JP2000236247A - 電源供給制御装置 - Google Patents

電源供給制御装置

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JP2000236247A
JP2000236247A JP11074265A JP7426599A JP2000236247A JP 2000236247 A JP2000236247 A JP 2000236247A JP 11074265 A JP11074265 A JP 11074265A JP 7426599 A JP7426599 A JP 7426599A JP 2000236247 A JP2000236247 A JP 2000236247A
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fet
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Akira Baba
晃 馬場
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温下においても、電力供給及び過電流保護
等の動作信頼性を保持すること。 【解決手段】 電流振動型遮断機能付きスイッチング回
路のサーマルFETが加熱遮断した場合で、しかも、そ
の周囲温度が所定温度以下の低温の場合のみ、加熱遮断
検出回路は前記加熱遮断を検出し、その検出信号を外部
に出力する。この検出信号をマイコンなどでカウントし
て、そのカウント値が無故障を保証する低温での加熱遮
断回数に近付くと、これを運転者に報知する。そこで、
電流振動型遮断機能付きスイッチング回路を交換すれ
ば、低温下においても、電流振動型遮断機能付きスイッ
チング回路の動作信頼性を保持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体スイッチン
グ素子により負荷への電力供給を制御する電源供給制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車等のランプ負荷等にバッ
テリー電源から電力を供給する際には、電源供給制御装
置を通して各負荷に電力を供給していた。このような電
源供給装置には、過電流保護のため、加熱遮断機能を有
する半導体スイッチング素子が使用されている。
【0003】図8は従来のこの種の電源供給制御装置の
構成例を示した回路図である。本従来例の電源供給制御
装置は、電源VBの出力電圧をヘッドライトやパワーウ
ィンドウの駆動モーダ等々の負荷10に供給する経路
に、シャント抵抗RS及びサーマルFET1のドレイ
ン、ソースを直列接続した構成を有している。
【0004】また、シャント抵抗RSを流れる電流を検
出してハードウェア回路によりサーマルFET1の駆動
を制御するドライバ2と、このドライバ2でモニタした
電流値に基づいてサーマルFET1の駆動信号をオン、
オフ制御するA/D変換器3及びマイコン(CPU)4
を備えている。
【0005】半導体スイッチング素子としてのサーマル
FET1は、図示しない温度センサを内蔵してサーマル
FET1が規定以上の温度まで上昇した場合には、内蔵
するゲート遮断回路によってサーマルFET1を強制的
にオフ制御する過熱遮断機能を備えている。
【0006】ここで、図中のRGは内蔵抵抗であり、Z
D1はサーマルFET1のゲート、ソース間を12
[V]に保って、ゲートに過電圧が印加されようとした
場合に、これをバイパスさせるツェナーダイオードであ
る。
【0007】上記のような電源供給制御装置では、負荷
10またはサーマルFET1のドレイン、ソース間にお
ける過電流に対する保護機能をも備えている。即ち、ド
ライバ2は、電流モニタ回路としての差動増幅器91、
93と、電流制限回路としての差動増幅器92と、チャ
ージポンプ回路94と、マイコン4からのオン/オフ制
御信号および電流制限回路からの過電流判定結果に基づ
き、内部抵抗RGを介してサーマルFET1のゲートを
駆動する駆動回路95を備えて構成されている。
【0008】シャント抵抗RSの電圧降下に基づき差動
増幅器92を介して、電流が判定値(上限)を超えたと
して過電流が検出された場合には、駆動回路95によっ
てサーマルFET1をオフ動作とし、その後、電流が低
下して判定値(下限)を下回ったらサーマルFET1を
オン動作させる。
【0009】一方、マイコン4は、電流モニタ回路(差
動増幅器91、93)を介して電流を常時モニタしてお
り、正常値を上回る異常電流が流れていれば、サーマル
FET1の駆動信号をオフすることにより、サーマルF
ET1をオフ動作させる。
【0010】尚、マイコン4からオフ制御の駆動信号が
出力される前に、サーマルFET1の温度が規定値を超
えていれば、過熱遮断機能によってサーマルFET1は
オフ動作となる。
【0011】図9は図8に示したサーマルFET1の概
略構成例を示した回路図である。メインのパワーMOS
FET41のゲートとソースの間にサブのFET42が
接続されている。このFET42のゲートにはラッチ回
路44の出力側が接続され、ラッチ回路44の入力側に
はパワーMOSFET41の温度を測定する温度センサ
43が接続されている。
【0012】入力端子40に図示されないドライバから
のスイッチング信号が入力されると、スイッチング信号
は抵抗R1を介してFET41のゲートに入力され、こ
のFET41をスイッチングして駆動する。これによ
り、電源VBからの電力がFET41を通して負荷側に
供給される。
【0013】この時、前記スイッチング信号が抵抗R2
を介して温度センサ43に入力されることにより、温度
センサ43が動作して、FET41の温度を測定する。
負荷側の短絡などにより、過電流がFET41に流れ
て、その温度が上昇して規定値を超えると、温度センサ
43からハイレベルの信号がラッチ回路44に出力され
