JP2000246527A - 切削加工装置 - Google Patents

切削加工装置

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JP2000246527A
JP2000246527A JP11057678A JP5767899A JP2000246527A JP 2000246527 A JP2000246527 A JP 2000246527A JP 11057678 A JP11057678 A JP 11057678A JP 5767899 A JP5767899 A JP 5767899A JP 2000246527 A JP2000246527 A JP 2000246527A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工具を自転および公転させるコンタリング加
工の可能な切削加工装置を小型軽量化する。 【解決手段】 中心軸線を中心に自転する公転軸と、そ
の公転軸の中心軸線から外れた偏心位置に自転可能に保
持された偏心軸と、その偏心軸の中心軸線から外れた偏
心位置に前記公転軸の中心軸線と平行な軸線を中心に自
転するように保持されかつ工具を取り付ける主軸と、そ
の主軸を自転させる固定設置された主軸用モータと、そ
の主軸用モータから前記主軸にトルクを伝達する主軸用
伝動機構と、前記公転軸と偏心軸とのいずれか一方の軸
に常時連結された公転用モータと、前記公転軸と偏心軸
とのいずれか他方の軸と前記公転用モータとを連結した
状態と、前記他方の軸を公転用モータに対して非連結状
態とに切り換えるクラッチ機構とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、外周部に切刃を
設けた切削工具を、その切削工具の中心軸線を中心に自
転させると同時に、その中心軸線と平行な軸線を中心に
公転させて切削をおこなういわゆるコンタリング加工の
可能な装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンタリング加工と称される加工方法
は、切刃を備えた切削工具を自転させると同時に、その
切削工具を被削材を中心に公転させる加工方法であり、
その典型的な例はエンドミル加工である。その一例が、
特開平63−212442号公報に記載されている。こ
の公報に記載されたコンタリング加工方法は、エンドミ
ルを自転させつつ公転させて加工をおこなうにあたり、
自転かつ公転するエンドミルの刃先の回転径をレーザ光
線によって測定し、その測定結果に基づいて数値制御装
置における工具径補正機能により工具径を補正するよう
に構成したものである。そして、実際の切削加工におい
ては、エンドミルを先ず加工対象孔の中心部に挿入し、
その位置から刃先が加工対象孔の内面に接する位置、よ
り正確には加工径となる位置に移動させ、その後、加工
対象孔の内面に沿って移動させる。すなわちエンドミル
を工作機械の主軸に取り付けて自転させ、その主軸をい
わゆるX−Y平面内で円運動させることにより、エンド
ミルを公転させている。
【0003】またこれとは異なる形式の装置として、極
座標系の機構を使用した装置が知られている。すなわ
ち、モータによって回転もしくは揺動運動させられる主
アームの先端に、主軸用のモータと工具軸アームとが取
り付けられ、その工具軸アームの先端に主軸用モータに
よって回転させられる工具軸が取り付けられている。こ
の種の装置では、主アームと工具軸アームとを連動させ
て揺動運動させることにより、工具軸を円運動すなわち
公転させ、あるいは主アームを回転させることにより、
工具軸を公転させ、その公転半径を工具軸アームの主ア
ームに対する相対角度を変えることによって変更する。
【0004】さらに他の形式の装置として、第1の軸に
その半径方向に移動する工具軸を取り付け、その工具軸
を第1の軸と共に回転させることにより工具軸を公転さ
せ、かつ第1の軸の半径方向における工具軸の位置を変
えることにより、工具軸の公転半径を変更するように構
成した装置が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したコンタリング
加工における切刃と被削材との相対速度すなわち切削速
度は、工具の自転よる切刃の周速と公転による円運動速
