JP2002174300A - 回転バランス修正装置 - Google Patents

回転バランス修正装置

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JP2002174300A
JP2002174300A JP2000373303A JP2000373303A JP2002174300A JP 2002174300 A JP2002174300 A JP 2002174300A JP 2000373303 A JP2000373303 A JP 2000373303A JP 2000373303 A JP2000373303 A JP 2000373303A JP 2002174300 A JP2002174300 A JP 2002174300A
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rotor
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rotating shaft
salient pole
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JP2000373303A
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Takashi Matsumoto
崇 松本
Yoichi Yamakawa
陽一 山川
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Toyoda Koki KK
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Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化が容易で高速回転にも耐える回転バラ
ンス修正装置を提供すること。 【解決手段】 回転軸6と同軸的に2組のバランス修正
ユニット100、200を設ける。各ユニットには、極
板ロータ2を回転軸6に固定し、この極板ロータ2には
各々が円周方向に所定ピッチで複数の突極を持つ複数の
突極列2a〜2cをそれらの突極の位相をずらせて軸方
向に隣接配置する。回転軸6に回動可能に支持したバラ
ンスロータ1の内周に励磁手段14を各突極列の突極と
整合可能に配置する。バランスロータ1と極板ロータ2
の嵌合面間には複数の磁気遮蔽シールドリング31、3
2を軸方向移動可能に設け、これらリング31、32の
軸方向位置を操作機構により制御し、突極列2a〜2c
を選択的に励磁手段14から磁気遮蔽し、何れかの突極
列が励磁手段14と磁気結合されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸の回転中に
静的釣り合いを適正に調整して同回転軸にかかる遠心力
のアンバランスを低減し、振動の発生を抑制する回転バ
ランス修正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】回転体の回転中にその静的釣り合いを適
正に調整して回転軸にかかる遠心力のアンバランスを低
減する従来の回転バランス修正装置は、特許第2719
607号に開示されている。この装置は、研削盤の砥石
等の回転体ないしその砥石軸等の回転軸に装着されて静
的バランスを自動的に調整する装置であって、業界では
オートバランサと呼ばれている。
【0003】前記特許公報に開示された装置(以下、従
来装置1と云う)は、回転軸の軸心から径方向に離れた
位置で接線方向に延在して回転可能に軸支された駆動ね
じと、同駆動ねじの回転によって移動させられるウエイ
トと、同駆動ねじを回転駆動するモータとからなるバラ
ンス修正機構を1/2πラジャンの角度位相差を持たせ
て2組内蔵している。この装置では、バランス修正機構
は回転軸ないし回転体に対して固定されて一体に回転し
ており、前記2つのモータへの駆動電流は、3つのスリ
ップリングを介して外部の制御装置から供給される。そ
して、回転軸の回転中において、外部の制御装置からの
駆動電流により2つのモータが駆動ねじを回転駆動して
2つのウエイトをそれぞれ適正な位置に移動させ、回転
軸にかかる遠心力のアンバランスを低減して振動の発生
を抑制するように動作する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来装置1では、次の3点の不都合が生じる。第一
に、高速回転している状態では、強大な遠心加速度が発
生するので、モータの回転子や、ウエイトを保持してい
る駆動ねじなどに大きな曲げモーメントがかかり、変形
して動作不良を起こす可能性がある。そればかりではな
く、さらに回転軸を高速回転させた場合には、モータや
駆動ねじなどの構成要素が塑性変形したり破断したりし
て遠心破壊が起こる可能性もある。それゆえ、回転軸の
回転数に比較的厳しい安全制限を設ける必要があり、高
速回転する回転軸ないし回転体には適用が難しいという
不都合がある。
【0005】第二に、2組のモータ、駆動ねじおよび両
者を結合する傘歯車などを回転する装置内に組み込まな
くてはならないので、いきおい同装置はある程度大型に
ならざるを得ず、小型化は難しいという不都合がある。
第三に、2つのモータを外部から駆動するために給電用
のスリップリングが必要とされるので、スリップリング
のメンテナンスも必要となり、メンテナンス工数の低減
が難しいという不都合をも生じている。
【0006】上記した従来装置1が持つ不都合を解消す
るため、本願発明者らは、特開2000-275132号公報に開
示される回転バランス修正装置(以下、従来装置2と云
