JP2000236246A - 電源供給制御装置 - Google Patents

電源供給制御装置

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JP2000236246A
JP2000236246A JP11074252A JP7425299A JP2000236246A JP 2000236246 A JP2000236246 A JP 2000236246A JP 11074252 A JP11074252 A JP 11074252A JP 7425299 A JP7425299 A JP 7425299A JP 2000236246 A JP2000236246 A JP 2000236246A
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power supply
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Toshikazu Kobayashi
俊和 小林
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過電流遮断機能を備えるとともに、寒冷時に
おける電源供給当初の大電流を低減させることができ、
これにより電線の細線化を可能にする。 【解決手段】 制御信号入力端子へ供給される制御信号
に応じてスイッチング制御され、電源101からデフォ
ッガ102への電力供給を制御するサーマルFETQA
と、サーマルFETQAにデフォッガ102を接続した
状態における該サーマルFETQAの端子間電圧の電圧
特性と等価な電圧特性を持つ基準電圧を生成するととも
に、デフォッガ102に対する電源供給時に当該デフォ
ッガ102が所定の温度以下である場合には第2の基準
電圧を生成する基準電圧設定回路109と、サーマルF
ETQAの端子間電圧と前記基準電圧または第2の基準
電圧との差を検出するCMP1と、検出された端子間電
圧と基準電圧または第2の基準電圧との差に応じてサー
マルFETQAをオン/オフ制御する駆動回路111、
オン/オフ回数積算回路107、ON/オフ制御回路1
08とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リアウインドデフ
ォッガの熱線等の抵抗体に電流を流すことにより発熱す
る発熱負荷に対する電源供給制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両のリアウインドウガラスに
は、熱線式のリアウインドウデフォッガが設けられてお
り、リアウインドウガラスが曇った場合に熱線を加熱し
て曇りを除去するようにしている。
【0003】図16は、従来のデフォッガ回路の一例を
示している。同図に示すように、このデフォッガ回路
は、バッテリ201とリアウインドウデフォッガ202
との間にヒューズ203を介して直列接続されたデフォ
ッガリレー204を備えている。このデフォッガリレー
204のコイル205にはスイッチ206が接続されて
おり、ユーザ等がスイッチ206をオンさせると、デフ
ォッガリレー204の接点207が閉じ、バッテリ20
1からの電源がリアウインドウデフォッガ202に供給
される。これにより、リアウインドウデフォッガ202
に電流が流れ、その発熱量によってウインドウガラスの
曇りが取り除かれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、リアウイン
ドウデフォッガ202に使用される熱線に流れる電流値
は周囲温度に大きく依存している。すなわち、寒冷時に
リアウインドウデフォッガ202を作動させた場合、電
源供給時には、図17に示すような大電流(寒冷時大電
流)が流れ、熱線が暖まってくるに従って抵抗値が上が
っていくために電流は徐々に低下していく特性を示す。
【0005】このため、リアウインドウデフォッガ20
2の回路には、過度的に生じる大きな電流値に合わせた
太いサイズの電線を使用する必要があり、コスト高にも
つながっていた。
【0006】一方、いわゆるデッドショート時などにお
いて、車両負荷に過電流が流れた場合にこれを遮断する
過電流遮断機能を半導体スイッチにより実現するように
した装置も知られているが、負荷に対する過電流遮断機
能と、寒冷時に発熱負荷に流れる大電流を抑制する機能
とを伴に備えた電源供給制御装置は存在しない。
【0007】本発明は上記事情に鑑み、過電流遮断機能
を備えるとともに、寒冷時における電源供給当初の大電
流を低減させることができ、これにより電線の細線化を
可能とした電源供給制御装置を提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、抵抗体に電流を流すことにより発熱する
発熱負荷に対する電源供給制御回路であって、制御信号
入力端子へ供給される制御信号に応じてスイッチング制
御され電源から前記発熱負荷への電力供給を制御する半
導体スイッチと、前記半導体スイッチに前記発熱負荷を
接続した状態における該半導体スイッチの端子間電圧の
電圧特性と等価な電圧特性を持つ基準電圧を生成すると
ともに、前記発熱負荷に対する電源供給時に当該発熱負
荷が所定の温度以下である場合には第2の基準電圧を生
成する基準電圧生成手段と、前記半導体スイッチの端子
間電圧と前記基準電圧または第2の基準電圧との差を検
出する検出手段と、検出された端子間電圧と基準電圧ま
たは第2の基準電圧との差に応じて前記半導体スイッチ
をオン/オフ制御する制御手段とを有することを特徴と
している。
【0009】また、前記設定手段は、前記半導体スイッ
チ及び前記負荷に並列接続され、前記制御信号に応じて
スイッチング制御される第2半導体スイッチとリファレ
ンス抵抗とを直列接続した回路を備え、該リファレンス
抵抗は、前記基準電圧または第2の基準電圧を設定して
しきい値電流が流れるように抵抗値が設定されることを
特徴としている。
【0010】さらに、前記制御手段は、前記負荷に流れ
る電流の値が前記しきい値電流を下回った場合に前記半
導体スイッチをオン制御することを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】[本発明の前提となる電源供給制
御回路]本発明の実施の形態を説明する前に、本発明の
前提となる半導体スイッチを使用した電源供給制御装置
について説明する。
【0012】<第1形態>第1形態の電源供給制御装置
について、図1を参照して説明すると、本形態の電源供
給制御装置は、電源101の出力電圧VBを負荷102
に供給する経路に、半導体スイッチとしてのサーマルF
ETQAのドレインD−ソースSを直列接続した構成で
ある。ここで、サーマルFETQAにはDMOS構造の
NMOS型を使用しているがPMOS型でも実現可能で
ある。
【0013】また同図において、サーマルFETQAを
駆動制御する部分については、FETQB、抵抗R1〜
R10、ツェナーダイオードZD1、ダイオードD1、
コンパレータCMP1、駆動回路111およびスイッチ
SW1を備えた構成である。なお、参照符号として抵抗
には“R”とそれに続く数字を使用しているが、以下の
説明では参照符号として使用すると共に、それぞれ該抵
抗の抵抗値をも表すものとする。また、図1中の点線で
囲った部分110aはアナログ集積化されるチップ部分
を示す。
【0014】負荷102は例えばヘッドライトやパワー
ウィンドウの駆動モータ等々であり、ユーザ等がスイッ
チSW1をオンさせることにより機能する。駆動回路1
11には、コレクタ側が電位VPに接続されたソースト
ランジスタQ5と、エミッタ側が接地電位(GND)に
接続されたシンクトランジスタQ6とを直列接続して備
え、スイッチSW1のオン/オフ切換えによる切換え信
号に基づき、ソーストランジスタQ5およびシンクトラ
ンジスタQ6をオン/オフ制御して、サーマルFETQ
Aを駆動制御する信号を出力する。なお図中、VBは電
源101の出力電圧であり、例えば12[V]である。
また、VPはチャージポンプの出力電圧であり、例えば
VB+10[V]である。
【0015】半導体スイッチとしてのサーマルFETQ
Aは、より詳しくは図2に示すような構成を備えてい
る。図2において、サーマルFETQAは、内蔵抵抗R
G、温度センサ121、ラッチ回路122及び過熱遮断
用FETQSを備えている。なお、ZD1はゲートG−
ソースS間を12[V]に保ってゲートGに過電圧が印