度とを加えたものになる。しかしながら、上述した従来
のコンタリング加工では、工具を取り付けた主軸を円運
動させることにより、工具を公転させているので、公転
速度が自転速度に比較してきわめて低速であり、切削速
度は実質的に工具の自転速度すなわち主軸の回転数で決
定されてしまう。
【0006】すなわち従来のいわゆるX−Y座標系の装
置では、X−Y平面での2軸方向への送りを協調させる
ことにより工具を公転させているので、制御上の制約で
公転速度を高速化することが困難である。また主軸を2
軸方向に移動させるためには、例えば主軸頭をコラムに
沿って上下動させると同時に、コラムをベッド上で水平
移動させることになり、したがって移動させるべき部分
の質量がきわめて大きいので、主軸の公転速度を高速化
することが困難である。
【0007】また、揺動運動する主アームの先端部で工
具軸アームを揺動させることにより、工具軸を公転運動
させる極座標系の装置においても、工具軸アームを揺動
させるモータや工具軸を自転させるモータを主アームと
共に揺動運動させることになり、また上記のX−Y座標
系の装置と同様に、2つのモータの協調動作によって工
具軸を公転運動させるので、工具軸の公転速度を高速化
することが困難である。
【0008】さらに、他の形式の装置においても、工具
軸を自転させるためのモータを、工具軸と共に公転運動
させることになるので、その質量が大きいことにより、
高速回転させることが困難である。そして、工具軸を公
転させる形式の装置では、工具軸の公転半径を変更する
のに伴って工具軸を自転させるためのモータの位置が変
化するので、回転する部材の全体としての重心位置が変
化する。そのために、公転速度の増大に伴って振動が大
きくなるおそれがある。
【0009】結局、従来では、工具軸あるいはこれに取
り付けた切削工具の公転速度を速くすることができない
ので、加工条件が制約され、能率を向上し、また工具寿
命を長くすることが困難であった。さらに、公転半径を
変更する場合、X−Y座標系の装置では、各軸方向の送
り量を協調して変更する必要があり、また極座標系の装
置では、アームの揺動角速度を協調して変更するなどの
操作が必要であり、高速で公転させている状態での公転
半径の変更が困難であり、そのために加工形状が制約さ
れるなどの不都合があった。
【0010】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、回転切削工具の自転回転数と公転回転
数との比率を任意に設定することができるうえに、工具
の公転半径を容易に変更することができ、しかも構成の
簡素化を図ることのできる装置を提供することを目的と
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、切削工具を回転さ
せ、その切刃を被削材に断続的に作用させて被削材の切
削をおこなう切削加工装置において、中心軸線を中心に
自転し、かつ少なくとも軸線方向に前後動させられる公
転軸と、その公転軸の中心軸線から外れた偏心位置に前
記公転軸の中心軸線と平行な軸線を中心に自転するよう
に保持された偏心軸と、その偏心軸の中心軸線から外れ
た偏心位置に前記公転軸の中心軸線と平行な軸線を中心
に自転するように保持された主軸と、その主軸を自転さ
せる固定設置された主軸用モータと、その主軸用モータ
から前記主軸にトルクを伝達する主軸用伝動機構と、前
記公転軸と偏心軸とのいずれか一方の軸に常時連結され
た公転用モータと、前記公転軸と偏心軸とのいずれか他
方の軸と前記公転用モータとを連結した状態と、前記他
方の軸を公転用モータに対して非連結状態とに切り換え
るクラッチ機構とを備えていることを特徴とするもので
ある。
【0012】したがってこの発明の装置では、主軸用モ
ータを回転させることにより主軸用伝動機構を介して主
軸にトルクが伝達され、先端部に工具を取り付けた主軸
が自転する。その主軸は、公転軸の偏心位置に配置され
ているので、公転軸を自転させることにより、主軸が公
転軸の軸心を中心に公転する。また、その公転軸の偏心
位置に配置した偏心軸の偏心位置に主軸が自転自在に保
持されているから、偏心軸を自転させることにより、公
転軸の軸心と主軸との距離すなわち公転半径が変化す
る。
【0013】そしてこの発明では、公転軸と偏心軸との
一方の軸が公転用モータに常時連結され、その公転用モ
