JP2000169691A - 光学用芳香族ポリカーボネート成形材料および該材料よりなる基板 - Google Patents

光学用芳香族ポリカーボネート成形材料および該材料よりなる基板

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JP2000169691A JP10352481A JP35248198A JP2000169691A JP 2000169691 A JP2000169691 A JP 2000169691A JP 10352481 A JP10352481 A JP 10352481A JP 35248198 A JP35248198 A JP 35248198A JP 2000169691 A JP2000169691 A JP 2000169691A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性に優れ、エラー率の低い光学用ポリカ
ーボネート成形材料、およびそれからなる基板を提供す
る。 【解決手段】 二価フェノールとホスゲンを有機良溶剤
の存在下に界面重縮合して得られる芳香族ポリカーボネ
ート有機良溶剤溶液と固形化溶剤とを用いて粉粒化した
芳香族ポリカーボネートよりなり、該芳香族ポリカーボ
ネート中に含有される該有機良溶剤および該固形化溶剤
がそれぞれ0.5ppm以下および50ppm以下であ
る光学用芳香族ポリカーボネート成形材料およびそれか
らなる光ディスク基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、残存溶剤量を低減
した光学用芳香族ポリカーボネート成形材料および該材
料よりなる基板に関する。更に詳しくは、ポリカーボネ
ート中に残存する良溶剤および固形化溶剤の量を極度に
低減させた、加速劣化試験後のエラー率の小さい、かつ
貼りあわせた場合の密着性のよい光学用芳香族ポリカー
ボネート成形材料および該材料よりなるDVD基板に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は耐熱性や低吸水
性に優れ、特に透明性に優れているがゆえに光学用途、
特にコンパクトディスク、光磁気ディスク等の光ディス
クの基板材料として使用されている。また最近では、
0.6mmの厚みに射出成形し、膜づけしたディスクを
貼りあわせたDVD基板が製造されるようになってき
た。DVD基板は情報坦持密度が極めて高く、CDと同
等の径でありながら大容量であるために、情報の記録や
再生の信頼性に対しては特に留意する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者は、光ディ
スク、殊にDVDの高温・高湿条件下での信頼性を向上
する方法を鋭意検討した結果、基板中の有機溶媒の残存
量を特定値以下にすることによって、高温高湿信頼性の
向上したDVD基板が得られることを見出し、本発明を
完成した。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は、二価フェノ
ールとホスゲンを有機良溶剤の存在下に界面重縮合して
得られる芳香族ポリカーボネートの該有機良溶剤溶液
と、固形化溶剤との混合により粉粒化した芳香族ポリカ
ーボネートよりなり、該芳香族ポリカーボネート中に含
有される該有機良溶剤および該固形化溶剤がそれぞれ
0.5ppm以下および50ppm以下である光学用芳
香族ポリカーボネート成形材料および該材料よりなる基
板である。本発明でいうDVDとはデジタルバーサタイ
ルディスク(DVD−ROM、DVD−video、D
VD−R、DVD−RAM等)で代表されるCDより
も、より高密度の光ディスクである。本発明の有機良溶
剤とは、界面重縮合の溶媒として使用されるものであ
り、一般にはハロゲン化炭化水素系の溶剤であって、例
えば、塩化メチレン、クロホルム、ジクロロエタン、ト
リクロロエタン、クロロベンゼン等が挙げられ、特に塩
化メチレンが好ましい。
【0005】本発明の固形化溶剤とは、界面重縮合によ
り得られた芳香族ポリカーボネートの有機良溶剤溶液か
ら、ポリカーボネートを析出させるために使用される溶
媒であればよく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロ
ヘキサン、酢酸エチル等が挙げられるが、特にヘプタン
が好ましい。芳香族ポリカーボネート中に含有される有
機良溶剤は0.5ppm以下、好ましくは0.2ppm以
下であり、固形化溶剤は50ppm以下、好ましくは2
0ppm以下である。
【0006】本発明では、芳香族ポリカーボネートの有
機良溶媒溶液を0.5μm以下、好ましくは0.4μm以
下の細孔径を有する濾剤を用いて異物としての微粒子を
ろ過した後、同様の濾剤を用いて精製した固形化溶剤と
共に、該有機良溶剤の沸点より3〜7℃高い温度保った
温水中に撹拌下に添加して粉粒体を得た後、粉砕、乾燥
して得た粉粒体を押し出して得られる。固形化溶媒の添
加量はポリカーボネートの乾燥重量に対して0.5〜1.
