JP2000275132A - 回転バランス修正装置 - Google Patents

回転バランス修正装置

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JP2000275132A
JP2000275132A JP11084836A JP8483699A JP2000275132A JP 2000275132 A JP2000275132 A JP 2000275132A JP 11084836 A JP11084836 A JP 11084836A JP 8483699 A JP8483699 A JP 8483699A JP 2000275132 A JP2000275132 A JP 2000275132A
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JP
Japan
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balance
rotor
rotating shaft
pole
rotation
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JP11084836A
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English (en)
Inventor
Yoichi Yamakawa
陽一 山川
Takashi Matsumoto
崇 松本
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 かなりの高速回転にも耐えることができ、小
型化が容易で、ほとんどメンテナンスフリーの回転バラ
ンス修正装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の回転バランス修正装置は、回動
可能なバランスロータ1と、回転軸6に固定された軟磁
性の極板ロータ2と、その外側を囲むマグネットリング
31,32とをもつ。バランスロータ1の外周面には三
列の突極列1a,1b,1cがあり、マグネットリング
31,32が軸長方向へ移動して極板ロータ2の誘導突
極22が適正に励磁されると、バランスロータ1は回転
軸6に対して回動する。両ユニット100,200のバ
ランスロータ1を静的アンバランスを打ち消すように回
動させれば、回転軸6周りに静的釣り合いが取られる。
回転部材1,2はほぼ回転対称形だから高速回転に耐え
小型化が容易であり、スリップリング等の摺接部を持た
ないのでほとんどメンテナンスフリーである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸が回転中に
静的釣り合いを適正に調整して同回転軸にかかる遠心力
のアンバランスを低減し、振動の発生を抑制する回転バ
ランス修正装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】回転体が回転中にその静的釣り合いを適
正に調整して回転軸にかかる遠心力のアンバランスを低
減する従来の回転バランス修正装置としては、特許第2
719607号に、回転体のバランス修正装置とした技
術が開示されている。この様な装置は、研削盤の砥石等
の回転体ないしその砥石軸等の回転軸に装着されて静的
バランスを自動的に調整する装置であって、業界ではオ
ートバランサと呼ばれている。
【0003】前記特許掲載公報に開示された装置は、同
回転軸から離れた位置に接線方向に延在して回転可能に
軸支された駆動ねじと、同駆動ねじの回転によって移動
させられるウエイトと、同駆動ねじを回転駆動するモー
タとを、二組内蔵している。この装置は、回転軸ないし
回転体に対して固定されて一体に回転しており、前記二
つのモータへの駆動電流は、三つのスリップリングを介
して外部の制御装置から供給される。そして、外部の制
御装置からの駆動電流により、二つのモータが駆動ねじ
を回転駆動して二つのウエイトをそれぞれ適正な位置に
移動させ、回転軸にかかる遠心力のアンバランスを低減
して振動の発生を抑制する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術では、次の三点の不都合が生じる。第一に、高
速回転している状態では、強大な遠心加速度が発生する
ので、モータの回転子や、ウエイトを保持している駆動
ねじなどに大きな曲げモーメントがかかり、変形して動
作不良を起こす可能性がある。そればかりではなく、さ
らに高速回転させた場合には、モータや駆動ねじなどの
構成要素が塑性変形したり破断したりして遠心破壊が起
こる可能性もある。それゆえ、回転数に比較的厳しい安
全制限を設ける必要があり、高速回転する回転軸ないし
回転体には適用が難しいという不都合がある。
【0005】第二に、二組のモータ、駆動ねじおよび両
者を結合する斜歯歯車などを回転する装置内に組み込ま
なくてはならないので、いきおい同装置はある程度大型
にならざるを得ず、小型化は難しいという不都合が生じ
る。第三に、二つのモータを外部から駆動するためにス
リップリングが必要とされるので、スリップリングのメ
ンテナンスも必要となり、メンテナンス工数の低減が難
しいという不都合をも生じる。
【0006】そこで本発明は、かなりの高速回転にも耐
えることができ、小型化が容易で、ほとんどメンテナン
スフリーの回転バランス修正装置を提供することを解決
すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、発明者らは以下の手段を発明した。 (第1手段)本発明の第1手段は、回転軸に対して回動
可能に支承され該回転軸と同期して回転可能であり、該
回転軸から偏心した重心を持つと共に、互いに位相をず
らして周方向に所定ピッチで突出した軟磁性体からなる
複数の突極列を外周部にもつ二つのバランスロータを有
