JP2676100B2 - 酸化鉄顔料粉末 - Google Patents

酸化鉄顔料粉末

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、美麗且つ多彩な色彩を有する酸化鉄顔料粉
末に関するものである。
本発明に係る酸化鉄顔料粉末の主な用途は、塗料用、
印刷インキ用、化粧品用等の着色顔料である。
〔従来の技術〕
酸化鉄顔料として最も代表的なヘマタイト(弁柄)粒
子は、赤色を呈している為、顔料とビヒクルとを混合し
て塗料、印刷インキ、化粧品を製造する際の赤色着色顔
料として広く使用されている。
酸化鉄顔料のうち、特に、板状形態を呈したヘマタイ
ト粒子は、黒紫色を呈しており、黒紫色着色顔料として
使用されているとともに、その形態に起因して板状粒子
が重なって配向する為、被覆性に優れているという特徴
を有し、防錆顔料としても使用されている。
一方、近年、文化、生活の向上により、商品の品質の
向上以外に感覚的、趣味的な面からの品質特性が要求さ
れており、特に色彩に関しては、感覚、趣味感の多様
化、個性化に伴って、美麗且つ多彩であることが強く要
求されている。
近年、鉄鋼構造による建築物や橋梁の増加に伴って、
その形態に起因して防錆顔料として使用されている板状
ヘマタイト粒子の需要が増大しているが、前述した公知
の板状ヘマタイトは、その色彩が黒紫色である為、美麗
な色彩とは言い難いものであり、色彩があまり問題とな
らない下塗り塗料用顔料として用いられているにすぎな
い。
この事実は、例えば、特公昭51−7176号公報の「雲母
状酸化鉄(Micaceous Iron Oxide,‥‥以後MIOと略す)
は、‥‥平滑な表面を持っている。このMIOは鉄鋼構造
物に対する優秀は防食塗料として特に天然品を中心に使
用されてきており、その特徴とするところは、MIOのフ
レーク状粒子が塗膜面に対して平行に重なりあって配列
し、強固な塗膜を形成するために長期防食塗料として卓
越している点である。ところがこのように秀れた防食性
能を持つMIO塗料にもそれなりの難点があり、即ちその
一つは色調であり、‥‥。‥‥全体としては黒味が強
く、‥‥重厚な感じを与えるものの‥‥装飾性の点で劣
っている。」なる記載の通りである。
従来、美麗且つ多彩な色彩を有する板状ヘマタイト粒
子を得る方法として、例えば、前出特公昭51−7176号公
報に記載の方法がある。即ち、この方法は板状ヘマタイ
ト粒子の粒子表面を透明且つ高屈折率を有する酸化チタ
ンや酸化ジルコニウム等で被覆するものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
美麗且つ多彩な色彩を有する板状ヘマタイト粒子は現
在最も要求されているところであるが、上述した通りの
公知方法による場合には、酸化チタンや酸化ジルコニウ
ムの被覆が不均一となりやすく、その結果、色むらの原
因となるという欠点があった。また、周知の通り、酸化
チタンは、塗料中の樹脂と反応して樹脂を劣化させる要
因でもあり、一方、酸化ジルコニウムは、高価である為
経済性に問題があった。
そこで、均一な被覆が可能であって且つ樹脂等を劣化
させることのない安定な化合物によって板状ヘマタイト
粒子を被覆することにより美麗且つ多彩な板状ヘマタイ
ト粒子を得ることが強く要求されている。
〔問題を解決する為の手段〕
本発明者は、均一な被覆が可能であって且つ、樹脂等
を劣化させることのない安定な化合物によって板状ヘマ
タイト粒子を被覆することにより美麗且つ多彩な板状ヘ
マタイト粒子を得るべく種々検討した結果、本発明に到
達したのである。
即ち、本発明は、平均径が0.5〜30.0μm、厚み0.05
〜0.2μm、且つ、板状比10:1〜150:1である赤紫色の板
状ヘマタイト粒子、又は、平均径が0.5〜5.0μm、厚み
50〜500Å、且つ、板状比50:1〜500:1である黄金色の板
状ヘマタイト粒子であって、当該板状ヘマタイト粒子の
表面が20〜10000Åの光学的厚み(アルミニウム酸化物