2倍重量、さらに好ましくは0.7〜1.1倍重量用い
る。その際、該芳香族ポリカーボネートの良溶媒溶液の
濃度は5〜35重量%が好ましい。該温水も同様の濾剤
を用いてろ過精製したものを用い、その量はポリカーボ
ネートに対して重量比で1〜20となる量を撹拌下に供
給するのが好ましい。
【0007】本発明で使用される芳香族ポリカーボネー
ト樹脂は、通常二価フェノールとカーボネート前駆体と
を溶液法または界面重縮合法で反応させて得られるもの
である。ここで使用される二価フェノールの代表的な例
としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’
−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメ
チル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)
フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス
{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プ
ロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒド
ロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒ
ドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメ
チルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−
ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,
α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプ
ロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベン
ゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7
−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフ
ィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’
−ジヒドロキシジフェニルエステル等があげられ、これ
らは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0008】なかでもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた
少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合
体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールA
の単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフ
ェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メ
チル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンと
の共重合体が好ましく使用される。
【0009】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、またはハロホルメート等が使用され、具体的に
はホスゲン、または二価フェノールのジハロホルメート
等が挙げられる。
【0010】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を界面重縮合法によって反応させてポリカーボネート樹
脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止
剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。
またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香
族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっ
ても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重
合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、
とりわけ、ポリカーボネート樹脂が好ましい。また、得
られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合
物であってもよい。
【0011】界面重縮合法による反応は、通常二価フェ
ノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機
良溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属
水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられ
る。有機良溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロ
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、
反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n
−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチル
ホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アン
モニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を
用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40
℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9
以上に保つのが好ましい。
【0012】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用
され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単
官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているの
で、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。か
かる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール
または低級アルキル置換フェノールであって、下記一般
式(1)で表される単官能フェノール類を示すことがで
きる。
【0013】
【化1】 [式中、Aは水素原子または炭素数1〜9の直鎖または
分岐のアルキル基あるいはフェニル基置換アルキル基で
あり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である]。
【0014】上記単官能フェノール類の具体例として
は、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノー
ル、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノー
ルが挙げられる。
【0015】また、他の単官能フェノール類としては、
長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換
基として有するフェノール類または安息香酸クロライド
