れたはんだ耐熱性を示す。本発明者ら はその感光性榭脂組成物が熱硬化性ィ匕合物を含有していることによる下地層との密 着性の向上をその主な要因の一つとして考えている。
[0013] そして本発明の感光性榭脂組成物は、上述の (A)〜 (D)の成分を全て含有し、そ れぞれの成分による作用及びそれぞれの成分を組み合わせたことによる複合的作用 に基づいて、上記本発明の目的を達成できるものと、本発明者らは推察している。よ つて、この感光性榭脂組成物は、ハロゲン原子を有しないへキサァリールビイミダゾ ール化合物を用いても、十分に高い光感度、十分に高い解像度及び十分優れたは んだ耐熱性を同時に満足することが可能となる。
[0014] 本発明の感光性榭脂組成物には、架橋密度の高い強靭な硬化物を得ることができ るという観点から、 (E) 140〜200°Cの間で熱硬化反応可能な熱硬化性化合物(以 下、「E成分」ともいう。)、を更に含有させることが好ましい。
[0015] 本発明の感光性榭脂組成物は、光感度、解像度及びはんだ耐熱性を、更にバラン スよく向上させる観点から、 B成分が、下記一般式(1)、 (2)、 (3)及び Z又は (4)で 表される化合物を含有すると好まし ヽ。
[0016] [化 1]
ここで、式(1)、(2)、(3)及び (4) (「式(1)〜(4)」という。以下同様。)中、
R
2及 び R
3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ニトロ基、 アミノ基、ヒドロキシ基、ジアルキルアミノ基、下記一般式 (5)で表される基、下記一般 式 (6)で表される基及びフエニル基からなる群より選ばれる 1つの基又は原子を示す
-COOR4 (5)
-CON (R5) (6)
2
式(5)中、 R4はアルキル基を示し、式(6)中、 2つの R5は、それぞれ独立にアルキル 基を示す。
[0019] R\ R2及び R3がそれぞれ独立に示すアルキル基は、メチル基、ェチル基、プロピ ル基、ブチル基、アミル基又はへキシル基であってもよぐメチル基であってもよい。 また、ジアルキルアミノ基中の 2つのアルキル基は、それぞれ独立に、メチル基、ェチ ル基、プロピル基、ブチル基、アミル基又はへキシル基であってもよぐメチル基又は ェチル基であってもよ 、。
[0020] R4は、メチル基、ェチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基又はへキシル基であつ てもよく、メチル基であってもよい。 R5は、水素原子、メチル基、ェチル基、プロピル基 、ブチル基、アミル基又はへキシル基であってもよぐメチル基であってもよい。
[0021] また、本発明の感光性榭脂組成物にお!、て、上記ハロゲン原子を有しな ヽへキサ ァリールビイミダゾールイヒ合物が上記一般式(1)及び Z又は(2)で表される化合物を 含み、 R1がアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、ジ アルキルアミノ基、上記一般式(5)で表される基、上記一般式 (6)で表される基及び フエニル基カゝらなる群より選ばれる 1つの基を示し、 R2及び R3がそれぞれ水素原子を 示してちょい。
[0022] さら〖こは、本発明の感光性榭脂組成物において、上記ハロゲン原子を有しないへ キサァリールビイミダゾール化合物が上記一般式(3)及び Z又は (4)で表される化合 物を含み、
R
2及び R
3がそれぞれ水素原子を示してもよい。
[0023] 本発明の感光性榭脂組成物において、 A成分が、 1分子中に光重合性の不飽和 二重結合を 2個以上有するものであると好ましい。これによれば、本発明の感光性榭 脂組成物を用いて基板上に硬化物を形成する際、基板との密着性を高め、硬化物 の基板力もの剥離を大幅に低減することが可能となる。
[0024] 本発明の感光性榭脂組成物において、 E成分が、ブロックイソシァネート、 1分子中 にグリシジル基を 2個以上有するエポキシィ匕合物、ビスマレイミド及びォキセタンから 選択される 1種以上の化合物を含むことが好ましい。これにより、架橋密度の高い強 靭な硬化物を得ることができる。
[0025] E成分は、ブロックイソシァネート、ビスマレイミド化合物及びォキセタン化合物から 選択される 1種以上の化合物を含むとより好ましぐブロックイソシァネート及びビスマ レイミド力 選択される 1種以上の化合物を含むと更に好ましい。力かる化合物は、榭
脂ワニス又は感光性フィルムとしたときの安定性が向上する傾向にある。
[0026] 従来、電子部品等の製造に適用されるフォトリソグラフィ法では、マスク露光を行つ て目的の回路パターンを基板上に投影するのが一般的とされている。しかしながら、 近年、回路パターンが細密化又は複雑ィ匕しているため、基板 1枚に対するマスクのコ スト割合の増大が懸念され始めて 、る。
[0027] そこで、マスクを用いずに CADで作成した回路パターンを、レーザ光線でレジスト 層に直接描画する LDI (Lazer Direct Imaging)方式が注目されている。このよう な方法を用いるとフォトマスクが必要ないため、従来よりも少量多品種の電子部品の 生産を効率的に行うことができる。また、従来フォトマスクを使用することにより生じて いた、基板上でのマスクの位置合わせや、マスクに対する異物の付着、汚れ、傷の管 理を省略することができ、大幅なコスト削減が行える他、スケーリング補正もマスク露 光の場合に比べて容易に行うことができる。
[0028] 特に近年 LDI方式において、マイクロサイズのミラーを多数敷き詰めたミラー集合 体に、光源からの光を反射させて画像を投影する DLP (Digital Light Processin g)技術が浸透してきている。この DLP技術によると、更なる高解像度化及び装置の 低コストィ匕が可能となるが、露光装置のミラー寿命の関係から、波長 405nm (h線)の レーザ光線が必須要件になっている。この場合、ガスレーザ等に比べて装置の省ス ペース化が可能な上、冷却装置も不要となる。また、このレーザ光線で感光するレジ スト材料は黄色光 (イェローランプ)環境下で取り扱うことができ、作業環境の改善及 び作業の簡易化と 、う利点を得ることができる。
[0029] し力しながら、一般的なマスク露光に用いられる波長 365nm(i線)の光に対応する 光重合開始剤をレジスト材料に採用すると、 LDI方式にぉ ヽて十分な感度及び解像 度を得ることが困難となっている。そこで、例えば特許文献 1に記載されているような 4 05nm付近に大きな吸収波長を持つチタノセンィ匕合物をレジスト材料に用いる場合も 考えられるが、このような化合物を含有するレジスト材料は、イェローランプ環境下で の安定性がまだ十分ではないことが本発明者らの検討により明らかになった。
[0030] 一方、光重合開始剤(B成分)としてハロゲン原子を有しな 、へキサァリールビイミダ ゾール化合物を採用し、更に熱硬化性化合物 (E成分)として上述のものを含有した
本発明の感光性榭脂組成物は、イェローランプに曝されても硬化等し難ぐその安定 性が従来のものに比して優れたものとなる傾向にある。その要因の一つとして、力か る感光性榭脂組成物は、波長 405nm付近のレーザ光線の照射によって選択的に反 応し、より可視光に近 、波長の光には反応し難 、ことが推察される。
[0031] 本発明の感光性榭脂組成物は、(F) 350〜430nmの波長範囲を有する光を吸収 して増感作用を示す増感剤、を更に含有してもよい。
[0032] 本発明の感光性榭脂組成物は、 (G)無機及び Z又は有機フィラーを更に含有する と好ましい。これにより、得られる硬化物の機械的特性を向上させることができるととも に、本発明の感光性榭脂組成物を用いて基板上に硬化物を形成する際、基板との 密着性を更に高めることができる。
[0033] 本発明の永久レジスト用感光性フィルムは、支持体と、該支持体上に形成された上 述の感光性榭脂組成物を含有する感光層とを備えることを特徴とする。この永久レジ スト用感光性フィルムは、永久レジスト用の感光層上に、剥離可能なカバーフィルム を更に備えてもよい。
[0034] 本発明のレジストパターンの形成方法は、絶縁基板と、該絶縁基板上に形成された 回路パターンを有する導体層と、導体層を覆うように絶縁基板上に形成された永久レ ジスト層とを備えるプリント配線板であって、永久レジスト層力 上述の感光性榭脂組 成物の硬化物からなるものであり、その永久レジスト層は、導体層の一部が露出する ように開口部を有することを特徴とする。
[0035] ここで、活性光線は、最大波長が 390nm以上 440nm未満の範囲内にあるレーザ 光線であることが好ましい。これにより、 DLP技術を用いた LDI方式で露光を行うこと が可能となる。
[0036] 本発明のプリント配線板は、絶縁基板と、該絶縁基板上に形成された回路パターン を有する導体層と、導体層を覆うように前記絶縁基板上に形成された永久レジスト層 とを備えるプリント配線板であって、永久レジスト層が、上述の感光性榭脂組成物の 硬化物からなるものであり、永久レジスト層は、前記導体層の一部が露出するように 開口部を有することを特徴とする。
[0037] 本発明の半導体素子は、絶縁基板と、該絶縁基板上に形成された回路パターンを
有する導体層と、導体層を覆うように絶縁基板上に形成された永久レジスト層とを備 える半導体素子であって、その永久レジスト層力 上述の感光性榭脂組成物の硬化 物からなるものであり、永久レジスト層は、導体層の一部が露出するように開口部を有 することを特徴とする。
発明の効果
[0038] 本発明によれば、光重合開始剤等の成分がハロゲン原子を有して 、なくても、十分 に高い光感度及び十分に高い解像度の両方を同時に満足することが可能であり、し カゝも、硬化物がはんだ耐熱性に十分優れた感光性榭脂組成物を提供することができ る。
図面の簡単な説明
[0039] [図 1]永久レジスト用感光性フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。
[図 2]プリント配線板の一実施形態を示す模式断面図である。
[図 3]図 2に示したプリント配線板 2の製造方法を示す工程図である。
符号の説明
[0040] 1…永久レジスト用感光性フィルム、 2、 3、 4…プリント配線板、 5…レーザ光線、 11 …支持体、 12、 24…感光層、 13· ··カバーフィルム、 21· ··回路パターンを有しない導 体層、 22…絶縁基板、 23…回路パターンを有する導体層、 26· ··開口部、 241· ··永 久レジスト層。
発明を実施するための最良の形態
[0041] 以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に 説明する。なお、図面中、同一要素には原則として同一符号を付すこととし、特に断 らない限り重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らな い限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の 比率に限られるものではない。また、本明細書における「(メタ)アクリル酸」とは「アタリ ル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」を意味し、「 (メタ)アタリレート」とは「アタリレ ート」及びそれに対応する「メタタリレート」を意味する。なお、本明細書における重量 平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィ(GPC)を用いて、標準ポ
リスチレン換算で測定したものである。
[0042] 本発明の好適な実施形態に係る感光性榭脂組成物は、 (A)カルボキシル基を有 するポリマ(以下、「A成分」ともいう。)、(B)へキサァリールビイミダゾール化合物(以 下、「B成分」ともいう。)、(C)水素供与性化合物 (以下、「C成分」ともいう。)、及び( D)アクリル基又はメタクリル基を有する光重合性ィ匕合物(以下、「D成分」ともいう。 ) を含有するものである。以下、各成分について説明する。
[0043] <A成分 >
