JP2001320264A - 電源供給制御装置 - Google Patents

電源供給制御装置

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JP2001320264A
JP2001320264A JP2000138930A JP2000138930A JP2001320264A JP 2001320264 A JP2001320264 A JP 2001320264A JP 2000138930 A JP2000138930 A JP 2000138930A JP 2000138930 A JP2000138930 A JP 2000138930A JP 2001320264 A JP2001320264 A JP 2001320264A
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semiconductor switch
power supply
voltage
load
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Shunzo Oshima
俊藏 大島
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御信号に応じてスイッチング制御により、
電源から負荷への電力供給を制御する半導体スイッチを
備えた電源供給制御装置において、負荷電流を所定値以
下に制限して過電流保護を行うと共に、過熱遮断保護機
能による遮断回数を極力抑制して、電源供給制御装置お
よび電源から負荷への配線系の信頼性を高めた電源供給
制御装置を提供する。 【解決手段】 負荷102または主制御FETQAから
負荷102までの配線が短絡するなどの原因により過負
荷状態となって主制御FETQAのドレイン−ソース間
電圧が所定値を超えたときには、電流制限回路201に
よって主制御FETQAに流れる負荷電流が電流制限値
に制限され、また、電流制限回路102の動作時間が電
流制限時間に達したときには、電流制限積算回路によっ
て主制御FETQAをオフ制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電源供給制御装置に
関し、より詳しくは、制御信号に応じてスイッチング制
御により、電源から負荷への電力供給を制御する半導体
スイッチを備えた電源供給制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等においてバッテリからの電源を
選択的にランプ等の各負荷に供給して、負荷への電力供
給を制御する装置に適用可能な「電源供給制御装置およ
び電源供給制御方法」については、本願と同一の出願人
より特願平11−361483号によって出願されてい
る。図5は、この従来の電源供給制御装置の一構成例を
例示する構成図である。以下では、図5を参照して、従
来例の電源供給制御装置について説明する。
【0003】本従来例の電源供給制御装置は、電源10
1の出力電圧VBを負荷102に供給する経路に、半導
体スイッチとしての主制御FETQAのドレインD−ソ
ースSAを直列接続して、該主制御FETQAのスイッ
チング制御により電力供給を制御するもので、該主制御
FETQAに駆動手段、保護手段および負荷電流検出手
段等を合わせて、(図5において点線で囲まれた部分
を)1チップ上に集積化した集積回路である。
【0004】図5において、従来例の電源供給制御装置
は、まず、主制御FETQAの駆動手段としてチャージ
ポンプ(図示せず)および駆動回路111を備えてい
る。駆動回路111は、コレクタ側がチャージポンプの
出力VPに接続されたソーストランジスタQ5と、エミ
ッタ側が接地電位GNDに接続されたシンクトランジス
タQ6とを直列接続して備え、スイッチSW1のオン/
オフ切換えによる切換え信号に基づき、これらソースト
ランジスタQ5およびシンクトランジスタQ6をオン/
オフ制御して、主制御FETQAを駆動制御する信号を
出力している。なお、電源101の出力電圧VBが例え
ば12[V]の時、チャージポンプの出力電圧VPは例
えばVB+10[V]とされる。
【0005】次に、主制御FETQAの保護手段として
過熱遮断保護回路を備えている。すなわち、内蔵抵抗R
G、温度センサ121、ラッチ回路122および過熱遮
断用FETQS等が過熱遮断保護回路に該当する。な
お、ZD1は主制御FETQAのゲートG−ソースSA
間を12[V]に保ってゲートGに過電圧が印加されよ
うとした場合にこれをバイパスさせるツェナーダイオー
ドである。
【0006】過熱遮断保護回路は、一般の温度センサ内
蔵FETにも付加されている過熱遮断保護機能を実現す
るものであり、主制御FETQAが規定以上の温度まで
上昇したことを内蔵の温度センサ121によって検出さ
れた場合には、その旨の検出情報がラッチ回路122に
保持されると共に、主制御FETQAのゲートTG−ソ
ースSA間に接続されている過熱遮断用FETQSをオ
ン状態に遷移させることによって、主制御FETQAを
強制的にオフ制御するものである。
【0007】温度センサ121は4個のダイオードが縦
続接続されてなり、実装上、温度センサ121は主制御
FETQAの近傍に配置形成されている。主制御FET
QAの温度が上昇するにつれて温度センサ121の各ダ
イオードの抵抗値が減少するので、FETQ51のゲー
ト電位が“L”レベルとされる電位まで下がると、FE
TQ51がオン状態からオフ状態に遷移する。これによ
り、FETQ54のゲート電位が主制御FETQAのゲ
ート制御端子(G)の電位にプルアップされ、FETQ
54がオフ状態からオン状態に遷移して、ラッチ回路1
22に“1”がラッチされることとなる。このとき、ラ
ッチ回路122の出力が“H”レベルとなって過熱遮断
用FETQSがオフ状態からオン状態に遷移するので、
主制御FETQAの真のゲート(TG)と主制御FET
QAのソース(SA)が同電位になって、主制御FET
QAがオン状態からオフ状態に遷移して、過熱遮断され
ることとなる。
【0008】次に、主制御FETQAの負荷電流検出手
段として過電流検出機能を備えている。この過電流検出
機能は、具体的には、リファレンスFETQB、抵抗R
1〜R9,Rr、ダイオードD1〜D3およびコンパレ
ータCMP1によって実現されている。なお、トランジ
スタQ7は暗電流対策として備えられているもので、ス
イッチSW1がオンされた(負荷102への電源供給指
示がなされた)時にのみトランジスタQ7をオン状態に
遷移させ、そうでない時はオフ状態として、電源101
から負荷102に至る暗電流の経路を削減し、スイッチ
SW1オフ時の電源101の電力消費を低減している。
【0009】まず、リファレンスFETQBおよび抵抗
Rrは、過電流検出における基準電圧を発生する手段で
あり、リファレンスFETQBのドレインおよびゲート
は、それぞれ主制御FETQAのドレインDおよび真の
ゲートTGに接続され、ソースSBはリファレンス抵抗
Rrを介して接地電位(GND)に接続されている。な
お、リファレンスFETQBは、その電流容量が主制御
FETQAの電流容量よりも小さくなるように、例えば
各FETを構成する並列接続のトランジスタ数の比が
[リファレンスFETQBのトランジスタ数(1個)]
<[主制御FETQAのトランジスタ数(1000
個)]となるように構成されている。
【0010】ここで、基準電圧の設定、即ち抵抗Rrの
設定は次のようにして行われる。すなわち、上述のよう
に、主制御FETQAはn個のFET(リファレンスF
ETQBと同等の特性を持つ)を並列接続して構成され
るので、抵抗Rrを(負荷102の抵抗値×n)に設定
すれば良いが、負荷102の抵抗値として不完全短絡
(レアショート)時の短絡抵抗程度の値を想定するのが
望ましい。この抵抗Rrの設定により、主制御FETQ
Aに負荷電流(5[A])が流れたときに抵抗Rrに5
[mA]の電流が流れると、主制御FETQAと同じド
レイン−ソース間電圧VDSがリファレンスFETQBに
発生することとなる。
【0011】次に、コンパレータCMP1は、抵抗R5
を介して“+”入力端子に供給された主制御FETQA
のドレイン(D)−ソース(SA)間電圧VDSAと、抵
抗R6を介して“−”入力端子に供給されたリファレン
スFETQBのドレイン(D)−ソース(SB)間電圧
VDSBとを比較して、VDSAがVDSBよりも大きいときに
は“L”レベルの出力電圧を、また小さいときには
“H”レベルの出力電圧を駆動回路111に印加するも
のである。
【0012】また、抵抗R1〜R6、ダイオードD2,
D3はダイオードクランプ回路104を構成している。
抵抗R1と抵抗R3の接続点の電位をVC、抵抗R3と
抵抗R2の接続点の電位をVEとすると、トランジスタ
Q7がオン状態にある時はVC>VEである。
【0013】以上のような構成により、過電流検出機能
は、主制御FETQAのドレインD−ソースS間電圧V
DSAとほぼ等価な電圧特性を持つ基準電圧を同一チップ
上のリファレンスFETQBとチップ外の抵抗Rrとに
よって生成し、コンパレータCMP1において、該基準
電圧と主制御FETQAのドレインD−ソースS間電圧
VDSAとの差を検出することによって実現できる。
【0014】したがって、負荷102側で完全短絡(デ
ッドショート)が発生した時には、コンパレータCMP
1の出力が有効(“L”レベル)となって、駆動回路1
11により主制御FETQAをオフ制御する。また、完
全短絡(デッドショート)が発生しているときに主制御
FETQAがオフ状態からオン状態に遷移した場合や、
ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡(レアショート)
が発生している場合には、主制御FETQAのオン/オ
フ制御を繰り返し行って周期的発熱作用で主制御FET
QAを過熱し、上記過熱遮断保護機能により主制御FE
TQAの過熱遮断を速めるようにしている。
【0015】また、本従来例の電源供給制御装置は、オ
ン/オフ回数の積算による遮断制御を行なうオン/オフ
回数積算回路107を備えている。つまり、不完全短絡
(レアショート)の場合に、主制御FETQAのオン/
オフ制御を繰り返し行って、主制御FETQAの周期的
な発熱作用によって過熱遮断を機能させることから、過
熱遮断までの時間が相対的に長くなるという問題点を解
消するためのもので、主制御FETQAのオン/オフ制
御回数が所定回数に達したときに、オン/オフ回数積算
回路107によってオフ制御させることにより、主制御
FETQAの遮断を速めるものである。
【0016】図5において、オン/オフ回数積算回路1
07は、トランジスタQ31〜Q34、ダイオードD3
2〜D33、ツェナーダイオードZD31、抵抗R3
1’,R32〜R37およびコンデンサC31を備えて
構成されている。
【0017】過電流制御に入り、主制御FETQAのオ
ン/オフ動作中にオフ制御される(ゲート電位が“L”
レベルになる)度に、コンデンサC31はトランジスタ
Q32,Q34および抵抗R33を介して充電される。
なお、コンデンサC31が充電されるのは、オフ制御
(ゲート電位が“L”レベル)の間にドレイン−ソース
