JP4204123B2 - 光ディスクの耐湿熱性を向上させる方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、残存溶剤量を低減した光学用芳香族ポリカーボネート成形材料を用いた光ディスクの耐湿熱性を向上させる方法に関する。更に詳しくは、残存する良溶剤および固形化溶剤の量を極度に低減させた芳香族ポリカーボネートを用い、光ディスクの加速劣化試験後のエラー率を低減させ、かつ貼りあわせた場合の密着性を改良する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は耐熱性や低吸水性に優れ、特に透明性に優れているがゆえに光学用途、特にコンパクトディスク、光磁気ディスク等の光ディスクの基板材料として使用されている。また最近では、0.6mmの厚みに射出成形し、膜づけしたディスクを貼りあわせたDVD基板が製造されるようになってきた。DVD基板は情報坦持密度が極めて高く、CDと同等の径でありながら大容量であるために、情報の記録や再生の信頼性に対しては特に留意する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
本発明者は、光ディスク、殊にDVDの高温・高湿条件下での信頼性を向上する方法を鋭意検討した結果、基板中の有機溶媒の残存量を特定値以下にすることによって、高温高湿信頼性の向上したDVD基板が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0004】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、成形材料を射出成形して得られた基板を有する光ディスクの耐湿熱性を向上させる方法であって、成形材料として、
(i)二価フェノールとホスゲンを有機良溶剤の存在下に界面重縮合して得られる芳香族ポリカーボネート有機良溶剤溶液と固形化溶剤とを用いて粉粒化して製造され、
(ii)該有機良溶剤および該固形化溶剤の含有量がそれぞれ0.5ppm以下および50ppm以下であり、該有機良溶剤が、塩化メチレンであり、該固形化溶剤がヘプタンであり、
(iii)塩化メチレンに不溶性で粒子径が0.5μm以上の異物の含有量が15000個/g以下、かつ塩化メチレンに不溶性で粒子径が1μm以上の異物の含有量が300個/g以下である、
芳香族ポリカーボネートを用いることを特徴とする方法である。
本発明でいうDVDとはデジタルバーサタイルディスク(DVD−ROM、DVD−video、DVD−R、DVD−RAM等)で代表されるCDよりも、より高密度の光ディスクである。
本発明の有機良溶剤とは、界面重縮合の溶媒として使用されるものであり、一般にはハロゲン化炭化水素系の溶剤であって、具体的には、塩化メチレンである。
【0005】
本発明の固形化溶剤とは、界面重縮合により得られた芳香族ポリカーボネートの有機良溶剤溶液から、ポリカーボネートを析出させるために使用される溶媒であり、具体的には、ヘプタンである。芳香族ポリカーボネート中に含有される有機良溶剤は0.5ppm以下、好ましくは0.2ppm以下であり、固形化溶剤は50ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
【0006】
本発明では、芳香族ポリカーボネートの有機良溶媒溶液を0.5μm以下、好ましくは0.4μm以下の細孔径を有する濾剤を用いて異物としての微粒子をろ過した後、同様の濾剤を用いて精製した固形化溶剤と共に、該有機良溶剤の沸点より3〜7℃高い温度保った温水中に攪拌下に添加して粉粒体を得た後、粉砕、乾燥して得た粉粒体を押し出して得られる。固形化溶媒の添加量はポリカーボネートの乾燥重量に対して0 . 7〜1.1倍重量である。その際、該芳香族ポリカーボネートの良溶媒溶液の濃度は5〜35重量%が好ましい。該温水も同様の濾剤を用いてろ過精製したものを用い、その量はポリカーボネートに対して重量比で1〜20となる量を攪拌下に供給するのが好ましい。
【0007】
本発明で使用される芳香族ポリカーボネート樹脂は、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法または界面重縮合法で反応させて得られるものである。ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等があげられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0008】
なかでもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
【0009】
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、またはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、または二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
【0010】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、とりわけ、ポリカーボネート樹脂が好ましい。また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0011】
界面重縮合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機良溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機良溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
【0012】
