JP2000238207A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JP2000238207A
JP2000238207A JP11042979A JP4297999A JP2000238207A JP 2000238207 A JP2000238207 A JP 2000238207A JP 11042979 A JP11042979 A JP 11042979A JP 4297999 A JP4297999 A JP 4297999A JP 2000238207 A JP2000238207 A JP 2000238207A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物の内装、建具の表面化粧、車両内装の
表面化粧等に使用される化粧シートであって、印刷層が
形成されたオレフィン系樹脂よりなる基材シートに電離
放射線硬化型樹脂からなる保護層が形成された従来の化
粧シートは、印刷層の耐候性が悪いか、又は印刷層の耐
候性には優れるが印刷層と電離放射線硬化型樹脂層等と
の層間密着性が悪く、従来から公知の方法では上記構成
の耐候性及び層間密着性に優れる化粧シートを製作する
ことができなかった。 【解決手段】 オレフィン系樹脂からなる基材シート2
に印刷層3、電離放射線硬化型樹脂より構成される保護
層4を順次積層してなる化粧シート1において、印刷層
のバインダーとして相互に混合しているアクリル樹脂と
ウレタン樹脂からなる混合物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装、建
具の表面化粧、車両内装の表面化粧等に利用可能であ
り、装飾性に優れた化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建築物の内装材等の用途には
塩化ビニルシート等の基材シートの表面に木目等の絵柄
を設け、該絵柄の表面に保護層として、透明塩化ビニル
シート等の熱可塑性樹脂を積層して構成されたシート
や、木目等の立体感を出す為に、前記保護層の表面に木
目柄に対応した凹凸模様等のエンボス加工を施したシー
トが化粧シートとして使用されてきた。このような化粧
シートは、一般に、建具や建築物の内装材等としてパー
ティクルボード、ベニヤ板、プラスチック部材、その他
の化粧板基材に貼着され、化粧板として使用されてい
る。
【0003】近年、上記化粧シートに代わるものとし
て、高密度ポリエチレン、熱可塑性エラストマー、着色
剤、及び無機充填剤を含む材料から構成される着色シー
ト上に直接又は他の層を介して電離放射線硬化型樹脂が
保護層として形成されたシートが化粧シートとして提案
された(特開平10−45926号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記オレフィン系樹脂
よりなる基材シートと電離放射線硬化型樹脂からなる保
護層を有する化粧シートの基材シート上に印刷層を設け
る場合、従来は印刷層を形成するインキのバインダーと
して酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、又
はウレタン樹脂を用いていた。しかしながら、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体はオレフィン系樹
脂よりなる基材シート中の紫外線吸収剤、光安定剤等の
耐候性を失活させ、ウレタン樹脂は材質そのものに耐候
性が無く、これらの樹脂をバインダーに用いた化粧シー
トは耐候性が不充分で長時間紫外線に曝されると印刷層
と基材シートとの層間又は印刷層と保護層との層間にお
ける層間密着性が低下し、印刷層の界面において剥離し
易くなるという欠点を有していた。
【0005】上記耐候性の問題を解決する手段として、
耐候性に優れているアクリル樹脂をインキのバインダー
に用いることは可能である。しかしながら、アクリル樹
脂をバインダーとして用いると、化粧シートの耐候性を
向上させることはできるが、アクリル樹脂は固く柔軟性
に欠けるため、層間密着性に劣る化粧シートしか得るこ
とができなかった。従って、従来はオレフィン系樹脂よ
りなる基材シートと電離放射線硬化型樹脂からなる保護
層を有する化粧シートのインキのバインダーとして使用
できる耐候性及び層間密着性に優れる材料は存在しなか
った。その結果、耐候性に優れ、且つ、層間密着性も優
れている化粧シートであって、基材シートがオレフィン
系樹脂、保護層が電離放射線硬化型樹脂からなり、基材
シートと保護層の間に印刷層が設けられた化粧シートを
得ることができなかった。
【0006】本発明は上記従来技術の欠点を解決するた
めのものである。即ち、本発明はオレフィン系樹脂から
なる基材シートの表面に印刷層、電離放射線硬化型樹脂
より構成される保護層を順次積層した化粧シートであっ
て、層間密着性が優れると共に耐候性も優れている化粧
シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧シートは、
オレフィン系樹脂からなる基材シートの表面に印刷層、
電離放射線硬化型樹脂より構成される保護層を順次積層
してなる化粧シートであって、印刷層のバインダーが相
互に混合可能なアクリル樹脂とウレタン樹脂からなる混
合物であることを特徴とする。
