JP2017202479A - ポリイミド系樹脂膜洗浄液、ポリイミド系樹脂膜を洗浄する方法、ポリイミド膜を製造する方法、フィルタ、フィルターメディア又はフィルターデバイスを製造する方法、及びリソグラフィー用薬液の製造方法 - Google Patents
ポリイミド系樹脂膜洗浄液、ポリイミド系樹脂膜を洗浄する方法、ポリイミド膜を製造する方法、フィルタ、フィルターメディア又はフィルターデバイスを製造する方法、及びリソグラフィー用薬液の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
例えば、ポリイミドの多孔質膜として、ポリアミド酸やポリイミドの溶液中にシリカ粒子を分散させたワニスを基板上に塗布した後、必要に応じて塗布膜を加熱してシリカ粒子を含むポリイミド膜を得、次いで、ポリイミド膜中のシリカをフッ化水素水で溶出除去して得られた多孔質膜が知られている(特許文献1参照)。
具体的には、本発明は以下の通りである。
ヒドロキシ脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステル、鎖状又は環状ケトン、アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、並びにこれらの溶剤以外の非プロトン性極性溶媒からなる群より選択される少なくとも1つの溶剤を含むポリイミド系樹脂膜洗浄液である。
ポリアミド酸及び/又はポリイミドからなる樹脂を含有するポリイミド系樹脂膜に第1の態様のポリイミド系樹脂膜洗浄液を接触させることにより、上記ポリイミド系樹脂膜を洗浄する方法である。
ポリイミド膜を製造する方法であって、
上記方法は、第2の態様のポリイミド系樹脂膜を洗浄する方法による洗浄工程を含む、方法である。
ポリイミド膜を含むフィルタを製造する方法であって、
上記ポリイミド膜は、第3の態様のポリイミド膜を製造する方法により製造する、方法である。
ポリイミド膜を含むフィルタを備えたフィルターメディアを製造する方法であって、
上記ポリイミド膜は、第3の態様のポリイミド膜を製造する方法により製造する、方法である。
ポリイミド膜を含むフィルタを備えたフィルターデバイスを製造する方法であって、
上記ポリイミド膜は、第3の態様のポリイミド膜を製造する方法により製造する、方法である。
第1の態様のポリイミド系樹脂膜洗浄液を、ポリイミド膜を含むフィルタを備えたフィルターデバイスに通過させた後、上記フィルターデバイスに被処理リソグラフィー用薬液を通過させることを含む、リソグラフィー用薬液の製造方法である。
本発明の第2の態様に係るポリイミド系樹脂膜を洗浄する方法は、ポリイミド系樹脂膜表面又は膜中に残存する、例えば、ポリイミドポリマーの低分子量領域等の量の低減に優れる。
本発明によれば、例えば、ポリイミドポリマーの低分子量領域等の量が低減されたポリイミド膜を製造する方法、上記ポリイミド膜を含むフィルタを製造する方法、及び上記フィルタを備えたフィルターメディア又はフィルターデバイスを製造する方法、及びリソグラフィー用薬液の製造方法を提供することができる。
本発明において、ポリイミド系樹脂膜とは、ポリアミド酸及び/又はポリイミドからなる樹脂を含有する膜を意味する。
また、本明細書において、例えば「ポリアミド酸及び/又はポリイミド」等のように「P及び/又はQ」等の記載は、「P及びQからなる群より選択される少なくとも1つ」を意味する。ここでP及びQは任意の用語である。
また、本発明において、「洗浄」とは、ポリイミド系樹脂膜そのもの(膜全体)を除去することを意味するものではなく、ポリイミド系樹脂膜表面又は膜中に存在する残留物等(例えばポリイミドポリマーの低分子量領域等)を溶出して低減することを意味する。
また、本発明において、ポリイミド系樹脂膜洗浄液により含有量が低減される「ポリイミドポリマーの低分子量領域」は、ポリイミドの低分子量領域及び/又はポリアミド酸の低分子量領域を意味する。例えば、後述のポリイミド膜を製造する方法において、ポリアミド酸からなる樹脂を用いたワニスによる未焼成複合膜を得た後に第2の態様に係る洗浄方法を行う場合、ポリイミド系樹脂膜洗浄液で低減される「ポリイミドポリマーの低分子量領域」は、主にポリアミド酸の低分子量領域となる。同様の未焼成複合膜を焼成した後に第2の態様に係る洗浄方法を行う場合、ポリイミド系樹脂膜洗浄液で低減される「ポリイミドポリマーの低分子量領域」は、ポリイミドの低分子量領域、又はポリイミドの低分子量領域及びポリアミド酸の低分子量領域と考えられる。
まず、本発明の第1の態様に係るポリイミド系樹脂膜洗浄液について説明する。
第1の態様に係るポリイミド系樹脂膜洗浄液は、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステル、鎖状又は環状ケトン、アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、並びにこれらの溶剤以外の非プロトン性極性溶媒からなる群より選択される少なくとも1つの溶剤を含む。該「これらの溶剤以外の非プロトン性極性溶媒」は、下記「(A)下記(B)溶剤以外の非プロトン性極性溶媒」と同じである。