A成分は、 1分子中に 1個以上のカルボキシル基を有するポリマであれば特に限定 されないが、良好な流動性及びアルカリ現像性の観点から、重量平均分子量 (Mw) 力 5000〜200000であること力 S好ましく、 10000〜150000であること力 Sより好ましく 、 20000〜100000であること力 S更に好ましい。 Mwが 5000未満では良好な流動性 が得られ難くなり、後述する感光層を形成するのが困難となる傾向にある。 Mwが 20 0000を超えるとアルカリ現像性が不十分となり、レジスト材料として用いた場合に解 像度が低下する傾向にある。
[0044] A成分の具体例としては、例えばカルボキシル基を有する (メタ)アクリルポリマ、力 ルポキシル基を有するフエノキシポリマ等が挙げられる。カルボキシル基を有する(メ タ)アクリルポリマは、カルボキシル基を有するビュル重合性モノマと、そのモノマとは 異なる分子構造を有しそのモノマと重合し得るビュル重合性モノマと、の共重合によ り得られるものが好適である。
[0045] カルボキシル基を有するビュル重合性モノマとしては、例えば、アクリル酸、メタタリ ル酸、フマル酸、ケィ皮酸、クロトン酸、ィタコン酸等が挙げられる。
[0046] カルボキシル基を有するビニル重合性モノマと重合し得るビニル重合性モノマとし ては、例えば、メチル (メタ)アタリレート、ェチル (メタ)アタリレート、 n—プロピル (メタ) アタリレート、ブチル (メタ)アタリレート、ラウリル (メタ)アタリレート、 2—ェチルへキシ ル(メタ)アタリレート、ビュルトルエン、 N—ビニルピロリドン、スチレン、 a—メチルス チレン、 2—ヒドロキシェチル (メタ)アタリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、ジメ チルアミノエチル (メタ)アタリレート等が挙げられる。
[0047] カルボキシル基を有する (メタ)アクリルポリマは、これらのモノマを含有する有機溶
剤中で、ァゾビスイソブチ口-トリル、ァゾビスジメチルバレ口-トリル、過酸化べンゾィ ル等の重合開始剤を用いて、一般的な溶液重合により得られる。
[0048] また、 A成分は、カルボキシル基を有する感光性プレポリマであってもよ!/、。かかる 感光性プレボリマとしては、エポキシィ匕合物及び不飽和モノカルボン酸を反応させて 得られるエステルに、飽和又は不飽和の多価塩基酸無水物を付加して得られるプレ ポリマが好適に用いられる。力かる感光性プレボリマとしては、巿販のものであっても よく、例えば ZFR— 1185、 ZAR- 1035、 TCR— 1091、 CCR— 1115、 PCR— 10 90、 PCR— 1150 (以上、 日本化薬社製、商品名)等が挙げられる。
[0049] エポキシ化合物としては、例えば、ビスフエノール A又はビスフエノール Fと、ェピク ロロヒドリンと、を反応させて得られるビスフエノール型エポキシィ匕合物が好ましい。か 力るエポキシ化合物の好ましい具体例としては、例えば、 GY— 260、 GY— 255、 X B— 2615 (以上、チノく'ガイギ社製、商品名)等のビスフエノール A型、ビスフエノー ル F型、水添ビスフエノール A型、アミノ基含有、脂環式又はポリブタジエン変性等の エポキシィ匕合物が挙げられる。
[0050] また、フエノール、クレゾール、ハロゲン化フエノール又はアルキルフエノール化合 物とホルムアルデヒドとを酸性触媒下で反応させて得られるノボラック化合物と、ェピ クロロヒドリンと、を反応させて得られるノボラック型エポキシィ匕合物も好適に用いるこ とができる。ノボラック型エポキシ化合物としては、例えば、 YDCN— 701、 YDCN- 704、 YDPN— 638、 YDPN— 602 (以上、東都化成社製、商品名)、 DEN— 431 、 DEN— 439 (以上、ダウ'ケミカル社製、商品名)、 EPN— 1299 (チノく'ガイギ社製 、商品名;)、 N— 730、 N— 770、 N— 865、 N— 665、 N— 673、 VH— 4150、 VH — 4240 (以上、大日本インキ化学工業社製、商品名)、 EOCN— 120、 BREN (以 上、 日本ィ匕薬社製、商品名)等が挙げられる。
[0051] ビスフエノール型エポキシィ匕合物、ノボラック型エポキシィ匕合物以外にも、例えばサ リチルアルデヒド フエノール又はタレゾール型エポキシ化合物(例えば、 EPPN50 2H、 FAE2500 (以上、 日本化薬社製、商品名)等)を上述のエポキシィ匕合物として 好適に用いることができる。さらには、例えば、ェピコート 828、ェピコート 1007、ェピ コート 807 (以上、ジャパンエポキシレジン社製、商品名)、ェピクロン 840、ェピクロン
860、ェピクロン 3050 (以上、大日本インキ化学工業社製、商品名)、 DER— 330、 DER— 337、 DER— 361 (以上、ダウ'ケミカル社製、商品名)、セロキサイド 2021 ( ダイセルィ匕学工業社製、商品名)、 TETRAD— X、 TETRAD— C (以上、三菱ガス 化学社製、商品名)、 EPB—13、 EPB— 27 (以上、 日本曹達社製、商品名)、又は 特開平 8— 260008号公報に記載のポリアミドやポリアミドイミド系エポキシィ匕合物も 使用可能である。
[0052] 本実施形態に係る上記エポキシィ匕合物は、 1種を単独で又は 2種以上を混合して、 あるいは 2種以上力 通常の共重合により得られるブロック共重合体として用いること ができる。
[0053] 不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸;クロトン酸;ケィ皮酸;飽 和又は不飽和のジカルボン酸と 1分子中に 1個の水酸基を有する (メタ)アタリレート 又は不飽和モノグリシジルイ匕合物とを反応させて得られるモノカルボン酸;飽和又は 不飽和の多価カルボン酸無水物と 1分子中に 1個の水酸基を有する (メタ)アタリレー トとを反応させて得られるモノカルボン酸;あるいは、飽和又は不飽和のジカルボン酸 と不飽和モノグリシジルイ匕合物とを反応させて得られるモノカルボン酸に更に飽和又 は不飽和の多価カルボン酸無水物を反応させて得られるモノカルボン酸などが挙げ られる。
[0054] より具体的には、例えば、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、へキサヒドロフタル酸、マ レイン酸又はコハク酸と、ヒドロキシェチル (メタ)アタリレート、ヒドロキシプロピル (メタ) アタリレート、トリス (ヒドロキシェチル)イソシァヌレートジ (メタ)アタリレート又はグリシ ジル (メタ)アタリレートとを、常法により等モル比で反応させて得られるモノカルボン酸 力 上述の不飽和モノカルボン酸として挙げられる。
[0055] これらの不飽和モノカルボン酸は 1種を単独で又は 2種以上を混合して用いること ができる。これらのなかでは、良好な光重合性及び耐熱性の観点から、アクリル酸を 用いると好ましい。
[0056] 上記飽和又は不飽和の多価塩基酸無水物としては多価カルボン酸無水物が好ま しぐ具体的には、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、へキサヒドロフタル酸、マレイン酸、 コハク酸、トリメリット酸等の無水物が挙げられる。
[0057] カルボキシル基を有するフエノキシポリマとしては、上述のポリマのうち、主鎖にォキ シフエ-レン基を有し、側鎖にカルボキシル基を有するものが挙げられる。
[0058] 上述の A成分のポリマのうち、光重合性の不飽和二重結合、すなわち光又は光重 合開始剤によって重合可能な不飽和二重結合を 2個以上有するポリマは、このポリマ を含有する感光性榭脂組成物を用いて基板上に硬化物を形成する際、基板との密 着性を高め、硬化物の基板力 の剥離を大幅に低減することが可能となるため好まし V、。そのような不飽和二重結合又は不飽和二重結合を有する基若しくは化合物とし ては、例えば、エチレン性不飽和二重結合 (エチレン基)、フルフリルアタリレート基、 マレイミド基、アセチレン基、ケィ皮酸等が挙げられる。
[0059] また、 A成分として、 9. 0以下の pKaを有する三級アミン触媒存在下、ジグリシジル エーテル型エポキシィ匕合物と二塩基酸との重合反応により、分子内にエステル結合 が形成された鎖状構造を有する中間体に、酸無水物を付加することにより得られる、 カルボキシル基を含有した酸変性ポリエステル榭脂を用いてもょ 、。
[0060] これらの中でも、 A成分として、上記カルボキシル基を含有した酸変性ポリエステル 榭脂を用いることが好まし 、。このカルボキシル基を含有した酸変性ポリエステル榭 脂を用いることにより、感光性榭脂組成物の硬化物は、アルカリ現像液への溶解性が 良好となり、耐クラック性も向上する。このように、アルカリ現像液への溶解性及び耐ク ラック性等の信頼性が向上する要因の一つは以下の通りであると考えられる。ただし 、要因はこれに限定されない。
[0061] 上記カルボキシル基を含有した酸変性ポリエステル榭脂の中間体は、その製造時 、すなわち、ジグリシジルエーテル型エポキシ化合物と二塩基酸との重合反応時に、 触媒として 9. 0以下の pKaを有する三級アミンを用いるため、枝分かれの少ない構 造のポリマとなる。そうすると、上記中間体は直鎖構造に近くなるため、酸無水物を付 カロさせた場合に、中間体の分子内にカルボキシル基が均一に導入され易くなる。こ のことから、上記効果が得られると推測される。
[0062] 上記酸変性ポリエステル榭脂の重量平均分子量(Mw)は、 20000〜70000であ ること力 子ましく、 30000〜50000であること力より好まし!/、。
[0063] 次に、上述した酸変性ポリエステル榭脂の製造方法について更に詳細に説明する
[0064] 酸変性ポリエステル榭脂の製造方法は、一分子中に二つのグリシジル基を有する、 ジグリシジルエーテル型エポキシィ匕合物と、二塩基酸との重合反応により中間体を得 る工程と、中間体に酸無水物を付加させることにより酸変性ポリエステル榭脂を得る 工程とを含むものである。
[0065] 原料として用いられるジグリシジルエーテル型エポキシィ匕合物は、特に限定されな いが、一分子中に一つ以上のフエノキシ基を有することが好ましぐ一分子中に二つ 以上のフエノキシ基を有することがより好まし 、。
[0066] 上記エポキシ化合物としては、例えば、ビスフエノール Aジグリシジルエーテル等の ビスフエノール A型エポキシ榭脂、ビスフエノール Fジグリシジルエーテル等のビスフ ェノール F型エポキシ榭脂、ビスフエノール Sジグリシジルエーテル等のビスフエノー ル S型エポキシ榭脂、ビフエノールジグリシジルエーテル等のビフエノール型エポキシ 榭脂、ビキシレノールジグリシジルエーテル等のビキシレノール型エポキシ榭脂、水 添ビスフエノール Aグリシジルエーテル等の水添ビスフエノール A型エポキシ榭脂、 又は、これらの二塩基酸変性ジグリシジルエーテル型エポキシ榭脂等が挙げられる。 これらの中でも、耐熱性、耐薬品性に優れ、硬化により比較的収縮しないことからビス フエノール A型エポキシ榭脂であることが好ましい。なお、これらは単独で用いてもよ ぐ 2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0067] これらの化合物の巿販品としては、以下のものが挙げられる。例えば、ビスフエノー ノレ Aジグリシジノレエーテノレとしては、ェピコート 828、ェピコート 1001、ェピコート 100 2 (以上、ジャパンエポキシレジン社製、商品名)、ェポトート YD— 011、ェポトート Y D— 012 (以上、東都化成社製、商品名)等が挙げられる。ビスフエノール Fジグリシ ジルエーテルとしては、ェピコート 807 (ジャパンエポキシレジン社製、商品名)等が 挙げられる。ビスフエノール Sジグリシジルエーテルとしては、 EBPS— 200 (日本ィ匕 薬社製、商品名)、ェピクロン EXA— 1514 (大日本インキ化学工業社製、商品名)等 が挙げられる。ビフエノールジグリシジルエーテルとしては、 YL— 6121 (ジャパンェ ポキシレジン社製、商品名)等が挙げられる。ビキシレノールジグリシジルエーテルと しては、 YX— 4000 (ジャパンエポキシレジン社製、商品名)等が挙げられる。水添ビ
スフエノール Aグリシジルエーテルとしては、 ST— 2004、 ST— 2007 (以上、東都化 成社製、商品名)等が挙げられる。二塩基酸変性ジグリシジルエーテル型エポキシ榭 脂としては、 ST— 5100、 ST— 5080 (以上、東都化成社製、商品名)等が挙げられ る。