又は水和物の厚み×屈折率)を有するアルミニウムの酸
化物又は水和物によって被覆されている酸化鉄粒子から
なる酸化鉄顔料粉末である。
〔作用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、平均径が0.5
〜30.0μm、厚み0.05〜0.2μm、且つ、板状比10:1〜1
50:1である赤紫色の板状ヘマタイト粒子、又は、平均径
が0.5〜5.0μm、厚み50〜500Å、且つ、板状比50:1〜5
00:1である黄金色の板状ヘマタイト粒子の表面を20〜10
000Åの光学的厚み(アルミニウム酸化物又は水和物の
厚み×屈折率)を有するアルミニウムの酸化物又は水和
物によって被覆した場合には、美麗且つ多彩な色彩の板
状ヘマタイト粒子を得ることができ、しかも、アルミニ
ウムの酸化物又は水和物は、均一な被覆が可能であっ
て、且つ樹脂等を劣化させることのない安定な化合物で
あるという事実である。
本発明における板状ヘマタイト粒子の所望の色彩は、
当該板状ヘマタイト粒子の粒子形態とアルミニウムの酸
化物又は水和物の光学的厚みを制御することによって得
られる。ここで、光学的厚みとはアルミニウムの酸化物
又は水和物の厚みと屈折率とを乗じた値で示される(色
材協会誌第60巻(1987年)第481〜487頁参照)。
先ず、板状ヘマタイト粒子の粒子形態と色彩との関係
について言えば、下記の通りである。
即ち、平均径0.5〜30.0μm、厚み0.05〜0.2μmであ
って、板状比10:1〜150:1の板状ヘマタイト粒子は通
常、赤紫色である。
平均径0.5〜5.0μm、厚み50〜500Åであって、板状
比50:1〜500:1の板状ヘマタイト粒子は、黄金色を呈す
る。
次に、アルミニウムの酸化物又は水和物の光学的厚み
と色彩との関係について言えば、アルミニウムの酸化物
又は水和物の光学的厚みを種々変化させることによっ
て、板状ヘマタイト粒子の粒子形態によって定まる色彩
を基本として更に黄みや赤みを種々変化させることが可
能となる。
今、本発明者が行った数多くの実験例から、その一部
を抽出して説明すれば、次の通りである。
図1は、平均径が2.5μm、厚み0.03μm且つ板状比8
3:1の板状ヘマタイト粒子を用い、当該板状ヘマタイト
粒子の粒子表面を被覆しているα−アルミナ層の光学的
厚みを種々変化させた場合における酸化鉄顔料粒子の黄
み及び赤みの変化をa、b座標(a、bはCIE
1976(L、a、b)均等知覚色空間で表示した値
である。)を用いて示したものである。
図1中、試料Aは、α−アルミナ層によって被覆され
ていない板状ヘマタイト粒子であり、試料B、C、D、
Eは、α−アルミナ層の光学的厚みがそれぞれ35Å、35
3Å、494Å、706Åの場合である。
座標中、a及びbはそれぞれ赤み、黄みを示し、
いずれも値が大きくなる程、赤みや黄みが強くなる。
同図から明らかな通り、α−アルミナの被覆層の厚み
によって、色彩が種々変化している。
図2は、平均径が7.0μm、厚み0.2μm且つ板状比3
5:1の板状ヘマタイト粒子を用い、当該板状ヘマタイト
粒子の粒子表面を被覆しているα−アルミナ層の光学的
厚みを種々変化させた場合における酸化鉄顔料粒子の黄
み及び赤みの変化をa、b座標(a、bはCIE
1976(L、a、b)均等知覚色空間で表示した値
である。)を用いて示したものである。
図2中、試料Fは、α−アルミナ層によって被覆され
ていない板状ヘマタイト粒子であり、試料G、H、I、
Jは、α−アルミナ層の光学的厚みがそれぞれ280Å、5
60Å、850Å、1130Åの場合である。
座標中、a及びbはそれぞれ赤み、黄みを示し、
いずれも値が大きくなる程、赤みや黄みが強くなる。
同図から明らかな通り、α−アルミナの被覆層の厚み
によって、色彩が種々変化している。
尚、従来、粒子表面をアルミニウム化合物で被覆した
ヘマタイト粒子粉末に関するものとして、例えば、特開
昭51−47923号公報及び特開昭51−124125号公報に記載
の方法がある。これらの粒子は、板状ヘマタイト粒子に
