JP4454039B2 - 電気温水循環暖房器 - Google Patents

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Description

本発明は、室内暖房用として用いる暖房器であって、露出した放熱パネルをヒーターユニットボックス上に一体化して床上を移動自在とした、可動式の電気温水循環暖房器である。
放熱部と加熱部とを一体化した電気温水暖房機は、図11に示す従来例1、及び図12に示す従来例2等により既に公知である。
従来例1は、特許文献1に開示されたものであって、図11に示す如く、直線状の水平配置した加熱用銅管の外周面に、多数の放熱フィンを周設固定し、且つ、加熱用銅管の内部の加熱室にシーズヒーターを、加熱用銅管のほぼ全長に亘って配置すると共に、加熱室に水溶液を充填し、加熱用銅管から折曲管部を介して水平配置した膨張室用銅管内にイナートガスを充填し、膨張室水平管部の先端に圧力安全弁を配置したものである。
そして、サーモスタットでの制御の下に、シーズヒーターを介して加熱室内の水溶液を加熱し、加熱水溶液の自然対流熱伝導で放熱フィンを加熱し、放熱フィンからは、自然対流方式で室内空気を暖める電気温水暖房器であり、暖房器全体を小型化すると共に、加熱室内の少量の水溶液を短時間で加熱させて、放熱フィンを短時間で加熱させ、放熱の初期立上りを早くしたものであって、放熱部と加熱部とをケース内に収納した暖房器である。
従来例2は、特許文献2に開示されたものであって、図12に示す如く、コ字状の銅製第1管の上部を膨張室とし、膨張室の先端に安全弁を配置すると共に、第1管の下部の大径部にシーズヒーターを配置し、第1管の上部と下部との中間から第2管を平行に配置し、第2管の両端を第1管に接続して循環経路とすると共に、第2管の外周にフィン群を配置し、循環経路内に加熱充填水を自然対流循環させるものであり、ケース本体内に配置したサーモスタットの制御の下に、加熱循環水を介してフィン群から暖房熱を自然対流放散する、加熱部及び放熱部を一体的に収納した電気温水暖房器である。
実開平6−18813号公報 特開昭55−49635号公報
従来例1(図11)の暖房器は、加熱室内の水溶液をシーズヒーターで加熱し、加熱室を構成する銅管が銅管外周の放熱フィンに熱伝達するものであるため、加熱水溶液から放熱フィンへの熱伝達は、自然対流熱伝達であり、放熱フィン群に温度斑が生じ易い。
また、加熱室内の水溶液の量が少ないため、サーモスタットによる運転、停止が頻繁に生じて、消費電力に対応する発熱効果も少ない。
また、放熱体(放熱フィン)からの暖房方式は、放熱体からの自然な空気の流れを利用する自然対流方式であり、体に優しい温和な暖房を提供するものではあるが、放熱部(放熱フィン群)がケーシング内に収納されているため、輻射熱暖房効果も少ない。
従来例2(図12)の暖房器は、下部のシーズヒーターを配置した第1管と、放熱フィン群を備えた中間の循環用第2管とで加熱水溶液を循環させるものではあるが、加熱水溶液は、自然対流循環のため、シーズヒーターに通電後に、時間が経過しないと放熱フィン群が加熱されず、放熱フィン群も、自然対流熱伝達のために、第2管の始端部と終端部とでは温度斑が生じる。
また、放熱フィンから室内への暖房方式は、従来例1(図11)同様の自然対流方式であるが、放熱体(放熱フィン群)がケースに収納されているため、輻射熱暖房効果は少ない。
本願発明は、従来の加熱部と放熱部を一体とした暖房器の、上述の問題点を解決、又は改善するものであって、従来例1,2同様に、加熱部と放熱部とを一体とした暖房器であるが、放熱体としては、露出形態の温水循環パネルを採用し、加熱部からの放熱体への熱伝達は強制対流熱伝達として、放熱体への熱伝達を斑無く達成すると共に、放熱体から室内への暖房は、人体に優しい自然対流方式で達成し、且つ、放熱体からの輻射熱暖房も最大限発揮出来るコンパクトな暖房器を提供するものである。
本発明は、例えば図1に示す如く、上部の放熱部8を下部のヒーターユニットボックス1と一体化した電気加温式の温水循環暖房器であって、放熱部8は、温水供給口8S及び温水排出口8Rを備えた温水循環放熱パネルであって、パネル面を露出しており、ヒーターユニットボックス1は、図4(B)に示す如く、パイプ部7Tの両端外周を配管接続用のホースニップル部7Jとし、パイプ部7Tの中央からは、パイプ部7Tの水路開閉用の仕切弁7Bを突出し、仕切弁7Bの両側では接続部7Dを突出し、各接続部7Dにはボール弁7A,7Cを着脱自在に螺着する水張り継手金具7、空気分離圧力タンク2、循環ポンプ3、パイプヒーター4を配管接続して温水循環機能部を収納し、往き管S及び戻り管Rで放熱部8と接続すると共に、側面適所には電線プラグ9Gを引出し自在に配置したものである。
この場合、「パネル面を露出」の意は、放熱パネル面全面から室内への輻射熱放散が達成出来る露出を意味する。
また、ヒーターユニットボックス1は、プラスチック板の組立てでも、金属板の組立てでも良いが、メンテナンス上、匡体は、板材で着脱自在に構成するのが良い。
また、ヒーターユニットボックス1内に収納する循環ポンプ3、パイプヒーター4は慣用品で準備すれば良く、循環ポンプ3は、合成樹脂製の電磁ポンプでも金属性循環ポンプでも良く、パイプヒーター4は、省エネルギー性に優れた熱匠(株)製の1kw発熱用SCヒーター(商品名)を暖房能力に応じて適数本採用すれば良く、配管は、耐久性、耐熱性、耐溶剤性に優れた、慣用のエチレン−プロピレンゴム製パイプを採用すれば良い。
また、放熱部8は、温水循環タイプであれば採用可能であり、森永エンジニアリング(株)製の金属パネル(商品名:サーモパネル)や、特開2001−116475号に開示されたプラスチック製放熱器も採用可能である。
また、空気分離圧力タンク2は、慣用の温水循環暖房システムに於ける膨張タンクとエアセパレータとの機能を奏するタンクとして、軽量化、小型化、低価格化の命題の下に開発した新規なプラスチック製密閉タンクであり、容量は、暖房器内を循環させる水の、常温時の量、加温時の量、及び稼動時の空気圧力に基づいて決めれば良く、1kw暖房器仕様にあっては、典型的には、図6に示す如く、容量0.5L(リットル)で矩形箱に裁頭角錐を重ねて省スペースのヒーターユニットボックス1内への配置の自由度を大としたものである。
また、制御系統は、それ自体慣用のマイコン制御で構築した温度調整ユニットをヒーターユニットボックス1内に組み込み、操作パネル9Eをヒーターユニットボックス1の外面適所に配置すれば良く、この場合、操作パネル9Eに時計機能を組み込めば、電源のオン−オフ、温度、時間の組合せにより、暖房の省エネルギー化に有効である。
また、ヒーターユニットボックス1の底面に、図1の如く、キャスター1Vを配置すれば、暖房器HCは床面上の移動が自在となり、引出し自在な電線プラグ9Gと相俟って、室内での使い勝手が向上する。
従って、本発明の電気温水循環暖房器は、放熱部と加熱部とを一体に組み付けたコンパクトな暖房器でありながら、放熱部8の加熱が、温水の循環モーターによる強制循環での加熱となるため、放熱部、即ち放熱パネル面は、温度斑が生ずることなく均斉な放熱体となり、放熱パネルからの、室内への自然対流暖房によって、人体に優しい温和な室内暖房を達成する。
しかも、放熱パネル面が露出しているため、放熱パネル面からは対流暖房熱と共に、輻射暖房熱も助力し、放熱パネルは、触れても火傷しない程度の温度であっても、ぽかぽか感のある温和な暖房となり、高齢者、小児等にも危険の無い、安全、安心な室内暖房を提供する。
また、本発明の暖房器にあっては、ヒーターユニットボックス1内に配置する水張り継手金具7は、図4(B)に示す如く、パイプ部7Tの両端外周を配管接続用のホースニップル部7Jとし、パイプ部7Tの中央からは、パイプ部7Tの水路開閉用の仕切弁7Bを突出し、仕切弁7Bの両側では接続部7Dを突出し、各接続部7Dにはボール弁7A,7Cを着脱自在に螺着して、ヒーターユニットボックス1内の配管経路内に配置する点も必須要件としている
この場合、仕切弁7Bはパイプ形状で突出して、先端には仕切弁7Bを開閉操作するための面構造を備えており、典型的には、仕切弁7Bは、パイプ部(標準:長さ97mm、径13.5mm)7Tと同径(標準:13.5mm)のパイプ形状で、50mm突出し、先端の回転面を十字ドライバーで回動して開閉するものである