る。
【0014】これにより、ラッチ回路44はハイレベル
の信号をラッチし、以降、FET42のゲートをハイレ
ベルにして、FET42をオンにする。このため、FE
T41のゲート、ドレイン間が短絡され、FET41が
オフしてサーマルシャットダウンし、負荷側への電力の
供給が遮断される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
サーマルFET1は加熱遮断機能を持っていて、ジャン
クション温度(175℃)以上ではサーマルシャットダ
ウンを働かせ、自分自身を守るようになっている。しか
しながら、周囲温度が低い(−40℃)状態でパッケー
ジ全体の温度が上がるような緩慢な電流での加熱遮断に
おいては、チップの半田付け部、電極Al部分での熱疲
労が見られ、故障の原因となる。
【0016】従って、常温での加熱遮断回数が100万
回でも故障しない(短時間での温度上昇)素子でも、電
流制限をかけることによって発熱ロスを大きくすると、
無故障での加熱遮断回数が約1/10まで減少してしま
うし、特に周囲温度が−40℃程度においては、無故障
での加熱遮断回数が数千回とかなり少ない回数となって
しまい、電源供給制御装置の信頼性がかなり悪化すると
いう問題があった。
【0017】又、従来の電源供給制御装置では、電流検
出を行うために電力の供給経路に直列接続されるシャン
ト抵抗RSを必要とした構成であり、近年のサーマルF
ET1のオン抵抗の低減に伴う負荷の大電流化により、
シャント抵抗の熱損失が無視できないという問題があっ
た。
【0018】また、上述の加熱遮断能や過電流制限回路
は、負荷10や配線にほぼ完全な短絡状態が発生して大
電流が流れる場合には機能するが、ある程度の短絡抵抗
を持つ不完全短絡などのレアショートが発生して小さい
短絡電流が流れた場合には機能せず、電流のモニタ回路
を介してマイコン4により異常電流を検出してサーマル
FET1をオフ制御するしかなく、このような異常電流
に対するマイコン制御による応答性が悪いという事情も
あった。
【0019】更に、シャント抵抗RSやA/D変換器
3、マイコン4等が必要であるため、大きな実装スペー
スが必要であり、またこれらの比較的高価な部品により
装置コストが高くなってしまうという問題もあった。
【0020】本発明は、上述の如き従来の課題を解決す
るためになされたもので、その目的は、低温下において
も、その動作信頼性を保持することができ、並びに、電
流検出を行うために電力の供給経路に直列接続されるシ
ャント抵抗を不要として装置の熱損失を抑え、ある程度
の短絡抵抗を持つ不完全短絡などのレアショートが発生
した場合の異常電流に対しても高速応答を可能とし、集
積化が容易で且つ安価な電流振動型遮断機能付きスイッ
チング回路を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明の特徴は、入力される制御信号に応
じてスイッチング制御されることにより電源から負荷へ
の電力供給を制御し、加熱遮断機能を有する半導体スイ
ッチング素子と、前記負荷が接続された状態で前記半導
体スイッチング素子の端子間電圧特性と等価な電圧特性
を有する基準電圧を発生する基準電圧発生手段と、前記
半導体スイッチング素子の端子間電圧と前記基準電圧と
の差を検出する検出手段と、前記検出手段により検出さ
れた前記端子間電圧と前記基準電圧との差に応じて前記
半導体スイッチング素子をオン/オフ制御する制御手段
と、前記半導体スイッチング素子が置かれる周囲温度を
検出する温度検出手段と、前記温度検出手段が所定温度
以下を検出している時のみ、前記半導体スイッチング素
子が加熱遮断したことを検出する加熱遮断検出手段と、
を具備することにある。
【0022】請求項2の発明の特徴は、前記加熱遮断検
出手段による加熱遮断検出回数をカウントし、このカウ
ント値が所定回数になると、これを報知することにあ
る。
【0023】請求項3の発明の前記加熱遮断機能を有す
る半導体スイッチング素子はサーマルFETである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の電源供給制御装置
の一実施の形態の構成を示した回路図である。電源供給
制御装置は、電源VBから負荷10への電力供給を制御
する電流振動型遮断機能付きスイッチング部101、こ
のスイッチング部101の信頼性を向上するために用い
られる加熱遮断検出回路102及び前記電流振動型遮断
機能付きスイッチング部101が置かれる周囲温度を測
定する温度検出回路103から成っている。
【0025】電流振動型遮断機能付きスイッチング部1
01は、既に筆者等が特願平10−373877号で説
明したものと同じである。その構成は、主にスイッチン
グ制御されることにより電源VBからの電力を負荷10
に供給するサーマルFET11と、このサーマルFET
11をスイッチング制御する駆動回路13と、負荷10
側の過電流を検出する過電流検出回路12から成ってい
る。
【0026】ここで、図1〜図6を参照して上記電流振
動型遮断機能付きスイッチング部101を有する電源供
給制御装置について説明する。
【0027】図2は実施形態で使用する半導体スイッチ
(サーマルFET)の詳細な回路構成図、図3、図4お
よび図5は実施形態の電源供給制御装置および電源供給
制御方法が利用する原理を説明する説明図、図6は短絡
故障時および通常動作時の実施形態の電源供給制御装置
における半導体スイッチの電流と電圧を例示する波形図
である。
【0028】図1において、本実施形態の電源供給制御
装置は、電源電圧VBを負荷10に供給する経路に、半
導体スイッチとしてのサーマルFET11のドレインD
−ソースSを直列接続した構成である。ここで、サーマ
ルFET11にはDMOS構造のNMOS型を使用して
いるがPMOS型でも実現可能である。
【0029】また同図において、サーマルFET11を
