JP4093703B2 - 光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂及び光学式ディスク基板 - Google Patents

光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂及び光学式ディスク基板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂及び光学式ディスク基板に関し、さらに詳しくは、バリによる欠陥が少ない光学式ディスク基板の素材として適したポリカーボネート樹脂及び該樹脂からなる光学式ディスク基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、低吸水性が優れているため、CD,CD−ROM,MO,CD−R,CD−RW,DVD−ROM,DVD−R,DVD−RAM等の光学式ディスクの基板に広く使用されている。こうした光学式ディスク基板は、通常、射出成形で、金型内に配設されたスタンパと呼ばれるニッケルの薄板にピットやグルーブといった信号が刻印されている面が、成形されるポリカーボネート樹脂製基板に転写され、製造する方法が採用される場合が多い。
【0003】
近年における光学式ディスク基板の製造においては、一つの工場において数十から百台を超える成形機が導入されて省力化が図られ、更なる量産効果の向上が追求されていると同時に品質の管理も徹底的に行われている。しかしながら、その中でスタンパの交換や成形機の成形条件の変更等がなく、かつポリカーボネート樹脂の分子量、分子量分布、ガラス転移温度ほか流動性を規定する因子が一定範囲内で安定しているにかかわらず、突発的にディスク基板センターホールのスプルーカツト時に離型不良が発生し、その離型不良によってディスク基板外周部もしくは外周部の微細なバリが金型と擦り落ちて発生したと考えられる樹脂屑混入により、ディスク基板の歩留まりが数%〜数十%程度低下する場合がある。この現象を一般にバリによる欠陥と呼び、これを防ぐためには離型剤の添加量を増やすことにより解決できる。しかし、光学的性質の欠陥の発生、特に恒温恒湿下での加速劣化試験においてポリカーボネート樹脂の偏光白濁欠陥の発生が促進される傾向が見られ、光学的ディスクとしての記録データ保存に対する信頼性も低下するために離型剤の添加量を必要以上に増やすことはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記状況を鑑みなされたもので、離型剤の添加量を必要以上に増やすことなく、バリによる欠陥が少ない光学式ディスク基板の素材として適したポリカーボネート樹脂及び該樹脂からなる光学式ディスク基板を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々検討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂中の鉄分量及び遊離トータルフェノール量とバリによる欠陥発生に相関性があることを見出し、これに基づいて本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
1.溶液法で製造したポリカーボネート樹脂に溶剤を用いて溶出処理を行う方法により得られた粘度平均分子量が10,000〜17,000のポリカーボネート樹脂と、離型剤として多価アルコール脂肪酸エステルとを含有するポリカーボネート樹脂組成物であって、鉄分量が0.2ppm以下、遊離トータルフェノール量が80ppm以下であり、かつ離型剤を100〜500ppm含有することを特徴とする光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂組成物
2.アセトン可溶分量が12質量%以下である請求項1記載の光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂組成物
3.離型剤を150〜350ppm含有するものである前記1又は2に記載の光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂組成物
4.離型剤がグリセリンモノステアレートである前記1〜3のいずれかに記載の光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂組成物
5.前記1〜4のいずれかに記載の光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂組成物からなる光学式ディスク基板。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の光学式ディスク基板に使用されるポリカーボネート樹脂について説明する。
そのポリカーボネート樹脂としては、その化学構造や製造法については特に制限はなく種々のものを用いることができる。例えば、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネート樹脂が好適に用いられる。製造方法については、溶液法、溶融法いずれも採用できる。
【0008】
上記の二価フェノールとしては、種々のものが用いられるが、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコールなどが好適なものとして挙げられる。これら二価フェノールの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕が好ましい。そして、これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