し、該回転軸に固定されて該回転軸と共に回転し、該バ
ランスロータの外周面に突端を対向させて求心方向に突
出し軸長方向に軟磁性層と非磁性層とが交互に積層され
た誘導突極を周方向に該所定ピッチでもつ極板ロータ
と、該極板ロータの外周面に近接して配設され内周面か
ら磁力線を出し、該磁力線の軸長方向の位置を適正に変
更して、該バランスロータの該突極列に通じる該極板ロ
ータの該誘導突極の該軟磁性層を励磁する励磁手段と、
を各該バランスロータ毎に有することを特徴とする回転
バランス修正装置である。
【0008】本手段では、二つのバランスロータが回転
軸から偏心した位置に重心をもつので、適正な大きさの
質量一次モーメント(静的アンバランス)をもってい
る。それゆえ、回転軸に生じている静的アンバランスに
対し、これを相殺するだけの静的アンバランスを合ベク
トルとして生じるように、回転軸に対する各バランスロ
ータの位相角度を定めてやれば静的アンバランスを相殺
することができる。すなわち、回転軸に対して適正な位
相角度に回動され回転軸と同期して回転する両バランス
ロータは、適正な静的アンバランスの合ベクトルを生じ
る。そして、この静的アンバランスの合ベクトルが、回
転軸に生じている静的アンバランスを相殺するので、回
転軸周りの静的釣り合いが取れるようになる。
【0009】バランスロータを回転軸に対して適正な位
相角度にまで回動させるには、バランスロータの外周面
に形成された複数の突極列に対して、極板ロータの各誘
導突極を介して励磁手段が磁気トルクを与えればよい。
すなわち、励磁手段は、極板ロータの外周面に近接して
配設され、同外周面に対向する内周面から磁力線を出す
とともに、この磁力線の軸長方向の位置を適正に変更し
て、極板ロータの誘導突極の軟磁性層のうち適正な位置
にあるものを励磁する。すると、回転軸とともに回転す
る極板ロータの誘導突極は、バランスロータの突極列に
対向している突端から磁力線を出し、バランスロータの
突極列のうち所定のものに対して磁気吸引力を発揮す
る。それゆえ、バランスロータの突極列は、極板ロータ
の誘導突極に吸引されてバランスロータに回動トルクを
生じ、バランスロータは、当該突極列が極板ロータの誘
導突極に近接する位置にまで回転軸に対して回動する。
【0010】ここで励磁手段は、磁力線の軸長方向の位
置を適正に変更することができるから、極板ロータの誘
導突極のうち励磁する部分を変更して、異なる突極列を
次々に磁気吸引することにより、バランスロータを連続
して回動させることができる。また、励磁手段が磁力線
の軸長方向の位置を固定すれば、極板ロータの誘導突極
のうち励磁される部分が固定され、バランスロータの所
定の突極列が誘導突極に近接した状態で安定する。する
と、バランスロータは回転軸に対する回動を停止し回転
軸と同期して回転するので、各バランスロータは回転軸
に対して所望の位相角度に回動した位置で回転軸に対し
て固定される。その結果、前述のように、各バランスロ
ータの静的アンバランスの合ベクトルが回転軸に生じて
いる静的アンバランスを相殺するので、回転軸周りの静
的釣り合いが取れ、振動の発生が抑制されるようにな
る。
【0011】本手段の回転バランス修正装置は、前述の
ように簡素な構成をもち、回転軸と共に回転するバラン
スロータおよび極板ロータをほぼ回転対称な形状で形成
することができる。そして、前述の従来技術と異なり、
モータや駆動ねじなどの遠心加速度に弱い構成要素を回
転体の内部にもたないので、かなりの高速回転での運用
に耐えることができる。また、回転体の内部にモータや
ギヤ等の複雑な構成要素をもたず、構成が簡素であるか
ら、小型軽量化が容易である。さらに、回転軸と同期回
転するバランスロータおよび極板ロータに通電する必要
がないからスリップリングは不要であり、高速で摺接し
て摩耗する部分なしに構成できるので、ほとんどメンテ
ナンスフリーである。
【0012】したがって本手段によれば、かなりの高速
回転にも耐えることができ、小型化が容易で、ほとんど
メンテナンスフリーの回転バランス修正装置を提供する
ことができるという効果がある。 (第2手段)本発明の第2手段は、前述の第1手段にお
いて、前記励磁手段は、前記回転軸と同軸に配設され軸
長方向にそれぞれ移動可能に保持された半径方向に異な
る磁気極性をもつ複数のマグネットリングと、各該マグ
ネットリングを軸長方向に沿って所望の位置に移動させ
る移動手段とをもつことを特徴とする。
【0013】本手段では、励磁手段が複数のマグネット
リングをもち、極板ロータの突極列の励磁にあたって励
磁電流を要しない。それゆえ、バランスロータを適正な
位相角度に回動させた後、バランスロータを回転軸に対
して回動しないように保持するために電力を必要としな
い。したがって本手段によれば、前述の第1手段の効果
に加えて、ごくわずかな消費電力で運用することができ
るという効果がある。
【0014】(第3手段)本発明の第3手段は、前述の
第2手段において、各前記バランスロータは、互いに平
行に軸長方向にずれた前記突極列を三列もち、各該励磁
手段は、互いに磁気極性の向きが異なる二本一対の前記
マグネットリングをもつことを特徴とする。
【0015】本手段では、互いに周方向に位相をずらし
た突極列が、軸長方向に平行に三列に並んでおり、一方
がN極を内周に向け他方がS極を内周に向けた一対のマ
グネットリングが、これらの突極列の外周面に対向して
配設されている。それゆえ、各マグネットリングの軸長
方向の位置を適正に調整することにより、極板ロータの
誘導突極を介して三列の突極列のうち任意の二列を選択
的に磁気吸引することができる。それゆえ、各突極列
が、突極の周方向のピッチの三分の一ピッチずつ互いに
位相をずらして配列されているものとすれば、バランス
ロータを回転軸に対して三分の一ピッチずつ回動させる
ことができる。そればかりではなく、各マグネットリン