駆動制御する部分については、FET121、抵抗R1
〜R8、ツェナーダイオードZD1、ダイオードD1、
コンパレータCMP1、駆動回路13を備えた構成であ
る。なお、参照符号として抵抗には“R”とそれに続く
数字を使用しているが、以下の説明では参照符号として
使用すると共に、それぞれ該抵抗の抵抗値をも表すもの
とする。また、図1中の線で囲った部分101(電流振
動型遮断機能付きスイッチング部)はアナログ集積化さ
れるチップ部分を示す。
【0030】負荷10は例えばヘッドライトやパワーウ
ィンドウの駆動モータ等々であり、ユーザ等がスイッチ
をオンさせることにより機能する。駆動回路13には、
コレクタ側が電位VPに接続されたソーストランジスタ
Q5と、エミッタ側が接地電位(GND)に接続された
シンクトランジスタQ6とを直列接続して備え、スイッ
チのオン/オフ切換えによる切換え信号に基づき、ソー
ストランジスタQ5およびシンクトランジスタQ6をオ
ン/オフ制御して、サーマルFETQAを駆動制御する
信号を出力する。なお図中、VBは電源の出力電圧であ
り、例えば12[V]である。また、VPはチャージポ
ンプの出力電圧であり、例えばVB+10[V]であ
る。
【0031】半導体スイッチとしてのサーマルFET1
1は、より詳しくは図2に示すような構成を備えてい
る。図2において、サーマルFET11は、内蔵抵抗R
G、温度センサ121、ラッチ回路122及び過熱遮断
用FETQSを備えている。なお、ZD1はゲートG−
ソースS間を12[V]に保ってゲートGに過電圧が印
加されようとした場合にこれをバイパスさせるツェナー
ダイオードである。
【0032】つまり、本実施形態で使用するサーマルF
ET11は、サーマルFET11が規定以上の温度まで
上昇したことが温度センサ121によって検出された場
合には、その旨の検出情報がラッチ回路122に保持さ
れ、ゲート遮断回路としての過熱遮断用FETQSがオ
ン動作となることによって、サーマルFET11を強制
的にオフ制御する過熱遮断機能を備えている。
【0033】温度センサ121は4個のダイオードが縦
続接続されてなり、実装上、温度センサ121はサーマ
ルFET11の近傍に配置形成されている。サーマルF
ET11の温度が上昇するにつれて温度センサ121の
各ダイオードの抵抗値が減少するので、FETQ51の
ゲート電位が“L”レベルとされる電位まで下がると、
FETQ51がオン状態からオフ状態に遷移する。これ
により、FETQ54のゲート電位がサーマルFET1
1のゲート制御端子(G)の電位にプルアップされ、F
ETQ54がオフ状態からオン状態に遷移して、ラッチ
回路122に“1”がラッチされることとなる。このと
き、ラッチ回路122の出力が“H”レベルとなって過
熱遮断用FETQSがオフ状態からオン状態に遷移する
ので、サーマルFET11の真のゲート(TG)の電位
レベルが“L”レベルとなって、サーマルFET11が
オン状態からオフ状態に遷移して、過熱遮断されること
となる。
【0034】また、本実施形態の電源供給制御装置で
は、負荷10またはサーマルFET11のドレインD−
ソースS間において発生する短絡故障による過電流、或
いは不完全短絡故障による異常電流に対する保護機能を
も備えている。以下、図1を参照して、この保護機能を
実現する構成について説明する。
【0035】先ず、特許請求の範囲にいう基準電圧発生
手段は、FET(第2半導体スイッチ)121および抵
抗(第2負荷)Rrで構成されている。FET121の
ドレインおよびゲートはそれぞれサーマルFET11の
ドレイン(D)および真のゲート(TG)に接続され、
FET121のソース(SB)は抵抗Rrの一方の端子
に接続され、抵抗Rrの他の端子は接地電位(GND)
に接続されている。このように、FET121およびサ
ーマルFET11のドレイン(D)およびゲート(T
G)を共通化することにより同一チップ(101)への
集積化を容易にすることができる。
【0036】また、FET121およびサーマルFET
11は同一プロセスで同一チップ(101)上に形成さ
れたものを使用することとして、温度ドリフトやロット
間のバラツキの影響を除去(削減)するようにしてい
る。また、FET121の電流容量がサーマルFET1
1の電流容量よりも小さくなるように、それぞれのFE
Tを構成する並列接続のトランジスタ数を(FET12
1のトランジスタ数:1個)<(サーマルFET11の
トランジスタ数:1000個)となるように構成してい
る。
【0037】さらに、抵抗Rrの抵抗値は、後述のよう
に負荷10の抵抗値×(FET121のトランジスタ
数:1個/サーマルFET11のトランジスタ数:10
00個)の値となるように設定される。この抵抗Rrの
設定により、サーマルFET11に正常動作の負荷電流
(5[mA])が流れたときと同じドレイン−ソース間
電圧VDSをFET121に発生させることができる。
また、以上のような回路規定により、FET121およ
び抵抗Rrで構成される基準電圧発生手段の構成を極力
小型化することができ、実装スペースを縮小して装置コ
ストを低減することができる。
【0038】可変抵抗RVはサーマルFET11のソー
スSA抵抗R1,R2の分圧点との間に負荷10に対し
て直列に接続されている。可変抵抗RVの抵抗値を変え
ることにより第2負荷の抵抗値を等価的に可変設定す
る。即ち、チップ101の外部に可変抵抗RVを設置
し、該可変抵抗RVを調整することにより基準電圧生成
手段の設定値(基準)を目標の仕様に設定することが可
能となる。これにより、アナログ集積化する場合でも1
種類のチップ101で複数の仕様をカバーすることが可
能となる。
【0039】コンパレータ122は、特許請求の範囲に
いう検出手段の一部を成す。コンパレータ122の
“+”入力端子には、サーマルFET11のドレインD
−ソースS間電圧VDSを抵抗R1と抵抗R2および可
