JP2000247633A - 板状Mg−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

板状Mg−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末及びその製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、板状比が大きな板状Mg−Al系
ハイドロタルサイト型粒子粉末を提供する。 【解決手段】 板面径が大きなMg−Al系ハイドロタ
ルサイト型粒子粉末とは、板状比(板面径/厚み)が1
0〜100であって、板面径が0.05〜0.5μmで
あり、Mg:Al=1−x:xとした場合の組成比x
が、0.2≦x≦0.9であることを特徴とする板状M
g−Al系ハイドロタルサイト型粒子からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状比(板面径/
厚み)が大きなMg−Al系ハイドロタルサイト型粒子
粉末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、層状化合物には、粘土鉱物
等の他、種々の化合物が存在するが、その内、ハイドロ
タルサイト等の層状複水酸化物(Layered Do
uble Hydroxide)が、層間に種々のイオ
ンや分子等を挿入できる構造を有しているので、アニオ
ン交換機能を発現させることができる。
【0003】一般に、ハイドロタルサイトの構造は、日
本化学会誌、1995(8)、p622〜628に記載
されている通り、 「 〔M2+ 1−x3+ (OH) 〔An
x/n・yHO〕 ここでM2+は、Mg2+、Co2+、Ni2+、Zn
2+などの二価金属イオン、M3+は、Al3+、Fe
3+、Cr3+などの三価金属イオン、Anは、OH
、Cl、CO 2−、SO 2−などのn価の陰イ
オンで、xは一般に0.2〜0.33の範囲である。結
晶構造は、正の電荷をもつ正八面体のbrucite単
位が並んだ二次元基本層と負の電荷を持つ中間層からな
る積層構造をとっている。」とされている。
【0004】ハイドロタルサイトは、古くから制酸剤と
して用いられてきたが、その後、アニオン交換機能を生
かした様々な用途への展開が行われ、例えば、イオン交
換材、吸着剤、脱臭剤、ポリエチレン、ポリプロピレン
及び塩化ビニル等の樹脂・ゴムの安定剤、更には、塗
料、各種触媒、農業用フィルム、インキなど多種多様な
用途に用いられている。
【0005】また、環境への配慮が求められている現在
にあっては、添加剤として用いるものでも毒性のある金
属が含まれていないものが望まれていることから、毒性
がなく、安定な化合物であるハイドロタルサイト型粒子
粉末はこのような期待に応えられるものといえる。
【0006】殊に、ハイドロタルサイト型粒子粉末の中
でも、二価金属イオンとしてMg 、三価金属イオン
としてAl3+を有するMg−Al系ハイドロタルサイ
ト型粒子粉末は、安定であるため、最も注目されている
ものである。
【0007】ハイドロタルサイト型粒子粉末は一般に板
状形状を呈しており、その形状に起因して粒子が配向し
やすい。従って、塗布膜にした場合に被覆性及び遮蔽性
に優れる特性を有しているため、自動車等の下塗り用塗
料、防錆材料及びガスバリヤ性を持つ塗料等の用途に対
して有望である。被覆性及び遮蔽性により優れた塗布膜
を得るためには、板状比が大きく、配向性に優れたハイ
ドロタルサイト型粒子粉末が必要とされている。
【0008】なお、ハイドロタルサイト型粒子粉末とし
ては、鉄系のハイドロタルサイト型粒子粉末も挙げられ
る(特開平9−227127号公報)が、この粒子粉末
は鉄を有していることから塗料として用いた場合に着色
した塗料となるので、下塗り用塗料としては不都合を生
じるものである。
【0009】ハイドロタルサイト型粒子粉末の製造法と
しては、基本層を構成する二価金属イオン及び三価金属
イオンとを含む金属塩水溶液と、中間層を構成するアニ
オンを含む水溶液とを混合して、温度、pH等を制御し
て共沈反応により得る方法が一般的である。また、常圧
での反応以外にも、オートクレーブを使用しての水熱反
応により得る方法も知られている。また、共沈反応によ
って得られたハイドロタルサイト型粒子粉末を焼成して
複合酸化物を得、次いで該複合酸化物をアニオンを含有
する水溶液によって水和してハイドロタルサイト型粒子
粉末を得る方法(再構築法)も知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】板状比が大きな板状M