従って、暖房器HC内への水張りは、図4(C)の如く、仕切弁7Bを閉止して、ボール弁7Aには、耐圧ホース6Cを用いて水道蛇口6Aと接続すると共に、ボール弁7Cには透明ホース6Dを用いて水を張ったバケツ6Bと接続し、ボール弁7Aからの圧力流水を暖房器内の水経路に充填し、ボール弁7Cからバケツ内への噴出水を確認することにより、密閉型循環経路内に所定圧の水が充填出来る
この場合、ボール弁7Cからバケツ内への透明ホース6Dに所望水圧相応の揚程を保持し、ボール弁7Aを閉止して水道水圧の付加を無くすることにより、設計値の圧力水の充填が出来、充填水を空気と置換した後、ボール弁7A,7Cを閉止し、仕切弁7Bを開とすれば、暖房器内の配管経路内は、暖房器HCの稼動可能となる
従って、暖房器HC内への水張りは、小型の新規な水張り継手金具7の介在で簡便に実施出来、メンテナンスフリーの密閉型温水循環暖房器となる
また、本発明暖房器の放熱部8は、図5に示す如く、プラスチック製の小径縦パイプ8B群を、上端及び下端のプラスチック製の大径横パイプ8Aで接続連通し、下端横パイプ8Aに温水供給口8S及び温水排出口8Rを配置したプラスチック樹脂製放熱パネル81,82とするのが好ましい。
この場合、放熱パネル81,82の枚数は問わないが、1枚の場合は、下端横パイプ8Aの一端に温水供給口8Sを配置すれば、温水排出口8Rは下端横パイプ8Aの他端側となるため、ヒーターユニットボックス1との接続が煩雑となる。
また、放熱パネルを3枚以上の重ねタイプとすれば、中間の放熱パネル面からの輻射熱放散効果が減殺される。
そのため、放熱パネルは、典型的には、図5に示す如く、2枚重ねタイプであり、放熱パネルを2枚重ねとすれば、放熱部8の温水供給口8Sと温水排出口8Rとは、簡便に同一部位(下端横パイプ8Aの一端)と出来、且つ、各パネルからの輻射熱放散も、室内暖房に有効に機能する。
また、放熱面を担当する縦パイプ8B群の径と、循環路及び補強枠材として機能する横パイプ8Aの径は、1kw暖房器HCにあっては、典型的には、横パイプ8Aが外径(dA)27mm、肉厚5mmであり、縦パイプ8Bが外径13mm、肉厚1.6mmである。
また、各縦パイプ8B群の上下の横パイプ8Aとの接続は、熱融着手段で実施すれば良く、特開2007−247869号公報で開示された手段で実施すれば良い。
従って、ヒーターユニットボックス1の往き管Sから放熱パネル81,82へ供給される温水(標準:75℃)は、強制循環によって、下端横パイプ8Aから縦パイプ8B群に一斉に流入して放熱パネルを均斉な加熱面とし、放熱パネル81,82面の周囲の空気を自然対流で暖房し、放熱パネル81,82面からの輻射放散熱との協仂によって、ぽかぽか感のある、人体に優しい温和な暖房を発揮する。
しかも、放熱パネルが全合成樹脂製であって、放熱パネル表面温度も、40〜60℃であるため、人手に触れても火傷しない、安全な室内暖房器を提供する。
また、放熱部8は、図5に示す如く、第1放熱パネル81と第2放熱パネル82とを、対向表面間隔GPが、加熱空気のみの上昇流動を許容する寸法で一体化し、第1放熱パネル81の、下端横パイプ8Aの一側下端には温水供給口8Sを、第2放熱パネル82の、下端横パイプ8Aの一側下端には温水排出口8Rを配置するのが好ましい。
この場合、第1放熱パネル81と第2放熱パネル82との一体化は、図5に示す如く、下端横パイプ8Aの両端、及び上端横パイプ8Aの右端では、スペーサーパイプ8Dで接続し、上端の横パイプ8Aの左端のみは連通パイプ8Cで連通して、第1放熱パネル上端横パイプ8A左端から第2放熱パネル上端横パイプ8Aの左端への流水経路を確保して、第1放熱パネル81と第2放熱パネル82とを、横パイプ8Aの中心間距離W8´が31.5mmで一体化すれば、第1放熱パネル81と第2放熱パネル82との対向表面間隔(スペース)GPが18.5mmとなる。
そして、第1放熱パネル81では、下端横パイプ8Aの一端下部に温水供給口8Sを付設すると共に、下端横パイプ8A及び上端横パイプ8Aの各端面を閉止板8Fで閉止し、第2放熱パネル82では、上下横パイプ8Aの各端面を閉止板8Fで閉止すると共に、上端横パイプ8Aの左端では、左端の縦パイプ8Bと次の縦パイプ8Bとの間に閉止板8Eを配置し、下端横パイプ81の右端では、右端の縦パイプ8Bと次の縦パイプ8Bとの間に閉止板8Eを配置し、且つ右端の縦パイプ8Bと対応する部位に温水排出口8Rを配置すれば良い。
従って、図5に示す如く、ヒーターユニットボックス1の往き管Sからの温水は、第1放熱パネル81の温水供給口8Sへの流水f1→下端横パイプ8A内の横流水f2及び縦パイプ8B群内の上昇流水f3→上端横パイプ8Aの流水f4→連通パイプ8C内の横流水f5→第2放熱パネル82左端の降下流水f6→下端横パイプ8A内の横流水f7及び縦パイプ8B群内の上昇流水f8→上端横パイプ8A内の横流水f9→右端縦パイプ8B内の降下流水f10→温水排出口8Rからヒーターユニットボックス戻り管Rへの流水f11の経路で、循環ポンプ3によって強制循環する。
そして、放熱部8の温水供給口8Sと温水排出口8Rとは同一部位での配置となり、放熱部8とヒーターユニットボックス1との循環経路接続が、同一部位での接続となり、簡便に実施出来る。
また、第1放熱パネル81と第2放熱パネル82との対向表面間隔GPは、20mm以上になると、両側の上昇加熱気流間に、冷気の下降流を生ずる怖れがあるが、20mm以下(標準:18.5mm)であるため、間隔GPは上方からの冷気の流下は生じなく、加熱空気は熱溜りを生ずることなく、スムーズに自然対流上昇して室内の温和な暖房を実現する。
また、本発明は、放熱パネル81,82の、横パイプ8A及び縦パイプ8Bの全てが、表面に塗膜層を備えた2層成形プラスチックパイプであるのが好ましい。
この場合、横パイプ8A、縦パイプ8BをPP−R樹脂(ポリプロピレン.ランダム.コポリマー樹脂)で成形する場合は、表層用のプラスチックは、内側のパイプ本体用樹脂(PP−R樹脂)と同一樹脂に所望の顔料を混入して、0.4〜0.6mm厚(標準:0.5mm厚)の表層として2層押出成形すれば良い。
従って、輻射熱放散のために露出させる放熱パネル81,82は、需要者の好みの色彩デザインの下に作成出来、且つパイプ表面の紫外線劣下を阻止し、室内配置に好適な、美しい暖房器が得られる。
しかも、露出したプラスチック製放熱部の各パイプ8A,8Bは、好みの色彩に着色したにも関わらず、内層のパイプ本体は、顔料の混入していないプラスチック樹脂であるため、顔料混入による合成樹脂の耐久性劣化は避けられる。
また、本発明にあっては、ヒーターユニットボックス1が、外端板17Sの外面に上下方向切欠き17Cを備えた塞ぎ具17を、底板1Cの長手方向両端に止着し、一対の長手方向の左側板1Aと右側板1Bとを、底板1C及び塞ぎ具17を被覆する形態で、底板1C及び塞ぎ具17に着脱自在に止着し、放熱部8の上端横パイプ8Aを吊下げ支持した上枠13の長手方向両端と、上接合具16を介して連結した上下方向側枠15を、塞ぎ具17の切欠き17Cに上方から嵌入して、側枠15の下端を塞ぎ具17で支承するのが好ましい。
この場合、ヒーターユニットボックス1自体は、底板1Cと、両側の側板1A,1Bと、両端の塞ぎ具17とで剛構造となり、両側板1A,1Bで形成される上面の開口部O1に、放熱部8の下端を自由垂下形態で挿入した構造となるため、左側板1Aと右側板1Bとの上端での間隔(開口部O1)は、放熱部8のヒーターユニットボックス1への組付け作業性、及び放熱部8の下端の挿入部での熱溜りを最小限とするための加熱空気の上昇隙間を確保する観点から決定すれば良く、典型的には、図2(A)に示す如く、両側板1A,1Bは、内方へ弯曲し、先端縁を内方へ突出辺1Eとした形態とし、上端の両側の突出辺1E間で、開口部O1を確保して、意匠効果も兼備したものである。
また、ヒーターユニットボックス1を形成する左右側板1A,1B、底板1C、塞ぎ具17は、金属板でも良いが、プラスチック板とすれば、放熱パネル81,82のプラスチック製と相俟って、暖房器HC全体が軽量化出来、取扱いも容易となる。