関するものではなく、また、その目的は、分散性の改良
であり、美麗且つ多彩な色彩を有する酸化鉄顔料粉末に
係る本発明とは、目的、構成及び効果を全く異にするも
のである。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べ
る。
本発明における板状ヘマタイト粒子としては、平均径
が0.5〜30.0μm、厚み0.05〜0.2μm、且つ、板状比1
0:1〜150:1である赤紫色の板状ヘマタイト粒子、又は、
平均径が0.5〜5.0μm、厚み50〜500Å、且つ、板状比5
0:1〜500:1である黄金色の板状ヘマタイト粒子を用いる
ことができる。
本発明の板状ヘマタイト粒子は、天然のものでもまた
合成したものであってもよい。
一般に天然に得られる板状ヘマタイト粒子は粒度が大
きく平均径が1.0〜100μm、厚み0.1〜10μm且つ、板
状比2:1〜50:1の粒子が得られやすい。
合成法による場合には、一般に、含水酸化第二鉄粒子
又はFeOx・Fe2O3(0≦X≦1)、粒子を含むpH9以上の
アルカリ性懸濁液を水熱処理することによって得られ、
平均径が0.1〜30.0μm、厚み50〜20000Å、且つ、板状
比2:1〜500:1の粒子が得られる。
この場合、アルカリ濃度が高くなる程、生成する粒子
の平均径が大きく且つ厚みが厚くなる傾向がある。
特に、上記水熱処理法において、アルカリ性懸濁液中
にあらかじめFe 1molに対し、0.1〜15.0mol比の水可溶
性塩とFeに対しSi換算で1.5〜20.0mol%のSiを含む化合
物とを添加し、次いで水熱処理して場合には、平均径0.
5〜5.0μm、厚み50〜500Åであって、板状比50:1〜50
0:1であり、且つ、明度L値が30以上、色相θ=tan-1
b/aが50゜以上、 が17以上(式中、L、a、bはCIE 1976(L
、b)均等知覚色空間で表示した値である。)で
ある黄金色を呈した板状ヘマタイト粒子を得ることがで
きる。
本発明において使用するアルミニウムの酸化物又は水
和物は、一般式Al2O3・nH2O(但し、n=0〜5)で示
され、アルミニウムの酸化物としては、α−,γ−,δ
−,ε−,χ−,κ−,θ−アルミナ(Al2O3)等が、
アルミニウムの水和物としては、ベーマイト(α−Al2O
3・H2O)、ジアスポア(β−Al2O3・H2O)、バイアライ
ト(β−Al2O3・3H2O)、ギブサイト(α−Al2O3・3H
2O)、ノルトストランダイト(Al2O3・3H2O)等の結晶
性水和物やCα,Cβ,Cγゲル等の非晶質水和物である。
本発明における板状ヘマタイト粒子のアルミニウムの
酸化物又は水和物による被覆は、例えば、市販のアルミ
ニウムの酸化物又は水和物を含む溶液中に板状ヘマタイ
ト粒子を分散させた後別し、乾燥するか、若しくは、
板状ヘマタイト粒子を含むpH3以下の水懸濁液に硫酸ア
ルミニウム等のアルミニウム化合物を添加した後、pH7
以下で且つ0〜100℃の温度範囲に保持し、次いで、
過、水洗、乾燥するか、又は、必要により反応中に尿素
を添加し、90〜100℃の温度範囲で加熱処理してアルミ
ニウム化合物を水和物として沈澱させることにより行わ
れる。必要により、上記方法により得られた粒子表面が
アルミニウムの酸化物又は水酸化物により被覆されてい
る板状ヘマタイト粒子を500℃以上で加熱してもよい。
上記反応において、過、水洗、乾燥時に生成したア
ルミニウムの水和物は、加熱により脱水して最終的には
α−アルミナに変態するが、その中間過程においてアル
ミニウム水和物の種類や加熱温度、加熱時間等の加熱条
件により前述した各種のアルミニウムの酸化物や水和物
となる。
被覆されるアルミニウムの酸化物又は水和物の光学的
厚みは、アルミニウムの酸化物又は水和物の種類及び厚
みにより異なる。
本発明に係る板状ヘマタイト粒子は、粒子表面がアル
ミニウムの酸化物又は水和物によって被覆されている
為、粒子の板面が相互に重なりあって凝集する所謂、ス
タッキングを生起しにくいという特徴をも有する。
また、粒子表面がアルミニウムの酸化物又は水酸化物