【0008】上記印刷層のバインダーに用いられる相互
に混合可能なウレタン樹脂とアクリル樹脂の重量比は、
1:0.1〜1:9であることが好ましい。又、上記基
材シートの表面には易接着処理を施すことが好ましく、
上記基材シート裏面にも易接着処理を施すことが好まし
い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づき詳細
に説明する。図1は、本発明の化粧シート1の基本的構
成を示す縦断面図である。図1において、2はオレフィ
ン系樹脂からなる基材シートを、3は該基材シート2の
表面に設けられた印刷層を、4は該印刷層3の表面に設
けられた電離放射線硬化型樹脂からなる保護層(以下、
「電離放射線硬化型樹脂層」と略称する。)をそれぞれ
示す。
【0010】基材シート2は、オレフィン系樹脂であれ
ばよいが、主原料がハードセグメントとしての高密度
ポリエチレン又はポリプロピレンのいずれかからなり、
これにソフトセグメントとしてのエラストマー及び無機
充填剤を添加してなる混合物が挙げられる。また、特
開平9−111055号公報、特開平5−77371号
公報、特開平7−316358号公報等に記載されるエ
チレン−プロピレン−ブテン共重合体を基材シート2に
用いることもでき、特公平6−23278号公報記載
のハードセグメントであるアイソタクチックポリプロピ
レンとソフトセグメントとしてのアタクチックポリプロ
ピレンとの混合物を基材シート2に用いることもでき
る。
【0011】前記のオレフィン系樹脂におけるハード
セグメントとしての高密度ポリエチレンとしては、好ま
しくは、比重が0.94〜0.96のポリエチレンであ
って、低圧法で得られる結晶化度が高く、分子に枝分か
れ構造の少ない高分子である高密度ポリエチレンが用い
られる。また、ハードセグメントとしてのポリプロピレ
ンとしては、好ましくは、アイソタクチックポリプロピ
レンが用いられる。
【0012】前記のソフトセグメントとしてのエラス
トマーとしては、ジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴ
ム、オレフィンエラストマー等が用いられる。水素添加
ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なく
とも一部分に水素原子を付加させてなるもので、ポリオ
レフィン系樹脂の結晶化を抑えて、その柔軟性を向上さ
せる。ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、ブタジ
エンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジエンゴム、
アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニトリル
・イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム等がある。
オレフィンエラストマーとしては、2種類又は3種類以
上のオレフィンと共重合しうるポリエンを少なくとも1
種類加えた弾性共重合体であり、オレフィンとしてはエ
チレン、プロピレン、α−オレフィン等が使用され、ポ
リエンとしては、1,4ヘキサジエン、環状ジエン、ノ
ルボルネン等が使用される。好ましいオレフィンエラス
トマーとしては、例えばエチレン−プロピレン共重合体
ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム、エチ
レン−ブタジエン共重合体ゴム等のオレフィンを主成分
とする弾性共重合体が挙げられる。なお、これらのエラ
ストマーは、必要に応じて有機過酸化物、硫黄等の架橋
剤を用いて、過重架橋させても良い。
【0013】これらエラストマーの添加量としては、1
0〜60重量%、好ましくは30重量%程度である。1
0重量%より低いと一定荷重伸度の変化が急峻になり過
ぎ、また、破断時伸度、耐衝撃性、易接着性の低下が生
ずる虞があり、60重量%より高いと透明性、耐候性お
よび耐クリープ性の低下が生ずる虞がある。
【0014】又、前記の無機充填剤としては、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の平均粒径
0.1〜10ミクロン程度の粉末が用いられる。添加量
としては、1〜60重量%程度、好ましくは5〜30重
量%程度である。1重量%未満では耐クリープ変形性及
び易接着性の低下が生ずる虞があり、60重量%を超え
ると破断時伸度及び耐衝撃性の低下が生ずる虞がある。
【0015】前記のオレフィン系樹脂としては、エチ
レン・プロピレン・ブテン共重合体樹脂からなる熱可塑
性エラストマーが用いられる。ここで、ブテンとして
は、1ブテン、2ブテン、イソブチレンの3種の構造異
性体のいずれも用いることができる。共重合体として
は、ランダム共重合体であって、非晶質の部分を一部含
む。
【0016】上記エチレン・プロピレン・ブテン共重合
体樹脂の好ましい具体例としては、次の(i)〜(iii)
が挙げられる。 (i)特開平9−111055号公報に記載されるエチ
レン、プロピレン及びブテンの3元共重合体によるラン
ダム共重合体。単量体成分の重量比率はプロピレンが9
0重量%以上である。メルトフローレートは、230°
C、2.16kgの条件下で1〜50g/10分である
