JP2000236621A - 電源供給制御回路 - Google Patents

電源供給制御回路

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JP2000236621A
JP2000236621A JP11074248A JP7424899A JP2000236621A JP 2000236621 A JP2000236621 A JP 2000236621A JP 11074248 A JP11074248 A JP 11074248A JP 7424899 A JP7424899 A JP 7424899A JP 2000236621 A JP2000236621 A JP 2000236621A
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fet
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Akira Baba
晃 馬場
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力を供給する負荷の数に合わせて適切な過
電流設定を行って、過電流制限に際して無駄な電力消費
が生じないようにすること。 【解決手段】 負荷の断線に伴って過電流検出回路の基
準電圧の値を変更し、過電流検出回路の過電流検出設定
値を正常な負荷の数に合わせて切り換えることにより、
常に適切な過電流検出を行うようにする。これにより、
負荷の一方が断線した場合、過電流検出設定値が下がる
ため、全ての負荷が正常な場合よりも低い過電流を検出
して、ドライバ及びサーマルFETによる過電流保護が
行われ、過電流制限に際して電力の無駄が生じることを
防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電源供給制御装置お
よび電源供給制御方法に関し、より詳しくは、制御信号
に応じてスイッチング制御により、電源から負荷への電
力供給を制御する半導体スイッチを備えた電源供給制御
装置および電源供給制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体スイッチを備えた電源供給
制御装置としては、例えば図9に示すようなものがあ
る。本従来例の電源供給制御装置は、自動車においてバ
ッテリからの電源を選択的に各負荷に供給して、負荷へ
の電力供給を制御する装置である。
【0003】同図において、本従来例の電源供給制御装
置は、電源101の出力電圧VBをヘッドライトやパワ
ーウインドウの駆動モータ等々の負荷102に供給する
経路にシャント抵抗RSおよびサーマルFETQFのド
レインD−ソースSを直列接続した構成である。また、
シャント抵抗RSを流れる電流を検出してハードウェア
回路によりサーマルFETQFの駆動を制御するドライ
バ901と、ドライバ901でモニタした電流値に基づ
いてサーマルFETQFの駆動信号をオン/オフ制御す
るA/D変換器902およびマイコン(CPU)903
とを備えている。
【0004】半導体スイッチとしてのサーマルFETQ
Fは、図示しない温度センサを内蔵してサーマルFET
QFが規定以上の温度まで上昇した場合には、内蔵する
ゲート遮断回路によってサーマルFETQFを強制的に
オフ制御する過熱遮断機能を備えている。また、図中の
RGは内蔵抵抗であり、ZD1はゲートG−ソースS間
を12[V]に保ってゲートGに過電圧が印加されよう
とした場合にこれをバイパスさせるツェナーダイオード
である。
【0005】また、本従来例の電源供給制御装置では、
負荷102またはサーマルFETQFのドレインD−ソ
ースS間における過電流に対する保護機能をも備えてい
る。即ち、ドライバ901は、電流モニタ回路としての
差動増幅器911,913と、電流制限回路としての差
動増幅器912と、チャージポンプ回路915と、マイ
コン903からのオン/オフ制御信号および電流制限回
路からの過電流判定結果に基づき、内部抵抗RGを介し
てサーマルFETQFのゲートGを駆動する駆動回路9
14を備えて構成されている。
【0006】シャント抵抗RSの電圧降下に基づき差動
増幅器912を介して、電流が判定値(上限)を超えた
として過電流が検出された場合には、駆動回路914に
よってサーマルFETQFをオフ動作とし、その後電流
が低下して判定値(下限)を下回ったらサーマルFET
QFをオン動作させる。
【0007】一方、マイコン903は、電流モニタ回路
(差動増幅器911,913)を介して電流を常時モニ
タしており、正常値を上回る異常電流が流れていれば、
サーマルFETQFの駆動信号をオフすることによりサ
ーマルFETQFをオフ動作させる。なお、マイコン9
03からオフ制御の駆動信号が出力される前に、サーマ
ルFETQFの温度が規定値を超えていれば、過熱遮断
機能によってサーマルFETQFはオフ動作となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電源供給制御装置にあっては、電流検出を行うため
に電力の供給経路に直列接続されるシャント抵抗RSを
必要とした構成であり、近年のサーマルFETQFのオ
ン抵抗の低減に伴う負荷の大電流化により、シャント抵
抗の熱損失が無視できないという問題点がある。
【0009】また、上述の過熱遮断機能や過電流制限回
路は、負荷102や配線にほぼ完全な短絡状態が発生し
て大電流が流れる場合には機能するが、ある程度の短絡
抵抗を持つ不完全短絡などのレアショートが発生して小
さい短絡電流が流れた場合には機能せず、電流のモニタ
回路を介してマイコン903により異常電流を検出して
サーマルFETQFをオフ制御するしかなく、このよう
な異常電流に対するマイコン制御による応答性が悪いと