加されようとした場合にこれをバイパスさせるツェナー
ダイオードである。
【0016】つまり、本形態で使用するサーマルFET
QAは、サーマルFETQAが規定以上の温度まで上昇
したことが温度センサ121によって検出された場合に
は、その旨の検出情報がラッチ回路122に保持され、
ゲート遮断回路としての過熱遮断用FETQSがオン動
作となることによって、サーマルFETQAを強制的に
オフ制御する過熱遮断機能を備えている。
【0017】温度センサ121は4個のダイオードが縦
続接続されてなり、実装上、温度センサ121はサーマ
ルFETQAの近傍に配置形成されている。サーマルF
ETQAの温度が上昇するにつれて温度センサ121の
各ダイオードの抵抗値が減少するので、FETQ51の
ゲート電位が“L”レベルとされる電位まで下がると、
FETQ51がオン状態からオフ状態に遷移する。これ
により、FETQ54のゲート電位がサーマルFETQ
Aのゲート制御端子(G)の電位にプルアップされ、F
ETQ54がオフ状態からオン状態に遷移して、ラッチ
回路122に“1”がラッチされることとなる。このと
き、ラッチ回路122の出力が“H”レベルとなって過
熱遮断用FETQSがオフ状態からオン状態に遷移する
ので、サーマルFETQAの真のゲート(TG)の電位
レベルが“L”レベルとなって、サーマルFETQAが
オン状態からオフ状態に遷移して、過熱遮断されること
となる。
【0018】また、本形態の電源供給制御装置では、負
荷102またはサーマルFETQAのドレインD−ソー
スS間において発生する短絡故障による過電流、或いは
不完全短絡故障による異常電流に対する保護機能をも備
えている。以下、図1を参照して、この保護機能を実現
する構成について説明する。
【0019】先ず、特許請求の範囲にいう基準電圧発生
手段は、FET(第2半導体スイッチ)QBおよび抵抗
(第2負荷)Rrで構成されている。FETQBのドレ
インおよびゲートはそれぞれサーマルFETQAのドレ
イン(D)および真のゲート(TG)に接続され、FE
TQBのソース(SB)はリファレンス抵抗Rrの一方
の端子に接続され、リファレンス抵抗Rrの他の端子は
接地電位(GND)に接続されている。このように、F
ETQBおよびサーマルFETQAのドレイン(D)お
よびゲート(TG)を共通化することにより同一チップ
(110a)への集積化を容易にすることができる。
【0020】また、FETQBおよびサーマルFETQ
Aは同一プロセスで同一チップ(110a)上に形成さ
れたものを使用することとして、温度ドリフトやロット
間のバラツキの影響を除去(削減)するようにしてい
る。また、FETQBの電流容量がサーマルFETQA
の電流容量よりも小さくなるように、それぞれのFET
を構成する並列接続のトランジスタ数を(FETQBの
トランジスタ数:1個)<(サーマルFETQAのトラ
ンジスタ数:1000個)となるように構成している。
【0021】さらに、リファレンス抵抗Rrの抵抗値
は、後述のように負荷102の抵抗値×(FETQBの
トランジスタ数:1個/サーマルFETQAのトランジ
スタ数:1000個)の値となるように設定される。こ
のリファレンス抵抗Rrの設定により、サーマルFET
QAに正常動作の負荷電流(5[mA])が流れたとき
と同じドレイン−ソース間電圧VDSをFETQBに発
生させることができる。また、以上のような回路規定に
より、FETQBおよびリファレンス抵抗Rrで構成さ
れる基準電圧発生手段の構成を極力小型化することがで
き、実装スペースを縮小して装置コストを低減すること
ができる。
【0022】可変抵抗RVはサーマルFETQAのソー
スSA抵抗R1,R2の分圧点との間に負荷102に対
して直列に接続されている。可変抵抗RVの抵抗値を変
えることにより第2負荷の抵抗値を等価的に可変設定す
る。即ち、チップ110aの外部に可変抵抗RVを設置
し、該可変抵抗RVを調整することにより基準電圧生成
手段の設定値(基準)を目標の仕様に設定することが可
能となる。これにより、アナログ集積化する場合でも1
種類のチップ110aで複数の仕様をカバーすることが
可能となる。
【0023】コンパレータCMP1は、特許請求の範囲
にいう検出手段の一部を成す。コンパレータCMP1の
“+”入力端子には、サーマルFETQAのドレインD
−ソースS間電圧VDSを抵抗R1と抵抗R2および可
変抵抗RVの並列抵抗(R2‖RV)とで分圧した電圧
が抵抗R5を介して供給されている。また、コンパレー
タCMP1の“−”入力端子には、FETQBのソース
電圧VSが供給されている。つまり、これら“+”およ
び“−”の両入力端子に供給される電位がほぼ一致した
ときに出力は有効(“H”レベル)となり、一致しない
ときに無効(“L”レベル)となる。なお、後述のよう
に、コンパレータCMP1は一定のヒステリシスを持っ
ている。
【0024】次に、以上説明した本形態の電源供給制御
装置の回路構成を踏まえて、電源供給制御方法を説明す
る。具体的な動作説明を行う前に、図3、図4および図
5を参照して、本形態の電源供給制御装置が利用する原
理について説明する。ここで、図3はオフ状態からオン
状態への遷移時のドレイン−ソース間電圧の立ち下がり
特性の説明図、図4は概念的回路図、図5はサーマルF
ETのドレイン電流とゲート−ソース間電圧との特性を
説明する説明図である。
【0025】半導体スイッチとしてサーマルFETQA
を使用した場合、電源101から負荷102への電力供
給経路は、概念的に図4に示すような回路として表され
る。負荷102には電力供給経路の配線インダクタンス
L0と配線抵抗R0とを含む。なお、経路または負荷1
02において短絡故障が発生した場合にはR0には短絡
抵抗も含まれることとなる。ここで短絡抵抗は、本形態
が適用対象としている自動車において負荷102をヘッ
ドライトと仮定した場合には、上述の完全短絡(デッド
ショート)の場合に約40[mΩ]以下であり、不完全
短絡の場合は約40〜500[mΩ]である。
【0026】このような電力供給経路の一部を成すサー
マルFETQAのドレイン−ソース間電圧VDSは、サ
ーマルFETQAがオフ状態からオン状態へ遷移する際
の立ち下がり電圧特性は、図3に示すようになる。即
ち、短絡の場合、基準負荷(通常動作)の場合、負荷1
02が抵抗1[KΩ]の場合についての立ち下がり電圧
特性である。このように、立ち下がり特性は、電力供給
経路および負荷の状態、即ち、経路が持つ配線インダク
タンス並びに配線抵抗および短絡抵抗に基づく時定数に
応じて変化する。
【0027】このようなドレイン−ソース間電圧VDS
の特性の変化を利用して過電流検出を行う手法として、
以下で説明する手法の他に、所定タイミングで所定しき
い値との比較を行って過電流検出を行う手法が考えられ
るが、所定タイミングを規定する手段および所定しきい
値との比較手段を構成するために、コンデンサや複数の
抵抗といった部品を必要とし、これらの部品がばらつく
と検出誤差となってしまうという問題がある。また、コ
ンデンサが必要であり、該コンデンサはチップ内に搭載
できないことから、外付け部品が必要となり、装置コス
トのアップ要因となってしまうという問題もあった。
【0028】図3において、サーマルFETQAがオン
状態に遷移してドレイン−ソース間電圧VDSが飽和す
るまでの期間は、サーマルFETQAはピンチオフ領域
で動作する。
【0029】また、負荷102の抵抗が1[KΩ]のと
きのドレイン−ソース間電圧VDSの変化について、次
のように考察できる。つまり、第1に、例えば、サーマ
ルFETQAに日立製の「HAF2001]を使用した
場合、ドレイン電流ID=12[mA]だから、ゲート
−ソース間電圧VTGSは、ほぼしきい値電圧1.6
[V]に維持される。第2に、駆動回路111によるゲ
ート(G)への充電は継続されるから、このまま行くと
ゲート−ソース間電圧VTGSは上昇して行ってしまう
が、ドレイン−ソース間電圧VDSが低下して、ゲート
ードレイン間の容量値CGDを増大させるので、ゲート
−ソース間電圧VTGSに達する電荷を吸収してしまう
ことになる。即ち、ドレイン−ソース間電圧VDSはゲ
ート−ソース間電圧VTGSに達した電荷が電位上昇を
生じさせないだけの容量を発生させるような速度で降下
することになる。これにより、ゲート−ソース間電圧V
TGSは約1.6[V]に維持される。
【0030】また、負荷抵抗=1[KΩ]時のドレイン