う)を提案した。この装置は、2組のバランス修正ユニ
ットを回転軸と同心的に配置し、各修正ユニットを、回
転軸と一体回転するカップ状の極板ロータと、この極板
ロータのカップ状内周空間内に回転軸に対し相対回転可
能に設けたバランスロータと、極板ロータの外周面を包
囲する配置され回転軸の軸方向に互いに接近・離間可能
に設けた一対のマグネットリングと、これらマグネット
リングの軸方向位置を個々に制御する制御機構とで構成
してなるものである。
【0007】この従来装置2の構成によれば、各修正ユ
ニットにおいて、一方のマグネットリングから極板ロー
タ、バランスロータ、再び極板ロータを経て他方のマグ
ネットリングへ渡るU字上の磁力線を発生させることに
より、極板ロータとバランスロータが磁気結合されて回
転軸と一体回転するように作用し、両マグネットリング
の軸方向の相対位置を調整することにより、回転軸及び
極板ロータに対しバランスロータを回動させ、このよう
なバランスロータの回動制御により、2組の修正ユニッ
トのバランスロータの偏荷重(錘)部の回転方向間隔を
制御して回転軸系におけるアンバランスが除去される。
【0008】この従来装置2によれば、比較的小型にな
ると共に従来装置1が持つ幾つかの不都合は解消される
が、専ら極板ロータの構成に起因して構造が複雑で更な
る小型化は困難であるとの不都合に加え、高速回転軸受
装置用のバランス修正装置としても依然として制約を持
つ等の不都合がある。つまり、偏荷重部を持つバランス
ロータはある程度の直径のものが必要となるが、このバ
ランスロータの外周に極板ロータを配置し、この極板ロ
ータのさらに外周にマグネットリング2を配置する構成
であるため、装置を小型化し難い構造上の問題がある。
それ以上に、極板ロータがカップ状のロータとして構成
し、この円筒部を磁性材料板と非磁性材料板とを交互に
積層した構成を採用するため、極板ロータ自体のバラン
ス調整や高速回転時における強度の確保が困難であると
の不都合がある。
【0009】そこで本発明は、さらなる小型化が容易
で、より高速回転にも耐えることができる回転バランス
修正装置を提供することを解決すべき課題とするもので
ある。また、ほとんどメンテナンスフリーの回転バラン
ス修正装置を提供することを付加的な解決すべき課題と
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段とその作用】上記課題を解
決するために、発明者らは請求項1〜5に記載の発明を
創作した。請求項1記載の発明は、第1及び第2のバラ
ンス修正ユニットを回転軸と同心的に設け、各修正ユニ
ットを、前記回転軸と一体回転する第1回転体と、この
第1回転体に対し位相角度を調整できるように前記回転
軸に回転可能に支持され回転方向の少なくとも一部の領
域に偏荷重部を持つ第2回転体と、前記第1回転体と第
2回転体との円周方向の対向面間に磁力吸引力を発生し
これら両回転体を磁力により結合する磁気結合手段と、
前記第1回転体と第2回転体との円周方向の対向面間に
変位可能に介在された磁気遮蔽シールド要素を含み前記
磁気結合手段の磁力を制御して前記第2回転体を前記第1
回転体に対し相対回転する状態と相対回転不能に結合す
る状態とを選択的に生じるために前記シールド要素を移
動する制御手段とからなることを特徴とする。
【0011】この発明においては、第1回転体と第2回転
体との対向面間に介在されたシールド要素により両者間
の磁気的結合が調整される。つまり、シールド要素が不
動に保たれるとき、第2回転体は第1回転体と安定して
磁気的に結合されて回転軸と一体回転する。シールド要
素を移動させるとき、第2回転体の第1回転体に対する磁
気的な結合関係が変わり、第2回転体は回転中の回転軸
に対し回動する。このようにして、各組の第2回転体の
回動位置、つまり2つの第2回転体の回転方向における
接近・離間位置が制御され、この2つの第2回転体の偏
荷重部の合成偏荷重が回転軸系のアンバランスと釣り合
わされる。ここで、磁気結合手段が磁力を作用する第1
回転体と第2回転体の円周方向の対向面とは、後述する
実施の形態に例示されすように両回転体が嵌合する内外
周面であってもよいし、或いは回転軸の軸方向に隣接配
置した両回転体の対向側面同士であってもよい。
【0012】請求項2記載の発明は、各バランス修正ユ
ニットは、偏荷重部を持ち回転軸に回動可能に支持され
たバランスロータが回転軸に固定された極板ロータの外
周に嵌合するようにし、バランスロータの内周面とこれ
に嵌合する極板ロータの外周面の一方には励磁手段を固
定配置すると共に他方には軸方向に隣接して複数の互い
に位相をずらして周方向に所定ピッチで突き出した複数
の突極列を設け、これら突極列を選択的に励磁手段に対
向させる磁気遮蔽シールドリングを両ロータの嵌合面間
で各々が独立して軸方向移動できるように支持し、これ
らシールドリングを操作手段により個々に軸方向に位置
調整可能にしたことを特徴とする。
【0013】ここで、2つのバランスロータは、回転軸
から偏心した偏荷重部に重心を持つので、適正な大きさ
の質量一次モーメント(静的アンバランス)を持ってい
る。それゆえ、回転軸に生じている静的アンバランスに
対し、これを相殺するだけの静的アンバランスを合成ベ
クトルとして生じるように、回転軸に対する各バランス
ロータの位相角度を定めてやれば静的アンバランスを相
殺することができる。すなわち、回転軸に対して適正な
位相角度に回動され回転軸と同期して回転する両バラン
スロータは、適正な静的アンバランスの合成ベクトルを
生じる。そして、この静的アンバランスの合成ベクトル
が、回転軸に生じている静的アンバランスを相殺するの
で、回転軸周りの静的釣り合いが取れるようになる。