第1の態様に係るポリイミド系樹脂膜洗浄液は、
(A)下記(B)溶剤以外の非プロトン性極性溶媒と、
(B)ヒドロキシ脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステル、鎖状又は環状ケトン、アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1つの溶剤(本明細書において、「(B)溶剤」ともいう。)とを含むことが好ましい。
上記非プロトン性極性溶媒は、下記一般式(s)で表されるアミド構造を有する溶剤、及び、アルキルスルフィニルアルカン(別名:ジアルキルスルホキシド)からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
非プロトン性極性溶媒は1種であってもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
R2及びR3が組み合わさって環を形成する基としては、炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1又は2のアルキレン基であることがより好ましい。形成される環としては、2−イミダゾリドン環、2−ピロリドン環、3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン環等が挙げられる。
上記アルキルスルフィニルアルカン(別名:ジアルキルスルホキシド)としては、ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド等が挙げられる。
(B)溶剤はヒドロキシ脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステル、鎖状又は環状ケトン、アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1つの溶剤である。
本明細書において、脂肪族カルボン酸エステルは、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸エステルを包含しない。
ヒドロキシ脂肪族カルボン酸エステルとしては、乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸エステルとしては、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸n−プロピル等が挙げられる。
鎖状又は環状ケトンとしては、2−ヘプタノン(別名:メチルアミルケトン)、シクロヘキサノン等が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ブチレングリコールモノアルキルエーテル、ペンタングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられ、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ペンタングリコールモノアルキルエーテルアセテート等が挙げられ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
(B)溶剤は、炭素原子数4〜7の化合物であることが好ましく、炭素原子数5〜7の化合物であることがより好ましい。
(B)溶剤は、乳酸エチル、酢酸ブチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
(A)非プロトン性極性溶媒と上記(B)溶剤とを混合して用いる場合、混合比率としては特に制限はないが、上記(A)非プロトン性極性溶媒と上記(B)溶剤との合計に対する上記(B)溶剤の含有率[B/(A+B)]は80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましく、40質量%以下であることが特に好ましい。
また、上記(B)溶剤の含有率[B/(A+B)]は10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましい。
第2の態様に係るポリイミド系樹脂膜を洗浄する方法は、ポリアミド酸及び/又はポリイミドからなる樹脂を含有するポリイミド系樹脂膜に第1の態様のポリイミド系樹脂膜洗浄液を接触させることにより、上記ポリイミド系樹脂膜を洗浄する。
洗浄の方法としては、第1の態様のポリイミド系樹脂膜洗浄液にポリイミド系樹脂膜を室温(例えば、23℃)又は適宜加温下で浸漬した後取り出すことを1回又は複数回(例えば、3回)繰り返す方法、シャワー洗浄を1回又は複数回(例えば、3回)繰り返す方法等が挙げられる。更に、洗浄後のポリイミド系樹脂膜を乾燥するために、洗浄後のポリイミド系樹脂膜を室温で風乾する、恒温槽中で適切な設定温度まで加温する、真空乾燥する等、公知の方法が制限されることなく適用できる。例えば、ポリイミド系樹脂膜の端部をSUS製の型枠等に固定し変形を防ぐ方法を採ることもできる。