いう事情もあった。
【0010】また、シャント抵抗RSやA/D変換器9
02、マイコン903等が必要であるため、大きな実装
スペースが必要であり、またこれらの比較的高価な部品
により装置コストが高くなってしまうという問題点もあ
る。
【0011】本発明は、上述の如き従来の課題を解決す
るためになされたもので、その目的は、複数の負荷に電
力を供給する時、電力を供給する負荷の数に合わせて適
切な過電流設定を行って、過電流制限に際して電力の無
駄が生じないようにすることができる電源供給制御回路
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明の特徴は、入力される制御信号に応
じてスイッチング制御されることにより電源から複数の
負荷への電力供給を制御する半導体スイッチング素子
と、少なくとも1個以上の前記負荷が接続された状態で
前記半導体スイッチング素子の端子間電圧特性と等価な
電圧特性を有し、且つ前記接続した負荷の数に応じた値
の基準電圧を発生する基準電圧発生手段と、前記半導体
スイッチング素子の端子間電圧と前記基準電圧との差を
検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前
記端子間電圧と前記基準電圧との差に応じて前記半導体
スイッチング素子をオン/オフ制御する制御手段と、を
具備することにある。
【0013】請求項2の発明の特徴は、入力される制御
信号に応じてスイッチング制御されることにより電源か
ら2個の負荷への電力供給を制御する半導体スイッチン
グ素子と、前記少なくとも1個の負荷が接続された状態
で前記半導体スイッチング素子の端子間電圧特性と等価
な電圧特性を有する第1の基準電圧を発生し、且つこの
第1の基準電圧の値を2段階に変化させる機能を有する
第1の基準電圧発生手段と、前記少なくとも1個の負荷
が接続された状態で前記半導体スイッチング素子の端子
間電圧特性と等価な電圧特性を有する第2基準電圧を発
生する第2の基準電圧発生手段と、前記半導体スイッチ
ング素子の端子間電圧と前記第1の基準電圧との差を検
出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段により検
出された前記端子間電圧と前記第1の基準電圧との差に
応じて前記半導体スイッチング素子をオン/オフ制御す
る制御手段と、前記半導体スイッチング素子の端子間電
圧と前記第2の基準電圧との差を検出して検出信号を出
力する第2の検出手段と、を具備し、前記第2の検出手
段から出力される検出信号により前記第1の基準電圧発
生手段により発生される前記第1の基準電圧の値を変化
させることにある。請求項3の発明の前記第2の検出手
段は、前記2個の負荷がランプであった場合の断線を検
出し、前記検出信号は断線検出信号として外部に出力さ
れる。
【0014】
【発明の実施の形態】まず、本発明の実施形態の説明の
前に、本発明の要部である電流振動型遮断機能付きスイ
ッチング回路による電源供給制御について説明する。
【0015】以下、本発明に係る電源供給制御装置およ
び電源供給制御方法について、図1乃至図6を参照して
詳細に説明する。以下の説明では、電源供給制御装置お
よび電源供給制御方法は、例えば自動車においてバッテ
リからの電源を選択的にランプ等の各負荷に供給して、
負荷への電力供給を制御する装置に適用した実施の形態
例について説明するが、本発明はこのような形態に限定
されるものではなく、電源から負荷への電力供給をスイ
ッチング制御する電源供給制御装置および電源供給制御
方法であればどのような形態であっても適用可能であ
る。
【0016】ここで、図1は本発明による電源供給制御
装置の回路構成図、図2は実施形態で使用する半導体ス
イッチ(サーマルFET)の詳細な回路構成図、図3、
図4および図5は実施形態の電源供給制御装置および電
源供給制御方法が利用する原理を説明する説明図、図6
は短絡故障時および通常動作時の実施形態の電源供給制
御装置における半導体スイッチの電流と電圧を例示する
波形図である。
【0017】本発明の第1の実施形態の電源供給制御装
置について、図1を参照して説明すると、本実施形態の
電源供給制御装置は、電源101の出力電圧VBを負荷
102に供給する経路に、半導体スイッチとしてのサー
マルFETQAのドレインD−ソースSを直列接続した
構成である。ここで、サーマルFETQAにはDMOS
構造のNMOS型を使用しているがPMOS型でも実現
可能である。
【0018】また同図において、サーマルFETQAを
駆動制御する部分については、FETQB、抵抗R1〜
R10、ツェナーダイオードZD1、ダイオードD1、
コンパレータCMP1、駆動回路111およびスイッチ
SW1を備えた構成である。なお、参照符号として抵抗
には“R”とそれに続く数字を使用しているが、以下の
説明では参照符号として使用すると共に、それぞれ該抵
抗の抵抗値をも表すものとする。また、図1中の点線で
囲った部分110aはアナログ集積化されるチップ部分
(電流振動型遮断機能付きスイッチング回路)を示す。
【0019】負荷102は例えばヘッドライトやパワー
ウィンドウの駆動モータ等々であり、ユーザ等がスイッ
チSW1をオンさせることにより機能する。駆動回路1
11には、コレクタ側が電位VPに接続されたソースト
ランジスタQ5と、エミッタ側が接地電位(GND)に
接続されたシンクトランジスタQ6とを直列接続して備
え、スイッチSW1のオン/オフ切換えによる切換え信
号に基づき、ソーストランジスタQ5およびシンクトラ
ンジスタQ6をオン/オフ制御して、サーマルFETQ
Aを駆動制御する信号を出力する。なお図中、VBは電
源101の出力電圧であり、例えば12[V]である。
また、VPはチャージポンプの出力電圧であり、例えば
VB+10[V]である。