−ソース間電圧VDSの変化について、次のような解釈
も可能である。つまり、サーマルFETQAがオン状態
に遷移した後の各経過時点で、駆動回路111によって
ゲート(G)の送られる充電電荷を吸収し、真のゲート
(TG)の電圧VTGSを一定に保つうようなドレイン
−ソース間電圧VDSの値を表わしている。したがっ
て、ある経過時間の後にドレイン−ソース間電圧VDS
が図3の負荷抵抗=1[KG]時の曲線より上側にあれ
ば、ゲート−ソース間電圧VTGSは1.6[V]より
も高くなっていることを意味する。なお、ドレイン−ソ
ース間電圧VDSは図3の負荷抵抗=1「KΩ」時の曲
線より下側に来ることはない。
【0031】さらに、図3の負荷抵抗=1[KΩ]時の
曲線からの距離をΔVDSGAPとすると、ΔVDSG
AP×CGD分の電荷をゲート−ソース間電圧VTGS
から引き去れば、ゲート−ソース間電圧電圧VTGSは
1.6[V]になることを意味する。換言すれば、ゲー
ト−ソース間電圧VTGSは1.6[V]からこの電荷
分だけ電位が上昇していることを意味する。このことを
式で示せば次式となる。
【0032】VTGS−1.6=ΔVDSGAP×CG
D/(CGS×CGD) 即ち、ΔVDSGAPは(ゲート−ソース間電圧VTG
S−1.6[V]に比例する。
【0033】また、ゲート−ソース間電圧VTGSとド
レイン電流IDとの間には、図5の特性に示すように、
比例に近い1対1の関係がある。ここで、図5の特性は
日立製の「HAF2001」のものであり、図中のVG
Sはここではゲート−ソース間電圧VTGSに相当す
る。したがって、ΔVDSGAPは図5の特性に示され
るような対応関係に基づいてドレイン電流IDを表すと
いうことができる。図5において、ドレイン電流ID=
10[A]近辺の分解能は約80[mV/A]である。
即ち、1[A]のドレイン電流IDが80[mV]のゲ
ート−ソース間電圧VTGSに対応し、±5[A]のド
レイン電流IDの変化に対して±0.4[V]のゲート
−ソース間電圧VTGSの変化が対応する。なお、この
分解能は従来の電源供給制御回路に使用されていた電流
検出を行うために電力の供給経路に直列接続されるシャ
ント抵抗RS=80[mΩ]相当の分解能に相当する。
【0034】なお、ドレイン電流IDがゼロの時はゲー
トを充電する回路およびミラー容量だけでドレイン−ソ
ース間電圧VDSの曲線は決まるが、ドレイン電流ID
が流れると、回路のインダクタンスLcおよび回路全体
の抵抗Rcの影響を受けることになる。完全短路(デッ
ドショート)のようにドレイン電流IDが大きくなる
と、ドレイン電流IDの立ち上り勾配はインダクタンス
Lc及び抵抗Rcでほぼ決まるので、ドレイン電流ID
の立上がり勾配は一定値に収れんし、したがって、ゲー
ト−ソース間電圧VTGSの曲線も収れんすることとな
る。
【0035】図5に示される特性には温度の特異点が存
在する。日立製の「HAF2001」の場合、ドレイン
電流ID=15[A]、ゲート−ソース間電圧VTGS
=3.3〜3.4[V]の付近である。通常の正常負荷
電流はほぼ15[A]以下なので、特異点の下側に来る
ことになる。この下側の領域では、同じドレイン電流I
Dに対し、温度上昇に応じてゲート−ソース間電圧VT
GSは小さくなる。したがって、高温条件下でも誤作動
が低減されることになり有利といえる。
【0036】また、ゲートを充電する回路が異なると、
同じ負荷電流に対してドレイン−ソース間電圧VDSの
曲線は変わってくる。したがって、ゲート充電電流は常
に同じ条件を保つ必要がある。なお、ゲート充電電流を
減らせばドレイン−ソース間電圧VDSの曲線は上方に
シフトすることになる。この性質を利用して、同じドレ
イン電流IDに対してドレイン−ソース間電圧VDSを
増大させるようにすれば、過熱遮断保護機能による過熱
遮断を促進させることができる。後述の過熱遮断促進回
路(過熱遮断促進回路)はこれを利用したものである。
【0037】次に、以上の考察を踏まえて、本形態の電
源供給制御装置の動作を説明する。先ず、サーマルFE
TQAおよび基準電圧生成手段(FETQB、リファレ
ンス抵抗Rr)について説明する。サーマルFETQA
およびFETQBがピンチオフ領域で動作しているとき
は、カレントミラー(Current mirror)
回路が構成され、ドレイン電流IDGA=1000×ド
レイン電流IDGSとなる。
【0038】したがって、サーマルFETQAのドレイ
ン電流としてIDQA=5[A]、FETQBのドレイ
ン電流としてIDQB=5[mA]がそれぞれ流れてい
るときは、サーマルFETQAおよびFETQBのそれ
ぞれのドレイン−ソース間電圧VDSとゲート−ソース
間電圧VTGSは一致する。即ち、VDSA=VDS
B,VTGSA=VTGSBとなる。ここで、VDSA
=VDSBはそれぞれサーマルFETQA、FETQB
のドレイン−ソース間電圧であり、VTGSA=VTG
SBはそれぞれサーマルFETQA、FETQBのゲー
ト−ソース間電圧である。
【0039】したがって、FETQBが完全にオン状態
に遷移しているときは、リファレンス抵抗Rrの両端に
ほぼ電源電圧VBが印加されるから、サーマルFETQ
Aに接続する5[A]負荷に等価なFETQBの負荷と
して、リファレンス抵抗Rrの抵抗値は、Rr=12
[V]/5[mA]−1.4[KΩ]として決定され
る。
【0040】このように、ここでは、サーマルFETQ
Aに5[A]の負荷電流が流れたときのドレイン−ソー
ス間電圧VDSの値(曲線)を基準とするが、サーマル
FETQAに対してトランジスタ数比(=電流容量比)
の小さいFETQBを用いて基準電圧生成手段を構成す
ることにより、基準電圧生成手段をより小型化して、小
さなチップ占有面積で要求機能を実現できるわけであ
る。さらに、上述のように、FETQBとサーマルFE
TQAと同一プロセスで、同一チップ上に構成すること
により、ロット間ばらつき、温度ドリフトの影響を除去
することができて、検出精度を大幅に改善できる。
【0041】次に、ピンチオフ領域における動作につい
て説明する。サーマルFETQAがオン状態に遷移する
と、ドレイン電流はIDQAは回路抵抗で決まる最終負
荷電流値を目指して立ち上がっていく。また、サーマル
FETQAのゲート−ソース間電圧VTGSAは、ドレ
イン電流IDQAで決まる値を取り、ドレイン−ソース
間電圧VDSAの低下によるコンデンサ容量CGDのミ
ラー効果でブレーキをかけられながら、これも立ち上が
っていく。さらに、FETQBのゲート−ソース間電圧
VTGSBは、ドレイン電流IDQB=5[mA](ド
レイン電流IDQA=5[A]に相当)までは、ゲート
−ソース間電圧VTGSB=VTGSAで増加していく
が、それ以降はドレイン電流IDQB=5[mA]一定
になるため(ピンチオフ領域内で一定になる)、ゲート
−ソース間電圧VTGSBも一定になり、日立製の「H
AF2001」の場合は、約2.7[V]一定になる。
【0042】また、サーマルFETQAのゲート−ソー
ス間電圧VTGSAは、ドレイン電流IDQAの増加に
応じて大きくなっていくので、ゲート−ソース間電圧は
VTGSB<VTGSAとなる。また、VDSA=VT
GSB+VTGD,VDSB=VTGSB+VTGDの
関係があるから、VDSA−VDSB=VTGSA−V
TGSBとなる。ここで、ゲート−ソース間電圧の差V
TGSA−VTGSBは、ドレイン電流IDQA−5
[A]を表わすから、ドレイン−ソース間電圧の差VD
SA−VDSBを検出することにより、ドレイン電流I
DQA−5[A]を得ることができる。
【0043】FETQBのドレイン−ソース間電圧VD
SBはコンパレータCMP1に直接入力され、サーマル
FETQAのドレイン−ソース間電圧VDSAはR1と
抵抗R2で分圧した値(ここでは可変抵抗RVについて
考慮に入れないものとする)がコンパレータCMP1に
入力される。即ち、 VDSA×R1/(R1+R2)………(1) がコンパレータCMP1に入力されることになる。サー
マルFETQAがオン状態に遷移した直後は、FETQ
Bのドレイン−ソース間電圧VDSB>(1)である
が、サーマルFETQAのドレイン電流IDQAが増加
するに連れて(1)は増加し、ついにはFETQBのド
レイン−ソース間電圧VDSBより大きくなり、この
時、コンパレータCMP1の出力は“H”レベルから
“L”レベルに変化して、サーマルFETQAをオフ状
態に遷移させる。
【0044】なお、コンパレータCMP1では、ダイオ