フィルターデバイスを構成するハウジング材等に添加剤が含まれている場合であっても、ポリイミド系樹脂膜からなるフィルターメディアを備えるフィルターデバイスごと、第1の態様のポリイミド系樹脂膜洗浄液を通液、浸漬する等により接触させることにより該添加剤の後工程における溶出量を低減することができる。
後述の実施例に記載のポリイミド系樹脂膜を洗浄する方法により洗浄した、ポリイミド系樹脂膜を24時間浸漬させた酢酸n−ブチルを濃縮・加熱乾燥した後に残留する不揮発分(低分子量体等)が、1.0mg/300cm2以下であるポリイミド系樹脂膜とすることができ、好ましくは0.8mg/300cm2以下であるポリイミド系樹脂膜とすることができ、より好ましくは0.6mg/300cm2以下であるポリイミド系樹脂膜とすることができ、更に好ましくは0.5mg/300cm2以下であるポリイミド系樹脂膜とすることができる。
第2の態様に係るポリイミド系樹脂膜を洗浄する方法は、ポリアミド酸及び/又はポリイミドからなる樹脂を含有するポリイミド系樹脂膜を洗浄する方法である。
上記ポリアミド酸は、任意のテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを重合して得られるものが、特に限定されることなく使用できる。テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの使用量は特に限定されないが、テトラカルボン酸二無水物1モルに対して、ジアミンを0.50〜1.50モル用いるのが好ましく、0.60〜1.30モル用いるのがより好ましく、0.70〜1.20モル用いるのが特に好ましい。
ポリアミド酸は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリイミドは、後記の第3の態様において用いてもよいワニスに使用する溶剤に溶解可能な可溶性ポリイミドであれば、その構造や分子量が限定されることはなく、公知のものが使用できる。ポリイミドについて、側鎖にカルボキシ基等の縮合可能な官能基又は焼成時に架橋反応等を促進させる官能基を有していてもよい。
第3の態様に係るポリイミド膜を製造する方法は、
第2の態様のポリイミド系樹脂膜を洗浄する方法による洗浄工程を含む。
ポリアミド酸及び/又はポリイミドからなる樹脂と、微粒子と、溶剤とを含有するワニスを用いて塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
上記塗布膜をプリベークして未焼成複合膜を得るプリベーク工程と、
上記未焼成複合膜を焼成してポリイミド−微粒子複合膜を得る第1焼成工程と、
上記ポリイミド−微粒子複合膜から微粒子を取り除いて多孔質ポリイミド系樹脂膜1とする微粒子除去工程と、
上記多孔質ポリイミド系樹脂膜の少なくとも一部を除去して多孔質ポリイミド系樹脂膜2を得るポリイミド系樹脂除去工程と、
上記多孔質ポリイミド系樹脂膜2を水洗する水洗工程と、
上記水洗後の上記多孔質ポリイミド系樹脂膜2を焼成する第2焼成工程と、
を上記の順序で含むことが好ましく、
上記洗浄工程を、上記塗布膜形成工程、上記プリベーク工程、上記第1焼成工程、上記微粒子除去工程、上記水洗工程、及び上記第2焼成工程からなる群より選択される少なくとも1つの工程の後に行うことがより好ましい。これらの中でも、上記塗布膜形成工程、上記プリベーク工程及び上記第2焼成工程からなる群より選択される少なくとも1つの工程の後に洗浄工程を行うことが更に好ましい。ポリイミドポリマーの低分子量領域等の低減効果の向上の点で上記第1焼成工程の前の工程(つまり、塗布膜形成工程及び/又はプリベーク工程の後、より好ましくは、プリベーク工程の後)で、上記洗浄工程を行うことが特に好ましい。また、必要に応じて、フィルターメディア又はフィルターデバイスを製造した後に再度本発明の第1の態様に係るポリイミド系樹脂膜洗浄液を用いてフィルターメディア又はフィルターデバイスの洗浄を行ってもよい。
ポリイミド系樹脂膜洗浄液で洗浄されるポリイミド系樹脂膜は、塗布膜、未焼成複合膜、ポリイミド−微粒子複合膜、及び多孔質膜(多孔質ポリイミド系樹脂膜1及び/又は多孔質ポリイミド系樹脂膜2)からなる群より選択される少なくとも1つであり、塗布膜、未焼成複合膜及び多孔質膜からなる群より選択される少なくとも1つであることがより好ましく、未焼成複合膜及び/又は多孔質膜であることがさらに好ましい。
(ワニスの製造)
第3の態様において用いてもよいワニス(以下、「多孔質ポリイミド膜製造用ワニス」ともいう。)は、上述のポリアミド酸及び/又はポリイミドからなる樹脂と、微粒子と、溶剤とを含有する。多孔質ポリイミド膜製造用ワニスにおいて、上記微粒子の含有量は、上記樹脂と上記微粒子との合計に対して65体積%以上であることが好ましい。また、多孔質ポリイミド膜製造用ワニスの25℃における粘度は、550mPa・s以上であることが好ましい。
上記微粒子の含有量の上限は上記樹脂と上記微粒子との合計に対して、例えば、90体積%以下であり、80体積%以下であることが好ましい。上記微粒子の含有量の上限が上記範囲内であると、微粒子同士が凝集しにくく、また、表面にひび割れ等が生じにくいため、安定して電気特性の良好な多孔質ポリイミド膜を形成することができる。