【0020】半導体スイッチとしてのサーマルFETQ
Aは、より詳しくは図2に示すような構成を備えてい
る。図2において、サーマルFETQAは、内蔵抵抗R
G、温度センサ121、ラッチ回路122及び過熱遮断
用FETQSを備えている。なお、ZD1はゲートG−
ソースS間を12[V]に保ってゲートGに過電圧が印
加されようとした場合にこれをバイパスさせるツェナー
ダイオードである。
【0021】つまり、本実施形態で使用するサーマルF
ETQAは、サーマルFETQAが規定以上の温度まで
上昇したことが温度センサ121によって検出された場
合には、その旨の検出情報がラッチ回路122に保持さ
れ、ゲート遮断回路としての過熱遮断用FETQSがオ
ン動作となることによって、サーマルFETQAを強制
的にオフ制御する過熱遮断機能を備えている。
【0022】温度センサ121は4個のダイオードが縦
続接続されてなり、実装上、温度センサ121はサーマ
ルFETQAの近傍に配置形成されている。サーマルF
ETQAの温度が上昇するにつれて温度センサ121の
各ダイオードの抵抗値が減少するので、FETQ51の
ゲート電位が“L”レベルとされる電位まで下がると、
FETQ51がオン状態からオフ状態に遷移する。これ
により、FETQ54のゲート電位がサーマルFETQ
Aのゲート制御端子(G)の電位にプルアップされ、F
ETQ54がオフ状態からオン状態に遷移して、ラッチ
回路122に“1”がラッチされることとなる。このと
き、ラッチ回路122の出力が“H”レベルとなって過
熱遮断用FETQSがオフ状態からオン状態に遷移する
ので、サーマルFETQAの真のゲート(TG)の電位
レベルが“L”レベルとなって、サーマルFETQAが
オン状態からオフ状態に遷移して、過熱遮断されること
となる。
【0023】また、本実施形態の電源供給制御装置で
は、負荷102またはサーマルFETQAのドレインD
−ソースS間において発生する短絡故障による過電流、
或いは不完全短絡故障による異常電流に対する保護機能
をも備えている。以下、図1を参照して、この保護機能
を実現する構成について説明する。
【0024】先ず、特許請求の範囲にいう基準電圧発生
手段は、FET(第2半導体スイッチ)QBおよび抵抗
(第2負荷)Rrで構成されている。FETQBのドレ
インおよびゲートはそれぞれサーマルFETQAのドレ
イン(D)および真のゲート(TG)に接続され、FE
TQBのソース(SB)は抵抗Rrの一方の端子に接続
され、抵抗Rrの他の端子は接地電位(GND)に接続
されている。このように、FETQBおよびサーマルF
ETQAのドレイン(D)およびゲート(TG)を共通
化することにより同一チップ(110a)への集積化を
容易にすることができる。
【0025】また、FETQBおよびサーマルFETQ
Aは同一プロセスで同一チップ(110a)上に形成さ
れたものを使用することとして、温度ドリフトやロット
間のバラツキの影響を除去(削減)するようにしてい
る。また、FETQBの電流容量がサーマルFETQA
の電流容量よりも小さくなるように、それぞれのFET
を構成する並列接続のトランジスタ数を(FETQBの
トランジスタ数:1個)<(サーマルFETQAのトラ
ンジスタ数:1000個)となるように構成している。
【0026】さらに、抵抗Rrの抵抗値は、後述のよう
に負荷102の抵抗値×(FETQBのトランジスタ
数:1個/サーマルFETQAのトランジスタ数:10
00個)の値となるように設定される。この抵抗Rrの
設定により、サーマルFETQAに正常動作の負荷電流
(5[mA])が流れたときと同じドレイン−ソース間
電圧VDSをFETQBに発生させることができる。ま
た、以上のような回路規定により、FETQBおよび抵
抗Rrで構成される基準電圧発生手段の構成を極力小型
化することができ、実装スペースを縮小して装置コスト
を低減することができる。
【0027】可変抵抗RVはサーマルFETQAのソー
スSA抵抗R1,R2の分圧点との間に負荷102に対
して直列に接続されている。可変抵抗RVの抵抗値を変
えることにより第2負荷の抵抗値を等価的に可変設定す
る。即ち、チップ110aの外部に可変抵抗RVを設置
し、該可変抵抗RVを調整することにより基準電圧生成
手段の設定値(基準)を目標の仕様に設定することが可
能となる。これにより、アナログ集積化する場合でも1
種類のチップ110aで複数の仕様をカバーすることが
可能となる。
【0028】コンパレータCMP1は、特許請求の範囲
にいう検出手段の一部を成す。コンパレータCMP1の
“+”入力端子には、サーマルFETQAのドレインD
−ソースS間電圧VDSを抵抗R1と抵抗R2および可
変抵抗RVの並列抵抗(R2‖RV)とで分圧した電圧
が抵抗R5を介して供給されている。また、コンパレー
タCMP1の“−”入力端子には、FETQBのソース
電圧VSが供給されている。つまり、これら“+”およ
び“−”の両入力端子に供給される電位がほぼ一致した
ときに出力は有効(“H”レベル)となり、一致しない
ときに無効(“L”レベル)となる。なお、後述のよう
に、コンパレータCMP1は一定のヒステリシスを持っ
ている。
【0029】次に、以上説明した本実施形態の電源供給
制御装置の回路構成を踏まえて、電源供給制御方法を説
明する。具体的な動作説明を行う前に、図3、図4およ
び図5を参照して、本実施形態の電源供給制御装置およ
び電源供給制御方法が利用する原理について説明する。
ここで、図3はオフ状態からオン状態への遷移時のドレ
イン−ソース間電圧の立ち下がり特性の説明図、図4は
概念的回路図、図5はサーマルFETのドレイン電流と
ゲート−ソース間電圧との特性を説明する説明図であ
る。
【0030】半導体スイッチとしてサーマルFETQA
を使用した場合、電源101から負荷102への電力供