間電圧VDSA が“H”レベルになる時のみであり、連続
的にオン制御またはオフ制御される時には充電されな
い。FETQ31のゲート電位は最初はしきい値以下な
のでオフ状態にあるが、コンデンサC31の充電に伴っ
てゲート電位が上昇するとFETQ31はオン状態に遷
移する。この時、ダイオードD51’を介して温度セン
サ121(4個のダイオード)のアノード側が引き下げ
られるので、高温状態と同じ条件となって過熱遮断用F
ETQSがオン状態に遷移して、主制御FETQAを遮
断(オフ制御)することとなる。
【0018】最後に、本従来例の電源供給制御装置の特
徴をまとめれば、第1に、電流検出用のシャント抵抗を
不要として電源供給経路の電力消費を抑制できることか
ら大電流回路に有利である点、第2に、電流感度が高く
電流検出精度が高い点、第3に、シンプルな駆動制御で
主制御FETQAをオン/オフ制御することができ、過
熱遮断保護機能やオン/オフ回数積算回路107により
マイコン等のプログラム処理に比して高速処理が可能で
ある点、第4に、1チップ化により回路構成を小型化で
き、実装スペースを縮小できると共に、装置コストを削
減できる点、第5に、電流検出が主制御FETQAのド
レイン−ソース間電圧VDSA と基準電圧との差の検出に
よって行われることから、同一チップ上にリファレンス
FETQBおよび主制御FETQAを形成することによ
り、電流検出における同相的誤差要因、即ち電源電圧、
温度ドリフトやロット間のバラツキによる影響を排除す
ることができる点、等々を挙げることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
上記従来の電源供給制御装置にあっては、完全短絡(デ
ッドショート)や不完全短絡(レアショート)の過負荷
状態が発生している場合には、主制御FETQAのオン
/オフ制御の繰り返しによる過熱遮断保護機能、或いは
主制御FETQAのオン/オフ制御回数が所定回数に達
したときのオン/オフ回数積算回路107によるオフ制
御の何れかの制御によって、電源101の負荷102へ
の供給経路を遮断していた。
【0020】つまり、従来の電源供給制御装置における
過負荷時の遮断手法は、過熱遮断保護機能とオン/オフ
回数積算回路107によるオフ制御とを併用している
が、過熱遮断保護機能が故障しているときに完全短絡
(デッドショート)が発生した場合には、主制御FET
QAに対してオン/オフ制御が行われてオン/オフ回数
積算回路107がオン/オフ制御回数を計数するが、オ
ン/オフ回数積算回路107が所定回数を計数するまで
に大電流による発熱によって電源供給制御装置自体が破
損してしまったり、また一方で、オン/オフ回数積算回
路107が故障しているときに不完全短絡(レアショー
ト)が発生した場合には、過熱遮断保護機能による過熱
遮断までの時間が長くなって、消費電力が大きくなり電
源(バッテリ)101の使用時間が短縮されてしまうと
いう恐れがあった。すなわち、従来の電源供給制御装置
における過負荷時の遮断手法は1重系であるため、過熱
遮断保護機能またはオン/オフ回数積算回路107の何
れかが故障等によって使用不可能な状態になると、電源
101から負荷102への配線系の信頼性が低下すると
いう事情があった。
【0021】また、過熱遮断の際には主制御FETQA
の周囲温度が高温となり、温度変化による膨張/圧縮に
よって破損に至るという不具合の要因となることから、
過熱遮断の耐久回数には限界があり、過熱遮断回数を極
力少なくする必要がある。上述のように、従来の電源供
給制御装置における過負荷時の遮断手法は、過熱遮断保
護機能とオン/オフ回数積算回路107によるオフ制御
とを併用して過熱遮断に頼る構成であるため、電源供給
制御装置の信頼性の点で不安があるという事情もあっ
た。
【0022】本発明の目的は、上記従来の事情に鑑みて
なされたものであって、制御信号に応じてスイッチング
制御により、電源から負荷への電力供給を制御する半導
体スイッチを備えた電源供給制御装置において、短絡故
障等の要因で過負荷となって負荷に大電流が流れる状態
となっても負荷電流を所定値以下に制限して過電流保護
を行うと共に、過熱遮断保護機能による遮断回数を極力
抑制して、電源供給制御装置および電源から負荷への配
線系の信頼性を高めた電源供給制御装置を提供すること
にある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明の電源供給制御装置は、制御信号入力端子へ
供給される制御信号に応じてスイッチング制御され電源
から負荷への電力供給を制御する半導体スイッチと、前
記半導体スイッチの端子間電圧の電圧特性とほぼ等価な
電圧特性を持つ基準電圧を生成する基準電圧生成手段
と、前記半導体スイッチの端子間電圧と前記基準電圧と
の差を検出する検出手段と、検出された端子間電圧と基
準電圧との差に応じて前記半導体スイッチをオン/オフ
制御する制御手段と、前記半導体スイッチの端子間電圧
が所定値を超えたとき、前記制御信号入力端子に供給さ
れる制御信号を制御して、前記半導体スイッチの端子間
に流れる電流を所定の電流制限値以下に制限する電流制
限手段とを備えたものである。
【0024】また、請求項2に係る電源供給制御装置
は、請求項1に記載の電源供給制御装置において、前記
基準電圧生成手段は、前記半導体スイッチおよび前記負
荷に並列接続され、前記制御信号に応じてスイッチング
制御される第2半導体スイッチと第2負荷とを直列接続
した回路を備え、前記第2半導体スイッチの端子間電圧
を前記基準電圧として生成するものである。
【0025】また、請求項3に係る電源供給制御装置
は、請求項1または2に記載の電源供給制御装置におい
て、前記基準電圧生成手段の基準電圧が持つ電圧特性
を、前記半導体スイッチおよび前記負荷に正常動作範囲
での最大電流を超える目標電流が流れる状態における電
圧特性とほぼ等価としたものである。
【0026】また、請求項4に係る電源供給制御装置
は、請求項2または3に記載の電源供給制御装置におい
て、前記半導体スイッチと前記第2半導体スイッチが、
オフ状態からオン状態へ遷移する際の端子間電圧の過渡
的な電圧特性について等価な特性を持つものである。
【0027】また、請求項5に係る電源供給制御装置
は、請求項2、3または4に記載の電源供給制御装置に
おいて、前記第2半導体スイッチの電流容量を前記半導
体スイッチの電流容量よりも小さく、前記負荷および前
記第2負荷の抵抗値比を前記半導体スイッチおよび第2
半導体スイッチの電流容量比と極力反比例するように設
定したものである。
【0028】また、請求項6に係る電源供給制御装置
は、請求項1、2、3、4または5に記載の電源供給制
御装置において、前記半導体スイッチが過熱した場合に
前記半導体スイッチをオフ制御して保護する過熱保護手
段を備えたものである。
【0029】また、請求項7に係る電源供給制御装置
は、請求項1、2、3、4、5または6に記載の電源供
給制御装置において、前記半導体スイッチのオン/オフ
制御回数を積算し、該制御回数が所定回数に達したとき
に前記半導体スイッチをオフ制御するオン/オフ回数制
御手段を備えたものである。
【0030】また、請求項8に係る電源供給制御装置
は、請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の電
源供給制御装置において、前記電流制限手段が電流を電
流制限値以下に制限する動作時間を計時して、該動作時
間が所定の電流制限時間に達したときに前記半導体スイ
ッチをオフ制御するタイマー制御手段を備えたものであ
る。
【0031】また、請求項9に係る電源供給制御装置
は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載
の電源供給制御装置において、前記電流制限手段は、前
記半導体スイッチの端子間電圧が所定値を超えたことを
判定する第1判定部と、前記制御手段が前記半導体スイ
ッチをオン制御しているときで、且つ、前記第1判定部
により前記半導体スイッチの端子間電圧が所定値を超え
たと判定されたときに、前記半導体スイッチの制御信号
入力端子と負荷側端子との間の電圧を一定電圧にする定
電圧部とを備えたものである。
【0032】また、請求項10に係る電源供給制御装置
は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に
記載の電源供給制御装置において、前記電流制限手段に
おける前記電流制限値を、該電流制限値の電流を流すこ
とによって前記負荷が定常状態に至るまでの負荷立上が
り時間が所定時間以下となるように設定したものであ
る。
【0033】また、請求項11に係る電源供給制御装置
は、請求項6、7、8、9または10に記載の電源供給
制御装置において、前記電流制限手段における前記電流
制限値を、該電流制限値の電流を流すことによって前記
過熱保護手段が前記半導体スイッチをオフ制御するに至
るまでの過熱遮断時間が所定時間以上となるように設定
したものである。
【0034】また、請求項12に係る電源供給制御装置
は、請求項8、9、10または11に記載の電源供給制
御装置において、前記タイマー制御手段は、前記制御手
段が前記半導体スイッチをオン制御しているときで、且
つ、前記電流制限手段が電流を前記電流制限値以下に制
限していることを判定する第2判定部と、前記第2判定
部が条件を満足すると判定したときに、電荷を蓄積する
コンデンサと、前記コンデンサの蓄積電荷が所定量以上
となったときに、前記半導体スイッチをオフ制御する遮
断スイッチとを備えたものである。
【0035】また、請求項13に係る電源供給制御装置
は、請求項8、9、10、11または12に記載の電源
供給制御装置において、前記タイマー制御手段における
前記電流制限時間を、前記電流制限値の電流を流すこと
によって前記負荷が定常状態に至るまでの負荷立上がり
時間よりも長く設定したものである。
【0036】また、請求項14に係る電源供給制御装置
は、請求項8、9、10、11、12または13に記載
の電源供給制御装置において、前記タイマー制御手段に
おける前記電流制限時間を、前記電流制限値の電流を流
すことによって前記過熱保護手段が前記半導体スイッチ
をオフ制御するに至るまでの過熱遮断時間よりも短く設
定したものである。
【0037】また、請求項15に係る電源供給制御装置
は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13または14に記載の電源供給制御
装置において、前記半導体スイッチ、前記基準電圧生成
手段、前記検出手段、前記制御手段、前記電流制限手
段、前記タイマー制御手段、前記過熱保護手段または前
記オン/オフ回数制御手段を、同一チップ上に形成した
ものである。
【0038】本発明の請求項1、2、3、4、5、6、
7、8、9、10、11、12、13、14、15に係
る電源供給制御装置では、電源から負荷への電力供給を
半導体スイッチによってスイッチング制御する際に、基
準電圧生成手段により半導体スイッチの端子間電圧の電
圧特性とほぼ等価な電圧特性を持つ基準電圧を生成し、
半導体スイッチの端子間電圧と基準電圧との差を検出手
段によって検出し、制御手段により該検出された端子間