なお、本明細書において、体積%及び体積比は、25℃における値である。
なお、粘度は、E型粘度計により測定される。
ポリイミドは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記微粒子の材質は、ワニスに使用する溶剤に不溶で、後にポリイミド膜から除去可能なものであれば、特に限定されることなく公知のものが採用可能である。例えば、無機材料としては、シリカ(二酸化珪素)、酸化チタン、アルミナ(Al2O3)等の金属酸化物、有機材料としては、高分子量オレフィン(ポリプロピレン,ポリエチレン等)、ポリスチレン、エポキシ樹脂、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリエーテル等の有機高分子微粒子が挙げられる。
微粒子は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記溶剤としては、ポリアミド酸及び/又はポリイミドからなる樹脂を溶解することができ、微粒子を溶解しないものであれば、特に限定されず、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応に用いる溶剤として例示したものが挙げられる。溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第3の態様では、ワニス中の微粒子を均一に分散することを目的に、微粒子とともに更に分散剤を添加してもよい。分散剤を添加することにより、上述のポリアミド酸及び/又はポリイミドからなる樹脂と微粒子とを一層均一に混合でき、更には、成形又は成膜した前駆体膜中の微粒子を均一に分布させることができる。その結果、最終的に得られる多孔質ポリイミドの表面に稠密な開口を設け、かつ、表裏面を効率よく連通させることが可能となり、フィルムの透気度が向上する。更に、分散剤を添加することにより、多孔質ポリイミド膜製造用ワニスの乾燥性が向上しやすくなり、また、形成された未焼成複合膜の基材等からの剥離性が向上しやすくなる。
(塗布膜形成工程)
塗布膜形成工程において、多孔質ポリイミド膜製造用ワニスを用いて塗布膜を形成する。その際、塗布膜は、基材上に塗布してもよいし、上記塗布膜とは異なる下層膜上に塗布してもよい。
基材としては、例えば、PETフィルム、SUS基材、ガラス基材等が挙げられる。
(プリベーク工程)
プリベーク工程において、上記塗布膜をプリベークして未焼成複合膜を形成する。
未焼成複合膜は、例えば、基材上又は上記下層膜上に、多孔質ポリイミド膜製造用ワニスを塗布し、常圧又は真空下で0〜100℃、好ましくは常圧10〜100℃で乾燥(プリベーク)することにより、形成することができる。
第3の態様に係るポリイミド膜を製造する方法は、上記未焼成複合膜を水を含む溶剤に浸漬する浸漬工程を含んでいてもよい。
第3の態様に係る製造方法において、上記洗浄工程を、上記未焼成複合膜を水を含む溶剤に浸漬する浸漬工程の後に行ってもよい。
未焼成複合膜中には、通常、その製造に用いた製造用溶剤が残存している。製造用溶剤が残存したままで未焼成複合膜を焼成すると、膜中の製造用溶剤の分布にムラが発生しやすく、結果として、ポリイミド−微粒子複合膜にカールが発生しやすくなる。一方、未焼成複合膜を水を含む溶剤に浸漬すると、未焼成複合膜中に残存する製造用溶剤が上記水を含む溶剤中に溶け出し、未焼成複合膜中に残存する製造用溶剤の量が減少する。その結果、膜中の製造用溶剤の分布にムラが発生しにくくなり、ポリイミド−微粒子複合膜にカールが発生することが抑制されやすくなる。
上記未焼成複合膜に加熱による後処理(焼成)を行ってポリイミドと微粒子とからなる複合膜(ポリイミド−微粒子複合膜)とする。上記未焼成複合膜成膜工程において、上記未焼成複合膜とは異なる下層膜上に上記未焼成複合膜を成膜した場合には、焼成工程において、上記未焼成複合膜とともに上記下層膜も焼成する。焼成工程における焼成温度は、未焼成複合膜及び下層膜の構造や縮合剤の有無によっても異なるが、120〜375℃であることが好ましく、更に好ましくは150〜350℃である。また、微粒子に、有機材料を使用するときは、その熱分解温度よりも低い温度に設定する必要がある。焼成工程においてはイミド化を完結させることが好ましい。
微粒子除去工程において、ポリイミド−微粒子複合膜から微粒子を取り除いて多孔質ポリイミド系樹脂膜1とする。
ポリイミド−微粒子複合膜から、微粒子を適切な方法を選択して除去することにより、多孔質ポリイミド系樹脂膜1を再現性よく製造することができる。
第3の態様に係るポリイミド膜を製造する方法は、微粒子除去工程後に多孔質ポリイミド系樹脂膜の少なくとも一部を除去して多孔質ポリイミド系樹脂膜2を得るポリイミド系樹脂除去工程を含んでいることが好ましい。微粒子除去工程後に多孔質ポリイミド系樹脂膜の少なくとも一部を除去することにより、上記多孔質ポリイミド系樹脂膜の少なくとも一部を除去しないものに比べて、最終製品の多孔質ポリイミド膜の開孔率を向上させることが可能となる。
