JP2000234754A - 独立作動且つ可搬式のラジエータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】従来のラジエータよりも短い時間内に対流運動
を生じさせ、更に製造コストを減少するために、独立作
動且つ可搬式のラジエータを提供する。 【解決手段】独立的に作動する可搬式のラジエータ１
は、それぞれが互いに組み合わさった少なくとも一つの
第一の金属プレート及び第二の金属プレートと予めセッ
トされた温度で加熱手段によって加熱された流体が内部
を循環する少なくとも一つの中央部とによって形成され
る複数の放射部材を持つ本体２を有する独立作動且つ可
搬式のラジエータであって、これらの放射部材が、本体
内での加熱流体の循環のため加熱流体の通路ハブによっ
て互いに連結されていること、更に、ラジエータが内部
を加熱流体が循環する中央部の外側にある、放射部材の
表面の少なくとも一つの部分に、少なくとも周囲の空気
を加熱するための追加の加熱手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の技術分野】本発明は、独立に作動する可搬式
ラジエータに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】知られているように、現在、ラジエータ
ケーシングの内部に配置された電気低抗によって循環す
る透熱性オイルが加熱されるラジエータのような、幾つ
かの形式の独立作動且つ可搬式のラジエータが存在す
る。

【０００３】これらの透熱性オイルラジエータは、通
常、上部及び下部のハブによって互いに油圧的に連結さ
れた多くの放射部材を有している。

【０００４】それぞれの放射部材は、透熱性オイルが内
部を循環する中央部を形成するように、互いに組み合わ
された第一及び第二の金属プレートによって構成されて
いる。各放射部材では、内部をオイルが循環する中央部
の外側に延びる表面部分は、第一及び第二の相互連結に
よって形成される二枚のシートメタルに、複数の折り曲
げ部及び／またはチャネル及び／または開口を有するこ
とができる。これらの折り曲げ部及び／またはチャネル
及び／または開口は、中央部から各放射部材の周囲への
熱の伝達を減少するのに適している。

【０００５】

【発明が解決すべき課題】このように、ラジエータの周
囲の表面は、中央部内を循環する加熱されたオイルの温
度よりも低い温度になっている。上手に操作しても、こ
の形式のラジエータは、作動されたときに知覚できる対
流運動を生じさせるのが遅く、そして結果的に周囲に熱
を放射するのが遅いという不都合さを有している。それ
は、先ず電気抵抗が熱くなり、次いで透熱性オイル及び
放射部材群を熱くしなければならないから、実際に、対
流運動を生じさせるのに少なくとも７〜８分を要する。
更に、これらのオイルラジエータは、割合に高い製造コ
スト、そして従って高い小売価格を有する。

【０００６】実際に、ラジエータケーシングの上にグリ
ッドを設けることは、グリッドのスタンピング、ストッ
キング、グリース除去、塗装及び組み立てという更なる
作業を必要とし、それによって、材料による、及び追加
の製造工程によるコストを増大する。本発明の目標は、
透熱性オイルで作動する従来技術のラジエータの上述し
た不都合さを除去することである。

【０００７】本発明の重要な目的は、ユーザーによって
知覚できる、非常に短い時間、そして少なくとも従来の
ラジエータの時間よりも短い時間内に対流運動を生じさ
せるのに適した独立に作動する可搬式のラジエータを提
供することである。本発明の更なる目的は、追加の製造
工程を無くし、且つ、製造コスト、及び、従ってラジエ
ータの小売価格を減少するために、ラジエータケーシン
グの放射部材の上部に直接グリッドを設けることを可能
にする、独立作動且つ可搬式のラジエータを提供するこ
とである。

【０００８】本発明のなお更なる目的は、従来技術のラ
ジエータと同じ容量でもって、より大きな対流運動及び
従ってより大きな熱交換を可能にする、独立作動且つ可
搬式ラジエータを提供することである。本発明の一つの
更なる目的は、周囲の空気のより大きな循環、及び、従
って周囲を加熱するのに必要な時間の短縮、次いでラジ
エータを製造するのに必要な原料の著しい節約、及び、
従ってより軽い容量とユーザーによる一層容易な操作を
可能にする独立作動且つ可搬式のラジエータを提供する
ことである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記に目標並びに上記の
及び、これからより明らかになる他の目的は、それぞれ
が互いに組み合わさった少なくとも一つの第一の金属プ
レート及び第二の金属プレートと予めセットされた温度
で加熱手段によって加熱された流体が内部を循環する少
なくとも一つの中央部とによって形成される複数の放射
部材を持つ本体を有する独立作動且つ可搬式のラジエー
タであって、これらの放射部材が、本体内で加熱流体の
循環のため加熱流体の通路ハブによって互いに連結され
ていること、更に、ラジエータが、内部を加熱流体が循
環する中央部の外側にあたる、放射部材の表面の少なく
とも一つの部分に、少なくとも周囲の空気を加熱するた
めの追加の加熱手段を有することを特徴とするラジエー
タによって達成される。