類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類を
使用することができ、これらを用いてポリカーボネート
共重合体の末端を封鎖すると、これらは末端停止剤また
は分子量調節剤として機能するのみならず、樹脂の溶融
流動性が改良され、成形加工が容易になるばかりでな
く、基板としての物性、特に樹脂の吸水率を低くする効
果があり、また、基板の複屈折が低減される効果もあり
好ましく使用される。なかでも、下記一般式(2)およ
び(3)で表される長鎖のアルキル基を置換基として有
するフェノール類が好ましく使用される。
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】 [式中、Xは−R−O−、−R−CO−O−または−R
−O−CO−である、ここでRは単結合または炭素数1
〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族炭化水素基を
示し、nは10〜50の整数を示す。]
【0018】かかる式(2)の置換フェノール類として
はnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、
その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシル
フェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフ
ェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノ
ール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノ
ール等を挙げることができる。
【0019】また、式(3)の置換フェノール類として
はXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である化合
物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26のも
のが好適であって、その具体例としては例えばヒドロキ
シ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、ヒド
ロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸ヘキ
サデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロキシ
安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸トリアコン
チルが挙げられる。
【0020】これらの末端停止剤は、得られたポリカー
ボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ま
しくは少くとも10モル%末端に導入されることが望ま
しく、また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合し
て使用してもよい。ポリカーボネート樹脂の分子量は、
粘度平均分子量(M)で10,000〜22,000が好
ましく、12,000〜20,000がより好ましく、1
3,000〜18,000が特に好ましい。かかる粘度平
均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、光学用材料
として十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性
も良好であり成形歪みが発生せず好ましい。本発明でい
う粘度平均分子量は塩化メチレン100mLにポリカー
ボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求め
た比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
【0021】ηsp/c=[η]+0.45×[η]2
(但し[η]は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0022】精製されたポリカーボネートの塩化メチレ
ン溶液は、固形化溶剤と同時に、あるいは固形化溶剤を
予め混合して撹拌下に温水中に滴下または噴霧して造粒
される。次いで、得られた粉粒体は粉砕され、乾燥して
溶剤回収される。また、造粒後の粉粒体を例えば加熱条
件下でアセトンなどの貧溶媒で洗浄して低分子量成分や
未反応成分等の不純物や異物を除去することも好ましい
ことである。かくして得られたポリカーボネートパウダ
ーは、例えば二軸押出機を用いて押し出してペレット化
される。該押出工程(ペレット化工程)では、ポリカー
ボネート樹脂に対して0.2〜4重量%程度のイオン交
換水を加えベントより脱気することが好ましい。また溶
融状態で目開き10μmの焼結金属フィルターを通すな
どして異物を除去したりすることが好ましい。必要によ
り、例えばリン系等の酸化防止剤、離型剤などの添加剤
を加えることも好ましい。いずれにしても射出成形前の
原料樹脂は異物、不純物、溶媒などの含有量を極力低く
しておくことが必要である。
【0023】本発明の成形材料における芳香族ポリカー
ボネート中には、不溶性の異物として、粒子径が0.5
μ以上のものが15000個/g以下、好ましくは10
000個/g以下であり、さらに粒子径が1μ以上のも
のが300個/g以下、好ましくは200個/g以下で
あることが望ましい。不溶性の異物がこの範囲よりも多
くなるとエラー率が多くなり好ましくない。
【0024】上記ポリカーボネート樹脂より光ディスク
基板を製造する場合には射出成形機(射出圧縮成形機を
含む)を用いる。この射出成形機としては一般的に使用
されているものでよいが、炭化物の発生を抑制しディス
ク基板の信頼性を高める観点からシリンダーやスクリュ
ーとして樹脂との付着性が低く、かつ耐食性、耐摩耗性
を示す材料を使用してなるものを用いるのが好ましい。
射出成形の条件としてはシリンダー温度300〜400
℃、金型温度50〜140℃が好ましく、これらにより
光学的に優れた光ディスク基板を得ることができる。成
形工程での環境は、本発明の目的から考えて、可能な限
りクリーンであることが好ましい。また、成形に供する
材料を十分乾燥して水分を除去することや、溶融樹脂の
分解を招くような滞留を起こさないように配慮すること
も重要となる。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本
発明は何らこれに限定されるものではない。なお評価は
下記の方法に従った。
【0026】(a)接着後の基板の加熱劣化処理後のエ
ラー率 ディスクを温度80℃、相対湿度85%に制御した恒温
恒湿槽に500時間保持し、その後エラー率を測定し
た。 (b)残存有機溶剤量 ヘッドスペース法(250℃、2時間)により、FID
−GCを用いて測定した。 (c)有機良溶媒に不溶性の異物 芳香族ポリカーボネート樹脂20gを塩化メチレン1L
に溶解した溶液をハイアックロイコ社製液体パーティク
ルカウンターモデル4100を用いたレーザーセンサー
法にて散乱光をラテックス粒子の散乱光に換算する方法
で求めた。
【0027】実施例1 温度計、攪拌機、滴下ノズル、脱気口、排出口を備えた
バッフル付き撹拌槽にイオン交換水を満たし、45℃に
内温をコントロールしながら、樹脂濃度15%、粘度平
均分子量15000のポリカーボネート樹脂の塩化メチ
レン溶液とヘプタンを別々の滴下ノズルからヘプタン/
ポリカーボネート重量比0.8の割合で撹拌しながら滴
下して造粒した。
【0028】得られた粉粒体は、次いで湿式粉砕機にて
粉砕し、濾過後、145℃、3時間熱風循環乾燥した。
乾燥上がりの粉粒体中の塩化メチレンは2ppm、ヘプ
タンは250ppmであった。このパウダーにトリス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイ
トを0.01重量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.