第3の態様に係るポリイミド膜を製造する方法は、余剰のエッチング液成分の除去等の観点から、多孔質ポリイミド系樹脂膜2を水洗する水洗工程を含むことが好ましい。水洗単独でもよいが、酸洗浄及び/又は水洗を組み合わせてもよい。
第3の態様に係るポリイミド膜を製造する方法は、上記多孔質ポリイミド系樹脂膜2の表面の有機溶媒への濡れ性向上及び残存有機物除去の観点から、上記水洗後の上記多孔質ポリイミド系樹脂膜2を焼成する第2焼成工程を含むことが好ましい。第2焼成工程の焼成条件は、第1焼成工程における焼成条件と同様であり、適宜設定すればよい。
多孔質ポリイミド膜は、例えば平均空孔径が100〜5000nmの多孔質ポリイミド膜として得ることができ、平均空孔径は、好ましくは200〜3000nm、より好ましくは300〜900nmである。本明細書において、平均空孔径は、ケミカルエッチング処理を行ったものはポロメーターにより平均の連通孔のサイズ変化量を求め、その値から実際の平均空孔径を求める値であるが、上述のケミカルエッチングを行わないものは、多孔質ポリイミド膜の製造に使用した微粒子の平均粒径を平均空孔径とすることができる。
多孔質ポリイミド膜は、後述の方法により求める空隙率が例えば50〜90質量%、好ましくは、55〜80質量%である多孔質ポリイミド膜として得ることができる。
第4の態様に係るポリイミド膜を含むフィルタを製造する方法は、上記ポリイミド膜が、第3の態様のポリイミド膜を製造する方法により製造される方法である。
製造されたフィルタはガス又は液体の分離用膜として使用できる。
第5の態様に係るポリイミド膜を含むフィルタを備えたフィルターメディアを製造する方法は、上記ポリイミド膜が第3の態様のポリイミド膜を製造する方法により製造される方法である。
製造されたフィルターメディアは、例えば半導体製造分野において用いられる金属フィルター等のフィルターメディアとして使用することができ、また、該フィルターメディアと他の濾材とを含む積層体としても使用することができ、フィルターデバイスとしても使用することができる。
第6の態様に係るポリイミド膜を含むフィルタを備えたフィルターデバイスを製造する方法は、上記ポリイミド膜が、第3の態様のポリイミド膜を製造する方法により製造される方法である。
製造されるフィルターデバイスとしては特に限定されないが、フィルターデバイスにおいて、ポリイミド膜は、供給液と濾過液とが交差するように配置される。液体流路との関係においては、流路と並行に配置してもよいし交差するように配置してもよい。供給液が濾過液と分離されるように、ポリイミド膜を通液する前後の領域は、適宜シーリングされる。例えば、シーリングの方法として、ポリイミド膜を、必要に応じて、光(UV)硬化による接着若しくは熱による接着(アンカー効果による接着(熱溶着等)を含む))、若しくは接着剤を用いた接着等により加工してもよく、又はポリイミド膜と他の濾材(フィルタ)とを例えば組み込み法等により接着して用いることができ、これらのポリイミド膜を更に、ポリエチレン、ポリプロピレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド、ポリアミドイミド等の熱可塑性樹脂等からなる外側容器に備えて用いることができる。
第4〜6の態様に係る製造方法において、第1の態様に係るポリイミド系樹脂膜洗浄液は、フィルタ製造用、フィルターメディア製造用、又はフィルターデバイス製造用のポリイミド系樹脂膜洗浄液として使用される。
本発明の第7の態様に係るリソグラフィー用薬液の製造方法は、
第1の態様のポリイミド系樹脂膜洗浄液を、ポリイミド膜を含むフィルタを備えたフィルターデバイスに通過させた後、上記フィルターデバイスに被処理リソグラフィー用薬液を通過させることを含む。
第1の態様のポリイミド系樹脂膜洗浄液を上記フィルターデバイスに通過させる方法としては、フィルター中に存在する全ての微細孔が、第1の態様のポリイミド系樹脂膜洗浄液で完全に満たされた状態にしてもよいし、そうでなくてもよい。さらに減圧下を保持した状態で、第1の態様のポリイミド系樹脂膜洗浄液を通過させてもよい。
被処理リソグラフィー用薬液としては、半導体デバイスの製造工程において用いられる薬液が挙げられ、例えば、基板を改質するための保護膜形成用薬液、シリコンウエハの洗浄液等の薬液、レジスト組成物等の感光性材料を含む薬液、及び樹脂溶液等の感光性材料の原料薬液、化学増幅型レジスト膜のパターニング用の現像液やリンス液(中でも有機溶媒を含む有機系現像液又は有機系リンス液)等が挙げられる。なお、被処理リソグラフィー用薬液として、第1の態様のポリイミド系樹脂膜洗浄液と同一の薬液を対象にする場合、洗浄作業とリソグラフィー用薬液の製造は連続して行われてもよいし、断続的に行ってもよいが、洗浄液として用いられた部分は、リソグラフィー用薬液に含まれないことが好ましい。