グの軸長方向の位置を各突極列を移行する途中で止めれ
ば、バランスロータを三分の一ピッチ分の回動の途中で
止めることができる。それゆえ、極めて細かい分解能で
バランスロータの回転軸に対する位相角度を設定するこ
とができる。
【0016】したがって本手段によれば、前述の第2手
段の効果に加えて、比較的簡素な構成でありながら、細
かい分解能で各バランスロータの回転軸に対する位相角
度を設定することができるという効果がある。 (第4手段)本発明の第4手段は、前述の第1手段にお
いて、各前記励磁手段は、各前記極板ロータの外周面に
近接して前記回転軸と同軸に配設された複数の励磁コイ
ルをもつことを特徴とする。
【0017】本手段では、極板ロータの外周面に近接し
て、軸長方向に平行にずれた位置に同軸的に複数の励磁
コイルが配設されており、極板ロータの誘導突極のうち
軸長方向に所望の位置を励磁することができる。それゆ
え、励磁電流を通して各励磁コイルを別個に励磁させる
ことにより、極板ロータの各誘導突極を励磁してその突
端から磁力線を出し、バランスロータの外周部に形成さ
れた複数列の突極列を選択的に磁気吸引することができ
る。そして、各励磁コイルに通す励磁電流を変化させる
ことにより、バランスロータを回転軸に対して回動させ
ていくることができる。また、各励磁コイルに通す励磁
電流を変化させることにより、バランスロータの回転軸
に対する位相角度を微調整することもでき、より細かい
分解能で同位相角度を設定することができる。
【0018】ここで、励磁手段は複数の励磁コイルを主
要構成要素としており、固定された励磁手段にもモータ
やギヤなどの機械的に動作する部分をもたないので、摩
耗等による損傷がなくので、ほぼ完全にメンテナンスフ
リーになる。また、励磁手段の構成が簡素になるので、
励磁手段をより安価に製造することができるようにな
る。なお、バランスロータを所望の位相角度に回動させ
た後、バランスロータをその位相角度に保持するために
は、回転軸が角加速度をもたない限り、わずかの励磁電
流で済む。それゆえ、励磁コイルをもつからといってそ
れほど多量に電力を消費するわけではない、したがって
本手段によれば、前述の第1手段の効果に加えて、ほぼ
完全にメンテナンスフリーにすることができるうえに、
コストダウンも可能になるという効果がある。
【0019】(第5手段)本発明の第5手段は、前述の
第4手段において、各前記バランスロータは、互いに平
行に軸長方向にずれた前記突極列を三列もち、前記励磁
手段は、各該突極列に対応する軸長方向の位置に三つの
前記励磁コイルをもつことを特徴とする。本手段では、
各励磁コイルがそれぞれの突極列を独立して誘導突極に
磁気吸引することができるので、バランスロータを回動
させるために各励磁コイルの励磁電流を変化させる制御
ロジックが単純になる。この制御ロジックは、前述の第
3手段のマグネットリングの軸長方向の位置を制御する
位置制御ロジックに準じるロジックでよい。それゆえ、
バランスロータを突極列の三分の一ピッチずつの位相角
度で回動させることができるだけではなく、高い分解能
でバランスロータの位相角度を設定することもできる。
【0020】したがって本手段によれば、前述の第4手
段の効果に加えて、制御ロジックが単純になるうえに、
高い分解能でバランスロータの位相角度を設定すること
ができるという効果がある。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の回転バランス修正装置の
実施の形態については、当業者に実施可能な理解が得ら
れるよう、以下の実施例で明確かつ十分に説明する。 [実施例1] (実施例1の構成)本発明の実施例1としての回転バラ
ンス修正装置は、図1に示すように、回転する砥石91
とその回転軸6とを有する砥石軸頭92に取り付けられ
ている。本実施例の回転バランス修正装置は、回転セン
サ81および振動センサ82と、マイクロコンピュータ
71およびモータ駆動回路72を内蔵した制御装置7
と、本体1000とからなる。本体1000は、静的ア
ンバランスを有する砥石91に近接して配設されてい
る。
【0022】回転センサ81は、固定された光学式セン
サあって、本体1000に内蔵され回転軸6に固定され
ている極板ロータ2(図3参照)の側面に付けられた印
が近接状態にあるときに信号を出し、回転軸6の回転角
度の原点を検知する。一方、振動センサ82は、半導体
からなる加速度センサであって、回転軸6を軸支して回
転駆動する砥石軸頭92の外周面に固定されており、主
に砥石91がもつ静的アンバランスすなわち質量一次モ
ーメントの回転による振動加速度を検知する。
【0023】制御装置7のうちマイクロコンピュータ7
1は、本実施例の回転バランス修正装置全体を制御する
制御ロジックを内蔵している。同制御ロジックの代表的
な作用については、後ほど作用の項で説明する。一方、
モータ駆動回路72は、パワートランジスタ等からな
り、マイクロコンピュータ71からの指令に基づいて、
本体1000に内蔵された四個二対のステッピングモー
タ40(図2参照)を駆動する回路である。
【0024】図2に示すように、本体1000は、第一
ユニット100および第二ユニット200からなり、両
ユニット100,200は、互いに同一の構成をもつ回
転バランス修正ユニットであって、互いに隣接して一体
にまとめられている。両ユニット100,200は互い
に同一の構成であるので、ここでは第一ユニット100
の構成について詳しく説明することにする。
【0025】すなわち第一ユニット100は、図2およ
び図3に示すように、バランスロータ1、極板ロータ2
および励磁手段(31〜42)を主要構成要素として構
成されている。バランスロータ1は、軸受け13によっ
て回転軸6に対し回動可能に支承されている。バランス
ロータ1は、回転バランスの調整時以外には、後述する
極板ロータ2およびマグネットリング31,32の作用