ードD1と抵抗R5でヒステリシスが形成されている。
サーマルFETQAがオフ状態に遷移したとき、駆動回
路111のシンクトランジスタQ6によりゲート電位は
接地され、ダイオードD1のカソード側電位は、VDS
B−0.7[V](ツェナーダイオードZD1の順方向
電圧)になるので、抵抗R1→抵抗R5→ダイオードD
1の経路で電流が流れ、コンパレータCMP1の“+”
入力端子の電位は、駆動回路111がオン制御している
ときより低下する。したがって、オフ状態に遷移したと
きより小さいドレイン−ソース間電圧の差VDSA−V
DSBまでサーマルFETQAはオフ状態を維持し、そ
の後オン状態に遷移することとなる。なお、ヒステリシ
ス特性の付け方にはいろいろな方法があるが、これはそ
の一例である。
【0045】サーマルFETQAがオフ状態に遷移する
ときのドレイン−ソース間電圧VDSAをしきい値VD
SAthとすると、次式が成立する。
【0046】
【数1】 VDSAth−VDSA=R2/R1×VDSB(at5[mA])……… (2) 過電流判定値は(2)式で決まることになる。なお、過
電流判定値を変更するには、チップ110a外部に接地
されている抵抗R2に並列接続の可変抵抗RVを調整す
る。この調整により過電流判定値を下方にシフトさせる
ことができる。
【0047】次に、オーミック領域における動作につい
て説明する。配線が正常な状態で、サーマルFETQA
がオン状態に遷移すると、サーマルFETQAは連続的
にオン状態を維持することとなるので、ゲート−ソース
間電圧VTGSA、VTGSBは10[V]近くまで達
し、サーマルFETQA,FETQBともオーミック領
域で動作する。
【0048】この領域ではドレイン−ソース間電圧VD
Sとドレイン電流IDの間には1対1の関係は無くな
る。日立製の「HAF2001」の場合、オン抵抗がド
レイン−ソース間電圧VDS=10[V]のとき、RD
S(ON)=30[mΩ]であるので、次式となる。
【0049】
【数2】 VDSB=5[A]×30[mΩ]=0.15[V] VDSA=IDQA×30[mΩ] VDSA−VDSB=30[mΩ]×(IDQA−5[A])……(3) また、配線の短絡等でドレイン電流IDQAが増加する
と式(3)の値が大きくなり、過電流判定値を超えると
サーマルFETQAをオフ状態に遷移させる。この後は
上記ピンチオフ領域の状態に移り、サーマルFETQA
はオン状態およびオフ状態への遷移を繰り返して、最終
的に過熱遮断に至る。なお、過熱遮断に至る前に、配線
が正常に復帰すれば、(間欠的短絡故障の例)、サーマ
ルFETQAは連続的にオン状態を維持するようにな
り、オーミック領域の動作に戻る。
【0050】図6には、本形態の電源供給制御装置にお
けるサーマルFETQAの電流と電圧の波形図を例示し
ている。ここで、図6(a)はドレイン電流ID(A)
を、図6(b)ドレイン−ソース間電圧VDSをそれぞ
れ示し、図中、は完全短絡(デッドショート)の場
合、は通常動作の場合、は不完全短絡の場合であ
る。
【0051】完全短絡(デッドショート)が発生してい
る場合(図中)には、サーマルFETQAがオフ状態
からオン状態に遷移したとき、ドレイン電流IDが急激
に流れるが、サーマルFETQAのオン状態を継続し
て、サーマルFETQAを過熱させ、過熱遮断の保護機
能、即ち過熱遮断用FETQSのオン状態への遷移によ
ってサーマルFETQAを過熱遮断する。
【0052】また、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短
絡が発生している場合(図中)には、上述のようにサ
ーマルFETQAのオン/オフ制御を繰り返し行って、
ドレイン電流IDを大きく変動させ、サーマルFETQ
Aの周期的な発熱作用によって、過熱遮断の保護機能、
即ち過熱遮断用FETQSのオン状態への遷移によって
サーマルFETQAを過熱遮断を速めている。
【0053】以上説明したように、本形態の電源供給制
御装置では、従来使用されていた電流検出を行うために
電力の供給経路に直列接続されるシャント抵抗を不要と
し、シャント抵抗を用いずに高精度の過電流検出が可能
であり、装置全体としての熱損失を抑えることができ、
また、完全短絡による過電流検出のみならず、ある程度
の短絡抵抗を持つ不完全短絡などのレアショートが発生
した場合の異常電流をもハードウェア回路によって連続
的に検出可能である。
【0054】また、不完全短絡の場合、サーマルFET
QAのオン/オフ制御を繰り返し行って電流を大きく変
動させ、半導体スイッチの周期的な発熱作用によって過
熱保護機能によるサーマルFETQAの遮断(オフ制
御)を速めることができる。さらに、マイコンを用いな
いハードウェア回路のみで構成して半導体スイッチのオ
ン/オフ制御を行えるため、電源供給制御装置の実装ス
ペースを縮小でき、装置コストを大幅に削減することが
できる。
【0055】また、本形態と同様に、ドレイン−ソース
間電圧VDSの特性の変化を利用するものの所定タイミ
ングで所定しきい値との比較を行って過電流検出を行う
他の手法と比較して、コンデンサや複数の抵抗といった
部品が不要になるので、該部品のバラツキによる検出誤
差がより低減できるとともに、チップ110aに対する
外付けコンデンサも不要であることから、実装スペース
および装置コストをより削減することができる。
【0056】さらに、可変抵抗RVの調整により、負荷
102の種別(ヘッドランプ、駆動モータ等)に応じた
完全短絡、不完全短絡の切り分けを確実に検出すること
が可能となり、短絡故障に対する保護を精度良く行うこ
とができる。
【0057】<第2形態>次に、第2形態の電源供給制
御装置について、図7を参照して説明する。本形態の電
源供給制御装置の構成は、図1の第1形態の構成に対し
て、抵抗R3,R4,R6,R9、FETQ1,Q2お
よびツェナーダイオードZD2を付加した構成である。
なお、図7中の点線で囲った部分110bはアナログ集
積化されるチップ部分を示す。
【0058】即ち、ゲート−ソース間を抵抗R9で接続
したFETQ1のゲートに、ツェナーダイオードZD2
および抵抗R6を介してサーマルFETQAの真のゲー
トTGを接続し、FETQ1のドレインを抵抗R4を介
してVB+5[V]に接続し、FETQ1のソースをサ
ーマルFETQAのソースSAに接続している。また、
抵抗R1に対して並列に、抵抗R3とFETQ2のドレ
インとを接続した回路を接続し、FETQ2のオン/オ
フ制御によってサーマルFETQAのドレイン−ソース
間電圧VDSの分圧を変えるように構成している。
【0059】次に、本形態の電源供給制御装置の動作を
説明する。先ず、ピンチオフ領域における動作について
説明する。第1形態と同様に、FETQBのドレイン−
ソース間電圧VDSBはコンパレータCMP1に直接入
力され、サーマルFETQAのドレイン−ソース間電圧
VDSAは抵抗R1,R3の並列抵抗(R1‖R3)と
抵抗R2で分圧した値(ここでは可変抵抗RVについて
考慮に入れないものとする)がコンパレータCMP1に
入力される。
【0060】即ち、次式の値がコンパレータCMP1に
入力されることになる。
【0061】
【数3】 VDSA×(R1‖R3)/((R1‖R3)+R2)……(1′) サーマルFETQAがオン状態に遷移した直後は、FE
TQBのドレイン−ソース間電圧VDSB>(1′)で
あるが、サーマルFETQAのドレイン電流IDQAが
増加するに連れて(1′)は増加し、ついにはFETQ
Bのドレイン−ソース間電圧VDSBより大きくなり、
この時、コンパレータCMP1の出力は“H”レベルか
ら“L”レベルに変化して、サーマルFETQAをオフ
状態に遷移させる。
【0062】サーマルFETQAがオフ状態に遷移する
ときのドレイン−ソース間電圧VDSAをしきい値VD
SAthとすると、次式が成立する。
【0063】
【数4】 VDSAth−VDSA=R2/(R1‖R3)×VDSB ……(2′) 過電流判定値は(2′)式で決まることになる。なお、
過電流判定値を変更するには、第1形態と同様に、チッ
プ110a外部に接地されている抵抗R2に並列接続の
可変抵抗RVを調整する。この調整により過電流判定値
を下方にシフトさせることができる。
【0064】オーミック領域における動作や図6を参照
して説明した動作等については第1形態と同様であるの
で省略する。
【0065】次に、過電流判定値について考察する。こ