【0014】バランスロータを回転軸に対して適正な位
相角度にまで回動させるには、バランスロータの内周面
に配設された励磁手段により、極板ロータの各突極列に
対して磁気トルクを与えればよい。すなわち、励磁手段
は、極板ロータの外周面に近接して配設され、同外周面
に対向する内周面から磁力線を出すとともに、極板ロー
タの突極列に対して磁気吸引力が発生する。このとき、
シールドリングの軸方向の位置を適正に変更することで
磁力線を極板ロータの突極列のうち所定のものに対して
のみ磁気吸引力を発揮することになる。それゆえ、バラ
ンスロータに回動トルクを生じ、バランスロータは、そ
の励磁手段が極板ロータの磁気遮蔽されてない突極列に
近接する位置にまで回転軸に対して回動する。
【0015】ここでシールドリングは、軸方向の位置が
適正に変更可能であるから、極板ロータの突極列のうち
遮蔽する部分を変更して、異なる突極列を次々と磁気吸
引することにより、バランスロータを連続して回動させ
ることができる。また、シールドリングの軸方向の位置
を固定すれば、極板ロータの突極列のうち遮蔽される部
分が固定され、バランスロータの励磁手段が極板ロータ
の磁気遮蔽されてない突極列に近接した状態で安定す
る。すると、バランスロータは回転軸に対する回動を停
止し回転軸と同期して回転するので、各バランスロータ
は回転軸に対して所望の位相角度に回動した位置で回転
軸に対して固定される。その結果、前述のように、各バ
ランスロータの静的アンバランスの合成ベクトルが回転
軸に生じている静的アンバランスを相殺するので、回転
軸周りの静的釣り合いが取れ、振動の発生が抑制される
ようになる。
【0016】請求項3記載の発明は、互いに平行に軸方
向にずれた好ましくは3列以上、最適には3列の前記突
極列を前記極板ロータの各々の外周に形成し、励磁手段
の各々を所定ピッチで互いに磁気極性の向きが同一であ
る複数の永久磁石を前記各バランスロータの内周に固定
配置して構成したことを特徴とする。
【0017】この構成によれば、励磁状態にある1つの
突極列が拘束する角度位相の前後の角度位相には他の2
列の突極列が位置するので、シールドリングの移動によ
り永久磁石が他の2列の突極列の一方又は他方との磁気
結合関係に向けられるとき、バランスロータは一方或い
は他方へ円滑に回動する。また、励磁手段として複数の
永久磁石を用いたので、極板ロータの突極列の励磁にあ
たって励磁電流を要しない。それゆえ、バランスロータ
を適正な位相角度に回動させた後、バランスロータを回
転軸に対して回動しないように保持するためにも供給電
力を必要としない。
【0018】請求項4記載の発明は、前記シールドリン
グを前記回転軸と同軸に配設され軸方向にそれぞれ移動
可能に保持された複数の軟磁性体で構成し、これらシー
ルドリングの数を前記突極列の数より少ない数としたこ
とを特徴とする。この請求項4記載の発明によれば、複
数のシールドリングが複数の突極列を複数の永久磁石に
対しそれぞれ磁気遮蔽し、選択された1つ突極列を永久
磁石に対し磁気的結合関係にもたらすように作用する。
【0019】請求項5記載の発明は、前記シールドリン
グの各々を前記回転軸の軸方向に隣接する2つの突極列
に同時に重合できるように位置決め制御可能としたこと
を特徴とする。この発明によれば、1つのシールドリン
グが隣接する2つの突極列の境界領域に重合するように
位置決めされるとき、バランスロータの複数の永久磁石
はこの2つの突極列の境界領域を除く軸方向の反対側領
域と磁気結合関係にもたらされる。このため、バランス
ローターはこの2つの突極列が拘束するそれぞれの角度
位相の略中間に回動でき、1つの突極列の拘束位置から
別の1つの突極列が拘束角度位相へ直接回動されるとき
に比べて、微細なアンバランスを相殺するように作用す
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図を参照して本発明に
よる回転バランス修正装置の実施の形態を説明する。 (実施の形態の構成)本発明の実施の形態としての回転
バランス修正装置は、図1に示すように、回転する砥石
91とその回転軸6とを有する軸受装置としての砥石軸
頭92に取り付けられている。この回転バランス修正装
置は、回転センサ81および振動センサ82と、マイク
ロコンピュータ71およびモータ駆動回路72を内蔵し
た制御装置7と、装置本体1000とからなり、装置本
体1000は、後述する磁気シールドリングの操作機構
1100を備えている。装置本体1000は、静的アン
バランスを有する砥石91に隣接して配設されている。
【0021】回転センサ81は、固定された光学式セン
サであって、装置本体1000に内蔵され回転軸6に固
定されている極板ロータ2(図3参照)の側面に付けら
れた図略の検知マークが近接状態にあるときに信号を出
し、回転軸6の回転角度の原点を検知する。一方、振動
センサ82は、半導体からなる加速度センサであって、
回転軸6を一対の軸受61を介して軸支し回転駆動する
砥石軸頭92に固定されており、主に砥石91がもつ静
的アンバランスすなわち質量一次モーメントの回転によ
る振動加速度を検知する。
【0022】制御装置7のうちマイクロコンピュータ7
1は、この実施の形態における回転バランス修正装置全
体を制御する制御ロジックを内蔵している。同制御ロジ
ックの代表的な作用については、後ほど作用の項で説明
する。一方、モータ駆動回路72は、パワートランジス
タ等からなり、マイクロコンピュータ71からの指令に
基づいて操作機構1100を制御し、装置本体1000
に内蔵されたシールドリングを軸方向に駆動する回路で
ある。
【0023】図2に示すように、装置本体1000は、
第1ユニット100および第2ユニット200からな