ータにクラッチ機構を介して他方の軸が選択的に連結さ
れるので、これらの軸同士をクラッチ機構によって非連
結状態とすることによりこれらの軸の相対回転が生じ
る。その結果、公転軸と偏心軸との相対回転が生じ、す
なわち偏心軸が公転軸の保持された状態で自転し、公転
軸の軸心に対する主軸の半径方向の位置が変化する。す
なわち、この発明の装置では、公転用のモータが、クラ
ッチ機構と協働して、主軸の公転半径を変更する機構と
して機能し、そのためにモータの数が少なくなり、構成
が簡素化される。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明を図面を参照し
て具体的に説明する。先ず、この発明に係る切削加工装
置の一例を説明すると、図1および図2において、工具
を先端部に装着する主軸1が、保持軸2の内部に配置さ
れている。この保持軸2は、円筒状の軸であって、図1
に示す切削加工装置3全体のハウジング(すなわち基台
部)4に一体化されている。したがって保持軸2は、被
削材(図示せず)に対して移動させられるものの、自転
することはない。
【0015】この保持軸2の内部には、公転軸5が軸受
6によって自転自在に保持されている。この公転軸5に
は、その軸心に対して偏心しかつ軸線方向に延びた孔が
形成され、その内部に偏心軸7が軸受8によって自転自
在に保持されている。したがってこの偏心軸7は、公転
軸5が自転することにより、公転軸5の軸心を中心にし
て公転する。この偏心軸7は、前記主軸1の公転半径を
変更するためのものであって、その軸心に対して偏心し
かつ軸線方向に貫通した貫通孔が形成され、その貫通孔
の内部に主軸1が軸受9によって自転自在に保持されて
いる。
【0016】図3は、上述した各軸の半径方向での相対
位置を模式的に示しており、保持軸2に対して公転軸5
が同軸上に配置されている。この公転軸5の軸心O5 に
対して偏心した位置に軸心O7 を持つ偏心軸7が、公転
軸5の内部に配置されている。この偏心軸7の内部に自
転自在に配置された主軸1は、偏心軸7の軸心O7 に対
して偏心している。
【0017】したがって偏心軸7を自転させると、その
軸心O7 から外れた位置にある主軸1が、その軸心O7
を中心とした円周C7 上を移動する。その公転軸5に対
する偏心軸7の偏心量と、偏心軸7に対する主軸1の偏
心量とが等しい場合には、主軸1の軸心O1 が公転軸5
の軸心O5 に一致して公転軸5に対する主軸1の偏心量
がゼロとなることがある。すなわち、偏心軸7を自転さ
せることにより、その内部に配置した主軸1の公転軸5
に対する偏心量が変化する。そして、公転軸5に対する
偏心軸7の偏心量と、偏心軸7に対する主軸1の偏心量
とが等しい場合には、その偏心量の2倍を限度として、
公転軸5に対する主軸1の偏心量が、ゼロからそれ以上
に変化する。
【0018】この主軸1に取り付けられた工具は、主軸
1と共に自転する一方、主軸1が公転軸5の内部に保持
されているので、公転軸5が自転することにより、主軸
1すなわち工具が、公転軸5の軸心O5 を中心に公転す
る。その場合の公転半径が、前記偏心軸7を回転させて
設定される公転軸5に対する主軸1の偏心量となる。
【0019】前記公転軸5の図2における右側の端部
は、ハウジング4の後端部側まで延びており、その外周
に嵌合させた軸受10を介してハウジング4によって回
転自在に支持されている。この公転軸5における後端側
の部分には、軸心を中心とした貫通孔が形成されてお
り、その貫通孔の内部に入力軸11が軸受12を介して
回転自在に保持されている。この入力軸11は前記主軸
1を自転させるためのものであって、主軸用モータM1
に連結されている。なお、この主軸用モータM1 は、基
台部であるハウジング4にブラケット13によって連結
されて固定されている。またこの入力軸11における図
2での左側端部は、公転軸5の内部で前記主軸1の後端
部に接近した位置に延びている。
【0020】そしてこの入力軸11の端部には外径の異
なる複数のローラ14が接触した状態に配置されてい
る。これらのローラ14は、入力軸11の軸線と平行と
なるように公転軸5に取り付けた支持ピン15に回転自
在に取り付けられている。さらに、これら複数のローラ
14の全体を覆うように円筒体16が嵌合させられてい
る。なお、各ローラ14は、この円筒体16と入力軸1