給経路は、概念的に図4に示すような回路として表され
る。負荷102には電力供給経路の配線インダクタンス
L0と配線抵抗R0とを含む。なお、経路または負荷1
02において短絡故障が発生した場合にはR0には短絡
抵抗も含まれることとなる。ここで短絡抵抗は、本実施
形態が適用対象としている自動車において負荷102を
ヘッドライトと仮定した場合には、上述の完全短絡(デ
ッドショート)の場合に約40[mΩ]以下であり、不
完全短絡の場合は約40〜500[mΩ]である。
【0031】このような電力供給経路の一部を成すサー
マルFETQAのドレイン−ソース間電圧VDSは、サ
ーマルFETQAがオフ状態からオン状態へ遷移する際
の立ち下がり電圧特性として、図3に示す如くなる。即
ち、短絡の場合、基準負荷(通常動作)の場合、負荷1
02が抵抗1[KΩ]の場合についての立ち下がり電圧
特性である。このように、立ち下がり特性は、電力供給
経路および負荷の状態、即ち、経路が持つ配線インダク
タンス並びに配線抵抗および短絡抵抗に基づく時定数に
応じて変化する。
【0032】このようなドレイン−ソース間電圧VDS
の特性の変化を利用して過電流検出を行う手法として、
以下で説明する手法の他に、所定タイミングで所定しき
い値との比較を行って過電流検出を行う手法が考えられ
るが、所定タイミングを規定する手段および所定しきい
値との比較手段を構成するために、コンデンサや複数の
抵抗といった部品を必要とし、これらの部品がばらつく
と検出誤差となってしまうという問題がある。また、コ
ンデンサが必要であり、該コンデンサはチップ内に搭載
できないことから、外付け部品が必要となり、装置コス
トのアップ要因となってしまうという問題もあった。
【0033】図3において、サーマルFETQAがオン
状態に遷移してドレイン−ソース間電圧VDSが飽和す
るまでの期間は、サーマルFETQAはピンチオフ領域
で動作する。
【0034】また、負荷102の抵抗が1[KΩ]のと
きのドレイン−ソース間電圧VDSの変化について、次
のように考察できる。つまり、第1に、例えば、サーマ
ルFETQAに日立製の「HAF2001」を使用した
場合、ドレイン電流ID=12[mA]だから、ゲート
−ソース間電圧VTGSは、ほぼしきい値電圧1.6
[V]に維持される。第2に、駆動回路111によるゲ
ート(G)への充電は継続されるから、このまま行くと
ゲート−ソース間電圧VTGSは上昇して行ってしまう
が、ドレイン−ソース間電圧VDSが低下して、ゲート
−ドレイン間の容量値CGDを増大させるので、ゲート
−ソース間電圧VTGSに達する電荷を吸収してしまう
ことになる。即ち、ドレイン−ソース間電圧VDSはゲ
ート−ソース間電圧VTGSに達した電荷が電位上昇を
生じさせないだけの容量を発生させるような速度で降下
することになる。これにより、ゲート−ソース間電圧V
TGSは約1.6[V]に維持される。
【0035】また、負荷抵抗=1[KΩ]時のドレイン
−ソース間電圧VDSの変化について、次のような解釈
も可能である。つまり、サーマルFETQAがオン状態
に遷移した後の各経過時点で、駆動回路111によって
ゲート(G)の送られる充電電荷を吸収し、真のゲート
(TG)の電圧VTGSを一定に保つうようなドレイン
−ソース間電圧VDSの値を表わしている。したがっ
て、ある経過時間の後にドレイン−ソース間電圧VDS
が図3の負荷抵抗=1[KG]時の曲線より上側にあれ
ば、ゲート−ソース間電圧VTGSは1.6[V]より
も高くなっていることを意味する。なお、ドレイン−ソ
ース間電圧VDSは図3の負荷抵抗=1[KΩ]時の曲
線より下側に来ることはない。
【0036】さらに、図3の負荷抵抗=1[KΩ]時の
曲線からの距離をΔVDSGAPとすると、ΔVDSG
AP×CGD分の電荷をゲート−ソース間電圧VTGS
から引き去れば、ゲート−ソース間電圧電圧VTGSは
1.6[V]になることを意味する。換言すれば、ゲー
ト−ソース間電圧VTGSは1.6[V]からこの電荷
分だけ電位が上昇していることを意味する。このことを
式で示せば次式となる。
【0037】
【数1】VTGS−1.6=ΔVDSGAP×CGD/
(CGS×CGD) 即ち、ΔVDSGAPは(ゲート−ソース間電圧VTG
S−1.6[V]に比例する。
【0038】また、ゲート−ソース間電圧VTGSとド
レイン電流IDとの間には、図5の特性に示すように、
比例に近い1対1の関係がある。ここで、図5の特性は
日立製の「HAF2001」のものであり、図中のVG
Sはここではゲート−ソース間電圧VTGSに相当す
る。したがって、ΔVDSGAPは図5の特性に示され
るような対応関係に基づいてドレイン電流IDを表すと
いうことができる。図5において、ドレイン電流ID=
10[A]近辺の分解能は約80[mV/A]である。
即ち、1[A]のドレイン電流IDが80[mV]のゲ
ート−ソース間電圧VTGSに対応し、±5[A]のド
レイン電流IDの変化に対して±0.4[V]のゲート
−ソース間電圧VTGSの変化が対応する。なお、この
分解能は従来例においてシャント抵抗RS=80[m
Ω]相当の分解能に相当します。
【0039】なお、ドレイン電流IDがゼロの時はゲー
トを充電する回路およびミラー容量だけでドレイン−ソ
ース間電圧VDSの曲線は決まるが、ドレイン電流ID
が流れると、回路のインダクタンスLcおよび回路全体
の抵抗Rcの影響を受けることになる。完全短路(デッ
ドショート)のようにドレイン電流IDが大きくなる
と、ドレイン電流IDの立ち上り勾配はインダクタンス
Lc及び抵抗Rcでほぼ決まるので、ドレイン電流ID
の立上がり勾配は一定値に収れんし、したがって、ゲー
ト−ソース間電圧VTGSの曲線も収れんすることとな
る。
【0040】図5に示される特性には温度の特異点が存