こでは、過電流判定値はピンチオフ領域、オーミック領
域とも同一の値を用いるとする。
【0066】先ず、ピンチオフ領域における△(VDS
A−VDSB)/△IDを求める。HAF2001の特
性曲線より、次式が得られる。
【0067】
【数5】 △VTGSA/△IDQA=80[mV/A] ……(4) △VTGSA=△(VDSA−VDSB) ×CTGD/(CTGS+CTGD) =△(VDSA−VDSB) ×1200pF/(1800pF+1200pF) =△(VDSA−VDSB)×0.4 ……(5) 式(4),(5)より、
【数6】 △(VDSA−VDSB)/△ID=200[mV/A]……(6) となる。
【0068】また、オーミック領域における△(VDS
A−VDSB)/△IDは、式(3)より、
【数7】 △(VDSA−VDSB)/△ID=30[mV/A]……(7) となる。
【0069】式(6),(7)を比較すると、ピンチオ
フ領域ではオーミック領域より電流感度が敏感になり、
オーミック領域で適切な過電流判定値でも、ピンチオフ
領域では低すぎて引っ掛かり過ぎる恐れがある。この対
策としては、ピンチオフ領域とオーミック領域で過電流
判定値を変える方法がある。第1形態の構成に対して本
形態で付加された回路がこの対策回路である。
【0070】ピンチオフ領域かオーミック領域かの判定
は、ゲート−ソース間電圧VTGSAの大きさで行う。
ドレイン電流IDが増えるに連れてピンチオフ領域のゲ
ート−ソース間電圧VTGSAは大きくなるが、完全短
絡(デッドショート)の場合でも5[V]を超えること
はない。したがって、ゲート−ソース間電圧VTGSA
>5[V]であればオーミック領域にあると判定でき
る。
【0071】サーマルFETQAがオン状態に遷移した
直後は、FETQ1はオフ状態で、FETQ2はオン状
態にある。FETQ2をオン状態に遷移させるために
は、電源電圧VB以上の電圧、例えばVB+5[V]が
必要となる。
【0072】ツェナーダイオードZD2のツェナー降伏
電圧を5[V]−1.6[V](FETQ1のしきい値
電圧)に設定すれば、ゲート−ソース間電圧VTGSA
>5[V]になるとFETQ1がオン状態に遷移し、F
ETQ2がオフ状態に遷移するので、抵抗R2に並列に
入っていた抵抗R3が回路的に除去されることとなる。
【0073】ドレイン−ソース間電圧VDSAの圧縮率
が小さくなるので、過電流と判定されるドレイン−ソー
ス間電圧の差VDSA−VDSBがより小さくなる。こ
れによりオーミック領域では対策前より少ない電流値で
過電流判定されるようになる。
【0074】しかし、本形態における付加回路による対
策を行わなくても、実用的には問題ない可能性がある。
つまり、ピンチオフ領域では最終負荷電流値が小さいと
きは、ピンチオフ領域内で完全に立ち上がってしまう。
即ち、ピンチオフ領域内で最終負荷電流値に達するが、
最終負荷電流値が大きい場合には、ピンチオフ領域内で
はまだ立ち上がり途上にあり、ピンチオフ領域の電流値
は、完全短絡(デッドショート)の場合でも最大40
[A]位に制限される。
【0075】つまり、最終負荷電流値が大きくなるに連
れて、ある一定の勾配を持った電流立ち上がり特性に収
れんし、最終負荷電流値の差ほどドレイン−ソース間電
圧VDSAの差がつかなくなる。この現象があるため、
ピンチオフ領域の電流感度が大きくても、ドレイン−ソ
ース間電圧の差VDSA−VDSBが大きくならず、基
準電圧生成回路における電流値の選択しだいで本形態の
ような付加回路による対策を用いなくても、第1形態の
構成によって、実用的な過電流検出保護を行う電源供給
制御装置を実現できる。
【0076】本形態の電源供給制御装置では、第1形態
で詳述したものと同等の効果を奏することができる。
【0077】ここで最後に、過電流制御の考え方につい
て整理しておく。基本構想としては次の通りである。先
ず、配線が正常なときはサーマルFETQAがオン状態
に遷移するとオーミック領域に入り、配線が正常である
限り、オーミック領域に留まり、サーマルFETQAは
オン状態を維持し続ける。次に、配線に異常が発生し
て、電流が増えドレイン−ソース間電圧の差VDSA−
VDSBが過電流判定値を超えると、サーマルFETQ
Aはオフ状態に遷移し、ピンチオフ領域に入る。配線異
常が続く限り、サーマルFETQAはオン状態/オフ状
態の遷移を繰り返し続けて、ピンチオフ領域に留まり、
最終的に過熱遮断に至る。
【0078】上記基本構想を実現し、かつ制御を最適化
するために、過電流判定値は次の2つの条件を満足しな
ければならない。第1に、正常電流範囲ではサーマルF
ETQAを絶対にオフさせないことである。第2に、オ
ーミック領域で過電流と判定した後は、配線異常が改善
されない限り、ピンチオフ領域でサーマルFETQAは
オン状態/オフ状態への遷移を繰り返し行い続けること
である。これはオン/オフ制御の周期を安定させるため
に必要である。オン/オフ制御の周期を安定させること
は制御の安定性につながるし、オン/オフ制御の周期を
用いてタイマを設定する(後述の第5形態を参照)の
で、そのためにも周期の安定化は必要である。
【0079】上記第1および第2の条件を満足させるた
めには、オーミック領域の過電流判定値を「正常電流最
大値+α」の電流値(相当するVDSA−VDSB)に
設定し、ピンチオフ領域の過電流判定値を「正常電流最
大値+β」に設定する必要がある。このときα>βとす
る。つまり、α−βがピンチオフ領域に留まらせるため
に必要なオフセット量である。
【0080】<第3形態>次に、第3形態の電源供給制
御装置について、図8を参照して説明する。第2形態の
電源供給制御装置における回路構成(図7)との違い
は、FETQBのゲートをサーマルFETQAの真のゲ
ートTGに接続せず、FETQBのゲート抵抗としてR
41を追加し、該抵抗R41の他端をサーマルFETQ
AのゲートGに接続している。それ以外は第2形態の回
路構成と同じである。なお、図8中の点線で囲った部分
110cはアナログ集積化されるチッブ部分を示す。
【0081】また、抵抗R41の抵抗値は、R41=1
000×R7に設定する必要がある。例えば、R7=1
0[KΩ]とした場合にはR41=10[MΩ]とな
る。非常に高い抵抗値になるので、コスト、生産性を考
慮するトランジスタ数比を1:100位にして、R41
=1[MΩ]位になるようにすることが望ましい。
【0082】なお、本形態の電源供給制御装置の動作は
第2形態と同等であり、第1形態と同等の効果を奏す
る。
【0083】<第4形態>次に、第4形態の電源供給制
御装置について、図9を参照して説明する。本形態の電
源供給制御装置は、第1形態の電源供給制御装置におけ
る回路構成(図1)に対して、突入電流マスク回路10
5および過熱促進回路106を付加した構成である。な
お、図9中の点線で囲った部分110dはアナログ集積
化されるチップ部分を示す。
【0084】負荷102(例えばヘッドライト)をオン
させると、安定状態の数倍から数十倍の突入電流が流れ
る。その突入電流が流れる期間は負荷102の種類や容
量(大きさ)によって異なり、だいたい3[msec]
から20[msec]である。この突入電流が流れる期
間に、上記第1、第2または第3形態で説明したような
過電流制御が行われると、負荷102が定常状態に至る
までに時間を要してしまい、ライトの点灯が遅れるなど
の負荷自身の応答が悪くなる場合がある。本形態では、
突入電流マスク回路105(特許請求の範囲にいう禁止
手段に該当する)を図1の構成に付加することによって
このような間題を解消する。
【0085】また、上記第1,第2または第3形態で
は、完全短絡による過電流が検出された場合には、すぐ
に過熱遮断による保護が機能してサーマルFETQAを
過熱遮断(オフ制御)することが可能であるが、不完全
短絡の場合には、サーマルFETQAのオン/オフ制御
を繰り返し行って、サーマルFETQAの周期的な発熱
作用によって過熱遮断を機能させるので、過熱遮断まで
の時間が相対的に長くなることが考えられる。本形態で
は、過熱遮断促進回路(過熱遮断促進手段)106によ
って不完全短絡の場合でもサーマルFETQAの遮断を
速めるようにしている。
【0086】図9において、突入電流マスク回路105
は、FETQ11,Q12、ダイオードD11、抵抗R
11〜R13およびコンデンサC11を備えて構成され
ている。
【0087】次に、突入電流マスク回路105の動作に