により、回転軸6と同期して回転する軟磁性金属材料か
らなる略リング状の部材である。バランスロータ1は、
半径方向の中間部に周方向等間隔に形成された多数の肉
抜き孔11を有し、肉抜き孔11のうち互いに隣接した
三つには、鉛製のバランスウェイト12が圧入固定され
ている。それゆえ、バランスロータ1は、回転軸6の軸
芯からから偏心した重心を持ち、所定の大きさの質量一
次モーメント(静的アンバランス)をもっている。
【0026】バランスロータ1はまた、互いに位相をず
らして周方向に所定ピッチで突出した軟磁性体からなる
三列の突極列1a,1b,1cを外周部にもつ。すなわ
ち、図4にバランスロータ1の外周部の展開斜視図を示
すように、各突極列1a,1b,1cは、軸長方向にず
れて互いに平行で同じ幅に形成されている。これら三列
の突極列1a,1b,1cは、互いに平行に軸長方向に
ずれて形成されているばかりではなく、各突極列1a,
1b,1cは、隣り合った突極列1a,1b,1cと三
分の一ピッチずつ周方向にずれて形成されている。ここ
で、各突極列1a,1b,1cは、周方向に三分の二ピ
ッチ分の幅を占める突極と、周方向に三分の一ピッチ分
の欠損部とからなる。それゆえ、互いに隣り合う突極列
1a,1b,1cの各突極は、三分の一ピッチずつ隣接
する突極と隣接して互いに連続している。
【0027】極板ロータ2は、再び図3に示すように、
中空円筒状の凹部を一方の側面にもつ略リング状の部材
であり、内周部で回転軸6に固定されて回転軸6と共に
回転する。極板ロータ2は、複数の誘導突極22と、各
誘導突極22を周方向に連結する同数の連結部23と、
誘導突極22および連結部23を回転軸6に固定する非
磁性ステンレス鋼製の極板リング21とからなる。再び
図2に示すように、各誘導突極22は、バランスロータ
1の外周面に突端を対向させて求心方向に突出した突極
であり、前述の突極列1a,1b,1cと同じ形状であ
って同じ所定ピッチ角で周方向に配設されている。
【0028】極板ロータ2の誘導突極22は、図5に示
すように、軟磁性層として軟磁性金属板221と非磁性
層としての非磁性金属板222とが、軸長方向に交互に
積層され、ねじ止めで固定されて構成されている。それ
ゆえ、透磁率が非常に高い軟磁性金属板221の一方か
ら導入された磁力線は、他方にまで誘導され、軟磁性金
属板221の間を隔てる透磁率が極めて低い非磁性金属
板222を介して短絡する磁力線はごくわずかである。
したがって、誘導突極22の外周面に永久磁石のN極を
近づけると、誘導突極22の内周側の突端はN極に励磁
され、逆に、誘導突極22の外周面に永久磁石のS極を
近づけると、誘導突極22の内周側の突端もS極に励磁
される。そして、軟磁性金属板221と非磁性金属板2
22とが軸長方向に交互に積層されているので、誘導突
極22は、誘導突極22の外周面の軸長方向の一部に近
接した磁極の性質を、軸長方向の位置を変えずに内周側
の突端にまで誘導する機能をもつ。
【0029】励磁手段(31〜42)は、再び図2およ
び図3に示すように、極板ロータ2の外周面に近接して
配設され内周面から磁力線を出し、この磁力線の軸長方
向の位置を適正に変更して、バランスロータ1の各突極
列1a,1b,1cに通じる極板ロータ2の誘導突極2
2の軟磁性金属板221を励磁する機能をもつ。この励
磁手段は、回転軸6と同軸に配設され軸長方向にそれぞ
れ移動可能に保持された半径方向に異なる磁気極性をも
つ二つのマグネットリング31,32と、各マグネット
リング31,32を軸長方向に沿って所望の位置に移動
させる移動手段(33〜42)とをもつ。
【0030】すなわち励磁手段は、再び図3に示すよう
に、互いに磁気極性の向きが異なる二本一対のマグネッ
トリング31,32をもつ。各マグネットリング31,
32は、それぞれステンレス鋼製のマグネットホルダ3
3,34によって、外周側から保持されている。マグネ
ットホルダ33,34には、図示しない複数箇所で軸長
方向に貫通孔が形成されており、同貫通孔には軸長方向
にケース5に固定されたピンが通されている。それゆ
え、マグネットリング31,32およびマグネットホル
ダ33,34は、バランスロータ1や極板ロータ2とは
異なって、軸長方向には移動するが回転軸6とともに回
転することはない。
【0031】一方、移動手段は、マグネットホルダ3
3,34、送りねじリング35,36、ボールベアリン
グ37,38、ステッピングモータ40およびギヤ4
1,42から構成されている。すなわち、各マグネット
ホルダ33,34の外周面には、雄ねじが形成されてお
り、これらの雄ねじは、送りねじリング35,36の内
周面に形成された雌ねじである送りねじと嵌合してい
る。各送りねじリング35,36は、それぞれ外周面か
らボールベアリング37,38によってケース5の支承
リング部52に対して回転可能に支承されている。な
お、送りねじリング35,36の摺接面には、摩擦およ
び摩滅を低減する目的でグリースがひかれている。
【0032】各送りねじリング35,36の外周面の端
部にはギヤ42と噛み合う歯車が形成されており、各送
りねじリング35,36は、ぞれぞれのステッピングモ
ータ40によってギヤ41,42を介して回転駆動され
る。それゆえ、制御装置7のモータ駆動回路72(図1
参照)からの駆動電流によって各ステッピングモータ4
0が駆動されると、マグネットリング31,32および
マグネットホルダ33,34は、それぞれ送りねじによ
って軸長方向に送られる。したがって、各ステッピング
モータ40を適正に駆動することにより、各マグネット
リング31,32をして、それぞれ所定の範囲で軸長方
向の任意の位置を占めさせることができる。
【0033】なお、これらの機能構成要素を収容してい
るケース5は、非磁性ステンレス鋼から形成された固定
部材であり、砥石軸頭92(図1参照)を支承している
図示しない砥石台に固定配置されている。ケース5に支
