JP2001312836A - 光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂及び光学式ディスク基板 - Google Patents

光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂及び光学式ディスク基板

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JP2001312836A JP2000127336A JP2000127336A JP2001312836A JP 2001312836 A JP2001312836 A JP 2001312836A JP 2000127336 A JP2000127336 A JP 2000127336A JP 2000127336 A JP2000127336 A JP 2000127336A JP 2001312836 A JP2001312836 A JP 2001312836A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 離型剤の添加量を必要以上に増やすこと
なく、バリによる欠陥が少ない光学式ディスク基板の素
材として適したポリカーボネート樹脂及び該樹脂からな
る光学式ディスク基板を提供する。 【解決手段】 粘度平均分子量が10,000〜17,
000であって、鉄分量が0.2ppm以下、遊離トー
タルフェノール量が80ppm以下であり、かつ離型剤
を100〜500ppm含有する光学式ディスク基板用
ポリカーボネート樹脂及び該樹脂からなる光学式ディス
ク基板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学式ディスク基
板用ポリカーボネート樹脂及び光学式ディスク基板に関
し、さらに詳しくは、バリによる欠陥が少ない光学式デ
ィスク基板の素材として適したポリカーボネート樹脂及
び該樹脂からなる光学式ディスク基板に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱
性、低吸水性が優れているため、CD,CD−ROM,
MO,CD−R,CD−RW,DVD−ROM,DVD
−R,DVD−RAM等の光学式ディスクの基板に広く
使用されている。こうした光学式ディスク基板は、通
常、射出成形で、金型内に配設されたスタンパと呼ばれ
るニッケルの薄板にピットやグルーブといった信号が刻
印されている面が、成形されるポリカーボネート樹脂製
基板に転写され、製造する方法が採用される場合が多
い。
【0003】近年における光学式ディスク基板の製造に
おいては、一つの工場において数十から百台を超える成
形機が導入されて省力化が図られ、更なる量産効果の向
上が追求されていると同時に品質の管理も徹底的に行わ
れている。しかしながら、その中でスタンパの交換や成
形機の成形条件の変更等がなく、かつポリカーボネート
樹脂の分子量、分子量分布、ガラス転移温度ほか流動性
を規定する因子が一定範囲内で安定しているにかかわら
ず、突発的にディスク基板センターホールのスプルーカ
ツト時に離型不良が発生し、その離型不良によってディ
スク基板外周部もしくは外周部の微細なバリが金型と擦
り落ちて発生したと考えられる樹脂屑混入により、ディ
スク基板の歩留まりが数%〜数十%程度低下する場合が
ある。この現象を一般にバリによる欠陥と呼び、これを
防ぐためには離型剤の添加量を増やすことにより解決で
きる。しかし、光学的性質の欠陥の発生、特に恒温恒湿
下での加速劣化試験においてポリカーボネート樹脂の偏
光白濁欠陥の発生が促進される傾向が見られ、光学的デ
ィスクとしての記録データ保存に対する信頼性も低下す
るために離型剤の添加量を必要以上に増やすことはでき
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記状況を
鑑みなされたもので、離型剤の添加量を必要以上に増や
すことなく、バリによる欠陥が少ない光学式ディスク基
板の素材として適したポリカーボネート樹脂及び該樹脂
からなる光学式ディスク基板を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂中の鉄分量及び遊
離トータルフェノール量とバリによる欠陥発生に相関性
があることを見出し、これに基づいて本発明を完成させ
るに至った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は下記の通りであ
る。 1.粘度平均分子量が10,000〜17,000であ
って、鉄分量が0.2ppm以下、遊離トータルフェノ
ール量が80ppm以下であり、かつ離型剤を100〜
500ppm含有することを特徴とする光学式ディスク
基板用ポリカーボネート樹脂。 2.アセトン可溶分量が12質量%以下である前記1記
載の光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂。 3.離型剤を150〜350ppm含有するものである