在する。日立製の「HAF2001」の場合、ドレイン
電流ID=15[A]、ゲート−ソース間電圧VTGS
=3.3〜3.4[V]の付近である。通常の正常負荷
電流はほぼ15[A]以下なので、特異点の下側に来る
ことになる。この下側の領域では、同じドレイン電流I
Dに対し、温度上昇に応じてゲート−ソース間電圧VT
GSは小さくなる。したがって、高温条件下でも誤作動
が低減されることになり有利といえる。
【0041】また、ゲートを充電する回路が異なると、
同じ負荷電流に対してドレイン−ソース間電圧VDSの
曲線は変わってくる。したがって、ゲート充電電流は常
に同じ条件を保つ必要がある。なお、ゲート充電電流を
減らせばドレイン−ソース間電圧VDSの曲線は上方に
シフトすることになる。この性質を利用して、同じドレ
イン電流IDに対してドレイン−ソース間電圧VDSを
増大させるようにすれば、過熱遮断保護機能による過熱
遮断を促進させることができる。後述の過熱遮断促進回
路(過熱遮断促進回路)はこれを利用したものである。
【0042】次に、以上の考察を踏まえて、本実施形態
の電源供給制御装置の動作を説明する。先ず、サーマル
EFTQAおよび基準電圧生成手段(FETQB、抵抗
Rr)について説明する。サーマルFETQAおよびF
ETQBがピンチオフ領域で動作しているときは、カレ
ントミラー(Current mirror)回路が構
成され、ドレイン電流IDGA=1000×ドレイン電
流IDGSとなる。
【0043】したがって、サーマルFETQAのドレイ
ン電流としてIDQA=5[A]、FETQBのドレイ
ン電流としてIDQB=5[mA]がそれぞれ流れてい
るときは、サーマルFETQAおよびFETQBのそれ
ぞれのドレイン−ソース間電圧VDSとゲート−ソース
間電圧VTGSは一致する。即ち、VDSA=VDS
B,VTGSA=VTGSBとなる。ここで、VDSA
=VDSBはそれぞれサーマルFETQA、FETQB
のドレイン−ソース間電圧であり、VTGSA=VTG
SBはそれぞれサーマルFETQA、FETQBのゲー
ト−ソース間電圧である。
【0044】したがって、FETQBが完全にオン状態
に遷移しているときは、抵抗Rrの両端にほぼ電源電圧
VBが印加されるから、サーマルFETQAに接続する
5[A]負荷に等価なFETQBの負荷として、抵抗R
rの抵抗値は、Rr=12[V]/5[mA]−1.4
[KΩ]として決定される。
【0045】このように、ここでは、サーマルFETQ
Aに5[A]の負荷電流が流れたときのドレイン−ソー
ス間電圧VDSの値(曲線)を基準とするが、サーマル
FETQAに対してトランジスタ数比(=電流容量比)
の小さいFETQBを用いて基準電圧生成手段を構成す
ることにより、基準電圧生成手段をより小型化して、小
さなチップ占有面積で要求機能を実現できるわけであ
る。さらに、上述のように、FETQBとサーマルFE
TQAと同一プロセスで、同一チップ上に構成すること
により、ロット間ばらつき、温度ドリフトの影響を除去
することができて、検出精度を大幅に改善できる。
【0046】次に、ピンチオフ領域における動作につい
て説明する。サーマルFETQAがオン状態に遷移する
と、ドレイン電流はIDQAは回路抵抗で決まる最終負
荷電流値を目指して立ち上がっていく。また、サーマル
FETQAのゲート−ソース間電圧VTGSAは、ドレ
イン電流IDQAで決まる値を取り、ドレイン−ソース
間電圧VDSAの低下によるコンデンサ容量CGDのミ
ラー効果でブレーキをかけられながら、これも立ち上が
っていく。さらに、FETQBのゲート−ソース間電圧
VTGSBは、ドレイン電流IDQB=5[mA](ド
レイン電流IDQA=5[A]に相当)までは、ゲート
−ソース間電圧VTGSB=VTGSAで増加していく
が、それ以降はドレイン電流IDQB=5[mA]一定
になるため(ピンチオフ領域内で一定になる)、ゲート
−ソース間電圧VTGSBも一定になり、日立製の「H
AF2001」の場合は、約2.7[V]一定になる。
【0047】また、サーマルFETQAのゲート−ソー
ス間電圧VTGSAは、ドレイン電流IDQAの増加に
応じて大きくなっていくので、ゲート−ソース間電圧は
VTGSB<VTGSAとなる。また、VDSA=VT
GSB+VTGD,VDSB=VTGSB+VTGDの
関係があるから、VDSA−VDSB=VTGSA−V
TGSBとなる。ここで、ゲート−ソース間電圧の差V
TGSA−VTGSBは、ドレイン電流IDQA−5
[A]を表わすから、ドレイン−ソース間電圧の差VD
SA−VDSBを検出することにより、ドレイン電流I
DQA−5[A]を得ることができる。
【0048】FETQBのドレイン−ソース間電圧VD
SBはコンパレータCMP1に直接入力され、サーマル
FETQAのドレイン−ソース間電圧VDSAはR1と
抵抗R2で分圧した値(ここでは可変抵抗RVについて
考慮に入れないものとする)がコンパレータCMP1に
入力される。即ち、 VDSA×R1/(R1+R2)………(1) がコンパレータCMP1に入力されることになる。サー
マルFEGQAがオン状態に遷移した直後は、FETQ
Bのドレイン−ソース間電圧VDSB>(1)である
が、サーマルFETQAのドレイン電流IDQAが増加
するに連れて(1)は増加し、ついにはFETQBのド
レイン−ソース間電圧VDSBより大きくなり、この
時、コンパレータCMP1の出力は“H”レベルから
“L”レベルに変化して、サーマルFETQAをオフ状
態に遷移させる。
【0049】なお、コンパレータCMP1では、ダイオ
ードD1と抵抗R5でヒステリシスが形成されている。
サーマルFETQAがオフ状態に遷移したとき、駆動回
路111のシンクトランジスタQ6によりゲート電位は
接地され、ダイオードD1のカソード側電位は、VDS
B−0.7[V](ツェナーダイオードZD1の順方向
