JP4892138B2 - 光ディスク基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)用光ディスク基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光の照射により情報の記録・再生をおこなう光ディスクとしては、デジタルオーディオディスク(いわゆるコンパクトディスク)、光学式ビデオディスク(いわゆるレーザディスク)、各種追記型ディスク、光磁気ディスク、相変化ディスク等が実用化されている。
このうち、コンパクトディスクやレーザディスクは、再生専用(Read Only Memory:ROM)型の光ディスクである。これらの光ディスクは、一般に透明基板上に、情報信号に対応したピットが凹凸形状で形成され、この上にAl反射層が40nm以上の厚さで製膜されている。このような光ディスクでは、ピットで生じる光干渉による反射率変化を検出することにより情報信号が再生される。
【0003】
一方、追記型光ディスクは、ユーザによって任意情報の書き込みが可能なR(Recordable)型の光ディスクであり、光磁気ディスクおよび相変化型ディスクは、繰り返し任意情報の書き込みが可能なRAM(Random Acceess Memory)型の光ディスクである。
すなわち、R型光ディスクは、透明基板上に、レーザ光の照射によって不可逆的に光学特性が変化したり凹凸形状が形成される追記型の記録層にて構成される。この記録層としては、例えばレーザ光の照射による加熱で分解し、その光学定数が変化するとともに、体積変化によって基板の変形を生じさせるシアニン系、フタロシアニン系、アゾ系の有機色素等が用いられる。
【0004】
光磁気ディスクは、ユーザによって情報の書き込みおよび消去を繰り返し行うことができる、書き換え可能型の光ディスクであり、透明基板上に、Tb−Fe−Co非晶質合金薄膜などの磁気光学効果(例えばカー効果)を有する垂直磁化膜が形成されて構成される。この光磁気ディスクでは、情報信号に対応して垂直磁化膜の微小領域を上向きあるいは下向きに磁化することにより記録ピットが形成される。そして、反射光での直線偏光の回転角θk(カー回転角)が垂直磁化膜の磁化の向きによって異なることを利用して情報信号が再生される。
【0005】
相変化ディスクは、光磁気ディスク同様に書き換え可能型のディスクであり、例えば初期状態で結晶状態を呈し、レーザ光が照射されることでアモルファス状態に相変化する、Ge−Sb−Te相変化材料等が用いられる。この記録層では、情報信号に対応して微小領域を相変化させることにより記録ピットが形成され、ピットに相当するアモルファス部分とそれ以外の結晶領域との反射率変化を検出することで情報信号が再生される。
【0006】
このような光磁気ディスクや相変化ディスクでは、記録層の酸化防止や多重干渉による信号変調度の増大を目的として、記録層の両側を透明な誘電体層で挟み込み、さらにその上にAl反射層を積層した4層構造がとられる場合が多い。なお、誘電体層としては、窒化シリコン膜、Zn−SiO2混成膜などが用いられる。
ところで、最近、このような光ディスクをデジタル映像記録用として用いるための検討が盛んにおこなわれており、そのような光ディスクとしてデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)が開発されるに至っている。
【0007】
このDVDは、CDと同じ120mm径としながら、映画一本分に相当する映像情報を記録し、現行テレビ並みの画質で再生できるようになされたものである。
ここで、このような映像情報を光ディスクに記録するには、例えばCDの6〜8倍の記録容量が必要になる。このため、DVDでは、レーザ波長をCDでの780nmに対して635〜650nmと短波長化するとともに対物レンズの開口数NAをCDでの0.45に対して、0.52または0.6に増大させることによりトラックピッチやピットの最短記録マーク長を縮め、記録密度を上げるようにしている。
【0008】
このうち対物レンズの開口数NAの増大は、ディスク基板のそりに対する許容量を小さくすることになる。このため、DVDでは、基板の厚さをCDの1.2mmに対して、0.6mmと薄くすることにより、レーザ光がディスク基板を通過する距離を短くし、反りに対する許容量を補償する様にしている。そして、さらに基板を薄くすることによるディスク強度の低下を補うため、特開平6−274940号公報で記載されるように、基板上に形成された記録層の上に、さらに基板を貼り合わせる、いわゆる貼り合わせ構造が採られている。なお、貼り合わせ光ディスクの記録層としては、上述の単板構成で用いられるROM型の記録層、R型の記録層、RAM型の記録層のいずれもが採用できる。
【0009】
さらに、貼り合わせ光ディスクには、その片側の面のみを利用する片面貼り合わせ光ディスクと、両側の面を利用する両面型貼り合わせ光ディスクとがある。
以上のような光学用ディスク基板には、成形性、強度、光線透過率および耐湿性等に優れているポリカーボネート樹脂が多く使用されている。
光ディスクは基板上に形成されたミクロンサイズの凹凸を利用してレーザー光による情報の記録や再生を行う為に、基板中に存在する欠点がそれ以上の大きさである場合情報の記録や再生の信頼性に対して大きな影響を与える。そのためこの様な欠点としてのシルバーストリークの発生を抑えることが要求されている。
【0010】
シルバーストリークの発生原因としては乾燥不良による加水分解、シリンダー内での熱分解、ホッパー側からのエアーの巻き込み等が挙げられる。この内エアーの巻き込みによるシルバーストリークの発生の抑制対策として、ペレット長の規制(特開平7−324138号公報)、ペレット長及びペレット長径の規制(特開平11−35692号公報)などが提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、該問題点について鋭意研究をかさねた結果、ペレットの長径/短径、重量および断面積を均一にすることがシルバーストリークの発生を低減させること、さらにこのペレットを用いることにより成形加工時の操作がスムーズになることを見出した。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によればポリカーボネート樹脂のペレットからなる成形材料を、シリンダー温度300〜400℃、金型温度50〜140℃で射出成形してデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)用光ディスク基板を製造する方法であって、該ペレットは、