また、かかる重合反応において、通常末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。かかる単官能フェノール類としては、一般にはフェノールまたは低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式(1)で表される単官能フェノール類を示すことができる。
【0013】
【化1】
[式中、Aは水素原子または炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキル基あるいはフェニル基置換アルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である]。
【0014】
上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられる。
【0015】
また、他の単官能フェノール類としては、長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換基として有するフェノール類または安息香酸クロライド類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類を使用することができ、これらを用いてポリカーボネート共重合体の末端を封鎖すると、これらは末端停止剤または分子量調節剤として機能するのみならず、樹脂の溶融流動性が改良され、成形加工が容易になるばかりでなく、基板としての物性、特に樹脂の吸水率を低くする効果があり、また、基板の複屈折が低減される効果もあり好ましく使用される。なかでも、下記一般式(2)および(3)で表される長鎖のアルキル基を置換基として有するフェノール類が好ましく使用される。
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
[式中、Xは−R−O−、−R−CO−O−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合または炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。]
【0018】
かかる式(2)の置換フェノール類としてはnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノール等を挙げることができる。
【0019】
また、式(3)の置換フェノール類としてはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26のものが好適であって、その具体例としては例えばヒドロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロキシ安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸トリアコンチルが挙げられる。
【0020】
これらの末端停止剤は、得られたポリカーボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ましくは少くとも10モル%末端に導入されることが望ましく、また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量(M)で10,000〜22,000が好ましく、12,000〜20,000がより好ましく、13,000〜18,000が特に好ましい。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、光学用材料として十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり成形歪みが発生せず好ましい。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mLにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
【0021】
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-4M0.83
c=0.7
【0022】
精製されたポリカーボネートの塩化メチレン溶液は、固形化溶剤と同時に、あるいは固形化溶剤を予め混合して撹拌下に温水中に滴下または噴霧して造粒される。次いで、得られた粉粒体は粉砕され、乾燥して溶剤回収される。また、造粒後の粉粒体を例えば加熱条件下でアセトンなどの貧溶媒で洗浄して低分子量成分や未反応成分等の不純物や異物を除去することも好ましいことである。かくして得られたポリカーボネートパウダーは、例えば二軸押出機を用いて押し出してペレット化される。該押出工程(ペレット化工程)では、ポリカーボネート樹脂に対して0.2〜4重量%程度のイオン交換水を加えベントより脱気することが好ましい。また溶融状態で目開き10μmの焼結金属フィルターを通すなどして異物を除去したりすることが好ましい。必要により、例えばリン系等の酸化防止剤、離型剤などの添加剤を加えることも好ましい。いずれにしても射出成形前の原料樹脂は異物、不純物、溶媒などの含有量を極力低くしておくことが必要である。
【0023】
本発明の成形材料における芳香族ポリカーボネート中には、不溶性の異物として、粒子径が0.5μm以上のものが15000個/g以下、好ましくは10000個/g以下であり、さらに粒子径が1μm以上のものが300個/g以下、好ましくは200個/g以下であることが望ましい。不溶性の異物がこの範囲よりも多くなるとエラー率が多くなり好ましくない。
【0024】