ことが好ましい。このような3元ランダム共重合体10
0重量部に対して、上記ランダム共重合体は、燐酸アリ
ールエステル化合物を主成分とする透明造核剤を0.0
1〜50重量部、炭素数を12〜22の脂肪酸アミド
0.003〜0.3重量部を溶融混練してなるものであ
る。
【0017】(ii)特開平5−77371号公報に記載さ
れるエチレン、プロピレン及びブテンの3元共重合体で
あって、プロピレン重量比率が50重量%以上の非晶質
重合体20〜100重量%に、結晶質ポリプロピレンを
80〜0重量%添加してなるエチレン・プロピレン・ブ
テン共重合体。
【0018】(iii)特開平7−316358号公報に記
載されるエチレン、プロピレン、1ブテンの3元共重合
体であって、プロピレン及び/又は1ブテン含有率が5
0重量%以上の低結晶質重合体20〜100重量%に、
アイソタクチックポリプロピレン等の結晶性ポリオレフ
ィン80〜0重量%を混合した組成物に対して、Nアシ
ルアミノ酸アミン塩、Nアシルアミノ酸エステル等の油
ゲル化剤を0.5重量%添加したエチレン・プロピレン
・ブテン共重合体。
【0019】上記(i)〜(iii)のエチレン・プロピレ
ン・ブテン共重合体樹脂は、単独で用いても良いし、該
エチレン・プロピレン・ブテン共重合体樹脂に必要に応
じて更に他のポリオレフィン樹脂を混合して用いても良
い。
【0020】前記のオレフィン系樹脂としては、特公
平6−23278号公報記載の(A)ソフトセグメント
として数平均分子量Mnが25000以上、且つ重量平
均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn≦7
の沸騰ヘプタンに可溶なアタクチックポリプロピレン1
0〜90重量%と、(B)ハードセグメントとしてのメ
ルトインデックスが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタ
ン不溶性のアイソタクチックポリプロピレン90〜10
重量%との混合物からなる軟質ポリプロピレンが挙げら
れる。
【0021】上記のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーの中でも、アイソタクチックポリプロピレンとアタク
チックポリプロピレンの混合物からなり、且つアタクチ
ックポリプロピレンの重量比率が5〜50重量%のもの
が好ましく、アタクチックポリプロピレンの重量比率が
20〜40重量%のものが特に好ましい。アタクチック
ポリプロピレンの重量比率が5重量%未満ではエンボス
加工をしたり、3次元形状や凹凸形状の物品に成形加工
する際にネッキングによる不均一なシートの変形や、そ
の結果としての皺、絵柄の歪み等が生ずる虞がある。一
方、アタクチックポリプロピレンの重量比率が50重量
%を超えると、シート自体が変形し易くなって、シート
を印刷機に通した時にシートが変形し、絵柄の歪み、多
色刷の場合に見当が合わなくなる等の不良が発生しやす
くなる虞があり、成形時においてはシートが破れ易くな
る虞がある。
【0022】前記基材シート2のオレフィン系樹脂中に
は必要に応じて、着色剤、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸
収剤、ラジカル捕捉剤等が添加される。着色剤として
は、チタン白、亜鉛華、べんがら、朱、群青、コバルト
ブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔
料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリド
ン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー等
の有機顔料あるいは染料、アルミニウム、真鍮等の箔粉
からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸
亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられる。着
色剤は、基材シートに化粧シートとして必要な色彩を持
たせるために添加され、透明着色と不透明(隠蔽)着色
のいずれでも構わないが、一般的には被着体を隠蔽する
ために不透明着色が好ましい。
【0023】又、熱安定剤としては、フェノール系、サ
ルファイト系、フェニルアルカン系、フィスファイト
系、アミン系等公知のものが使用でき、熱加工時の熱変
色等による劣化の防止の向上を図る場合に用いられる。
難燃剤は、難燃性を付与する場合に添加され、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウムなどの粉末が用いられ
る。
【0024】紫外線吸収剤は、樹脂により良好な耐候性
(耐光性)を付与するためのものであり、ベンゾトリア
ソール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機
物、又は、0.2μm径以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸
化セリウム、酸化チタン等の無機物が用いられる。その
他に、ベンゾトリアゾール骨格にアクリロイル基又はメ
タクリロイル基を導入した反応型紫外線吸収剤も用いら
れる。尚、これらの紫外線吸収剤の添加量は、通常0.