g−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末は、現在最も
要求されているところであるが、前記板状形状に起因し
て粒子が配向しやすいという特性を十分満たすMg−A
l系ハイドロタルサイト型粒子粉末は未だ提供されてい
ない。
【0011】即ち、前記の共沈反応では、板状比の大き
なハイドロタルサイト型粒子粉末が得られ難く、また、
水溶液の反応に起因して、生成物は可溶性塩(例えば、
ナトリウム等のアルカリ金属塩や硫酸塩など)を含んで
いる。
【0012】また、前記水熱反応ではオートクレーブを
必要とする。
【0013】また、前記再構築法によって得られるハイ
ドロタルサイト型粒子粉末は、共沈反応によって得られ
たハイドロタルサイト型粒子粉末を出発原料として用い
るため、出発原料の粒子形状及び板状比が継承されるの
で、板状比の大きなハイドロタルサイト型粒子粉末が得
られ難い。
【0014】そこで、本発明は、板状比が大きな板状M
g−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末を常圧下で得
ることを技術的課題とする。
【0015】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。
【0016】即ち、本発明は、板状比(板面径/厚み)
が10〜100であって、板面径が0.05〜0.5μ
mであり、Mg:Al=1−x:xとした場合の組成比
xが、0.2≦x≦0.9であることを特徴とする板状
Mg−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末である。
【0017】また、本発明は、少なくとも一方が板状形
状を呈したマグネシウム化合物とアルミニウム化合物と
を混合し、該混合物を400〜550℃で焼成して、板
状のMg−Al複合酸化物を得、次いで、該複合酸化物
をアニオンを含有する水溶液によって水和することを特
徴とする上記記載の板状Mg−Al系ハイドロタルサイ
ト型粒子粉末の製造法である。
【0018】本発明の構成をより詳しく説明すれば次の
通りである。
【0019】先ず、本発明に係るMg−Al系ハイドロ
タルサイト型粒子粉末について述べる。
【0020】本発明に係るMg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末の粒子形状は板状である。
【0021】本発明に係るMg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末は、板状比が10〜100である。板状
比が10未満の場合には、配向性が不十分のため好まし
くない。100を超える場合は、工業的に生産すること
が困難となる。好ましくは、12〜100である。
【0022】本発明に係るMg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末は、板面径が0.05〜0.5μmであ
る。板面径が0.05μm未満の場合には、塗料中の分
散性が不十分である。0.5μmを超える場合には、工
業的に生産することが困難となる。好ましくは0.07
〜0.5μmである。
【0023】本発明に係るMg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末の厚みは、0.005〜0.050μm
が好ましく、より好ましくは0.005〜0.040μ
mである。
【0024】本発明に係るMg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末のBET比表面積値は、30〜130m
/gが好ましく、より好ましくは35〜130m
gである。
【0025】本発明に係るMg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末の組成は下記の通りである。
【0026】Mg1−x・Al・(OH)・An−
x/n・mHO A:n価のアニオン、0.2≦x≦0.9、m>0
【0027】本発明に係るMg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末のMg:Al=1−x:xとした場合の
組成比xは、0.2〜0.9である。xが0.2未満の
場合及び0.9を超える場合には、Mg−Al系ハイド
ロタルサイト型粒子粉末の単相が得られにくい。好まし
いxの範囲は、0.22〜0.9である。