08重量%加え、3ベント式二軸押出機(L/D=4
2)を用いて、1重量%水添加3個所、ベント3個所を
使用しシリンダー温度260℃で脱気しながら溶融混練
し、塩化メチレン含有量0.1ppm、ヘプタン含有量
10ppmのペレットを得た。
【0029】上記ペレットを用いてDVD専用の金型を
取り付け、この金型にアドレス信号などの情報の入った
ニッケル製のDVD用スタンパーを装着した成形機に
て、シリンダー温度380℃、金型温度115℃、射出
速度300mm/sec、保持圧力40kgf/cm2
の条件で直径120mm、肉厚0.6mmの光ディスク
基板を射出成形した。その後、該基板にアルミニウム膜
をスパッタし、2枚貼り合わせてDVDディスクを得
た。このディスクを80℃、85%RHで500時間加
熱劣化テストした後、デッキ(パルステック社製DDU
−1000)にかけPIエラーの測定を行った。その結
果を表1に示す。
【0030】実施例2 実施例1の水添押出機の水添加個所を1個所とした以外
は実施例1と同様にしてペレット、DVDディスクを
得、同様に処理して評価した結果を表1に示す。
【0031】比較例1 実施例1のポリカーボネート樹脂溶液からポリカーボネ
ート粉粒体を得る際に使用するヘプタン量をヘプタン/
ポリカーボネート重量比0.5とした以外は実施例1と
同様にして粉粒体を得た。このものの塩化メチレン含有
量は300ppm、ヘプタン含有量は2300ppmで
あった。これを実施例2と同様にしてペレット化し、D
VDディスクを作製し、これを評価した。その結果を表
1に示す。
【0032】比較例2 比較例1の粉粒体を用いて、実施例1と同様にしてペレ
ット化し、DVDディスクを作製し、これを評価した。
その結果を表1に示す。
【0033】比較例3 比較例1の粉粒体を用いて実施例1の水添加個所を2個
所とした以外は実施例1と同様にしてペレット、DVD
ディスクを得、同様に処理して評価した結果を表1に示
す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の成形材料によれば該材料中に残
留する有機溶剤が特定量以下のポリカーボネート樹脂を
用いて得られたDVDディスクは、高温劣化処理条件下
においてもエラー率の少ない極めて信頼性の高いDVD
ディスク基板を得ることができ、その奏する効果は格別
のものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二価フェノールとホスゲンを有機良溶剤
    の存在下に界面重縮合して得られる芳香族ポリカーボネ
    ート有機良溶剤溶液と固形化溶剤とを用いて粉粒化した
    芳香族ポリカーボネートよりなり、該芳香族ポリカーボ
    ネート中に含有される該有機良溶剤および該固形化溶剤
    がそれぞれ0.5ppm以下および50ppm以下であ
    る光学用芳香族ポリカーボネート成形材料。
  2. 【請求項2】 該有機良溶剤が塩化メチレンである請求
    項1記載の成形材料。
  3. 【請求項3】 該固形化溶剤がヘプタンである請求項1
    記載の成形材料。
  4. 【請求項4】 有機良溶剤に不溶性の異物が0.5μ以
    上の粒子径が15000個/g以下かつ1μ以上の粒子
    径が300個/g以下である請求項1記載の成形材料。
  5. 【請求項5】 粘度平均分子量が10000〜2200
    0である請求項1記載の成形材料。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の光学用芳香族ポリカーボ
    ネート成形材料よりなり、加速劣化試験(80℃×85
    %RH×500時間)後のエラー率が1×10-3以下で
    ある光ディスク基板。
  7. 【請求項7】 光ディスクがDVDである請求項6記載
    の基板。
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