電圧と基準電圧との差に応じて半導体スイッチをオン/
オフ制御するが、例えば負荷または半導体スイッチから
負荷までの配線が短絡するなどの原因により過負荷状態
となって半導体スイッチの端子間電圧が所定値を超えた
とき、電流制限手段により、半導体スイッチの制御信号
入力端子に供給される制御信号を制御して半導体スイッ
チの端子間に流れる負荷電流を所定の電流制限値以下に
制限するようにしている。
【0039】ここで、半導体スイッチ(および後述の第
2半導体スイッチ)には、電界効果型トランジスタ(F
ET:Field-Effect Transistor)や静電誘導型トラン
ジスタ(SIT:Static Inducted Transistor)、或い
は、エミッタスイッチド・サイリスタ(EST)、MO
S制御サイリスタ(MCT)等のMOS複合型デバイス
やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等
の他の絶縁ゲート型パワーデバイス等のスイッチング素
子が該当する。なお、これらのスイッチング素子はNチ
ャネル型、Pチャネル型の何れであってもかまわない。
【0040】特に、請求項2に係る電源供給制御装置で
は、基準電圧生成手段を、第2半導体スイッチと第2負
荷とを直列接続した回路を半導体スイッチおよび負荷に
並列に接続して構成し、第2半導体スイッチの端子間電
圧を基準電圧として生成するのが望ましく、また、請求
項3に係る電源供給制御装置では、基準電圧生成手段に
おける基準電圧が持つ電圧特性を、半導体スイッチおよ
び負荷に正常動作範囲での最大電流を超える目標電流が
流れる状態における電圧特性とほぼ等価とするのが望ま
しく、さらに、請求項4に係る電源供給制御装置では、
半導体スイッチと第2半導体スイッチは、オフ状態から
オン状態へ遷移する際の端子間電圧の過渡的な電圧特性
について等価な特性を持つのが望ましい。
【0041】半導体スイッチとして例えばFETを使用
した場合、電力供給経路の一部を成すFETの端子間電
圧(ドレイン−ソース間電圧)は、オフ状態からオン状
態へ遷移する際の(例えば、Nチャネル型FETの場合
の立ち下がり)電圧特性において、電力供給経路および
負荷の状態、即ち、経路が持つ配線インダクタンス並び
に配線抵抗および短絡抵抗に基づく時定数に応じて変化
する。例えば、短絡が発生していない通常動作では所定
電圧以下に速やかに収れんするが、完全短絡が発生して
いる場合には該所定電圧以下にならない。また、ある程
度の短絡抵抗を持つ不完全短絡が発生している場合に
は、該所定電圧に収れんするものの収れんするまでに長
い時間を要する。
【0042】本発明は、このような半導体スイッチにお
けるオフ状態からオン状態に遷移する際の過渡的な半導
体スイッチの電圧特性を利用している。つまり、半導体
スイッチの端子間電圧と基準電圧生成手段によって生成
された基準電圧との差を検出することによって、電力供
給経路の一部を成す半導体スイッチの端子間電圧(即
ち、電力供給経路の電流)が正常状態から逸脱している
程度を判定するものである。すなわち、基準電圧が持つ
電圧特性を負荷に正常動作範囲での最大電流を超える目
標電流が流れる状態における電圧特性と極力等価となる
ように設定すれば、検出手段によって過大電流を検出す
ることができる。
【0043】また、完全短絡による過電流のみならず、
ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡などのレアショー
トが発生した場合の異常電流をもハードウェア回路また
はマイコン等のプログラム処理によって連続的に検出可
能である。さらに、シャント抵抗を用いずに過電流の検
出が可能であり、特に半導体スイッチのオン/オフ制御
をハードウェア回路で構成した場合はマイコンも不要で
あるため、実装スペースを縮小できるとともに、装置コ
ストを大幅に削減可能である。
【0044】また、負荷または半導体スイッチから負荷
までの配線が短絡するなどの原因により過負荷状態とな
って半導体スイッチの端子間電圧が所定値を超えたとき
でも、電流制限手段によって半導体スイッチの端子間に
流れる負荷電流が所定の電流制限値以下に制限されるた
め、特に半導体スイッチ等の半導体素子が過電流や熱な
どによって破壊されることを防ぐことができ、過電流か
らの保護により電源供給制御装置および電源から負荷へ
の配線系の信頼性を向上させることができる。
【0045】また特に、請求項5に係る電源供給制御装
置では、第2半導体スイッチの電流容量が半導体スイッ
チの電流容量よりも小さくなるように設定し、負荷およ
び第2負荷の抵抗値比が半導体スイッチおよび第2半導
体スイッチの電流容量比と極力反比例するように設定す
る。ここで、半導体スイッチおよび第2半導体スイッチ
の電流容量比の取り方は、例えば、半導体スイッチおよ
び第2半導体スイッチがFETで形成される場合には該
スイッチを並列接続して形成するトランジスタ数の比に
よって実現すればよい。またこの時、第2負荷の抵抗値
は、負荷の抵抗値×(半導体スイッチの電流容量/第2
半導体スイッチの電流容量)として決定される。このよ
うな回路規定を設定することにより、第2半導体スイッ
チおよび第2負荷を持つ基準電圧生成手段の回路構成を
小型化でき、実装スペースを縮小できるとともに、装置
コストを削減できる。
【0046】また特に、請求項6に係る電源供給制御装
置のように、半導体スイッチが過熱した場合に該半導体
スイッチをオフ制御して保護する過熱保護手段を備える
場合には、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡が発生
したとき、制御手段により、半導体スイッチのオン/オ
フ制御を繰り返し行って電流を大きく変動させ、半導体
スイッチの周期的な発熱作用によって過熱保護手段によ
る半導体スイッチの遮断を速めることができる。とりわ
けこの電源供給制御装置によれば、不完全短絡(レアシ
ョート)発生時の異常電流に対して、マイコン等の外部
からの制御無しに電源供給制御装置自身のハードウェア
回路のみによる対処が可能であり、回路のシンプル化、
並びにそれによるコスト低減を実現できる。
【0047】但し、過熱保護手段によって半導体スイッ
チの遮断を行うと、半導体スイッチの周囲温度が高温と
なり、温度変化による膨張/圧縮によって破損に至ると
いう不具合の要因となることから、過熱遮断の耐久回数
には限界があるが、本発明の電源供給制御装置では、短
絡故障等の要因で過負荷となって負荷に大電流が流れる
状態となっても、電流制限手段により、負荷電流を所定
の電流制限値以下に制限して過電流保護を行うと共に、
過熱保護手段による遮断回数を極力抑制することができ
るので、電源供給制御装置および電源から負荷への配線
系の信頼性を高めることができる。
【0048】また、請求項7に係る電源供給制御装置で
は、オン/オフ回数制御手段により、制御手段による半
導体スイッチのオン/オフ制御回数を積算し、該制御回
数が所定回数に達したときに半導体スイッチをオフ制御
する。完全短絡による過電流が検出された場合には、す
ぐに過熱保護手段が機能して半導体スイッチを過熱遮断
(オフ制御)することが可能であるが、不完全短絡の場
合には、半導体スイッチのオン/オフ制御を繰り返し行
って、半導体スイッチの周期的な発熱作用によって過熱
保護手段を機能させるので、過熱遮断までの時間が相対
的に長くなることが考えられる。本発明では、半導体ス
イッチのオン/オフ制御回数が所定回数に達したときに
オフ制御させるので、不完全短絡の場合でも半導体スイ
ッチの遮断を任意に設定した時間まで速めることができ
る。
【0049】また、上述のように過熱保護手段による半
導体スイッチの遮断には、温度変化による膨張/圧縮に
よって破損の恐れを伴うが、過熱保護手段によって半導
体スイッチが遮断される前にオン/オフ回数制御手段に
よるオフ制御が可能となるので、過熱保護手段による遮
断回数を極力抑制することができ、電源供給制御装置お
よび電源から負荷への配線系の信頼性を高めることがで
きる。
【0050】また特に、請求項8に係る電源供給制御装
置では、タイマー制御手段により電流制限手段が電流を
電流制限値以下に制限する動作時間を計時して、該動作
時間が所定の電流制限時間に達したときに、半導体スイ
ッチをオフ制御するようにしている。これにより、負荷
または半導体スイッチから負荷までの配線が短絡するな
どの原因により過負荷状態となって、半導体スイッチの
端子間電圧が所定値を超えたときでも、電流制限手段に
よって負荷電流を電流制限値以下の電流に抑えると共
に、電流制限手段の動作時間が電流制限時間に達したと
きには、タイマー制御手段によって半導体スイッチをオ
フ制御するので、電流制限値の負荷電流を流すことによ
って電力消費が大きくなっている期間を限定できるの
で、消費電力を抑制することができる。
【0051】また、タイマー制御手段において設定され
る電流制限手段の動作可能時間(電流制限時間)を、過
熱保護手段によって半導体スイッチが遮断される前に当
該タイマー制御手段によってオフ制御されるように設定
すれば、過熱保護手段による遮断回数を極力抑制するこ
とができ、電源供給制御装置および電源から負荷への配
線系の信頼性を高めることができる。さらに、電流制限
手段およびタイマー制御手段による半導体スイッチのオ
フ制御か、或いは過熱保護手段による半導体スイッチの
遮断かの独立した2つの系による過電流保護が可能とな
るので、電力供給制御装置において2重系による保護を
実現することができ、電源供給制御装置および電源から
負荷への配線系の信頼性をより一層向上させることがで
きる。なお、電流制限手段およびタイマー制御手段によ
る過電流保護のみで高い信頼性を維持できる場合には、
過熱保護手段を取り外した構成で電力供給制御装置を実
現することも可能である。
【0052】また特に、請求項9に係る電源供給制御装
置では、電流制限手段において、第1判定部により半導
体スイッチの端子間電圧が所定値を超えたことを判定す
るようにし、制御手段が半導体スイッチをオン制御中
で、且つ、第1判定部により半導体スイッチの端子間電
圧が所定値を超えたと判定されたときには、定電圧部に
より、半導体スイッチの制御信号入力端子と負荷側端子
との間の電圧を一定電圧にするようにしている。
【0053】半導体スイッチとして例えばFETを使用
した場合、半導体スイッチに過電流が流れる状態では、
該半導体スイッチはピンチオフ領域で動作しており、
「ドレイン電流はゲート−ソース間電圧の伝達コンダク
タンス倍の関係」にあるから、半導体スイッチのゲート
−ソース間電圧を定電圧部によって一定電圧にすること
により、ドレイン電流(負荷電流)を所定の電流制限値
に抑制することができる。なお、本明細書中では、FE
Tの素子特性における「ピンチオフ領域」および「オー
ミック領域」という語を用いるが、これら語の正確な定
義については、“Analysis and Design of ANALOG INTE
GRATED CIRCUITS”(Third Edition),PAUL R. GRAY,
ROBERT G MEYER著の66頁を参照されたい。
【0054】また特に、請求項10に係る電源供給制御
装置では、電流制限手段における電流制限値を、該電流