[0068] 原料として用いられる二塩基酸は、ジカルボン酸であることが好ま 、。具体的には 、例えば、マレイン酸、コハク酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフ タル酸、へキサヒドロフタル酸、メチルへキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ フタル酸又はメチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸等が挙げられる。これらの中で も、二塩基酸がテトラヒドロフタル酸であることがより好ましい。なお、これらは単独で 又は 2種類以上を組み合わせて用いてもょ 、。
[0069] ジグリシジルエーテル型エポキシィ匕合物と二塩基酸との重合反応に用いられる触 媒は、 9. 0以下の pKaを有する三級ァミンであり、 7. 3以下の pKaを有する三級アミ ンであると好ましい。触媒として 9. 0を超える pKaを有する三級アミンゃ、トリフエ-ル ホスフィン等のホスフィン類等を用いた場合、得られる酸変性ポリエステル榭脂は、分 子中の結合種 (エーテル型網目結合及び Z又はエステル型網目結合)により、分岐 鎖の多いポリマとなるため、ゲル化しやすぐ現像性も悪くなる傾向にある。
[0070] 上記触媒の使用量は、重合反応速度の観点、並びに感光性榭脂組成物より得ら れる硬化膜の耐熱性、耐電食性、及び絶縁性等の観点から、ジグリシジルエーテル 型エポキシィ匕合物及び二塩基酸の総量 100質量部に対して、 1〜: LO質量部である ことが好ましい。また、反応温度は、重合反応速度の観点、及び副反応の進行防止 の観点から、 100〜 150°Cであることが好まし!/、。
[0071] 中間体に付加させる酸変性用の酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水 コハク酸、無水ィタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水へキサヒド ロフタル酸、メチルへキサヒドロ無水フタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸 、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ 無水フタル酸等の二塩基性酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾ フエノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族多価カルボン酸無水物、その他これに 付随する例えば 5— (2, 5 ジォキソテトラヒドロフリル) 3—メチル 3 シクロへキ
セン 1, 2—ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無水物誘導体等が挙げら れる。これらの中でも、二塩基性酸無水物を用いることが好ましぐジカルボン酸無水 物を用いることがより好ましい。また、これらは 1種類を単独で或いは 2種類以上を組 み合わせて用いることができる。
[0072] 中間体と上記酸無水物との付加反応における反応温度は、反応速度の観点及び 副反応を防止する観点から、 80〜130°Cであることが好ましい。
[0073] A成分の酸価は、アルカリ現像性と電気特性等の特性バランスを考慮すると、 30〜 250mgKOHZgであると好ましぐ 50〜150mgKOHZgであるとより好ましい。また 、本実施形態の感光性榭脂組成物中に含有される固形分の酸価は、同様の観点か ら 10〜 120mgKOH/gに調整されて!ヽると好ましく、 20〜80mgKOHZgに調整 されているとより好ましい。
[0074] < B成分 >
B成分としては、トリアリールイミダゾール化合物の二量体であるへキサァリールビィ ミダゾ一ルイ匕合物であって、分子内にハロゲン原子を有しないものであれば特に限 定されないが、上記一般式(1)〜(4)で表される化合物のうち少なくとも 1種の化合 物を含有すると好ましい。一般式 (1)〜(4)で表される化合物は、感光性榭脂組成物 の光重合開始剤としてより十分に機能する。
[0075] 式(1)〜(4)中、 R1 R2及び R3は、それぞれ独立に、アルキル基、メトキシ基、エト キシ基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、ジアルキルアミノ基、上記一般式(5)で表さ れる基、上記一般式 (6)で表される基、フ ニル基及び水素原子力もなる群より選ば れる 1つの基又は原子を示す。また、式(5)中、 R4はアルキル基を示し、式(6)中、 2 つの R5は、それぞれ独立にアルキル基を示す。
[0076] R R2及び R3がそれぞれ独立に示すアルキル基は、特に限定されず、例えば、メ チル基、ェチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基及びへキシル基などが挙げられ る。これらのアルキル基のなかでは、入手コストが比較的安価であるメチル基であつ てもよい。
[0077] また、ジアルキルアミノ中の 2つのアルキル基は、それぞれ独立に、メチル基、ェチ ル基、プロピル基、ブチル基、アミル基又はへキシル基であってもよぐメチル基又は
ェチル基であってもよ 、。
[0078] R4は、メチル基、ェチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基又はへキシル基であつ てもよく、メチル基であってもよい。 R5は、水素原子、メチル基、ェチル基、プロピル基 、ブチル基、アミル基又はへキシル基であってもよぐメチル基であってもよい。
[0079] また、ハロゲン原子を有しな 、へキサァリールビイミダゾールイ匕合物が上記一般式( 1)及び Z又は(2)で表される化合物を含む場合、 R1がアルキル基、メトキシ基、エト キシ基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、ジアルキルアミノ基、上記一般式(5)で表さ れる基、上記一般式(6)で表される基及びフ ニル基力 なる群より選ばれる 1つの 基を示し、 R2及び R3がそれぞれ水素原子を示してもよ!ヽ。
[0080] さらには、ハロゲン原子を有しないへキサァリールビイミダゾール化合物が上記一 般式(3)及び Z又は (4)で表される化合物を含む場合、
R
2及び R
3がそれぞれ水 素原子を示してもよい。
[0081] R1で表される原子又は基は上述のものであれば特に限定されず、例えば、水素原 子、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、 -COOCH基及び-トロ基などが挙げられる
3
。 R2で表される基は上述のものであれば特に限定されず、例えば、水素原子及びメト キシ基が挙げられる。 R3で表される基は上述のものであれば特に限定されず、例え ば、水素原子及びメトキシ基などが挙げられる。
[0082] このようなハロゲン原子を有しな 、へキサァリールビイミダゾール化合物の具体例と しては、 2, 2'—ビス(2—メチルフエ-ル)一 4, 4' , 5, 5,一テトラフエ-ル一 1, 1 '— ビイミダゾール、 2, 2,一ビス(2—メトキシフエ-ル)一 4, 4,, 5, 5,一テトラフエ-ル —1, 1,一ビイミダゾール、 2, 2,一ビス(2 エトキシフエ-ル)一 4, 4,, 5, 5,一テト ラフエ-ルー 1, 1,—ビイミダゾール、 2, 2,—ビス(2—メチルエステルフエ-ル)— 4 , 4,, 5, 5,一テトラフエ-ル一 1, 1,一ビイミダゾール、 2, 2,一ビス(2 -トロフエ- ル)— 4, 4,, 5, 5,—テ卜ラフエ-ル— 1, 1,—ビイミダゾール、 2— (1—ナフチル)― 4, 5 ジフエ-ルー 1, 2,ービイミダゾール、 2, 2,一ビス(2, 3, 4ートリメトキシフエ -ル) 4, 4,, 5, 5,一テトラフエ-ル一 1, 1,一ビイミダゾール、 2, 2,一ビス(2 ァ ミノフエ-ル)— 4, 4,, 5, 5,—テトラフエ-ル— 1, 1,—ビイミダゾール、 2, 2,—ビス (2 ヒドロキシフエ-ル)一 4, 4,, 5, 5,一テトラフエ-ル一 1, 1,一ビイミダゾール、
2, 2,一ビス(2 ジメチルァミノフエ-ル)一 4, 4,, 5, 5,一テトラフエ-ル一 1, 1,一 ビイミダゾール、 2, 2,一ビス(2—カルボキシアミドフエ-ル)一 4, 4,, 5, 5,一テトラ フエ-ル— 1, 1,—ビイミダゾール、 2, 4, 5 トリフエ-ル—イミダゾールニ量体等が 挙げられる。
[0083] これらのハロゲン原子を有しな!/、へキサァリールイミダゾール化合物は単独で用い てもよく、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0084] < C成分 >
C成分の水素供与性ィ匕合物としては、光励起された光重合開始剤に水素を供与可 能な化合物、又は光重合開始剤力 発生したラジカルに水素を供与可能な化合物 であれば特に限定されず、例えば、米国特許 3390996号明細書に「photooxidant」 として開示されたものであってもよい。 C成分の具体例としては、トリエタノールァミン、 メチルジェタノールァミン等のアルカノールァミン; 2—ジメチルアミノエチル安息香酸 、 4ージメチルァミノ安息香酸ェチル、 4ージメチルァミノ安息香酸イソブチル、 4, 4 ジメチルァミノべンゾフエノン等の芳香族ァミン; 2—メルカプトべンゾチアゾール、 2— メルカプトべンゾイミダゾール、 2—メルカプトべンゾォキサゾール等のチオール化合 物が挙げられる。
[0085] また、水素供与性ィ匕合物としてロイコ染料を用いることもでき、このロイコ染料の感 光性榭脂組成物中の配合量を適正化することにより、レジスト層全体の硬化度を向 上させることができる。光感度、イェローランプ下での安定性を考慮すると、ロイコ染 料の中ではロイコクリスタルバイオレット、 N フエ-ルグリシン、 N— (p シァノフエ- ル)グリシン、 N— (p—メチルフエ-ル)グリシン、 N ブチル—N フエ-ルグリシン、 N ェチル N フエ-ルグリシン、 N プロピル一 N フエ-ルグリシン、 N プロ ピン一 N フエ-ルグリシン、 N -メチル N フエ-ルグリシン等のァリールグリシン 系の化合物、又はメルカプトべンゾキサゾール、メルカプトべンゾチアゾール、メルカ ブトべンゾイミダゾール、 2, 5 メルカプト 1, 3, 4 チアジアゾール、 1—フエ-ル 5 メルカプト 1H—テトラゾール、 5—メチルー 1, 3, 4ーチアジアゾールー 2— チォール、 3—メルカプト— 4—メチル 4H— 1, 2, 4 トリアゾール等のメルカプト 化合物が好ましい。これらのなかでより好ましくは、 N—フエ-ルグリシン、 N—フエ-
ルグリシン誘導体が挙げられ、更に好ましくは N—フエニルダリシンが挙げられる。こ れらの水素供与性化合物は、 1種を単独で又は 2種以上を組み合わせて用いること ができる。
[0086] < D成分 >
D成分は、アクリル基又はメタクリル基を有する光重合性ィヒ合物であれば特に限定 されず、要求される特性によって種々選択することができる。アクリル基又はメタクリル 基を有する光重合性化合物としては、例えば、 2—ヒドロキシェチル (メタ)アタリレート 、トリメチロールプロパントリ(メタ)アタリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アタリレー ト、ジペンタエリスリトールへキサ(メタ)アタリレート、 N, N—ジメチル (メタ)アタリレー ト、 N—メチロール (メタ)アクリルアミド、ウレタン (メタ)アタリレート、ポリエチレングリコ ール、ポリプロピレングリコールのモノ又は多官能(メタ)アタリレート化合物、ビスフエ ノール Aのポリエチレングリコール又はプロピレングリコール付カ卩物のモノ又は多官能 (メタ)アタリレートイ匕合物、トリス(2—ヒドロキシェチル)イソシァヌル酸のモノ又は多官 能 (メタ)アタリレートイ匕合物、トリグリシジルイソシァヌレートなどグリシジルエーテルの (メタ)アタリレートイ匕合物、ジァリルフタレート等が挙げられる。これらのアクリル基又 はメタクリル基を有する光重合性ィ匕合物は、 1種を単独で又は 2種以上を組み合わせ て用いることができる。
