JP2000234052A - 光ディスク基板用ポリカーボネート成形材料 - Google Patents

光ディスク基板用ポリカーボネート成形材料

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JP2000234052A
JP2000234052A JP11037461A JP3746199A JP2000234052A JP 2000234052 A JP2000234052 A JP 2000234052A JP 11037461 A JP11037461 A JP 11037461A JP 3746199 A JP3746199 A JP 3746199A JP 2000234052 A JP2000234052 A JP 2000234052A
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optical disk
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polycarbonate
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Masaya Ueda
昌哉 上田
Hiroyoshi Maruyama
博義 丸山
Yoshitaka Shiraishi
義隆 白石
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光ディスク基板内部に発生する、気泡の発生が
低減する材料を提供すること。 【解決手段】粘度平均分子量が10,000〜20,0
00のポリカーボネートのペレットからなる成形材料で
あって、該ペレットは、無作為に抽出した150粒につ
いて、その長さの平均値が2.50〜3.50mmの範
囲にあり、断面楕円の長径の平均値が2.50〜3.5
0mmの範囲にあり、且つ、該ペレットの長さの、下記
式で求めた標準偏差が0.12〜0.25mmの範囲に
あることを特徴とする3.8秒以下の成形サイクルで成
形される光ディスク基板用ポリカーボネート成形材料。 標準偏差=[{ΣX2 −(ΣX/150)2 }/14
9]1/2 (式中、Σは、150点の和を示し、Xは、長さの測定
値を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CD―DAD(音
楽用コンパクトディスク)、CD−R(追記型コンパク
トディスク)、CD−ROM(情報用コンパクトディス
ク)、MO(光磁気ディスク)、PD(相変化型光ディ
スク)、MD(ミニディスク)、DVD−ROM、DV
D−R、DVD−RAM(再生専用、追記型、書き換え
型デジタルビデオディスク)等の光ディスク透明基板を
射出成形にて製造する際に、透明基板内に発生する気泡
状欠陥の発生を低減させる効果のあるポリカーボネート
成形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CD、CD−R、CD−ROM、MO、
PD、MD、DVD−ROM、DVD−R、DVD−R
AM等の光ディスクの透明基板は、通常ポリカーボネー
ト等の透明樹脂の射出成形によって製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記光ディスクの透明
基板は射出成形にて製造されるが、近年その生産性、歩
留まり向上が重視される様になっている。特に、歩留ま
り低下を誘発しているのは、透明基板内や基板表面の欠
陥である。基板表面の欠陥は、フローマーク、シルバー
ストリーク、スクラッチマーク、クラウド等であり、こ
れらの欠陥の多くは、成形条件を最適化することによっ
て低減可能である。例えば、フローマークは、射出速度
の初速を上げることによって低減する。また、シルバー
ストリークは、成形材料の乾燥強化や可塑化計量時の背
圧を上げたり、樹脂温度を上げることによって低減可能
である。また、スクラッチマークは、インラインで基板
を金型から取り出す時や、後工程への搬送時に、機械的
に傷つくことであり、機械の調整で比較的容易に低減で
きる。さらに、クラウドは、基板のスタンパーからの離
型不均一による離型むらであり、離型エアーの圧力を上
げる等で低減可能である。この様に、基板表面の欠陥を
低減させることは容易である。
【0004】それに比較すると、基板内部に発生する欠
陥を低減するのは容易ではない。基板内部の欠陥として
は、異物、やけ、気泡等である。異物の場合は、成形樹
脂中から混入するものや、乾燥機、ペレット移送ライ
ン、成形機からも混入する。異物の場合は、内容物を分
析することによって混入経路を特定し、比較的簡単に混
入を防止することができる。やけの場合は、樹脂が成形
機のシリンダー内で長時間高温で滞留し、炭化すること
によって発生するため、溶融樹脂をシリンダー内で滞留
させないか、樹脂のパージを十分に行うことで低減可能
である。しかし、基板内部に発生する気泡は、その大き
さが10〜50μmと小さく透明であるので、通常のイ