(i)長径と短径の比(以下「長径/短径」とする。)の平均値が1.4〜1.6であり、かつその比の標準偏差が0.100.13であり、
(ii)重量の平均値が13〜26mgであり、その標準偏差が2.2mg以下であり、かつ
(iii)切断面における表面積(以下「断面積」とする)の平均値が3.0mm〜6.0mmであり、その標準偏差が0.65mm以下である、
ことを特徴とする光ディスク基板の製造方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明においては、DVD−ROM、DVD−Audio、DVD−R、DVD−RAM等のデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)の基板の記録や再生の信頼性を高めるためには該基板を成形するために供する成形材料(芳香族ポリカーボネート樹脂)のペレットの長径/短径の比の平均値が1.4〜1.6であり、かつその比の標準偏差が0.13以下であることが必要である。
【0014】
ペレットの長径/短径の比の平均値を1.4〜1.6でかつその比の標準偏差を0.100.13にした場合シルバーストリークの発生が抑制され、情報の記録や信頼性を高めることが出来る。ペレットの長径/短径の比が上記の範囲にない場合はシルバーが発生し、情報の記録や再生の高い信頼性は得られない。
【0015】
さらに、ペレットの重量の平均値が13mg〜26mg、好ましくは14mg〜24mg、さらに好ましくは15mg〜20mgでありその標準偏差は2.2mg以下、好ましくは2.0mg以下、さらに好ましくは1.8mg以下にした場合その効果は一層確実になる。
それに加え、ペレットの断面積の平均値が3.0mm6.0mm、好ましくは3.3mm〜6.0mm、さらに好ましくは3.7mm〜5.0mmであり、その標準偏差は0.65mm以下、好ましくは0.55mm以下、さらに好ましくは0.50mm以下である場合、その効果はさらに顕著となる。
なお、ここで述べるペレットは断面の形状が円、楕円及び矩形であり、重量が8〜35mgであり長さが2.5〜3.5mmの形状を有するものをいう。
【0016】
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂は、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重合法または溶融重合法で反応させて得られるものである。ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等があげられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0017】
なかでもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
【0018】
カーボネートの前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
【0019】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を例えば界面重合法または溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当たっては、必要に応じて触媒、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の二種類以上を混合した混合物であってもよい。
【0020】
界面重合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在化に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
【0021】
溶融重合法による反応は、通常二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するモノヒドロキシ化合物(例えばフェノール)を留出させる方法により行なわれる。反応温度は生成するモノヒドロキシ化合物の沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には反応系を10〜0.1Torr程度に減圧して生成するモノヒドロキシ化合物の留出を容易にさせる。反応中に発生するモノヒドロキシ化合物は、ポリカーボネート樹脂中に残留するので、十分な反応時間が必要になり、反応時間は1〜4時間程度である。
【0022】
カーボネートエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m―クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
【0023】
また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類、マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、二種類以上組み合わせて使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×10-4当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4当量の範囲で選ばれる。
【0024】
また、かかる重合反応において、フェノール性の末端基を減少させるために、重縮合反応の後期あるいは終了後に、単官能フェノール類以外の末端停止剤、例えばビス(クロロフェニル)カーボネート、ビス(ブロモフェニル)カーボネート、ビス(ニトロフェニル)カーボネート、ビス(フェニルフェニル)カーボネート、クロロフェニルフェニルカーボネート、ブロモフェニルフェニルカーボネート、ニトロフェニルフェニルカーボネート、フェニルフェニルカーボネート、メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよびエトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートなどの化合物を加えることが好ましい。なかでも2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルが好ましく、特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルが好ましく使用される。
【0025】