変抵抗RVの並列抵抗(R2‖RV)とで分圧した電圧
が抵抗R5を介して供給されている。また、コンパレー
タ122の“−”入力端子には、FET121のソース
電圧VSが供給されている。つまり、これら“+”およ
び“−”の両入力端子に供給される電位がほぼ一致した
ときに出力は有効(“H”レベル)となり、一致しない
ときに無効(“L”レベル)となる。なお、後述のよう
に、コンパレータ122は一定のヒステリシスを持って
いる。
【0040】次に、以上説明した本実施形態の電源供給
制御装置の回路構成を踏まえて、電源供給制御方法を説
明する。具体的な動作説明を行う前に、図3、図4およ
び図5を参照して、本実施形態の電源供給制御装置およ
び電源供給制御方法が利用する原理について説明する。
ここで、図3はオフ状態からオン状態への遷移時のドレ
イン−ソース間電圧の立ち下がり特性の説明図、図4は
概念的回路図、図5はサーマルFETのドレイン電流と
ゲート−ソース間電圧との特性を説明する説明図であ
る。
【0041】半導体スイッチとしてサーマルFET11
を使用した場合、電源VBから負荷10への電力供給経
路は、概念的に図4に示すような回路として表される。
負荷10には電力供給経路の配線インダクタンスL0と
配線抵抗R0とを含む。なお、経路または負荷10にお
いて短絡故障が発生した場合にはR0には短絡抵抗も含
まれることとなる。ここで短絡抵抗は、本実施形態が適
用対象としている自動車において負荷10をヘッドライ
トと仮定した場合には、上述の完全短絡(デッドショー
ト)の場合に約40[mΩ]以下であり、不完全短絡の
場合は約40〜500[mΩ]である。
【0042】このような電力供給経路の一部を成すサー
マルFET11のドレイン−ソース間電圧VDSは、サ
ーマルFET11がオフ状態からオン状態へ遷移する際
の立ち下がり電圧特性として、図3に示す如くなる。即
ち、短絡の場合、基準負荷(通常動作)の場合、負荷1
0が抵抗1[KΩ]の場合についての立ち下がり電圧特
性である。このように、立ち下がり特性は、電力供給経
路および負荷の状態、即ち、経路が持つ配線インダクタ
ンス並びに配線抵抗および短絡抵抗に基づく時定数に応
じて変化する。
【0043】このようなドレイン−ソース間電圧VDS
の特性の変化を利用して過電流検出を行う手法として、
以下で説明する手法の他に、所定タイミングで所定しき
い値との比較を行って過電流検出を行う手法が考えられ
るが、所定タイミングを規定する手段および所定しきい
値との比較手段を構成するために、コンデンサや複数の
抵抗といった部品を必要とし、これらの部品がばらつく
と検出誤差となってしまうという問題がある。また、コ
ンデンサが必要であり、該コンデンサはチップ内に搭載
できないことから、外付け部品が必要となり、装置コス
トのアップ要因となってしまうという問題もあった。
【0044】図3において、サーマルFET11がオン
状態に遷移してドレイン−ソース間電圧VDSが飽和す
るまでの期間は、サーマルFET11はピンチオフ領域
で動作する。
【0045】また、負荷10の抵抗が1[KΩ]のとき
のドレイン−ソース間電圧VDSの変化について、次の
ように考察できる。つまり、第1に、例えば、サーマル
FET11に日立製の「HAF2001]を使用した場
合、ドレイン電流ID=12[mA]だから、ゲート−
ソース間電圧VTGSは、ほぼしきい値電圧1.6
[V]に維持される。第2に、駆動回路13によるゲー
ト(G)への充電は継続されるから、このまま行くとゲ
ート−ソース間電圧VTGSは上昇して行ってしまう
が、ドレイン−ソース間電圧VDSが低下して、ゲート
−ドレイン間の容量値CGDを増大させるので、ゲート
−ソース間電圧VTGSに達する電荷を吸収してしまう
ことになる。即ち、ドレイン−ソース間電圧VDSはゲ
ート−ソース間電圧VTGSに達した電荷が電位上昇を
生じさせないだけの容量を発生させるような速度で降下
することになる。これにより、ゲート−ソース間電圧V
TGSは約1.6[V]に維持される。
【0046】また、負荷抵抗=1[KΩ]時のドレイン
−ソース間電圧VDSの変化について、次のような解釈
も可能である。つまり、サーマルFET11がオン状態
に遷移した後の各経過時点で、駆動回路13によってゲ
ート(G)の送られる充電電荷を吸収し、真のゲート
(TG)の電圧VTGSを一定に保つうようなドレイン
−ソース間電圧VDSの値を表わしている。したがっ
て、ある経過時間の後にドレイン−ソース間電圧VDS
が図3の負荷抵抗=1[KG]時の曲線より上側にあれ
ば、ゲート−ソース間電圧VTGSは1.6[V]より
も高くなっていることを意味する。なお、ドレイン−ソ
ース間電圧VDSは図3の負荷抵抗=1[KΩ]時の曲
線より下側に来ることはない。
【0047】さらに、図3の負荷抵抗=1[KΩ]時の
曲線からの距離をΔVDSGAPとすると、ΔVDSG
AP×CGD分の電荷をゲート−ソース間電圧VTGS
から引き去れば、ゲート−ソース間電圧電圧VTGSは
1.6[V]になることを意味する。換言すれば、ゲー
ト−ソース間電圧VTGSは1.6[V]からこの電荷
分だけ電位が上昇していることを意味する。このことを
式で示せば次式となる。
【0048】VTGS−1.6=ΔVDSGAP×CG
D/(CGS×CGD) 即ち、ΔVDSGAPは(ゲート−ソース間電圧VTG
S−1.6[V]に比例する。
【0049】また、ゲート−ソース間電圧VTGSとド
レイン電流IDとの間には、図5の特性に示すように、
比例に近い1対1の関係がある。ここで、図5の特性は
日立製の「HAF2001」のものであり、図中のVG
Sはここではゲート−ソース間電圧VTGSに相当す
る。したがって、ΔVDSGAPは図5の特性に示され
るような対応関係に基づいてドレイン電流IDを表すと
いうことができる。図5において、ドレイン電流ID=
10[A]近辺の分解能は約80[mV/A]である。