承されているマグネットリング31,32と、回転軸6
に支承されているバランスロータ1および極板ロータ2
との間で同軸性が失われないように、ケース5の内周部
はボールベアリング53を介して回転軸6に支承されて
いる。また、ケース5の内部空間に異物が侵入しないよ
うに、ケース5のカバー部51の内周部は、シール部材
54を介して回転軸6に摺接している。
【0034】(実施例1の作用効果)本実施例の回転バ
ランス修正装置は、以上のように構成されているので、
以下のような作用効果を発揮する。すなわち、図6の
に示すように、マグネットリング31のS極が形成され
た内周面(S極と略称)がバランスロータ1の突極列1
cの外周面に、マグネットリング32のN極が形成され
た内周面(N極と略称)が突極列1bの外周面に、それ
ぞれ誘導突極22を介して対向した状態を想定する。す
ると、各誘導突極22にバランスロータ1の突極列1
b,1cが磁気吸引力によって吸着され、各誘導突極2
2に対応する位置に突極列1b,1cがくる位相角度
で、バランスロータ1は極板ロータ2に対して安定す
る。
【0035】この際、再び図5に示すように、N極から
発した磁力線は、誘導突極22およびバランスロータ1
を通じてS極に回帰する閉磁路を形成している。すなわ
ち、N極から発した磁力線は、誘導突極22の軟磁性金
属板221の一部を通じてバランスロータ1に流入し、
突極列1cおよび突極列1bを順に通った後、再び誘導
突極22の他の部分の軟磁性金属板221を通って、S
極に回帰する。
【0036】次に、図6のに示すように、N極とS極
との間隔をそのままにして、N極およびS極を軸長方向
に平行移動させ、それぞれバランスロータ1の突極列1
b,1aに対向する位置に移動させる。すると、各誘導
突極22にバランスロータ1の突極列1a,1bが磁気
吸引力によって吸着され、各誘導突極22に対応する位
置に突極列1a,1bがくる位相角度にバランスロータ
1は回動したうえで、極板ロータ2に対して安定する。
すなわち、バランスロータ1は極板リングに対して(す
なわち回転軸6に対して)三分の一ピッチだけ回動し
て、安定位置を占める。
【0037】しかる後、図6のに示すように、S極の
位置はそのままにして、N極だけを軸長方向に平行移動
させて戻し、再びバランスロータ1の突極列1cに対向
する位置に移動させる。すると、各誘導突極22にバラ
ンスロータ1の突極列1a,1cが磁気吸引力によって
吸着され、各誘導突極22に対応する位置に突極列1
a,1cがくる位相角度にバランスロータ1は回動した
うえで、極板ロータ2に対して安定する。すなわち、バ
ランスロータ1は極板リングに対して(すなわち回転軸
6に対して)また三分の一ピッチだけ回動して、安定位
置を占めるようになる。
【0038】最後に、図6のに示すように、N極の位
置はそのままにして、S極だけを軸長方向に平行移動さ
せて戻し、再びバランスロータ1の突極列1bに対向す
る位置に移動させる。すると、各誘導突極22にバラン
スロータ1の突極列1b,1cが磁気吸引力によって吸
着され、各誘導突極22に対応する位置に突極列1b,
1cがくる位相角度にバランスロータ1は回動したうえ
で、極板ロータ2に対して安定する。すなわち、バラン
スロータ1は極板リングに対して(すなわち回転軸6に
対して)さらに三分の一ピッチだけ回動して、安定位置
を占めるようになる。
【0039】以上の手順をタイムチャートにすると、図
7に示すようになる。なお、同図で変化のない状態が続
く部分は短縮して省略することができる。以上のように
して図6の〜の手順を踏むと、バランスロータ1は
極板リングに対して(すなわち回転軸6に対して)突極
列1a,1b,1cの一ピッチ分だけの角度を回動す
る。しかも、の状態はの状態と等価であるから、幾
度も〜の手順を繰り返すことによって、バランスロ
ータ1を回転軸6に対して一方に回動させ続けることが
できる。逆に、〜の手順を逆順で繰り返えせば、バ
ランスロータ1を回転軸6に対して逆方向に回動させ続
けることもできる。すなわち、両マグネットリング3
1,32の送り位置を、以上のような適正な手順で調整
することにより、回転軸6に対してバランスロータ1を
正転させることも逆転させることもできる。
【0040】そればかりではなく、たとえば、図8に示
すように前述の図6のの状態から両マグネットリング
31,32の送りを始め、図9に示すように、図6の
からへ遷移する中間状態で両マグネットリング31,
32の送りを止めることもできる。すると、バランスロ
ータ1は回転軸6に対して三分の一ピッチ進む途中で安
定し、三分の一ピッチよりもずっと細かい位置制御をす
ることができる。このように遷移状態の途中でマグネッ
トリング31,32の送りを止める操作は、前述の正転
および逆転の手順のうちどこであってもできる。それゆ
え、回転軸6に対するバランスロータ1の位相角度は、
極めて高い分解能で精密に設定することができる。
【0041】以上でバランスロータ1を回転軸6に対し
て回動させ所望の位相角度に固定することができること
が明らかになった。そこで次に、図10を参照しつつ、
制御装置7のマイクロコンピュータ71がもつ代表的な
制御ロジックについて説明する。この制御ロジックは、
砥石軸頭92が回転軸6の回転駆動を始め、所定の回転
速度に達っして回転速度が安定した状態で行われる。す
なわち、先ず回転軸6への回転指令が発せられ、回転軸
6が所定の回転速度に達して安定したことが確認され
る。すると、回転センサ81および振動センサ82から
の信号が、図示しないA/D変換器を介し、マイクロコ
ンピュータ71によって読みとられる。この際、振動セ
ンサ82からの加速度信号は、回転軸6の回転周期に対
応する周波数帯域の信号のみを通すバンドパスフィルタ
処理が施され、回転軸6の回転周期に同期して起こる静
的アンバランスに起因した振動成分だけになる。
【0042】次に、回転センサ81からの検出信号およ