この場合、ヒーターユニットボックス1の底面を構成する底板1Cのみを鋼板製とすれば、ヒーターユニットボックス1内に配置する、各種機能機器の配置に十分な強度が付与出来ると共に、軽量化した暖房器HCの転倒防止に有効である。
従って、ヒーターユニットボックス1は、化粧枠の効果を奏する左側板1A及び右側板1Bを底板1C及び塞ぎ具17から取外せば、放熱部8が取外し可能となり、また、両側板1A,1Bの一方を取外すことにより、温水循環機能部のメンテナンスが可能となる。
そして、放熱部8は、上枠13が上端横パイプ8Aを、左右摺動を許容する形態で吊下し、上枠13の両側端を側枠15でヒーターユニットボックス1に支持するため、放熱パネル81,82の、縦パイプ8B群の下方への加熱伸長にも、横パイプ8Aの加熱横伸長にも支障を生じない。
また、本発明暖房器にあっては、図8に示す如く、上枠13は、上辺13Tに長手方向の欠込み13Aを備えると共に、欠込み13A下部には、両側の曲面当接部13Rと中央の空気流出孔H13を備えた底板13Bを備え、両側の垂直辺13Fの下端内側には曲面当接部13Rを備えた剛性中空部13Gを配置し、上蓋18は、幅中央部に空気孔Ha群を整列配置すると共に、係止爪18Gを備えた立下り片18Fを空気孔Ha群の両側から下方に突出し、上蓋18を上枠13の欠込み13Aに、立下り片18Fを介して着脱自在に嵌着するのが好ましい。
この場合、上枠13にあっては、底板13Bの両側の曲面当接部13Rと剛性中空部13Gの曲面当接部13Rとは、図8(A)に示す如く、放熱パネル81,82の上端横パイプ8Aを上側と下側外方から挟着保持出来れば良く、典型的には、両曲面当接部13Rは、横パイプ8Aと整合する曲面である。
また、上蓋18の空気孔Ha群は、下方の放熱パネル81,82からの上昇加熱空気流を均斉に放出出来れば良く、典型的には、図8(D)に示す如く、幅W18が30mm、長さ222mmの上蓋18に、幅方向の長孔(標準:幅3.5mm、長さ18mm)Ha群を、2mmのスペースを保持して穿孔したものである。
従って、上枠13は、下方の剛性中空部13Gの曲面当接部13Rと上方の底板13Bの曲面当接部13Rとによって、放熱パネル81,82の上端横パイプ8Aを強固に挟着保持して放熱部8を吊下げ保持出来る。
そして、長尺(標準670mm)の押出成形品として製作する上枠13に対する空気流出孔(標準:幅18mm、長さ154mm)H13は、穿孔作業性の悪い、欠込み13A下方の底板13Bへの穿孔作業となるため、作業性の観点から、適当な形態、間隔で配置しても、穿孔作業の容易な1枚板形態の上蓋18に、均斉、且つ整然とした空気孔Ha群を配置することにより、暖房器HCの上面は、上蓋18の空気孔Ha群が均斉な空気放出機能を感じさせ、上蓋18の両側ラインの外見と相俟って、機能デザイン性に優れた外観となる。
また、暖房器HCの枠組みを構成する上枠13、上蓋18、上接合具16、側枠15、左側板1A、右側板1B及び塞ぎ具17が、全てプラスチック製であって、押出成形品は表面に塗膜層を備え、射出成形品は顔料混入樹脂製であり、左側板1A及び右側板1Bは外皮板PRと内皮板Prとの重ね板であるのが好ましい。
この場合、上枠13、上蓋18、側枠15、左側板1A、右側板1Bは、長尺物であって、押出成形出来るため、表面の塗膜層は、本体用合成樹脂に顔料を混入した原料を用意して0.5mm厚の表層とし、必要肉厚の内層と2層押出成形すれば良く、射出成形品にあっては顔料混入樹脂で成形すれば良い。
従って、本発明の暖房器は、放熱部8がプラスチック製であり、且つ放熱部を保持する枠組みも、全てプラスチック製となるため、軽量化出来ると共に、需要者の好みの色彩意匠製品と出来る。
この場合、放熱部のプラスチック(標準:PP−R樹脂)と枠組み材のプラスチック(標準:ポリカーボネート樹脂)が異なることにより、微妙な色違いを克服するために色合せの試行錯誤製作が必要となる。
しかし、ヒーターユニットボックス1の化粧枠として、外観部を規定する長尺部材の左側板1A及び右側板1Bを、外皮板PRと内皮板Prとの2枚重ねとしたため、外皮板PRのみの色合せで良くなり、外皮板PRの色彩が不適合で廃棄しても、内皮板Prは使用可能となるため、色合せによる無駄な材料経費が低減出来、制作費が抑制出来る。
しかも、左側板1A及び右側板1Bは、典型的には、図2(A)に示す如く、大形状で断面形状も、弯曲面や段差を有するため、ヒーターユニットボックス1の側板としての必要強度を保持する必要肉厚(標準:3mm厚)とすれば、押出成形にあっては成形歪(型崩れ)が生じ易いが、外皮板PRと内皮板Prとの2枚形態として、肉厚を薄くするため、成形歪も抑制出来る。
また、空気分離圧力タンク2は、図6に示す如く、下辺2D、前辺2F、後辺2B、上辺2T及び両側辺2L,2Rを含み、且つ、上辺2Tが、前側傾斜辺Sfで前辺2Fと、後側傾斜辺Sbで後辺2Bと連続した箱形状であって、前辺2Fの上下方向中間部には接続口J1を、後辺2Bの上下方向中間部には接続口J2を、上辺2Tの後部には接続口J3を備え、両側辺2L,2R間に亘って、後方に傾斜上昇する2枚の羽根板2A,2A´を、前側羽根板2Aが前辺2Fの接続口J1の後方対応位置に、後側羽根板2A´が、前側羽根板2Aより上方、且つ、上辺接続口J3の下方対応位置に配置し、前側接続口J1を戻り管R側と、後側接続口J2を循環ポンプ3側と配管接続し、上側接続口J3をキャップ2Cで閉止するのが好ましい。
この場合、空気分離圧力タンク2のサイズは、密閉型循環システム内に充填した水量の常温(標準:15℃)時、及び温水(標準:80℃)時の膨張水量、及び膨張時水量で上昇するタンク2内の空気圧力から算出決定すれば良く、接続口J1及びJ2は、常温時でも、水位面下となるように配置すれば、水の落下音の発生は抑制出来る。
また、下方羽根板2Aと上方羽根板2A´とは、共に空気分離を助長するための制御乱流を分流生起するものであり、典型的には、共に30°傾斜で、前側羽根板2Aの幅W5は35mm、後側羽根板2A´の幅W6は40mmである。
そして、空気分離圧力タンク2は、小型で、プラスチック樹脂製で、空気抜き弁、空気逃し弁を不要とする命題の下に開発し、循環経路内の高圧時の爆発強度の約3倍の強度(安全率:3倍)としたもので、典型的には、0.6mm厚のプラスチック製であって、放熱器1kw能力用では、常温時に水容量0.28L(リットル)、循環経路内(システム内)圧力0.01Mpa、80℃時に、水量0.34L(リットル)、システム内圧力0.04Mpaとなるものである。
尚、空気分離圧力タンク2は、半透明プラスチック製としておけば、外からの透視が可能となり、水張り作業時の水の流入状況が目視出来て、作業上好都合である。
従って、本発明に使用する空気分離圧力タンク2は、図4(A)に示す如く、2枚の羽根板2A,2A´がタンク2内への流入温水を、空気分離に有効な制御乱流に分流する。
この場合、接続口J1からの流速(標準:0.885m/s)の流水w1が、タンク2内では、w2となって急減速(標準:0.118m/s)し、更に、w3,w4(0.063m/s)と減速分流することと相俟って、水中の空気泡を好適に分離して、上昇空気a1,a2,a3を上昇させて、循環経路内での発生空気をタンク2上部の空気域Zaに安全に確保する。
そのため、上辺2Tの接続口J3をゴムキャップ2Cで閉止して圧力タンクとした空気分離圧力タンク2は、密閉タイプの温水循環暖房器での、安全逃し弁、空気抜き弁の配置の不要なタンク2を提供し、且つ、長方形箱型で上半が傾斜辺Sf,Sbを備えているため、限られたスペース内への配置も可能となり、ヒーターユニットボックス1の小型化を可能とする。
本発明の電気温水循環暖房器HCは、放熱器と加熱部とを一体に組み付けたコンパクトな暖房器でありながら、放熱部8の加熱が、温水の循環モーターによる強制循環での加熱となるため、放熱部8を構成する温水循環放熱パネル面は、温度斑が生ずることなく、均斉な温度での均斉な放熱作用を奏し、放熱パネル面からの、室内への自然対流暖房によって、人に優しい温和な室内暖房を提供する。
しかも、放熱パネル面が露出しているため、放熱パネル面からは、対流暖房熱と共に、輻射暖房熱も助力し、放熱パネル面は、人手で触れても火傷しない程度の温度であっても、ぽかぽか感のある、温和な暖房となり、高齢者、小児等にも危険の無い、安全、安心な室内暖房器HCを提供する。