即ち、1[A]のドレイン電流IDが80[mV]のゲ
ート−ソース間電圧VTGSに対応し、±5[A]のド
レイン電流IDの変化に対して±0.4[V]のゲート
−ソース間電圧VTGSの変化が対応する。なお、この
分解能は従来例においてシャント抵抗RS=80[m
Ω]相当の分解能に相当します。
【0050】なお、ドレイン電流IDがゼロの時はゲー
トを充電する回路およびミラー容量だけでドレイン−ソ
ース間電圧VDSの曲線は決まるが、ドレイン電流ID
が流れると、回路のインダクタンスLcおよび回路全体
の抵抗Rcの影響を受けることになる。完全短路(デッ
ドショート)のようにドレイン電流IDが大きくなる
と、ドレイン電流IDの立ち上り勾配はインダクタンス
Lc及び抵抗Rcでほぼ決まるので、ドレイン電流ID
の立上がり勾配は一定値に収れんし、したがって、ゲー
ト−ソース間電圧VTGSの曲線も収れんすることとな
る。
【0051】図5に示される特性には温度の特異点が存
在する。日立製の「HAF2001」の場合、ドレイン
電流ID=15[A]、ゲート−ソース間電圧VTGS
=3.3〜3.4[V]の付近である。通常の正常負荷
電流はほぼ15[A]以下なので、特異点の下側に来る
ことになる。この下側の領域では、同じドレイン電流I
Dに対し、温度上昇に応じてゲート−ソース間電圧VT
GSは小さくなる。したがって、高温条件下でも誤作動
が低減されることになり有利といえる。
【0052】また、ゲートを充電する回路が異なると、
同じ負荷電流に対してドレイン−ソース間電圧VDSの
曲線は変わってくる。したがって、ゲート充電電流は常
に同じ条件を保つ必要がある。なお、ゲート充電電流を
減らせばドレイン−ソース間電圧VDSの曲線は上方に
シフトすることになる。この性質を利用して、同じドレ
イン電流IDに対してドレイン−ソース間電圧VDSを
増大させるようにすれば、過熱遮断保護機能による過熱
遮断を促進させることができる。後述の過熱遮断促進回
路(過熱遮断促進回路)はこれを利用したものである。
【0053】次に、以上の考察を踏まえて、本実施形態
の電源供給制御装置の動作を説明する。先ず、サーマル
FET11および基準電圧生成手段(FET121、抵
抗Rr)について説明する。サーマルFET11および
FET121がピンチオフ領域で動作しているときは、
カレントミラー(Current mirror)回路
が構成され、ドレイン電流IDGA=1000×ドレイ
ン電流IDGSとなる。
【0054】したがって、サーマルFET11のドレイ
ン電流としてIDQA=5[A]、FET121のドレ
イン電流としてIDQB=5[mA]がそれぞれ流れて
いるときは、サーマルFET11およびFET121の
それぞれのドレイン−ソース間電圧VDSとゲート−ソ
ース間電圧VTGSは一致する。即ち、VDSA=VD
SB,VTGSA=VTGSBとなる。ここで、VDS
A=VDSBはそれぞれサーマルFET11、FET1
21のドレイン−ソース間電圧であり、VTGSA=V
TGSBはそれぞれサーマルFET11、FET121
のゲート−ソース間電圧である。
【0055】したがって、FET121が完全にオン状
態に遷移しているときは、抵抗Rrの両端にほぼ電源電
圧VBが印加されるから、サーマルFET11に接続す
る5[A]負荷に等価なFET121の負荷として、抵
抗Rrの抵抗値は、Rr=12[V]/5[mA]−
1.4[KΩ]として決定される。
【0056】このように、ここでは、サーマルFET1
1に5[A]の負荷電流が流れたときのドレイン−ソー
ス間電圧VDSの値(曲線)を基準とするが、サーマル
FET11に対してトランジスタ数比(=電流容量比)
の小さいFET121を用いて基準電圧生成手段を構成
することにより、基準電圧生成手段をより小型化して、
小さなチップ占有面積で要求機能を実現できるわけであ
る。さらに、上述のように、FET121とサーマルF
ET11と同一プロセスで、同一チップ上に構成するこ
とにより、ロット間ばらつき、温度ドリフトの影響を除
去することができて、検出精度を大幅に改善できる。
【0057】次に、ピンチオフ領域における動作につい
て説明する。サーマルFET11がオン状態に遷移する
と、ドレイン電流はIDQAは回路抵抗で決まる最終負
荷電流値を目指して立ち上がっていく。また、サーマル
FET11のゲート−ソース間電圧VTGSAは、ドレ
イン電流IDQAで決まる値を取り、ドレイン−ソース
間電圧VDSAの低下によるコンデンサ容量CGDのミ
ラー効果でブレーキをかけられながら、これも立ち上が
っていく。さらに、FET121のゲート−ソース間電
圧VTGSBは、ドレイン電流IDQB=5[mA]
(ドレイン電流IDQA=5[A]に相当)までは、ゲ
ート−ソース間電圧VTGSB=VTGSAで増加して
いくが、それ以降はドレイン電流IDQB=5[mA]
一定になるため(ピンチオフ領域内で一定になる)、ゲ
ート−ソース間電圧VTGSBも一定になり、日立製の
「HAF2001」の場合は、約2.7[V]一定にな
る。
【0058】また、サーマルFET11のゲート−ソー
ス間電圧VTGSAは、ドレイン電流IDQAの増加に
応じて大きくなっていくので、ゲート−ソース間電圧は
VTGSB<VTGSAとなる。また、VDSA=VT
GSB+VTGD,VDSB=VTGSB+VTGDの
関係があるから、VDSA−VDSB=VTGSA−V
TGSBとなる。ここで、ゲート−ソース間電圧の差V
TGSA−VTGSBは、ドレイン電流IDQA−5
[A]を表わすから、ドレイン−ソース間電圧の差VD
SA−VDSBを検出することにより、ドレイン電流I
DQA−5[A]を得ることができる。
【0059】FET121のドレイン−ソース間電圧V
DSBはコンパレータ122に直接入力され、サーマル
FET11のドレイン−ソース間電圧VDSAはR1と
抵抗R2で分圧した値(ここでは可変抵抗RVについて