び振動センサ82からの検出信号に基づいて、アンバラ
ンス量(質量一次モーメント)の大きさと、同アンバラ
ンス量の回転角度の原点からの位相角度とが算出され
る。すなわち図10に示すように、回転センサ81の検
知信号を回転軸6の回転角度の原点とし、振動センサ8
2の加速度信号のピークまでの位相角θが算定される。
また、振動センサ82の加速度信号のピークの大きさを
もって、静的アンバランスの大きさが推算される。な
お、振動センサ82の加速度信号のピークの大きさと静
的アンバランスの大きさとを関係付ける比例定数は、砥
石91を取り付ける代わりに所定の静的アンバランスを
もった回転体を取り付けて砥石軸頭92を運転すること
により、予め求められている。
【0043】しかる後、第一ユニット100および第二
ユニット200(図1参照)のバランスロータ1の取る
べき位相角度が算出され、それに必要な吸引コイル5の
ON/OFFの繰り返し回数Nが算出される。すなわち
図11に示すように、静的アンバランスWの大きさと位
相角θとが分かれば、両バランスロータ1が生成すべき
静的アンバランス(仮想バランスウェイト)の大きさお
よび位相角度θ+180°も明らかになる。各バランス
ロータ1のもつ静的アンバランスの大きさは分かってい
るから、仮想バランスウェイトを中心にして両側にどれ
だけの開き角度をもって両ユニット100,200のバ
ランスロータ1のバランスウェイト12を配置すればよ
いかが算定可能である。この演算は、仮想バランスウェ
イトに相当する合ベクトルを作る簡単な幾何計算を行う
だけで済む。
【0044】このような回転バランス修正作用は、回転
軸6の始動時に行うだけではなく、振動センサ82から
の検知信号が大きくなり静的バランスが所定の範囲を外
れたと判定された場合にも、ワーク交換時などに行われ
る。それゆえ、研削盤の加工能率を低下させることな
く、静的バランスが取れ振動が少ない状態が保たれるの
で、静的アンバランスに起因する研削盤の振動は抑制さ
れる。
【0045】このようにして、両ユニット100,20
0のバランスロータ1は、両バランスロータ1が作り出
す質量一次モーメントの合成が砥石42の静的アンバラ
ンスを相殺するような位相角度にまで、精密に回動せし
められる。両バランスロータ1がそれぞれ適正な位相角
度にまで回動すると、回転軸6にかかっていた静的アン
バランスは両バランスロータ1によって相殺され、自動
的に静的釣り合いが取られる。その結果、回転軸6にか
かる振動が低減され、研削盤(図1参照)の加工精度が
向上すると共に、砥石軸頭92の寿命も延びる。
【0046】このような回転バランス修正作用は、回転
軸6の始動時に行うだけではなく、振動センサ82から
の検知信号が大きくなり静的アンバランスの大きさが所
定の許容範囲を外れたと判定された場合にも、加工中を
避けてワーク交換時などに行われる。それゆえ、本実施
例の回転バランス修正装置は、同装置が装備された研削
盤の工作機械の加工能率を低下させることなく、回転軸
6の静的バランスを自動的に取るので、静的アンバラン
スに起因する振動は抑制される。
【0047】以上詳述したように、本実施例の回転バラ
ンス修正装置は、回転軸6とともに回転する部材1,2
がほぼ回転対称形をしているので、強大な遠心加速度に
耐えることができ、かなりの高速回転にも耐えることが
できる。また、回転軸6に付設される両ユニット10
0,200の構成が簡素であり、モータのように複雑な
部品を回転体の内部に含まないので、小型化が容易であ
る。さらに、スリップリングのように常に摺動する部分
がないので、ほとんど摩耗が生じることがなく、ほぼメ
ンテナンスフリーである。
【0048】したがって、本実施例の回転バランス修正
装置によれば、かなりの高速回転での使用に適用できる
うえに、小型化が容易であるばかりでなく、ほとんどメ
ンテナンスフリーであるという効果がある。 (実施例1の変形態様1)本実施例の変形態様1とし
て、積層構造を持つ極板ロータ2をねじ止めで一体に固
定する代わりに、積層金属板を圧延することにより一体
に圧着接合して極板ロータ2を形成した回転バランス修
正装置の実施が可能である。
【0049】本変形態様では、ねじ止めと異なり、振動
によるねじの緩みを防止する対策が不要になり、極板ロ
ータ2の組立工数が低減される。また、実施例1ではね
じ止めに適した幅のある部分は誘導突極22の部分だけ
であるので、勢い誘導突極22にねじ孔を形成して非磁
性金属製のねじで止めることになり、誘導突極22の全
体としての透磁特性が少し低下する。しかしながら、本
実施例の変形態様では、非磁性のねじが誘導突極22を
貫通して磁力線の透過の邪魔になるようなことがないの
で、誘導突極22の磁力線誘導特性が向上する。
【0050】したがって本変形態様によれば、前述の実
施例1の効果に加えて、極板ロータ2の組立工数が低減
されるうえに、誘導突極22の磁力線誘導特性が向上し
て磁気トルクが強まるという効果がある。 (実施例1の変形態様2)本実施例の変形態様2とし
て、バランスロータがリング状ではなく略扇状の形状を
した回転バランス修正装置の実施も可能である。あるい
は、バランスロータ1の外周部をそのままに残したうえ
で、中間部の肉厚部を扇状に残し、中間部の残りの部分
を肉薄に形成して質量一次モーメントを大きくした構成
の回転バランス修正装置の実施も可能である。扇状の肉
厚部には、実施例1と同様にバランスウェイト12が埋
設されていればなお良い。
【0051】本変形態様では、バランスロータ1の持つ
質量一次モーメント(静的アンバランス)が極めて大き
いので、両ユニット100,200の外形が同じ大きさ
であれば、より大きな静的アンバランスを補償できるよ
うになる。逆に、補償できる静的アンバランスの大きさ
が同等で良ければ、実施例1よりも小型軽量化すること
が可能になる。
【0052】したがって本変形態様によれば、バランス
ロータの質量一次モーメントが大きくなるので、補償す