1との間に圧入された状態となっており、それぞれの接
触圧力が高いことにより、摩擦力もしくは油膜の剪断力
によってトルクを伝達するようになっている。
【0021】円筒体16は、主軸1の後端部の外周を覆
っており、その主軸1の外周面と円筒体16の内周面と
の間に、前記ローラ14と同様に外径の異なる複数のロ
ーラ17が圧入されている。そのローラ17を回転自在
に取り付けてある支持ピン18が、主軸1の外周側に軸
受を介して回転自在に配置したリング状歯車19に連結
されている。さらにこのリング状歯車19が、前記偏心
軸7の後端部に連結されている。
【0022】したがって入力軸11のトルクが、その外
周面に接触しているローラ14の自転により円筒体16
に伝達され、またこの円筒体16のトルクが、その内周
面に密着している他の複数のローラ17の自転によって
主軸1に伝達される。すなわちモータM1 によって入力
軸11を回転させることにより、そのトルクが主軸1に
伝達されて主軸1が自転する。そして各ローラ14,1
7が相対的に公転することにより、入力軸11に対する
主軸1の偏心量すなわち主軸1の公転半径が変更され
る。
【0023】前記公転軸5のうちリング状歯車19の外
周側の部分に、内外周面に貫通した複数の切欠き部が形
成され、前記リング状歯車19に噛合した中間歯車20
が各切欠き部に配置されている。これらの中間歯車20
が配置されている各部分における公転軸5の肉厚が、そ
の内側の軸線方向に沿う孔の軸心が公転軸5の軸心に対
して偏心していることにより、相互に異なっており、し
たがって各中間歯車20の外径が、それぞれの部分にお
ける公転軸5の肉厚に合わせて大小に異なっている。す
なわち各中間歯車20の最も外周側の部分を結んだ円
が、公転軸5の軸心を中心とした円となるように構成さ
れている。なお、各中間歯車20は公転軸5に取り付け
た支持ピン21によって回転自在に支持されている。
【0024】また各中間歯車20が、内歯歯車である公
転半径変更歯車22に噛合している。この公転半径変更
歯車22は、円筒軸23の先端部に一体化されている。
そしてこの円筒軸23は、前記公転軸5の外周側に入力
軸11と同軸上に嵌合させて配置され、かつ軸受24に
よって回転自在に保持されている。
【0025】前記入力軸11の外周側に位置する公転軸
5の外周部に公転軸歯車25が固定されている。また、
前記円筒軸23の外周部に、歯車26が一体的に設けら
れている。
【0026】これらの公転軸歯車25と歯車26との外
周側に、これらの歯車25,26の中心軸線に対して平
行にモータ軸27が配置されている。このモータ軸27
の両端部は、軸受28を介してハウジング4によって回
転自在に保持されている。またこのモータ軸27の図2
における右側の端部には、公転用モータM2 が連結され
ている。そしてこの公転用モータM2 は、ブラケット2
9を介してハウジング4に連結・固定されている。
【0027】さらに、モータ軸27には、前述した円筒
軸23と一体の歯車26に噛合している第1駆動歯車3
0が、一体的に回転するように取り付けられている。ま
た、前記公転軸歯車25に噛合している第2駆動歯車3
1が、軸受32を介してモータ軸28に回転自在に取り
付けられている。そしてこの第2駆動歯車31は、クラ
ッチ機構33によってモータ軸28に選択的に連結され
るように構成されている。
【0028】そのクラッチ機構33について説明する
と、第2駆動歯車31の左右両側には、第2駆動歯車3
1と一体に回転し、かつ軸線方向にわずか移動可能な連
結プレート34,35が設けられている。図2における
右側の連結プレート34に軸線方向で対向して駆動プレ
ート36が配置されており、この駆動プレート36は、
前記モータ軸27と一体に回転するようにキーなどによ
ってモータ軸27に対して固定されている。さらに、こ
の駆動プレート36を挟んで連結プレート34とは反対
側および他方の連結プレート35を挟んで第2駆動歯車
31とは反対側のそれぞれに電磁コイル37,38がハ
ウジング4に固定して設けられている。すなわち図2に
おける右側の電磁コイル37に通電すると、その電磁力
によって連結プレート34が電磁コイル37側に吸引さ
れて駆動プレート36に密着し、これらのプレート3
4,36の間で生じる摩擦力でトルクを伝達し、その結