[0087] また、本実施形態の感光性榭脂組成物には、上述の A〜D成分に加えて、さらに( E); 140〜200°Cの間で熱硬化反応可能な熱硬化性化合物(以下、「E成分」とも 、 う。)を含有させることが好ましい。
[0088] <E成分 >
上記 E成分としては、 140〜200°Cの間で熱硬化反応可能な熱硬化性化合物であ れば特に限定されない。このような熱硬化性ィ匕合物としては、例えば、 140〜200°C の間で熱硬化反応可能な、ブロックイソシァネートイ匕合物、エポキシィ匕合物、ビスマレ イミドィ匕合物、ォキセタン化合物、ベンゾォキサジンィ匕合物及びメラミン榭脂等が挙げ られる。これらの中でも、はんだ耐熱性、耐無電解 NiZAuめっき性、耐電食性、耐 熱衝撃性等の観点から、ブロックイソシァネートイ匕合物、 1分子中にグリシジル基を 2 個以上有するエポキシィ匕合物、ビスマレイミドィ匕合物及びォキセタン化合物力 選択
される 1種以上の化合物が好ましぐブロックイソシァネートイ匕合物、ビスマレイミドィ匕 合物及びォキセタンィ匕合物力も選択される 1種以上の化合物が、榭脂ワニス又は感 光性フィルムの安定性等の観点力もより好ま 、。
[0089] ブロックイソシァネートイ匕合物は、イソシァネートイ匕合物とブロック剤との反応により 生成し、ブロック剤由来の基により一時的に不活性ィ匕されている化合物であり、所定 温度に加熱するとそのブロック剤由来の基が解離し、イソシァネート基を生成する。ブ ロック剤と反応し得るイソシァネートイ匕合物の具体例としては、 4, 4'ージフエニルメタ ンジイソシァネート、 2, 4 トリレンジイソシァネート、 2, 6 トリレンジイソシァネート、 ナフタレン 1, 5 ジイソシァネート、 o キシリレンジイソシァネート、 m—キシリレン ジイソシァネート、 2, 4 トリレンダイマー等の芳香族ポリイソシァネート、へキサメチ レンジイソシァネート、 4, 4—メチレンビス(シクロへキシノレイソシァネート)、イソホロン ジイソシァネート等の脂肪族ポリイソシァネート、ビシクロヘプタントリイソシァネート等 の脂環式ポリイソシァネートが挙げられる。
[0090] ブロック剤としては、活性水素を有しているものが好ましぐ活性メチレン化合物、ジ ケトン化合物、ォキシム化合物、フエノール化合物、アル力ノール化合物及び力プロ ラタタム化合物などが挙げられる。具体的には、メチルェチルケトンォキシム、 ε一力 プロラタタムなどを用 \ヽることができる。
[0091] ブロックイソシァネート化合物は市販のものであってもよぐ例えば、スミジュール BL — 3175、 BL— 4165、 BL— 1100, BL— 1265、デスモジュール TPLS— 2957、 Τ PLS - 2062, TPLS- 2957, TPLS— 2078、 TPLS— 2117、デスモサーム 217 0、デスモサーム 2265 (以上、住友バイエルウレタン社製、商品名)、コロネート 2512 、コロネート 2513、コロネート 2520 (以上、 日本ポリウレタン工業社製、商品名)等が 挙げられる。
[0092] また、エポキシィ匕合物としては、 1分子中にグリシジル基を 2個以上有するものとして 、ビスフエノール Α型、ビスフエノール F型、ビフエ二ル型、ビスフエノール S型、フエノ 一ルノボラック型、クレゾ一ルノボラック型、トリグリシジルイソシァネート型、ヘテロサイ クリック型、ビキシレノール型、テトラグリシジルキシレノィルェタン型等のエポキシィ匕 合物が挙げられる。巿販されているエポキシィ匕合物としては、例えば、ェピコート 828
、ェピコート 834、ェピコート 1004、ェピコート 152、 YL— 931、 YX— 4000、 YX— 8000 (以上、ジャパンエポキシレジン社製、商品名)、ェポトート YD— 011、 YD-0 12、 YD— 0127、 ZX— 1063 (以上、東都ィ匕成社製、商品名)、 EOCN— 1020、 E OCN— 4500、 CER— 1020、 XD— 1000、 NC— 3000、 CER— 3000L、 EPPN — 501H、 NC— 7000L、 GTR— 1800 (以上、 日本化薬社製、商品名)等が挙げら れるが、これらに限られるものではない。
[0093] ォキセタンィ匕合物としては、一分子中にォキセタン環を 2つ以上有するものが挙げ られ、具体的な例としては、ァロンォキセタンシリーズ (東亜合成社製、商品名)、エタ ナコールォキセタンシリーズ (宇部興産社製、商品名)等が挙げられる。ォキセタンィ匕 合物を用いる場合には、反応性が低いため、トリフエ-ルホスフィン等の硬化触媒を 用いてもよい。
[0094] また、ビスマレイミド化合物としては、分子中にマレイミド基を 2個以上有する化合物 であってもよぐ例えば下記一般式(7)で表されるものであってもよ 、。
[化 3]
式(7)中、 R
4は、アルキレン基、ァリーレン基、又はアルキレン基及びァリーレン基、 を含む 2価の基を示す。
[0095] 式(7)中、アルキレン基としては炭素数 1〜10のアルキレン基が好ましぐ炭素数 1 〜6のアルキレン基がより好まし!/、。ァリーレン基としては炭素数 6〜20のァリーレン 基が好ましぐ炭素数 6〜16のァリーレン基がより好ましい。また、アルキレン基及び ァリーレン基を含む 2価の基としては、下記一般式 (8)又は(9)で示されるものが好ま しい。
[化 4]
[0096] 上記式 (8)、(9)中、
R
9及び R
1C)はそれぞれ独立にアルキル基を示し、 R
7、 R
8、
1、 R
12、 R
13及び R
14は、それぞれ独立にアルキル基又はハロゲン原子を示す 。また、 n、 m、 o、 p、 q及び rはそれぞれ 1〜4の整数を示す。なお、 R
7、 R
8、 R
11, R
12 、 R
13及び R
14はそれぞれ同一でも異なって!/、てもよ!/、。
[0097] R6、 R9及び R1C)がアルキル基である場合、そのアルキル基としては炭素数 1〜1 0のアルキル基が好ましぐ炭素数 1〜5のアルキル基がより好ましぐ R7、 R8、 1、 R 12、 R13及び R14がアルキル基である場合、そのアルキル基としては炭素数 1〜: LOのァ ルキル基が好ましぐ炭素数 1〜5のアルキル基がより好ましい。
[0098] ビスマレイミド化合物の具体例としては、 1ーメチルー 2, 4 ビスマレイミドベンゼン 、 N, N,一m フエ-レンビスマレイミド、 N, N,一p フエ-レンビスマレイミド、 N, N,一m—トルイレンビスマレイミド、 N, N,一 4, 4,一ビフエ-レンビスマレイミド、 N, N'—4, 4, -〔3, 3,一ジメチル一ビフエ-レン〕ビスマレイミド、 N, N,一4, 4, -〔3 , 3,一ジメチルジフエ-ルメタン〕ビスマレイミド、 N, N,一4, 4, -〔3, 3,一ジェチル ジフエ-ルメタン〕ビスマレイミド、 N, N,一4, 4,一ジフエ-ルメタンビスマレイミド、 N , N,一 4, 4,—ジフエ-ルプロパンビスマレイミド、 N, N,— 4, 4,—ジフエ-ルエー テルビスマレイミド、 N, N,一3, 3,一ジフエ-ルスルホンビスマレイミド、 N, N,一4, 4,一ジフエ-ルスルホンビスマレイミド、 2, 2 ビス〔4— (4 マレイミドフエノキシ)フ ェ -ル〕プロパン、 2, 2 ビス〔3— t—ブチル 4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ- ル〕プロパン、 2, 2 ビス〔3 s ブチル 4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕 プロパン、 1, 1—ビス〔4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕デカン、 1, 1—ビス〔2 —メチルー 4— (4 マレイミドフエノキシ) 5— t—ブチルフエ-ル〕 2—メチルプロ
パン、 4, 4,—シクロへキシリデン—ビス —(4 マレイミドフエノキシ)—2— (1, 1 ージメチルェチル)ベンゼン〕、 4, 4'ーメチレン一ビス〔1一(4一マレイミドフエノキシ) - 2, 6 ビス(1, 1—ジメチルェチル)ベンゼン〕、 4, 4, 一メチレン一ビス〔1— (4— マレイミドフエノキシ)ー 2, 6 ジー s ブチルベンゼン〕、 4, 4,ーシクロへキシリデン 一ビス〔1一 (4一マレイミドフエノキシ)一 2 シクロへキシノレベンゼン、 4, 4'ーメチレ ンビス〔1 (マレイミドフエノキシ) 2 ノ-ルベンゼン〕、 4, 4,一(1ーメチルェチリ デン) ビス〔 1 - (マレイミドフエノキシ) 2, 6 ビス( 1 , 1 ジメチルェチル)ベンゼ ン〕、 4, 4,一(2 ェチルへキシリデン) ビス〔1 (マレイミドフエノキシ) ベンゼン 〕、 4, 4,一(1 メチルヘプチリデン) ビス〔1 (マレイミドフエノキシ) ベンゼン〕、 4, 4,一シクロへキシリデン一ビス〔1— (マレイミドフエノキシ) 3—メチルベンゼン〕、 2, 2 ビス〔4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕へキサフルォロプロパン、 2, 2— ビス〔3—メチル 4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕プロパン、 2, 2 ビス〔3— メチルー 4 (4 マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕へキサフルォロプロパン、 2, 2 ビ ス〔3, 5 ジメチルー 4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕プロパン、 2, 2 ビス〔3 , 5 ジメチルー 4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕へキサフルォロプロパン、 2 , 2 ビス〔3 ェチル 4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕プロパン、 2, 2 ビ ス〔3—ェチル 4— (4—マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕へキサフルォロプロパン、ビ ス〔3—メチルー(4—マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕メタン、ビス〔3, 5—ジメチルー(4 —マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕メタン、ビス〔3—ェチルー(4—マレイミドフエノキシ) フエ-ル〕メタン、 3, 8—ビス〔4— (4—マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕一トリシクロ〔5. 2. 1. 02, 6〕デカン、 4, 8 ビス〔4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕—卜リシク 口〔5. 2. 1. 02, 6〕デカン、 3, 9 ビス〔4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕一ト リシクロ〔5. 2. 1. 02, 6〕デカン、 4, 9 ビス〔4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ-ル 〕一トリシクロ〔5. 2. 1. 02, 6〕デカン、 1, 8 ビス〔4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ -ル〕メンタン、 1, 8 ビス〔3—メチル 4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕メン タン、 1, 8 ビス〔3, 5 ジメチル一 4— (4 マレイミドフエノキシ)フエ-ル〕メンタン などを挙げることができる。これらのビスマレイミドィ匕合物は常法により合成されてもよ ぐ市販品を用いてもよい。