電圧)になるので、抵抗R1→抵抗R5→ダイオードD
1の経路で電流が流れ、コンパレータCMP1の“+”
入力端子の電位は、駆動回路111がオン制御している
ときより低下する。したがって、オフ状態に遷移したと
きより小さいドレイン−ソース間電圧の差VDSA−V
DSBまでサーマルFETQAはオフ状態を維持し、そ
の後オン状態に遷移することとなる。なお、ヒステリシ
ス特性の付け方にはいろいろな方法があるが、これはそ
の一例である。
【0050】サーマルFETQAがオフ状態に遷移する
ときのドレイン−ソース間電圧VDSAをしきい値VD
SAthとすると、次式が成立する。
【0051】
【数2】 VDSAth−VDSA=R2/R1×VDSB(at5[mA])…… …(2) 過電流判定値は(2)式で決まることになる。なお、過
電流判定値を変更するには、チップ110a外部に接地
されている抵抗R2に並列接続の可変抵抗RVを調整す
る。この調整により過電流判定値を下方にシフトさせる
ことができる。
【0052】次に、オーミック領域における動作につい
て説明する。配線が正常な状態で、サーマルFETQA
がオン状態に遷移すると、サーマルFETQAは連続的
にオン状態を維持することとなるので、ゲート−ソース
間電圧VTGSA、VTGSBは10[V]近くまで達
し、サーマルFETQA,FETQBともオーミック領
域で動作する。
【0053】この領域ではドレイン−ソース間電圧VD
Sとドレイン電流IDの間には1対1の関係は無くな
る。日立製の「HAF2001」の場合、オン抵抗がド
レイン−ソース間電圧VDS=10[V]のとき、RD
S(ON)=30[mΩ]であるので、次式となる。
【0054】
【数3】 VDSB=5[A]×30[mΩ]=0.15[V] VDSA=IDQA×30[mΩ] VDSA−VDSB=30[mΩ]×(IDQA−5[A])……(3) また、配線の短絡等でドレイン電流IDQAが増加する
と式(3)の値が大きくなり、過電流判定値を超えると
サーマルFETQAをオフ状態に遷移させる。この後は
上記ピンチオフ領域の状態に移り、サーマルFETQA
はオン状態およびオフ状態への遷移を繰り返して、最終
的に過熱遮断に至る。なお、過熱遮断に至る前に、配線
が正常に復帰すれば、(間欠的短絡故障の例)、サーマ
ルFETQAは連続的にオン状態を維持するようにな
り、オーミック領域の動作に戻る。
【0055】図6には、本実施形態の電源供給制御装置
におけるサーマルFETQAの電流と電圧の波形図を例
示している。ここで、図6(a)はドレイン電流ID
(A)を、図6(b)ドレイン−ソース間電圧VDSを
それぞれ示し、図中、は完全短絡(デッドショート)
の場合、は通常動作の場合、は不完全短絡の場合で
ある。
【0056】完全短絡(デッドショート)が発生してい
る場合(図中)には、サーマルFETQAがオフ状態
からオン状態に遷移したとき、ドレイン電流IDが急激
に流れるが、サーマルFETQAのオン状態を継続し
て、サーマルFETQAを過熱させ、過熱遮断の保護機
能、即ち過熱遮断用FETQSのオン状態への遷移によ
ってサーマルFETQAを過熱遮断する。
【0057】また、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短
絡が発生している場合(図中)には、上述のようにサ
ーマルFETQAのオン/オフ制御を繰り返して行っ
て、ドレイン電流IDを大きく変動させ、サーマルFE
TQAの周期的な発熱作用によって、過熱遮断の保護機
能、即ち過熱遮断用FETQSのオン状態への遷移によ
ってサーマルFETQAを過熱遮断を速めている。
【0058】以上説明したように、本実施形態の電源供
給制御装置および電源供給制御方法では、電流検出を行
うために電力の供給経路に直列接続される従来のような
シャント抵抗を不要とし、シャント抵抗を用いずに高精
度の過電流検出が可能であり、装置全体としての熱損失
を抑えることができ、また、完全短絡による過電流検出
のみならず、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡など
のレアショートが発生した場合の異常電流をもハードウ
ェア回路によって連続的に検出可能である。
【0059】また、不完全短絡の場合、サーマルFET
QAのオン/オフ制御を繰り返し行って電流を大きく変
動させ、半導体スイッチの周期的な発熱作用によって過
熱保護機能によるサーマルFETQAの遮断(オフ制
御)を速めることができる。さらに、マイコンを用いな
いハードウェア回路のみで構成して半導体スイッチのオ
ン/オフ制御を行えるため、電源供給制御装置の実装ス
ペースを縮小でき、装置コストを大幅に削減することが
できる。
【0060】また、本実施形態と同様に、ドレイン−ソ
ース間電圧VDSの特性の変化を利用するものの所定タ
イミングで所定しきい値との比較を行って過電流検出を
行う他の手法と比較して、コンデンサや複数の抵抗とい
った部品が不要になるので、該部品のバラツキによる検
出誤差がより低減できるとともに、チップ110aに対
する外付けコンデンサも不要であることから、実装スペ
ースおよび装置コストをより削減することができる。
【0061】さらに、可変抵抗RVの調整により、負荷
102の種別(ヘッドランプ、駆動モータ等)に応じた
完全短絡、不完全短絡の切り分けを確実に検出すること
が可能となり、短絡故障に対する保護を精度良く行うこ
とができる。
【0062】本発明は、上述の如き電流振動型遮断機能
付きスイッチング回路110aを改良して複数の負荷に
電力を供給する時、電力を供給する負荷の数に合わせて
適切な過電流設定を行って、過電流制限に際して電力の
無駄が生じないようにしたものであり、その実施形態を
以下に説明する。
【0063】図7は、本発明の電流振動型遮断機能付き