果、第2駆動歯車31がモータ軸27に連結され、これ
とは反対の電磁コイル38に通電すると、その電磁力で
他方の連結プレート35がその電磁コイル38すなわち
ハウジング4に吸着されて連結プレート35および第2
駆動歯車31が固定されるように構成されている。
【0029】そして、前記駆動プレート36の外周側に
は、モータ軸27と第2駆動歯車31との相対的な回転
角度すなわち公転軸5と偏心軸7との相対的な回転角度
(位相)を検出する位相検出センサ39がハウジング4
に固定して配置されている。この位相検出センサ39
は、要は、駆動プレート36の連結プレート34に対す
る相対回転角度を検出するためのものであって、光学的
もしくは電気的あるいは磁気的に角度を検出して信号を
出力するセンサによって構成されている。
【0030】なお、上述した主軸用モータM1 から主軸
1に到るトルクの伝達系統がこの発明の主軸用伝動機構
に相当している。
【0031】つぎに上記のこの発明にかかる切削加工装
置の作用について説明する。先ず、主軸1を自転させる
作用について説明すると、前記主軸モータM1 を駆動す
ると、入力軸11が回転し、そのトルクがローラ14に
伝達され、これが回転する。これらのローラ14を保持
している支持ピン15がハウジング4に固定されている
ので、これらのローラ14が自転し、それに伴って円筒
体16が回転する。この円筒体16と主軸1との間には
他のローラ17が圧入されているので、円筒体16が回
転することにより、これらのローラ17を介して主軸1
にトルクが伝達されて主軸1が自転する。
【0032】つぎに主軸1を公転させる作用について説
明する。前記クラッチ機構33における図2での左側の
電磁コイル37にのみ通電すると、連結プレート34が
電磁力によって吸着され、駆動プレート36に密着す
る。すなわち図2での左側の第1クラッチ部が係合状態
となる。その結果、公転用モータM2 と第2駆動歯車3
1とがモータ軸27を介して連結される。これに対して
第1駆動歯車30がモータ軸27に回転方向で一体化さ
れているので、公転用モータM2 を回転させれば、これ
らの駆動歯車30,31を介して歯車26および公転半
径変更歯車22と公転軸歯車25、すなわち偏心軸7と
公転軸5とにトルクが伝達されてこれらの軸7,5が回
転する。その場合、それぞれのトルクの伝達経路におけ
るギヤ比を同一にしておくことにより、偏心軸7と公転
軸5とが同一速度で回転し、相対回転が生じない。その
結果、主軸1の公転軸5の軸心からの距離すなわち公転
半径が一定に維持され、その状態で主軸1が公転軸5と
共に回転する。すなわち主軸1が公転軸5の軸心を中心
に公転する。
【0033】さらに主軸1の公転半径を変更する作用に
ついて説明する。前述したように、主軸1が偏心軸7の
軸心から外れた位置に保持され、またその偏心軸7が公
転軸5の軸心から外れた位置に保持されているから、偏
心軸7が自転することにより、これに保持された主軸1
の公転軸5の軸心に対する位置すなわち公転半径が変化
する。したがって公転軸5に対して偏心軸7を相対回転
させることにより、主軸1の公転半径が変更される。
【0034】具体的には、前述した図2における左側の
電磁コイル37に対する通電を止めるとともに、右側の
電磁コイル38に通電し、図2における右側のいわゆる
第2クラッチ部を動作状態とする。その結果、前述した
いわゆる第1クラッチ部における連結プレート34の吸
着が解除されて駆動プレート36すなわちモータ軸27
と第2駆動歯車31との連結が解除され、これに対して
図2の右側の連結プレート35が電磁コイル38に吸着
されてハウジング4に対して連結される。すなわち第2
駆動歯車31が固定される。
【0035】この状態では、公転軸5が固定された状態
で第1駆動歯車30から歯車26を介して円筒軸23な
らびにこれに取り付けた公転半径変更歯車22にトルク
が伝達されてこれらが回転する。この公転半径変更歯車
22は、公転軸5の外周部に保持させた中間歯車20に
噛合しているので、これらの中間歯車20が自転する。
そしてこれらの中間歯車20に、偏心軸7の後端部に設
けたリング状歯車19が噛合しているので、このリング
状歯車19を介して偏心軸7にトルクが伝達されて自転
する。したがって両者の軸5,7の間に相対回転が生
じ、主軸1が公転軸5の軸心に対して相対的に接近もし
くは離隔する。すなわち公転半径が変化する。