により被覆されている板状ヘマタイト粒子を加熱した場
合、殊に、900℃以上で加熱することにより、板状ヘマ
タイト粒子の粒子表面にα−アルミナが生成されている
場合には、色彩の制御に加えて耐候、耐薬品性等に優
れ、且つ、硬度が大きいという特徴をも有する。
本発明におけるアルミニウムの酸化物又は水和物の光
学的厚みは、20〜10000Åである。
20Å未満の場合には、本発明の目的を達成することが
できない。
10000Åを越える場合にも、色彩を変化させることが
できるが、変化の度合が小さく必要以上に被覆する意味
がない。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明す
る。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の平均径
は電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示したも
のであり、厚み及び板状比はBET法により測定した比表
面積値と上記平均径から求めた数値で示した。
アルミニウムの酸化物又は水和物の厚みは、生成する
アルミニウムの酸化物又は水和物の体積(cm3)を板状
ヘマタイト粒子の表面積(cm2)で除した値で示した。
また、L値(明度)、a値及びb値は、測色用
試料片をカラーマシンCM−1500−A(カラーマシン
(株)製)を用いてHunterのLab空間によりL値、a
値、b値をそれぞれ測色し、国際照明委員会(Comm
ission Internationale de l′Eclairage、CIE)1976
(L、a、b)均等知覚色空間に従って表示した
値で示した。
測定用試料片は、ヘマタイト粒子粉末0.5gとヒマシ油
1.0ccをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、
このペーストにクリヤラッカー4.5gを加え混練し塗料化
して、キャストコート紙上によって6milのアプリケータ
を用いて塗布することによって得た。
実施例1 平均径2.5μm、厚み0.03μm、板状比83:1の板状ヘ
マタイト粒子粉末50gを含む水懸濁液2に硝酸アルミ
ニウム1.25molを添加して50℃に保持した。この溶液を
撹拌しながらアンモニアを3時間かけて滴下してpH6に
調製した後、過、水洗し、120℃で乾燥して147.5gの
乾燥粒子粉末を得た。得られた乾燥粒子粉末は、図3に
示す電子顕微鏡写真(×100000)と図4に示すX線回折
図及び電子線回折の結果、板状ヘマタイト粒子の表面が
非晶質のアルミナゲルによって均一に被覆されているこ
とが認められた。即ち、図3ではアルミニウムの水和物
によって被覆されていることが示されているが、被覆物
が非晶質である為X線のピークは認められずヘマタイト
のみのピークが認められている。この時の非晶質のアル
ミナゲルの光学的厚みは790Åであって、色彩はL
が44.9、a値が14.5、b値が20.0であった。
上記乾燥粒子粉末30gを800℃の温度で1時間加熱焼成
することにより得られた加熱焼成粒子は、電子顕微鏡観
察と図5のX線回折図及び電子線回折の結果、板状ヘマ
タイト粒子の表面が非晶質アルミナによって均一に被覆
されていることが認められた。この時の非晶質アルミナ
の光学的厚みは387Åであって、色彩はL値が45.4、
値が14.4、b値が20.5であった。
また、前記乾燥粒子粉末30gを1000℃の温度で1時間
加熱焼成することにより得られた加熱焼成粒子は、図6
の電子顕微鏡写真(×100000)と図7のX線回折図及び
電子線回折の結果、板状ヘマタイト粒子の表面がα−Al
2O3によって均一に被覆されることが認められた。即
ち、図7中、ピークAはヘマタイト、ピークBはα−Al
2O3を示す。この時のα−Al2O3の光学的厚みは351Åで
あって、色彩はL値が45.4、a値が15.2、b値が
29.9であった。
図6の電子顕微鏡写真に示される通り、モアレ干渉ジ
マが観察され、ヘマタイト粒子の表面がα−アルミナに