前記1又は2に記載の光学式ディスク基板用ポリカーボ
ネート樹脂。 4.離型剤が多価アルコール脂肪酸エステルである前記
1〜3のいずれかに記載の光学式ディスク基板用ポリカ
ーボネート樹脂。 5.前記1〜4のいずれかに記載の光学式ディスク基板
用ポリカーボネート樹脂からなる光学式ディスク基板。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、本発明の光学式ディスク基板に使用される
ポリカーボネート樹脂について説明する。そのポリカー
ボネート樹脂としては、その化学構造や製造法について
は特に制限はなく種々のものを用いることができる。例
えば、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応に
より製造される芳香族ポリカーボネート樹脂が好適に用
いられる。製造方法については、溶液法、溶融法いずれ
も採用できる。
【0008】上記の二価フェノールとしては、種々のも
のが用いられるが、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメ
チルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール
などが好適なものとして挙げられる。これら二価フェノ
ールの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、
特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
〔ビスフェノールA〕が好ましい。そして、これらの二
価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、二種
以上を混合して用いてもよい。
【0009】また、カーボネート前駆体としては、カル
ボニルハライド、カルボニルエステル、またはハロホル
メートなどを用いることができる。さらに具体的には、
ホスゲン、二価フェノールのジハロホーメート、ジフェ
ニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネートなどである。
【0010】そして、このポリカーボネート樹脂の化学
構造は、その分子鎖が線状構造または環状構造もしくは
分岐構造を有しているものを用いることができる。この
うち、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂として
は、分岐剤として、1,1,1−トリス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ビ
ドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベ
ンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビ
ス(o−クレゾール)などを用いて製造したものが好ま
しく用いられる。また、このポリカーボネート樹脂とし
て、テレフタル酸などの2官能性カルボン酸、またはそ
のエステル形成誘導体などのエステル前駆体を用いて製
造されたポリエステル−カーボネート樹脂を用いること
もできる。さらに、これら種々の化学構造を有するポリ
カーボネート樹脂の混合物を用いることもできる。
【0011】また、これらポリカーボネート樹脂の粘度
平均分子量は、通常10,000〜30,000であ
る。この粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度
計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を
測定し、これより極限粘度[η]を求め、[η]=1.
23×10-5Mv0.83の式により算出した値である。こ
のようなポリカーボネート樹脂の分子量の調節には、フ
ェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−te
rt−オクチルフェノール、p−クミルフェノールなど
が用いられる。
【0012】ポリカーボネート樹脂は、通常溶液法が採
用されるので溶液法で得られたとして説明する。上記の
方法で製造したポリカーボネート樹脂のフレークをアセ
トン、ジオキサン等の溶剤を使用して溶出処理を行い、
不純物、遊離トータルフェノールを溶出させる必要があ
る。その場合、後述するペレットの状態で、粘度平均分
子量を10,000〜17,000、鉄分量を0.2p
pm以下、遊離トータルフェノール量を80ppm以下
となるように溶出処理を行えばよい。また、アセトン可
溶分量も12質量%以下にした方が好ましい。溶出処理
後の乾燥させたポリカーボネート樹脂フレークに離型
剤、必要によりリン系酸化防止剤を20〜100ppm
添加した後、押出し機でペレット化する。このペレット
中の離型剤が100〜500ppm(好ましくは150
〜350ppm)となるようにする必要がある。離型剤
が100ppm未満であると、離型不良によるバリによ