制限値の電流を流すことによって負荷が定常状態に至る
までの負荷立上がり時間が所定時間以下となるように設
定するのが望ましい。例えばランプ負荷の場合には、当
該電源供給制御装置を作動させるスイッチがオンしたと
きに流れる突入電流によってフィラメントが温められる
ため、突入電流の大きさによってランプ点灯開始時間が
変わってくるが、電流制限手段が機能して突入電流が電
流制限値に抑えられた場合でも、ランプ点灯遅れが問題
にならない範囲で電流制限値を設定するのが望ましいか
らである。
【0055】また、請求項11に係る電源供給制御装置
では、電流制限手段における電流制限値を、該電流制限
値の電流を流すことによって過熱保護手段が半導体スイ
ッチをオフ制御するに至るまでの過熱遮断時間が所定時
間以上となるように設定するのが望ましい。これによ
り、突入電流によって電流制限手段が機能して、突入電
流が電流制限値に制限されたとき、例えばランプ負荷の
ように負荷が正常動作に至るまでに一定時間を要する場
合でも、負荷が正常動作に至るまでの過渡的な状態で過
熱保護手段が半導体スイッチをオフ制御してしまい、フ
ィラメントが温まらずにランプを点灯することができな
いといった不具合を無くすことができる。
【0056】また特に、請求項12に係る電源供給制御
装置では、第2判定部において、制御手段が半導体スイ
ッチをオン制御中であり、且つ、電流制限手段が電流を
電流制限値以下に制限していることが判定された場合に
は、コンデンサに電荷を蓄積するようにし、該コンデン
サの蓄積電荷が所定量以上となったときに、遮断スイッ
チによって半導体スイッチの制御信号入力端子への制御
信号を所定電位にするなどして該半導体スイッチをオフ
制御するようにしている。
【0057】また特に、請求項13に係る電源供給制御
装置では、タイマー制御手段における電流制限時間を、
電流制限値の電流を流すことによって負荷が定常状態に
至るまでの負荷立上がり時間よりも長く設定するのが望
ましい。これにより、突入電流によって電流制限手段が
機能して、突入電流が電流制限値に制限されたとき、例
えばランプ負荷のように負荷が正常動作に至るまでに時
間を要する場合でも、負荷が正常動作に至るまでの過渡
的な状態でタイマー制御手段が半導体スイッチをオフ制
御してしまうといった不具合を無くすことができる。ま
た、従来の電源供給制御装置のように過熱保護手段によ
って過電流保護を行う場合には、突入電流によって半導
体スイッチがオフ制御されないようにするために、別途
マスク回路等の付加回路が必要となるが、タイマー制御
手段が半導体スイッチをオフ制御するまでの期間設定
に、上記のような制約を設けることで、そのような付加
回路が不要となる。
【0058】また、請求項14に係る電源供給制御装置
では、タイマー制御手段における電流制限時間を、電流
制限値の電流を流すことによって過熱保護手段が半導体
スイッチをオフ制御するに至るまでの過熱遮断時間より
も短く設定するのが望ましい。上述のように、過熱保護
手段による半導体スイッチの遮断には、温度変化による
膨張/圧縮によって破損の恐れを伴うが、過熱保護手段
によって半導体スイッチが遮断される前に、タイマー制
御手段によって半導体スイッチのオフ制御が行われるよ
う電流制限時間を設定することにより、過熱保護手段に
よる遮断回数を極力抑制することができ、電源供給制御
装置および電源から負荷への配線系の信頼性を高めるこ
とができる。
【0059】さらに、請求項15に係る電源供給制御装
置では、半導体スイッチ、基準電圧生成手段、検出手
段、制御手段、電流制限手段、タイマー制御手段、過熱
保護手段またはオン/オフ回数制御手段を、同一チップ
上に形成するのが望ましい。このように同一チップ上で
集積化することにより、装置の回路構成を小型化でき、
実装スペースを縮小できるとともに、装置コストを削減
できる。また、本発明の電流検出手法は、検出手段によ
る半導体スイッチの端子間電圧と基準電圧との差の検出
によって行われることから、同一チップ上に半導体スイ
ッチおよび第2半導体スイッチを形成することにより、
電流検出における同相的誤差要因、即ち電源電圧、温度
ドリフトやロット間のバラツキによる影響を除去(削
減)することができる。さらに、第2負荷をチップ外部
に設置することにより、基準電圧へのチップの温度変化
の影響を受け難くすることができ、高精度の電流検出を
実現することが可能となる。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電源供給制御
装置の実施の形態例について、〔第1の実施形態〕、
〔第2の実施形態〕、〔第3の実施形態〕の順に図面を
参照して詳細に説明する。以下の説明では、電源供給制
御装置は、例えば自動車においてバッテリからの電源を
選択的にランプ等の各負荷に供給して、負荷への電力供
給を制御する装置に適用した実施の形態例について説明
するが、本発明はこのような形態に限定されるものでは
なく、電源から負荷への電力供給をスイッチング制御す
る電源供給制御装置であればどのような形態であっても
適用可能である。
【0061】〔第1の実施形態〕図1は、本発明の第1
の実施形態に係る電源供給制御装置を示す回路構成図で
ある。本実施形態の電源供給制御装置は、電源101の
出力電圧VBを負荷102に供給する経路中に設けら
れ、負荷102を作動させるためのスイッチSW1をユ
ーザ等がオンすることにより機能するが、負荷102ま
たは主制御FETQAのソース(SA)と負荷102間
において発生する短絡故障による過電流、或いは不完全
短絡故障による異常電流に対する保護機能をも備えてい
る。なお、図1において、図5(従来例)と重複する部
分には同一の符号を附して詳細な説明を省略する。
【0062】図1に示す本実施形態の電源供給制御装置
は、従来例の電源供給制御装置(図5)において、オン
/オフ回数積算回路107を取り除くと共に電流制限回
路201を付加した構成である。すなわち、本実施形態
の電源供給制御装置は、おおまかに、主制御FETQ
A、基準電圧生成部、駆動回路111、コンパレータC
MP1、ダイオードクランプ回路104および電流制限
回路201等を備えた構成である。なお、図1中の点線
(大外枠)で囲った部分はアナログ集積化されるチップ
部分を示す。
【0063】本実施形態の電源供給制御装置は、電源1
01の出力電圧VBを負荷102に供給する経路に、特
許請求の範囲にいう半導体スイッチとしての主制御FE
TQAのドレインD−ソースSAを直列接続した構成で
ある。ここで、主制御FETQAにはDMOS構造のN
MOS型を使用しているがPMOS型でも実現可能であ
る。また、以下の説明では、Nチャネル型MOSFET
およびPチャネル型MOSFETを回路的に特別な意味
を持たない限りFETとのみ称呼し、特にPチャネル型
/Nチャネル型の区別を明記しないこととし、また同様
に、NPNバイポーラトランジスタおよびPNPバイポ
ーラトランジスタを回路的に特別な意味を持たない限り
トランジスタとのみ称呼し、特に区別を明記しないこと
とする。
【0064】図1では過熱遮断保護回路を省略している
が、主制御FETQAには、従来例と同等の図2に示す
ような過熱遮断保護回路(特許請求の範囲にいう過熱保
護手段)が付加されている。すなわち、過熱遮断保護回
路は、主制御FETQAが規定以上の温度まで上昇した
ことが温度センサ121によって検出された場合には、
その旨の検出情報がラッチ回路122に保持され、ゲー
ト遮断回路としての過熱遮断用FETQSがオン動作と
なることによって、主制御FETQAを強制的にオフ制
御する。なお、図2の過熱遮断保護回路において、従来
例(図5)との違いは、オン/オフ回数積算回路107
と過熱遮断保護回路とを連動させるためのダイオードD
51’が、他の回路とは独立した接続のダイオードD5
1となっている点のみである。
【0065】次に、駆動回路111は制御手段に該当
し、コレクタ側が電位VPに接続されたソーストランジ
スタQ5と、エミッタ側が接地電位(GND)に接続さ
れたシンクトランジスタQ6とを直列接続して備え、ス
イッチSW1のオン/オフ切換えによる切換え信号に基
づき、ソーストランジスタQ5およびシンクトランジス
タQ6をオン/オフ制御して、主制御FETQAを駆動
制御する信号を出力する。なお図中、VBは電源101
の出力電圧であり、例えば12[V]である。また、V
Pはチャージポンプの出力電圧であり、例えばVB+1
0[V]である。
【0066】また、特許請求の範囲にいう基準電圧発生
手段は、リファレンスFET(第2半導体スイッチ)Q
Bおよび抵抗(第2負荷)Rrで構成されている。リフ
ァレンスFETQBのドレインおよびゲートはそれぞれ
主制御FETQAのドレイン(D)および真のゲート
(TG)に接続され、リファレンスFETQBのソース
(SB)は抵抗Rrの一方の端子に接続され、抵抗Rr
の他の端子は接地電位(GND)に接続されている。こ
のように、リファレンスFETQBおよび主制御FET
QAのドレイン(D)およびゲート(TG)を共通化す
ることにより同一チップへの集積化を容易にすることが
できる。
【0067】また、リファレンスFETQBおよび主制
御FETQAは同一プロセスで同一チップ上に形成され
たものを使用している。本実施形態における電流検出手
法は、コンパレータCMP1による主制御FETQAの
ドレイン−ソース間電圧VDSA と基準電圧との差の検出
によって行われることから、同一チップ上にリファレン
スFETQBおよび主制御FETQAを形成することに
より、電流検出における同相的誤差要因、即ち電源電
圧、温度ドリフトやロット間のバラツキによる影響を除
去(削減)することができる。さらに、抵抗Rr(第2
負荷)をチップの外部に設置しているので、基準電圧へ
のチップの温度変化の影響を受け難くすることができ、
高精度の電流検出を実現することが可能となる。
【0068】また、リファレンスFETQBの電流容量
が主制御FETQAの電流容量よりも小さくなるよう
に、それぞれのFETを構成する並列接続のトランジス
タ数の比を(リファレンスFETQBのトランジスタ
数:1個)<(主制御FETQAのトランジスタ数:1
000個)となるように構成している。
【0069】さらに、抵抗Rrの抵抗値は、負荷102
の抵抗値×(主制御FETQAのトランジスタ数:10
00個/リファレンスFETQBのトランジスタ数:1
個)の値となるように設定される。この抵抗Rrの設定
により、主制御FETQAに負荷電流(5[A])が流
れたときに抵抗Rrに5[mA]の電流が流れると、主
制御FETQAと同じドレイン−ソース間電圧VDSをリ
ファレンスFETQBに発生させることができる。ま
た、以上のような回路規定により、リファレンスFET
QBおよび抵抗Rrで構成される基準電圧発生手段の構
成を極力小型化することができ、実装スペースを縮小し
て装置コストを低減することができる。
【0070】次に、コンパレータCMP1は、特許請求
の範囲にいう検出手段の一部を成す。コンパレータCM
P1の“+”入力端子には、主制御FETQAのソース
電位VSAが抵抗R5を介して供給され、また、コンパレ
ータCMP1の“−”入力端子には、リファレンスFE
TQBのソース電位VSBが抵抗R6を介して供給されて