り、両ユニット100,200は、互いに同一の構成を
もつ回転バランス修正ユニットであって、互いに隣接し
て一体にまとめられている(図11及び図12参照)。
これら2組のユニット100および200は、それぞれ
のバランスロータの偏荷重部を回転方向に互いに接近・
離間させ、合成偏荷重を回転系が持つ偏荷重と平衡させ
るように協働するため設けられる。両ユニット100,
200は互いに同一の構成であるので、ここでは第1ユ
ニット100の構成について詳しく説明することにす
る。
【0024】すなわち、第1ユニット100は、図2お
よび図3に示すように、バランスロータ1、極板ロータ
2および2つの磁気遮蔽シールドリング31、32を主
要な構成要素として構成されている。バランスロータ1
は、軸受部材としてのベアリング13によって回転軸6
に対し相対回転可能に支承されている。バランスロータ
1は、回転バランスの調整時以外には、シールドリング
31,32により調整される極板ロータ2の磁気作用に
より、回転軸6と同期して回転する軟磁性金属材料から
なる略リング状の部材である。バランスロータ1は、半
径方向の中間部に周方向等間隔に形成された多数の肉抜
き孔11を有し、円周方向の所定角度範囲の部位で隣接
した幾つかの肉抜き孔11に所望の鉛製のバランスウェ
イト12を圧入固定して偏荷重部を構成している。それ
ゆえ、バランスロータ1は、回転軸6の軸芯から偏心し
た重心を持ち、所定の大きさの質量一次モーメント(静
的アンバランス)をもっている。また、バランスロータ
1は、内周部に所定ピッチで配設された複数個の永久磁
石14を励磁手段としてもつ。永久磁石14は半径方向
の両側に異なる磁気極性をもち、半径方向の同一側にお
ける周方向はそれぞれ同一極性となっている。
【0025】極板ロータ2は、内周面で回転軸6上に密
嵌合して固定され、回転軸6と共に一体回転する。ま
た、極板ロータ2は、図2〜図4に明示するように、互
いに位相をずらして周方向に所定ピッチで突き出した軟
磁性体からなる3列の突極列2a,2b,2cを外周部
に持つ。各突極列2a,2b,2cは、軸方向に隣接し
て互いに平行で同じ幅に形成されている。また各突極列
2a,2b,2cの円周方向に配列した複数の突極は、
隣接する突極列の突極に対し1/3ピッチずつずらして
形成されている。各突極列上の突極と永久磁石14と
は、それらの数及び円周方向の配列ビッチが同一とされ
ている。突極列2a,2b,2cは、周知の焼きばめ或
いは冷やしばめ技術を用いて極板ロータ2の外周に強固
に固着されたリング状の部材である。極板ロータ2と各
突極列2a,2b,2cとは別体としたが、これらを一
体形成して実施してもよい。
【0026】2つのシールドリング31,32は、肉厚
を薄くした軟磁性体からなり、図2および図3に示すよ
うに、極板ロータ2の外周面とバランスロータ1の内周
面に近接してそれらの嵌合面間に配設されている。これ
らシールドリング31,32は、後述する操作機構11
00により軸方向の位置が変更され、これによりバラン
スロータ1から極板ロータ2の選択された1つの突極列
2a,2b又は2cに通じる磁力線の通過を許容する
が、バランスロータ1から極板ロータ2の残りの突極列
に通じる磁力線を遮蔽する機能を持つ。
【0027】それゆえ、図4に示すように、バランスロ
ータ1の永久磁石14から出る磁力線MBはシールドリ
ング31、32と重合しない部分では、極板ロータ2の
1つの突極列2aに通じ、この突極列2aは励磁されて吸
引力が発生するが、シールドリング31、32と重合す
る2つの突極列2b、2cでは、これらシールドリング3
1、32により磁力線MBが遮断されるため、これら2
つの突極列2b、2cが励磁されず、吸引力は発生しない。
この作用から、シールドリング31、32の軸方向位置
を個々に変更することにより吸引力の発生する突極列を
変更し、バランスロータ1を極板ロータ2に対し所望の
位置に回転移動することができる。この極板ロータ2に
対するバランスロータ1の回動は、両者が回転軸6と共
に高速回転する状態において、両者間に低速の相対回転
をもたらすことによりなされる。
【0028】(作用)本実施の形態における回転バラン
ス修正装置は、以上のように構成されているので、次の
ように作用する。今、図5のに示すように、シールド
リング31が極板ロータ2の突極列2cの外周面に、シ
ールドリング32が極板ロータ2の突極列2bの外周面
に対向した状態において、回転軸6が回転し始めたと仮
定しよう。この状態においては、極板ロータ2の突極列
2b,2cではシールドリング31、32によりバラン
スロータ1の永久磁石14からの吸引力は遮蔽されるた
め、バランスロータ1の永久磁石14と極板ロータ2の
突極列2aのみが磁気吸引力によって吸着する。従っ
て、バランスロータ1はその永久磁石14と極板ロータ
2の突極列2aとの磁力線の橋渡しによりこの突極列2
aに吸引され、この突極列2aが永久磁石14を拘束す
る位相角度で安定した状態で極板ロータ2、つまり回転
軸6と一体的に回転し始める。
【0029】次に、回転軸6の回転が予め設定した目標
回転速度に到達し、後述するように制御装置7がバラン
ス制御動作を実行し、回転軸系のアンバランスを修正す
るためにバランスロータ1を安定速度で回転中の回転軸
6に対し図5に矢印AR方向に回動する場合を仮定しよ
う。この場合、図5のに示すように、シールドリング
31はそのままにして、シールドリング32だけを図示
上方の軸方向に平行移動させ、シールドリング31は極
板ロータ2の突極列2cと対向した状態に維持され、シ
ールドリング32が極板ロータ2の突極列2aと対向す
る位置に移動される。すると、極板ロータ2の突極列2
bとバランスロータ1との間に磁気吸引力が働くため、