5〜10重量%程度である
【0025】紫外線による劣化を更に防止し、耐候性を
向上させるためには、ラジカル捕捉剤を添加することが
好ましい。ラジカル捕捉剤としては、ビス−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ビペリジニル)セバケー
ト、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ビペリジニル)セバケート、その他、例えば特
公平4−82625号公報に開示されている化合物等の
ヒンダード系ラジカル捕捉剤、ビペリジニル系ラジカル
捕捉剤等が使用される。
【0026】基材シート2は、これらの前記材料をブレ
ンドしたものをカレンダー加工等の常用の方法により製
膜して得ることができる。基材シートの厚みは50〜2
00μm、好ましくは100μm程度である。
【0027】印刷層3は、絵柄印刷、着色印刷等により
形成される。印刷層は、具体的には顔料添加による着色
(透明又は不透明)の模様又はベタ印刷等からなり、グ
ラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、
転写シートからの転写印刷等の公知の印刷法を用い、イ
ンキ(或いは塗料)にて形成する。印刷層3の模様とし
ては、木目模様、石目模様、布目模様、皮絞模様、幾何
学図形、文字、記号等がある。
【0028】印刷層3に用いられるインキは、バインダ
ーとして、アクリル樹脂とウレタン樹脂の混合物を用い
ることが好ましい。但し、アクリル樹脂とウレタン樹脂
は相互に混ざりにくい性質を有するので、通常のアクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂を用いることはできず、相互に混
合可能なアクリル樹脂、ウレタン樹脂を選択する必要が
ある。具体的には、本発明において使用できるウレタン
樹脂と混合可能なアクリル樹脂としては、メタクリル酸
メチル(MMA)、メタクリル酸ヒドロキシエチル(H
EMA)、ジメチルアミノエチルメタクリレートの混合
物が挙げられる。又、上記アクリル樹脂とよく混ざるウ
レタン樹脂としては、多価アルコールとしてのブタンジ
オール、イソシアネートとしてのイソホロンジイソシネ
ート(IPDI)、アジピン酸を原料として製造したも
のが挙げられる。但し、本発明において用いることがで
きるアクリル樹脂とウレタン樹脂は上記のものに限定さ
れず、相互に混合可能なものであれば、適宜に選択、配
合又は合成等して用いることができる。
【0029】印刷層3のバインダーにおけるウレタン樹
脂とアクリル樹脂の重量比は1:0.1〜1:9である
ことが好ましく、1:0.2〜1:4であることが更に
好ましい。ウレタン樹脂に対するアクリル樹脂の重量比
が1:0.1未満では耐候性がそれほど向上しない虞が
ある。一方、ウレタン樹脂に対するアクリル樹脂の重量
比率が1:9を越えると印刷層3と基材シート2との層
間密着性又は印刷層3と電離放射線硬化型樹脂層4との
層間密着性が悪くなる虞がある。
【0030】印刷層3は基材シート2表面の全面に設け
ても部分的に設けても何れでもよい。又、印刷層3は図
1に示すように、基材シート2の表面全面に設けたベタ
印刷層31と、該印刷層の表面に部分的に設けた模様印
刷層32とから構成してもよい。
【0031】電離放射線硬化型樹脂層4は、化粧シート
に耐汚染性、耐擦傷性、エンボス加工性、及び耐熱を付
与するために設けるものであって、電離放射線硬化型樹
脂を主成分とする。該電離放射線硬化型樹脂層4は、分
子中に重合性不飽和結合または、エポキシ基を有するプ
レポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜混
合した、電離放射線により硬化可能な組成物が用いられ
る。尚、ここで電離放射線とは、電磁波または荷電粒子
線のうち分子を重合或いは架橋し得るエネルギー量子を
有するものを意味し、通常紫外線または電子線等を意味
する。
【0032】上記プレポリマー、オリゴマーには、不飽
和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポ
リエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエー
テルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラ
ミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステ
ルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアク
リレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアク
リレート、メラミンアクリレート等のアクリレート、カ
チオン重合型エポキシ化合物等が挙げられる。
【0033】上記ウレタンアクリレートとしては、例え
ばポリエーテルジオールとジイソシアネートとを反応さ
せて得られる、下記〔化1〕の一般式で表されるポリエ
ーテル系ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0034】
【化1】CH2=C(R1)−COOCH2CH2−OCO
NH−X−NHCOO−〔−CH(R2)−(CH2n
−O−〕m−CONH−X−NHCOO−CH2CH2
COC(R1)=CH2(式中、R1,R2はそれぞれ水素
またはメチル基であり、Xはジイソシアネート残基、n
は1〜3の整数、mは6〜60の整数である。)
【0035】上記のポリエーテル系ウレタン(メタ)ア
クリレートに使用されるジイソシアネートとしては、例
えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート等が挙げられる。上記のポリエーテルジ
オールとしては、分子量が500〜3000のポリオキ
シプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられ
る。
【0036】以下、ウレタンアクリレートの製造例を示
す。滴下ロート、温度計、還流冷却管及び攪拌棒を傭え
たガラス製反応容器中に、分子量1000のポリテトラ
メラレングリコール1000部と、イソホロンジイソシ
アネート444部とを仕込み、120℃で3時問反応さ
せた後、80℃以下に冷却し、2−ヒドロキシエチルア
クリレートを232重量部加え、80℃でイソシアネー
ト基が消失するまで反応させて、ウレタンアクリレート
が得られた。
【0037】電離放射線硬化型樹脂に用いるモノマーと
しては、スチレン、αメチルスチレン等のスチレン系モ
ノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘ
キシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキ
シエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチ
ル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸
エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸
ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2
−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、メメタクリル酸
−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸
−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル
酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽
和置換酸の置換アミノアルコールエステル類、アクリル
アミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミ
ド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレング
リコールジアクリレート、プロピレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
1,6ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレン
グリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合
物、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基を有す
るポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパン
トリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチ
オプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリ
コール等が挙げられる。
【0038】電離放射線硬化型樹脂層4を硬化させるの
に紫外線、更には可視光線を用いる場合は、電離放射線
硬化型樹脂に光重合開始剤を添加する。光重合開始剤と
しては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラ
ーベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシムエステ
ル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサ
ントン類、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム
塩、メタロセン、等が挙げられる。又、光重合促進剤
(増感剤)としてn−ブチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルホスフィン等を更に混合して用い
ることができる。光重合開始剤の添加量は、1〜10重
量%の範囲が硬化性が良好であることから好ましい。ま
た光重合開始剤の種類としては、ベンゾフェノン系が硬
化性が良好であることから好ましい。
【0039】上記電離放射線硬化型樹脂層4にさらに耐
擦傷性を付加する目的で球状粒子を混合分散しても良
い。球状粒子の材質は電離放射線硬化型樹脂よりも高硬
度であれば良く、無機粒子及び有機樹脂粒子のいずれも
用いることができるが、耐摩耗性、硬度の点で、無機粒
子が推奨される。球状粒子の電離放射線硬化型樹脂との
硬度の差は、硬度はモース硬度、ビッカーズ硬度等の方
法で計測され、例えば、モース硬度で表した場合、1以
上が好ましい。
【0040】球状粒子の材質は、具体的には、α−アル
ミナ、シリカ、酸化クロム、酸化鉄、ダイヤモンド、黒
鉛などの無機粒子、および架橋アクリルなどの合成樹脂
ビーズ等の有機樹脂粒子が挙げられる。特に,好ましい
球状粒子は、非常に硬度が高く、耐摩耗性に対する効果
が大きいこと、球形状のものが比較的容易に得やすい等
の理由から、球形のα−アルミナが用いられる。
【0041】球状粒子は、真球状、あるいは球を偏平に
した回転楕円状ならびに真球状や回転楕円状に近い形状
などのように、表面が滑らかな曲線に囲まれていれば良
い。球状粒子は、特に粒子表面に突起や角あるいは谷間
や凹部のない球状が望ましい。球状粒子は同じ材料の不
定形の粒子と比較して、表面樹脂層それ自体の耐摩耗性
を大きく向上させると共に、塗工装置を摩耗させず、塗
膜の硬化後もこれと接触する他の物を磨耗させず、さら
に塗膜の透明度も高くなるという特徴があり、滑らかな
形状の場合にその効果が大きい。
【0042】上記電離放射線硬化型樹脂層4には、電離
放射線非硬化型樹脂を添加することができる。該電離放
射線非硬化型樹脂としてはウレタン系、繊維素系、ポリ
エステル系、アクリル系、ブチラール系、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂が用いられ、特に
繊維素系、ウレタン系、ブチラール系は、可撓性の点か
ら好ましい。また、電離放射線硬化型樹脂層4は、上記
電離放射線硬化型樹脂、球状アルミナ、及びプラスチッ
クビーズ、その他の添加剤等を含む塗工組成物を印刷層
3が設けられた基材シート2の印刷層3の上から塗工
し、硬化させて形成することができる。電離放射線硬化
型樹脂の塗工組成物には、上記の成分以外に、表面樹脂
層としての透明性、耐摩粍性等を損なわない範囲で、染
料や顔料等の着色剤、その他のCaCO3、BaSO4
の公知の艶消調整剤や増量剤といった充填剤、消泡剤、
レベリング剤、チクソトロピー性付与剤などの塗料、イ
ンキに通常添加される添加剤を加えることができる。
【0043】電離放射線硬化型樹脂層4を形成する塗工
組成物には、粘度を調整するために樹脂の成分を溶解可
能であり、常圧における沸点が70℃〜150℃の溶剤
を組成物中に30重量%以下の範囲で用いることができ
る。溶剤の添加量が30重量%以下の範囲であれば、乾
燥がスムーズであり、生産スピードの大きな低下がな
い。