【００１０】

【実施例】本発明の更なる特徴及び利点は、添付図面の
実施例によって図示された発明に係る、以下の独立作動
且つ可搬式のラジエータの説明によって、より明らかに
なるであろう。

【００１１】これらの上記の図面を参照すると、参照符
号１で包括的に示されている独立作動且つ可搬式のラジ
エータは、複数の放射部材によって形成されている本体
２を有しており、各放射部材は、それぞれ包括的に参照
符号３及び４によって示される、少なくとも第一の金属
プレートと第二の金属プレートと、流体がその中で加熱
手段即ち抵抗６によって予めセットされた温度に加熱さ
れる、少なくとも一つの中央部５とで形成されている。

【００１２】これらの放射部材は、加熱された液体、例
えば透熱性オイルの通路のためのハブ７を互いに連通し
ており、流体がラジエータの本体２の内側で内部を循環
することを可能にしている。好都合には、ラジエータ
は、加熱流体が循環する中央部５の外側の放射部材の表
面の少なくとも一つの部位８に、包括的に参照符号８０
で示されている追加の加熱手段を有している。

【００１３】放射部材のうちのあるものは、表面部位８
上に、隣接した放射部材の開口と一緒になって、追加の
加熱手段８０が中に配置された席を形成するのに適し
た、少なくとも一つの開口８１を有している。詳しく
は、図示された実施例において、全ての放射部材は、一
つの開口８１だけでなく、それらの放射部材の縦の延び
に沿って互いに並んでいる三つの開口８１を有してい
る。

【００１４】このように、強化された電気抵抗８２によ
って形成される追加の加熱手段８０は、図示されている
ように、三つの重なり合ったライン上に且つラジエータ
本体の両側に配置された開口８１のアセンブリによって
形成される座部の内側へ延びることができる。開口８１
は長円形を有するから、選ばれた開口内に抵抗の二つの
ブランチそして詳しくはその曲がった部分８３を配置す
ることが可能である。

【００１５】これまでによりよく説明された放射部材の
特定の形状のために、強化された電気抵抗８２は、ユー
ザーにより接近可能でなく、且つラジエータの美的形状
に影響を及ぼさないように視覚から隠されている。詳し
くは、電気抵抗８２の配置は、それらが通電されるとき
に、周囲の空気と直ちに熱交換を発生させ、従って約１
分または少しだけより長い間に知覚可能な対流動作を生
じさせることを可能にする。透熱性オイルを加熱するの
に適した電気低抗６及び追加の電気抵抗８２は、同時に
作動させて、従来のオイルラジエータの力と均等な全体
の力をラジエータに与えることができる。

【００１６】更に、電気低抗８２のサイズ及び力は、結
合によって、及びラジエータの放射部材の本来の特色に
よって要求される熱平衡を侵さないように設計されてい
る。本発明の好適な実施態様によれば、各放射部材は、
第一及び第二の金属プレート３または４の壁厚と実質的
に等しい壁厚”Ｓ”を有する表面８の少なくとも一つの
部位を有し、そしてそれは、透熱性オイルが循環する中
央部５の外側にある。詳しくは、壁厚”Ｓ”は、第二の
金属プレート４よりも大きなサイズを有し、且つ第二の
金属プレート４のサイズと実質的に同様なサイズを有す
る座部１０によって形成される座部手段を有する第一の
金属プレート３によって、第一の金属プレート３または
第二の金属プレート４の壁厚と等しく作られており、第
二の金属プレート４が座席１０の中に配置されることを
可能にしている。

【００１７】このようにして、図７からよく見ることが
できるように、一旦第一及び第二の金属プレート３、４
が互いに組み合わされると、第一の金属プレート３は、
その中央部位から透熱性オイルが中を循環する中央部を
超えて延びることができる。第二の金属プレート４はま
た、第一の金属プレート３の中に形成された座部１０の
内側にその周辺部位を包み込んで電気溶接によって、第
一の金属プレート３と組み合わされる。