いる。コンパレータCMP1の“−”入力端子に供給さ
れる電位より“+”入力端子に供給される電位が大きい
ときに出力は有効(“H”レベル)となり、“−”入力
端子に供給される電位より“+”入力端子に供給される
電位が小さいときに無効(“L”レベル)となる。この
コンパレータCMP1の出力は駆動回路111に印加さ
れる。
【0071】なお、コンパレータCMP1に一定のヒス
テリシスを持たせるために、コンパレータCMP1の
“+”入力端子側に、抵抗R9およびダイオードD1の
直列回路が接続されている。これにより、主制御FET
QAがオフ状態に遷移したとき、駆動回路111のシン
クトランジスタQ6によりゲート回路が接地されるの
で、主制御FETQAのソース電極→抵抗R5→抵抗R
9→ダイオードD1→シンクトランジスタQ6→接地電
位GNDの経路で電流が流れ、ゲート回路がソーストラ
ンジスタQ5により駆動されているときよりコンパレー
タCMP1の“+”入力端子の電位は低下して、主制御
FETQAは安定してオフ状態を維持し、その後オン状
態に遷移することとなる。なお、ヒステリシスの付け方
にはいろいろな方法があるが、これはその一例である。
【0072】次に、トランジスタQ7および抵抗R4
は、暗電流に対処するためのものである。このトランジ
スタQ7が接続されていなければ、負荷102への電源
供給指示がなされていない時、即ち主制御FETQAの
駆動制御がなされていない時であっても、電源101か
ら接地電位GNDに至る暗電流の径路が存在しており、
スイッチSW1がオフであっても僅かながら電源101
の電力が消費されている。
【0073】このような暗電流による電源101の電力
消費を低減するために、トランジスタQ7を構成し、ス
イッチSW1がオンされた(負荷102への電源供給指
示がなされた)時にのみトランジスタQ7をオン状態に
遷移させ、そうでない時はオフ状態として、暗電流の経
路を削減している。つまり、トランジスタQ7がオフ状
態にある時は、抵抗R1→抵抗R3→抵抗R2→GND
(接地電位)、抵抗R1→ダイオードD3→抵抗R5→
負荷102→GND、並びに、抵抗R1→抵抗R3→ダ
イオードD2→抵抗R6→GND(接地電位)の経路を
流れる電流がカットされ、暗電流による電力消費を低減
できることとなる。
【0074】また、抵抗R1〜R6、ダイオードD2,
D3はダイオードクランプ回路104を構成している。
抵抗R1と抵抗R3の接続点の電位をVC、抵抗R3と
抵抗R2の接続点の電位をVEとすると、トランジスタ
Q7がオン状態にある時はVC>VEである。
【0075】主制御FETQAのソース電位VSA≧VC
−0.7[V](ダイオードの順方向電圧)であれば、
ソース電位VSAがコンパレータCMP1の“+”入力端
子に入力されるが、VSA<VC−0.7[V]であれ
ば、コンパレータCMP1の“+”入力端子にはソース
電位VSAに関係なくVC−0.7[V]の電位が入力さ
れる。すなわち、ソース電位VSAが低下してもコンパレ
ータCMP1の“+”入力端子はVC−0.7[V]の
電位にクランプされ、該電位以下にはならない。また、
コンパレータCMP1の“−”入力端子についても同様
に、リファレンスFETQBのソース電位VSBがVE−
0.7[V]未満に低下してもVE−0.7[V]の電
位にクランプされる。
【0076】このようなダイオードクランプ回路によ
り、主制御FETQAおよびリファレンスFETQBが
オフ状態に遷移して、ソース電位VSAおよびソース電位
VSBが低下した時でも、コンパレータCMP1の“+”
入力端子および“−”入力端子は、それぞれVC−0.
7[V]の電位およびVE−0.7[V]の電位にクラ
ンプされ、VC>VEであるのでコンパレータCMP1
の出力を“H”レベルとすることができ、ソース電位V
SAおよびソース電位VSBの大小関係に関らず、主制御F
ETQAを確実にオン制御することができる。また、コ
ンパレータCMP1の“+”入力端子および“−”入力
端子を一定値以下の電位に低下させることが無いので、
“+”入力端子および“−”入力端子の耐圧性を改善す
ることができる。
【0077】以上のような構成により、主制御FETQ
AのドレインD−ソースS間電圧VDSAとほぼ等価な電
圧特性を持つ基準電圧を同一チップ上のリファレンスF
ETQBとチップ外の抵抗Rrとによって生成し、コン
パレータCMP1において、該基準電圧と主制御FET
QAのドレインD−ソースS間電圧VDSAとの差を検出
することによって、過電流検出機能を実現することがで
きる。
【0078】次に、電流制限回路201は電流制限手段
に該当し、抵抗R21〜R26、FETQ22〜Q24
およびツェナーダイオードZD7を備えて構成されてい
る。電流制限回路201は、主制御FETQAのドレイ
ンD−ソースSA間電圧VDSAが所定値を超えたとき
に、主制御FETQAを制御してドレイン電流IDAを
所定の制限電流値以下に抑制する電流制限機能を持つも
のである。
【0079】ここで、抵抗R21,R22およびFET
Q22は、主制御FETQAのドレインD−ソースSA
間電圧VDSA(厳密には、VDSA−トランジスタQ7のベ
ース−エミッタ間電圧VBE(Q7))が所定値を超えたこと
を判定する第1判定部に該当する。
【0080】FETQ22のソースはトランジスタQ7
のベースと接続されて、スイッチSW1オン時には電源
電圧VBにほぼ等しい電圧(VB−VBE(Q7))が印加さ
れ、FETQ22のゲートは抵抗R21,R22の接続
点と接続されて、主制御FETQAのドレインD−ソー
スSA間電圧VDSAを抵抗R21,R22で分圧した電
圧が印加されている。なお、抵抗R21の他端はFET
Q22のソースに接続され、抵抗R22の他端は主制御
FETQAのソースSAに接続されている。
【0081】すなわち、負荷電流が大きくなって主制御
FETQAのドレインD−ソースSA間電圧VDSAが上
昇すると、FETQ22のゲート−ソース間電圧も上昇
していくが、FETQ22のゲート−ソース間電圧がス
レッショルド電圧を超えると、FETQ22がオン状態
に遷移する回路構成となっている。したがって、FET
Q22がオン状態にあれば、主制御FETQAのドレイ
ンD−ソースSA間電圧VDSAが所定値を超えたと判定
されたことになる。
【0082】また、抵抗R23〜R26、FETQ2
3,Q24およびツェナーダイオードZD7は、制御回
路111が主制御FETQAをオン制御中で、且つ、第
1判定部において、主制御FETQAのドレインD−ソ
ースSA間電圧VDSAが所定値を超えたと判定されたと
きに、主制御FETQAのゲートTG−ソースSA間電
圧VTGSAを一定電圧にする定電圧部に該当する。
【0083】定電圧部は、FETQ23のゲートに抵抗
R23,R24の接続点を接続して、FETQ22のド
レイン電位を抵抗R23,R24で分圧した電圧を印加
し、また、ソースが主制御FETQAのゲートTGと接
続されているFETQ24のゲートには、抵抗R25,
R26の接続点を接続して、主制御FETQAのゲート
TGとFETQ23のドレインとの間の電圧を抵抗R2
5,R26で分圧した電圧を印加し、さらに、FETQ
24のドレインと主制御FETQAのソースSA間にツ
ェナーダイオードZD7を接続した構成である。
【0084】駆動回路111が主制御FETQAをオン
制御しているとき、第1判定部のFETQ22がオン状
態に遷移すれば、FETQ23のゲート−ソース間電圧
がスレッショルド電圧を超えて該FETQ23がオン状
態に遷移する。これに伴い、FETQ24のゲート−ソ
ース間電圧もスレッショルド電圧を超えて該FETQ2
4がオン状態に遷移し、ツェナーダイオードZD7に逆
方向電流が流れることになる。つまり、駆動回路111
が主制御FETQAをオン制御中に、第1判定部により
主制御FETQAのドレインD−ソースSA間電圧VDS
Aが所定値を超えたと判定されたときには、定電圧部に
より、主制御FETQAのゲートTG−ソースSA間電
圧VTGSAはツェナーダイオードZD7のツェナー電圧V
ZD7に抑えられ、ドレイン電流IDAはゲートTG−ソ
ースSA間電圧VTGSA(ツェナー電圧VZD7)に応じた
制限電流値に抑制されることとなる。
【0085】次に、以上説明した回路構成を踏まえて、
本実施形態の電源供給制御装置の動作について説明す
る。先ず、基本的な過電流検出機能については従来例の
電源供給制御装置と同様であり、負荷102側で完全短
絡(デッドショート)が発生した時には、コンパレータ
CMP1の出力が有効(“L”レベル)となって、駆動
回路111により主制御FETQAをオフ制御する。ま
た、完全短絡(デッドショート)が発生しているときに
主制御FETQAがオフ状態からオン状態に遷移した場
合や、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡(レアショ
ート)が発生している場合には、主制御FETQAのオ
ン/オフ制御を繰り返し行って周期的発熱作用で主制御
FETQAを過熱し、過熱遮断保護機能により主制御F
ETQAの過熱遮断が速められる。
【0086】次に、本実施形態の特徴をなす電流制限回
路201の動作について説明する。主制御FETQAの
ドレイン電流IDA(負荷電流)として、正常動作中の
負荷102に応じた電流が流れているときには、主制御
FETQAのドレインD−ソースSA間電圧VDSAは、
該電流と主制御FETQAのオン抵抗の電圧降下分であ
り、FETQ22のゲート−ソース間電圧はFETQ2
2のスレッショルド電圧を上回ることなく、FETQ2
2はオフ状態にある。このとき、FETQ23,Q24
も共にオフ状態にあるので、ツェナーダイオードZD7
に逆方向電流は流れず、電流制限回路201の電流制限
機能は働かない。
【0087】また、負荷102側が配線のレアショート
などにより不完全短絡し、ある程度の過負荷状態となっ
たときは、過電流検出機能により主制御FETQAのオ
ン/オフ制御が行われる。オン/オフ制御動作中に主制
御FETQAがオフ状態に遷移すると、主制御FETQ
AのドレインD−ソースSA間電圧VDSAが拡大し、F
ETQ22,Q23,Q24がオン状態に遷移すること
になる。これにより、主制御FETQAのゲートTG−
ソースSA間電圧VTGSAはツェナー電圧VZD7以下に制
限されることになる。この時、過負荷電流IDAがツェ
ナー電圧VZD7と伝達コンダクタンスGmで決まる電流
値以下であれば、電流制限回路201による実質的な電
流制限動作は行われない。しかしながら、この場合で
も、過電流検出機能によって主制御FETQAのオン/
オフ制御が繰り返し行われることから、オン/オフ制御
により負荷電流の電流制限が行われていることになる。
【0088】一方、負荷102側で完全短絡(デッドシ
ョート)や不完全短絡(レアショート)等により過負荷
状態となったときに、主制御FETQAのドレインD−
ソースSA間電圧VDSAが上昇して所定値を超えた場合
には、第1判定部のFETQ22のゲートーソース間電
圧はスレッショルド電圧を超えるので、FETQ22は
オン状態に遷移することとなる。
【0089】第1判定部のFETQ22がオン状態に遷
移すれば、定電圧部において、FETQ23のゲートー