ついて説明する。サーマルFETQAがオン状態に遷移
すると、ゲート−ソース間電圧VGSA がダイオード
D11および抵抗R12を介してFETQ12のゲート
に供給され、また同じくゲート−ソース間電圧VGSA
がダイオードD11および抵抗R11を介してFETQ
11のゲートに供給される。
【0088】FETQ12のゲートはコンデンサC11
を介してサーマルFETQAのソースSAに接続されて
おり、サーマルFETQAがオン状態に遷移した直後は
コンデンサC11が未充電であるため、FETQ12の
ゲート電位が十分に上がらずFETQ12はオン状態に
遷移できない。また、FETQ11はFETQ12がオ
フ状態にある間はオン状態にあり、コンパレータCMP
1の十端子に供給される分圧点をサーマルFETQAの
ソースSAに結合させる。そのため、コンパレータCM
P1の出力は“H”レベルに保たれて、大きな突入電流
が流れてもサーマルFETQAはオフ状態に遷移しない
ことになる。
【0089】時間の経過により、コンデンサC11は抵
抗R12を介して充電されていき、ついにはFETQ1
2がオン状態に遷移する。これに伴ってFETQ11が
オフ状態に遷移し上記マスク状態が終了して、過電流検
出制御が機能することとなる。
【0090】なお、抵抗R13はサーマルFETQAが
オフ状態に遷移した後、コンデンサC11をリセットす
るための放電抵抗である。R12≪R13となるように
設定してマスク時間に影響しないようにするのが望まし
い。また、マスク時間はR12×C11の時定数で決定
されるので、1チップ化する場合には外付けのコンデン
サC11の容量値を任意に変更することにより、マスク
時間の調整が可能となる。
【0091】次に、過熱遮断促進回路106は、FET
Q21、ダイオードD21、抵抗R21〜R23および
コンデンサC21を備えて構成されている。
【0092】次に、過熱遮断促進回路106の動作につ
いて鋭明する。過電流制御に入り、サーマルFETQA
のゲート電位が周期的に“H”レベルになる度にコンデ
ンサC21は抵抗R21および逆流阻止用ダイオードD
21を介して充電される。FETQ21のゲート電位は
最初はしきい値以下なのでオフ状態にあるが、コンデン
サC21の充電に伴ってゲート電位が上昇するとFET
Q21はオン状態に遷移する。
【0093】抵抗R21を介して端子TG(サーマルF
ETQAの真のゲート)から接地電位(GND)に電流
が流れ、端子TGに蓄積される電荷量が減少する。この
ため、同じドレイン電流IDに対してもドレイン−ソー
ス間電圧VDSAが大きくなり、サーマルFETQAの
電力消費が増大して過熱遮断が早まることとなる。な
お、抵抗R21が小さいほど過熱遮断は早まる。また、
抵抗R23はコンデンサC21の放電抵抗であり、R2
2≪R23となるように設定するのが望ましい。
【0094】<第5形態>次に、第5形態の電源供給制
御装置について、図10を参照して説明する。本形態の
電源供給制御装置は、第1形態の電源供給制御装置にお
ける回路構成(図1)に対して、オン/オフ回数積算回
路107を付加した構成である。なお、図10中の点線
で囲った部分110eはアナログ集積化されるチップ部
分を示す。
【0095】上記第1、第2または第3形態において、
不完全短絡の場合に、サーマルFETQAのオン/オフ
制御を繰り返し行って、サーマルFETQAの周期的な
発熱作用によって過熱遮断を機能させることから、過熱
遮断までの時間が相対的に長くなるという問題点を、本
形態では次のようにして解消する。即ち、サーマルFE
TQAのオン/オフ制御回数が所定回数に達したときに
オフ制御させるオン/オフ回数積算回路(回数制御手
段)107を付加することにより、サーマルFETQA
の遮断を速める。
【0096】図10において、オン/オフ回数積算回路
107は、FETQ31、ダイオードD31,D32、
抵抗R31〜R33およびコンデンサC31を備えて構
成されている。
【0097】次に、オン/オフ回数積算回路107の動
作について説明する。過電流制御に入り、サーマルFE
TQAのゲート電位が周期的に“H”レベルになる度に
コンデンサC31は抵抗R31および逆流阻止用ダイオ
ードD31を介して充電される。FETQ31のゲート
電位は最初はしきい値以下なのでオフ状態にあるが、コ
ンデンサC31の充電に伴ってゲート電位が上昇すると
FETQ31はオン状態に遷移する。この時、温度セン
サ121(4個のダイオード)のアノード側が引き下げ
られるので、高温状態と同じ条件となって過熱遮断用F
ETQSがオン状態に遷移して、サーマルFETQAを
遮断(オフ制御)する。
【0098】なお、回数積算による遮断時間は約1[s
ec]程度が望ましい。また、オン/オフ回数積算回路
107を安定に動作させるためには、さらに、サーマル
FETQAのオン/オフ制御の周期を安定させることが
必要である。本形態においては、負荷電流の変化に対す
るサーマルFETQAのドレイン−ソース間電圧VDS
Aの変化はピンチオフ領域の方がオーミック領域より大
きいので、サーマルFETQAがオン/オフ制御の間は
ピンチオフ領域でオフ状態に遷移する(ピンチオフ領域
をパスしてオーミック領域でオフ状態に遷移することは
ない)こととなり、したがって、サーマルFETQAの
オン/オフ制御の周期が安定したものとなる。
【0099】<変形例>次に、名形態の電源供給制御装
置の変形例について、図11を参照して説明する。以上
の各形態の説明では、基準電圧生成手段を固定(上述の
説明では、5[A]負荷相当に固定)しておき、第2負
荷(リファレンス抵抗Rr)の変更には過電流判定値を
変化させて対応していた。即ち、使用最大負荷に合わせ
て抵抗R1,R2,R3を設定してチップを作成し、負
荷102が小さい場合はチップ外部に抵抗R2に並列に
可変抵抗RVを追加して、過電流判定値を下げていた。
【0100】この方法では次のような問題点がある。第
1に、過電流判定値が大きくなるほど制御精度は低下す
る。第2に、ピンチオフ領域とオーミック領域では過電
流判定値を変える必要がある。この場合ピンチオフ領域
の過電流判定値は、厳密にはドレイン電流IDの立ち上
がり勾配に合わせて設定する必要があるが、ドレイン電
流ID立ち上がり勾配は、配線インダクタンスおよび配
線抵抗が変わると変化するので、ぴったりに設定するこ
とは難しい。
【0101】この対策として、基準電圧生成手段を負荷
102に合わせて設定することが有効である。即ち、先
ず、負荷102の最大電流値に相当する基準電圧生成手
段を設定する。次に、基準電圧生成手段におけるドレイ
ン−ソース間電圧VDS(即ち、FETQBのドレイン
−ソース間電圧VDSB)を、負荷駆動トランジスタ
(即ち、サーマルFETQAのドレイン−ソース間電圧
VDSA)が少しでも越えれば過電流値と判定する。
【0102】この手法では、過電流判定値をピンチオフ
領域とオーミック領域で変える必要はない。基準電圧生
成手段のドレイン−ソース間電圧VDSを越えたか杏か
で判定すれば良いから、検出精度はコンパレータCMP
1の分解能だけで決まることになる。
【0103】また、温度ドリフト、ICロット間ばらつ
き、配線インダクタンスおよび配線抵抗の影響を除去で
き、電源電圧の変動に対してもコンパレータCMP1が
正常に作動する限り影響を受けない。したがって、誤差
要素の少ない(ほとんど無い)電源供給制御装置を実現
することができる。
【0104】なお、基準電圧生成手段の設定変更は、リ
ファレンス抵抗Rrに並列に外部に可変抵抗RVを追加
接続して行ってもよいが、チップ内のリファレンス抵抗
Rrを変えることにより行ってもよい。
【0105】図11に示すように、チップ内部に数種類
のリファレンス抵抗Rr1〜Rr4を並列に配置してお
き、チップをパッケージするとき、またはベアチップ実
装するときに、リファレンス抵抗Rr1−Rr4の中か
らスイッチSW2により選択接続することにより、基準
電圧生成手段の設定値(基準)を目標の仕様に設定する
ことが可能となる。これにより、電源供給制御装置を集
積化する場合でも1種類のチップで複数の仕様をカバー
することが可能となる。また抵抗の可変設定により、負
荷の種別(ヘッドランプ、駆動モータ等)に応じた完全
短絡、不完全短絡の切り分けを確実に検出することが可
能となり、短絡故障に対する保護を精度良く行うことが
できる。
【0106】以上説明した第1、第2、第3、第4およ
び第5形態並びに変形例に係る電源供給制御装置の回路