上記ポリカーボネート樹脂より光ディスク基板を製造する場合には射出成形機(射出圧縮成形機を含む)を用いる。この射出成形機としては一般的に使用されているものでよいが、炭化物の発生を抑制しディスク基板の信頼性を高める観点からシリンダーやスクリューとして樹脂との付着性が低く、かつ耐食性、耐摩耗性を示す材料を使用してなるものを用いるのが好ましい。射出成形の条件としてはシリンダー温度300〜400℃、金型温度50〜140℃が好ましく、これらにより光学的に優れた光ディスク基板を得ることができる。成形工程での環境は、本発明の目的から考えて、可能な限りクリーンであることが好ましい。また、成形に供する材料を十分乾燥して水分を除去することや、溶融樹脂の分解を招くような滞留を起こさないように配慮することも重要となる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。なお評価は下記の方法に従った。
【0026】
(a)接着後の基板の加熱劣化処理後のエラー率
ディスクを温度80℃、相対湿度85%に制御した恒温恒湿槽に500時間保持し、その後エラー率を測定した。
(b)残存有機溶剤量
ヘッドスペース法(250℃、2時間)により、FID−GCを用いて測定した。
(c)有機良溶媒に不溶性の異物
芳香族ポリカーボネート樹脂20gを塩化メチレン1Lに溶解した溶液をハイアックロイコ社製液体パーティクルカウンターモデル4100を用いたレーザーセンサー法にて散乱光をラテックス粒子の散乱光に換算する方法で求めた。
【0027】
実施例1
温度計、攪拌機、滴下ノズル、脱気口、排出口を備えたバッフル付き撹拌槽にイオン交換水を満たし、45℃に内温をコントロールしながら、樹脂濃度15%、粘度平均分子量15000のポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液とヘプタンを別々の滴下ノズルからヘプタン/ポリカーボネート重量比0.8の割合で撹拌しながら滴下して造粒した。
【0028】
得られた粉粒体は、次いで湿式粉砕機にて粉砕し、濾過後、145℃、3時間熱風循環乾燥した。乾燥上がりの粉粒体中の塩化メチレンは2ppm、ヘプタンは250ppmであった。このパウダーにトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.01重量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.08重量%加え、3ベント式二軸押出機(L/D=42)を用いて、1重量%水添加3個所、ベント3個所を使用しシリンダー温度260℃で脱気しながら溶融混練し、塩化メチレン含有量0.1ppm、ヘプタン含有量10ppmのペレットを得た。
【0029】
上記ペレットを用いてDVD専用の金型を取り付け、この金型にアドレス信号などの情報の入ったニッケル製のDVD用スタンパーを装着した成形機にて、シリンダー温度380℃、金型温度115℃、射出速度300mm/sec、保持圧力40kgf/cm2の条件で直径120mm、肉厚0.6mmの光ディスク基板を射出成形した。その後、該基板にアルミニウム膜をスパッタし、2枚貼り合わせてDVDディスクを得た。このディスクを80℃、85%RHで500時間加熱劣化テストした後、デッキ(パルステック社製DDU−1000)にかけPIエラーの測定を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
実施例2
実施例1の水添押出機の水添加個所を1個所とした以外は実施例1と同様にしてペレット、DVDディスクを得、同様に処理して評価した結果を表1に示す。
【0031】
比較例1
実施例1のポリカーボネート樹脂溶液からポリカーボネート粉粒体を得る際に使用するヘプタン量をヘプタン/ポリカーボネート重量比0.5とした以外は実施例1と同様にして粉粒体を得た。このものの塩化メチレン含有量は300ppm、ヘプタン含有量は2300ppmであった。これを実施例2と同様にしてペレット化し、DVDディスクを作製し、これを評価した。その結果を表1に示す。
【0032】
比較例2
比較例1の粉粒体を用いて、実施例1と同様にしてペレット化し、DVDディスクを作製し、これを評価した。その結果を表1に示す。
【0033】
比較例3
比較例1の粉粒体を用いて実施例1の水添加個所を2個所とした以外は実施例1と同様にしてペレット、DVDディスクを得、同様に処理して評価した結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】
本発明の成形材料によれば該材料中に残留する有機溶剤が特定量以下のポリカーボネート樹脂を用いて得られたDVDディスクは、高温劣化処理条件下においてもエラー率の少ない極めて信頼性の高いDVDディスク基板を得ることができ、その奏する効果は格別のものである。
Claims (4)
- 成形材料を射出成形して得られた基板を有する光ディスクの耐湿熱性を向上させる方法であって、成形材料として、
(i)二価フェノールとホスゲンを有機良溶剤の存在下に界面重縮合して得られる芳香族ポリカーボネート有機良溶剤溶液と固形化溶剤とを用いて粉粒化して製造され、
(ii)該有機良溶剤および該固形化溶剤の含有量がそれぞれ0.5ppm以下および50ppm以下であり、該有機良溶剤が、塩化メチレンであり、該固形化溶剤がヘプタンであり、
(iii)塩化メチレンに不溶性で粒子径が0.5μm以上の異物の含有量が15000個/g以下、かつ塩化メチレンに不溶性で粒子径が1μm以上の異物の含有量が300個/g以下である、
芳香族ポリカーボネートを用いることを特徴とする方法。 - 芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量が10000〜22000である請求項1記載の方法。
- 光ディスクの加速劣化試験(80℃×85%RH×500時間)後のエラー率が1×10−3以下となる請求項1記載の方法。
- 光ディスクがDVDである請求項1記載の方法。
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