突極列2bの多数の突極が占める位相角度へバランスロ
ータ1の永久磁石14が吸引され、永久磁石14が突極
列2bの突極とそれぞれ重合する位相角度位置までバラ
ンスロータ1が回動して安定する。すなわち、バランス
ロータ1は極板リング2、すなわち回転軸6に対して1
/3ピッチだけ回動して安定位置を占める。
【0030】ここで、回転軸系のアンバランスが未だ修
正されないとき、バランスロータ1の同方向への回動が
さらに進められる。つまり、図5のに示すように、シ
ールドリング32はそのままにして、シールド31だけ
を図示上方の軸方向に平行移動させて、シールドリング
31が極板ロータ2の突極列2bの外周面に重合し、突
極列2cをバランスロータ1に対向する。この場合、極
板ロータの突極列2cとバランスロータ1の永久磁石1
4との間に磁気吸引力が働くため、永久磁石14が突極
列2cの突極に吸引され、この突極列2cが占める位相
角度にバランスロータ1は回動したうえで安定する。す
なわち、バランスロータ1は極板ロータ2に対して、す
なわち回転軸6に対して、さらに1/3ピッチだけ回動
して、安定位置を占める。
【0031】同方向へのバランス修正がさらに進められ
るとき、図5のに示すように、シールドリング31,
32をともに図示下方へ軸方向に平行移動させ、シール
ドリング31を極板ロータ2の突極列2cの外周面に、
シールドリング32を極板ロータ2の突極列2bの外周
面に対向させ、突極列2aをバランスロータ1に対向さ
せる。すなわち、図5のの配置状態に戻す。すると、
極板ロータ2の突極列2aの突極とバランスロータ1の
永久磁石14との間に磁気吸引力が働くため、後者が前
者に吸引され、後者をもつバランスロータ1が極板ロー
タ2の突極列2aの突極が占める位相角度に回動したう
えで安定する。すなわち、バランスロータ1は極板リン
グ2に対して、すなわち回転軸6に対して、さらに1/
3ピッチだけ回動して、安定位置を占めるようになる。
【0032】以上の手順をタイムチャートにすると、図
6に示すようになる。なお、同図で変化のない状態が続
く部分は短縮して省略することができる。以上のように
して図5の〜の手順を踏むと、バランスロータ1は
極板ロータ2に対して、すなわち回転軸6に対して、突
極列2a,2b,2cの1ピッチ分だけの角度を回動す
る。しかも、の状態はの状態と等価であるから、幾
度も〜の手順を繰り返すことによって、バランスロ
ータ1を回転軸6に対して一方に回動させ続けることが
できる。逆に、〜の手順を逆順で繰り返えせば、バ
ランスロータ1を回転軸6に対して逆方向に回動させ続
けることもできる。すなわち、両シールドリング31,
32の軸方向位置を、以上のような適正な手順で調整す
ることにより、回転軸6に対してバランスロータ1を正
転させることも逆転させることもできる。
【0033】そればかりではなく、たとえば、前述の図
5のの状態と同一の図7に示す状態から両シールドリ
ング31,32の軸方向移動を始め、図8に示すよう
に、図5のからへ遷移する中間状態で両シールドリ
ング31,32の軸方向移動を止めるようにすると、バ
ランスロータ1は回転軸6に対して1/3ピッチ進む途
中で安定し、1/3ピッチよりもずっと細かい位置制御
をすることができる。このように遷移状態の途中でシー
ルドリング31,32の軸方向移動を止める操作は、前
述の正転および逆転の手順のうちどこであってもでき
る。それゆえ、回転軸6に対するバランスロータ1の位
相角度は、極めて高い分解能で精密に設定することがで
きる。
【0034】以上でバランスロータ1を回転中の回転軸
6に対して回動させて回転軸6上の所望の位相角度に固
定することができることが明らかになった。そこで次
に、図9を参照して制御装置7のマイクロコンピュータ
71が実行する代表的な制御ロジックについて説明す
る。この制御ロジックは、砥石軸頭92が回転軸6の回
転駆動を始め、所定の回転速度に達して回転速度が安定
した状態で行われる。すなわち、先ず回転軸6への回転
指令が発せられ、回転軸6が所定の回転速度に達して安
定したことが確認される。すると、回転センサ81およ
び振動センサ82からの信号が、図示しないA/D変換
器を介し、マイクロコンピュータ71によって読みとら
れる。この際、振動センサ82からの加速度信号は、回
転軸6の回転周期に対応する周波数帯域の信号のみを通
すバンドパスフィルタ処理が施され、回転軸6の回転周
期に同期して起こる静的アンバランスに起因した振動成
分だけになる。
【0035】次に、回転センサ81からの検出信号およ
び振動センサ82からの検出信号に基づいて、アンバラ
ンス量(質量一次モーメント)の大きさと、同アンバラ
ンス量の回転角度の原点からの位相角度とが算出され
る。すなわち、図9に示すように、回転センサ81の検
知信号を回転軸6の回転角度の原点とし、振動センサ8
2の加速度信号のピークまでの位相角θが算定される。
また、振動センサ82の加速度信号のピーク値の大きさ
Aをもって、静的アンバランスの大きさW0がW0=k
Aから推算される。なお、振動センサ82の加速度信号
のピーク値の大きさAと静的アンバランスの大きさW0
とを関係付ける比例定数kは、所定の静的アンバランス
をもった試し重りを取り付けて砥石軸頭92を運転する
ことにより、求めることができる。
【0036】しかる後、第1ユニット100および第2
ユニット200(図1参照)のバランスロータ1の取る
べき位相角度が算出される。すなわち図10に示すよう
に、静的アンバランスW0の大きさと位相角θとが分か
れば、両バランスロータ1が生成すべき静的アンバラン
ス(仮想バランスウェイト)Wの大きさおよび位相角度
θ+180°も明らかになる。各バランスロータ1のも