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量(M)で10,000〜22,000がより好ましく、12,000〜20,000がより好ましく、13,000〜18,000が特に好ましい。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、光学用材料として十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり成形歪みが発生せず好ましい。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mLにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
【0026】
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-40.83
c=0.7
【0027】
原料ポリカーボネート樹脂は、従来公知の常法(界面重合法、溶融重合法など)により製造した後、溶液状態においてアルカリ抽出や濾過処理をしたり、造粒(脱溶媒)後の粒状原料を例えばアセトンなどのケトン類、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、キシレンなどの芳香族炭化水素などのポリカーボネート貧溶媒および非溶媒で洗浄して低分子量成分や未反応成分等の不純物や異物を除去することが好ましい。更に射出成形に供するためのペレット状ポリカーボネート樹脂を得る押出工程(ペレット化工程)では溶融状態の時に濾過精度10μmの焼結金属フィルターを通すなどして異物を除去したりすることが好ましい。必要により、例えば多価アルコール脂肪酸エステル等の離型剤、リン系等の酸化防止剤などの添加剤をくわえることの好ましい。いずれにしても射出成形前の原料樹脂は異物、不純物、溶媒などの含有量を極力低くしておくことが必要である。
【0028】
上記ポリカーボネート樹脂より光ディスク基板を製造する場合には射出成形機(射出圧縮成形機を含む)を用いる。この射出成形機としては一般的に使用されているものでよいが、炭化物の発生を抑制しディスク基板の信頼性を高める観点からシリンダーやスクリューとして樹脂の付着性が低く、かつ耐食性、耐摩耗性を示す材料を使用してなるものを用いるのが好ましい。射出成形の条件としてはシリンダー温度300〜400℃、金型温度50〜140℃が好ましく、これは、可能な限りクリーンあることが好ましい。また、成形に供する材料を十分乾燥して水分を除去することや、溶媒樹脂の分解を招くような滞留を起こさないように配慮することも重要となる。さらに、複屈折、機械特性などに異常が発生した基板は、製品あるいは試験用基板として採用しないよう配慮することも重要である。
【0029】
本発明による光学用ポリカーボネート樹脂成形材料よりなる光ディスク基板は、シルバーストリークの発生が極めて少なく、DVD−ROM、DVD−Audio、DVD−R、DVD−RAM等で代表されるデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)の光ディスクの基板として優れている。
以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0030】
【実施例】
[実施例1〜2、及び比較例1〜
本実施例におけるポリカーボネート樹脂ペレットは樹脂を熔融押し出し機によりストランドに押し出し、温水を満たした冷却槽につけて冷却し、カッターで切断することにより得られるものであり、断面が楕円形をした円柱状ペレットである。
【0031】
以下の方法にて測定を実施した。
(1)長径/短径測定
マイクロメータによりペレット300粒の断面の長径及び短径を測定し、長径/短径の比を算出した。次にその結果を用い、平均値及び標準偏差を算出した。なお、標準偏差は下記の式に従い算出した。
標準偏差=[[ΣR2−(ΣR)2/300]/299]1/2
R:長径/短径の比
【0032】
(2)重量測定
電子天秤によりペレット300粒の重量を測定し、平均値、標準偏差を算出した。なお、標準偏差は下記の式に従い算出した。
【0033】
標準偏差=[[ΣM2―(ΣM)2/300]/299]1/2
M:重量(mg)
【0034】
(3)断面積測定
マイクロメータによりペレット300粒の断面の長径及び短径を測定し、下記の式に従い、断面積を算出した。
D=π×a/2×b/2
D:断面積(mm2
a:長径(mm)
b:短径(mm)
次にその結果を用い、平均値及び標準偏差を算出した。なお、標準偏差は下記の式に従い算出した。
標準偏差=[{ΣD2−(ΣD)2/300}/299]1/2
【0035】
(4)シルバーストリーク
射出成形機[住友重機械工業製DISK 3M III]にDVD専用の金型を取り付け、この金型にピットの入ったニッケル製のDVD用スタンパーを装着し、成形材料である乾燥機にて120℃、4時間以上乾燥したペレットを自動搬送にて成形機のホッパーに投入し、シリンダー温度377℃、金型温度112℃にて連続的にDVD基板を300枚成形した。さらにその基板中のシルバーストリークの発生枚数を目視で観察を行った。
結果を表1、2に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004892138
【0037】
【表2】
Figure 0004892138
【0038】
表1、2に示す通りペレットの長径/短径、重量、断面積のバラツキの小さなペレットを用いることによりシルバーストリークの発生が極めて少なく、信頼性の高い高密度ディスク基板を得ることが出来る。

Claims (2)

  1. ポリカーボネート樹脂のペレットからなる成形材料を、シリンダー温度300〜400℃、金型温度50〜140℃で射出成形してデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)用光ディスク基板を製造する方法であって、該ペレットは、
    (i)長径と短径の比(以下「長径/短径」とする。)の平均値が1.4〜1.6であり、かつその比の標準偏差が0.100.13であり、
    (ii)重量の平均値が13〜26mgであり、その標準偏差が2.2mg以下であり、かつ
    (iii)切断面における表面積(以下「断面積」とする)の平均値が3.0mm〜6.0mmであり、その標準偏差が0.65mm以下である、
    ことを特徴とする光ディスク基板の製造方法。
  2. 該ポリカーボネート樹脂は粘度平均分子量が10,000〜22,000である請求項1記載の製造方法。
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