構成においては、スイッチング素子、即ちサーマルFE
TQA,FETQB、トランジスタQ5,Q6、過熱遮
断用FETQSおよびFETQ11〜Q54としてnチ
ャネル型のものを使用したが、本発明に係る電源供給制
御装置の回路構成はこれに限定されるものではなく、P
チャネル型のものを使用してもよい。但し、各スイッチ
ング素子のオン/オフ制御を行うゲート電位が“L”/
“H”レベルに逆転することに伴う回路変更が必要とな
る。
【0107】[本発明の実施の形態]次に、上述した半
導体スイッチを用いた電源供給制御装置の発熱負荷とし
てリアウインドウデフォッガを使用した本発明の実施の
形態について図12乃至図15を用いて説明する。
【0108】従来の技術の欄でも説明したように、寒冷
時にリアウインドウデフォッガを作動させた場合、電源
供給当初では大電流が流れ、熱線が暖まってくるに従っ
て抵抗値が上がっていくために電流は徐々に低下して通
常の電流に収れんする特性を示す。このため、リアウイ
ンドウデフォッガの回路には、過度的に生じる大きな電
流値に合わせた太いサイズの電線を使用する必要があ
り、コスト高にもつながっていた。以下の説明では、寒
冷時にリアウインドウデフォッガを作動させた場合、電
源供給当初に流れる大電流を“寒冷時大電流”と称する
こととする。
【0109】図12に示すように本発明の実施の形態に
係る電源供給制御回路のチップ部分10fは、図10に
示した電源供給制御回路のチップ部分110eにオンオ
フ制御回路108と、基準電圧設定回路109を付加し
た構成となっている。
【0110】初めに基準電圧設定回路109について説
明すると、図12に示すように、サーマルFETQAに
並設されたFETQBのソースSBには寒冷時大電流用
のリファレンスリファレンス抵抗Rr1の一方が接続さ
れ、このリファレンス抵抗Rr1の他方はアースに接続
されている。
【0111】また、リファレンス抵抗Rr2と、コレク
タにリファレンス抵抗Rr2が接続され、ベースがアー
スされたNPN型のトランジスタTr1とからなる回路
がリファレンス抵抗Rr1に並列接続されている。さら
に、トランジスタTr1のベースには抵抗Ra,Rbの
分圧値が加わるようにされている。また、抵抗Raに
は、マイコン等(図示せず)から出力された切換信号が
直接入力されている。そして、起動初期時にはリファレ
ンス抵抗Rr1,Rr2を高くして寒冷時大電流に伴う
電流制御を行い、その後にリファレンス抵抗Rr1,R
r2を低くして通常の電流制御を行う。この場合、図1
5に示すように、リアウインドウデフォッガ102に流
れる寒冷時大電流の値が正常電流値と異常電流値との間
のしきい電流値となるようにリファレンス抵抗Rrの抵
抗値(しきい抵抗値)を設定しておく。
【0112】また、上記切換信号は、車両の所定部位に
設けられた温度センサによりデフォッガ102が寒冷状
態にあるとされた場合に出力され、その送出時点はスイ
ッチSW1への動作信号の送出後の所定時間経過後にさ
れる。これによってCMP1の動作点が変わる。
【0113】すなわち、動作信号が送出されている所定
間は、トランジスタTr1をオフ状態にすることで、リ
ファレンス抵抗Rr1成分のみとして、SBの電位を上
昇させる。
【0114】そして、所定時間経過後に切換信号を送出
して抵抗Ra、rbを介してトランジスタTr1をオン
させることになり、リファレンスRrはリファレンス抵
抗Rr1、Rr2との並列抵抗成分となり、SBの電位
を下降させる。この下降による電位は、負荷に安定した
電力を供給させるための電位となる。
【0115】このようにリファレンス抵抗Rr1、Rr
2とを並列接続して動作点を変更するようにしたが、図
13に示すようにリファレンス抵抗Rr1、Rr2を直
列接続し、リファレンス抵抗Rr2にトランジスタTr
1を並列接続した構成にして、切り換え信号が入力した
ときにリファレンス抵抗Rr1成分として、動作点を下
げてもよい。
【0116】なお、上記各手法では、切換信号をマイコ
ン等によって送出させているので、集積化することが困
難である。そこで、図14に示すように動作信号を直接
入力してトランジスタTr1に対する切換信号を生成す
る回路を設けようにしても良い。
【0117】この回路は、図14に示すように、リファ
レンス抵抗Rr1、Rr2とからなる直列回路の一方が
FETQBのソースSBに接続され、他方がアースに接
続されている。
【0118】また、トランジスタTr1がリファレンス
抵抗Rr1に並列接続され、このトランジスタTr1の
ベースに抵抗RcとコンデンサCaとが並列接続され、
かつ抵抗Rdがベースに直列接続されている。この抵抗
Rdには、ダイオードDaが並列接続されている。
【0119】すなわち、切換信号を生成する回路は、動
作信号が入力するとコンデンサCaに充電させ、Tr1
をオフさせることで、動作信号に対して所定の間遅延さ
せてリファレンス抵抗値を切り換えている。リファレン
ス抵抗Rr1、Rr2の直列接続となる。
【0120】また、コンデンサCaの充電が完了する
と、トランジスタTr1はオン状態になり、リファレン
ス抵抗Rr1成分のみとなる。
【0121】次に、オン/オフ制御回路108について
説明する。
【0122】図15に示すように、リアウインドウデフ
ォッガ102に流れる寒冷時大電流の値が正常電流値と
異常電流値との間のしきい電流値となるように第2負荷
(リファレンス抵抗)Rrの抵抗値(しきい抵抗値)を
設定しておく。
【0123】また、コンパレータCMP1は、FETQ
Bのソース電圧(リファレンス抵抗Rrの抵抗値による
しきい値電圧)と、サーマルFETQAのソース電圧と
を比較することにより、寒冷時大電流がしきい電流値を
越えた場合に寒冷時大電流を検出して寒冷時大電流検出
出力をオン/オフ制御回路108に出力し、寒冷時大電
流が下降してしきい電流値に達した場合には、寒冷時大
電流検出出力をオン/オフ制御回路108に出力しない
ようにしている。
【0124】オン/オフ制御回路108は、FETQ3
2、ダイオードD33、抵抗R34〜R36およびコン
デンサC32を備えて構成されている。コンデンサC3
2の容量値は、コンデンサC31の容量値に比較してか
なり小さい値である。オン/オフ制御回路108は、コ
ンパレータCMP1からの寒冷時大電流検出出力によ
り、FETQ32をオンし所定時間経過後にFETQ3
2をオフする。
【0125】FETQ32のドレインにはPチャンネル
型のFETQ33のゲートが接続されており、このFE
T33は、FETQ32がオン時にオフし、FETQ3
2がオフ時にオンする。FETQ33のドレインは、サ
ーマルFETQAのゲートに接続され、FETQ33の
ソースは、抵抗R41を介して接地されている。サーマ
ルFETQAは、FETQ33がオン時にオンし、FE
TQ33がオフ時にオフする。このため、寒冷時大電流
がしきい値電流よりも大きいときには、しきい電流値以
下のパルス状の駆動電流が出力されるようになってい
る。
【0126】次に、オン/オフ制御回路108の動作に
ついて説明する。まず、電源供給当初のデフォッガ10
2には大電流が流れ、この寒冷時大電流がしきい値を越
えると、コンパレータCMP1は、寒冷時大電流検出出
力をオン/オフ制御回路108に出力する(処理1)。
すると、コンデンサC32は抵抗R35および逆流阻止
用ダイオードD33を介して充電される(処理2)。F
ETQ32のゲート電位は最初はオフ状態にあるが、コ
ンデンサC32の充電に伴ってゲート電位が上昇する
と、FETQ32はオン状態に遷移する。このため、F
ETQ33は、オフし、サーマルFETQAもオフする
(処理3)。
【0127】次に、コンデンサC32の容量値が小さい
ため、比較的短い時間でコンデンサC32の電荷は、抵
抗R36により放電されて、FETQ32のゲート電位
はオフ状態になるため、FETQ33は、オンし、サー
マルFETQAもオンする(処理4)。
【0128】さらに、寒冷時大電流がしきい値を越えて
いる状態が継続している場合には、処理1乃至処理4の
処理を繰り返し行う。このため、この間は、しきい値以
下のパルス状の信号を駆動信号として出力することがで
きる。このため、図15に示すように、寒冷時大電流が
しきい値以下に抑えられるから、デフォッガ回路の電線
径を細線化することができ、コスト低減が可能となる。
【0129】また、コンパレータCMP1は、負荷であ
るデフォッガ102が暖まり、寒冷時大電流が下降して
ゆき、しきい電流値以下になった場合には、寒冷時大電