考慮に入れないものとする)がコンパレータCMP1に
入力される。即ち、 VDSA×R1/(R1+R2)………(1) がコンパレータ122に入力されることになる。サーマ
ルFET11がオン状態に遷移した直後は、FET12
1のドレイン−ソース間電圧VDSB>(1)である
が、サーマルFET11のドレイン電流IDQAが増加
するに連れて(1)は増加し、ついにはFET121の
ドレイン−ソース間電圧VDSBより大きくなり、この
時、コンパレータ122の出力は“H”レベルから
“L”レベルに変化して、サーマルFET11をオフ状
態に遷移させる。
【0060】なお、コンパレータ122では、ダイオー
ドD1と抵抗R5でヒステリシスが形成されている。サ
ーマルFET11がオフ状態に遷移したとき、駆動回路
111のシンクトランジスタQ6によりゲート電位は接
地され、ダイオードD1のカソード側電位は、VDSB
−0.7[V](ツェナーダイオードZD1の順方向電
圧)になるので、抵抗R1→抵抗R5→ダイオードD1
の経路で電流が流れ、コンパレータ122の“+”入力
端子の電位は、駆動回路13がオン制御しているときよ
り低下する。したがって、オフ状態に遷移したときより
小さいドレイン−ソース間電圧の差VDSA−VDSB
までサーマルFET11はオフ状態を維持し、その後オ
ン状態に遷移することとなる。なお、ヒステリシス特性
の付け方にはいろいろな方法があるが、これはその一例
である。
【0061】サーマルFET11がオフ状態に遷移する
ときのドレイン−ソース間電圧VDSAをしきい値VD
SAthとすると、次式が成立する。
【0062】
【数1】 VDSAth−VDSA=R2/R1×VDSB(at 5[mA])……… (2) 過電流判定値は(2)式で決まることになる。なお、過
電流判定値を変更するには、チップ101外部に接地さ
れている抵抗R2に並列接続の可変抵抗RVを調整す
る。この調整により過電流判定値を下方にシフトさせる
ことができる。
【0063】次に、オーミック領域における動作につい
て説明する。配線が正常な状態で、サーマルFET11
がオン状態に遷移すると、サーマルFET11は連続的
にオン状態を維持することとなるので、ゲート−ソース
間電圧VTGSA、VTGSBは10[V]近くまで達
し、サーマルFET11,FET121ともオーミック
領域で動作する。
【0064】この領域ではドレイン−ソース間電圧VD
Sとドレイン電流IDの間には1対1の関係は無くな
る。日立製の「HAF2001」の場合、オン抵抗がド
レイン−ソース間電圧VDS=10[V]のとき、RD
S(ON)=30[mΩ]であるので、次式となる。
【0065】
【数2】 VDSB=5[A]×30[mΩ]=0.15[V] VDSA=IDQA×30[mΩ] VDSA−VDSB=30[mΩ]×(IDQA−5[A])……(3) また、配線の短絡等でドレイン電流IDQAが増加する
と式(3)の値が大きくなり、過電流判定値を超えると
サーマルFET11をオフ状態に遷移させる。この後は
上記ピンチオフ領域の状態に移り、サーマルFET11
はオン状態およびオフ状態への遷移を繰り返して、最終
的に過熱遮断に至る。なお、過熱遮断に至る前に、配線
が正常に復帰すれば、(間欠的短絡故障の例)、サーマ
ルFET11は連続的にオン状態を維持するようにな
り、オーミック領域の動作に戻る。
【0066】図6には、本実施形態の電源供給制御装置
におけるサーマルFET11の電流と電圧の波形図を例
示している。ここで、図6(a)はドレイン電流ID
(A)を、図6(b)ドレイン−ソース間電圧VDSを
それぞれ示し、図中、は完全短絡(デッドショート)
の場合、は通常動作の場合、は不完全短絡の場合で
ある。
【0067】完全短絡(デッドショート)が発生してい
る場合(図中)には、サーマルFET11がオフ状態
からオン状態に遷移したとき、ドレイン電流IDが急激
に流れるが、サーマルFET11のオン状態を継続し
て、サーマルFET11を過熱させ、過熱遮断の保護機
能、即ち過熱遮断用FETQSのオン状態への遷移によ
ってサーマルFET11を過熱遮断する。
【0068】また、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短
絡が発生している場合(図中)には、上述のようにサ
ーマルFET11のオン/オフ制御を繰り返して行っ
て、ドレイン電流IDを大きく変動させ、サーマルFE
T11の周期的な発熱作用によって、過熱遮断の保護機
能、即ち過熱遮断用FETQSのオン状態への遷移によ
ってサーマルFET11を過熱遮断を速めている。
【0069】以上説明したように、本実施形態の電源供
給制御装置および電源供給制御方法では、電流検出を行
うために電力の供給経路に直列接続される従来のような
シャント抵抗を不要とし、シャント抵抗を用いずに高精
度の過電流検出が可能であり、装置全体としての熱損失
を抑えることができ、また、完全短絡による過電流検出
のみならず、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡など
のレアショートが発生した場合の異常電流をもハードウ
ェア回路によって連続的に検出可能である。
【0070】また、不完全短絡の場合、サーマルFET
11のオン/オフ制御を繰り返し行って電流を大きく変
動させ、半導体スイッチの周期的な発熱作用によって過
熱保護機能によるサーマルFET11の遮断(オフ制
御)を速めることができる。さらに、マイコンを用いな
いハードウェア回路のみで構成して半導体スイッチのオ
ン/オフ制御を行えるため、電源供給制御装置の実装ス
ペースを縮小でき、装置コストを大幅に削減することが
できる。
【0071】また、本実施形態と同様に、ドレイン−ソ
ース間電圧VDSの特性の変化を利用するものの所定タ
イミングで所定しきい値との比較を行って過電流検出を