【００１８】一つの変わった実施態様によれば、各放射
部材は、対流空気の動作の最適化を可能にするために、
先細の頂部を有し、かくして、上向きの小さい方の基部
４０及び下向きの大きい方の基部４１をもつ実質的に台
形の形状を有する。下部の大きい方の基部４１が、小さ
い方の基部４０よりも大きなサイズの吸入口を形成する
ので、上方の基部からの出る空気の通常断面がだんだん
と小さくなり、かくして、対流速度を増大する。この実
質態様は、かくして、環境中で空気のより大きな循環を
可能にし、そして、ラジエータの全体の効率を増大す
る。

【００１９】上述の実施態様はまた、第一の金属プレー
トを機械的に加工することを可能にし、そして、例え
ば、縁部にリッジ（ｒｉｄｇｅ）２１を有する少なくと
も一つの折り曲げ２０をその周辺部分に形成することが
可能である。更に、第一の金属プレートは、その表面の
強化手段、及び、オイルが内部を循環する中央部５から
その縁への対流による塾伝達制限手段を有している。強
制手段は、第一の金属プレートの少なくとも一部に沿っ
て延びる、そして詳しくは例えば図４に見られるよう
に、名放射部材の全周に沿って下方基部から延びるグル
ーブ２２を有している。

【００２０】グルーブ２２は、半チャンネル状を有し、
そしてまた、各放射部材の中央部からの対流による熱の
伝達を制限する利点を有している。何故ならば、熱に通
路の長さを増大し、そして従って熱を放散する表面を増
大し、及び、折り曲げられた部位でシートメタルがより
薄くなり、かくして熱の通過への抵抗を増大するからで
ある。更に、熱伝達制限手段はまた、オイルが内部を循
環する中央部に平行に、または、ある角度でまたは他の
適当な形で配置されることができる、一つ以上の穴２３
によって形成されることができる。

【００２１】ボタン穴の形をした開口２３が、放射部材
から分離して伝統的に作られ次いでラジエータが完成さ
れるときに放射部材と組み合わされるグリッドのスタン
ピング、ストッキング、グリース除去、塗装及び組み立
てのような更なる従来技術の製造工程を避けるために、
ラジエータの各放射部材の第一の金属プレート３に直接
設けられたグリッドを形成するような形で、ラジエータ
の上部にやはり好都合に設けられている。

【００２２】グリッドを形成するのに適した一つ以上の
長い穴２３を設けるほか、各放射部材の上部にはまた、
上記の熱特性及び機械特性を等しく具備した均一なラジ
エータ本体をつくるために、第一の金属プレート３の折
り曲げ部２０及び／またはリッジ２１が形成されてもよ
い。

【００２３】各放射部材において、グリッドの表面を加
熱された流体が一つの部材から他の部材へ内側で流れる
ハブとの間に形成されているという事実のために、必要
なら、ラジエータには、例えばファンまたは図示されて
いない、例えば、加湿器等の空気加湿手段のような、空
気の流れを強制するための強制流れ手段がやはり設けら
れてもよい。一方または両方の側の放射部材には、体裁
を整えるため、及び、ユーザーによるラジエータの加熱
された部分との接触を防止するため、ラジエータ本体を
閉じるのに適したカバー９０が設けられてもよい。

【００２４】本発明によるラジエータが、極めて短時間
に部屋を温めることを可能にし、更に従来のオイルラジ
エータでは前例のない融通性のある使用を可能にするの
に、特に有利であることが実際に判った。更に、一つの
プレート上でだけ機械的加工を行うことが、従来技術の
ラジエータにおけるように、二つのプレート上で不可能
な加工を行うことを可能にし、且つ、軽量であり、従っ
てユーザーによって一つの部屋から他の部屋へより容易
に移動させることを可能にし、また、その効率、体裁及
びラインでの製造速度の改善にもかかわらず、材料を節
約することを可能にする。

【００２５】本発明によるラジエータは、本発明のコン
セプトの範囲内での幾つかの修正及び変形が可能であ
り、そして全ての細部は、他の技術的に均等な要素によ
って置き換えされることができる。実際に、使用される
材料及び寸法は、特別なニーズ及び技術水準に従った如
何なるものでもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る透熱性オイル加熱手段及び追加
の加熱手段を破線で示す、ラジエータの側面図。