ンラインでの反射率の変化を原理とする欠陥検査機で
は、検知できない場合が多い。従って、最終抜き取り製
品検査での信号特性での異常でしか見知できないという
問題がある。気泡が基板内部に存在すると、複屈折異常
や信号の正確な再生ができなくなるので、気泡が発生す
ると製品全数を目視で検査しなければらならないので作
業が煩雑になる。また、この気泡は、その発生原因が不
明であったため、成形条件面または成形材料面からの対
策も立てられないのが現状であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明者は鋭意検討の結果、気泡の発生原因を明
らかにし、基板内部に気泡が発生し難いポリカーボネー
ト成形材料を開発した。光ディスク基板用成形材料であ
るポリカーボネートのペレットは、既往の製造方法によ
るとき、ペレットの大きさや形状はかならずしも均一で
はなく、ある程度の分布を持つことは避けられない。本
発明者は、その様な分布の中でも、ペレットの長さのバ
ラツキ、いわゆる標準偏差がある特定範囲外になると、
成形される光ディスク基板中に、気泡が発生することを
見出した。具体的には、ペレット150粒の、長さの平
均値が2.50〜3.50mmの範囲にあり、断面楕円
の長径の平均値が2.50〜3.50mmの範囲にあっ
ても、その長さの既述の式で求めた標準偏差が0.12
mm以下又は0.25mm以上である寸法分布を持った
ペレットを用いて光ディスク基板を成形すると、基板中
に気泡が発生しやすいことを知見した。しかして、ペレ
ットの長さや径を均一にする、すなわちペレットの大き
さの標準偏差をある値以下にすると、シルバーストリー
クが低減することは知られていたが(特開平7−522
72号公報参照)、気泡の発生との関係は知られていな
かった。
【0006】すなわち、本発明は、この様な新たな知見
に基づくものであって、その要旨は、粘度平均分子量が
10,000〜20,000のポリカーボネートのペレ
ットからなる成形材料であって、該ペレットは、無作為
に抽出した150粒について、その長さの平均値が2.
50〜3.50mmの範囲にあり、断面楕円の長径の平
均値が2.50〜3.50mmの範囲にあり、且つ、該
ペレットの長さの、下記式で求めた標準偏差が0.12
〜0.25mmの範囲にあることを特徴とする3.8秒
以下の成形サイクルで成形される光ディスク基板用ポリ
カーボネート成形材料に存する。 標準偏差=[{ΣX2 −(ΣX/150)2 }/14
9]1/2 (式中、Σは、150点の和を示し、Xは、長さの測定
値を示す。)
【0007】
【発明の実施の形態】ポリカーボネート 本発明の光ディスク基板用ポリカーボネート成形材料に
は、光学的歪みが少ないことが要求されるため、ポリカ
ーボネートの粘度平均分子量は、10,000〜20,
000の範囲にあることが必要である。ここでいう粘度
平均分子量(M)は、オストワルド粘度計を用い、塩化
メチレンを溶媒とする溶液の極限粘度[η]を求め、以
下に示すSchnellの粘度式から求められる。 [η]=1.23×10-50.83
【0008】さらに、本発明に用いられるポリカーボネ
ートは、通常、ジヒドロキシジアリール化合物とホスゲ
ンとを反応させるホスゲン法、または、ジヒドロキシジ
アリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エ
ステルとを反応させるエステル交換法によって得られ
る、単一重合体または共重合体であり、代表的なものと
しては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(「ビスフェノールA」ともいう)から製造された
ポリカーボネートが挙げられる。
【0009】上記ジヒドロキシジアリール化合物として
は、ビスフェノールAの他、ビス(4−ヒドロキシジフ
ェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニ
ル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−
第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5ジブロモフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5ジクロロフ
ェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)
アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シ
クロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチル
ジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエ
ーテル類、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルフィ
ド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフ
ェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスル
フィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキ
シド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジ
フェニルスルフォキシドのようなジヒドロキシジアリー
ルスルフォキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフォン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
メチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリ
ールスルフォン類等が挙げられる。これらは、単独でま
たは2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、
ビペラジン、ジピペリジル、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使
用してもよい。
【0010】ペレット 本発明の光ディスク基板用ポリカーボネート成形材料
は、通常ペレットといわれるものであって、その大きさ
は、成形機のシリンダー内のスクリューの溝深さによっ
て最適化されるべきであるが、通常の光ディスク基板用
成形機では、その長さの平均値が2.5〜3.5mmの
範囲にあり、その断面楕円の長径の平均値が2.5〜
3.5mmの範囲にあれば、ペレットの可塑化溶融には
問題はない。その範囲を外れると、ペレットのスクリュ
ーへの食い込み不良が発生するので、可塑化計量が不十
分になったり、計量時間が大きくなる。具体的にはペレ
ットの大きさが小さいと、ペレット同士の機械的せん断
力がかかり難く、溶融不良が発生する。また、さらに小
さくなり微粉化すると、成形基板中にシルバーストリー
クが発生する(特公平6−18890号公報参照)。一
方、ペレットがスクリューの溝深さより大きいと、食い
込み不良が発生する。
【0011】ここで、長さの平均値および標準偏差並び
に断面楕円の長径の平均値は、ペレット100gから、
目開き4.00mmのふるいを通過し、目開き0.10
6mmのふるいを通過しないものをふるい分け、その中
から無作為に150個を抽出し、それぞれについて、ペ
レットが楕円柱状であるとして、楕円柱の高さおよび底
面の最長径を、ノギスで測定し、ペレットの長さおよび
断面楕円の長径の値とし、150の値の平均値および標
準偏差を算出した。その際、標準偏差は、下記の式に従
って求めた。 標準偏差=[{ΣX2 −(ΣX/150)2 }/14
9]1/2 (式中、Σは、150点の和を示し、Xは、長さの測定
値を示す。)
【0012】しかして、本発明のペレットとしては、上
記のようにして求めたペレットの長さの標準偏差が、
0.12〜0.25mmの範囲にあることが必要であ
る。既に述べたように、この範囲を外れると、標準偏差
が大きすぎても、小さすぎても基板内部に気泡が発生し
やすくなるのである。
【0013】さらに、光ディスク基板に発生する気泡
は、光ディスク基板を射出成形する際の成形サイクルが
3.8秒以下、特には3.5秒以下の場合に発生しやす
く、より詳細には、その成形条件が、成形機のシリンダ
ーの最高設定温度が360℃以下、計量回転数が200
rpm以上、金型温度が90℃以下、金型内の樹脂の充
填時間が0.5秒以下の場合に、発生しやすいことも明
らかとなった。上記成形条件は特にCD−DAD、CD
−ROM等の成形サイクルを短くして生産性を高める用
途に一般的に使用されている。シリンダー温度が低く、
計量回転数が高い場合は可塑化計量時にエアーを巻き込
みやすい傾向にある。また金型温度が低く、金型内に充
填時間が短い場合は計量時に巻き込んだエアーが樹脂の
メルトフロントから抜け難くなる傾向にある。
【0014】本発明者は、基板内部の気泡発生の機構に
ついて、次のように推定している。通常、成形機内の樹
脂の可塑化は、シリンダーからの加熱溶融と共に、スク
リューを高速で回転させてながらペレット同士の機械的
せん断力を発生させてその発熱によって樹脂のペレット
を溶融させることによって樹脂が可塑化される。シリン
ダー内での供給ゾーンから圧縮ゾーンへと移行し、圧縮
ゾーンで完全に溶融されると、シリンダー内部で圧力が
高くなり、スクリューは後退しながら計量時に巻き込ん
だエアーを供給ゾーン側へ抜けさせる。その際に、長さ
の標準偏差が0.12mm以下になると、ペレットのば
らつきが非常に小さくなり、ペレット同士の機械的せん
断力による樹脂の溶融が促進され、供給ゾーンで完全溶
融する傾向にある。供給ゾーンで完全に溶融すると圧縮
ゾーンで圧力が上がっても巻き込んだエアーは供給ゾー
ン側に抜け難く、計量ゾーンに送られるので金型内で射
出される際にも樹脂内部に残存しており、最終的に基板
内部に気泡として発生する。