[0099] これらのビスマレイミド化合物の中で、有害物質の生成を一層抑制する観点からは 、分子内にハロゲン原子を有しない化合物が好ましい。これらは 1種を単独で又は 2 種以上を組み合わせて用いることができる。
[0100] また、本実施形態の感光性榭脂組成物にお!ヽては、上述の A〜D成分及び E成分 に加えて、さらに (F) ; 350〜430nmの波長範囲を有する光を吸収して増感作用を 示す増感剤 (以下、「F成分」ともいう。)、及び/又は、(G) ;無機及び/又は有機フ イラ一 (以下、「G成分」ともいう。)を含有してもよい。
[0101] <F成分 >
F成分としては、 350〜430nmの波長範囲の光を吸収して増感作用を示す増感剤 であれば特に制限されず、例えば、 7-N, N—ジェチルァミノクマリン、 7—ジェチル アミノー 3—テノユルクマリン、 3, 3,—カルボ-ルビス(7— N, N—ジェチルァミノ)ク マリン、 3, 3,—カルボニルビス(7— N, N—ジメトキシ)クマリン、 3—チェニルカルボ -ル一 7— N, N—ジェチルァミノクマリン、 3—ベンゾイルクマリン、 3—ベンゾィルー 7-N, N—メトキシクマリン、 3- (4,一メトキシベンゾィル)クマリン、 3, 3,一カルボ -ルビス(5, 7—ジメトキシ)クマリン、 7—ジェチルァミノ一 4—メチルクマリン等のクマ リン系化合物、ベンゾフエノン、ベンザルァセトフエノン、 4,一 N, N—ジメチルァミノ ベンザルァセトフエノン、ジメチルァミノべンゾフエノン、ジェチルァミノべンゾフエノン( EAB)及び 4, 4,一ビス(N—ェチルー N—メチルァミノ)ベンゾフエノン(MEAB)等 が挙げられる。
[0102] < G成分 >
G成分の無機及び Z又は有機フィラーを用いることはコスト削減の観点から好まし い。 G成分の無機フィラーとしては、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、粉状酸 化ケィ素、無定形シリカ、タルク、クレー、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸カル シゥム、酸ィ匕アルミニウム、水酸ィ匕アルミニウム、雲母粉等の無機充填剤等が挙げら れる。
[0103] また、 G成分の有機フイラ一としては、例えば、ジァリルフタレート、ジァリルフタレー トプレポリマ、アクリルゴム、二トリルゴム(NBR)、シリコーン粉末、ナイロン粉末、エア 口ジル、オーペン、ベントン、モンモリロナイト等が挙げられる。
[0104] <各成分の比率 >
本実施形態の感光性榭脂組成物は、その全固形分の総量に対して、 A成分を 10 〜70質量%配合されていると好ましぐ 20〜60質量%配合されているとより好ましく 、 30〜50質量%配合されていると更に好ましい。 A成分の配合割合が 10質量%未 満であると、得られる感光性榭脂組成物の流動性が過剰に高くなつたり、あるいは感 光性榭脂組成物を乾燥させた後のタックが強くなつたりする傾向にある。 A成分の配 合割合が 70質量%を超えると、流動性が低くなつて導体回路の被覆性や密着性が 低下したり、また、感光性フィルムに用いた場合はタックが低くなり、フィルムの割れが 発生する傾向にある。
[0105] 本実施形態の感光性榭脂組成物は、上記全固形分の総量に対して、 B成分を 1〜 10質量%配合されていると好ましぐ 1. 5〜6質量%配合されているとより好ましぐ 2 〜5質量%配合されて 、ると更に好ま 、。 B成分の配合割合が 1質量%未満では、 十分な感度と所望のレジスト形状が得られ難くなる傾向にあり、 10質量%を超えると 、得られる硬化物のはんだ耐熱性等の諸特性を下げる傾向にある。
[0106] C成分の配合割合は、 B成分の総量 100質量部に対して 0. 1〜: LO質量部であると 好ましぐ 1〜5質量部であるとより好ましぐ 2〜4質量部であると特に好ましい。 C成 分の配合割合が 0. 1質量部未満では、感度が不足し良好な解像性が得られない傾 向にあり、 10質量部を超えると、はんだ耐熱性が低下する傾向にある。
[0107] 本実施形態の感光性榭脂組成物は、上記全固形分の総量に対して、 D成分を 1〜 60質量%配合されていると好ましぐ 5〜40質量%配合されているとより好ましぐ 10 〜30質量%配合されて 、ると更に好ま 、。 D成分の配合割合が 1質量%未満であ ると、組成物中の光重合性ビュル基濃度が低くなり、光感度ゃ耐現像液性、得られる 硬化膜の強度が十分に得られない傾向にあり、 60質量%を超えると、得られる硬化 物が脆くなつたり、感光性榭脂組成物を乾燥させた後のタックが強くなつたりする傾 I口」にある。
[0108] E成分を感光性榭脂組成物の材料として用いる場合、 E成分の配合割合は、上記 全固形分の総量に対して 1〜40質量%であると好ましぐ 5〜30質量%であるとより 好ましぐ 10〜25質量%であると更に好ましい。 E成分の配合割合が 1質量%未満
であると、得られる硬化物が脆くなり、十分な絶縁特性、強度が得られ難くなる他、基 板上に硬化物を形成する際に、基板との密着性が低下する傾向にある。 E成分の配 合割合が 40質量%を超えると、架橋密度が高くなり過ぎ、得られる硬化物の耐クラッ ク性が低下する傾向にある。
[0109] F成分を感光性榭脂組成物の材料として用いる場合のその配合割合は特に制限 はないが、感度及び解像度の観点から、上記全固形分の総量に対して 0. 01〜5質 量%であることが好ましぐ 0. 05〜2質量%であることがより好ましぐ 0. 1〜1質量% であることが更に好ましい。また、 i線露光する場合の 365nmの波長におけるモル吸 光係数と分子量とによって調整してもよい。例えば、良好な感度、解像度、及びレジ スト形状を得る観点からは、感光性榭脂組成物の乾燥物が 0. 1〜1. 0の光学密度を 有するように F成分の配合割合が調整されると好ま 、。
[0110] G成分を感光性榭脂組成物の材料として用いる場合のその配合割合は、上述又は 後述の本実施形態に係る感光性榭脂組成物の各機能を損なわな ヽ程度に、得られ る硬化物の他の部材との密着性、硬化性等を向上させる観点から上記全固形分の 総量に対して 70質量%以下であると好ましい。
[0111] 本実施形態の感光性榭脂組成物は、 B成分とは異なる光重合開始剤を含有しても よい。そのような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフエノン系、ァセトフエノン系 、ベンゾインエーテル系、ケタール系、ァシルホスフィンオキサイド、パーオキサイド系 、チタノセン系などのラジカル光重合開始剤が挙げられる。より具体的には、ベンゾフ ェノン、 4, 4,一ビス(ジメチルァミノ)ベンゾフエノン、 4, 4,一ビス(ジェチルァミノ)ベ ンゾフエノン、 4—メトキシ一 4'—ジメチルァミノべンゾフエノン、 2 ベンジル一 2 ジ メチルアミノー 1一(4 モルフォリノフエ-ル)一ブタノン一 1、 2—メチルー 1— [4— ( メチルチオ)フエ-ル]— 2—モルフォリノプロパン一 1—オン、 2, 2—ジメトキシ一 1, 2—ジフエニルェタン一 1—オン、 2—ェチルアントラキノン、フエナントレンキノン等の 芳香族ケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインェチルエーテル、ベンゾインフ ェ-ルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、ェチルベンゾイン等の ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体; 9 フエ-ルァクリジン 、 1, 7 ビス(9, 9'—アタリジ-ル)ヘプタン等のアタリジン誘導体などが挙げられる
[0112] 本実施形態の感光性榭脂組成物は、メラミンィ匕合物若しくはトリアジンィ匕合物又は それらの誘導体を密着性向上剤として更に含有すると、得られる硬化物の銅等の金 属との密着性を高める観点力も好ましい。密着性向上剤としては、例えば、メラミン、 ァセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン一フエノール一ホルマリン榭脂、ェチルジ アミノー S—トリァジン、 2, 4 ジアミノー S—トリアジン、 2, 4 ジアミノー 6 キシリノレ —S トリァジン、ジシアンジアミド等が挙げられる。市販品としては、 2MZ— AZINE 、 2E4MZ— AZINE、 C11Z— AZINE、 2MA— OK (以上、四国化成工業社製、商 品名)等が挙げられる。これらの密着性向上剤は感光層と銅等の金属回路との密着 性を高めることにより耐 PCT性を向上させるのみでなぐ耐電食性を向上させる効果 を発揮する。これらの密着性向上剤は、感光性榭脂組成物の他の機能を損なわない 程度に上記密着性を向上させる観点から、感光性榭脂組成物の全量に対して 0. 1 〜: LO質量%配合されて ヽると好ま ヽ。
[0113] また、本実施形態の感光性榭脂組成物は、更に必要に応じて、フタロシアニンブル 一、フタロシアニングリーン、アイォジングリーン、ジスァゾイェロー、酸化チタン、カー ボンブラック、ナフタレンブラック等の着色剤;ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチル エーテル、 tert—ブチルカテコール、ピロガロール、フエノチアジン等の重合禁止剤; ベントン、モンモリロナイト、エア口ジル、アミドワックス等のチキソ性付与剤;シリコーン 系、フッ素系、高分子系等の消泡剤;レべリング剤;イミダゾール系、チアゾール系、ト リアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤のような各種添加剤を含有し てもよい。
[0114] また、本実施形態の感光性榭脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、 n—プロパノール、 i—プロパノール、 n—ブタノール、 n—ペンタノール、へキサノール 等の脂肪族アルコール;ベンジルアルコール等の芳香族アルコール;シクロへキサン 、トルエン等の炭化水素;ジアセトンアルコール、 3—メトキシ 1ーブタノール、ァセト ン、メチルェチルケトン、メチルプロピルケトン、ジェチルケトン、メチルイソブチルケト ン、メチルペンチルケトン、メチルへキシルケトン、ェチルブチルケトン、ジブチルケト ン、シクロペンタノン、シクロへキサノン、 γ ブチロラタトン、 3 ヒドロキシ 2 ブタ
ノン、 4—ヒドロキシ一 2—ペンタノン、 6—ヒドロキシ一 2—へキサノン、エチレングリコ ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレンダリコール、プロ ピレングリコーノレ、エチレングリコーノレモノアセテート、エチレングリコールジァセテー ト、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、メチルセ ロソノレブ、ェチノレセロソノレブ、ブチノレセロソノレブ、フエニノレセロソノレブ、エチレングリコ ーノレジメチノレエーテノレ、エチレングリコーノレジェチノレエーテノレ、エチレングリコーノレジ ブチノレエーテノレ、メチルセ口ソルブアセテート、ェチルセ口ソルブアセテート等のェチ レングリコールアルキルエーテル及びそのアセテート;ジエチレングリコールモノアル キルエーテル及びそのアセテートジエチレングリコールジアルキルエーテル;トリェチ レングリコールアルキルエーテル;プロピレングリコールアルキルエーテル及びそのァ セテート;ジプロピレングリコールアルキルエーテル;ギ酸ェチル、ギ酸プロピル、ギ酸 ブチル、ギ酸ァミル、酢酸メチル、酢酸ェチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオ ン酸メチル、プロピオン酸ェチル、酪酸メチル、酪酸ェチル等のカルボン酸エステル 類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジォキサン、テトラヒドロフラン、乳酸 メチル、乳酸ェチル、安息香酸メチル、安息香酸ェチル、炭酸プロピレンなどの溶剤 又はこれらの混合溶剤に適当な配合割合で溶解して粘度を調整することができる。