る欠陥の発生が増大し、500ppmを超えると、光学
ディスクとしての偏光白濁欠陥が発生しやすくなり好ま
しくない。
【0013】上記の離型剤としては、好ましくは、多価
アルコールの脂肪酸エステルが使用され、グリセリン,
トリメチルプロパン,ヘキサントリオール等の3価のア
ルコールや、ペンタエリスリトール,メソエリスリトー
ル,キシリトール,ソルビトール等の4価以上のアルコ
ールと、炭素数10〜30の脂肪酸との部分エステルが
挙げられる。脂肪酸としては、カプリン酸,ウンデカン
酸,ラウリン酸,トリデカン酸,ミリスチン酸,ペンタ
デカン酸,パルミチン酸,マルガリン酸,ステアリン
酸,ノナデカン酸,エイコサン酸,ベヘン酸等が挙げら
れる。具体的には、グリセリンモノステアレート,グリ
セリンモノパルミテート,グリセリンモノミリステー
ト,グリセリンモノラウレート等のグリセリンモノエス
テル、ペンタエリスリトールジステアレート,ペンタエ
リスリトールトリステアレート,ペンタエリスリトール
モノパルミテート,ペンタエリスリトールジパルミテー
ト,メソエリスリトールトリラウレート,キシリトール
ジステアレート,キシリトールトリステアレート,キシ
リトールテトラステアレート等が用いられる。これらの
エステルは単独でも、二種以上を併用することもでき
る。
【0014】リン系酸化防止剤として、例えば、トリメ
チルホスファイト,トリエチルホスファイト,トリブチ
ルホスファイト,トリオクチルホスファイト,トリノニ
ルホスファイト,トリデシルホスファイト,トリオクタ
デシルホスファイト,ジステアリルペンタエリスチルジ
ホスファイト,トリス(2−クロロエチル)ホスファイ
ト,トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファイト
などのトリアルキルホスファイト;トリシクロヘキシル
ホスファイトなどのトリシクロアルキルホスファイト;
トリフェニルホスファイト,トリクレジルホスファイ
ト,トリス(エチルフェニル)ホスファイト,トリス
(ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト,トリス(ヒドロキシフェニル)ホ
スファイトなどのトリアリールホスファイト;2−エチ
ルヘキシルジフェニルホスファイトなどのモノアルキル
ジアリールホスファイト;トリメチルホスフェート,ト
リエチルホスフェート,トリブチルホスフェート,トリ
オクチルホスフェート,トリデシルホスフェート,トリ
オクタデシルホスフェート,ジステアリルペンタエリス
リチルジホスフェート,トリス(2−クロロエチル)ホ
スフェート,トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホス
フェートなどのトリアルキルホスフェート;トリシクロ
ヘキシルホスフェートなどのトリシクロアルキルホスフ
ェート;トリフェニルホスフェート,トリクレジルホス
フェート,トリス(ノニルフェニル)ホスフェート,2
−エチルフェニルジフェニルホスフェートなどのトリア
リールホスフェートなどが挙げられる。これらは単独で
も、二種以上を併用することもできる。
【0015】上述したように、ポリカーボネート樹脂
は、ペレットの状態で、粘度平均分子量を10,000
〜17,000、鉄分量を0.2ppm以下、遊離トー
タルフェノール量を80ppm以下とする必要がある。
残存鉄分量、遊離トータルフェノール量が多すぎると、
バリによる欠陥が多く発生する。また、アセトン可溶分
量も12質量%以下の方がバリによる欠陥の発生防止の
点で好ましい。また、粘度平均分子量が10,000未
満であると、成形品の機械的強度が低下し、17,00
0を超えると、成形時の流動性不足により成形品に歪み
が残り、光学的特性が低下し好ましくない。なお、鉄分
量、遊離トータルフェノール量、アセトン可溶分量の測
定法は下記のとおりである。
【0016】(1)鉄分量 試料を灰化した後、グラファイトファーネス原子吸光法
にて定量分析する。 (2)遊離トータルフェノール量 原料モノマーの二価フェノール、末端停止剤の一価フェ
ノール等のトータルのフェノール類の量であり、下記の
方法で分析する。 試料10gを円筒濾紙に入れる。 平底フラスコにアセトン120ccとガラス沸石を2
〜3個入れる。 ソックスレー抽出を行う。抽出時間は1回目のアセト
ンリフラックスが終了する時点より、ペレットの場合は
4時間である。 アセトン溶液をロータリーエバポレーターにセット
し、アセトンを留去し濃縮乾固する。 乾燥器で105℃で1時間乾燥させた後、室温になる
まで放冷する。 10ccの塩化メチレンを加えて内容物を溶解させ
る。 0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液を50cc加
え、スターラーで15分間攪拌する。 静置分離し、水層(上層)の水酸化ナトリウム溶液を
約25cc採取し、5Aの濾紙で濾過する。 濾液のトータルフェノール量を分光光度計で測定す
る。