また、放熱部8と一体化したヒーターユニットボックス1の温水循環機能部は、水張り継手金具7を備えているため、製作工場内での、密閉温水循環系統内への、水張り、及び空気抜き作業が簡便に実施出来、空気分離圧力タンク2が、膨張タンクとエアセパレータとの機能を奏することと相俟って、メンテナンスの不要な、室内用温水循環暖房器が提供出来る。
〔ヒーターユニットボックス(図1、図2、図10)〕
図1は、ヒーターユニットボックス1に放熱部8を一体化した説明図であって、(A)は正面図、(B)は側面図であり、図2(A)は暖房器の縦断側面図、図2(B)は暖房器の縦断部分正面図であり、図10はヒーターユニットボックス1の匡体の説明図である。
ヒーターユニットボックス1は、放熱部8の下端と連結し、内部には加熱部、及び循環機能部を収納したものである。
ヒーターユニットボックス1の全体形状は、図10に示す如く、放熱部8と同長で、化粧板効果を奏するプラスチック製の左側板1A及び右側板1Bを、鋼板製の底板1Cで接合し、両側端を塞ぎ具17で接合し、上面では、左側板1Aと右側板1Bの上端に、図2(A)の如く、放熱パネル挿入用の開口部O1を備えた形状である。
左側板1A及び右側板1Bは、同一形状の対称物であって、曲率半径400mmの、外方への膨出曲面を備え、ヒーターユニットボックス1の、底面幅W1(170mm)から上面幅W1´(90mm)へと、高さL1(146mm)で弯曲し、上面では、両側板1A,1Bの上端から、水平で内方へ突出した両側上辺1Tの突出辺1E間に、放熱パネル挿入用開口部O1を形成したものである。
〔側板1A,1B(図10(A))〕
左側板1A及び右側板1Bは、必要強度厚(標準:3mm)の押出成形では、成形歪の発生が生じ易いこと、及び化粧板としての、製品の色合せで不良品として破棄する材料費を低減するために、塗膜層を備えた薄板(標準:1.5mm厚)の外皮板と、無地の薄板(標準:1.5mm厚)の内皮板の二重構造とするものであり、図10に示す如く、外皮板PRに内皮板Prを重ね合せて構成する。
この場合、外皮板PRは厚さ0.5mmの塗膜層を備えた1.5mm厚のプラスチック樹脂(ポリカーボネート樹脂)で2層押出成形し、内皮板Prは1.5mm厚のプラスチック樹脂(ポリカーボネート樹脂)で押出成形する。
外皮板PRの断面形状は、図10(A)に示す如く、高さL1が146mmで、下端に垂直辺1F(高さ26mm)及び下辺1W(幅:27mm)を備え、垂直辺1Fから段差d17(2mm)介して上昇する曲率半径400mmの内方へ弯曲した曲面部R1と、曲面部R1上端から内方へ突出(突出幅:16mm)した上辺1Tを備え、上辺1Tからは、突出辺1Eを、内皮板Prの肉厚分(1.5mm)の段落を介して突出している。
また、内皮板Prは、外皮板PRに内面から整合する、曲面部r1と垂直辺1fと、上端で内方に突出する上辺1tとを備え、外皮板PRに内接すれば、上辺1tが外皮板上辺1Tの下面に、曲面部r1が外皮板曲面部R1内面に、垂直辺1fが外皮板垂直辺1F内面に整合して重なる形状であり、内皮板Prを外皮板PRに重ねて垂直辺1fを外皮板垂直辺1Fにねじ挿入用孔H3を介してボルトb1で一体化すれば、内皮板Prは外皮板PRに対して、長手方向両端で、塞ぎ具17のアンカー辺17Aの嵌入寸法W17´(15mm)だけ短くなるものである。
そして、外皮板PRと内皮板Prの積層構造の左側板1A、又は右側板1Bの何れか一方適所に、機器制御用の、慣用の操作パネル9E嵌入孔HEを配置しておく。
〔底板1C〕
また、底板1Cは、ヒーターユニットボックス1の下辺の補強材であって、下面には、それ自体慣用のキャスター1V((株)フリーベアコーポレーション製、商品番号P−5L−5)を配置し、暖房器HCに転倒防止機能をも付与するものであり、2.3mm厚の鋼板折曲製品で、図10(A),(B)に示す如く、水平辺1Dと、水平辺両側端から起立する立上り片1Pを備え、幅wDが164mm、立上り片1Pの高さhPが15mmである。
そして、水平辺1Dの、長手方向両端、且つ幅方向中央には、塞ぎ具17の切欠き17Cを整合嵌入する切欠き17C´を配置し、水平辺1Dの幅方向両側で、且つ長手方向両端部には、塞ぎ具17の下辺止着用のねじ挿入用孔H17´を穿設し、水平辺1Dの幅方向両側部の長さ方向適所には、左右側板1A,1Bの下辺1W、即ち外皮板PRの下辺1W、のねじ挿入用孔H2と整合ねじ螺着するためのねじ挿入用孔H2を、落込み穴H2´の中央に配置し、立上り片1Pの長手方向適所にも、外皮板PR及び内皮板Prの各垂直辺1F,1fのねじ挿入用孔H3と整合するねじ挿入用孔H3を配置する。
〔塞ぎ具17(図10(C))〕
また、ヒーターユニットボックス1の両端に嵌合止着する塞ぎ具17は、底板1Cの長手方向両端に固定し、両側板1A,1Bの被覆形態の着脱を保証する剛性の必要なものであって、3mm厚のプラスチック(ポリカーボネート樹脂)一体成形品であり、図10(C)の如く、上辺17T、曲面部17R、及び下辺17Bを備え、曲面部17Rと下辺17Bとを垂直辺17Fで連続し、且つ、外端を外側端辺17Sで閉止した形態であって、幅W17(40mm)の塞ぎ具本体から幅W17´(15mm)で、1.5mm厚の、左右側板1A,1Bの端部と当接止着するアンカー辺17Aを、内皮板Prと衝き合せ可能な段落(1.5mm段落)形態で内方に延出し、外端面には、放熱部の側枠15を整合嵌入するための、断面C型の上下方向に貫通する切欠き17Cを、外側端辺17S内に陥没形態で、垂直の補強辺17P,17P´で配置している。
そして、何れかの塞ぎ具17の外側端辺17Sには電線挿通用孔H9(図1)を穿設しておく。
〔ボックスの組立て〕
そして、ヒーターユニットボックス1の匡体の組立ては、図10(B),(E)に示す如く、塞ぎ具17下辺17B上面に、底板1Cの水平辺1Dを載置して、底板の切欠き17C´を塞ぎ具17の切欠き17Cに嵌め、底板1C端部と、塞ぎ具下辺17Bとをねじ挿入用孔H17´を介して、図10(E)の如く、塞ぎ具17の下面からボルトb17で固定する。
また、図10(E)に示す如く、内皮板Prは塞ぎ具17の、1.5mm段落で突出したアンカー辺17Aと面一に衝き合せ、外皮板PRは、内皮板Pr、及び塞ぎ具17のアンカー辺17Aに被覆形態で当接し、外皮板PR上辺1Tのねじ挿入用孔H17と塞ぎ具17のアンカー辺17A上端のねじ挿入用孔H17とをナットn17とボルトb17で固定する。
そして、一方の側板1A又は1Bを底板1C及び塞ぎ具17に固定した後、底板1C及び側板1A(1B)を介して必要機器を配管で配置し、次工程の、放熱部8のヒーターユニットボックス1への連結、及び循環経路内への水張り終了後、他方の側板1B(1A)を、同様手法で取付ける。
従って、塞ぎ具17の上辺17Tは、側板1A,1Bの上辺1Tと面一に、塞ぎ具17の曲面部17Rは側板1A,1Bの曲面部R1と面一に、塞ぎ具17の垂直辺17Fは側板1A,1Bの垂直辺1Fと面一形態での接続となり、化粧板としての両側板1A,1Bと両端の塞ぎ具17とは、隙間の無い連続一体感を呈したものとなる。
〔空気分離圧力タンク2(図6)〕
空気分離圧力タンク2は、ヒーターユニットボックス1内に配置して、暖房器HC内の循環温水の熱膨張による体積膨張に対処し、循環水から空気泡を分離収納するものであって、従来の、膨張圧力タンク機能と、エアセパレータの機能を兼備した、新規な小型プラスチック製タンクである。
図6(A)は空気分離圧力タンク(圧力タンク)2の斜視図であり、図6(B)は、図6(A)のB−B線縦断面図であり、図6(C)は、(A)図の矢印C視前面図であり、図6(D)は正面図である。
空気分離圧力タンク2は、一般肉厚0.6mmのプラスチック(ポリエチレン)樹脂製であって、全体形状は、図6(B),(C)に示す如く、下部は、底辺2D、前辺2F、後辺2B、及び両側辺2L,2Rから成り、幅W2が50mm、長さL2が140mm、高さh3が55mmの箱型形状であり、上部は、上辺2Tと、前辺2Fから上辺2Tに引続く45°の前側傾斜辺Sfと、後辺2Bから上辺2Tに引続く45°の後側傾斜辺Sbとを備え、両側辺2L,2Rを上辺2Tに緩傾斜で連続して、高さh4が30mm、前側傾斜辺Sf及び後側傾斜辺Sbの前後長さL4が各35mm、上辺2T長さL3が70mm、上辺2T幅W3が38mmの裁頭角錐形状である。