スイッチング回路の一実施の形態を示した回路図であ
る。
【0064】電流振動型遮断機能付きスイッチング回路
1は、スイッチング制御されて負荷2A、2Bへの電力
供給を行うサーマルFET11(図2に示したものと同
じ構造)、サーマルFET11をスイッチング制御して
駆動するドライバ12、負荷2A、2Bに流れる過電流
を検出する過電流検出回路13及び負荷2A又は2Bの
断線を検出して、断線検出信号100を出力する断線検
出回路14を有している。
【0065】ここで、過電流検出回路13はサーマルF
ET11のドレイン、ソース間電圧特性と同一の特性の
基準電圧を発生するFET131に直列接続された抵抗
Rr1、Rr2と、この抵抗Rr2に並列接続されたト
ランジスタTr及び過電流を検出する比較回路132か
ら成っている。断線検出回路14はサーマルFET11
のドレイン、ソース間電圧特性と同一の特性の基準電圧
を発生するFET141と抵抗Rr1及び断線を検出す
る比較回路142から成っている。
【0066】次に本実施の形態の動作について説明す
る。ドライバ12が動作してサーマルFET11のゲー
トにスイッチング信号を出力してサーマルFET11を
駆動すると、電源VBから電力を負荷2A、2Bに供給
し、負荷2A、2Bが自動車のテールランプであった場
合は2灯が点灯する。
【0067】この時、ドライバ12によりFET13
1、141も同様にスイッチングされるため、抵抗Rr
1と抵抗Rr2の直列回路に基準電圧が発生し、又、抵
抗Rr3に基準電圧が発生して、比較回路132及び比
較回路142がそれぞれの基準電圧とサーマルFET1
1の端子間電圧との差を比較する動作が行われるため、
過電流検出回路13及び断線検出回路14も動作状態と
なっている。但し、通常時トランジスタTrはオフで上
記したように抵抗Rr1と抵抗Rr2の直列接続回路に
高い基準電圧が発生している。
【0068】その後、何らかの原因で負荷2Bが球切れ
して断線した場合、サーマルFET11から負荷側に供
給する電力は約半分になり、その電流も約半分になる。
【0069】このような断線が起きると、サーマルFE
T11の端子間電圧が変化するため、断線検出回路14
の比較回路142はこれを検出し、断線検出信号100
を出力する。尚、抵抗Rr3の値は、負荷2A、2Bの
いずれかが断線した場合に比較回路142の出力が反転
してハイレベルにする基準電圧が発生されるように設定
されているものとする。この断線検出信号100は外部
に出力されてワーニングなどに使用されると共に、トラ
ンジスタTrのベースに入力されて、このトランジスタ
Trをオンさせる。
【0070】これにより、過電流検出回路13の抵抗R
r2の端子間が短絡され、過電流検出回路13の基準電
圧は図8の(2)に示すように低い値に設定され、比較
回路132は1個の負荷2Aに対応した過電流検出を行
う。
【0071】尚、抵抗R2はトランジスタTrのベース
バイアス抵抗で、又、断線検出回路14が断線を検出し
ていない期間、比較回路141の出力はローレベルであ
るため、トランジスタTrはオフしている。これによ
り、過電流検出回路13の基準電圧は図8の(1)で示
すように高くなっており、過電流検出回路13の比較回
路132は2個の負荷2A、2Bに対応した過電流検出
を行う。
【0072】ここで、負荷側で短絡が生じ、過電流がサ
ーマルFET11に流れると、サーマルFET11の端
子間電圧が変化するため、過電流検出回路13の比較回
路132は前記端子間電圧と基準電圧(1)又は(2)
との一致から過電流検出を行って、これをドライバ12
に出力する。ドライバ12は前記短絡がレアーショート
した場合、サーマルFET11のオン、オフを繰り返す
制御を行って、サーマルFET11の加熱促進を行うこ
とにより、サーマルFET11を短時間に加熱シャット
ダウンして、過電流保護を行う。又、前記短絡が完全シ
ョートの場合、サーマルFET11に大電流が流れて、
サーマルFET11は瞬時に加熱シャットダウンして、
過電流保護が行なわれる。
【0073】本実施の形態によれば、負荷2A、2Bの
いずれも正常な場合と、負荷2A、2Bのいずれか一方
が断線して、サーマルFET11を流れる電流が減少し
た場合、過電流検出回路13の過電流検出用の基準電圧
の値を基準電圧(1)又は(2)のいずれかに切り換え
るため、それぞれの負荷電流に対応した適切な過電流検
出を行うことができる。
【0074】これにより、負荷2A、2Bのいずれも正
常な場合、例えば過電流設定値を10Aに設定し、負荷
2A、2Bのいずれか一方が断線した場合、過電流設定
値を例えば5Aに設定することができるため、従来のよ
うに負荷2A、2Bのいずれか一方が断線した場合も、
過電流検出が10Aのままで、7A流れても過電流検出
をせず、無駄な電力が消費されてしまうことを防止する
ことができる。このため、バッテリーから無駄な電力を
供給しなくて済むので、駐車時、テールランプなどが点
灯していた場合のバッテリー上がりを防ぐこともでき
る。
【0075】尚、上記実施の形態では、負荷が2個の場
合について、過電流設定値を2段階に切り換える制御を
行ったが、負荷が3個以上の場合は、断線検出信号を出
すと共に、何個断線したかを検出する信号を出すことに
より、過電流設定値を3段階以上の複数段階切り換え
て、それぞれの場合に適切な過電流設定を行って、上記
と同様の効果を得ることができる。
【0076】又、本例も、電流振動型遮断機能付きスイ
ッチング回路1を用いたため、電力の供給経路に直列接
続される従来のようなシャント抵抗を不要とし、シャン
ト抵抗を用いずに高精度の過電流検出が可能であり、装
置全体としての熱損失を抑えることができ、また、完全
短絡による過電流検出のみならず、ある程度の短絡抵抗
を持つ不完全短絡などのレアショートが発生した場合の