【0017】(3)アセトン可溶分量 試料1gを塩化メチレン10ccに溶解させる。 アセトン200ccに入れ、ポリカーボネートを沈殿
させる。 ポリカーボネートを濾過して除く。 濾液を濃縮乾固させた後、重さを測定し、アセトン可
溶分量とする。 本発明の光学式ディスク基板は、上記ポリカーボネート
ペレットを射出成形法,圧縮成形法,押出成形法など任
意の方法で成形することにより得ることができる。なか
でも、スタンパを使用した射出成形法が好ましい。
【0018】
【実施例】次に、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によっ
て何ら限定されるものではない。 〔実施例1〕ビスフェノールAとホスゲンを原料として
使用し、溶液法で調製した、アセトン可溶分量が14質
量%、遊離トータルフェノール量が120ppmである
フレーク状のポリカーボネート100kgにアセトン2
25kgを加えて50℃で1時間攪拌して溶出処理を行
った。その後、アセトンを除去し、120℃、1.3〜
40hPaの減圧下で20時間乾燥させた。得られたフ
レーク状のポリカーボネートの粘度平均分子量は14,
900であり、それに離型剤としてグリセリンモノステ
アレート300ppm、リン系酸化防止剤としてトリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト40
ppmを添加した後、押出機でペレット化した。そのペ
レットのアセトン可溶分量は8質量%、遊離トータルフ
ェノール量は70ppm、鉄分は0.1ppmであり、
グリセリンモノステアレート280ppmであった。こ
のペレットを射出成形機(住友重機械社製:DISK
5)に供給し、下記の条件で径130mm、厚み1.2
mmのディスク基板を600枚製造した。 ・シリンダー温度:325℃ ・金型温度:90℃(スタンパ側)/85℃ ・スタンパー:CD−ROM用 得られたディスク基板を傷欠陥検査機で検査した結果、
バリによる欠陥品は4.5%であった。ディスク基板を
90℃90%の恒温恒湿下で300時間加速劣化させた
後、電気特性検査機を用いて測定したところ、ブロック
エラーレートが5であった。
【0019】〔実施例2〕ビスフェノールAとホスゲン
を原料として使用し、溶液法で調製した、アセトン可溶
分量が12質量%、遊離トータルフェノール量が120
ppmであるフレーク状のポリカーボネート100kg
にアセトン225kgを加えて60℃で1時間攪拌して
溶出処理を行った。その後、アセトンを除去し、120
℃、1.3〜40hPaの減圧下で20時間乾燥させ
た。得られたフレーク状のポリカーボネートの粘度平均
分子量は14,900であり、それに離型剤としてグリ
セリンモノステアレート300ppm、リン系酸化防止
剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイト40ppmを添加した後、押出機でペレット
化した。そのペレットのアセトン可溶分量は6質量%、
遊離トータルフェノール量は40ppm、残留鉄分は
0.1ppmであり、グリセリンモノステアレートは2
80ppmであった。このペレットを実施例1と同様に
ディスク基板を600枚製造した。得られたディスク基
板を傷欠陥検査機で検査した結果、バリによる欠陥品は
2.5%であった。
【0020】〔比較例1〕ビスフェノールAとホスゲン
を原料として使用し、溶液法で調製した、アセトン可溶
分量が14質量%、遊離トータルフェノール量が120
ppmである粘度平均分子量14,900のフレーク状
のポリカーボネートに離型剤としてグリセリンモノステ
アレート300ppm、リン系酸化防止剤としてトリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト40
ppmを添加した後、押出機でペレット化した。そのペ
レットのアセトン可溶分量は13質量%、遊離トータル
フェノール量は90ppm、残留鉄分は0.1ppmで
あり、グリセリンモノステアレートは280ppmであ
った。このペレットを実施例1と同様にディスク基板を
600枚製造した。得られたディスク基板を傷欠陥検査
機で検査した結果、バリによる欠陥品は15%であっ
た。
【0021】〔比較例2〕ビスフェノールAとホスゲン
を原料として使用し、溶液法で調製した、アセトン可溶
分量が14質量%、遊離トータルフェノール量が120
ppmであるフレーク状のポリカーボネート100kg
にアセトン225kgを加えて50℃で1時間攪拌して
溶出処理を行った。その後、アセトンを除去し、120
℃、1.3〜40hPaの減圧下で20時間乾燥させ
た。得られたフレーク状のポリカーボネートの粘度平均
分子量は14,900であり、それに離型剤としてグリ
セリンモノステアレート50ppm、リン系酸化防止剤
としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイト40ppmを添加した後、押出機でペレット化
した。そのペレットのアセトン可溶分量は8質量%、遊
離トータルフェノール量は80ppm、残留鉄分は0.