本発明の第7の態様に係るリソグラフィー用薬液の製造方法によれば、塗布欠陥及びパターン欠陥の発生が低減されるリソグラフィー用薬液を製造することができる。例えば、(P1)化学増幅型レジスト組成物により膜を形成する工程、(P2)該膜を露光する工程、及び(P3)露光した膜を、有機系現像液を用いて現像する工程、さらに任意で(P4)有機系リンス液を用いてリンスする工程を含むパターン形成方法において、有機系現像液及び/又は有機系リンス液として、本発明の第7の態様に係る製造方法に係るリソグラフィー用薬液を使用すれば、微細化パターンの形成において問題視されやすいパーティクルの発生を抑制できると考えられる。
以下に示すテトラカルボン酸二無水物、ジアミン、ポリアミド酸、有機溶剤、分散剤及び微粒子を用いた。なお、シリカ(1)の粒径分布指数は約3.3であり、シリカ(2)の粒径分布指数は約1.5である。
・テトラカルボン酸二無水物:ピロメリット酸二無水物
・ジアミン:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
・ポリアミド酸溶液:ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの反応物(固形分21.9質量%(有機溶剤:N,N−ジメチルアセトアミド))
・有機溶剤(1):N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)
・有機溶剤(2):ガンマブチロラクトン
・分散剤:ポリオキシエチレン二級アルキルエーテル系分散剤
・微粒子:シリカ(1):平均粒径700nmのシリカ
シリカ(2):平均粒径300nmのシリカ
・エッチング液(1):メタノール:水(質量比3:7)の混合液のNaOH 1.1質量%溶液
有機溶剤(1)23.1質量部及び分散剤0.1質量部の混合物に、シリカ(1)又はシリカ(2)を23.1質量部添加し、撹拌してシリカ分散液を調製した。
ポリアミド酸溶液41.1質量部に、シリカ分散液の調製で得たシリカ分散液を、42.0質量部添加し、更に有機溶剤(1)及び(2)をワニス全体における溶剤組成が有機溶剤(1):有機溶剤(2)=90:10となるようにそれぞれ追加し、撹拌してワニスを調製した。なお、得られたワニスにおけるポリアミド酸とシリカとの体積比は40:60(質量比は30:70)である。
上記のワニスを、基材としてPETフィルムにアプリケーターを用い成膜した。90℃で5分間プリベークして、膜厚40μmの未焼成複合膜を製造した。水に3分間浸漬したのち、2本のロール間に未焼成複合膜を通して、未焼成複合膜をプレスした。その際、ロール抑え圧は3.0kg/cm2、ロール温度は80℃、未焼成複合膜の移動速度は0.5m/minであった。基材から未焼成複合膜を剥離して未焼成複合膜を得た。
上記未焼成複合膜を340℃15分間加熱処理(焼成)を施すことにより、イミド化させ、ポリイミド−微粒子複合膜を得た。
上記で得たポリイミド−微粒子複合膜を、10%HF溶液中に10分間浸漬することで、膜中に含まれる微粒子を除去した後水洗及び乾燥を行い、ポリイミド多孔質膜を得た。
ポリイミド系樹脂除去工程として、ポリイミド多孔質膜をケミカルエッチング液(1)に2分間浸漬してポリイミド系樹脂除去工程を施し、多孔質ポリイミドフィルムを得た。その後、340℃15分再焼成を行った。
上記得られた40μm厚の多孔質ポリイミドフィルム(300cm2)をジメチルアセトアミド及び酢酸n−ブチルの質量比7:3の混合溶剤800gで3回ほど洗浄後に再度、上記混合溶剤で洗い流した後に半導体用メタノールで溶剤置換後に1昼夜真空乾燥した。
得られたフィルムの洗浄度を評価するために、ろ過対象液として酢酸n−ブチルを用い以下の評価を行った。評価中、ろ過(得られたフィルムへの通液)を行わずに、サンプル取得のためにフィルムを浸漬する試験例を比較対照とし(比較例1とする。)、比較例1における不揮発分との重量比較を容易にした。以下、実施例2〜10においても同様である。
得られたフィルムを酢酸n−ブチル800gに1日浸漬した後にフィルムを取り出し、得られた酢酸n−ブチルの溶液を5mLまで濃縮した。得られた溶液の質量を測定したアルミパンへ移し、ホットプレート上にて150°Cで酢酸n−ブチルが完全に蒸発するまで加熱した。酢酸n−ブチルが完全に蒸発した後にアルミパンの質量を測り質量差から定量した溶出物は0.26mgであった。
ジメチルアセトアミド及び2−ヘプタノンの質量比6:4の混合溶剤800gを用いた以外は実施例1と同様の手順で溶出物を定量したところ0.46mgであった。
ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの質量比6:2:2の混合溶剤800gを用いた以外は実施例1と同様の手順で溶出物を定量したところ0.55mgであった。
ジメチルアセトアミド及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの質量比3:7の混合溶剤800gを用いた以外は実施例1と同様の手順で溶出物を定量したところ0.76mgであった。
ジメチルアセトアミド及び酢酸n−ブチルの質量比3:7の混合溶剤800gを用いた以外は実施例1と同様の手順で溶出物を定量したところ0.56mgであった。
ジメチルアセトアミド800gを用いた以外は実施例1と同様の手順で溶出物を定量したところ0.51mgであった。