【0044】上記の溶剤としては、塗料、インキ等に通
常使用されるものが使用でき、具体例としては、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸
アミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコー
ル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピ
ルエーテルなどのエーテル類およびこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。
【0045】電離放射線硬化型樹脂層4を形成するには
以下の方法を用いことができる。 基材シートの表面に塗工組成物を直接塗工する直接コ
ーティング法、又は、剥離性の基材表面に電離放射線
硬化型樹脂層4を予め形成した後、該層を基材シートの
表面に転写する、転写コーティング法が用いられる。
【0046】上記の直接コーティング法としては、グ
ラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフ
セットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバ
ースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディ
ップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイ
ヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流
しコート、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることが
できるが、好ましいのはグラビアコートである。
【0047】上記の転写コーティング法としては、下
記の(a)〜(d)に示す、一旦薄いシート(フィル
ム)基材に塗膜を形成し架橋硬化せしめ、しかる後基材
の表面に被覆する方法や、塗工組成物の塗膜を基材と共
に立体物に接着するラミネート法(a,b)、一旦離型
性支持体シート上に塗膜と必要に応じて接着剤層を形成
し塗膜を架橋硬化させてなる転写シートを、その塗膜側
を立体物に接着後、支持体シートのみ剥離する転写法
(c)等の手段を利用することができる。即ち、(a)
特公平2−42080号公報、特公平4−19924号
公報等に開示されるような射出成形同時転写法或いは特
公昭50−19132号公報に開示されるような射出成
形同時ラミネート法や、(b)特開平4−288214
号公報、特開平5−57786号公報に開示されるよう
な真空成形同時転写法或いは特公昭56−45768号
公報に開示されるような真空成形同時ラミネート法や、
(c)特公昭59−51900号公報、特公昭61ー5
895号公報、特公平3−2666号公報等に開示され
るように、ラッピング同時転写法、又はラッピング同時
ラミネート法や、(d)実公大15−31122号公報
等に開示されているVカット加工同時ラミネート法或い
は特公昭56−7866号公報等に開示されているVカ
ット加工同時転写法などが挙げられる。尚、薄いシート
基材に、樹脂層を形成する方法は上記の直接コーティン
グ法と同じ各種のコーティング手段を用いることができ
る。
【0048】又、下記の(A)〜(D)の工程を順次行
う方法を用いることもできる(特開平2−26673号
公報等記載)。(A)非吸収性且つ離型性の合成樹脂シ
ートに、未硬化液状の電離放射線硬化型樹脂組成物を塗
工し、(B)前記電離放射線硬化型樹脂組成物の塗布面
が基材と接するようにラミネートし、(C)前記電離放
射線硬化型樹脂組成物の塗膜に電離放射線を照射して架
橋、硬化させ、(D)合成樹脂シートを剥離除去する。
上記の工程において、電離放射線硬化型樹脂として溶剤
で希釈されたものを使用する場合には、工程(A)と
(B)との間に溶剤を乾燥する工程を設ける。
【0049】尚、電離放射線硬化型樹脂層4には、必要
に応じて着色剤、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、ラ
ジカル捕捉剤等を添加することができる。但し、紫外線
吸収剤、ラジカル捕捉剤を添加した場合は、電子線で硬
化させることが好ましい。
【0050】図2は、前記の如く本発明化粧シートの具
体的構成の一例を示す縦断面である。図2において、5
及び6は易接着層を示す。
【0051】基材シート2の表面には、易接着剤を塗布
することにより易接着層5を形成し、これにより易接着
処理を施すか、又は、コロナ放電処理、プラズマ処理、
オゾン処理等の物理的手段により易接着処理を施すこと
が好ましい。易接着層5(プライマー層、或いはアンカ
ー層ともいう)として使用できる樹脂は、アクリル樹
脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹
脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ポリエ
チレンを挙げることができる。
【0052】易接着層5に使用できる上記ポリウレタン
樹脂は、ポリオ−ル(多価アルコ−ル)を主剤とし、イ
ソシアネ−トを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンで
ある。上記ポリオ−ルとしては、分子中に2個以上の水
酸基を有するもので、例えばポリエチレングリコ−ル、
ポリプロピレングリコ−ル、アクリルポリオ−ル、ポリ
エステルポリオ−ル、ポリエーテルポリオール等を使用
できる。上記イソシアネ−トとしては、分子中に2個以
上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート、
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族
イソシアネート、或いはヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジ
イソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシア
ネート等の脂肪族(または脂環族)イソシアネートが用
いられる。或いは、これらのイソシアネートの付加体又
は多量体を用いることもできる。
【0053】易接着層5に使用できる上記アクリル樹脂
としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピ
ル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸メチル・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メ
