JP2019039629A - 暖房機 - Google Patents

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和馬 西田
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和馬 西田
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Abstract

【課題】消臭性能に優れた暖房機を提供する。【解決手段】熱源部1と、この熱源部1により加熱され、かつ外面が熱輻射用の放熱面34とされている放熱用パネル部Pと、を備えている、暖房機Hであって、放熱用パネル部Pは、熱源部1により内部空気が加熱されることによって空気の対流を生じさせる上下開放状の空洞部5を形成しており、この空洞部5の内壁面に、消臭機能付き塗料層6が設けられている。【選択図】 図3

Description

本発明は、パネルヒータなどの暖房機に関する。
パネルヒータの具体例として、特許文献1に記載のものがある。
同文献に記載のパネルヒータは、面状発熱体などの熱源部によって加熱される放熱用パネル部を備えており、この放熱用パネル部の外面(前面)が、熱輻射用の放熱面とされている。この放熱面には、消臭機能付き塗料層が設けられている。
このような構成によれば、室内を暖房しつつ、室内の消臭をも図ることが可能である。
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、改善すべき余地がある。
すなわち、消臭性能を高めるには、消臭機能付き塗料層にできる限り多くの室内空気を触れさせる必要がある。これに対し、前記従来技術においては、消臭機能付き塗料層が熱輻射用の放熱面に設けられているに過ぎない。このため、前記放熱面の周辺部に空気の自然対流が生じる作用を利用し、この空気の一部を消臭機能付き塗料層に触れさせることは可能であるものの、このような原理によれば、消臭機能付き塗料層に実際に触れる空気の量は、前記した自然対流を生じている空気のうちのごく僅かである。また、前記放熱面は、パネルヒータの外部に晒された熱輻射面であるため、前記した自然対流が生じたとしても、前記放熱面の消臭機能付き塗料層に沿って流れる空気量もさほど多くはない。したがって、前記従来の暖房機の消臭性能は、未だ十分に満足できるものではなく、この点において改善の余地がある。
特公平6−32271号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、従来よりも消臭性能に優れた暖房機を提供することを、その課題としている。
前記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明により提供される暖房機は、熱源部と、この熱源部により加熱され、かつ外面が熱輻射用の放熱面とされている放熱用パネル部と、を備えている、暖房機であって、前記放熱用パネル部は、内部空気が加熱されることによって空気の対流を生じさせる上下開放状の空洞部を形成しており、この空洞部の内壁面に、消臭機能付き塗料層が設けられていることを特徴としている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、放熱用パネル部に形成された空洞部においては、熱源部によって内部空気が加熱されることによって空気の対流が生じ、空洞部の上方からは暖まった空気が流出する一方、空洞部の下方からは新たな空気が流入する。本発明においては、そのような空気の流れが活発に生じる空洞部の内壁面に、消臭機能付き塗料層が設けられているため、この消臭機能付き塗料層には多くの空気を効率よく触れさせることができる。したがって、消
臭機能付き塗料層を熱輻射用の放熱面のみに設けていた従来技術よりも、消臭性能を優れたものとすることができる。
また、本発明によれば、熱輻射式暖房に加え、対流式暖房も同時に行なわれるため、優れた暖房性能も得られる。
本発明において、好ましくは、前記消臭機能付き塗料層は、前記空洞部の内壁面の略全域に設けられている。
このような構成によれば、消臭機能付き塗料層の面積が大きくなるため、消臭性能をより優れたものとすることができる。
本発明において、好ましくは、前記消臭機能付き塗料層の表面は、粗面とされている。