【0009】
また、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、またはハロホルメートなどを用いることができる。さらに具体的には、ホスゲン、二価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどである。
【0010】
そして、このポリカーボネート樹脂の化学構造は、その分子鎖が線状構造または環状構造もしくは分岐構造を有しているものを用いることができる。このうち、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂としては、分岐剤として、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ビドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などを用いて製造したものが好ましく用いられる。また、このポリカーボネート樹脂として、テレフタル酸などの2官能性カルボン酸、またはそのエステル形成誘導体などのエステル前駆体を用いて製造されたポリエステル−カーボネート樹脂を用いることもできる。さらに、これら種々の化学構造を有するポリカーボネート樹脂の混合物を用いることもできる。
【0011】
また、これらポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、通常10,000〜30,000である。この粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、[η]=1.23×10-5Mv0.83の式により算出した値である。このようなポリカーボネート樹脂の分子量の調節には、フェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノールなどが用いられる。
【0012】
ポリカーボネート樹脂は、通常溶液法が採用されるので溶液法で得られたとして説明する。
上記の方法で製造したポリカーボネート樹脂のフレークをアセトン、ジオキサン等の溶剤を使用して溶出処理を行い、不純物、遊離トータルフェノールを溶出させる必要がある。その場合、後述するペレットの状態で、粘度平均分子量を10,000〜17,000、鉄分量を0.2ppm以下、遊離トータルフェノール量を80ppm以下となるように溶出処理を行えばよい。また、アセトン可溶分量も12質量%以下にした方が好ましい。溶出処理後の乾燥させたポリカーボネート樹脂フレークに離型剤、必要によりリン系酸化防止剤を20〜100ppm添加した後、押出し機でペレット化する。このペレット中の離型剤が100〜500ppm(好ましくは150〜350ppm)となるようにする必要がある。
離型剤が100ppm未満であると、離型不良によるバリによる欠陥の発生が増大し、500ppmを超えると、光学ディスクとしての偏光白濁欠陥が発生しやすくなり好ましくない。
【0013】
上記の離型剤としては、好ましくは、多価アルコールの脂肪酸エステルが使用され、グリセリン,トリメチルプロパン,ヘキサントリオール等の3価のアルコールや、ペンタエリスリトール,メソエリスリトール,キシリトール,ソルビトール等の4価以上のアルコールと、炭素数10〜30の脂肪酸との部分エステルが挙げられる。脂肪酸としては、カプリン酸,ウンデカン酸,ラウリン酸,トリデカン酸,ミリスチン酸,ペンタデカン酸,パルミチン酸,マルガリン酸,ステアリン酸,ノナデカン酸,エイコサン酸,ベヘン酸等が挙げられる。具体的には、グリセリンモノステアレート,グリセリンモノパルミテート,グリセリンモノミリステート,グリセリンモノラウレート等のグリセリンモノエステル、ペンタエリスリトールジステアレート,ペンタエリスリトールトリステアレート,ペンタエリスリトールモノパルミテート,ペンタエリスリトールジパルミテート,メソエリスリトールトリラウレート,キシリトールジステアレート,キシリトールトリステアレート,キシリトールテトラステアレート等が用いられる。これらのエステルは単独でも、二種以上を併用することもできる。
【0014】
リン系酸化防止剤として、例えば、トリメチルホスファイト,トリエチルホスファイト,トリブチルホスファイト,トリオクチルホスファイト,トリノニルホスファイト,トリデシルホスファイト,トリオクタデシルホスファイト,ジステアリルペンタエリスチルジホスファイト,トリス(2−クロロエチル)ホスファイト,トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファイトなどのトリアルキルホスファイト;トリシクロヘキシルホスファイトなどのトリシクロアルキルホスファイト;トリフェニルホスファイト,トリクレジルホスファイト,トリス(エチルフェニル)ホスファイト,トリス(ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(ノニルフェニル)ホスファイト,トリス(ヒドロキシフェニル)ホスファイトなどのトリアリールホスファイト;2−エチルヘキシルジフェニルホスファイトなどのモノアルキルジアリールホスファイト;トリメチルホスフェート,トリエチルホスフェート,トリブチルホスフェート,トリオクチルホスフェート,トリデシルホスフェート,トリオクタデシルホスフェート,ジステアリルペンタエリスリチルジホスフェート,トリス(2−クロロエチル)ホスフェート,トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェートなどのトリアルキルホスフェート;トリシクロヘキシルホスフェートなどのトリシクロアルキルホスフェート;トリフェニルホスフェート,トリクレジルホスフェート,トリス(ノニルフェニル)ホスフェート,2−エチルフェニルジフェニルホスフェートなどのトリアリールホスフェートなどが挙げられる。これらは単独でも、二種以上を併用することもできる。