そして、前辺2F及び後辺2Bには、幅方向中央の底辺2Dから高さ30mm(d5)の位置に、上辺2Tには、後辺2Bから長さL5(55mm)の位置に、それぞれ、外径16mm、肉厚2mm、突出長20mmのパイプ片を突出して、前辺接続口J1、後辺接続口J2及び上辺接続口J3を配置する。
また、各接続口J1,J2,J3は、配管として採用するゴムパイプ(エチレンープロピレンゴムパイプ)5A及びゴムキャップ2Cの取付けを確実にするため、図6(D)に示す如く、幅1mmで突出長が0.5mmの環状突起2Gを、間隔を置いて2個配置する。
また、図6(A),(B)に示す如く、左右側辺2L,2R内に差し渡し状に前側羽根板2A及び後側羽根板2A´を傾斜角30°で配置する。
この場合、各羽根板2A,2A´は、成形時に一体形成しても、成形時に側板2L,2Rに羽板板挿入孔HTを形成しておき、後工程でプラスチック板を差し渡し挿入しても良い。
そして、各羽根板の構造は、前側羽根板2Aは、前辺2Fから後方25mm(L6)で、底辺2Dから高さ20mm(h5)の位置から、幅W5が35mm、厚さ6mm板を30°傾斜で配置し、後側羽根板2A´は、後辺2Bから前方55mm(L5)で、底辺2Dから高さ35mm(h6)の位置から、幅W6が40mm、厚さ6mmの板を30°傾斜で配置する。
従って、空気分離圧力タンク2は、幅W2が50mm、長さL2が140mm、高さh2が85mmで、上部が裁頭角錐筒形態の小型タンクであって、上部の裁頭角錐筒形態によって、ヒーターユニットボックス1内への組み込みが容易でありながら、全容量は0.5L(リットル)となり、密閉型の循環システム内に0.01Mpaで充填すれば、図6(B)に示す如く、水の常温時(標準:15℃)の水容量が0.28L(リットル)、空間容量が0.22L(リットル)で水位面wLとなり、水温80℃の稼動時には、圧力タンク内圧力が0.04Mpaとなって、水容量0.34L、空間容量0.16Lで、水位面はwLとなる。
そして、図4(A)に示す如く、上辺2Tの接続口J3をゴムキャップ2Cで閉止し、前辺接続口J1から後辺接続口J2へと流れる温水は、接続口J1から循環流速0.885m/s(w1)で圧力タンク2に流入してタンク2内で急減速し、前側羽根板2Aに衝突し、制御乱流となって水と空気は分離し、且つ、前側羽根板2Aの下側では流速0.118m/s(w2)と遅くなり、空気の分離を助長し、更に、空気包含水流は、後側羽根板2A´の下側では流速が0.063m/s(w3)に減速して残留包含空気を分離し、流出接続口J2から循環流速0.885m/s(w4)で、空気を分離した温水が流出することとなる。
〔循環ポンプ3(図3)〕
循環ポンプ3は、総外径が80mm、総高さが82mmのラング社(ドイツ)製のポンプ(型式:D5−32/700B)を採用する。
該ポンプ3は、表面が真鍮(銅−亜鉛合金)とプラスチック樹脂とで形成され、内部はステンレス鋼とプラスチック樹脂とで形成されているので、慣用の金属製放熱パネル及びプラスチック樹脂製の放熱器でも、腐蝕の怖れが無く、小型、軽量で駆動音も低く、水の循環がスムーズとなる。
〔パイプヒーター4(図2(C))〕
パイプヒーター4は、慣用品であって、肉厚が2mmのステンレス鋼板製で、外径15.9mm、長さが228mmのパイプ形状で、両端は、ゴムパイプ5Aの引き抜け防止用に鍔で膨らんだものである。
このステンレスパイプの外周に、絶縁層、導電層、断熱層を溶射形成し、30w/cmの高電力密度で、熱効率95%の省エネルギー型のヒーターとする。
このパイプヒーター4は、ステンレスパイプ内に水が流れることで、水温の上昇、暖房の立上りが早い。
尚、パイプヒーター4に、肉厚20mmの保温材を被覆すれば、熱効率は向上する。
そして、1kwのパイプヒーター4は、500w2本の組合せ使用で省エネルギーとなる。
〔配管5A(図2)〕
配管5Aは、耐久性、耐熱性、耐候性、耐溶剤性に優れ、軽量、且つ可撓性に富む、慣用の、肉厚3mmで内径が14mmのエチレン−プロピレンゴム(EPDM)パイプを採用する。
〔水張り継手金具7(図4(B))〕
図4(B)は、水張り継手金具7の説明図であって、本発明のために開発した新規な継手金具である。
水張り継手金具7は、図4(B)に示す如く、T字形状の砲金製パイプ部材であり、パイプ部7Tは長さL7が97mm、径R7が13.5mmで、両端外周をゴムパイプ接続用の、12mm長のニップル部7Jとし、パイプ部7Tの中央から径が13.5mm、長さ(W7)が50mmで、パイプ部7T内の水路を開閉する弁体を備えたパイプ形状の仕切弁7Bを突出し、仕切弁7Bから左右に、おのおの23mmの位置には、把み治具(パイプレンチ)を止着する幅9mmの水平辺Psを対辺に備え、且つねじ挿入用孔H7´を備えた接続部7Dを、パイプ部7Tから19mm長突出させたもので一体化成形したものである。
そして、仕切弁7Bの先端のねじ挿入用孔H7には、十字溝を備えた回転面を配置して、十字ドライバーで回転面を回動すれば、横断面三角形状の弁体が前後移動してパイプ部7Tの水路を開閉するものである。
従って、水張り作業は、接続部7Dのねじ挿入用孔H7´に、それ自体慣用の、先端にホース接続用ねじ挿入用孔H7“を備えたボール弁7A,7Cを螺合連結して、仕切弁7Bを閉止し、ボール弁7Aを、ねじ挿入用孔H7”を介して、耐圧ホースで水道蛇口と連通し、ボール弁7Cを、ねじ挿入用孔H7“を介して、透明ホースで水を張ったバケツと連結して循環経路内に水を充填し、所定圧の下に水を充填した後、仕切弁7Bを開、ボール弁7A,7Cを閉として実施出来るものである。
〔温度調整ユニット〕
従来の温水循環暖房システム同様に、運転制御、温度制御、室温検出等は、慣用の、マイコン組込みの電気制御手段で実施する。
この場合、運転のオン−オフ制御、室温制御には時計機能を介在して制御すれば、暖房器の省エネルギー稼動が実施出来る。
尚、調整ユニットの操作パネル9Eは、図1に示す如く、ヒーターユニットボックス1の左右何れかの側板1A,1Bの適宜位置に配置した嵌入孔HEに嵌め込んで表出させれば良い。
〔放熱部8(図5)〕
放熱部8は、プラスチックパイプで連通形態に構築した第1放熱パネル81と第2放熱パネル82の2枚を採用し、上枠13及び上蓋18で上面を被覆し、側枠15の柱作用でヒーターユニットボックス1の上部に配置して、ヒーターユニットボックス1から供給する加熱温水で加熱し、室内へ放熱するものである。
図5(A)は第1放熱パネル81の正面図であり、図5(B)は放熱部8の左側面図、図5(C)は放熱部の右側面図、図5(D)は第2放熱パネル82の正面図である。
図5に示す如く、第1放熱パネル81も第2放熱パネル82も、共に細い縦パイプ8B群を上下端の横パイプ8Aで連通形態に融着一体化したものであり、縦パイプ8Bは、外径13mm、肉厚1.6mm、太い横パイプ8Aは、外径27mm、肉厚5mmで、縦パイプ8Bは長さ455mmで用意し、横パイプ8Aは長さ613mm(L8´)で用意し、各横パイプ8Aは両端を5mm厚の閉止板8Fで閉止し、第1放熱パネル81の下端横パイプ8Aの右端には、温水供給口8Sを下方に突出させる。
そして、各縦パイプ8B群は、相互の中心間の距離apを20mm、各縦パイプ8B相互のスペース(間隔)GBを7mmで、上下横パイプ8A間に融着連結して循環水路を形成する。
また、第2放熱パネル82にあっては、図5(D)に示す如く、上端横パイプ8Aの左端では、左端の縦パイプ8Bと次の縦パイプ8Bとの間の位置に、5mm厚の閉止板8Eを介在し、下端横パイプ8Aの右端では、右端の縦パイプ8Bと隣の縦パイプ8Bとの間の位置に、5mm厚の閉止板8Eを介在し、外端の閉止板8Fと閉止板8Eとの間の横パイプ8Aから温水排出口8Rを突出させる。
尚、温水供給口8S及び温水排出口8Rは、縦パイプ8Bと同一パイプ材を切断して、融着連通形態とする。
また、第1放熱パネル81と第2放熱パネル82との一体化は、図6(B),(C)に示す如く、スペーサーパイプ8Dで右側端の上下の横パイプ8A間、及び左側端の下端横パイプ8A間を中心間隔W8´が31.5mmで、両パネル81,82の対向面間スペース(間隔)GPが18.5mmに融着接合し、左側端の上端横パイプ8A間のみを連通パイプ8Cで連続して水路とする。