【0028】アニオン(A)は、特に特定されるもので
はなく、OH、CO 2−等が挙げられ、好ましく
は、CO 2−である。
【0029】本発明に係るMg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末は後述する製造法に起因して、硫黄化合
物又は硫酸イオンの含有量が少ないものである。硫黄化
合物又は硫酸イオンの含有量はS換算で50ppm以下
である。
【0030】本発明に係るMg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末の配向度は65%以上が好ましく、より
好ましくは70%以上である。ハイドロタルサイト型粒
子粉末の配向度は後述する方法によって測定した。
【0031】次に、本発明に係るMg−Al系ハイドロ
タルサイト型粒子粉末の製造法について述べる。
【0032】本発明に係るMg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末は、少なくとも一方が板状を呈するマグ
ネシウム化合物とアルミニウム化合物とを混合し、該混
合物を400〜550℃で焼成して、Mg−Al複合酸
化物を得、該複合酸化物をアニオンを含有する水溶液に
よって水和することにより得ることができる。
【0033】本発明におけるマグネシウム化合物として
は、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化マグ
ネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウ
ム、硝酸マグネシウム等を使用することができる。好ま
しくは、水酸化マグネシウムである。
【0034】本発明におけるアルミニウム化合物として
は、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化アル
ミニウム、アルミン酸ナトリウム、酢酸アルミニウム、
硝酸アルミニウム等を使用することができる。好ましく
は、水酸化アルミニウムである。
【0035】マグネシウム化合物とアルミニウム化合物
のうち少なくとも一方が板状形状のものを用いる。好ま
しくは、両方が板状形状のものを用いる。
【0036】マグネシウム化合物とアルミニウム化合物
との混合は、乳鉢やボールミル等を用いて行えばよい。
【0037】Mg−Al混合物の焼成温度は、400〜
550℃である。400℃未満及び550℃を超える場
合には、ハイドロタルサイト型粒子以外の化合物が生成
するので好ましくない。好ましくは、450〜540℃
である。
【0038】Mg−Al複合酸化物を水和させる水溶液
は、ハイドロタルサイト型粒子粉末中に存在させるアニ
オンを含有する水溶液であればよく、好ましくは炭酸水
溶液である。具体的には炭酸ナトリウム水溶液である。
【0039】前記アニオンを含有する水溶液の濃度は、
0.1〜3.0mol/lが好ましい。
【0040】Mg−Al複合酸化物を水和する水溶液の
温度は、20〜100℃が好ましい。
【0041】Mg−Al複合酸化物を水和する時間は、
2〜24時間が好ましい。
【0042】水和終了後においては、水洗、乾燥するこ
とにより、板状Mg−Al系ハイドロタルサイト型粒子
粉末が得られる。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は次
の通りである。
【0044】マグネシウム化合物及びアルミニウム化合
物の粒子形状は電子顕微鏡写真から判断した。
【0045】ハイドロタルサイト型粒子粉末の板面径は
電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示したもの
である。
【0046】ハイドロタルサイト型粒子粉末の粒子の厚
みは、「X線回折装置RAD−2A(理学電機(株)
製)」(管球:Fe、管電圧:40kV、管電流:20
mA、ゴニオメーター:広角ゴニオメーター、サンプリ
ング幅:0.010°、走査速度:0.500°/mi
n、発散スリット:1°、散乱スリット:1°、受光ス
リット:0.30mm)を使用し、ハイドロタルサイト
型粒子の(003)結晶面の回折ピーク曲線から、シェ
ラーの式を用いて計算した値で示したものである。
【0047】得られた粒子粉末の同定は、X線回折によ
り行い、前記X線回折装置を使用し、回折角2θが5〜
90°で測定した。
【0048】BET比表面積値はBET法により測定し
た値で示した。
【0049】Mg−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉
末における構造式 Mg1−x・Al・(OH)・An− x/n・mH
O における指数xは、Mg−Al系ハイドロタルサイト型
粒子粉末を酸で溶解し、「プラズマ発光分光分析装置
SPS4000(セイコー電子工業(株))」で測定し
て求めた。
【0050】アニオン(An−)としてCO 2−用い
た場合の炭素含有量(重量%)及び硫黄化合物又は硫酸
イオンの含有量は、カーボン・サルファーアナライザ
ー:EMIA−2200(HORIBA製)により測定
した。
【0051】Mg−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉
末の配向度(%)は下記の方法で評価した。
【0052】ハイドロタルサイト型粒子粉末1.5g、
ひまし油1cc、ラッカー3.5gを十分混合して塗料
化し、アプリケーター(GAP150μm)でコート紙
に塗布する。得られた塗布膜に対して散乱ベクトルを垂
直にとって前記X線回折装置を使用して回折角2θが5
〜90°の範囲で測定する。
【0053】得られたX線回折測定結果から、特公昭5
6−35004号公報に記載されている次式によって配
向度を算出する。
【数1】
【0054】ここで、Iは回折ピークの積分強度を示
し、添字A、Rはそれぞれ配向試料、無配向試料を示
す。ΣI00l及びΣI00lは面指数(00
3)、(006)及び(009)の各面の回折ピーク強
度の和を示し、Itotal及びI totalは回
折角2θが5〜90°における全ピーク強度の和を示す
ものである。
【0055】本発明に係るMg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末の板面は、ハイドロタルサイト型構造の
(00l)面に平行である。従って、配向度は(00
l)面に平行な面の反射強度の相対比率を評価するもの
であり、塗膜中の板状粒子の板面がどれだけ膜面に向い
ているかの相対評価となるものである。
【0056】<Mg−Al系ハイドロタルサイト型粒子
粉末の製造法>水酸化マグネシウム粉末58.32gと
水酸化アルミニウム粉末78.00gとを乳鉢を用いて
十分に混合する。得られた混合物を空気中500℃で2
時間焼成して、板状のMg−Al系複合酸化物粉末を得
た。
【0057】得られた粉末22.82gを0.35mo
l/lの炭酸ナトリウム水溶液500mlに添加して全
量を1lとし、撹拌しながら95℃で5時間熟成して白
色沈殿物を得た。
【0058】得られた白色沈殿物を濾過、水洗の後、6
0℃にて乾燥して白色粒子粉末を得た。この白色粒子粉
末をX線回折によって同定した結果、ハイドロタルサイ
ト型粒子粉末であることを確認した。
【0059】得られた板状Mg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末は、平均板面径が0.30μm、厚みが
0.0138μm、板状比が21.7、BET比表面積
値が70.5m/g、配向度は85%であった。
【0060】
【作用】本発明において重要な点は、板状比が10〜1
00であって、板面径が0.05〜0.5μmである特
定の組成を有するハイドロタルサイト型粒子粉末は、板
状比が大きく、塗膜とした場合には、配向性が優れると
いうことである。
【0061】本発明に係るMg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末を塗膜にした場合に配向性が優れるの
は、Mg−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末の板状
比が大きいことに起因して、塗膜にした場合にハイドロ
タルサイト型粒子粉末が容易に配向するためと考えられ
る。
【0062】本発明に係るMg−Al系ハイドロタルサ
イト型粒子粉末の板状比が大きいのは、アルミニウム化
合物とマグネシウム化合物とを混合・焼成して得られる
Mg−Al複合酸化物の形状が板状であり、且つ、板状
比が大きいので、これを水和して得られたMg−Al系
ハイドロタルサイト型粒子粉末もその形状が保持され、
板状比の大きな粒子粉末を得ることができるからであ
る。
【0063】また、マグネシウム化合物とアルミニウム
化合物との混合物を焼成して板状Mg−Al系複合酸化
物粒子粉末とし、該粒子粉末を水和して直接ハイドロタ
ルサイト型粒子粉末を得ているので、所望組成のハイド
ロタルサイト型粒子粉末を容易に得ることができる。ま
た、硫黄化合物又は硫酸イオンが少ないため、耐腐食性
に優れた塗膜にすることができ、防錆塗料として好適で
ある。