【0036】このようにして主軸1の公転半径を変更し
た場合、前記モータ軸27に一体回転するように取り付
けた駆動プレート36と第2駆動歯車31もしくはこれ
と一体の連結プレート34との間に相対回転あるいは相
対的な位相の変化が生じる。この位相の変化は、これら
の外周側に配置してある位相検出センサ39によって検
出される。したがってこの位相検出センサ39の出力信
号に基づいて主軸1の公転半径を知ることができる。す
なわち主軸1の公転半径を所定の値に設定する場合に
は、この位相検出センサ39から出力される信号に基づ
いて公転半径を検出し、その検出値が所定の値になった
時点で、前記第2クラッチ部をオフにするとともに第1
クラッチ部をオンにし、もしくは公転用モータM2 の回
転を止める。
【0037】上述したこの発明に係る切削加工装置は、
主軸1の自転と公転とを、それぞれ固定設置したモータ
M1 ,M2 を駆動することによっておこなうことがで
き、しかも主軸1を公転させる際にこれらのモータM1
,M2 を互いに独立して駆動すればよく、協調動作さ
せる必要はない。そのため主軸1の公転速度を従来にな
く高速化することができ、また主軸1の自転回転数と公
転回転数との比を任意に設定することができる。そのた
め、この発明に係る上記の切削加工装置によれば、工具
寿命を低下させることなく高能率の切削加工をおこなう
ことが可能になる。
【0038】そして上記の加工装置では、公転軸5に偏
心軸7を保持させ、かつその偏心軸7に主軸1を保持さ
せたいわゆる3軸構造であって、それぞれの軸を回転さ
せることによって、主軸1の自転および公転ならびに公
転半径の変更をおこなう構成であるにも関わらず、必要
とするモータが2つであり、その点で構成部品数を削減
して装置の小型化が可能になる。
【0039】なお、この発明におけるクラッチ機構は、
公転軸5に対して偏心軸7を相対的に自転させることの
できる機構であればよく、上述した構成に限定されな
い。図4は、そのクラッチ機構の他の例を示す部分断面
図であり、第2駆動歯車31に替えて第1駆動歯車30
をモータ軸27に対して選択的に連結するように構成し
た例である。
【0040】すなわち図4において、公転軸歯車25に
噛合している第2駆動歯車31がモータ軸27にキーな
どを介して一体回転するように連結されており、これに
対して歯車26に噛合している第1駆動歯車30がモー
タ軸27に対して回転自在に取り付けられている。その
第1駆動歯車30の図4での右側にモータ軸27と一体
的に回転する駆動プレート36が配置され、その駆動プ
レート36と第1駆動歯車30との間に、第1駆動歯車
30とは一体に回転しかつ軸線方向にわずか移動可能な
連結プレート34が配置されている。そして、駆動プレ
ート36よりも図4での右側に、ハウジング4に固定し
た電磁コイル37が配置され、これら電磁コイル37
と、駆動プレート36と、連結プレート34とによって
第1クラッチ部が形成されている。
【0041】また、第1駆動歯車30の図4での左側
に、第1駆動歯車30と一体に回転しかつ軸線方向にわ
ずか移動可能な連結プレート35が配置されており、こ
の連結プレート35を挟んで第1駆動歯車30とは反対
側に、電磁コイル38がハウジング4に固定されて配置
されている。したがってこの電磁コイル38と、連結プ
レート35とによって第2クラッチ部が形成されてい
る。そして、駆動プレート36と連結プレート34との
外周側に位相検出センサ39が配置されている。
【0042】この図4に示すクラッチ機構によれば、第
1クラッチ部を構成している電磁コイル37のみに通電
して連結プレート34を磁気吸着すれば、その連結プレ
ート34が駆動プレート36にトルク伝達するように摩
擦接触し、第1駆動歯車30を介してモータ軸27が公
転半径変更歯車22に連結される。これに対して第2駆
動歯車31がモータ軸27に常時連結されていて、モー
タ軸27が公転軸歯車25に連結されているから、結
局、公転軸5と偏心軸7とに同時にトルクが伝達されて
これらが一体となって回転する。すなわち主軸1の公転
半径が一定に維持される。
【0043】これに対して、第2クラッチ部を構成して
いる電磁コイル38のみに通電すれば、連結プレート3
5がハウジング4に対して磁気吸着されて第1駆動歯車
30が固定される。その結果、第1駆動歯車30と第2