この場合、各横パイプ8A、及び各縦パイプ8Bは、ポリプロピレン.ランダム.コポリマー樹脂(PP−R樹脂)成形品であって、本体樹脂に所望の顔料を混入した0.5mm厚の塗膜層を表皮とする2層押出成形で準備する。
また、各プラスチックパイプ8A,8B相互の融着作業は、特開2007−247869号公報に開示の融着手段で実施すれば良い。
従って、第1放熱パネル81と第2放熱パネル82とを一体化した放熱部にあっては、図5に示す如く、ヒーターユニットボックス1内の往き管Sと接続した温水供給口8Sから流入する温水f1が、第1放熱パネル81内では、下端横パイプ8A内の左方への流れf2→縦パイプ8B群内の上昇流f3→上端横パイプ8A内の左方への流れf4→連通パイプ8Cで第2放熱パネル82への横方向流れf5となり、第2放熱パネル82内では、左端の縦パイプ8B内の下降流f6→下端横パイプ8A内の右方流れf7及び縦パイプ8B群内の上昇流れf8→上端横パイプ8A内の右方流れf9→右端縦パイプ8B内の下降流f10→温水排出口8Rから戻り管Rへの流れf11、の経路で、全パネル面の均斉循環が可能となる。
〔放熱部の枠材(図7、図8、図9)〕
プラスチックパイプ8A,8B群で構築した放熱部8の、ヒーターユニットボックス1上への載置連結は、図1、図2に示す如く、放熱部8の上端横パイプ8Aを上枠13で把持吊下し、上枠の両端を、上接合具16で両側の、支持柱の機能を奏する側枠15と連結し、側枠15の下端をヒーターユニットボックス1で支承保持すれば良く、放熱部8は、柱作用を奏する両側枠15に連結支持された上枠13によって上端が保持されて、下端がヒーターユニットボックス1の上部に収納された形態となり、縦パイプ8B群の加熱による伸長歪は支障無く吸収出来る。
〔上枠13(図7、図8)〕
上枠13は、放熱部8の全長に亘る上部被覆材であると共に、放熱部8を吊下げ保持する部材であり、図8(A)は上枠断面図である。
図8(A)に示す如く、上枠13の断面形状は、幅W13が68mm、高さh13が39mmで、弯曲突面形状の上辺13Tと両側の垂直辺13Fとから成り、一般肉厚1.5mmで、表層を0.5mm厚の着色塗膜層とした、2層成形のポリカーボネート樹脂の押出成形品である。
そして、図8(A)に示す如く、上辺13Tは、幅W13´が31mmの、上蓋配置用の欠込み13Aを備え、欠込み13Aでは、上辺13Tから肉厚部段落(標準:1.5mm)を保って幅5mmの支承片13Uを、両側から内方に突出すると共に、下方に延出(標準:10mm)した立下り片13Cを介して、両側の、横パイプ8Aと当接させるための曲面当接部13Rと、両曲面当接部13R間に亘る底板13Bとを配置し、底板13Bには、適宜形状の空気流出孔H13(標準:幅18mm、長さ154mmの長孔)を、適宜穿孔配置する。
また、上枠両側の垂直辺13Fは、下端内側に、水平辺13D、横パイプ8Aに斜め下方から当接させるための曲面当接部13R、及び傾斜辺13Sで、剛体の中空部13Gを突出形成する。
また、上枠13の長さ方向両端部には、図7(B)に示す如く、底板13Bの両端には、上接合具16の上部中央の突出片16Eと嵌着するための嵌合用孔H13”を、中空部13Gの傾斜辺13Sの両端には、図8(A)に示す如く、上接合具16の突出片16Mと嵌着するための嵌合用孔H13´を穿設する。
〔側枠15(図7、図8)〕
図7(F)には、側枠15の全体斜視を、図8(B)には側枠の断面を示しており、側枠15は、放熱部8を支持する柱作用を奏するものであって、横断面が台形の角筒であり、一般肉厚1.5mmで、表層に0.5mm厚の着色塗膜層を備えた、ポリカーボネート樹脂の2層押出成形品である。
そして、断面形状は、図8(B)に示す如く、幅W15が68mmで上枠13と同幅であり、厚さ(奥行き)T15が20mmの台形角筒であり、内垂直辺15Fから両側の側垂直辺15A、及び傾斜辺(標準:45°傾斜)15Sを介して幅42mmの外垂直辺15Dを備えたものである。
また、側枠15には、図7(F)に示す如く、内垂直辺15Fの上方には、上接合具16の挿入部16Bの突起16Cと係合用の、嵌合用孔H15(標準:長さ20mmの水平長孔)を配置する。
〔上接合具16(図7、図9)〕
上接合具16は、上枠13の長手方向端部を側枠15に連結する部材であり、図9は、上接合具の説明図であって、(A)は接合面側の正面図、(B)は上面図、(C)は縦断面図、(D)は上枠との嵌合状態説明図である。
上接合具16は、一般肉厚3mmの、着色ポリカーボネート樹脂の射出成形品であって、図9に示す如く、幅W16が68mmで、上枠13及び側枠15と同幅であり、長さ(奥行き)T16が20mmで、高さは、表出高さh16が59mm、側枠15内へ挿入する挿入部16Bの高さh16´が20mmで、総高さ79mmであり、下方の高さh16´の挿入部16Bは、図8(C)の如く、表面を段落した半肉厚(1.5mm)で、側枠15内に嵌入して、側枠表面と面一連結するものである。
そして、図9(C)に示す如く、内垂直辺16Fと、外垂直辺16Dとを、上辺16Tと上辺傾斜辺16Sで一体化し、側面は、図9(B)に示す如く、内垂直辺16Fから両側の側垂直辺16A及び傾斜辺16Sを介して、外垂直辺16Dに連なったものである。
そして、上接合具16の内垂直辺16Fでは、図9(A)に示す如く、上部中央には、係止片16E´を先端に備えた突出片16Eを水平配置し、両側上部には、上枠13の上辺13T及び垂直辺13Fに内接させるための、屈曲形態の支持片16Kを配置し、両側の各中間部には、係止片16M´を先端に備えた突出片16Mを、図9(D)に示す如く、上枠13の中空部13Gの嵌合用孔H13´に係止片16M´が嵌入する形態に配置し、挿入部16Bの中央部には、側枠15の上方の嵌合用孔H15に嵌入可能に、突起16Cを配置しておく。
即ち、上接合具16は、上枠13に対しては、図9(D)に示す如く、上枠13の欠込み13A内の底板13Bの長手方向両端の嵌合用孔H13“には、上接合具16の係止片16E´が嵌入して、突出片16Eが上枠底板13Bの下面に当接し、支持片16Kが、上枠13の上辺13Tの内面から垂直辺13Fの内面にかけて当接補強し、突出片16Mと係止片16M´との重合突出片は、上枠13の垂直辺13F下部内面の剛性中空部13G内に挿入して、嵌合用孔H13´に係止片16M´が嵌入し、突出片16Mが中空部13Gの傾斜辺13S内壁面に当接して、上枠13端部に、ガタ(摺動)の生じない嵌め込みが出来、図1及び図2に示す如く、暖房器HCの両端部では、上枠13、上接合具16、側枠15相互が、整合して一体化出来る寸法形態である。
〔上蓋18(図8)〕
図8(D)は上蓋18の平面図であり、図8(C)は上蓋18の上枠13への載置状態断面図である。
上蓋18は、上枠13の上辺中央の長手方向に縦設した欠込み13A上に載置嵌合するものであり、一般肉厚1.5mmの着色プラスチック樹脂(ポリカーボネート樹脂)押出成形品であって、図8(D)に示す如く、長さL18が222mm、幅W18が30mmで、幅中央部には、幅3.5mm、長さ18mmの長孔形状の空気孔Haを定間隔(標準:2mm間隔)で、穿孔作業によって多数配置したものであり、1本の上枠13の欠込み13A内には複数本(標準:3本)の上蓋18を継ぎ足し形態で配置するものである。
そして、上蓋18の断面形状は、図8(C)に示す如く、上辺18Tが、上枠13の上辺13Tと同一曲率の膨出曲面を備え、空気孔Ha群の両側面位置より立下り片18Fを、高さh18が4.5mmで垂下し、両立下り片18Fは下端外方に係止爪18Gを供えたものである。
そのため、上蓋18は、図8(C)に示す如く、上枠13の欠込み13Aの両側の支承片13U上に載置嵌着すれば、上蓋上辺18Tは上枠上辺13Tと整合する曲面を呈し、立下り片18F下端の係止爪18Gが、上枠上端面側の支承片13Uの下面に係合し、上枠13の底板13B上を被覆し、上枠13からの加熱空気の上昇放出を許容しながら、上枠上面に、上蓋18の、両側縁ラインによる意匠効果、及び整然と配置した空気孔Ha群による機能美を付与する。