【0015】逆に長さの標準偏差が0.25mm以上に
なると、ペレットの大きさのばらつきが多くなるので、
ペレット同士の機械的せん断力の発生を阻害する。従っ
て、ペレットの溶融が不充分になり、スクリューの高速
回転時にエアーを巻き込み易くなり、結果として、巻き
込んだエアーが基板内部に気泡として存在することにな
る。可塑化時に巻き込んだエアーは、圧縮されながらノ
ズル前方へ送られ、金型内で圧力が開放される時点で、
圧縮が開放されて気泡となる。この気泡は、金型内での
樹脂のメルトフロントへ移動し、フロントでガスとなる
場合は、金型のガス逃げから排出される。しかし、成形
サイクルが短いコンパクトディスクの様な成形では、金
型温度が50〜80℃と比較的低いため、固化層の発達
が著しいので、気泡が基板内部でトラップされて内部欠
陥となる。また、成形機のシリンダーの最高設定温度が
350℃以下の場合、可塑化計量時のエアーの巻き込み
が多くなりやすく、金型温度が80℃以下の場合、上述
した様に、金型内での固化層の発達が著しいので、気泡
が基板内部にトラップされ易い。特にハイサイクル成形
であり、成形サイクルが3.8秒以下で、金型内の樹脂
の充填時間が0.5秒以下である場合、さらに成形サイ
クルが3.5秒以下で金型内の樹脂の充填時間が0.5
秒以下の場合には、可塑化計量から射出までの時間が短
いので、巻き込んだエアーが抜け難い傾向にある。
【0016】ペレットの製造 本発明の光ディスク基板用ポリカーボネート成形材料の
ペレットは、通常下記の様な方法で製造される。ペレッ
ト化前のポリカーボネートの素材に、必要に応じて離型
剤や酸化防止剤を、タンブラー等の混合機で混合する。
その後、押出機内で樹脂を完全に溶融させ、添加剤が十
分に混合され、揮発分をある程度まで除去して、押出機
先端のダイス穴から数本のストランドとして押し出され
た後、これを冷却水槽中で冷却固化し、ペレタイザーの
引き取りローラーによって、ストランドが一定速度で引
き取られ、ペレタイザー内のストランドカッターと呼ば
れる、一定間隔の可動刃と固定刃の間で、ストランドが
円筒状にカットされて、成形用のペレットが得られる。
【0017】ペレットの長さは、上記のストランドカッ
ターの可動刃の刃の数、即ちその間隔と引き取りローラ
ーの引き取り回転速度で決定される。刃の数とローラー
の引き取り回転速度が一定であれば、一定の長さのペレ
ットが得られる。ペレットの径は、引き取りローラーの
引き取り速度と、押出機の樹脂の押出量によって決定さ
れる。長さと同様に、ローラーの引き取り速度と樹脂の
押出量が一定であれば、常に一定の径のペレットが得ら
れる。しかしながら、実際には、ストランドがまっすぐ
にペレタイザーに入らずに斜めに入ったり、あるいは一
度カットされたペレットが回転刃に付着し、再度カット
されるいわゆる二度切りが発生すると、目的のペレット
の大きさよりも小さく、かつ、形状が不均一なペレット
が混在することになる。
【0018】ストランドが斜めになる原因は、冷却槽の
冷却水の温度が不安定であったり、あるいは、ストラン
ドの径が細くなって引き取りローラーからの引き取りが
不安定になることから発生する。また二度切りは、通常
カットされたペレットは、カッターの下部に物理的に落
下して排出されるが、カッターに静電気が滞留していた
り、表面の材質がペレットが付着しやすい傾向にあれ
ば、落下せずに回転刃と共に回転し、再度カッターによ
ってカットされる。さらには、冷却槽で冷却されたスト
ランドの温度が、ポリカーボネートのガラス転移温度に
比較的近いと、ストランドは柔らかいのでカッターでの
カットが容易であるが、ストランドの温度が低すぎる
と、ストランドが硬いので無理やりカットされるため、
小さく不均一なペレットが発生する。
【0019】また、目的のペレットよりも長いペレット
は、特にストランドがまっすぐにペレタイザーに入らず
に斜めに入る場合に生じる。太いペレットは、押出機か
らの樹脂の供給量に比べて、ペレタイザーの引き取り速
度が小さいことに起因する。この様にして、ペレットの
長さや径にバラツキが生じやすいのが、ペレタイザー使
用の常況である。
【0020】従って、これらのバラツキの制限された、
本発明所定形状のペレットを得るには、下記の諸点の1
以上を組み合わせた製造方法の採用が有効である。すな
わち、押出機からの樹脂の吐出量を一定にするために、
シリンダー内の温度を280〜300℃に設定する。ま
た、ポリカーボネート素材の供給量を一定にするために
定量フイーダーを用いて押出機に供給する。また、ダイ
スの外側の方の樹脂の流れが悪くなるので、穴径をダイ
スの外側になるほど大きくなる様に設定し、一定の径で
吐出される様にする。この様にストランドの径を均一に
することによってペレタイザーのローラーからの引き取
りが安定し、ストランドが斜めにカッターに入ることを
防ぐことが可能になる。また、ストランドの冷却槽の温
度を80℃以上に設定し、ストランドがカットされると
きの温度をできるだけポリカーボネートのガラス転移温
度(140〜150℃)に近づける。この様な方法を採
