JP3915932B2 - 光ディスク用ポリカーボネート成形材料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、シルバーストリークの発生の少ない光ディスク用成形材料に適したポリカーボネート射出成形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は透明性、耐熱性、低吸水性が優れているために、光学用途、特にコンパクトディスク、レーザーディスク、情報用の光磁気ディスク、ミニディスク、等の光ディスクの基板に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスクでは、ミクロンオーダーの信号をレーザー光線で読み取り、書き込む必要がある。そのため、光ディスクの基板中にミクロンオーダー以上の欠陥があると読み取り、書き込みができなくなり、エラーレートの悪化を招く。この様な欠陥の一つとして、シルバーストリークが問題視されている。
【0004】
シルバーストリークの発生する場合としてはいくつかあり、例えば、成形直前の乾燥不足により粒状体(ペレット)の水分の含有率が高すぎる場合、あるいはペレット中に微粉が含まれる場合、可塑化時にエアーが巻き込まれる場合等が挙げられる。この場合、乾燥不足については乾燥の強化、微粉に関しては微粉除去装置の設置等の対策にて比較的安易に防止できる。しかし、可塑化時のエアーの巻き込みによるシルバーストリークについては発生原因が明確ではなく、未だその発生率を低減化するには到っていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、光ディスク基板の成形において、特に可塑化時のエアーの巻き込みによるシルバーストリークの発生を抑制するために鋭意検討を行ったところ、ペレットの形状、特にペレットの長さの分布を狭くする、つまり長さをできるだけ均一にすることが可塑化溶融時のエアーの巻き込みによるシルバーストリークを低減できることを見い出し、本発明に到達した。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は、分子量が10,000〜18,000のポリカーボネートのペレットからなる成形材料であって、該ペレットはポリカーボネートを押出機のダイスからストランドとして押出したものを冷却固化させたのち切断して製造されたものであり、ペレットの長さの平均値が2.5〜3.5mmの範囲にあり、かつその70%以上が長さの平均値±0.1mmの範囲に含まれることを特徴とする光ディスク用ポリカーボネート射出成形材料(ただし、前記「ペレットの長さの平均値」とは、150個のペレットの両断面間の距離の平均値を示し、前記「その70%以上」とは、前記150個のペレットの70%以上を示す。)に存する。
【0007】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂は、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体または共重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0008】
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテル、のようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等があげられる。
【0009】
これらは単独でまたは2種以上混合して使用されるが、これらの他にピペラジン、ジピペリジル、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
光ディスク等の光学用部品には光学的ひずみが少ないことが要求されるため、分子量は10,000〜18,000、好ましくは14,300〜15,000の範囲にする必要がある。なお、ここでいう分子量(M)はオストワルド粘度計を用い塩化メチレンを溶媒とする溶液の極限粘度〔η〕を求め、以下に示すSchnellの粘度式から求められる。
【0010】
【数1】
〔η〕=1.23×10-5M0.83
【0011】
本発明の光ディスク用ポリカーボネート射出成形材料用のペレットの製造は、通常、押し出し機内で溶融された樹脂に必要に応じて添加剤等を混合し、ダイスから数本のストランドとして押し出した後、これを冷却水槽中で冷却固化し、ストランドカッターと呼ばれる一定間隔の刃とローラーのクリアランスによってカットして得られる。この様にして得られたペレットは楕円柱状の形状をしており、本発明においては、この円柱の高さに相当するカットされた断面間をペレットの長さとする。
【0012】
ペレットの長さは、一般には光ディスク用の射出成形機のシリンダーとスクリューの寸法に適することが望まれる。本発明においては、取扱い等の便宜をも考慮し、ペレットの長さの平均値が2.5〜3.5mmの範囲で選択される。ただし、前記「ペレットの長さの平均値」とは、150個のペレットの両断面間の距離の平均値を示す。また、本発明においては、前記150個のペレットの70%以上が、前記ペレットの長さの平均値±0.1mmの範囲に含まれることが必要である。
【0013】
すなわち、ストランドカッターなどでペレットを製造する場合は、ペレットの長さは一定間隔で位置する刃と刃の間の間隔で決定されるが、ストランドの太さやカッターの機構などにより、ペレットの長さはまちまちになり、一定の分布を形成する。本発明においては、そのペレットの長さの分布を一定範囲内に狭くし、均一な長さとすることにより、意外にも、その様なペレットを用いて光ディスク基板を成形する際に、可塑化時のエアーの巻き込みが少なく、シルバーストリークの発生が少ない基板が得られることを見出したのである。
【0014】
かかる狭い分布の長さをもつペレットを製造する方法としては、種々の方法が考えられるが、例えば樹脂のダイス内での流量との関係からダイスの穴の大きさを調整して、ストランドの太さを均一にしたり、ローラーとカッターとの距離を短くすることなどにより、カットの長さが振れないようにすることができる。尚、ペレットの長さはノギスを断面間に当てて行い、150個のペレットの両断面間の距離の平均値を決定する。
【0015】
【実施例】
以下本発明について実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0016】
<実施例1〜3及び比較例1〜3>
分子量14,800のビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂を溶融押出し、ダイスから押出されるストランドをカットして、ペレットを製造した。得られたペレットの両断面にノギスを当てて断面間の距離を測定し、ペレットの長さを求めた。150個のペレットを測定し、その平均値を求めた。次いで、その平均値±0.1mmの範囲内に入るペレットの数を求め、その割合を計算した。
【0017】
また、得られたペレットを循環式熱風オーブン内で120℃、6時間乾燥し、ペレット内の含有水分をカールフィッシャー法による測定で50ppm以下とした。乾燥後のペレットを表−1に示す成形条件で、住友重機製CDミニ(15T)を使用して、80mmφのCDシングル盤を連続的に200枚成形した。次に基板中に発生したシルバーストリークを目視にて観察し、200枚中の発生枚数によってシルバーストリークの発生のしやすさを評価した。結果を表−2に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】
この様に長さが均一なペレットを製造することにより、溶融可塑化時に均一な溶融が可能になりエアーを巻き込むことが少ない。このペレットを用いて光ディスクの基板を成形すると、シルバーストリークの発生が少ない良好な基板が得られるため、産業上の利用価値は極めて高い。
Claims (4)
- 分子量が10,000〜18,000のポリカーボネートのペレットからなる成形材料であって、該ペレットはポリカーボネートを押出機のダイスからストランドとして押出したものを冷却固化させたのち切断して製造されたものであり、ペレットの長さの平均値が2.5〜3.5mmの範囲にあり、かつその70%以上が前記長さの平均値±0.1mmの範囲に含まれることを特徴とする光ディスク用ポリカーボネート射出成形材料(ただし、前記「ペレットの長さの平均値」とは、150個のペレットの両断面間の距離の平均値を示し、前記「その70%以上」とは、前記150個のペレットの70%以上を示す。)。
- ペレットが楕円柱状であることを特徴とする請求項1記載の光ディスク用ポリカーボネート射出成形材料。
- ペレットの78%以上が前記長さの平均値±0.1mmの範囲に含まれることを特徴とする請求項1又は2記載の光ディスク用ポリカーボネート射出成形材料(ただし、前記「ペレットの78%以上」とは、前記150個のペレットの78%以上を示す。)。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載のポリカーボネート射出成形材料を用いて光ディスク用基板を射出成形することを特徴とする光ディスク用基板の製造方法。
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