異常電流をもハードウェア回路によって連続的に検出可
能で、過電流保護を行うことができる。更に、マイコン
を用いないハードウェア回路のみでサーマルFETのオ
ン/オフ制御が行えるため、電源供給制御系の実装スペ
ースを縮小でき、装置コストを大幅に削減することがで
きるなどの利点を有している。
【0077】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の電
流振動型遮断機能付きスイッチング回路によれば、複数
の負荷に電力を供給する時、電力を供給する負荷の数に
合わせて適切な過電流設定を行って、過電流制限に際し
て電力の無駄が生じないようにすることができ、電源が
バッテリーの場合、バッテリーから無駄な電力を供給し
なくて良いので、バッテリーの能力を上げることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電源供給制御装置の回路構成図で
ある。
【図2】実施形態で使用する半導体スイッチ(サーマル
FET)の詳細な回路構成図である。
【図3】実施形態の電源供給制御装置および電源供給制
御方法が利用する原理を説明する説明図である。
【図4】実施形態の電源供給制御装置および電源供給制
御方法が利用する原理を説明する説明図である。
【図5】実施形態の電源供給制御装置および電源供給制
御方法が利用する原理を説明する説明図である。
【図6】短絡故障時および通常動作時の実施形態の電源
供給制御装置における半導体スイッチの電流と電圧を例
示する波形図である。
【図7】本発明の電流振動型遮断機能付きスイッチング
回路の一実施の形態を示した回路図である。
【図8】図7に示した過電流検出回路の基準電圧の設定
変更例を示した図である。
【図9】従来の電源供給制御回路の一例を示した構成図
である。
【符号の説明】
1 電流振動型遮断機能付きスイッチング回路 2A、2B 負荷 11 サーマルFET 12 ドライバ 13 過電流検出回路 14 断線検出回路 131、141 FET 132、142 比較回路 R2、Rr1、Rr2、Rr3 抵抗 Tr トランジスタ VB 電源
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月7日(1999.4.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図4】
【図9】
【図3】
【図5】
【図6】
【図8】
【図7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G004 AA04 AB03 BA04 DA04 DC02 EA01 5J055 AX08 AX12 AX15 AX31 AX36 AX47 AX64 BX16 CX13 CX20 CX22 CX28 DX13 DX14 DX22 DX53 DX54 DX73 DX83 EX01 EX02 EX04 EX06 EX10 EX11 EX23 EY01 EY02 EY03 EY05 EY12 EY13 EY17 EY21 EZ04 EZ07 EZ10 EZ31 EZ43 FX05 FX06 FX07 FX38 GX01 GX05 GX06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される制御信号に応じてスイッチン
    グ制御されることにより電源から複数の負荷への電力供
    給を制御する半導体スイッチング素子と、 少なくとも1個以上の前記負荷が接続された状態で前記
    半導体スイッチング素子の端子間電圧特性と等価な電圧
    特性を有し、且つ前記接続した負荷の数に応じた値の基
    準電圧を発生する基準電圧発生手段と、 前記半導体スイッチング素子の端子間電圧と前記基準電
    圧との差を検出する検出手段と、 前記検出手段により検出された前記端子間電圧と前記基
    準電圧との差に応じて前記半導体スイッチング素子をオ
    ン/オフ制御する制御手段と、 を具備することを特徴とする電源供給制御回路。
  2. 【請求項2】 入力される制御信号に応じてスイッチン
    グ制御されることにより電源から2個の負荷への電力供
    給を制御する半導体スイッチング素子と、 前記少なくとも1個の負荷が接続された状態で前記半導
    体スイッチング素子の端子間電圧特性と等価な電圧特性
    を有する第1の基準電圧を発生し、且つこの第1の基準
    電圧の値を2段階に変化させる機能を有する第1の基準
    電圧発生手段と、 前記少なくとも1個の負荷が接続さ
    れた状態で前記半導体スイッチング素子の端子間電圧特
    性と等価な電圧特性を有する第2基準電圧を発生する第
    2の基準電圧発生手段と、 前記半導体スイッチング素子の端子間電圧と前記第1の
    基準電圧との差を検出する第1の検出手段と、 前記第1の検出手段により検出された前記端子間電圧と
    前記第1の基準電圧との差に応じて前記半導体スイッチ
    ング素子をオン/オフ制御する制御手段と、 前記半導体スイッチング素子の端子間電圧と前記第2の
    基準電圧との差を検出して検出信号を出力する第2の検
    出手段と、 を具備し、 前記第2の検出手段から出力される検出信号により前記
    第1の基準電圧発生手段により発生される前記第1の基
    準電圧の値を変化させることを特徴とする電源供給制御
    回路。
  3. 【請求項3】 前記第2の検出手段は、前記2個の負荷
    がランプであった場合の断線を検出し、前記検出信号は
    断線検出信号として外部に出力されることを特徴とする
    請求項2記載の電源供給制御回路。
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