【図２】 本発明に係る図１のＩＩ−ＩＩ断面線での断
面図。

【図３】 本発明に係るラジエータ本体の一部の側面
図。

【図４】 本発明に係るラジエータの放射部材の異なる
実施例の正面図。

【図５】 本発明に係るラジエータの放射部材の断面
図。

【図６】 本発明に係るラジエータの第一の分断された
金属プレートの断面図。

【図７】 本発明に係るラジエータの第二の互いに組み
合わされた金属プレートの断面図。

【符号の説明】 １．ラジエータ ２．本体 ３．第一の金属プレート ４．第二の金属プレート ５．中央部 ６．抵抗 ７．ハブ ８．表面部位 １０．座部 ２０．折り曲げ部 ２１．リッジ ２２．グルーブ ２３．穴 ４０．小さい方の基部 ４１．大きい方の基部 ８０．追加の加熱手段 ８１．開口 ８２．電気抵抗 ８３．曲がった部分 ９０．カバー Ｓ 壁厚

Claims (16)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれが互いに組み合わされた少なく
   とも一つの第一の金属プレート及び第二の金属プレート
   と予めセットされた温度で加熱手段によって加熱された
   流体が内部を循環する少なくとも一つの中央部とによっ
   て形成される複数の放射部材を持つ本体を有する独立作
   動且つ可搬式のラジエータであって、これらの放射部材
   が、本体内での加熱流体の循環のため加熱流体の通路ハ
   ブによって互いに連結されていること、更にラジエータ
   が、内部を加熱流体が循環する中央部の外側にある、放
   射部材の表面の少なくとも一つの部分に、少なくとも周
   囲の空気を加熱するための追加の加熱手段を有すること
   を特徴とするラジエータ。
2. 【請求項２】 それぞれの放射部材が、内部を加熱流体
   が循環する中央部の外側にある表面上に、隣接する放射
   部材の開口と一緒になって、追加の加熱手段が配置され
   る座部を形成するのに適した少なくとも一つの開口を有
   することを特徴とする、請求項１に記載のラジエータ。
3. 【請求項３】 追加加熱手段が、座部内で延びる少なく
   とも一つの強化された電気抵抗を有することを特徴とす
   る、請求項１に記載のラジエータ。
4. 【請求項４】 強化された抵抗が内部を延びる少なくと
   も二つの重なりあった平行な座部を有することを特徴と
   する、請求項３に記載のラジエータ。
5. 【請求項５】 開口の形成が長円形であり、抵抗の二つ
   のブランチを収容するのに適していることを特徴とす
   る、請求項４に記載のラジエータ。
6. 【請求項６】 開口によって形成された座部がラジエー
   タ本体の全部の放射部材に沿って延びていることを特徴
   とする、請求項５に記載のラジエータ。
7. 【請求項７】 内部を加熱流体が循環する中央部の外側
   にある表面の少なくとも一つの部位が、第一または第二
   の金属プレートの厚さに実質的に等しい壁厚を有し、更
   に、第一の金属プレートが第二の金属プレートの厚さよ
   り大きな寸法を有し、且つ、第二の金属プレートのサイ
   ズに実質的に等しいサイズを有する座部によって形成さ
   れた、第二の金属プレートのための座部手段を有するこ
   とを特徴とする、請求頃６に記載のラジエータ。
8. 【請求項８】 それぞれの放射部材が、頂部よりも大き
   な下方基部を形成する上向きテーパリングを有すること
   を特徴とする、請求項７に記載のラジエータ。
9. 【請求項９】 第一の金属プレートが、その周辺部に少
   なくとも一つの折り曲げ部を有することを特徴とする、
   請求項８に記載のラジエータ。
10. 【請求項１０】 折り曲げ部が、その縁にリッジを有す
    ることを特徴とする、請求項９に記載のラジエータ。
11. 【請求項１１】 第一の金属プレートが、その表面上の
    強化手段と中央部から縁への対流による熱伝達制限手段
    とを有することを特徴とする、請求項１に記載のラジエ
    ータ。
12. 【請求項１２】 強化手段が、第一の金属プレートの少
    なくとも一部に沿って延びるグループを有することを特
    徴とする、請求項１１に記載のラジエータ。
13. 【請求項１３】 中央部から縁への対流による熱伝達制
    限手段がグループによって形成されていることを特徴と
    する、請求項１２に記載のラジエータ。
14. 【請求項１４】 中央部から縁への対流による熱伝達制
    限手段が複数の穴を有することを特徴とする、請求頃１
    ２に記載のラジエータ。
15. 【請求項１５】 空気の流れを強くするための強制流れ
    手段を更に有することを特徴とする、請求項１に記載の
    ラジエータ。
16. 【請求項１６】 空気加湿手段を更に有することを特徴
    とする、請求項１に記載のラジエータ。