つ静的アンバランスの大きさは分かっているから、仮想
バランスウェイトWを中心にして両側にどれだけの開き
角度ψをもって両ユニット100,200のバランスロ
ータ1のバランスウェイト12を配置すればよいかが算
定可能である。この演算は、仮想バランスウェイトに相
当する合成ベクトルを作る簡単な幾何計算を行うだけで
済む。
【0037】このような回転バランス修正作用は、回転
軸6の始動時に行うだけではなく、振動センサ82から
の検知信号が大きくなり静的バランスが所定の範囲を外
れたと判定された場合にも、ワーク交換時などの非加工
時間に行われる。それゆえ、本発明のバランス修正装置
が適用される研削盤の加工能率を低下させることなく、
静的バランスが取れ振動が少ない状態が保たれるので、
静的アンバランスに起因する研削盤の振動は抑制され
る。
【0038】このようにして、両ユニット100,20
0のバランスロータ1は、両バランスロータ1が作り出
す質量一次モーメントの合成が砥石42の静的アンバラ
ンスを相殺するような位相角度にまで、精密に回動せし
められる。両バランスロータ1がそれぞれ適正な位相角
度にまで回動すると、回転軸6にかかっていた静的アン
バランスは両バランスロータ1によって相殺され、自動
的に静的釣り合いが取られる。その結果、回転軸6にか
かる振動が低減され、加工精度が向上すると共に、砥石
軸頭92が緒元どおりの精度を維持できる寿命期間も延
びる。
【0039】図11及び図12は、シールドリング3
1、32を軸方向移動する操作機構1100の詳細を示
す。この操作機構1100は、バランスロータ1及び極
板ロータ2を収容するユニットフレーム51内の上部に
設けられる。このフレーム51は砥石軸頭92に固着さ
れている。図11は、シールドリング31を操作する操
作機構を示す、図12はシールドリング32を操作する
操作機構を示し、両操作機構は砥石軸頭92の上部前側
位置及び上部後側位置で回転軸6の回転方向に1/2π
ラジャン離間して配置される。シールドリング31の操
作アーム52は回転軸6の垂直面方向に広幅な板部材で
形成され、下端弧状部にてシールドリング31の内周面
の一部に一体結合される一方、上端部にて送りねじ53
にネジ係合すると共にパイロットバー54にガイドされ
て回り止めされている。送りねじ53は、一端がベアリ
ング55にて回転支持され、他端がユニットフレーム5
1に取り付けられたサーボモータ56の出力軸に結合さ
れている。
【0040】同様に、シールドリング32の操作アーム
62は、回転軸6の垂直面方向に広幅な板部材で形成さ
れ、下端弧状部にてシールドリング32の内周面の一部
に一体結合される一方、上端部にて送りねじ63にネジ
係合すると共にパイロットバー64にガイドされて回り
止めされている。この下端弧状部は、手前側のシールド
リング31の内面を所定の隙間を持った状態で潜り抜け
てシールドリング32の内面まで進出し、この進出端に
てシールドリング32を一体結合している。送りねじ6
3は、一端がベアリング65にて回転支持され、他端が
ユニットフレーム51に取り付けられたサーボモータ6
6の出力軸に結合されている。
【0041】サーボモータ56、66は、制御装置7の
モータ駆動回路72により制御され、操作アーム52、
62を個別に回転軸6の軸方向に移動し、シールドリン
グ31、32を図5の〜に示す手順で操作する。サ
ーボモータ56、66を使用することにより、図8に示
されるシールドリング32のように、何れのシールドリ
ングを隣接する2つの突極列の境界領域や、軸方向のそ
の他の位置に位置決めできる。
【0042】以上詳述したように、本実施の形態におけ
る回転バランス修正装置は、回転軸6とともに回転する
バランスロータ1や極板ロータ2がほぼ回転対称形をし
ているので、強大な遠心加速度に耐えることができ、か
なりの高速回転領域での使用にも耐えることができる。
また、回転軸6に付設される両ユニット100,200
の構成が簡素であり、モータのように複雑な部品を回転
体の内部に含まないので、小型化が容易である。さら
に、スリップリングのように常に摺動する部分がないの
で、ほとんど摩耗が生じることがなく、ほぼメンテナン
スフリーである。
【0043】したがって、本実施の形態の回転バランス
修正装置によれば、高速回転での使用に適用できるうえ
に、小型化が容易であるばかりでなく、ほとんどメンテ
ナンスフリーであるという効果がある。
【0044】(変形例)本実施の形態の変形例として、
バランスロータ1がリング状ではなく略扇状の形状をし
た回転バランス修正装置の実施も可能である。或いは、
バランスロータ1の外周部をそのままに残したうえで、
中間部の肉厚部を扇状に残し、中間部の残りの部分を肉
薄に形成して質量一次モーメントを大きくした構成の回
転バランス修正装置の実施も可能である。扇状の肉厚部
には、実施例と同様にバランスウェイト12が埋設され
ていればなお良い。この変形例においては、バランスロ
ータ1の持つ質量一次モーメント(静的アンバランス)
が極めて大きいので、両ユニット100,200の外形
が同じ大きさであれば、より大きな静的アンバランスを
補償できるようになる。逆に、補償できる静的アンバラ
ンスの大きさが同等で良ければ、実施の形態の装置より
も小型軽量化することが可能になる。
【0045】上記した実施の形態では、永久磁石14を
バランスロータ1の内周に配置し、極板ロータ2の外周
に突極列2a,2b,2cを配置しているが、突極列2
a,2b,2cをバランスロータ1の内周に形成し、永
久磁石14を極板ロータ2の外周に配置するようにした
形態でも実施可能である。
【0046】上記した実施の形態では、極板ロータ2に
形成した突極列2a,2b,2cを3列としているが、