よって被覆されていることがわかった。
実施例2 平均径7.0μm、厚み0.2μm、板状比35:1の板状ヘマ
タイト粒子粉末50gを含む水懸濁液2にベーマイト構
造を有するアルミニウム水和物AS−520(日産化学工業
(株)製 Al量は、Al2O3換算で20.8wt%に相当す
る。)30.6gを添加し、pH11に調製した。この溶液にH2S
O4を滴下し、pH6.9に再度調整した後、過、水洗し、1
20℃で乾燥して57.5gの乾燥粒子粉末を得た。得られた
乾燥粒子粉末は、電子顕微鏡観察とX線回折及び電子線
回折の結果、板状ヘマタイト粒子の表面がベーマイト構
造を有するアルミニウム水和物によって均一に被覆され
ていることが認められた。この時のベーマイト構造を有
するアルミニウム水和物の光学的厚みは807Åであっ
て、色彩はL値が20.1、a値が13.9、b値が6.8
であった。
上記乾燥粒子粉末10gを600℃の温度で1時間加熱焼成
することにより得られた加熱焼成粒子は、電子顕微鏡観
察とX線回折及び電子線回折の結果、板状ヘマタイト粒
子の表面がγ−アルミナによって均一に被覆されている
ことが認められた。この時のγ−アルミナの光学的厚み
は636Åであって、色彩はL値が21.0、a値が14.
0、b値が5.5であった。
また、前記乾燥粒子粉末10gを1000℃の温度で1時間
加熱焼成することにより得られた加熱焼成粒子は、電子
顕微鏡観察とX線回折及び電子線回折の結果、板状ヘマ
タイト粒子の表面がα−アルミナによって均一に被覆さ
れていることが認められた。この時のα−アルミナの光
学的厚みは560Åであって、色彩はL値が20.0、a
値が13.8、bが6.8であった。
〔効果〕
本発明に係る酸化鉄顔料粉末は、前出実施例に示した
通り、平均径が0.5〜30.0μm、厚み0.05〜0.2μm、且
つ、板状比10:1〜150:1である赤紫色の板状ヘマタイト
粒子、又は、平均径が0.5〜5.0μm、厚み50〜500Å、
且つ、板状比50:1〜500:1である黄金色の板状ヘマタイ
ト粒子であって、当該板状ヘマタイト粒子の表面が20〜
10000Åの光学的厚み(アルミニウム酸化物又は水和物
の厚み×屈折率)を有するアルミニウムの酸化物又は水
和物で被覆されている酸化鉄粒子であることに起因し
て、分散性、配向性に優れ、しかも、美麗且つ多彩な色
彩を有するものであるから、塗料用、印刷インキ用、化
粧品用等の着色顔料として好適である。
【図面の簡単な説明】
図1及び図2は、いずれもa、b座標であり板状ヘ
マタイト粒子の粒子表面を被覆しているアルミニウムの
酸化物又は水和物の光学的厚みを変化させた場合におけ
る酸化鉄顔料粒子の黄み、赤みの変化を示したものであ
る。 図3及び図4は、それぞれ実施例1で得られた粒子表面
が非晶質のアルミナゲルによって被覆されている板状ヘ
マタイト粒子の電子顕微鏡写真及びX線回折図である。 図5は、実施例1で得られた粒子表面が非晶質アルミナ
によって被覆されている板状ヘマタイト粒子のX線回折
図である。 図6は及び図7は、それぞれ実施例1で得られた粒子表
面がα−アルミナによって被覆されている板状ヘマタイ
ト粒子の電子顕微鏡写真及びX線回折図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均径が0.5〜30.0μm、厚み0.05〜0.2μ
    m、且つ、板状比10:1〜150:1である赤紫色の板状ヘマ
    タイト粒子、又は、平均径が0.5〜5.0μm、厚み50〜50
    0Å、且つ、板状比50:1〜500:1である黄金色の板状ヘマ
    タイト粒子であって、当該板状ヘマタイト粒子の表面が
    20〜10000Åの光学的厚み(アルミニウム酸化物又は水
    和物の厚み×屈折率)を有するアルミニウムの酸化物又
    は水和物によって被覆されている酸化鉄粒子からなる酸
    化鉄顔料粉末。
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