ソース間電圧はスレッショルド電圧を超えて該FETQ
23がオン状態に遷移し、FETQ24のゲートーソー
ス間電圧もスレッショルド電圧を超えて該FETQ24
がオン状態に遷移する。これにより、ツェナーダイオー
ドZD7に逆方向電流が流れ、主制御FETQAのゲー
トTG−ソースSA間電圧VTGSAは、ツェナーダイオー
ドZD7のツェナー電圧VZD7に抑えられ、ドレイン電
流IDAはツェナー電圧VZD7に応じた制限電流値に抑
制されることになる。
【0090】つまり、過負荷で主制御FETQAのドレ
イン電流IDA(負荷電流)に過電流が流れる状態で
は、主制御FETQAはピンチオフ領域で動作してい
る。このとき、ドレイン電流IDAとゲート−ソース間
電圧VTGSAとの間には、IDA=VTGSA×Gm(Gmは
主制御FETQAの伝達コンダクタンス)の関係にある
から、主制御FETQAのゲートTG−ソースSA間電
圧VTGSAを、定電圧部のツェナーダイオードZD7によ
ってツェナー電圧VZD7に抑えることにより、ドレイン
電流IDA(負荷電流)をゲートTG−ソースSA間電
圧VTGSA(ツェナー電圧VZD7)に応じた電流制限値に
抑制することができることとなる。
【0091】また、負荷102がランプ負荷である場合
の具体的な数値を例示すれば、主制御FETQAのドレ
インD−ソースSA間電圧VDSAが約6[V]以上で電
流制限回路201が機能(FETQ22がオン状態に遷
移)するように抵抗R21,R22の分圧比を設定し、
ツェナーダイオードZD7のツェナー電圧6.3[V]
により、電流制限値を約12[A]にする。
【0092】なお、電流制限値の設定には、次のような
条件を考慮する必要がある。先ず、スイッチSW1のオ
ン直後には主制御FETQAに突入電流が流れるが、該
突入電流によって電流制限回路201が機能して、突入
電流が電流制限値に制限されたとしても、ランプの点灯
立上がり時間が常温で所定値(例えば50[ミリ秒])
以下となるよう電流制限値を設定するのが望ましい。電
流制限値を小さく設定し過ぎると、フィラメントが温ま
るまでに時間がかかってランプの点灯遅れが生じてしま
うからである。
【0093】また、本実施形態の電源供給制御装置で
は、過負荷時の遮断手法が過熱遮断保護回路(図2)に
よるものであり、主制御FETQAが過熱遮断されるま
での時間は電流制限値によって決定されることから、常
温で電流制限回路201が機能して、電流制限値の負荷
電流が流れ始めてからランプ点灯立上がり時間の数倍の
時間(例えば200[ミリ秒])後に過熱遮断が起こる
よう電流制限値を設定するのが望ましい。これにより、
突入電流によって電流制限回路201が機能して、突入
電流が電流制限値に制限されたときでも、負荷102が
正常動作に至るまでの過渡的な状態で過熱遮断保護回路
が主制御FETQAをオフ制御してしまい、フィラメン
トが温まらずにランプを点灯することができないといっ
た不具合を無くすことができる。
【0094】以上説明したように、本実施形態の電源供
給制御装置では、負荷102または主制御FETQAか
ら負荷102までの配線が短絡するなどの原因により過
負荷状態となって主制御FETQAのドレイン−ソース
間電圧が所定値を超えたときには、電流制限回路201
によって主制御FETQAに流れる負荷電流が電流制限
値に制限されるため、特に主制御FETQA等の半導体
素子が過電流や熱などによって破壊されることを防ぐこ
とができ、過電流からの保護により当該電源供給制御装
置および電源101から負荷102への配線系の信頼性
を向上させることができる。
【0095】〔第2の実施形態〕次に図3は、本発明の
第2の実施形態に係る電源供給制御装置を示す回路構成
図である。なお、同図において、図1(第1の実施形
態)と重複する部分には同一の符号を附して詳細な説明
を省略する。
【0096】図3に示す本実施形態の電源供給制御装置
は、第1の実施形態の電源供給制御装置(図1)におい
て、図2に示される過熱遮断回路を取り除くと共に、電
流制限積算回路203を付加した構成である。すなわ
ち、本実施形態の電源供給制御装置は、おおまかに、主
制御FETQA、基準電圧生成部、駆動回路111、コ
ンパレータCMP1、ダイオードクランプ回路104、
電流制限回路201および電流制限積算回路203等を
備えた構成である。なお、図3中の点線(大外枠)で囲
った部分はアナログ集積化されるチップ部分を示す。
【0097】電流制限積算回路203以外の構成要素に
ついては、第1の実施形態と同等のものであるため詳細
な説明を省略する。電流制限積算回路203は特許請求
の範囲にいうタイマー制御手段に該当し、主制御FET
QAのドレインD−ソースSA間電圧VDSAが所定電圧
を超えてから、電流制限回路201が機能して負荷電流
を電流制限値に制限している動作時間を計時して、該動
作時間が所定の電流制限時間に達したときに主制御FE
TQAを遮断(オフ制御)するものである。図3におい
て、電流制限積算回路203は、抵抗R30〜R32,
R39,R43、トランジスタQ35、FETQ30,
Q31、ダイオードD31,D34を備えて構成されて
いる。
【0098】先ず、抵抗R39、トランジスタQ35お
よびダイオードD34は、特許請求の範囲にいう第2判
定部に該当し、駆動回路111が主制御FETQAをオ
ン制御しているときで、且つ、電流制限回路201が電
流を電流制限値に制限しているという第2判定条件が成
立したか否かを判定する。トランジスタQ35のエミッ
タには、順方向接続のダイオードD34を介して主制御
FETQAのゲートGが、またトランジスタQ35のベ
ースには、抵抗R39を介して主制御FETQAの真の
ゲートTGがそれぞれ接続されている。
【0099】駆動回路111が主制御FETQAをオン
制御しているとき、電流制限回路201において、主制
御FETQAのドレインD−ソースSA間電圧VDSAが
所定値を超えると、第1判定部のFETQ22、定電圧
部のFETQ23,FETQ24が順次オン状態に遷移
して、負荷電流はツェナーダイオードZD7のツェナー
電圧VZD7に応じた制限電流値に制限されることとな
る。この時、主制御FETQAのゲートG→内部抵抗R
G→FETQ24→ツェナーダイオードZD7→負荷1
02の経路に電流が流れ、内部抵抗RGの両端には該電
流による電圧降下が発生し、トランジスタQ35のベー
ス−エミッタ間電圧がスレッショルド電圧を越えて、ト
ランジスタQ35はオン状態に遷移することになる。つ
まり、第2判定部における上記第2判定条件が成立した
ときトランジスタQ35はオン状態に遷移する。
【0100】つまり、第2判定部において第2判定条件
が成立したときには、トランジスタQ35はオン状態に
遷移しているので、主制御FETQAのゲートG→ダイ
オードD34→トランジスタQ35→抵抗R43→コン
デンサC31という経路を介して、コンデンサC31は
主制御FETQAのゲートGの電位により充電されるこ
とになる。
【0101】さらに、電流制限積算回路203は、コン
デンサC31の蓄積電荷が所定量以上となったときに、
主制御FETQAをオフ制御する遮断スイッチを備えて
いるが、FETQ31がこの遮断スイッチに該当する。
コンデンサC31の充電に伴って、FETQ31のゲー
ト電位が上昇し、ゲート−ソース間電圧がスレッショル
ド電圧を超えるとFETQ31がオン状態に遷移し、ダ
イオードD31およびFETQ31を介して主制御FE
TQAの真のゲートTGが接地されるので、主制御FE
TQAはオフ状態に遷移することになる。なお、FET
Q30およびQ31によってラッチを構成しており、F
ETQ31のオン状態を維持する構成である。
【0102】つまり、電流制限積算回路203における
電流制限時間は、コンデンサC31が充電を開始してか
ら、コンデンサC31にFETQ31のゲート−ソース
間電圧がスレッショルド電圧を超えるだけの電荷が蓄積
されるまでの時間であり、C31×R43の時定数に基
づき設定されることとなる。なお、FETQ31のソー
ス側にツェナーダイオードやダイオードを接続すること
により、電流制限時間の設定を変えることも可能であ
る。この場合、電流制限時間は、コンデンサC31が充
電を開始してから、コンデンサC31の両端の電圧が
(FETQ31のスレッショルド電圧)+(ツェナーダ
イオードツェナー電圧またはダイオードの順方向電圧)
を超えるだけの電荷が蓄積されるまでの時間となる。
【0103】次に、以上説明した回路構成を踏まえて、
本実施形態の電源供給制御装置の動作について説明す
る。基本的な過電流検出機能については従来例の電源供
給制御装置と同様であり、電流制限回路201の動作に
ついては第1の実施形態の電源供給制御装置と同様であ
る。
【0104】本実施形態の特徴をなす電流制限積算回路
203の動作について説明する。負荷102側で完全短
絡(デッドショート)や不完全短絡(レアショート)等
により過負荷状態となったときに、主制御FETQAの
ドレインD−ソースSA間電圧VDSAが上昇して所定値
を超えた場合には、電流制限回路201のFETQ2
2、FETQ23、FETQ24が順次オン状態に遷移
して、負荷電流はツェナーダイオードZD7のツェナー
電圧VZD7に応じた制限電流値に制限されることとな
る。
【0105】この時、内部抵抗RGの両端には電圧降下
が発生するので、電流制限積算回路203の第2判定部
のトランジスタQ35がオン状態に遷移する。これによ
り、ダイオードD34、トランジスタQ35,Q36お
よび抵抗R43を介して、主制御FETQAのゲートG
からコンデンサC31に至る経路により、コンデンサC
31の充電が開始される。
【0106】その後、コンデンサC31にFETQ31
のゲート−ソース間電圧がスレッショルド電圧を超える
だけの電荷が蓄積される(電流制限時間が経過する)
と、FETQ31がオン状態に遷移し、ダイオードD3
1およびFETQ31を介して主制御FETQAの真の
ゲートTGが接地されて、主制御FETQAがオフ制御
されることになる。なお、FETQ31がオン状態に遷
移すると、FETQ30もオン状態に遷移し、FETQ
31のゲート電位が“H”レベルに保たれてFETQ3
1のオン状態が維持される。
【0107】また、負荷102がランプ負荷である場合
の具体的な数値を例示すれば、第1の実施形態と同様
に、主制御FETQAのドレインD−ソースSA間電圧
VDSAが約6[V]以上で電流制限回路201が機能
(FETQ22がオン状態に遷移)するように抵抗R2
1,R22の分圧比を設定し、ツェナーダイオードZD
7のツェナー電圧6.3[V]により、電流制限値を約
12[A]にする。
【0108】また、電流制限値の設定において考慮すべ
き条件は第1の実施形態と同様であり、さらに電流制限
時間の設定においては、以下の条件を考慮する必要があ
る。先ず、電流制限値の負荷電流を流すことによって負
荷102が定常状態に至るまでの負荷立上がり時間(5
0[ミリ秒])以上に電流制限時間を設定するのが望ま
しい。これにより、突入電流によって電流制限回路20
1が機能して、突入電流が電流制限値に制限されたと
き、ランプ負荷が正常動作に至るまでの過渡的な状態で
電流制限積算回路203が主制御FETQAをオフ制御
してしまうといった不具合を無くすことができる。