このような構成によれば、消臭機能付き塗料層の表面積が大きくなること、および消臭機能付き塗料層の表面に沿って空気が流れる際に、この空気が乱流状態となって消臭機能付き塗料層に対する接触度合いが高められることにより、消臭性能を一層優れたものとすることができる。
本発明において、好ましくは、前記放熱用パネル部は、外面が前記放熱面とされた外側パネル本体部を有する外側パネルと、前記外側パネル本体部よりも前記熱源部寄りの内側に位置して前記外側パネル本体部に対向する内側パネル本体部を有し、かつ前記外側パネルと組み合わされることにより、前記外側パネル本体部と前記内側パネル本体部との相互間に前記空洞部を形成する内側パネルと、を備えている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、空洞部は、外側パネルと内側パネルとを組み合わせて構成されているため、空洞部の内壁面に塗装を施し、消臭機能付き塗料層を設ける作業は、外側パネルと内側パネルとを組み付ける前の段階において、非筒状の外側パネルに対し、あるいは非筒状の内側パネルに対して容易に行なうことが可能となる。本発明においては、放熱用パネル部をたとえば押し出し成形による中空部材として形成することも可能であるが、この場合には、空洞部の内壁面に塗装を施す作業が困難化する。これに対し、前記構成によれば、そのような不具合をなくすことが可能である。
本発明において、好ましくは、前記外側パネル本体部および前記内側パネル本体部のうち、少なくとも一方には、他方側に向けて突出し、かつ上下高さ方向に延びる複数のフィンが設けられており、これら複数のフィンの外面に、前記消臭機能付き塗料層が設けられている。
このような構成によれば、複数のフィンを利用して空洞部の内部空気を加熱することが可能となるため、空洞部の内部空気に対する加熱効率をよくすることができる。加えて、それら複数のフィンに消臭機能付き塗料層が設けられることにより、この消臭機能付き塗料層の面積を大きくすることができるため、消臭性能を高める上で一層好ましいものとなる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
本発明に係る暖房機の一例を示す概略説明図である。 図1に示す暖房機の分解図である。 図1のIII−III縦断面図である。 図1のIV−IV平面断面図である。 図4に示す構造の要部分解平面断面図である。 図1に示す暖房機の放熱用パネル部の分解斜視図である。 本発明の他の例を示す断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1および図2に示す暖房機Hは、温水式パネルヒータであり、温水配管1、この温水配管1の両側に位置する一対の放熱用パネル部P、上側カバー2A、左右一対のサイドカバー2B、および支持台2C(図3を参照、図1および図2では省略)を備えている。
温水配管1は、不図示の給湯装置から供給されてくる温水が内部を流通し、かつその際に周辺部への放熱を行なう部位であり、本発明でいう熱源部の一例に相当する。この温水配管1は、たとえば蛇行状である。また、放熱用パネル部Pへの熱伝達量を多くし得るように、外面に平面部が形成された断面長円状の管体を用いて構成されている(図3〜図5を参照)。
各放熱用パネル部Pは、温水配管1から発せられる熱によって加熱される部位であり、その外面は熱輻射用の放熱面34とされ、かつ内側には空気の対流を生じさせるための上下開放状の空洞部5を形成している。図5および図6に示すように、放熱用パネル部Pは、外側パネル3と内側パネル4とを組み合わせて構成されている。これらは、たとえばアルミニウムまたはその合金などの金属製である。
外側パネル3は、外面が既述した熱輻射用の放熱面34とされている略平板状の外側パネル本体部30、およびその両端に屈曲状に連設された一対の側板部31を備えている。これに対し、内側パネル4は、外側パネル本体部30に対向する略平板状の内側パネル本体部40、その両端に屈曲状に連設された一対の側板部41、および内側パネル本体部40から外側パネル3側に向けて突出した複数のフィン42を備えている。これら複数のフィン42は、上下高さ方向に延び、かつ横幅方向に適当な間隔を隔てて並んでいる。