[0115] 以上説明した本発明の好適な実施形態に係る感光性榭脂組成物は、十分に高い 光感度及び解像度を有するものであり、波長 405nm付近の(最大波長が 390nm以 上 440nm未満の範囲内にある)光に対しても従来のものに比して優れた感度や解 像度を有する傾向にある。さら〖こは、この感光性榭脂組成物を用いて形成した感光 層は、はんだ耐熱性及び無電解 NiZAuめっき等のめっきに対する耐性に十分に優 れた傾向にある。また、その感光層は、プレッシャータッカーテスト(PCT)、温度サイ クル試験 (TCT)、超加速高温高湿寿命試験 (HAST)等の耐久性試験につ!ヽても 十分に良好な結果を示す。
[0116] また、本発明の感光性榭脂組成物は、ハロゲン原子を有しない成分のみを用いて も、十分に高 、光感度でソルダーレジスト等の硬化物を形成することが可能である。 し力も、その硬化物を十分に高い解像度で形成でき、さらには、硬化物のはんだ耐 熱性を十分に優れたものとすることができる。したがって、本実施形態の感光性榭脂
糸且成物はダイォキシン等のハロゲン起源の有害物質の生成を十分に抑制できること から、地球環境保全の観点からも非常に優れている。
[0117] 本発明の感光性榭脂組成物は、リジッド及びフレキシブルプリント配線板、並びに B GA、 CSP、 TCP等のパッケージ用のソルダーレジスト、フォトビア法に用いる感光性 榭脂コート層、あるいは、多層材のビルドアップ材として特に有用である力 その他に も塗料、ガラス、セラミック、プラスチック、紙等のコーティング材にも使用できる。
[0118] 次に、本発明の永久レジスト用感光性フィルムの好適な実施形態について説明す る。図 1は、本実施形態の永久レジスト用感光性フィルムを示す模式断面図である。 図 1に示す永久レジスト用感光性フィルム 1は、支持体 11と、該支持体上に形成され た上記感光性榭脂組成物を含有する感光層 12と、感光層 12上に積層されたカバー フイノレム 13と、を備えるものである。
[0119] 支持体 11としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミド フィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のプ ラスチックフィルムを用いることが好ましい。ここで、支持体の厚さについては、 10〜1 50 μ mの範囲で適宜選択される。
[0120] 感光層 12は、少なくとも上記感光性榭脂組成物をその成分とするものである。その 厚さについては特に制限はないが、乾燥後の厚さで 1〜: LOO mの範囲であると好 ましい。感光層 12は、固形分 30〜70質量%程度の溶液に調製した感光性榭脂組 成物をコンマコータ、ブレードコータ、リップコータ、ロッドコータ、スクイズコータ、リノく ースコータ、トランスファロールコータ等で支持体 11上に均一な厚さに塗布し、加熱' 乾燥して溶剤を揮発させて形成することができる。
[0121] カバーフィルム 13としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、テフロン
(登録商標)フィルム、表面処理した紙等が挙げられる。カバーフィルム 13は、感光層 12と支持体 11との接着力よりも感光層 12とカバーフィルム 13との接着力が小さ!/、も のであると好ましい。
[0122] 上記永久レジスト用感光性フィルムを保管する際には、接着剤表面を保護するため の剥離可能なカバーフィルム 13を重ねて巻き取ることが好まし 、。
[0123] 感光層 12を基板又はプリント配線板に重ね、ホットロールラミネーター等を用いて
張り合わせることで、基板又は配線板上に感光層 12を容易に形成することができる。 この感光層 12の厚さにつ!/、ては特に制限はなぐ通常 10〜 150 mの範囲で適宜 選択される。
[0124] 形成された感光層 12の露光及び現像は常法により行うことができる。例えば、光源 として超高圧水銀灯や高圧水銀灯等を用い、感光層 12上に直接、又はポリエチレン テレフタレートフィルム等の透明フィルムを介し、ネガマスクを通して像的に露光する ことができる。露光後透明フィルムが残っている場合には、これを剥離した後現像す るとよ 、。
[0125] また、感光層 12は、印刷法、炭酸ガスレーザ、 YAGレーザ、エキシマレーザ等を 用いたレーザ穴明け法等で像的樹脂膜を形成することも可能である。
[0126] 上述した永久レジスト用感光性フィルムは、十分に優れたはんだ耐熱性を有してお り、十分に高い光感度及び十分に高い解像度の両方を満足することができる。波長 4 05nm付近の光に対してもこの感光性フィルムは、従来のものに比して優れた感度や 解像度を有する傾向にある。さら〖こは、この感光性フィルムは、無電解 NiZAuめっき 等のめっきに対する耐性に十分に優れた傾向にある。また、この感光性フィルムは、 プレッシャータッカーテスト (PCT)、温度サイクル試験 (TCT)、超加速高温高湿寿 命試験 (HAST)等の耐久性試験にっ ヽても十分に良好な結果を示す。
[0127] また、本発明の感光性フィルムは、ハロゲン原子を有しない成分のみ力もなるもの であっても、十分に高 、光感度でソルダーレジスト等の硬化物を形成することが可能 である。しかも、その硬化物を十分に高い解像度で形成でき、さらには、硬化物のは んだ耐熱性を十分に優れたものとすることができる。したがって、本実施形態の感光 性フィルムはダイォキシン等のハロゲン起源の有害物質の生成を十分に抑制できる ことから、地球環境保全の観点からも非常に優れている。
[0128] 続いて、本発明のレジストパターンの形成方法の好適な実施形態について説明す る。本実施形態のレジストパターンの形成方法は、絶縁基板と該絶縁基板上に形成 された回路パターンを有する導体層とを有する積層基板の絶縁基板上に、導体層を 覆うように、上記感光性榭脂組成物を含有する感光層を形成し、該感光層の所定部 分に活性光線を照射して露光部を形成し、次いで、該露光部以外の部分を除去する
ものである。
[0129] 感光層の形成方法としては、上記本実施形態の感光性榭脂組成物を直接塗工す る力、上記永久レジスト用感光性フィルムにおける感光層を加熱しながら絶縁基板に 圧着して積層する形成方法が例示できる。したがって、基板上に形成された感光層 は、感光性榭脂組成物が溶剤等の揮発成分を含む場合は、溶剤の大部分が除去さ れた後の成分が主成分となる。
[0130] この後、感光層の所定部分に活性光線を操作しながら照射して露光部を形成する 。露光部を形成する方法としては、 LDI方式で活性光線を照射する方法、 DLP方式 で活性光線を照射する方法等が挙げられる。
[0131] 活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧 水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するもの、写真用フラ ッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものが挙げられるが、イエローラ ンプ等の黄色光を有効に放射するものであってもよい。特に、最大波長が 390nm以 上 440nm未満の範囲内にあるレーザ光線、さらには波長 405nm (h線)のレーザ光 線を照射可能なものであると、従来のものに比して、本発明の感光性榭脂組成物が より十分高感度かつ高解像度で硬化する傾向にある。かかるレーザ光線を用いた場 合は、上述した DLP技術を用いることができる。
[0132] 露光後、アルカリ性水溶液 (アルカリ現像液)を用い、例えば、スプレー、揺動浸漬 、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により露光部分以外の部分を除去して 現像を行い、レジストパターンを形成する。なお、レジストパターン形成後に、 1〜5J Zcm2の露光又は Z及び 100〜200°C、 30分〜 12時間の加熱(後加熱工程)によ る後硬化を更に行ってもよい。
[0133] 現像処理に用いられる現像液は、アルカリ現像液を標準としたが、露光部にダメー ジを与えず、未露光部を選択的に溶出するものであれば、その種類については特に 制限はなぐ榭脂組成物の現像タイプによって決定され、準水系現像液、溶剤現像 液等一般的なものを用いることができる。例えば、特開平 7— 234524号公報に記載 されるような水と有機溶剤とを含むェマルジヨン現像液を使用することができる。特に 有用なェマルジヨン現像液としては、例えば、有機溶剤成分としてプロピレングリコー
ノレモノメチノレエーテノレアセテート、エチレングリコーノレェチノレエーテノレアセテート、 2, 2—ブトキシエトキシエタノール、乳酸ブチル、乳酸シクロへキシル、安息香酸ェチル 、 3—メチル—3—メトキシブチルアセテート等の有機溶剤を 10〜40質量0 /0含有する ェマルジヨン現像液を挙げることができる。また、アルカリ現像液を用いる場合には、 水酸ィ匕カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸ナトリウム、ケィ 酸ナトリウム、 4一ホウ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液と上記有 機溶剤とのェマルジヨン現像液を用いることもできる。
[0134] 上述の方法によって、回路パターンが形成された導体層上に積層された感光層に 、レジストパターンの形成を行うことができる。レジストパターンの形成された感光層は 、実装部品の接合時に、導体層上の不必要な部分へのはんだの付着を防ぐソルダ 一レジストとして用いることができる。
[0135] 上述のソルダーレジストは、上記本実施形態の感光性榭脂組成物又は永久レジス ト用感光性フィルムを用いたものであるため、機械的特性、特に引張強度が十分に 高いものとなる。
[0136] 次に、本発明のプリント配線板の好適な実施形態について説明する。図 2は、本実 施形態のプリント配線板を示す模式断面図である。図 2に示すプリント配線板 2は、絶 縁基板 22と、絶縁基板 22の一方面上に形成された回路パターンを有する導体層 23 と、絶縁基板 22の他方面上に形成された回路パターンを有しない導体層 21と、回路 ノターンを有する導体層 23を覆うように絶縁基板 22上に形成された永久レジスト層 2 41と、を備えている。また、永久レジスト層 241は、上記感光性榭脂組成物の硬化物 からなり、永久レジスト層 241は、回路パターンを有する導体層 23の少なくとも一部 が露出するように開口部 26を有して 、る。
[0137] プリント配線板 2は、開口部 26を有しているため、 CSPや BGA等の実装部品を、回 路パターンを有する導体層 23にはんだ等により接合することができ、いわゆる表面実 装が可能となる。永久レジスト層 241は、接合のためのはんだ付けの際に、導体層の 不必要な部分にはんだが付着することを防ぐためのソルダーレジストとしての役割を 有しており、また、実装部品接合後においては、導体層 23を保護するための永久マ スクとして機能する。
[0138] 次に、プリント配線板 2の製造方法の一例について、概略的に説明する。図 3は、図 2に示したプリント配線板 2の製造方法について模式的に示す工程図である。なお、 図 3の(a)は一方面に回路パターンを有する導体層 23と他方面に回路パターンを有 しない導体層 21とを備える絶縁基板 22であり、図 3の(b)、図 3の(c)及び (d)は、そ れぞれ絶縁基板 22上へ感光層 24を積層した後のプリント配線板 4、感光層 24へ活 性光線を照射している様子及び現像後のプリント配線板 2を示す。
[0139] まず、両面金属積層板 (例えば、両面銅張積層板等)の片面をエッチングする公知 の方法等により、図 3の(a)に示すように絶縁基板 22上に導体層 23のパターンを形 成させ、導体層 23が形成されたプリント配線板 3を得る。次に、図 3の (b)に示すよう に導体層 23が形成されたプリント配線板 3上に、導体層 23を覆うようにして本実施形 態に係る永久レジスト用感光性フィルムの感光性榭脂組成物を含有する感光層 24を 形成し、感光層 24が形成されたプリント配線板 4を得る。次に、図 3の(c)に示すよう に積層された感光層 24にレーザ光線 5を移動させつつ照射することにより、感光層 2 4の所定部分を硬化させる。最後に、未露光部を除去 (例えばアルカリ現像等)するこ とによって、図 3の(d)に示すように開口部 26を有する永久レジスト層 241を形成させ ることでプリント配線板 2を得る。なお、永久レジスト層 241は、感光性榭脂組成物が 有機溶剤等の揮発成分を含有して ヽる場合は、カゝかる揮発成分の大部分が除去さ れた後の感光性榭脂組成物の硬化物である。