タ)アクリル酸エチル・(メタ)アクリル酸ブチル共重
合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、
スチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メ
タ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からな
るアクリル樹脂(但し、ここで(メタ)アクリルとはア
クリル又はメタアクリルを意味するものとし、以下同様
である。)が用いられる。
【0054】基材シート2の裏面には、前記の基材シー
ト2の表面と同様に易接着処理を施すことが好ましい。
易接着処理の手段としては、易接着剤を塗布することに
より易接着層6を形成する方法や、コロナ放電処理、プ
ラズマ処理、オゾン処理等の物理的手段により易接着処
理を施す方法がある。易接着層6の形成に用いることが
できる樹脂は、基材シート2の表面に易接着層5を形成
するために用いることができる樹脂と同様である。
【0055】本発明の化粧シート1は他の被着体(裏打
材)に積層して用いることができる。図3は被着体が立
体形状物品11の場合を、図4は被着体が平板状又は曲
面状の板材12の場合を示す。化粧シート1と被着体と
の積層は、被着体に化粧シート1自体が(熱融着等で)
接着可能な場合は、接着剤を用いずに行うことができる
が、化粧シート1自体が被着体と接着しない場合には、
適当な接着剤を用いて積層する。本発明の化粧シート1
を被着体に積層することにより化粧材のような最終製品
となる場合もあれば、化粧シート1の力学的強度の補
強、或いは隠蔽性を付与するために被着体に積層する場
合もある。
【0056】上記接着剤としては、化粧シート1と被着
帯とが接着可能なものであればよく、例えば酢ビ系、尿
素系等が挙げられる。又、化粧シート1自体が被着体と
接着しにくい場合には、化粧シート1の裏面に上記基材
シート2の表面に施したと同様に易接処理を施したり、
易接着剤を塗布する等することにより易接着層6を設け
ることが好ましい。
【0057】被着体としては図3に示すような立体形状
の成形品や、図4に示すような平板状、曲面状等の板
材、シート(或いはフィルム)等の各種形状の物品が対
象となる。板材、立体形状物品、或いはシート(フィル
ム)のいずれにも用いられる素材としては、木材単板、
木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MD
F)等の木材板、木質繊維板等の木質板、鉄、アルミニ
ウム等の金属、アクリル、ポリエステル、ポリスチレ
ン、ポリオレフィン、ABS、フェノール樹脂、ポリ塩
化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂、専ら板
材、或いは立体形状物品として用いられる素材として
は、硝子、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメン
ト窯業系材料、専らシート(或いはフィルム)として用
いられる素材としては、上質紙、和紙、等の紙、炭素、
石綿、チタン酸カリウム、硝子、合成樹脂等の繊維から
なる不織布又は織布等がある。
【0058】これらの各種被着体への積層方法しては、
例えば接着剤を間に介して板状基材に加圧ローラーで
加圧して積層する方法、特公昭50−19132号公
報、特公昭43−27488号公報等に記載されるよう
に、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に挿入して、
両金型を閉じ、雄型のゲートから溶融樹脂を射出充填し
て後、冷却して樹脂成型品の成形と同時にその表面に化
粧シートを接着積層する、所謂射出成形同時ラミネート
方法、特公昭56−45768号公報、特公昭60−
58014号公報等に記載されるように、成形品の表面
に化粧シートを間に接着剤を介して対向乃至は載置し、
成形品側からの真空吸引による圧力差により化粧シート
を成形品表面に積層する、所謂真空プレス積層方法、
特公昭61−5895号公報、特公平3−2666号公
報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状基材の
長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介して供給し
つつ、複数の向きの異なるローラーにより、柱状体を構
成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層
してゆく、所謂ラッピング加工方法等が挙げられる。本
発明の化粧シート1を表面化粧層として有する立体物品
を得るには、上記ラッピング加工法、射出成形同時ラミ
ネート法、真空成形同時ラミネート法等が好ましい。
【0059】上記化粧シート1を積層した各種被着体
は、所定の成形加工等を施して、各種装飾用素材等とし
て用いることができる。例えば、壁、天井、床等建築物
の内装、窓枠、扉、手摺等の建具の表面化粧、家具又は
弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電
車等の車輌内装、航空機内装、窓硝子の化粧用等の用途
が挙げられる。
【0060】次に具体的に実施例を挙げて本発明を更に
説明する。
【実施例】実施例1 シートの両面に易接着処理が施されたポリプロピレンを
主成分とする三菱化学MKV株式会社製「WB060」
(厚み80μm)を基材シートとして使用し、下記配合
のウレタン樹脂とアクリル樹脂の混合物をバインダーと
する株式会社昭和インク工業所製のインキ「AU91」
を使用してベタ印刷、木目模様の印刷を順次行った後、
シリカを10重量部含みウレタンアクリレートオリゴマ
ーを主成分とする大日精化工業株式会社製の電離放射線
硬化型樹脂「EBS02マットK」をグラビアリバース
方式により20g/m2 塗工した。次に、電子線を照射
(照射線量5Mrad、加速電圧175KV、ラインス
ピード40m/min)し、電離放射線硬化型樹脂を硬
化させて保護層を形成し化粧シートを得た。
【0061】インキ「AU91」のバインダーの配合 ブタンジオール、IPDI、アジピン酸等からなるウレ
タン樹脂:MMA、HEMA、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート等からなるアクリル樹脂=1:9
【0062】実施例2 下記配合のウレタン樹脂とアクリル樹脂の混合物をバイ
ンダーとする株式会社昭和インク工業所製のインキ「A