【0015】
上述したように、ポリカーボネート樹脂は、ペレットの状態で、粘度平均分子量を10,000〜17,000、鉄分量を0.2ppm以下、遊離トータルフェノール量を80ppm以下とする必要がある。残存鉄分量、遊離トータルフェノール量が多すぎると、バリによる欠陥が多く発生する。また、アセトン可溶分量も12質量%以下の方がバリによる欠陥の発生防止の点で好ましい。
また、粘度平均分子量が10,000未満であると、成形品の機械的強度が低下し、17,000を超えると、成形時の流動性不足により成形品に歪みが残り、光学的特性が低下し好ましくない。なお、鉄分量、遊離トータルフェノール量、アセトン可溶分量の測定法は下記のとおりである。
【0016】
(1)鉄分量
試料を灰化した後、グラファイトファーネス原子吸光法にて定量分析する。
(2)遊離トータルフェノール量
原料モノマーの二価フェノール、末端停止剤の一価フェノール等のトータルのフェノール類の量であり、下記の方法で分析する。
▲1▼試料10gを円筒濾紙に入れる。
▲2▼平底フラスコにアセトン120ccとガラス沸石を2〜3個入れる。
▲3▼ソックスレー抽出を行う。抽出時間は1回目のアセトンリフラックスが終了する時点より、ペレットの場合は4時間である。
▲4▼アセトン溶液をロータリーエバポレーターにセットし、アセトンを留去し濃縮乾固する。
▲5▼乾燥器で105℃で1時間乾燥させた後、室温になるまで放冷する。
▲6▼10ccの塩化メチレンを加えて内容物を溶解させる。
▲7▼0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液を50cc加え、スターラーで15分間攪拌する。
▲8▼静置分離し、水層(上層)の水酸化ナトリウム溶液を約25cc採取し、5Aの濾紙で濾過する。
▲9▼濾液のトータルフェノール量を分光光度計で測定する。
【0017】
(3)アセトン可溶分量
▲1▼試料1gを塩化メチレン10ccに溶解させる。
▲2▼アセトン200ccに入れ、ポリカーボネートを沈殿させる。
▲3▼ポリカーボネートを濾過して除く。
▲4▼濾液を濃縮乾固させた後、重さを測定し、アセトン可溶分量とする。
本発明の光学式ディスク基板は、上記ポリカーボネートペレットを射出成形法,圧縮成形法,押出成形法など任意の方法で成形することにより得ることができる。なかでも、スタンパを使用した射出成形法が好ましい。
【0018】
【実施例】
次に、実施例および比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
ビスフェノールAとホスゲンを原料として使用し、溶液法で調製した、アセトン可溶分量が14質量%、遊離トータルフェノール量が120ppmであるフレーク状のポリカーボネート100kgにアセトン225kgを加えて50℃で1時間攪拌して溶出処理を行った。その後、アセトンを除去し、120℃、1.3〜40hPaの減圧下で20時間乾燥させた。得られたフレーク状のポリカーボネートの粘度平均分子量は14,900であり、それに離型剤としてグリセリンモノステアレート300ppm、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト40ppmを添加した後、押出機でペレット化した。そのペレットのアセトン可溶分量は8質量%、遊離トータルフェノール量は70ppm、鉄分は0.1ppmであり、グリセリンモノステアレート280ppmであった。このペレットを射出成形機(住友重機械社製:DISK5)に供給し、下記の条件で径130mm、厚み1.2mmのディスク基板を600枚製造した。
・シリンダー温度:325℃
・金型温度:90℃(スタンパ側)/85℃
・スタンパー:CD−ROM用
得られたディスク基板を傷欠陥検査機で検査した結果、バリによる欠陥品は4.5%であった。ディスク基板を90℃90%の恒温恒湿下で300時間加速劣化させた後、電気特性検査機を用いて測定したところ、ブロックエラーレートが5であった。
【0019】
〔実施例2〕
ビスフェノールAとホスゲンを原料として使用し、溶液法で調製した、アセトン可溶分量が12質量%、遊離トータルフェノール量が120ppmであるフレーク状のポリカーボネート100kgにアセトン225kgを加えて60℃で1時間攪拌して溶出処理を行った。その後、アセトンを除去し、120℃、1.3〜40hPaの減圧下で20時間乾燥させた。得られたフレーク状のポリカーボネートの粘度平均分子量は14,900であり、それに離型剤としてグリセリンモノステアレート300ppm、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト40ppmを添加した後、押出機でペレット化した。そのペレットのアセトン可溶分量は6質量%、遊離トータルフェノール量は40ppm、残留鉄分は0.1ppmであり、グリセリンモノステアレートは280ppmであった。このペレットを実施例1と同様にディスク基板を600枚製造した。得られたディスク基板を傷欠陥検査機で検査した結果、バリによる欠陥品は2.5%であった。