駆動歯車31との相対回転、すなわち公転半径変更歯車
22と公転軸歯車25との相対回転が生じ、偏心軸7が
公転軸5に対して自転するために、主軸1の公転軸5の
軸心に対する位置すなわち公転半径が変更される。
【0044】クラッチ機構33を図4に示すように構成
した場合であっても、1つのモータで主軸1の公転およ
びその公転半径の変更をおこなうことができ、したがっ
て装置の部品点数を削減してその小型軽量化を図ること
ができる。
【0045】なお、上記の各具体例では、主軸1の公転
半径を変更する場合に第1駆動歯車30と第2駆動歯車
31とのいずれか一方を固定することとして説明した
が、そのいずれか一方の駆動歯車は必ずしも固定する必
要はなく、要は、モータ軸27に対して自由に回転でき
る状態とすればよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
主軸用モータを回転させることにより主軸用伝動機構を
介して主軸にトルクが伝達され、先端部に工具を取り付
けた主軸が自転し、その主軸が、公転軸の偏心位置に配
置されているので、公転軸を自転させることにより、主
軸が公転軸の軸心を中心に公転する。また、その主軸
は、公転軸の偏心位置に配置した偏心軸の偏心位置に、
自転自在に保持されているから、偏心軸を自転させるこ
とにより、公転軸の軸心と主軸との距離すなわち公転半
径が変化する。そしてこの発明では、公転軸と偏心軸と
の一方の軸が公転用モータに常時連結され、その公転用
モータにクラッチ機構を介して他方の軸が選択的に連結
されるので、これらの軸同士をクラッチ機構によって非
連結状態とすることによりこれらの軸の相対回転が生
じ、その結果、公転軸と偏心軸との相対回転が生じ、す
なわち偏心軸が公転軸の保持された状態で自転し、主軸
の公転軸の軸心に対する半径方向に位置が変化する。す
なわち、この発明の装置では、公転用のモータが、クラ
ッチ機構と協働して、主軸の公転半径を変更する機構と
して機能し、そのためにモータの数が少なくなり、装置
の構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の装置の一例を示す部分断面図であ
る。
【図2】 その装置の他の部分を示す部分断面図であ
る。
【図3】 主軸および偏心軸ならびに公転軸の半径方向
での相対位置を示す図である。
【図4】 この発明で使用可能なクラッチ機構の他の例
を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…主軸、 3…切削加工装置、 4…ハウジング、
5…公転軸、 7…偏心軸、 33…クラッチ機構、
11…入力軸、 14,17…ローラ、 23…円筒
軸、 M1 …主軸用モータ、 M2 …公転用モータ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切削工具を回転させ、その切刃を被削材
    に断続的に作用させて被削材の切削をおこなう切削加工
    装置において、 中心軸線を中心に自転し、かつ少なくとも軸線方向に前
    後動させられる公転軸と、 その公転軸の中心軸線から外れた偏心位置に前記公転軸
    の中心軸線と平行な軸線を中心に自転するように保持さ
    れた偏心軸と、 その偏心軸の中心軸線から外れた偏心位置に前記公転軸
    の中心軸線と平行な軸線を中心に自転するように保持さ
    れた主軸と、 その主軸を自転させる固定設置された主軸用モータと、 その主軸用モータから前記主軸にトルクを伝達する主軸
    用伝動機構と、 前記公転軸と偏心軸とのいずれか一方の軸に常時連結さ
    れた公転用モータと、 前記公転軸と偏心軸とのいずれか他方の軸と前記公転用
    モータとを連結した状態と、前記他方の軸を公転用モー
    タに対して非連結状態とに切り換えるクラッチ機構とを
    備えていることを特徴とする切削加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2013013984A (ja) * 2011-07-06 2013-01-24 Honda Motor Co Ltd 工作機械及びそれを用いた加工方法

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