この突極列の列数は3列のみに限られず、4列、5列と
するように、3列以上とすることができる。これに付随
し、シールドリング31、32の数を突極列の列数に対
応して増減できる。好適には、突極列の数に対し1つ少
ない数のシールドリングを設けて、1つの突極列がバラ
ンスロータ1に対応させることが制御上の簡便さの観点
で望ましいが、例えば4列以上の突極列とする場合では
突極列の数に対し2以上少ない数のシールドリングを設
け、同時にバランスロータ1に対向する2つ以上の突極
列の組み合わせを変える形態で実施することも可能であ
る。
【0047】また、軸方向に配置される複数のシールド
リング31,32を同一直径とした例を開示したが、複
数のシールドリング31、32の直径を変えて入れ子式
にすることにより、バランスロータ1の内面に同時に対
面させる極板ロータ2の突極列を任意に変えることがで
き、回転軸1に対するバランスロータ2の単位回動角を
微細に調整することができるようになる。さらに、バラ
ンスロータ1の内周面に等間隔で配置される磁石を、上
記した実施の形態で説明した永久磁石14に代えて、回
転方向に2分した電磁石とすることにより、極板ロータ
2の突極列の数を2列とした構成も採用できる。この場
合、1つのシールドリングを第1突極列或いは第2突極列
に重合するシフト動作に関連して、制御装置7が決定し
指定するバランス修正回転方向に応じてその回転方向前
方側の電磁石を磁化するように制御することにより、バ
ランスロータ1を極板ロータ2、つまり回転軸6に対し
連続的に回転させることができる。
【0048】この場合、2分した電磁石の回転方向前方
の電磁石のみをシールドリングのシフト動作に応じて励
磁する状態と2つの電磁石を同時励磁する状態、つまり
前相単独励磁と前後相同時励磁とを交互に繰り返すこと
により、極板ロータ2に対しバランスロータ1をスムー
ズに回動でき、前後相同時励磁状態を保持することによ
り極板ロータ2に対しバランスロータ1を同位相に保持
することが可能となる。この電磁石を使用する態様では
固定側の制御装置7から電磁石へ給電するスリップリン
グ機構を必要とするが、このようなスリップリング機構
を使用する形態でも本発明は実施可能である。
【0049】極板ロータ2の突極列を2列とする他の実
施の態様としては、2列の突極列と交互に重合する2つ
の入れ子式シールドリングを設け、一方のシールドリン
グのみに各突極列上の多数の突極と同一ピッチの窓を設
け、窓付シールドリングと窓無しシールドリングとを交
互に軸方向位置を変えるように軸方向移動させながらバ
ランス修正方向に窓付きシールドリング或いは両シース
ルドリングを回動させるような構成とすることもでき
る。この場合、窓付きシールドリングの軸方向移動と回
動との合成により、バランスロータ1から極板ロータ2
へ橋渡される磁場は回転方向に2列の突極列を交互に亘
る千鳥状に移動する。このように、極板ロータ2の突極
列の数はバランスロータ1に配列する磁石或いはシール
ドリングを工夫することにより、2列とすることができ
る。
【0050】
【発明の効果】本発明は、請求項1及び2に記載される
ように、回転軸と一体回転する第1回転体或いは極板ロ
ータに対する第2回転体或いはバランスロータの磁気結
合を磁気遮蔽シールド要素或いはシールドリングにより
調整するようにしたことを主要な特徴とするので、従来
装置2においてマグネットリングを操作する形態に比べ
て、軽量のシールド要素或いはシールドリングを敏速に
移動させてバランス修正を高速に実行でき、また軽量の
シールド要素或いはシールドリングの移動案内機構及び
駆動モータを小型にできるので、装置全体を小型化でき
る特長を備える。また、モータや駆動ねじなどの遠心加
速度に弱い構成要素を回転体の内部にもたないので、従
来装置1に比較して、高速回転での運用に耐えることが
でき、構成が簡素で小型軽量化が容易であるとの利点を
備える。
【0051】特に、請求項2記載の発明によれば、各バ
ランス修正ユニットのバランスロータの内部に極板ロー
タを収納したので、小型化が可能になり、また従来装置
2のようにバランス及び剛性の確保が難しい磁性体と非
磁性体との交互積層構造のカップ状回転部材を使用しな
いので、より高速回転での運用に適用できる。さらに、
バランスロータと極板ロータとの間に励磁手段と複数の
突極列からなる磁気結合手段及び磁気を遮蔽するシール
ドリングを回転軸の軸方向に位置調整可能に配設したの
で、バランスロータに磁気結合する突極列の選択が容易
となり、バランス修正時にバランスロータを極板ロータ
及びこれと一体の回転軸に対し円滑に回動できる。
【0052】請求項3記載の発明によれば、励磁手段と
して永久磁石を用いたので、回転軸と共に回転するバラ
ンスロータや極板ロータに通電する必要がないため、シ
ールドリングの操作手段が必要とする僅かな消費電力で
運用することができる他、給電手段としてのスリップリ
ングが不要となって殆どメンテナンスフリーとなる利点
がある。好適には、請求項4記載の発明のように、シー
ルドリングの数を極板ロータの突極列の数よりも少ない
数としたので、バランスロータを回転軸に対し何れの方
向に回動する場合でも、シールドリングを予め決められ
た単純なシーケンスで移動することにより、バランスロ
ータを回転軸に対し所定角度づつ確実に回動できる。さ
らに好適には、請求項5記載の発明のように、複数のシ
ールドリングの各々を回転軸の軸方向に隣接する2つの
突極列の境界領域のみに同時に重合するようにすれば、
極めて細かい分解能でバランスロータの回転軸に対する
位相角度を設定することができ、回転軸系の微細なアン
バランスを除去できるようになると云った特有の効果が
奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転バランス修正装置の実施の形
態におけるシステム構成を示す模式図。
【図2】同実施の形態における回転バランス修正装置の
要部構成を一部を破断して示す斜視図。
【図3】図2における一部断面図。
【図4】図3の一部をさらに拡大して示す一部断面図。
【図5】同実施の形態におけるバランスロータの回動手
順を示す説明図。
【図6】同実施の形態における突極列の励磁動作パター
ンを説明するチャート。
【図7】同実施の形態における図5のの状態を示す説
明図。
【図8】同実施の形態における図5のととの中間状
態を示す説明図。
【図9】同実施の形態におけるアンバランス測定作用を
示すタイムチャート。
【図10】同実施の形態におけるアンバランスとバラン
スウェイトの関係を示す説明図。
【図11】同実施の形態における1つのシールドリング
の操作機構を示す要部断面図。
【図12】同実施の形態において図11の断面に対し円
周方向に異なる位相角度位置に配置した他のシールドリ
ングの操作機構を示す要部断面図。
【符号の説明】
92・・・砥石軸頭(軸受装置)、6・・・回転軸、1
00・・・第1バランス修正ユニット、200・・・第
2バランス修正ユニット、2・・・極板ロータ(第1回
転体)、1・・・バランスロータ(第2回転体)、12
・・・錘(偏荷重部)、14・・・永久磁石、2a〜2c
・・・突極列、31、32・・・シールドリング(シー
ルド要素)、7・・・制御装置(制御手段)、51・・
・ユニットフレーム、52、62・・・操作アーム、5
3、63・・・送りねじ、56,66・・・サーボモー
タ、81・・・回転センサ(光学式センサ)、82・・
・振動センサ(加速度センサ)、91・・・砥石

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受装置に回転自在に支持された回転軸
    を含む回転軸系のアンバランスを前記回転軸の回転中に
    修正する回転バランス修正装置において、第1及び第2
    のバランス修正ユニットを前記回転軸と同心的に設け、
    各修正ユニットは、前記回転軸と一体回転する第1回転
    体と、回転方向の少なくとも一部の領域に偏荷重部を持
    ち前記第1回転体に対し位相角度を調整できるように前
    記回転軸に回転可能に支持された第2回転体と、前記第
    1回転体と第2回転体との円周方向の対向面間に磁力吸
    引力を発生しこれら両回転体を磁力により結合する磁気
    結合手段と、前記第1回転体と第2回転体との円周方向
    の対向面間に変位可能に介在されたシールド要素を含み
    前記磁気結合手段の磁力を制御して前記第2回転体を前
    記第1回転体に対し回動する状態と回動不能に結合する
    状態とを選択的に生じる制御手段とからなることを特徴
    とする回転バランス修正装置。
  2. 【請求項2】 軸受装置に回転自在に支持された回転軸
    を含む回転軸系のアンバランスを前記回転軸の回転中に
    修正する回転バランス修正装置において、前記回転軸に
    対して回動可能に支承され前記回転軸から偏心した重心
    を持つ2つのバランスロータの内周には円周方向に所定
    ピッチで配置される励磁手段と円周方向に互いに位相を
    ずらして所定ピッチで突き出した複数の軸方向に隣接す
    る突極列との何れか一方を固定配置し、対応する前記バ
    ランスロータの内周面内に嵌入されると共に前記回転軸
    に固定されてこの回転軸と一体回転する2つの極板ロー
    タの各々の外周には前記励磁手段と前記複数の突極列の
    他方を配置し、各々が対応する前記バランスロータ内周
    と前記極板ロータの外周の嵌合面間には磁気を遮蔽する
    シールドリングを前記回転軸の軸方向に位置調整可能に
    配設し、前記励磁手段から前記複数の突極列の何れか1
    つの突極列に通じる磁力線を選択的に遮蔽するため前記
    シールドリングを前記回転軸の軸方向に移動するシール
    ド操作手段をさらに設けたことを特徴とする回転バラン
    ス修正装置。
  3. 【請求項3】 互いに平行に軸方向にずれた3列以上の
    前記突極列を前記極板ロータの各々の外周に形成し、所
    定ピッチで互いに磁気極性の向きが同一である複数の永
    久磁石を前記各バランスロータの内周に励磁手段として
    固定配置したことを特徴とする請求項2記載の回転バラ
    ンス修正装置。
  4. 【請求項4】 前記シールドリングは各々が前記回転軸
    と同軸に配設され前記シールド操作手段により前記回転
    軸の軸方向にそれぞれ選択的に移動されるように保持さ
    れた複数の軟磁性体からなり、このシールドリングの数
    を対応する前記極板ロータの前記突極列の数より少ない
    数としたことを特徴とする請求項2又は3記載の回転バ
    ランス修正装置。
  5. 【請求項5】 前記シールドリングの各々を前記回転軸
    の軸方向に隣接する2つの突極列に同時に重合できるよ
    うに位置決め制御可能としたことを特徴とする請求項4
    記載の回転バランス修正装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100880397B1 (ko) 2007-09-11 2009-01-23 한국전력공사 플라이휠 에너지 저장장치
CN106451946A (zh) * 2016-12-22 2017-02-22 珠海市精实测控技术有限公司 转子总成装配一体机
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