[0140] なお、絶縁基板 22上への感光層 24の積層、活性光線の照射及び未露光部の除 去は、上述のレジストパターンの形成方法における場合と同様の方法により行うこと ができる。
[0141] このようにして得られたプリント配線板 2における永久レジスト層 241は、本実施形 態の感光性榭脂組成物の硬化物を含むものであるので、十分に高解像度の形状を 有するものであり、し力もはんだ耐熱性にも十分優れたものとなる。
[0142] 以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に 限定されるものではない。例えば、本発明の感光性榭脂組成物は、マイクロビアの 1 種であるフォトビアの形成に用いることもできる。すなわち、本発明に係る感光層をコ ァ基板上に形成した後、マスクを用いて、 UV等の光照射で一括露光、現像すること
により、フォトビアが形成される。このフォトビアは本発明の感光性榭脂組成物力ゝら形 成されるので、機械的特性、特に引張強度が十分に高いものとなる。
[0143] また、上述の感光性榭脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、プリント配線板な どは、従来の感光性榭脂組成物などと同様に、半導体素子に用いることができる。本 発明の感光性榭脂組成物等を用いて形成される半導体素子は、機械的特性に十分 優れるものであり、さらには耐熱衝撃性や耐電食性に優れる傾向にある。
実施例
[0144] 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に 限定されるものではない。
[0145] [実施例 1〜20、比較例 1〜7の感光性榭脂組成物の調製]
実施例 1〜 20及び比較例 1〜 7の感光性榭脂組成物については、それぞれ以下に 示す化合物を表 1又は表 2に記載の配合割合 (単位:質量部)で混合し、それぞれ感 光性榭脂組成物を調製した。なお、表 1及び表 2において、固形分を溶剤に混合し た状態の市販品の配合割合は、固形分換算での配合割合を示す。また、 E— 2のビ スマレイミドィ匕合物を用いた場合の実施例及び比較例においては、加熱によりラジカ ルを発生してビスマレイミド化合物による反応を開始させ、かつ潜在性を付与するた めの成分として、有機過酸ィ匕物(商品名;パーへキシン 25B、 日本油脂社製)を 2. 1 質量部配合した。
[0146] <A成分 >
A— 1 :メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸ェチル及びスチレンの共重合体 (重量平均分子量 70000、酸価 170mgKOHZg、メタクリル酸:メタクリル酸メチル: アクリル酸ェチル:スチレン = 26 : 34 : 20 : 20 (質量比) )
A- 2:テトラヒドロキシ無水フタル酸変性エポキシアタリレート(商品名; ZFR— 118 5、 日本化薬社製)
A— 3:テトラヒドロキシ無水フタル酸変性ポリエステル(重量平均分子量 34000、固 形分 62%、酸価 130mgKOH,g)
[0147] (A— 1の合成)
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに
、質量比 3 : 2であるメチルセ口ソルブ及びトルエンの混合溶媒 400gを加え、窒素ガス を吹き込みながら撹拌し、 80°Cまで加熱した。一方、共重合単量体としてメタクリル酸 130g、メタクリル酸メチル 170g、アクリル酸ェチル 100g及びスチレン 100gと、ァゾ ビスイソプチ口-トリル 1. 6gとを混合した混合液 (以下、「混合液 a」という)を用意し、 上記混合溶媒に混合液 aを 4時間かけて滴下した後、撹拌しながら 80°Cで 2時間保
¾Lしプ
[0148] 次!、で、上述とは別に用意した質量比 3: 2であるメチルセ口ソルブ及びトルエンの 混合溶媒 100gにァゾビスイソプチ口-トリル 1. 2gを溶解した溶液を、 10分かけて上 記フラスコ内に滴下した。滴下後の混合物を撹拌しながら 80°Cで 3時間保温した後、 30分間かけて 90°Cまで昇温した。 90°Cで 2時間保温した後、冷却することにより、バ インダーポリマー溶液を得た。このバインダーポリマー溶液に、アセトンをカ卩え、不揮 発成分(固形分)を 50質量%になるように調製したものを A—1成分とした。なお、重 量平均分子量は、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー法によって測定し、標準ポ リスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。 GPCの条件は、以下に示 す。
[0149] (GPC条件)
ポンプ:日立 L— 6000型(日立製作所社製、商品名)
カラム: Gelpack GL-R420 + Gelpack GL-R430 + Gelpack GL-R 440 (計 3本)(以上、 日立化成工業社製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度: 25°C
流量: 2. 05mLZ分
検出器:日立 L— 3300型 RI (日立製作所社製、商品名)
[0150] <A— 3の合成 >
まず、攪拌機、還流冷却機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ビス フエノール A型エポキシ榭脂(商品名; YD— 011、東都化成社製、エポキシ当量 47 9gZeq、商品名) 182. 7質量部、シクロへキサノン 64. 0質量部及びトルエン 30. 0 質量部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、 130°Cに加熱した状態で攪拌すること
により、エポキシ榭脂に含まれる水分の還流脱水を行った。
[0151] 次いで、これにテトラヒドロフタル酸 (新日本理ィ匕社製) 34. 9質量部と N, N ジメ チル— p トルイジン(pKa5. 6、三星化学社製) 3. 6質量部とを添カ卩し、 140°Cで 4 時間保温した。さらに、テトラヒドロ無水フタル酸 (新日本理ィ匕社製) 108. 0質量部を 添加し、 120°Cで 3時間保温させることにより、テトラヒドロキシ無水フタル酸変性ポリ エステル榭脂を得た。その後、該ポリエステル榭脂をメチルェチルケトン 127. 0質量 部で希釈し A— 3成分とした。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーシヨンクロマ トグラフィ一法によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することによ り導出した。 GPCの条件は、以下に示す。
[0152] (GPC条件)
ポンプ:日立 L— 6000型(日立製作所社製、商品名)
カラム: Gelpack GL— S300MDT— 5 (計 2本)(以上、 日立化成工業社製、商品 名)
+ジン 0. 06M +臭ィ匕!;チクム 0. 06M
測定温度: 25°C
流量: 1. OmLZ分
検出器:日立 L— 4000型 UV (日立製作所社製、商品名)
[0153] < B成分 >
B— 1 : 2, 2,一ビス(2—メチルフエ-ル)一 4, 4,, 5, 5,一テトラフエ-ル一 1, 1, ビイミダゾール (黒金化成社製)
B— 2 : 2, 2,一ビス(2—メトキシフエ-ル)一 4, 4,, 5, 5,一テトラフエ-ル一 1, 1, —ビイミダゾール(HAMPFORD RESEARCH, INC.社製)
B— 3 : 2, 2,一ビス(2—メチルエステルフエ-ル)一 4, 4,, 5, 5,一テトラフエ-ル 1 , 1,一ビイミダゾール (黒金化成社製)
B— 4 : 2, 2,一ビス(2 -トロフエ-ル)一 4, 4,, 5, 5,一テトラフエ-ル一 1, 1,一 ビイミダゾール (黒金化成社製)
B— 5: 2— ( 1 ナフチル) 4, 5 ジフエ-ル—1, 2,—ビイミダゾール(HAMPF
ORD RESEARCH, INC.社製;)
B— 6 : 2, 2,一ビス(2—クロ口フエ-ル)一 4, 4,, 5, 5,一テトラフエ-ル一 1, 1,一 ビイミダゾール (商品名; B— CIM、保土谷化学社製)
[0154] < B成分以外の光重合開始剤 >
X— 1 : 2—ベンジル一 2—ジメチルァミノ一 1— (4—モルフォリノフエ-ル)一ブタノ ン— 1 (商品名;ィルガキュア— 369、チバ 'スぺシャリティ'ケミカルズ社製)
X— 2: 2—メチル— 1— [4— (メチルチオ)フエ-ル]— 2—モルフォリノプロパン— 1 —オン (商品名;ィルガキュア— 907、チバ 'スぺシャリティ'ケミカルズ社製)
X— 3 :ビス(7? 5—2, 4—シクロペンタジェン一 1—ィル)一ビス(2, 6—ジフルォロ —3— (1H—ピロール— 1—ィル)—フエ-ル)チタニウム(商品名;ィルガキュア— 78 4、チバ 'スぺシャリティ'ケミカルズ社製)
[0155] < C成分 >
N—フエ二ノレグリシン
[0156] < D成分 >
D—1 :ジペンタエリスリトールへキサアタリレート(商品名; DPHA、日本化薬社製) D— 2 :ビスフエノーノレ Aポリオキシエチレンジメタタリレート(商品名; FA321M、日 立化成工業社製)
[0157] <E成分 >
E—1 :ブロックイソシァネート化合物(商品名; BL— 3175、住化バイエルウレタン 社製)
E— 2 : 2, 2—ビス [4— (4— N—マレイミドフエノキシ)フエ-ル]プロパン(商品名; BBMI、日立化成工業社製)
E— 3 :ビスフエノール F型エポキシィ匕合物(商品名; ESLV— 80XY、新日鐡化学 社製)
Ε—4 :ビフエ-ル型エポキシ化合物(商品名; ΥΧ— 4000、ジャパンエポキシレジ ン社製)
Ε— 5:テトラグリシジルキシレノィルェタン型エポキシ化合物(商品名; GTR— 180 0、 日本化薬社製)
E— 6:ビフエ-ル型ォキセタン化合物(商品名;エタナコール OXBP、宇部興産社 製)
[0158] <F成分 >
F— 1:ジェチルァミノべンゾフエノン(EAB)
F— 2:2, 4—ジェチルチオキサントン(商品名;カャキュア DETX— S、 日本化薬社 製)
F— 3:7—ジェチルァミノ— 4—メチルクマリン (商品名; Cl、東京化成工業社製) [0159] <G成分 >
硫酸バリウム、無定形シリカ及びタルクの混合物 (硫酸バリウム:シリカ:タルク =42: 53 :5 (質量比))
[0160] <顔料 >
フタロシアニンブルー
[0161] <密着性向上剤 >
ジシアンジアミド
[0162] <溶剤 >
溶剤 1:メチルェチルケトン
溶剤 2:ジメチルホルムアミド
[0163] [表 1]
種類 成分 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
A— 1 30 (固形分量) 50,分量 I
A成分 A-2 40 (固形分量) ― 50(固瞷 ― 40 (固形分量)
A-3 ― ― ― a (画) 30 (固形分量)
B-1 4 ― ― ― ― 4 ― 4 ― 4 ― 4 4 4 4 4 4 4 4 4
B-2 ― 4 ― ― ― ― 4 ― 4 ― 4 ― ― ― ― ― ― ― ― ―
B成分 B-3 4
B-4 4
B-5 4
C成分 0. 1
D-1 20
D成分
D-2 ― 20
E-1 30 30 30 30 30 ― ― ― ― 30 30
E-2 20 20 ― ― 20 20
E-3 40 40
E成分
E-4 20 20 20 20 ― ― 20 20 20
E-5 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 20 ― ― ― ―
E-6 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 20 ― ― ―