流検出出力をオン/オフ制御回路108に出力しない。
このため、FETQ32のゲート電位はオフ状態になる
ため、FETQ33は、オンし、サーマルFETQAも
オンし、負荷に流れる電流が正常電流になっていく。
【0130】このように本実施の形態によれば、電源供
給制御回路が本来備えている電流振動型過電流遮断機能
を確保しつつも寒冷時大電流を低減させることができ、
これにより電線の細線化が可能となる。
【0131】以上の各形態、および実施の形態における
電源供給制御回路のアナログ集積化されたチップ部分1
10a〜110fは、主デバイスとこの主デバイスQA
の異常電流を検知して、異常電流発生時には主デバイス
QAをオンオフ制御して電流振動を生成し、この電流振
動により、主デバイスQAを遮断する(電流振動型遮断
機能)制御回路とを同一基板上に集積化した半導体集積
回路である。基板としてセラミック、ガラスエポキシ等
の絶縁性基板や絶縁金属基板等を用いたハイブリッドI
Cの形態でも良いが、同一半導体基板(同一チップ)上
にモノリシックに集積化したパワーICであることがよ
り好ましい。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
源供給制御回路が備えている電流振動型過電流遮断機能
を確保しつつも寒冷時大電流を低減させることができ、
これにより電線の細線化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となる電源供給制御装置の第1形
態の回路構成図である。
【図2】半導体スイッチ(サーマルFET)の詳細な回
路構成図である。
【図3】電源供給制御装置におけるオフ状態からオン状
態への遷移時のドレイン−ソース間電圧の立ち下がり特
性の説明図である。
【図4】電源供給制御装置の原理を概念的に説明する回
路図である。
【図5】電源供給制御装置におけるサーマルFETのド
レイン電流とゲート−ソース間電圧との特性を説明する
説明図である。
【図6】短絡故障時および通常動作時の電源供給制御装
置における半導体スイッチの電流(a)と電圧(b)を
例示する波形図である。
【図7】電源供給制御装置の第2形態の回路構成図であ
る。
【図8】電源供給制御装置の第3形態の回路構成図であ
る。
【図9】電源供給制御装置の第4形態の回路構成図であ
る。
【図10】電源供給制御装置の第5形態の回路構成図で
ある。
【図11】変形例の電源供給制御装置における第2負荷
(リファレンス抵抗)の構成を説明する回路図である。
【図12】本発明に係る電源供給装置の実施の形態を示
す回路構成図である。
【図13】本発明の実施の形態における基準電圧設定回
路の他の例を示す構成図である。
【図14】同基準電圧設定回路のさらに他の例を示す構
成図である。
【図15】本発明の実施の形態におけるデフォッガ電流
と温度の関係を示す特性図である。
【図16】従来のデフォッガ回路の一例を示す構成図で
ある。
【図17】従来のデフォッガ電流と温度との関係を示す
特性図である。
【符号の説明】
101 電源 102 負荷(リアウインドウデフォッガ) 105 突入電流マスク回路 106 過熱遮断促進回路 107 オン/オフ回数積算回路 108 オン/オフ制御回路 109 基準電圧設定回路 110a〜110e チップ構成部分 111 駆動回路(制御手段) QA,QF サーマルFET(半導体スイッチ) RG 内部抵抗 QB FET(第2半導体スイッチ) Rr,Rr1〜Rr4 リファレンス抵抗(第2負荷) Q5,Q6 トランジスタ Q11〜Q54 FET CMP1 コンパレータ(検出手段) R1〜R55 抵抗 RV 可変抵抗 ZD1,ZD2 ツェナーダイオード D1〜D51 ダイオード C11〜C31 コンデンサ 121 温度センサ 122 ラッチ回路 QS 過熱遮断用FET SW1,SW2 スイッチ VB 電源電圧 VP チャージポンプ出力電圧
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月2日(1999.4.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正内容】
【図15】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G004 AA04 AB02 BA03 BA04 DA02 DA04 DC02 DC04 EA01 5G053 AA01 AA02 BA01 BA04 CA01 CA04 DA01 EC03 FA05 5J055 AX12 AX15 AX32 AX36 AX44 AX47 AX64 AX65 BX16 CX20 CX22 CX28 DX13 DX14 DX22 DX53 DX54 DX73 DX83 EX01 EX02 EX04 EX06 EX10 EX11 EX23 EY01 EY02 EY03 EY05 EY10 EY12 EY13 EY17 EY21 EZ04 EZ07 EZ10 EZ31 EZ43 EZ55 EZ57 EZ61 EZ66 FX04 FX06 FX07 FX13 FX18 FX38 GX01 GX05 GX06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗体に電流を流すことにより発熱する
    発熱負荷に対する電源供給制御回路であって、 制御信号入力端子へ供給される制御信号に応じてスイッ
    チング制御され電源から前記発熱負荷への電力供給を制
    御する半導体スイッチと、 前記半導体スイッチに前記発熱負荷を接続した状態にお
    ける該半導体スイッチの端子間電圧の電圧特性と等価な
    電圧特性を持つ基準電圧を生成するとともに、前記発熱
    負荷に対する電源供給時に当該発熱負荷が所定の温度以
    下である場合には第2の基準電圧を生成する基準電圧生
    成手段と、 前記半導体スイッチの端子間電圧と前記基準電圧または
    第2の基準電圧との差を検出する検出手段と、 検出された端子間電圧と基準電圧または第2の基準電圧
    との差に応じて前記半導体スイッチをオン/オフ制御す
    る制御手段と、 を有することを特徴とする電源供給制御装置。
  2. 【請求項2】 前記設定手段は、前記半導体スイッチ及
    び前記負荷に並列接続され、前記制御信号に応じてスイ
    ッチング制御される第2半導体スイッチとリファレンス
    抵抗とを直列接続した回路を備え、該リファレンス抵抗
    は、前記基準電圧または第2の基準電圧を設定してしき
    い値電流が流れるように抵抗値が設定されることを特徴
    とする請求項1記載の電源供給制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記負荷に流れる電流
    の値が前記しきい値電流を下回った場合に前記半導体ス
    イッチをオン制御することを特徴とする請求項1または
    2記載の電源供給制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1191693A1 (de) * 2000-08-30 2002-03-27 Infineon Technologies AG Schaltungsanordnung zur Erfassung des Stromes in einem Lasttransistor
JP2008187777A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Hitachi Ltd 負荷駆動装置
JP2009232610A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Yazaki Corp 負荷回路の保護装置
JP2009247047A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 Yazaki Corp 負荷回路の保護装置

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JP2009232610A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Yazaki Corp 負荷回路の保護装置
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