べき静的アンバランスの範囲が一定であるとすると、実
施例1よりも小型軽量化することができるという効果が
ある。 (実施例1の変形態様3)本実施例の変形態様3とし
て、送りねじリング35,36、ボールベアリング3
7,38およびギヤ42(図3参照)を省略し、非磁性
ステンレス鋼製のケース5の支承リング部52の内周面
に送りねじが形成されている回転バランス修正装置の実
施が可能である。
【0053】本変形態様では、ステッピングモータ40
のギヤ41で直接的にマグネットホルダ33,34が回
動させられる。すると、マグネットホルダ33,34の
外周面に形成された雄ねじが、支承リング部52の内周
面の送りねじと螺合して摺接し、マグネットリング3
1,32がそれぞれ軸長方向に移動させられる。それゆ
え、実施例1よりも移動手段が簡素な構成でありなが
ら、実施例1と同様な作用効果が得られる。そればかり
ではなく、送りねじリング35,36、ボールベアリン
グ37,38および中間ギヤ42が省略できるので、両
ユニット100,200の外径をより小さく形成し、よ
り軽量化することができる。
【0054】したがって本変形態様によれば、前述の実
施例1の効果に加えて、さらなるコストダウンおよび小
型軽量化が可能であるという効果がある。 [実施例2] (実施例2の構成)本発明の実施例2としての回転バラ
ンス修正装置は、再び図1に示すように、回転センサ8
1および振動センサ82と、マイクロコンピュータ71
とモータ駆動回路72に代えて励磁回路とを内蔵した制
御装置7と、本体1000とからなる。本体1000が
両ユニット100,200から構成され、各ユニット1
00,200は、バランスロータ1、極板ロータ2およ
び励磁手段から主に構成されている点は、実施例1と同
様である。しかしながら、励磁手段が複数の励磁コイル
から構成されている点が、実施例1と異なる。
【0055】すなわち、図11に示すように、本実施例
の回転バランス修正装置において、バランスロータ1の
構成は実施例1と同じであり、極板ロータ2の構成も実
施例1とほぼ同様であるが、励磁手段としてコイルリン
グ4を有する点が実施例1と決定的に異なる。励磁手段
としてのコイルリング4は、極板ロータ2の外周面に近
接して回転軸6と同軸に配設された三つの励磁コイル4
3a,43b,43cをもち、砥石軸頭92(図1参
照)を支承している図示しない砥石台に固定されてい
る。そして、三列の励磁コイル43a,43b,43c
は、回転軸6とともに回転する極板ロータ2の突極列1
a,1b,1cに対応する軸長方向の位置に、互いに平
行に軸長方向にずれて配設されている。励磁コイル43
a,43b,43cは、それぞれ図示しない薄い樹脂製
のコイルボビンに巻回して収容されたうえで、軟磁性金
属材料からなるヨーク44の内周方向に開口した溝に収
容されている。励磁コイル43a,43b,43cおよ
びそれぞれのヨーク45は、非磁性で放熱性に優れたア
ルミニウム合金からなるケーシング45に、軸長方向に
等間隔で収容されている。
【0056】それゆえ、各励磁コイル43a,43b,
43cに励磁電流が通されて励磁すると、コイルリング
4はケーシング45の薄い内周板を通して極板ロータ2
の外周面に向かって磁力線を発する。磁力線の向きにつ
いては、互いに隣り合う励磁コイル43a,43b,4
3cの磁力線が短絡しないように、互いに隣り合う磁力
線は同一方向になるよう各励磁コイル43a,43b,
43cは励磁されるものとする。
【0057】ここで、極板ロータ2の誘導突極22は、
実施例1のそれと同様に軟磁性金属板221と非磁性金
属板222とが交互に積層されている。しかしながら、
実施例1と異なり、各軟磁性金属板221の軸長方向の
位置は、各ヨーク44の内周端面の位置に合わせて配設
されているので、軟磁性金属板221の数は六枚であ
る。
【0058】(実施例2の作用効果)本実施例では、励
磁コイル43a,43b,43cのうち任意の二つを適
正な順番で励磁させることにより、実施例1と同様の作
用でバランスロータ1を回転軸6に対して所望の位相角
度にまで回動させることができる。それゆえ、両ユニッ
ト100,200の各バランスロータ1を所望の位相角
度にまで、バランスロータ1の突極列1a,1b,1c
の三分の一ピッチ刻みで正転させることも逆転させるこ
ともできる。そればかりではなく、各励磁コイル43
a,43b,43cの励磁電流を適正に微調整すること
により、実施例1とほぼ同様にして、三分の一ピッチ刻
みよりも高い分解能で各バランスロータ1の位相角度を
設定することができる。
【0059】そして、いったんバランスロータ1の位相
角度を固定してしまえば、回転軸6が角加速度をもたな
い限り、わずかの励磁電流でバランスロータ1の位相角
度を保持することができるので、定常運転状態ではそれ
ほど消費電力は大きくはない。また、突極列1a,1
b,1cのピッチを細かくすることにより、バランスロ
ータ1が回転軸6に対して取りうる位相角度の分解能を
さらに向上させることができる。
【0060】このようにして、本実施例でも両ユニット
100,200のバランスロータ1を所望の位相角度に
設定し、回転軸6にかかる静的アンバランスを両バラン
スロータ1の静的アンバランスの合成で相殺することが
可能である。したがって、本実施例の回転バランス修正
装置によれば、前述の実施例1と同様の理由で、かなり
の高速回転での使用に適用できるうえに、小型軽量化が
容易である。そればかりでなく、本実施例の回転バラン
ス修正装置によれば、モータもギヤも送りねじももたな
いので、ほぼ完全にメンテナンスフリーであるという効
果がある。また、実施例1のようなモータと送りねじと
の組み合わせに比べて、磁力線の変化速度が格段に高ま
るので、より素早い回転バランスの修正が可能になると
いう効果がある。
【0061】(実施例2の変形態様1)本実施例の変形
態様1として、バランスロータ1の突極列1a,1b,