用することにより、特に、長さの標準偏差が0.12〜
0.25mmの範囲内のペレットを得ることが容易とな
る。
【0021】以下、本発明を、実施例によりさらに詳し
く説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、
これらの実施例に限定されるものではない。
【0022】[実施例1〜3、比較例1〜4]成形材料の調製 実施例及び比較例におけるポリカーボネートのペレット
は、次のようにして調製した。ビスフェノールAから製
造された、粘度平均分子量16,000のポリカーボネ
ートに、ステアリン酸モノグリセリドを600ppmと
亜リン酸を10ppm配合し、タンブラーで混合した。
得られた混合物を、270℃に設定された、65mm径
の二軸押出機にて溶融押出を行った。引き取りロールの
直径は145mmであり、引き取り速度は65mm/秒
であり、ダイスから押し出されるストランドをカットし
て、表−1記載の調製条件で、それぞれ、同表記載の形
状のペレットを得た。
【0023】成形材料の形状の測定 得られたペレット100gから、目開き4.00mmの
ふるいを通過し、目開き0.106mmのふるいを通過
しないものをふるい分け、その中から無作為に150個
の試料を抽出した。それぞれの試料について、ペレット
が断面楕円形であるとして、楕円柱の高さ及び底面の最
長径をノギスで測定して、ペレットの長さ及び楕円断面
の長径の値とし、150個の平均値及び標準偏差を本文
記載の方法で算出した。
【0024】光ディスク用基板の成形 調製された成形材料を、12cmCD用金型を装着し
た、(株)住友重機製射出成形機DISK3を用いて、
下記の成形条件で12cmCDを連続成形した。 標準成形条件:シリンダー温度(ノズルより):270
−270−270−270−270−260℃ 金型温度: 60/60℃(可動側/固定側) 計量回転数: 360rpm スクリュー径: 25mmφ 冷却時間: 2.0秒 成形サイクル: 3.3秒 充填時間: 0.3秒 上記と異なる設定の場合は、後記表−1中に明示した。
【0025】得られた光ディスク基板の成形品につい
て、下記の評価方法に従い評価した結果を、表−1に示
す。 気泡発生個数:100ショット連続成形し、基板内部に
発生した気泡を偏光板を通して観察し、基板100枚中
の気泡の発生個数をカウントした。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明に従い、ペレットの長さの平均
値、標準偏差および断面楕円の長径の平均値を所定範囲
内とすることよって、光ディスク基板内部に発生する、
気泡の発生数が低減するのは明らかであり、産業上の利
用価値は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 博義 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 白石 義隆 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎事業所内 Fターム(参考) 4F071 AA50 AA81 AE05 AE22 AF30 AF53 AH14 BA01 BB05 BC03 4F206 AA28 AH38 AH79 AM32 AR061 AR064 AR092 AR11 JA07 4J002 CG011 FD070 FD160 GS02 5D029 KA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘度平均分子量が10,000〜20,0
    00のポリカーボネートのペレットからなる成形材料で
    あって、該ペレットは、無作為に抽出した150粒につ
    いて、その長さの平均値が2.50〜3.50mmの範
    囲にあり、断面楕円の長径の平均値が2.50〜3.5
    0mmの範囲にあり、且つ、該ペレットの長さの、下記
    式で求めた標準偏差が0.12〜0.25mmの範囲に
    あることを特徴とする3.8秒以下の成形サイクルで成
    形される光ディスク基板用ポリカーボネート成形材料。 標準偏差=[{ΣX2 −(ΣX/150)2 }/14
    9]1/2 (式中、Σは、150点の和を示し、Xは、長さの測定
    値を示す。)
  2. 【請求項2】光ディスク基板が3.5秒以下の成形サイ
    クルで成形されることを特徴とする請求項1に記載の光
    ディスク基板用ポリカーボネート成形材料。
  3. 【請求項3】下記の条件下で、光ディスク基板を射出成
    形するための請求項1に記載のポリカーボネート成形材
    料。 (1)成形機のシリンダーの最高設定温度が360℃以
    下、(2)計量回転数が200rpm以上、(3)金型
    温度が90℃以下、かつ、(4)金型内の樹脂の充填時
    間が0.5秒以下
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