【0109】過負荷時の遮断手法として過熱遮断保護回
路をも付加した構成とする場合には、電流制限値の電流
を流すことによって過熱遮断保護回路が主制御FETQ
Aをオフ制御するまでの過熱遮断時間以下に(負荷立上
がり時間の数倍;例えば200[ミリ秒]に)電流制限
時間を設定するのが望ましい。過熱遮断保護回路によっ
て主制御FETQAの遮断を行うと、主制御FETQA
の周囲温度が高温となり、温度変化による膨張/圧縮に
よって破損に至るという不具合の要因となることから、
過熱遮断の耐久回数には限界があるが、過熱遮断保護回
路によって主制御FETQAが遮断される前に、電流制
限積算回路203によって主制御FETQAのオフ制御
が行われるよう電流制限時間を設定することにより、過
熱遮断保護回路による遮断回数を極力抑制することがで
きる。
【0110】以上説明したように、第2の実施形態の電
源供給制御装置では、第2判定部において、駆動回路1
11が主制御FETQAをオン制御中であり、且つ、電
流制限回路201が電流を電流制限値に制限しているこ
とが判定された場合には、コンデンサC31に電荷を蓄
積するようにし、該コンデンサC31にFETQ31の
ゲート−ソース間電圧がスレッショルド電圧を超えるだ
けの電荷が蓄積される(電流制限時間が経過する)と、
FETQ31がオン状態に遷移して主制御FETQAを
オフ制御するようにしている。
【0111】これにより、負荷102または主制御FE
TQAから負荷102までの配線が短絡するなどの原因
により過負荷状態となって、主制御FETQAのドレイ
ンD−ソースSA間電圧VDSAが所定値を超えたときで
も、電流制限回路102によって負荷電流を電流制限値
に抑えると共に、電流制限回路102の動作時間が電流
制限時間に達したときには、電流制限積算回路203に
よって主制御FETQAをオフ制御するので、電流制限
値の負荷電流を流すことによって電力消費が大きくなっ
ている期間を限定でき、消費電力を抑制することができ
る。
【0112】また、過負荷時の遮断手法として過熱遮断
保護回路をも付加した構成とする場合には、過熱遮断保
護回路によって主制御FETQAが遮断される前に電流
制限積算回路203によってオフ制御されるように、電
流制限積算回路203における電流制限時間を設定すれ
ば、過熱遮断保護回路による遮断回数を極力抑制するこ
とができ、当該電源供給制御装置および電源101から
負荷102への配線系の信頼性を高めることができる。
さらに、電流制限回路201および電流制限積算回路2
03による主制御FETQAのオフ制御か、或いは過熱
遮断保護回路による主制御FETQAの遮断かの独立し
た2つの系による過電流保護が可能となるので、信頼性
をより一層向上させることができる。
【0113】なお、本実施形態では、電流制限積算回路
203による主制御FETQAの遮断を、ゲートGに供
給されていた電流をグランド(GND)に流し込むこと
によって行っていたが、コンパレータCMP1の出力電
圧を強制的に“L”レベルにすることによって主制御F
ETQAをオフ制御する構成としても良いし、また、コ
ンパレータCMP1の”+”入力端子に印加される電圧
を制御して、出力電圧を“L”レベルとするような構成
としても良い。さらに、図2の過熱遮断保護回路を備え
ている場合には、ダイオードD31のアノードを温度セ
ンサ121(4個のダイオード)のアノード側に接続し
た構成としても良い。
【0114】〔第3の実施形態〕次に図4は、本発明の
第3の実施形態に係る電力供給制御装置を示す回路構成
図である。同図において、図1(第1の実施形態)およ
び図3(第2の実施形態)と重複する部分には同一の符
号を附して説明を省略する。
【0115】本実施形態の電力供給制御装置は、第2の
実施形態の電力供給制御装置に対して従来例の電力供給
制御装置が備えているオン/オフ回数積算回路107を
さらに追加したものである。すなわち、本実施形態の電
源供給制御装置は、おおまかに、主制御FETQA、基
準電圧生成部、駆動回路111、コンパレータCMP
1、ダイオードクランプ回路104、電流制限回路20
1、電流制限積算回路203およびオン/オフ回数積算
回路107等を備えた構成である。なお、図4中の点線
(大外枠)で囲った部分はアナログ集積化されるチップ
部分を示す。
【0116】オン/オフ回数積算回路107以外の構成
要素については、第2の実施形態と同等のものであるた
め詳細な説明を省略する。オン/オフ回数積算回路10
7は特許請求の範囲にいうオン/オフ回数制御手段に該
当し、主制御FETQAのオン/オフ制御回数を積算
し、該制御回数が所定回数に達したときに主制御FET
QAを遮断(オフ制御)するようにして、主制御FET
QAの遮断を速めるものである。
【0117】図4において、トランジスタQ32〜Q3
4、抵抗R33〜R37、ダイオードD33およびツェ
ナーダイオードZD31を備えている。なお、第2の実
施形態において、電流制限積算回路203が有する抵抗
R30〜R32、FETQ31、ダイオードD31およ
びコンデンサC31については、オン/オフ回数積算回
路107の構成要素でもあり、電流制限積算回路203
との共用である。
【0118】次に、オン/オフ回数積算回路107の動
作について説明する。過電流制御に入り、主制御FET
QAがオフ制御されたときのゲートGの電位は“L”レ
ベル電位であるため、抵抗R36およびダイオードD3
2を介して、トランジスタQ32のべースには“L”レ
ベルが印加され、トランジスタQ32はオン状態に遷移
する。オン/オフ動作しているときは、主制御FETQ
AのソースSAの電位VSAは接地電位GNDより高い電
位で変動しているので、トランジスタQ33のベースに
は主制御FETQAのソース電位VSAが印加され、トラ
ンジスタQ33がオン状態に遷移し、その結果、トラン
ジスタQ34のベースが抵抗R35を介して接地される
こととなり、トランジスタQ34はオン状態に遷移す
る。
【0119】つまり、過電流制御に入り、主制御FET
QAのオン/オフ動作中にオフ制御される(ゲートGの
電位が“L”レベルになる)度に、コンデンサC31
は、トランジスタQ32,Q34および抵抗R33を介
して電源電圧VBによって充電されることになる。な
お、コンデンサC31が充電されるのは、オフ制御(ゲ
ート電位が“L”レベル)の間に主制御FETQAのソ
ース電位VSA が“H”レベルになる時のみであり、連
続的にオン制御またはオフ制御される時には充電されな
い。
【0120】FETQ31のゲート−ソース間電圧は最
初はスレッショルド電圧以下なのでオフ状態にあるが、
コンデンサC31の充電に伴ってゲート電位が上昇する
とFETQ31はオン状態に遷移する。この時、ダイオ
ードD31およびFETQ31を介して主制御FETQ
Aの真のゲートTGが接地されるので、主制御FETQ
Aはオフ状態に遷移することになる。なお、FETQ3
0およびQ31によってラッチを構成しており、FET
Q31のオン状態が維持される。
【0121】なお、回数積算による遮断時間は約1[秒
]程度が望ましい。また、オン/オフ回数積算回路1
07を安定に動作させるためには、さらに、主制御FE
TQAのオン/オフ制御の周期を安定させることが必要
である。本実施形態においては、負荷電流の変化に対す
る主制御FETQAのドレイン−ソース間電圧VDSAの
変化はピンチオフ領域の方がオーミック領域より大きい
ので、主制御FETQAがオン/オフ制御の間はピンチ
オフ領域でオフ状態に遷移する(ピンチオフ領域をパス
してオーミック領域でオフ状態に遷移することはない)
こととなり、したがって、主制御FETQAのオン/オ
フ制御の周期が安定したものとなる。
【0122】また、本実施形態の電源供給制御装置で
は、オン/オフ回数積算回路107において、主制御F
ETQAのオン/オフ制御回数をコンデンサC31に蓄
えられる電荷量で判断したが、駆動回路111の出力を
そのまま計数するカウンタによってオン/オフ回数積算
回路を構成してもよい。この場合、駆動回路111の出
力を計数するカウンタの計数値が所定値に達した時に、
FETQ31をオン状態に遷移させて、主制御FETQ
Aを遮断(オフ制御)することとなる。
【0123】また、スイッチSW1をオンして、主制御
FETQAのソース電圧VSAが所定電圧以下となったと
きには、先ず、電流制限回路201および電流制限積算
回路203が機能してコンデンサC31に電荷を蓄積し
た後に、オン/オフ回数積算回路107が機能してコン
デンサC31に電荷を蓄積することになる。このため、
FETQ31のゲート電位は、「電流制限積算回路20
3により上昇した電位とオン/オフ回数積算回路107
により上昇した電位との和」となる。すなわち、コンデ
ンサC31に蓄積される電荷量は、「電流制限積算回路
203によって計時された電流制限回路201の機能時
間と、オン/オフ回数積算回路107によって計時され
た主制御FETQAのオフ制御時間との和」を示すこと
になる。
【0124】以上説明したように、本実施形態の電力供
給制御装置においては、第2の実施形態の電力供給制御
装置にオン/オフ回数積算回路107を加えたことによ
り、不完全短絡のときに、主制御FETQAのドレイン
D−ソースSA間電圧VDSAが所定電圧以下となった後
でも、さらに主制御FETQAのオン/オフ制御が繰り
返し行われるような場合に、オン/オフ制御回数が所定
回数に達したときに主制御FETQAを遮断(オフ制
御)するので、主制御FETQAの遮断を速めることが
できる。
【0125】また、主制御FETQAの遮断手法として
過熱遮断保護回路を付加した構成の場合には、過熱遮断
の温度変化による膨張/圧縮によって破損の恐れを伴う
が、過熱遮断保護回路によって主制御FETQAが遮断
される前にオン/オフ回数積算回路107によるオフ制
御が可能となるので、過熱遮断保護回路による遮断回数
を極力抑制することができ、当該電源供給制御装置およ
び電源101から負荷102への配線系の信頼性を高め
ることができる。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電源供給
制御装置によれば、電源から負荷への電力供給を半導体
スイッチによってスイッチング制御する際に、基準電圧
生成手段により半導体スイッチの端子間電圧の電圧特性
とほぼ等価な電圧特性を持つ基準電圧を生成し、半導体
スイッチの端子間電圧と基準電圧との差を検出手段によ
って検出し、制御手段により該検出された端子間電圧と
基準電圧との差に応じて半導体スイッチをオン/オフ制
御するが、例えば負荷または半導体スイッチから負荷ま
での配線が短絡するなどの原因により過負荷状態となっ
て半導体スイッチの端子間電圧が所定値を超えたとき、
電流制限手段により、半導体スイッチの制御信号入力端
子に供給される制御信号を制御して半導体スイッチの端
子間に流れる負荷電流を所定の電流制限値以下に制限す
ることとしたので、過負荷状態となって半導体スイッチ
の端子間電圧が所定値を超えたときでも、電流制限手段
によって半導体スイッチの端子間に流れる負荷電流が所
定の電流制限値以下に制限されるため、特に半導体スイ
ッチ等の半導体素子が過電流や熱などによって破壊され
ることを防ぐことができ、過電流からの保護により電源