行う他の手法と比較して、コンデンサや複数の抵抗とい
った部品が不要になるので、該部品のバラツキによる検
出誤差がより低減できるとともに、チップ101に対す
る外付けコンデンサも不要であることから、実装スペー
スおよび装置コストをより削減することができる。
【0072】さらに、可変抵抗RVの調整により、負荷
10の種別(ヘッドランプ、駆動モータ等)に応じた完
全短絡、不完全短絡の切り分けを確実に検出することが
可能となり、短絡故障に対する保護を精度良く行うこと
ができる。
【0073】次に、上記電流振動型遮断機能付きスイッ
チング部101に追加された部分について説明する。
【0074】加熱遮断検出回路102は図7に示すよう
に電流振動型遮断機能付きスイッチング部101の加熱
遮断が起きると、これを検出するFET21と、FET
21の検出信号と入力信号300との論理積をとるAN
D回路22と、温度検出回路103の検出信号50とA
ND回路22の出力信号との論理積をとるAND回路2
3とから成っている。
【0075】温度検出回路103は、温度センサ31
と、温度センサ31の検出値と基準電圧(基準温度に対
応)を比較する比較回路32と、前記基準電圧を発生す
る基準電圧源33を有している。
【0076】尚、パワーMOSFET51、FET5
2、ラッチ回路55及び温度センサ56は図1に示した
サーマルFET11の概略構成(図2の主FET、過熱
遮断用FET、ラッチ回路122、温度センサ121に
相当する)を示しており、MOSFET51の加熱遮断
用の温度センサ56はMOSFET51に近接配置さ
れ、温度検出回路103はこのMOSFET51からで
きるだけ遠くで、電流振動型遮断機能付きスイッチング
部101が置かれている周囲温度が測定できるところに
配置されている。
【0077】次に本実施の形態の動作について説明す
る。駆動回路13に入力信号300が入力されると、駆
動回路13が動作して、サーマルFET11をスイッチ
ング制御することにより、電源VBからの電力をサーマ
ルFET11を通して負荷10に供給する。その際、過
電流検出回路12を構成するFET121も駆動回路1
3によりスイッチングされるため、抵抗Rrに電源VB
からの電流が流れ、この抵抗RrにサーマルFET11
のドレイン、ソース間電圧特性と同一の特性を有する基
準電圧が発生する。
【0078】この基準電圧は比較回路122の一端子に
入力され、比較回路122の+端子には、抵抗R1、R
2及び可変抵抗RVで検出されるサーマルFET11の
ドレイン、ソース間電圧に対応した電圧が入力される。
従って、比較回路122はサーマルFET11のドレイ
ン、ソース間電圧と前記基準電圧を比較して、負荷10
側の短絡などにより、サーマルFET11に過電流が流
れると、比較回路122の出力が反転して駆動回路12
に入力される。
【0079】ここで、前記短絡が不完全短絡の場合、駆
動回路12はサーマルFET11をオン/オフする制御
を繰り返し、短時間にサーマルFET11を加熱シャッ
トダウンさせて、負荷10側への電力供給を遮断して、
過電流保護を行う。
【0080】又、前記短絡が完全短絡の場合、大きな過
電流がサーマルFET11を流れるため、瞬時にサーマ
ルFET11が加熱シャットダウンして、負荷10側へ
の電力の供給が遮断されて過電流保護がなされる。
【0081】上記のような電流振動型遮断機能付きスイ
ッチング部101を通常温度環境で使用している時に、
電流振動型遮断機能付きスイッチング部101が加熱シ
ャットダウンしても、温度検出回路103の温度センサ
31は通常温度を検出しているため、比較回路32はロ
ーレベルを出力し、AND回路23を遮断している。こ
のため、加熱遮断検出回路102は動作せず、加熱遮断
検出信号200は出力されない。
【0082】しかし、電流振動型遮断機能付きスイッチ
ング部101を例えば−40℃程度の低温度環境で使用
している時は、温度検出回路103の温度センサ31は
基準電圧源33の基準電圧で設定される所定温度以下の
低温度を検出しているため、比較回路32はハイレベル
を出力し、AND回路23を導通させている。更に、電
流振動型遮断機能付きスイッチング部101が動作して
いる時は、スイッチSWがオンされているため、AND
回路22にハイレベルの入力信号300が入力されてA
ND回路22を導通させているため、加熱遮断検出回路
102は動作可能状態になっている。
【0083】ここで、電流振動型遮断機能付きスイッチ
ング部101が加熱シャットダウンすると、サーマルF
ET11のラッチ回路55がハイレベルの信号をラッチ
してFET52に出力するため、このハイレベルの信号
が加熱遮断検出回路102を構成するFET21のゲー
トに入力されてFET21をオン状態とする。
【0084】これにより、抵抗R3に電流が流れ、抵抗
R3の端子電圧がハイレベルになって、AND回路22
の出力がハイレベルになる。これにより、AND回路2
3の出力がハイレベルとなって、加熱遮断検出信号20
0が出力される。この加熱遮断検出信号200は図示さ
れないマイコン等に入力されてカウントされ、そのカウ
ント値が無故障を保証する低温での加熱遮断回数に近付
くと、運転者にこれを報知する。運転者はこの報知によ
り、電流振動型遮断機能付きスイッチング回路を交換す
る等の措置を行う。
【0085】尚、加熱遮断検出回路102をどの程度の
低温環境で動作させるかは、基準電圧源33の基準電圧
の値を調整することにより、適切な値に設定することが
できる。
【0086】本実施の形態によれば、所定温度以下の低
温下でのサーマルFET11における加熱遮断のみを検
出してこれをカウントし、そのカウント値が無故障を保
証する低温での加熱遮断回数に近付くと運転者に報知す
ることにより、低温下においても、その動作信頼性を保
持することができる。
【0087】並びに、電流検出を行うために電力の供給
経路に直列接続されるシャント抵抗を不要として装置の