F-1 0.5 ―
F成分
F-3 0.8
G成分 45
顔料 0.5
密着性向上剤 0.4
溶剤 1 40 60
溶剤 2 30 ―
比較例
1 2 3 4 5 6 7
A- 1 30 (固形分量)
A成分
A-2 40 (固形分量 :)
B- 6 ― ―
B成分 _ 4 _ ― _
B- 1 4
X- 1 4 _ _ ― 4 ― _
B成分以外の光
X- 2 ― 4 ― 4
重合開始剤
X- 3 ― 4 ―
C成分 ― _ 0. 1 ― _ ― 0. 1
D成分 20
E- 1 30 30 30 30 _ ― _
E成分 E-2 20 20 20 20 _ ― _
E-3 ― _ _ ― 40 40 _
F- 1 0. 1 0. 1 ― 0. 1 0. 1
F成分 _ _
F-2 0. 5 0. 5 一 一 0. 5 0. 5 一
G成分 45
顔料 0. 5
密着性向上剤 0. 4
溶剤 1 40
溶剤 2 30
[0165] [感光性フィルムの作製]
次いで、得られた感光性榭脂組成物を 16 mの膜厚を有するポリエチレンテレフタ レート(PET)フィルム上に均一に塗布し、 95°Cの熱風対流式乾燥機で 10分間乾燥 して溶剤を除去して感光層を形成した。続いて、膜厚 25 mのポリエチレンフィルム を保護フィルムとして上記感光層上に貼付し、それぞれ実施例 1〜20及び比較例 1 〜7に係る感光性フィルムを得た。なお、感光層の乾燥後の膜厚は 30 mであった。
[0166] [光感度及び解像度の評価]
続いて、上述の各感光性フィルムを用いて、光感度及び解像度を評価した。
[0167] まず、ガラス布基材エポキシ榭脂両面銅張積層板 (銅箔の厚さ 18 μ m、両面粗ィ匕 箔を両面に有する積層板、 日立化成工業社製、商品名; MCL— E— 679)を # 600 相当のブラシを持つ研磨機 (三啓社製)により研磨し、水洗後、空気流で乾燥した。 次いで、上述の感光性フィルムのポリエチレンフィルムを剥離した後、プレス式真空ラ ミネータ (名機製作所社製、商品名; MVLP— 500)を用いて、上板温度 50°C、下板 温度 50°C、真空度 5hPa以下、プレス時間 30秒の条件の下、上記の研磨された両 面銅張積層板の片面上に、該感光性フィルムを、感光層側の面を対向させた状態で
熱圧着して積層体を得た。
[0168] 続!、て、 400nm付近より短!、波長の光をカットするシャープカットフィルターを、高 圧水銀灯ランプを有する露光機 (オーク製作所社製、商品名; EMX—1201)のマイ ラー PET上に設置した。そして、そのシャープカットフィルターを介して、所定のエネ ルギー量で感光性フィルム側から積層体の露光を行った。
[0169] このとき、スト一ファー 21段ステップタブレット(イーストマンコダック社製)を有するフ オトツールと、ライン幅 Zスペース幅が 30Z400〜200Z400 (単位: m)の所定の 配線パターンを有するネガマスクとを積層体の PETフィルム上に密着させ、 21段ステ ップタブレットの残存ステップ数が 8段となるエネルギー量を所定のエネルギー量とし て露光を行った。
[0170] 光感度はこのエネルギー量の数値により評価した。この数値が小さいほど光感度に 優れていることを意味する。結果を表 3、 4に示す。なお、表 3、 4中「ハロゲン」は、感 光性榭脂組成物中にハロゲン原子を有する成分が含有されて!ヽるか否かを示してお り、「有」はハロゲン原子を有する成分が含有されていることを意味し、「無」は含有さ れていないことを意味する。
[0171] [表 3]
実施例
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 光感度
230 280 350 310 380 450 550 260 300 330 380 210 210 210 230 230 230 230 80 150
(mJ/cm2)
解像度( m) 40 40 40 40 40 45 45 40 40 45 45 40 40 40 40 40 40 40 40 40 ハロゲン 4tff 4tff tff- 4tff ^ 4tff 4tff 4tff 4tff- 4tff to 4tff 4tff 4tff はんだ耐熱性 A A A A A A A A A A A A A A A A B A A A 耐無電解 NiZAu
A A A A A B B A A A A A A A A A B A A A
めっき性
耐 PCT性 A A A A A A A A A A A A A A A B B A A A 耐熱衝撃性 A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A 耐電食性 A A A A A A A A A A A A A A A A B A A A 黄色光照射に
A A A A A A A C C A A A A A A A A A A A
対する安定性
比較例
1 2 3 4 5 6 フ
光感度
1 600 2200 250 440 800 1 1 00 260
(mJ/cm2)
解像度(/ m) 80 1 00 40 40 70 80 40
ハロゲン to 有 to
はんだ耐熱性 A A A B A A c
耐無電解 A A A A A A B
NiZAuめっき性
耐 PCT性 A A A A A A C
耐熱衝撃性 A A A A A A c
耐電食性 B B A B A A B
黄色光照射に A A A B C C A
対する安定性
[0173] 露光後、積層体を更に室温、大気中で 10分間静置した後、積層体力も PETフィル ムを剥離し、 30°Cの 1質量0 /0炭酸ナトリウム水溶液で感光層に 60秒間スプレーし、 未露光部分を除去して現像を行った。現像後に得られる積層体に、紫外線照射装置 (オーク製作所社製、商品名; QRM— 2317— F— 00)を用いて、 ljZcm2の紫外線 を照射し、その後、大気中、 160°Cで 1時間加熱処理を施し、永久レジスト層を形成 した。
[0174] この永久レジスト層のパターンを光学顕微鏡により観察し、ライン及びスペースの両 方を確認できる最小のライン幅 m)により解像度を評価した。この数値が小さいほ ど解像度に優れることを意味する。結果を表 3 4に示す。
[0175] [評価基板の作製]
まず、上述の [光感度及び解像度の評価]におけるものと同様にして熱圧着まで行 い積層体を得た。次いで、室温、大気中でその積層体を 1時間以上静置した後、ライ ン幅 Zスペース幅が 30Z400 200Z400(単位: μ m)の所定の配線パターンを 有するネガマスクを積層体の PETフィルム上に密着させた。そして、露光機 (オーク 製作所社製、商品名; EMX— 1201)を用い、上述のシャープカットフィルターを介し て、上記所定のエネルギー量で感光性フィルム側から積層体の露光を行った。
[0176] 露光後、積層体を更に室温、大気中で 10分間静置した後、 PETフィルムを剥離し
30°Cの 1質量%炭酸ナトリウム水溶液で感光層に 40秒間スプレーし、未露光部分 を除去して現像を行った。現像後に得られる積層体に、紫外線照射装置 (オーク製
作所社製、商品名; QRM— 2317— F— 00)を用いて、 lj/cm2の紫外線を照射し 、その後、大気中、 160°Cで 1時間加熱処理を施し、永久レジスト層を形成した。こう して、ガラス布基材エポキシ榭脂からなる絶縁基板の一方の面に回路パターンを有 しな 、導体 (銅)層、他方の面に所定の配線パターンを有する導体層をそれぞれ備 え、更に所定の配線パターンを有する導体層上に同様の配線パターンを有する永久 レジスト層を具備した評価基板を得た。
[0177] [はんだ耐熱性の評価]
上述のようにして得られた評価基板に、ロジン系フラックス(MH— 820V、タムライ匕 研社製、商品名)を塗布した後、 260°Cのはんだ浴中に 10秒間浸漬した後はんだ浴 力も取り出す操作を 3回繰り返してはんだ処理を行った。このようにしてはんだめつき を施された評価基板の永久レジスト層の浮き、膨れ及び剥離程度を目視により観察 し、次の基準で評価した。すなわち、永久レジスト層の浮き、膨れ及び剥離を確認で きなかったものは「A」、それらの!/、ずれかを少しの部分で確認できたものは「B」、そ れらのいずれかを多くの部分で確認できたものは「C」とした。結果を表 3、 4に示す。
[0178] [耐無電解 NiZAuめっき性の評価]
得られた評価基板を、無電解 Niめっき液 (メルプレート NI— 865T、メルテックス社 製、商品名)の入った 85°Cのめつき槽に 15分間浸漬し、続いて、無電解 Auめっき液 (メルプレート AU— 601、メルテックス社製、商品名)の入った 90°Cのめつき槽に 10 分間浸漬してめつき処理を行った。このようにして無電解 NiZAuめっきを施された評 価基板の永久レジスト層の浮き、膨れ及び剥離程度を目視により観察し、次の基準 で評価した。すなわち、永久レジスト層の浮き、膨れ及び剥離を確認できなカゝつたも のは「A」とし、それらのいずれかを少しの部分で確認できたものは「B」、それらのい ずれかを多くの部分で確認できたものは「C」とした。結果を表 3、 4に示す。
[0179] [耐 PCT性 (高温耐湿性)の評価]
得られた評価基板を、 121°C、 100%RH、 2. 1気圧の大気中に 100時間静置した 後、永久レジスト層の浮き、膨れ及び剥離程度を目視により観察し、次の基準で評価 した。すなわち、永久レジスト層の浮き、膨れ及び剥離を確認できな力つたものは「A 」とし、それらのいずれかを確認できたものは「B」とした。結果を表 3、 4に示す。
[0180] [耐熱衝撃性の評価]
得られた評価基板を、 55°Cの大気中に 15分間晒した後、 180°CZ分の昇温速度 で昇温し、次いで 125°Cの大気中に 15分間晒した後、 180°CZ分の降温速度で降 温する熱サイクルを 1000回繰り返す熱サイクル試験 (TCT)を行った。このような環 境下に晒した後の評価基板の永久レジスト層のクラック及び剥離程度を 100倍の金 属顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、永久レジスト層のクラック及 び剥離を確認できなかったものは「A」とし、それらの!/、ずれかを確認できたものは「B 」とした。結果を表 3、 4に示す。
[0181] [耐電食性の評価]
得られた評価基板の両面の導体層に電圧が印加されるように、ポリテトラフルォロェ チレン製のシールド線を SnZPbはんだにより該導体層に接続した後、評価基板に 5 Vの電圧を印可した状態で、該評価基板を 131°C、 85%RHの超加速高温高湿寿 命試験 (HAST)槽内に 100時間静置した。その後の評価基板の永久レジスト層の マイグレーション、膨れ及び剥離程度を 100倍の金属顕微鏡により観察し、次の基準 で評価した。すなわち、永久レジスト層のマイグレーション、膨れ及び剥離を確認でき なかったものは「A」とし、それらの!/、ずれかを少しの部分で確認できたものは「B」とし 、それらのいずれかを多くの部分で確認できたものは「C」とした。結果を表 3、 4に示 す。
[0182] [黄色光照射に対する安定性の評価]
上述の [光感度及び解像度の評価]におけるものと同様にして熱圧着まで行!ヽ得ら れた積層体に対し波長 440nm以下の光をカットした無紫外イェローランプを 24時間 照射した後、上述と同様にして露光を行った。露光後に上述と同様にして現像を行つ た後、未露光部の状態を 100倍の金属顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。 すなわち、未露光部が現像液により洗い流されその残存が認められな力つたものは「 A」とし、未露光部の残存が認められたものは「B」とした。また、イェローランプを照射 せずに 24時間放置した後露光を行った結果、未露光部の残存が認められたものは「 C」とした。結果を表 3、 4に示す。
産業上の利用可能性
以上より、本発明によれば、光重合開始剤等の成分がハロゲン原子を有していなく ても、十分に高い光感度及び十分に高い解像度の両方を同時に満足することが可 能であり、しかも、硬化物がはんだ耐熱性に十分優れた感光性榭脂組成物を提供で きる。また、そのような感光性榭脂組成物を用いた永久レジスト用感光性フィルム、レ ジストパターンの形成方法、プリント配線板及び半導体素子を提供できる。