〔暖房器の組立て(図3、図7、図10)〕
暖房器の組立ては、ヒーターユニットボックス1の組立てと、機器類、及び配管配線を行い、放熱部を組立てて、放熱部をヒーターユニットボックスと接続する作業であって、工場内で実施する。
この場合、ヒーターユニットボックス1は、図10に示す如く、両側の塞ぎ具17の下辺17Bに、底板1Cを当接載置し、塞ぎ具下辺17Bのねじ挿入用孔H17´及び底板1Cのねじ挿入用孔H17´を介して、塞ぎ具17の下辺17Bの下側よりボルトb17を挿入締着して、両側の塞ぎ具17と底板1Cとを固着する。
次いで、一体化した両側の塞ぎ具17及び底板1Cに、操作パネル9Eを配置する側の側板1A(1B)を、塞ぎ具17及び底板1Cの外周に被覆する形態で配置する。
この場合、まず内皮板Prを、両側の塞ぎ具17の内方に15mm幅で延出したアンカー辺17Aに面一に衝合し、外皮板PRは、アンカー辺17Aに被覆して塞ぎ具17の外表面と面一に配置し、底板1Cの立上り片1Pに内皮板Prの垂直辺1fを当接し、内皮板Prの垂直辺1fに外皮板PRの垂直辺1Fを被覆当接し、外皮板PR及び内皮板Prのねじ挿入用孔H3を介して、底板1Cの立上り片1Pのねじ挿入用孔H3にボルトb1を用いて締着する。
そして、外皮板PRの下辺1Wは、図10(E)に示す如く、底板1Cの水平辺1Dに穿設したねじ挿入用孔H2の下面に当接し、ボルトb1を介して、大径の落込み穴H2´内の水平辺1Dと締着する。
また、外皮板PRの上辺では、図10(E)に示す如く、塞ぎ具17の上辺の両端部で一部延出してねじ挿入用孔H17を備えたアンカー辺17Aに外皮板PRの上辺1Tを被覆当接し、アンカー辺17Aのねじ挿入用孔H17外周部に配置した立下り片17E下端に、ナットn17を配置してボルトb17で強固に締着し、外皮板PR及び内皮板Prから成る化粧板効果を奏する側板1A(1B)と、底板1Cと、両端の塞ぎ具17とを一体化する。
次に、底板1Cの水平辺1D上面に、機器類及び配管を配設する。
この場合、底板1Cの上面の適宜位置に、両面テープを用いて、空気分離圧力タンク2、及び循環ポンプ3を止着し、図3(B)に示す如く、空気分離圧力タンク2は上辺接続口J3をゴムキャップ2Cで閉止して、空気分離圧力タンク2の前辺接続口J1から水張り継手金具7を経由して戻り管Rにゴムパイプ5Aを配管P1し、空気分離圧力タンク2の後辺接続口J2と循環ポンプ3の一方の接続部J3とを配管P2し、循環ポンプ3の他方の接続部J3とパイプヒーター4とを配管P3し、パイプヒーター4と往き管Sとを配管P4する、各機器内の配管は、ゴムパイプ5Aをホースバンド5B(図2)で締付け接続すれば良い。
そして、配管隙間に電気配線し、操作パネル9Eを側板1A(1B)に嵌合表出し、電線プラグ9Gを塞ぎ具17の電線挿通用孔H9から伸縮自在に引出す。
次に、上枠13で放熱部8を吊下し、上枠13の、両側で上接合具16によって側枠15と嵌合一体化した放熱部8を、側枠15の塞ぎ具17の切欠き17Cに上方から挿入嵌合して、側枠15の下端が塞ぎ具17の下辺17Bで支承される形態で、ヒーターユニットボックス1の上部に配置し、ヒーターユニットボックス1内の、往き管Sを放熱部8の温水供給口8Sに、戻り管Rを放熱部8の温水排出口8Rと接続する。
この場合、プラスチック製の上枠13は、放熱部8と同長であって、図8(A)に示す如く、上枠13の両側の上部の曲面当接部13Rと下方外側の曲面当接部13Rとが、放熱部の上端の2本の横パイプ8Aを、全長に亘って強固に挟持する。
〔システム内への水の充填(図4)〕
図4(B)は新規な水張り継手金具7の説明図で、図4(C)は水張り作業説明図である。
温水循環システム内の水張り作業は、図4(C)に示す如く、ボール弁7Aのねじ挿入用孔H7”と水道蛇口6Aとを耐圧ホース6Cで接続し、ボール弁7Cのねじ挿入用孔H7“に透明ホース6Dの一端を接続し、透明ホース6Dの他端をバケツ6Bの水中に、且つ透明ホース6Dには設定水圧付与のため、水圧付与位置6Eまで持ち上げて、揚程(標準:1m)を付与した状態で挿入し、水張り継手金具7の仕切弁7Bを、ドライバーをねじ挿入用孔H7に挿入回動して閉止し、ボール弁7A,7Cを開放し、水道蛇口6Aを開放して、水道圧(標準:0.5Mpa)で水を循環システム内に充填する。
この場合、バケツ6B内には、空気と共に水が排出され、透明ホース6Dで気泡が目視出来、バケツ6Bでは水の表面から気泡の出るのが確認出来る。
そして、システム内の空気の排出(空気→水置換)を確認し、水道蛇口6A及びボール弁7Aを閉止すれば、システム内は給水停止となって圧力ゼロとなり、透明ホース6Dで保持した揚程により、システム内充填水は、初期圧力0.01Mpaとなる。
システム内への所定の初期圧力で水を充填した後、ボール弁7A,7Cを閉、仕切弁7Bを開として、耐圧ホース6C及び透明ホース6Dを外し、もう一方の側板1B(1A)を塞ぎ具17に被覆止着し、上蓋18を上枠13上に嵌合すれば、完成品となる。
従って、密閉型の本発明循環システムにあっては、製作時に水抜き、空気抜きを行うため、長時間連続運転しても、保守、点検の必要が無く、メンテナンスフリーのプラスチック暖房器となった。
尚、システムに故障が生じても、ヒーターユニットボックスの、何れか一方の側板1A(1B)を取外して、点検、若しくは修理、交換をすれば良く、使い易い暖房器となった。
実施例で得られた本発明の温水循環暖房器HCは、住宅暖房器では画期的なオールプラスチック製暖房器となった。
そして、北海道工業試験場、環境エネルギー部測定室での、試験方法の指導、立合いの下に、デロンギ社(デンマーク)のオイルヒーターと、同一条件下(1.2kw)で、性能比較したところ、次表のとおりであった。

パネル表面温度 面放射温度 放熱量
プラスチック暖房器 48.8℃ 28.7℃ 472w/m
オイルヒーター 71.7℃ 24.8℃ 447w/m

上記の比較試験から明らかな如く、本発明のプラスチック暖房器は、放熱パネル表面温度は低いが、面放射温度、放熱量は高く、火傷の心配の無い暖房器となった。
そして、運転開始から1.5時間の平均電力量の比較では、プラスチック暖房器は1.172kw、熱効率は97.6%であり、オイルヒーターは、1.002kw、熱効率は85.1%と、熱効率面でも顕著な差が生じた。
また、プラスチック暖房器を1500wで能力試験を実施(H19.6.18)したところ、温水供給口8Sの水温が70.8℃で流入し、温水排出口8Rの水温が63.3℃と、7.5℃低下したが、該温度低下量は室内放熱である。
そして、本発明の温水循環暖房システムの流量は2.0リットル/minで、出入口の温度差は9.5℃(標準:10℃)と高効率であった。
また、プラスチック暖房器HCは、放熱部8の重さ(熱媒の水の重量を含む)が2.7kg、ヒーターユニットボックス1の重さが5.1kgで、合計7.8kgと軽量、且つ、上部(放熱部)と下部(ヒーターユニットボックス)の重量割合が、35%:65%で転倒の怖れも少ない。
また、本発明プラスチック暖房器の放熱部8と、従来のプラスチック放熱部(特開2007−247869号公報の図5に開示のもの)との配管内流れ抵抗を比較したところ、本発明放熱部8の配管内抵抗は、0.09mmAg/mであり、従来の、プラスチック放熱部の(A)タイプ(1本パイプの屈曲並列)では、6.7mmAg/m、(B)タイプでは、0.34mmAg/m、(C)タイプでは、3.36mmAg/mであった。
従って、本発明のプラスチック暖房器HCは、放熱部8内の流水は、スムーズに流れるため、小型の循環ポンプが採用出来、熱効率の良い、省エネルギー暖房器となった。