熱損失を抑え、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡な
どのレアショートが発生した場合の異常電流に対しても
高速応答を可能とし、集積化が容易で装置を安価とする
ことができる。更に、マイコンを用いないハードウェア
回路のみでサーマルFET11のオン/オフ制御が行え
るため、電源供給制御系の実装スペースを縮小でき、装
置コストを大幅に削減することができるなどの利点を有
している。
【0088】尚、上記実施の形態では加熱遮断検出信号
200をマイコンでカウントしたが、カウンタ等のハー
ドウェアでカウントしても同様の効果がある。
【0089】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の電
流振動型遮断機能付きスイッチング回路によれば、低温
下においても、その動作信頼性を保持することができ、
並びに、電流検出を行うために電力の供給経路に直列接
続されるシャント抵抗を不要として装置の熱損失を抑
え、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡などのレアシ
ョートが発生した場合の異常電流に対しても高速応答を
可能とし、集積化が容易で装置を安価することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電源供給制御装置の一実施の形態の構
成を示した回路図である。
【図2】実施形態で使用する半導体スイッチ(サーマル
FET)11の詳細な回路構成図である。
【図3】実施形態の電源供給制御装置および電源供給制
御方法が利用する原理を説明する説明図である。
【図4】実施形態の電源供給制御装置および電源供給制
御方法が利用する原理を説明する説明図である。
【図5】実施形態の電源供給制御装置および電源供給制
御方法が利用する原理を説明する説明図である。
【図6】短絡故障時および通常動作時の実施形態の電源
供給制御装置における半導体スイッチの電流と電圧を例
示する波形図である。
【図7】図1に示した加熱遮断検出回路と温度検出回路
の詳細例を示した回路図である。
【図8】従来の電源供給制御装置の構成例を示した回路
図である。
【図9】図8に示したサーマルFETの概略構成例を示
した回路図である。
【符号の説明】
10 負荷 11 サーマルFET 12 過電流検出回路 13 駆動回路 21、52、121 FET 22、23 AND回路 31、56 温度センサ 32、122 比較回路 33 基準電圧源 51 MOSFET 55 ラッチ回路 101 電流振動型遮断機能付きスイッチング部 102 加熱遮断検出回路 103 温度検出回路 D1 ダイオード R1、R2、R3、Rr 抵抗 RV 可変抵抗
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月7日(1999.4.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図4】
【図8】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03K 17/14 H03K 17/14 Fターム(参考) 5G004 AA04 AB02 BA03 BA04 DA04 DC04 DC12 EA01 FA01 5G053 AA01 AA02 AA14 BA01 CA02 EB02 EC03 5J055 AX02 AX12 AX15 AX32 AX37 AX42 AX44 AX47 AX48 AX55 AX56 AX64 BX16 CX20 CX22 CX28 DX13 DX14 DX22 DX53 DX54 DX73 DX83 EX01 EX02 EX04 EX06 EX10 EX11 EX23 EY01 EY02 EY12 EY13 EZ04 EZ07 EZ10 EZ25 EZ31 EZ43 FX04 FX06 FX07 FX13 FX17 FX21 FX38 GX01 GX05 GX06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される制御信号に応じてスイッチン
    グ制御されることにより電源から負荷への電力供給を制
    御し、加熱遮断機能を有する半導体スイッチング素子
    と、 前記負荷が接続された状態で前記半導体スイッチング素
    子の端子間電圧特性と等価な電圧特性を有する基準電圧
    を発生する基準電圧発生手段と、 前記半導体スイッチング素子の端子間電圧と前記基準電
    圧との差を検出する検出手段と、 前記検出手段により検出された前記端子間電圧と前記基
    準電圧との差に応じて前記半導体スイッチング素子をオ
    ン/オフ制御する制御手段と、 前記半導体スイッチング素子が置かれる周囲温度を検出
    する温度検出手段と、 前記温度検出手段が所定温度以下を検出している時の
    み、前記半導体スイッチング素子が加熱遮断したことを
    検出する加熱遮断検出手段と、 を有する電流振動型遮断機能付きスイッチング回路を有
    することを特徴とする電源供給制御装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱遮断検出手段による加熱遮断検
    出回数をカウントし、このカウント値が所定回数になる
    と、これを報知することを特徴とする請求項1記載の電
    源供給制御装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱遮断機能を有する半導体スイッ
    チング素子はサーマルFETであることを特徴とする請
    求項1又は2記載の電源供給制御装置。
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