【0064】
【実施例】次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0065】実施例1〜9、比較例1〜3 マグネシウム化合物の種類、アルミニウム化合物の種
類、混合量及び焼成温度を種々変化させた以外は前記発
明の実施の形態と同様にしてMg−Al系ハイドロタル
サイト型粒子粉末を得た。
【0066】この時の主要製造条件を表1、得られたM
g−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末の諸特性を表
2に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】比較例4(共沈反応によるハイドロタルサ
イト型粒子粉末の製造) CO 2−イオン濃度が0.875mol/lの炭酸ナ
トリウム水溶液500mlと5.208mol/lの水
酸化ナトリウム水溶液3lを混合し、60℃に保持し
て、反応容器中で撹拌しておく。これに3.75mol
/lの硫酸マグネシウム水溶液500mlと0.625
mol/lの硫酸アルミニウム水溶液500mlを添加
した後、全量を5lとした。反応容器内を撹拌しながら
95℃で15時間熟成した。熟成中の懸濁液のpH値は
12.2であった。濾過、水洗の後、60℃にて乾燥す
ることにより、白色の粒子粉末を得た。この白色の粒子
粉末をX線回折によって同定した結果、ハイドロタルサ
イト型粒子粉末であることを確認した。
【0070】得られたMg−Al系ハイドロタルサイト
型粒子粉末は、平均板面径が0.07μm、厚みが0.
0125μm、板状比が5.6であり、BET比表面積
値が85.5m/g、配向度は48%であった。
【0071】得られたMg−Al系ハイドロタルサイト
型粒子粉末の諸特性を表2に示す。
【0072】比較例5(再構築法によるハイドロタルサ
イト型粒子粉末の製造) 比較例4で得られたハイドロタルサイト型粒子粉末20
gを空気中500℃で2時間焼成し、板状のMg−Al
系複合酸化物粒子粉末を得た。得られた粒子粉末10.
74gを0.175mol/lの炭酸ナトリウム水溶液
250mlに添加して全量を500mlとし、撹拌しな
がら95℃で5時間熟成して白色沈殿物を得た。この白
色の粒子粉末をX線回折によって同定した結果、ハイド
ロタルサイト型粒子粉末であることを確認した。
【0073】得られたMg−Al系ハイドロタルサイト
型粒子粉末は、平均板面径が0.07μm、厚みが0.
0115μm、板状比が6.1であり、BET比表面積
値が88.8m/g、配向度は50%であった。
【0074】得られたMg−Al系ハイドロタルサイト
型粒子粉末の諸特性を表2に示す。
【0075】
【発明の効果】本発明に係る板状Mg−Al系ハイドロ
タルサイト型粒子粉末は、板状比が大きく、配向性が高
いため、自動車等の下塗り用塗料や防錆塗料として好適
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本明典 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号戸 田工業株式会社創造センター内 Fターム(参考) 4G076 AA18 AA19 AB02 AB04 AB06 AB09 AB12 BA24 BA39 BC07 BC08 BD02 CA02 CA08 CA22 CA28 CA36 DA01 DA16 DA25 DA30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状比(板面径/厚み)が10〜100
    であって、板面径が0.05〜0.5μmであり、M
    g:Al=1−x:xとした場合の組成比xが、0.2
    ≦x≦0.9であることを特徴とする板状Mg−Al系
    ハイドロタルサイト型粒子粉末。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方が板状形状を呈したマグ
    ネシウム化合物とアルミニウム化合物とを混合し、該混
    合物を400〜550℃で焼成して、板状のMg−Al
    複合酸化物を得、次いで、該複合酸化物をアニオンを含
    有する水溶液によって水和することを特徴とする請求項
    1記載の板状Mg−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉
    末の製造法。
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