1cの数を変えたり、コイルリング4の励磁コイル43
a,43b,43cの数を変えたりした回転バランス修
正装置の実施が可能である。本変形態様では、このよう
な改変に伴い、誘導突極22の軟磁性金属板221およ
び非磁性金属板222の数や厚さや配置も適正に修正さ
れる。
【0062】本変形態様によれば、実施例2と同様の作
用効果を得ることができるばかりではなく、突極列と励
磁コイルとの組み合わせ如何によって、実施例1と同様
により高い分解能でバランスロータ1の位相角度を設定
できるという効果がある。 (実施例2のその他の変形態様)本実施例の回転バラン
ス修正装置に対しても、前述の実施例1に対するその変
形態様1および変形態様2と同様の変形態様を実施する
ことが可能である。そして、これらの変形態様の作用効
果も、実施例1の両変形態様の作用効果と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の回転バランス修正装置のシステム
構成を示す模式図
【図2】 実施例1の回転バランス修正装置の要部構成
を示す斜透視図
【図3】 実施例1の回転バランス修正装置の要部構成
を示す正断面図
【図4】 実施例1のバランスロータの突極列の配置を
示す展開斜視図
【図5】 実施例1の最重要部の構成および作用を示す
正端面図
【図6】 実施例1におけるバランスロータの回動手順
を示す模式図
【図7】 実施例1におけるマグネットリングの動作パ
ターンのチャート
【図8】 実施例1におけるの状態を示す模式図
【図9】 実施例1におけるととの中間状態を示す
模式図
【図10】実施例1におけるアンバランス測定作用を示
すタイムチャート
【図11】実施例2の最重要部の構成および作用を示す
正端面図
【符号の説明】
1000:回転バランス修正装置本体 100:第一ユニット 200:第二ユニット 1:バランスロータ(軟磁性金属製) 1a,1b,1c:突極列 11:肉抜き孔 12:バランスウェイト(鉛製) 13:軸受け(ボールベアリング) 2:極板ロータ 21:極板リング 22:誘導突極 221:軟磁性金属板(軟磁性層として) 222:非磁性金属板(非磁性層として) 23:連結部 3:回動装置(励磁手段として) 31,32:マグネットリング 33,34:マグネットホルダ 35,36:送りねじリング(移動手段として) 35a,35b:歯車部 37,38:ボールベアリング 40:ステッピングモータ 41,42:ギヤ 4:コイルリング(励磁手段として) 43a,43b,43c:励磁コイル 44:ヨーク(軟磁性金属製) 45:ケーシング(アルミニウム合金製) 5:ケース 51:カバー部 52:支承リング部 53:ボールベアリング 54:シール部材 6:回転軸(主軸ないしスピンドル) 61:軸受け 7:制御装置 71:マイクロコンピュータ 72:モータ駆動回路 81:回転センサ(光学式センサ) 82:振動セン
サ(加速度センサ) 91:砥石 92:砥石軸頭

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸に対して回動可能に支承され該回転
    軸と同期して回転可能であり、該回転軸から偏心した重
    心を持つと共に、互いに位相をずらして周方向に所定ピ
    ッチで突出した軟磁性体からなる複数の突極列を外周部
    にもつ二つのバランスロータを有し、 該回転軸に固定されて該回転軸と共に回転し、該バラン
    スロータの外周面に突端を対向させて求心方向に突出し
    軸長方向に軟磁性層と非磁性層とが交互に積層された誘
    導突極を周方向に該所定ピッチでもつ極板ロータと、 該極板ロータの外周面に近接して配設され内周面から磁
    力線を出し、該磁力線の軸長方向の位置を適正に変更し
    て、該バランスロータの該突極列に通じる該極板ロータ
    の該誘導突極の該軟磁性層を励磁する励磁手段と、を各
    該バランスロータ毎に有することを特徴とする回転バラ
    ンス修正装置。
  2. 【請求項2】前記励磁手段は、前記回転軸と同軸に配設
    され軸長方向にそれぞれ移動可能に保持された半径方向
    に異なる磁気極性をもつ複数のマグネットリングと、各
    該マグネットリングを軸長方向に沿って所望の位置に移
    動させる移動手段とをもつ、 請求項1記載の回転バランス修正装置。
  3. 【請求項3】各前記バランスロータは、互いに平行に軸
    長方向にずれた前記突極列を三列もち、 各該励磁手段は、互いに磁気極性の向きが異なる二本一
    対の前記マグネットリングをもつ、 請求項2記載の回転バランス修正装置。
  4. 【請求項4】各前記励磁手段は、各前記極板ロータの外
    周面に近接して前記回転軸と同軸に配設された複数の励
    磁コイルをもつ、 請求項1記載の回転バランス修正装置。
  5. 【請求項5】各前記バランスロータは、互いに平行に軸
    長方向にずれた前記突極列を三列もち、 前記励磁手段は、各該突極列に対応する軸長方向の位置
    に三つの前記励磁コイルをもつ、 請求項4記載の回転バランス修正装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014163477A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Azbil Corp 磁気バネ装置
EP4105514A1 (de) * 2021-06-17 2022-12-21 Hofmann Mess- und Auswuchttechnik GmbH & Co. KG Automatische auswuchtvorrichtung in kompakter axialer anordnung

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