図3および図4に示すように、外側パネル3および内側パネル4は、これら両者によってその相互間に空洞部5を形成するように組み合わされている。空洞部5は、複数のフィン42によって複数の領域に区分されている。図4の主要図では、各フィン42の先端部が外側パネル本体部30に接触しているように示されているが、実際には、同図の要部拡大図aに示すように、それらの相互間には、適当な幅Laの隙間Cが形成されている。このような構成によれば、フィン42に寸法誤差があるような場合において、外側パネル3と内側パネル4とを組み付ける際に、フィン42の先端部が外側パネル本体部30に強く当たり、外側パネル3と内側パネル4との組み付け作業が困難化するなどの不具合を回避することができる。勿論、これとは異なり、フィン42の先端部を外側パネル本体部30に接触させて隙間Cをなくしてもよい。この場合には、フィン42から外側パネル本体部30への直接的な熱伝達を生じさせることが可能である。
図3に示すように、各空洞部5は、上下両端が開放状態の筒状空洞部とされている。温水配管1内に温水が流通すると、空洞部5内の空気が暖められる。すると、煙突効果によって前記空気は上昇し、上側カバー2Aの通気口20を通過して暖房機Hの上方に流出する。その際、空洞部5の内部には、その下端の開口部分から室内空気が流入する。一方、空洞部5よりも外側に位置する外側パネル3は、空洞部5を介して加熱される。このため、放熱用パネル部Pの外面である放熱面34からは、その正面方向などに向けて熱輻射が
なされる。
図3および図4において、空洞部5の内壁面の略全域には、消臭機能付き塗料層6(6a)が設けられている。具体的には、内側パネル本体部40および外側パネル本体部30の互いに対向する面や、複数のフィン42の表面などに、消臭機能付き塗料層6が設けられている。本実施形態では、放熱面34にも消臭機能付き塗料層6(6b)が設けられている。図1および図2では消臭機能付き塗料層6の記載を省略している。
消臭機能付き塗料層6としては、たとえば活性炭、ゼオライト、または鉄化合物とアスコルビン酸とを組み合わせたものなどを消臭材として塗料中に含有させたものが代表例として挙げられる。これ以外としても、特開平5−140479号公報、特開平1−217083号公報、特開平2−92967号公報、特開平2−305867号公報など、消臭機能を備えた塗料としては様々なものがある。本実施形態における消臭機能付き塗料層6は、温水配管1によって加熱される条件下で使用されるが、このような条件下である程度の消臭機能を発揮し得るものであればよく、消臭機能付き塗料層6の具体的な組成、成分などは問わない。
好ましくは、消臭機能付き塗料層6は、遠赤外線放射機能をさらに備えたものとされる。これは、遠赤外線セラミックなどの遠赤外線放射材をさらに含有させることにより実現できる。このような構成によれば、暖房対象の室内に遠赤外線を放射し得ることは勿論のこと、たとえば内側パネル4の消臭機能付き塗料層6から外側パネル3に向けて遠赤外線を放射させることが可能となるため、外側パネル3の加熱効率を高めることができるといった効果も得られる。
図4の要部拡大図bに示すように、消臭機能付き塗料層6の表面は、粗面とされている。このための手段として、たとえば外側パネル3および内側パネル4のうち、消臭機能付き塗料層6の下地面に予め粗面化処理を施しておく手段を採用することができる。下地面に粗面化処理を施しておけば、消臭機能付き塗料層6を形成する作業は、通常の塗装処理でよいこととなり、その作業性がよい。また、下地面と消臭機能付き塗料層6との接触面積が大きくなるため、これらの密着強度を高くすることも可能である。ただし、本実施形態とは異なり、消臭機能付き塗料層6の下地面を、粗面化処理が施されていない面とすることもできる。
次に、前記した暖房機Hの作用について説明する。
まず、温水配管1に温水が供給されると、その熱は温水配管1から放熱用パネル部Pの各部に伝達する。このため、放熱面34からは熱輻射を生じさせることができる。空洞部5においては、既述したように、内部空気が暖められることによる煙突効果を生じさせ、暖められた空気を上側カバー2Aの通気口20から上昇流出させるとともに、室内空気を空洞部5内にその下端開口部から流入させる自然対流を生じさせることができる。このことにより、静寂性に優れ、自然な状態の暖房効果が得られる。
空洞部5には、前記したような空気の流れが生じているのに対し、この空洞部5の内壁面には、消臭機能付き塗料層6(6a)が設けられているため、この消臭機能付き塗料層6には、多量の空気が効率よく触れる。また、消臭機能付き塗料層6aは、空洞部5の内壁面の略全域の広い範囲にわたって設けられていること、および消臭機能付き塗料層6aの表面が粗面とされていることなどにより、消臭機能付き塗料層6aにはより多くの空気が効率よく触れることとなる。その結果、空気中の臭い成分を消臭機能付き塗料層6に多く吸着させ、暖房機Hの消臭性能を優れたものとすることができる。熱輻射用の放熱面34にも、消臭機能付き塗料層6(6b)が設けられているため、消臭性能をさらに高める