1ppmであり、グリセリンモノステアレートは40p
pmであった。このペレットを実施例1と同様にディス
ク基板を600枚製造した。得られたディスク基板を傷
欠陥検査機で検査した結果、バリによる欠陥品は11.
0%であった。
【0022】〔比較例3〕ビスフェノールAとホスゲン
を原料として使用し、溶液法で調製した、アセトン可溶
分量が14質量%、遊離トータルフェノール量が120
ppmを含有するフレーク状のポリカーボネート100
kgにアセトン225kgを加えて50℃で1時間攪拌
して溶出処理を行った。その後、アセトンを除去し、1
20℃、1.3〜40hPaの減圧下で20時間乾燥さ
せた。得られたフレーク状のポリカーボネートの粘度平
均分子量は14,900であり、それに離型剤としてグ
リセリンモノステアレート600ppm、リン系酸化防
止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
ホスファイト40ppmを添加した後、押出機でペレッ
ト化した。そのペレットのアセトン可溶分量は8質量
%、遊離トータルフェノール量は80ppm、残留鉄分
は0.1ppmであり、グリセリンモノステアレート5
50ppmであった。このペレットを実施例1と同様に
ディスク基板を600枚製造した。得られたディスク基
板を傷欠陥検査機で検査した結果、バリによる欠陥品は
4.0%であったが、ディスク基板を90℃90%の恒
温恒湿下で300時間加速劣化させた後、電気特性検査
機を用いて測定したところ、ブロックエラーレートが2
5であった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、離型剤の添加量を必要
以上に増やすことなく、バリによる欠陥が少ない光学式
ディスク基板の素材として適したポリカーボネート樹脂
組成物及び該樹脂組成物を成形してなる光学式ディスク
基板を提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA50 AC05 AE22 AH12 BA01 BB05 BC01 BC03 4J002 CG001 EH046 FD166 GS02 4J029 AA09 AB01 AB05 AC01 AD01 AE03 AE04 BB04A BB05A BB09A BB10A BB12A BB13A BB15A BD09A BE05A BF14A BH02 DB09 DB10 DB11 DB12 DB13 HA01 HC01 HC02 HC04A HC05A JB193 JF563 KH05 KH08 5D029 KA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度平均分子量が10,000〜17,
    000であって、鉄分量が0.2ppm以下、遊離トー
    タルフェノール量が80ppm以下であり、かつ離型剤
    を100〜500ppm含有することを特徴とする光学
    式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂。
  2. 【請求項2】 アセトン可溶分量が12質量%以下であ
    る請求項1記載の光学式ディスク基板用ポリカーボネー
    ト樹脂。
  3. 【請求項3】 離型剤を150〜350ppm含有する
    ものである請求項1又は2に記載の光学式ディスク基板
    用ポリカーボネート樹脂。
  4. 【請求項4】 離型剤が多価アルコール脂肪酸エステル
    である請求項1〜3のいずれかに記載の光学式ディスク
    基板用ポリカーボネート樹脂。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の光学式
    ディスク基板用ポリカーボネート樹脂からなる光学式デ
    ィスク基板。
JP2000127336A 2000-04-27 2000-04-27 光学式ディスク基板用ポリカーボネート樹脂及び光学式ディスク基板 Expired - Lifetime JP4093703B2 (ja)

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