【0020】
〔比較例1〕
ビスフェノールAとホスゲンを原料として使用し、溶液法で調製した、アセトン可溶分量が14質量%、遊離トータルフェノール量が120ppmである粘度平均分子量14,900のフレーク状のポリカーボネートに離型剤としてグリセリンモノステアレート300ppm、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト40ppmを添加した後、押出機でペレット化した。そのペレットのアセトン可溶分量は13質量%、遊離トータルフェノール量は90ppm、残留鉄分は0.1ppmであり、グリセリンモノステアレートは280ppmであった。このペレットを実施例1と同様にディスク基板を600枚製造した。得られたディスク基板を傷欠陥検査機で検査した結果、バリによる欠陥品は15%であった。
【0021】
〔比較例2〕
ビスフェノールAとホスゲンを原料として使用し、溶液法で調製した、アセトン可溶分量が14質量%、遊離トータルフェノール量が120ppmであるフレーク状のポリカーボネート100kgにアセトン225kgを加えて50℃で1時間攪拌して溶出処理を行った。その後、アセトンを除去し、120℃、1.3〜40hPaの減圧下で20時間乾燥させた。得られたフレーク状のポリカーボネートの粘度平均分子量は14,900であり、それに離型剤としてグリセリンモノステアレート50ppm、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト40ppmを添加した後、押出機でペレット化した。そのペレットのアセトン可溶分量は8質量%、遊離トータルフェノール量は80ppm、残留鉄分は0.1ppmであり、グリセリンモノステアレートは40ppmであった。このペレットを実施例1と同様にディスク基板を600枚製造した。得られたディスク基板を傷欠陥検査機で検査した結果、バリによる欠陥品は11.0%であった。
【0022】
〔比較例3〕
ビスフェノールAとホスゲンを原料として使用し、溶液法で調製した、アセトン可溶分量が14質量%、遊離トータルフェノール量が120ppmを含有するフレーク状のポリカーボネート100kgにアセトン225kgを加えて50℃で1時間攪拌して溶出処理を行った。その後、アセトンを除去し、120℃、1.3〜40hPaの減圧下で20時間乾燥させた。得られたフレーク状のポリカーボネートの粘度平均分子量は14,900であり、それに離型剤としてグリセリンモノステアレート600ppm、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト40ppmを添加した後、押出機でペレット化した。そのペレットのアセトン可溶分量は8質量%、遊離トータルフェノール量は80ppm、残留鉄分は0.1ppmであり、グリセリンモノステアレート550ppmであった。このペレットを実施例1と同様にディスク基板を600枚製造した。得られたディスク基板を傷欠陥検査機で検査した結果、バリによる欠陥品は4.0%であったが、ディスク基板を90℃90%の恒温恒湿下で300時間加速劣化させた後、電気特性検査機を用いて測定したところ、ブロックエラーレートが25であった。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、離型剤の添加量を必要以上に増やすことなく、バリによる欠陥が少ない光学式ディスク基板の素材として適したポリカーボネート樹脂組成物及び該樹脂組成物を成形してなる光学式ディスク基板を提供することができる。

Claims (5)

  1. 溶液法で製造したポリカーボネート樹脂に溶剤を用いて溶出処理を行う方法により得られた粘度平均分子量が10,000〜17,000のポリカーボネート樹脂と、離型剤として多価アルコール脂肪酸エステルとを含有するポリカーボネート樹脂組成物であって、鉄分量が0.2ppm以下、遊離トータルフェノール量が80ppm以下であり、かつ離型剤を100〜500ppm含有することを特徴とする光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂組成物
  2. アセトン可溶分量が12質量%以下である請求項1記載の光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂組成物
  3. 離型剤を150〜350ppm含有するものである請求項1又は2に記載の光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂組成物
  4. 離型剤がグリセリンモノステアレートである請求項1〜3のいずれかに記載の光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂組成物
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂組成物からなる光学式ディスク基板。
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