ことも可能である。
各放熱用パネル部Pは、既述したように、外側パネル3と内側パネル4とを組み合わせることにより構成されており、空洞部5に消臭機能付き塗料層6を設けるための塗装作業を行なう際には、たとえば図6に示すように、外側パネル3と内側パネル4とを互いに組み付けていない状態で行なうことができる。したがって、消臭機能付き塗料層6を設けるための作業性を良好にすることも可能である。
本発明において、放熱用パネル部Pは、押し出し成形の手法を用いるなどして、たとえば図7に示すような中空状断面をもつ単一物として形成することも可能である。ただし、この場合には、空洞部5の内壁面に消臭機能付き塗料層6を設けるための塗装作業が困難化する。本実施形態の放熱用パネル部Pの構成によれば、そのような不具合を解消することが可能である。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る暖房機の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
消臭機能付き塗料層は、空洞部の内壁面の略全域に設けることが好ましいものの、本発明はこれに限定されず、空洞部の内壁面のうち、一部の領域のみに消臭機能付き塗料層が設けられている場合であっても、本発明の技術的範囲に包摂される。空洞部5内にフィン42が設けられている場合、このフィン42の表面は、本発明でいう空洞部の内壁面に相当する。
複数のフィン42は、内側パネル4に代えて、外側パネル3に設けた構成とすることも可能である。ただし、外側パネル3にフィン42を設けた場合には、内側パネル4にフィン42を設けた場合よりも、熱源部(温水配管1など)からフィン42への熱伝達量は少なくなる。したがって、複数のフィン42は、内側パネル4に設けることが望ましい。
消臭機能付き塗料層としては、様々なものを用いることができることは先に述べたとおりである。消臭機能付き塗料層の表面は、粗面とすることが好ましいものの、非粗面状態であってもよい。
本発明に係る暖房機は、温水式パネルヒータに限らず、熱源部として、たとえば電熱ヒータを用いたものとすることもできる。
H 暖房機
P 放熱用パネル部
1 温水配管(熱源部)
3 外側パネル
30 外側パネル本体部
4 内側パネル
40 内側パネル本体部
42 フィン
5 空洞部
6 消臭機能付き塗料層

Claims (5)

  1. 熱源部と、
    この熱源部により加熱され、かつ外面が熱輻射用の放熱面とされている放熱用パネル部と、
    を備えている、暖房機であって、
    前記放熱用パネル部は、内部空気が加熱されることによって空気の対流を生じさせる上下開放状の空洞部を形成しており、
    この空洞部の内壁面に、消臭機能付き塗料層が設けられていることを特徴とする、暖房機。
  2. 請求項1に記載の暖房機であって、
    前記消臭機能付き塗料層は、前記空洞部の内壁面の略全域に設けられている、暖房機。
  3. 請求項1または2に記載の暖房機であって、
    前記消臭機能付き塗料層の表面は、粗面とされている、暖房機。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の暖房機であって、
    前記放熱用パネル部は、
    外面が前記放熱面とされた外側パネル本体部を有する外側パネルと、
    前記外側パネル本体部よりも前記熱源部寄りの内側に位置して前記外側パネル本体部に対向する内側パネル本体部を有し、かつ前記外側パネルと組み合わされることにより、前記外側パネル本体部と前記内側パネル本体部との相互間に前記空洞部を形成する内側パネルと、
    を備えている、暖房機。
  5. 請求項4に記載の暖房機であって、
    前記外側パネル本体部および前記内側パネル本体部のうち、少なくとも一方には、他方側に向けて突出し、かつ上下高さ方向に延びる複数のフィンが設けられており、
    これら複数のフィンの外面に、前記消臭機能付き塗料層が設けられている、暖房機。
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