供給制御装置および電源から負荷への配線系の信頼性を
向上させることができる。
【0127】また、電流制限手段により、負荷電流を所
定の電流制限値以下に制限して過電流保護を行うと共
に、過熱保護手段による遮断回数を極力抑制することが
できるので、電源供給制御装置および電源から負荷への
配線系の信頼性を高めることができる。
【0128】また、本発明の電源供給制御装置によれ
ば、タイマー制御手段により電流制限手段が電流を電流
制限値以下に制限する動作時間を計時して、過負荷状態
となって半導体スイッチの端子間電圧が所定値を超えた
ときでも、電流制限手段によって負荷電流を電流制限値
以下の電流に抑えると共に、電流制限手段の動作時間が
電流制限時間に達したときには、タイマー制御手段によ
って半導体スイッチをオフ制御するので、電流制限値の
負荷電流を流すことによって電力消費が大きくなってい
る期間を限定でき、消費電力を抑制することができる。
【0129】また、タイマー制御手段において設定され
る電流制限時間を、過熱保護手段によって半導体スイッ
チが遮断される前に当該タイマー制御手段によってオフ
制御されるように設定すれば、過熱保護手段による遮断
回数を極力抑制することができ、電源供給制御装置およ
び電源から負荷への配線系の信頼性を高めることができ
る。さらに、電流制限手段およびタイマー制御手段によ
る半導体スイッチのオフ制御か、或いは過熱保護手段に
よる半導体スイッチの遮断かの独立した2つの系による
過電流保護が可能となるので、電力供給制御装置におい
て2重系による保護を実現することができ、電源供給制
御装置および電源から負荷への配線系の信頼性をより一
層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電力供給制御装
置を示す回路構成図である。
【図2】第1の実施形態で使用する半導体スイッチ(主
制御FET)の詳細な回路構成図である。
【図3】第2の実施形態に係る電力供給制御装置を示す
回路構成図である。
【図4】第3の実施形態に係る電力供給制御装置を示す
回路構成図である。
【図5】従来の電力供給制御装置を示す回路構成図であ
る。
【符号の説明】
101 電源 102 負荷 104 ダイオードクランプ回路 107 オン/オフ回数積算回路(オン/オフ回数制
御手段) 111 駆動回路(制御手段) 201 電流制限回路(電流制限手段) 203 電流制限積算回路(タイマー制御手段) QA 主制御FET(半導体スイッチ) QB リファレンスFET(第2半導体スイッチ) Rr 抵抗(第2負荷)RG 内部抵抗 R1〜R55 抵抗 CMP1 コンパレータ(検出手段) ZD1,ZD7,ZD31 ツェナーダイオード D1〜D51,D51’ ダイオード C31 コンデンサ 121 温度センサ 122 ラッチ回路 QS 過熱遮断用FET Q5 ソーストランジスタ Q6 シンクトランジスタ Q7,Q32〜Q35 トランジスタ Q22〜Q24,Q30,Q31,Q51〜Q54
FET SW1 スイッチ VB 電源電圧 VP チャージポンプ出力電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05F 1/10 304 G05F 1/10 304Q H02H 3/087 H02H 3/087 5/04 5/04 E H03K 17/687 H03K 17/687 A Fターム(参考) 5G004 AA04 AB02 BA03 BA04 DA04 DC04 DC13 EA01 FA01 5H410 CC02 DD02 EA11 EB01 EB37 FF05 FF14 FF21 LL06 LL09 LL19 5J055 AX02 AX12 AX15 AX32 AX37 AX44 AX48 AX55 AX64 AX65 BX16 CX22 CX28 DX08 DX09 DX13 DX14 DX22 DX53 DX54 DX73 EX01 EX02 EX04 EX06 EX11 EX24 EY01 EY03 EY12 EY13 EY17 EY21 EZ07 EZ10 EZ31 EZ43 EZ57 EZ62 FX04 FX07 FX13 FX18 FX21 FX32 FX38 GX01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御信号入力端子へ供給される制御信号
    に応じてスイッチング制御され電源から負荷への電力供
    給を制御する半導体スイッチと、 前記半導体スイッチの端子間電圧の電圧特性とほぼ等価
    な電圧特性を持つ基準電圧を生成する基準電圧生成手段
    と、 前記半導体スイッチの端子間電圧と前記基準電圧との差
    を検出する検出手段と、 検出された端子間電圧と基準電圧との差に応じて前記半
    導体スイッチをオン/オフ制御する制御手段と、 前記半導体スイッチの端子間電圧が所定値を超えたと
    き、前記制御信号入力端子に供給される制御信号を制御
    して、前記半導体スイッチの端子間に流れる電流を所定
    の電流制限値以下に制限する電流制限手段と、を有する
    ことを特徴とする電源供給制御装置。
  2. 【請求項2】 前記基準電圧生成手段は、前記半導体ス
    イッチおよび前記負荷に並列接続され、前記制御信号に
    応じてスイッチング制御される第2半導体スイッチと第
    2負荷とを直列接続した回路を備え、 前記第2半導体スイッチの端子間電圧を前記基準電圧と
    して生成することを特徴とする請求項1に記載の電源供
    給制御装置。
  3. 【請求項3】 前記基準電圧生成手段の基準電圧が持つ
    電圧特性は、前記半導体スイッチおよび前記負荷に正常
    動作範囲での最大電流を超える目標電流が流れる状態に
    おける電圧特性とほぼ等価であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の電源供給制御装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体スイッチと前記第2半導体ス
    イッチは、オフ状態からオン状態へ遷移する際の端子間
    電圧の過渡的な電圧特性について等価な特性を持つこと
    を特徴とする請求項2または3に記載の電源供給制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第2半導体スイッチの電流容量は前
    記半導体スイッチの電流容量よりも小さく、前記負荷お
    よび前記第2負荷の抵抗値比は前記半導体スイッチおよ
    び第2半導体スイッチの電流容量比と極力反比例するよ
    うに設定したことを特徴とする請求項2、3または4に
    記載の電源供給制御装置。
  6. 【請求項6】 前記半導体スイッチが過熱した場合に前
    記半導体スイッチをオフ制御して保護する過熱保護手段
    を有することを特徴とする請求項1、2、3、4または
    5に記載の電源供給制御装置。
  7. 【請求項7】 前記半導体スイッチのオン/オフ制御回
    数を積算し、該制御回数が所定回数に達したときに前記
    半導体スイッチをオフ制御するオン/オフ回数制御手段
    を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5ま
    たは6に記載の電源供給制御装置。
  8. 【請求項8】 前記電流制限手段が電流を電流制限値以
    下に制限する動作時間を計時して、該動作時間が所定の
    電流制限時間に達したときに前記半導体スイッチをオフ
    制御するタイマー制御手段を有することを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6または7に記載の電源供給
    制御装置。
  9. 【請求項9】 前記電流制限手段は、 前記半導体スイッチの端子間電圧が所定値を超えたこと
    を判定する第1判定部と、 前記制御手段が前記半導体スイッチをオン制御している
    ときで、且つ、前記第1判定部により前記半導体スイッ
    チの端子間電圧が所定値を超えたと判定されたときに、
    前記半導体スイッチの制御信号入力端子と負荷側端子と
    の間の電圧を一定電圧にする定電圧部と、を有すること
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または
    8に記載の電源供給制御装置。
  10. 【請求項10】 前記電流制限手段における前記電流制
    限値は、該電流制限値の電流を流すことによって前記負
    荷が定常状態に至るまでの負荷立上がり時間が所定時間
    以下となるように設定されることを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の電源
    供給制御装置。
  11. 【請求項11】 前記電流制限手段における前記電流制
    限値は、該電流制限値の電流を流すことによって前記過
    熱保護手段が前記半導体スイッチをオフ制御するに至る
    までの過熱遮断時間が所定時間以上となるように設定さ
    れることを特徴とする請求項6、7、8、9または10
    に記載の電源供給制御装置。
  12. 【請求項12】 前記タイマー制御手段は、 前記制御手段が前記半導体スイッチをオン制御している
    ときで、且つ、前記電流制限手段が電流を前記電流制限
    値以下に制限していることを判定する第2判定部と、 前記第2判定部が条件を満足すると判定したときに、電
    荷を蓄積するコンデンサと、 前記コンデンサの蓄積電荷が所定量以上となったとき
    に、前記半導体スイッチをオフ制御する遮断スイッチ
    と、を有することを特徴とする請求項8、9、10また
    は11に記載の電源供給制御装置。
  13. 【請求項13】 前記タイマー制御手段における前記電
    流制限時間は、前記電流制限値の電流を流すことによっ
    て前記負荷が定常状態に至るまでの負荷立上がり時間よ
    りも長く設定されていることを特徴とする請求項8、
    9、10、11または12に記載の電源供給制御装置。
  14. 【請求項14】 前記タイマー制御手段における前記電
    流制限時間は、前記電流制限値の電流を流すことによっ
    て前記過熱保護手段が前記半導体スイッチをオフ制御す
    るに至るまでの過熱遮断時間よりも短く設定されている
    ことを特徴とする請求項8、9、10、11、12また
    は13に記載の電源供給制御装置。
  15. 【請求項15】 前記半導体スイッチ、前記基準電圧生
    成手段、前記検出手段、前記制御手段、前記電流制限手
    段、前記タイマー制御手段、前記過熱保護手段または前
    記オン/オフ回数制御手段は、同一チップ上に形成され
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9、10、11、12、13または14に記載
    の電源供給制御装置。
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