本発明の温水循環暖房器の説明図であって、(A)は正面図、(B)は右側面図である。 本発明暖房器の説明図であって、(A)は縦断側面図、(B)は縦断正面図である。 ヒーターユニットボックスの説明図であって、(A)はボックス内正面図、(B)はボックス内上面図、(C)は縦断側面図、(D)は水流系統図である。 本発明の説明図であって、(A)は空気分離圧力タンクの作用説明図、(B)は水張り継手金具の上面図、(C)は水張り説明図である。 放熱部の説明図であって、(A)は第1放熱パネルの正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は第2放熱パネル正面図である。 空気分離圧力タンクの説明図であって、(A)は斜視図、(B)は、(A)のB−B線縦断面図、(C)は(A)図の矢印C視側面図、(D)は正面図である。 暖房器の分解斜視図であって、(A)は上蓋を、(B)は上枠を、(C)は放熱部を、(D)はヒーターユニットボックスを、(E)は上接合具を、(F)は側枠を、(G)は塞ぎ具を示す図である。 枠材の説明図であって、(A)は上枠の縦断側面図、(B)は側枠の横断面図、(C)は上蓋を上枠に嵌合した状態の説明図、(D)は上蓋の平面図である。 上接合具の説明図であって、(A)は正面図、(B)は上面図、(C)は縦断面図、(D)は上枠との嵌合状態説明図である。 ヒーターユニットボックスの匡体の説明図であって、(A)は分解斜視図、(B)は底板と側板との取付状態断面図、(C)は塞ぎ具の斜視図、(D)は塞ぎ具の横断面図、(E)は塞ぎ具の取付状態縦断面図である。 従来例1の説明図である。 従来例2の説明図であって、(A)は要部斜視図、(B)は全体正面図である。
符号の説明
1 ヒーターユニットボックス(ボックス)
1A,1B 側板
1C 底板
1D 水平辺
1E 突出辺
1F,1f 垂直辺
1P 立上り片
1T,1t 上辺
1V キャスター
1W 下辺
2 空気分離圧力タンク(圧力タンク、タンク)
2A 前側羽根板(羽根板)
2A´ 後側羽根板(羽根板)
2B 後辺
2C ゴムキャップ(キャップ)
2D 下辺
2F 前辺
2G 環状突起(突起)
2L,2R 側辺
2T 上辺
3 循環ポンプ
3J 接続部
4 パイプヒーター
5A 配管(ゴムパイプ)
5B ホースバンド
6A 水道蛇口(蛇口)
6B バケツ
6C 耐圧ホース
6D 透明ホース
6E 水圧付与位置
7 水張り継手金具
7A,7C ボール弁
7B 仕切弁
7D 接続部
7J ホースニップル部
7T パイプ部
8 放熱部
8A 横パイプ
8B 縦パイプ
8C 連通パイプ
8D スペーサーパイプ
8E,8F 閉止板
8R 温水排出口
8S 温水供給口
9E 操作パネル
9G 電線プラグ
13 上枠
13A 欠込み
13B 底板
13C 立下り片
13D 水平辺
13F 垂直辺
13G 中空部
13R 曲面当接部
13S 傾斜辺
13T 上辺
13U 支承辺
15 側枠
15A 側垂直辺
15D 外垂直辺
15F 内垂直辺
15S 傾斜辺
16 上接合具
16A 側垂直辺
16B 挿入部
16C 突起
16D 外垂直辺
16F 内垂直辺
16K 支持片
16E,16M 突出片
16E´,16M´ 係止片
16S 傾斜辺
16T 上辺
17 塞ぎ具
17A アンカー辺
17B 下辺
17C,17C´ 切欠き
17E 立下り片
17F 垂直辺
17P,17P´ 補強辺
17R 曲面部
17S 外端板(外側端辺)
17T 上辺
18 上蓋
18F 立下り片
18G 係止爪
18T 上辺
81 第1放熱パネル(放熱パネル)
82 第2放熱パネル(放熱パネル)
Ha 空気孔
GB,GP 間隔(スペース)
HA,HA´ 嵌入溝
H2,H3,H7,H7´,H7“,H17,H17´,H17” ねじ挿入用孔
H2´ 落込み穴
H9 電線挿通用孔
H13 空気流出孔
H13´,H13“,H15 嵌合用孔
HC 温水循環暖房器(暖房器)
HE 嵌入孔
HT 羽板板挿入孔
J1,J2,J3 接続口
O1 開口部
PR 外皮板
Pr 内皮板
R1,r1 曲面部
R 戻り管(リターン管)
S 往き管(サプライ管)
Sb 後側傾斜辺(傾斜辺)
Sf 前側傾斜辺(傾斜辺)
Za 空気域

Claims (8)

  1. 上部の放熱部(8)を下部のヒーターユニットボックス(1)と一体化した電気加温式の温水循環暖房器であって、放熱部(8)は、温水供給口(8S)及び温水排出口(8R)を備えた温水循環放熱パネルであって、パネル面を露出しており、ヒーターユニットボックス(1)は、パイプ部(7T)の両端外周を配管接続用のホースニップル部(7J)とし、パイプ部(7T)の中央からは、パイプ部(7T)の水路開閉用の仕切弁(7B)を突出し、仕切弁(7B)の両側では接続部(7D)を突出し、各接続部(7D)にはボール弁(7A,7C)を着脱自在に螺着する水張り継手金具(7)、空気分離圧力タンク(2)、循環ポンプ(3)、パイプヒーター(4)を配管接続して温水循環機能部を収納し、往き管(S)及び戻り管(R)で放熱部(8)と接続すると共に、側面適所には電線プラグ(9G)を引出し自在に配置した、温水循環暖房器。
  2. 放熱部(8)は、プラスチック製の小径縦パイプ(8B)群を、上端及び下端のプラスチック製の大径横パイプ(8A)で接続連通し、下端横パイプ(8A)に温水供給口(8S)及び温水排出口(8R)を配置したプラスチック樹脂製放熱パネル(81,82)である、請求項1の温水循環暖房器。
  3. 放熱部(8)は、第1放熱パネル(81)と第2放熱パネル(82)とを、対向表面間隔(GP)が、加熱空気のみの上昇流動を許容する寸法で一体化し、第1放熱パネル(81)の、下端横パイプ(8A)の一側下端には温水供給口(8S)を、第2放熱パネル(82)の、下端横パイプ(8A)の一側下端には温水排出口(8R)を配置した、請求項2の温水循環暖房器。
  4. 放熱パネル(81,82)の、横パイプ(8A)及び縦パイプ(8B)の全てが、表面に塗膜層を備えた2層成形プラスチックパイプである、請求項2又は3の温水循環暖房器。
  5. ヒーターユニットボックス(1)が、外端板(17S)の外面に上下方向切欠き(17C)を備えた塞ぎ具(17)を底板(1C)の長手方向両端に止着し、一対の長手方向の左側板(1A)と右側板(1B)とを、底板(1C)及び塞ぎ具(17)を被覆する形態で、底板(1C)及び塞ぎ具(17)に着脱自在に止着し、放熱部(8)の上端横パイプ(8A)を吊下げ支持した上枠(13)の長手方向両端と、上接合具(16)を介して連結した上下方向側枠(15)を、塞ぎ具(17)の切欠き(17C)に上方から嵌入して、側枠(15)の下端を塞ぎ具(17)で支承した、請求項2又は3又は4の温水循環暖房器。
  6. 上枠(13)は、上辺(13T)に長手方向の欠込み(13A)を備えると共に、欠込み(13A)下部には、両側の曲面当接部(13R)と中央の空気流出孔(H13)を備えた底板(13B)を備え、両側の垂直辺(13F)の下端内側には曲面当接部(13R)を備えた剛性中空部(13G)を配置し、上蓋(18)は、幅中央部に空気孔(Ha)群を整列配置すると共に、係止爪(18G)を備えた立下り片(18F)を空気孔(Ha)群の両側から下方に突出し、上蓋(18)を上枠(13)の欠込み(13A)に、立下り片(18F)を介して着脱自在に嵌着した、請求項5の温水循環暖房器。
  7. 暖房器(HC)の枠組みを構成する上枠(13)、上蓋(18)、上接合具(16)、側枠(15)、左側板(1A)、右側板(1B)及び塞ぎ具(17)が、全てプラスチック製であって、押出成形品は表面に塗膜層を備え、射出成形品は顔料混入樹脂製であり、左側板(1A)及び右側板(1B)は外皮板(PR)と内皮板(Pr)との重ね板である、請求項5又は6の温水循環暖房器。
  8. 空気分離圧力タンク(2)は、下辺(2D)、前辺(2F)、後辺(2B)、上辺(2T)及び両側辺(2L,2R)を含み、且つ、上辺(2T)が、前側傾斜辺(Sf)で前辺(2F)と、後側傾斜辺(Sb)で後辺(2B)と連続した箱形状であって、前辺(2F)の上下方向中間部には接続口(J1)を、後辺(2B)の上下方向中間部には接続口(J2)を、上辺(2T)の後部には接続口(J3)を備え、両側辺(2L,2R)間に亘って、後方に傾斜上昇する2枚の羽根板(2A,2A´)を、前側羽根板(2A)が前辺(2F)の接続口(J1)の後方対応位置に、後側羽根板(2A´)が、前側羽根板(2A)より上方、且つ、上辺接続口(J3)の下方対応位置に配置し、前側接続口(J1)を戻り管(R)側と、後側接続口(J2)を循環ポンプ(3)側と配管接続し、上側接続口(J3)をゴムキャップ(2C)で閉止した、請求項1乃至のいずれか1項の温水循環暖房器。
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