ジメチルホルムアミド800gを用いた以外は実施例1と同様の手順で溶出物を定量したところ0.48mgであった。
ジメチルホルムアミド及び乳酸エチルの質量比7:3の混合溶剤800gを用いた以外は実施例1と同様の手順で溶出物を定量したところ0.57mgであった。
N−メチルピロリドン及びシクロヘキサノンの質量比8:3の混合溶剤800gを用いた以外は実施例1と同様の手順で溶出物を定量したところ0.73mgであった。
2−ヘプタノン800gを用いた以外は実施例1と同様の手順で溶出物を定量したところ0.62mgであった。
40μm厚の多孔質ポリイミドフィルム(300cm2)を酢酸n−ブチル800gに1日浸漬した後に上記フィルムを取り出し、実施例1と同様の手順で溶出物を定量したところ1.50mgであった。
アルミパンをフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)(Nicolet6700、サーモ社製)の全反射測定法(ATR)で測定したところポリイミド(アミド酸を含む。)のカルボニル基由来のピーク1728cm−1が検出され、溶出物がポリイミドのポリマーの低分子量領域であると推察される。
また、(A)非プロトン性極性溶媒と、脂肪族カルボン酸エステル又は鎖状若しくは環状ケトンとの混合溶剤である実施例1、2の洗浄剤が溶出物の低減が優れていることが分かる。
ウエハ表面欠陥評価には、表面欠陥観察装置(KLAテンコール社製、製品名:KLA2371)を用いた。
(フィルターデバイス)
上記多孔質ポリイミドフィルムの形成と同様の製法により得られる膜厚40μm、空隙率約70質量%、平均空孔径300nmのポリイミド多孔質膜を備える、フィルターデバイスを用意した。
上記空隙率は、多孔質ポリイミドフィルムの製造において使用したポリイミド樹脂とシリカ微粒子との合計質量に対する、シリカ微粒子の質量を空隙率(質量%)とした。
以下、フィルターデバイス中のポリイミド多孔質膜について、本発明に係るポリイミド系樹脂膜洗浄液で洗浄される前のポリイミド多孔質膜をPI多孔質膜Aという。
膜厚70μmのポリアミド(ナイロン)製多孔質膜(孔サイズ:約20nm)を備えるフィルターデバイス(Pall社製、Dispo)を用意した。
PI多孔質膜Aを備えるフィルターデバイスに対し、シクロヘキサノンを洗浄液として、室温で濾過圧1.0kgf/cm2(9.8N/cm2)の条件で、12L通液して洗浄処理を行った。通液される最後の100mlをサンプル取得し、ウエハに塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、ウエハ表面の欠陥評価を行った。
なお、サンプル取得するための上記最後の約100mlの通液以外の通液を行わない(すなわち、約100mlのみ通液する)試験例を比較対照とした(比較例2とする。)。以下、比較例3及び4並びに実施例12及び13においても同様である。
<比較例2>
PI多孔質膜Aを備えるフィルターデバイスを用いて、室温で濾過圧1.0kgf/cm2(9.8N/cm2)の条件でシクロヘキサノン約100mlを通液した。フィルターデバイス通液後のサンプル約100mlをウエハに塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、ウエハ表面の欠陥評価を行った。
<比較例3>
ポリアミド(ナイロン)製多孔質膜(孔サイズ:約20nm)を備えるフィルターデバイスを用いる他は、比較例2と同様にして、ウエハ表面の欠陥評価を行った。
<比較例4>
ポリアミド(ナイロン)製多孔質膜(孔サイズ:約20nm)を備えるフィルターデバイスを用いる他は、実施例11と同様にして、ウエハ表面の欠陥評価を行った。
PI多孔質膜Aを備えるフィルターデバイスに対し、シクロヘキサノンを洗浄液として、フィルターデバイス内を満たした状態で3日間保持してから、さらに室温で濾過圧1.0kgf/cm2(9.8N/cm2)の条件で、10L通液して洗浄処理を行った。通液される最後の100mlをサンプル取得し、ウエハに塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、ウエハ表面の欠陥評価を行った。
<実施例13>
洗浄液を酢酸n−ブチルとした他は、実施例12と同様にして、ウエハ表面の欠陥評価を行った。
p−ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン単位50モル%とp−メトキシベンジルシルセスキオキサン単位22モル%とフェニルシルセスキオキサン単位28モル%とからなる共重合体(質量平均分子量7000)を100質量部と、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネートを3質量部、1,3,4,6−テトラキス(n−ブトキシメチル)グリコールウリル5質量部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート300質量部に溶解することにより反射防止膜形成用組成物を調製した。この組成物を、実施例12〜13の洗浄処理後のフィルターデバイス(実施例14〜15)及びポリエチレン製多孔質膜(孔サイズ:約20nm)を備えるフィルターデバイス(比較例5)にそれぞれ通液した。通液後の組成物をそれぞれシリコンウエハ上に塗布し、100℃で90秒、続いて230℃で90秒の条件下で2段階で加熱処理を行うことにより、厚さ約70nmの反射防止膜を形成させ、表面欠陥を観測した。その結果、比較例5と比較して、実施例14〜15の欠陥数は低減されていた。