U31」を使用してベタ印刷、木目模様の印刷を順次行
った以外は実施例1と同様に化粧シートを作製した。
【0063】インキ「AU31」のバインダーの配合 ブタンジオール、IPDI、アジピン酸を原料として製
造したウレタン樹脂:MMA、HEMA、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレートの混合物からなるアクリル樹脂
=1:3
【0064】実施例3 下記配合のウレタン樹脂とアクリル樹脂の混合物をバイ
ンダーとする株式会社昭和インク工業所製のインキ「A
U11」を使用してベタ印刷、木目模様の印刷を順次行
った以外は実施例1と同様に化粧シートを作製した。
【0065】インキ「AU11」のバインダーの配合 ブタンジオール、IPDI、アジピン酸を原料として製
造したウレタン樹脂:MMA、HEMA、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレートの混合物からなるアクリル樹脂
=1:1
【0066】実施例4 下記配合のウレタン樹脂とアクリル樹脂の混合物をバイ
ンダーとする株式会社昭和インク工業所製のインキ「A
U031」を使用してベタ印刷、木目模様の印刷を順次
行った以外は実施例1と同様に化粧シートを作製した。
【0067】インキ「AU031」のバインダーの配合 ブタンジオール、IPDI、アジピン酸を原料として製
造したウレタン樹脂:MMA、HEMA、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレートの混合物からなるアクリル樹脂
=1:0.3
【0068】実施例5 下記配合のウレタン樹脂とアクリル樹脂の混合物をバイ
ンダーとする株式会社昭和インク工業所製のインキ「A
U011」を使用してベタ印刷、木目模様の印刷を順次
行った以外は実施例1と同様に化粧シートを作製した。
【0069】インキ「AU011」のバインダーの配合 ブタンジオール、IPDI、アジピン酸を原料として製
造したウレタン樹脂:MMA、HEMA、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレートの混合物からなるアクリル樹脂
=1:0.1
【0070】比較例1 アクリル樹脂のみをバインダーとする株式会社昭和イン
ク工業所製のインキ「AU10」を使用してベタ印刷、
木目模様の印刷を順次行った以外は実施例1と同様に化
粧シートを作製した。
【0071】比較例2 ウレタン樹脂のみをバインダーとする株式会社昭和イン
ク工業所製のインキ「AU01」を使用してベタ印刷、
木目模様の印刷を順次行った以外は実施例1と同様に化
粧シートを作製した。
【0072】実施例1〜5、比較例1〜2によって得ら
れた化粧シートについて耐候試験を行った後、印刷層が
形成された基材シートと電離放射線硬化型樹脂からなる
保護層の密着性を碁盤目セロテープ密着試験により評価
した。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】耐候試験は、スガ試験機株式会社製「サン
シャインロングライフ・ウエザーメーター(形式WEL
−SUN−HC)」を使用して、光源サンシャインカー
ボンアーク、 ブラックパネル温度63℃、湿度30〜
70%RHの条件下で、化粧シートに1000時間紫外
線を照射した。
【0075】碁盤目セロテープ密着試験は、化粧シート
の表面を2ミリ間隔の縦横5区分の碁盤目状にカッター
で切り、粘着性テープを貼った後に剥がす作業をセロテ
ープを取り替えながら3回繰り返した後、何枚の枡目が
剥がれずに残っているかを数え、剥がれずに残っている
枡目が多いほど耐候性に優れていると評価した。尚、表
1において層間密着性を分数の形式で表示しているが、
分母は25枚の桝目を切ったことを現し、分子は剥がれ
ずに残っている枡目の枚数を現す。
【0076】表1から明かなように、アクリル樹脂とウ
レタン樹脂の混合物をバインダーとするインキを用いた
場合は、1000時間の耐候試験を行った後であって
も、層間密着性に優れているが、アクリル樹脂のみをバ
インダーとするインキを用いた場合は、耐候試験を行う
前、即ち化粧シートの製造直後から層間密着性が悪く、
ウレタン樹脂のみをバインダーとするインキを用いた場
合は、製造直後は層間密着性は良好であるが、1000
時間の耐候試験を行った後は層間密着性が極端に悪くな
ることが判る。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、アクリル樹脂とウ
レタン樹脂の混合物をバインダーとするインキを用いて
得られたオレフィン系樹脂の基材シートと電離放射線硬
化型樹脂の保護層からなる化粧シート及び該化粧シート
を被着体に貼付してなる合板等は、長時間の紫外線の照
射後においても基材シートと印刷層との間の層間密着性
及び印刷層と電離放射線硬化型樹脂からなる保護層との
間の層間密着性が優れており、層間の剥離が起きない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明化粧シートの基本的構成を示す
縦断面図である。
【図2】図2は、本発明化粧シートの具体的構成の一例
を示す縦断面である。
【図3】図3は、本発明化粧シートを被着体に積層した
立体物品の縦断面図である。
【図4】図4は、本発明化粧シートを被着体に積層した
板状体の縦断面図である。
【符号の説明】
1 化粧シート 2 基材シート 3 印刷層 4 保護層 5 易接着層 6 易接着層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂からなる基材シートの
    表面に印刷層、電離放射線硬化型樹脂より構成される保
    護層を順次積層してなる化粧シートであって、印刷層の
    バインダーが相互に混合可能なアクリル樹脂とウレタン
    樹脂からなる混合物であることを特徴とする化粧シー
    ト。
  2. 【請求項2】 印刷層のバインダーにおける相互に混合
    可能なウレタン樹脂とアクリル樹脂の重量比が1:0.
    1〜1:9であることを特徴とする請求項1記載の化粧
    シート。
  3. 【請求項3】 基材シートの表面に易接着処理を施し、
    該易接着処理を施した表面に印刷層を設けたことを特徴
    とする請求項1記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】 基材シートの裏面に易接着処理を施した
    ことを特徴とする請求項1記載の化粧シート。
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