Claims (15)
- ヒドロキシ脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステル、鎖状又は環状ケトン、アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、並びにこれらの溶剤以外の非プロトン性極性溶媒からなる群より選択される少なくとも1つの溶剤を含むポリイミド系樹脂膜洗浄液。
- (A)下記(B)溶剤以外の非プロトン性極性溶媒と、
(B)ヒドロキシ脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステル、鎖状又は環状ケトン、アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1つの溶剤と
を含む、請求項1記載のポリイミド系樹脂膜洗浄液。 - 前記(B)溶剤は、炭素原子数5〜7の化合物である、請求項1又は2記載のポリイミド系樹脂膜洗浄液。
- 前記(B)溶剤は、乳酸エチル、酢酸ブチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項3記載のポリイミド系樹脂膜洗浄液。
- 前記非プロトン性極性溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,1,3,3−テトラメチルウレア及びジメチルスルホキシドからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項5記載のポリイミド系樹脂膜洗浄液。
- 前記ポリイミド系樹脂膜は、未焼成複合膜及び/又は多孔質膜である、請求項1〜6の何れか1項記載のポリイミド系樹脂膜洗浄液。
- ポリアミド酸及び/又はポリイミドからなる樹脂を含有するポリイミド系樹脂膜に請求項1〜7の何れか1項記載のポリイミド系樹脂膜洗浄液を接触させることにより、前記ポリイミド系樹脂膜を洗浄する方法。
- 前記ポリイミド系樹脂膜は、フィルターデバイスに含まれている、請求項8記載の方法。
- ポリイミド膜を製造する方法であって、
前記方法は、請求項8又は9記載のポリイミド系樹脂膜を洗浄する方法による洗浄工程を含む、方法。 - 前記ポリイミド膜を製造する方法は、更に、
ポリアミド酸及び/又はポリイミドからなる樹脂と、微粒子と、溶剤とを含有するワニスを用いて塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
前記塗布膜をプリベークして未焼成複合膜を得るプリベーク工程と、
前記未焼成複合膜を焼成してポリイミド−微粒子複合膜を得る第1焼成工程と、
前記ポリイミド−微粒子複合膜から微粒子を取り除いて多孔質ポリイミド系樹脂膜1とする微粒子除去工程と、
前記多孔質ポリイミド系樹脂膜の少なくとも一部を除去して多孔質ポリイミド系樹脂膜2を得るポリイミド系樹脂除去工程と、
前記多孔質ポリイミド系樹脂膜2を水洗する水洗工程と、
前記水洗後の前記多孔質ポリイミド系樹脂膜2を焼成する第2焼成工程と、
を前記の順序で含み、
前記洗浄工程は、前記塗布膜形成工程、前記プリベーク工程、前記第1焼成工程、前記微粒子除去工程、前記水洗工程、及び前記第2焼成工程からなる群より選択される少なくとも1つの工程の後に行う、請求項10記載の方法。 - ポリイミド膜を含むフィルタを製造する方法であって、
前記ポリイミド膜は、請求項10又は11記載の方法により製造する、方法。 - ポリイミド膜を含むフィルタを備えたフィルターメディアを製造する方法であって、
前記ポリイミド膜は、請求項10又は11記載の方法により製造する、方法。 - ポリイミド膜を含むフィルタを備えたフィルターデバイスを製造する方法であって、
前記ポリイミド膜は、請求項10又は11記載の方法により製造する、方法。 - ヒドロキシ脂肪族カルボン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステル、鎖状又は環状ケトン、アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、並びにこれらの溶剤以外の非プロトン性極性溶媒からなる群より選択される少なくとも1つの溶剤を含むポリイミド系樹脂膜洗浄液を、ポリイミド膜を含むフィルタを備えたフィルターデバイスに通過させた後、前記フィルターデバイスに被処理リソグラフィー用薬液を通過させることを含む、リソグラフィー用薬液の製造方法。
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