JP2000233924A - 水酸化マグネシウム粒子およびその製造方法 - Google Patents

水酸化マグネシウム粒子およびその製造方法

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JP2000233924A
JP2000233924A JP35320999A JP35320999A JP2000233924A JP 2000233924 A JP2000233924 A JP 2000233924A JP 35320999 A JP35320999 A JP 35320999A JP 35320999 A JP35320999 A JP 35320999A JP 2000233924 A JP2000233924 A JP 2000233924A
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mol
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Shunji Oishi
俊二 大石
Taro Ando
太郎 安藤
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Kyowa Chemical Industry Co Ltd
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Kyowa Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アスペクト比が、粒径および比表面積に関連
して一定の値を有しかつ比較的均一な水酸化マグネシウ
ム粒子およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 アスペクト比(H)が下記式(1)を満
足する水酸化マグネシウム粒子。 0.45・A・
B<H<1.1・A・B (1) (但し式中、Hはアスペクト比を示し、Aはレーザー回
折散乱法で測定された全粒子の平均2次子粒径(μm)
を示し、BはBET法で測定された全粒子の平均比表面
積(m2/g)を示す。) 前記形状の水酸化マグネシ
ウム粒子は、(1)塩化マグネシウムとアルカリ物質と
の反応、(2)酸化マグネシウムの水和反応または
(3)水酸化マグネシウムの水熱処理において特定の酸
またはその水可溶性塩を存在させることにより得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な六角盤状の
結晶形態をを有する水酸化マグネシウム粒子およびその
製造方法に関する。さらに詳しくは六角盤状の結晶形態
を有しかつ比表面積および平均粒径に関連して、アスペ
クト比が或る特定の値を有する水酸化マグネシウム粒子
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水酸化マグネシウム粒子は古くから知ら
れており、医薬用、工業用として広い分野で使用されて
いる。例えば、医薬用としては、制酸剤、瀉下剤および
動物用薬剤などがあり、工業用としては熱可塑性樹脂に
配合して該樹脂に難燃性を賦与する難燃剤、含油廃水用
吸着剤、排煙脱硫剤、排水中和剤および土質改良剤など
がある。
【0003】従来の水酸化マグネシウム粒子の製造方法
も多様で、例えばMg源として苦汁、海水またはドロマ
イトを使用しアルカリ源として石灰または苛性ソーダな
どを使用する方法;MgOの水和反応によるもの、およ
びMg塩とアンモニアを反応させて水酸化マグネシウム
結晶を晶析させる方法などがある。しかしながら、従来
の水酸化マグネシウムの場合、製造方法によって水酸化
マグネシウム粒子の形状が特定されるので、異なる形状
を有する水酸化マグネシウム粒子を得るためには、異な
る製造方法が必要とされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
従来にない特定の形状を有する新規な水酸化マグネシウ
ム粒子を得るため、鋭意研究を進めたところ、塩化マグ
ネシウム或いは酸化マグネシウムを原料として水酸化マ
グネシウム粒子を製造する工程において、或る特定の酸
もしくはその塩を添加することによって、六角盤状の結
晶形態を示し従来とは異なる比較的大きいアスペクト比
を有する水酸化マグネシウム粒子が得られることを見出
した。特に本発明によれば、比表面積および平均粒径に
関連して、アスペクト比が或る特定の値を有する水酸化
マグネシウム粒子が提供される。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれば
六角盤状の結晶形態を有しかつアスペクト比(H)が下
記式(1)を満足する水酸化マグネシウム粒子が提供さ
れる。 0.45・A・B<H<1.1・A・B (1) (但し式中、Hはアスペクト比を示し、Aはレーザー回
折散乱法で測定された全粒子の平均2次粒子径(μm)
を示し、BはBET法で測定された全粒子の平均比表面
積(m2/g)を示す。) 以下本発明における水酸化マグネシウム粒子およびその
製造方法についてさらに詳細に説明する。
【0006】本発明における水酸化マグネシウム粒子
は、六角盤状の単一結晶であって、アスペクト比(H)
が前記式(1)を満足する値を有する。このアスペクト
比(H)は、水酸化マグネシウム粒子の平均2次粒子径
(A)と平均比表面積(B)に関連して、つまりAとB
の積(A×B)に基づいて前記式(1)の範囲を有して
いる。好ましいアスペクト比(H)は0.50・A・B
<H<1.1・A・Bを満足する範囲である。特に好ま
しいアスペクト比(H)は0.55・A・B<H<1.0
・A・Bである。
【0007】水酸化マグネシウム粒子のアスペクト比
(H)が、0.45・A・Bよりも小さいと、アスペク
ト比が小さい粒子が相対的に多くなり、本発明の水酸化
マグネシウム粒子の特性が得られなくなる。また前記ア
スペクト比が可成り小さくなると従来公知のものと形状
が区別出来なくなる。一方アスペクト比(H)が1.1
・A・Bの値よりも大きい粒子は、安定して製造するこ
とが困難になり、また樹脂の添加剤として使用する場合
その均一な混合や分散が困難となるので望ましくない。
【0008】本発明の水酸化マグネシウム粒子は、粒度
分布が比較的に狭く、つまり粒径が揃っている点にも特
徴がある。この粒度分布の特徴は、下記式(2)を満足
する2次粒子径(F)を有する水酸化マグネシウム粒子
の体積割合が、全粒子の体積に対して60%以上、好ま
しくは65%以上であることによって表わされる。 0.3・A<F<1.7・A (2) (但し式中、Fは、マグネシウム粒子の2次粒子径(μ
m)を示し、Aは前記式(1)と同じ定義を有する。)
【0009】本発明における水酸化マグネシウム粒子
は、レーザー回折散乱法で測定された平均2次粒子径
(A)が0.15〜5μm、好ましくは0.5〜3.0μ
mであるのが望ましい。平均2次粒子径が大きくなるほ
どに、例えばゴム、セラミック、樹脂等の添加剤として
使用する場合、樹脂との接触面が減り熱安定性が良くな
るが、機械的強度の低下、外観不良という問題が出てく
る。また吸着剤、中和剤等として粉末、または造粒して
使用する場合の作業性等は、平均2次粒子径が大きくな
るほど良い。一方医薬用として使用する場合も、大きい
ほど粉塵は立たず作業性も良いが、大きすぎると経口投
与しづらく、また調剤しにくくなる。故に、水酸化マグ
ネシウムとしての平均2次粒子径(A)の範囲は、0.
15〜5μm、好ましくは0.5〜3.0μmが有利であ
る。
【0010】また、水酸化マグネシウム粒子のBET法
による比表面積(B)は1〜150m2/g好ましく
は、2〜130m2/g、特に好ましくは3.0〜90m
2/gであるのが望ましい。本発明の水酸化マグネシウ
ム粒子は、(i)アスペクト比(H)、(ii)平均2
次粒子径(A)および平均比表面積(B)がいずれも前
記範囲を満足するものが好ましい。
【0011】本発明の水酸化マグネシウム粒子は、表面
処理剤で処理して使用することができる。表面処理剤と
して好ましく用いられるものを例示すれば次のとおりで
ある。ステアリン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラウリ
ン酸、ベヘン酸等の炭素数10以上の高級脂肪酸類;前
記高級脂肪酸のアルカリ金属塩;ステアリルアルコー
ル、オレイルアルコール等の高級アルコールの硫酸エス
テル塩;ポリエチレングリコールエーテルの硫酸エステ
ル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エステル結合硫酸エ
ステル塩、エステル結合スルホネート、アミド結合スル
ホン酸塩、エーテル結合スルホン酸塩、エーテル結合ア
ルキルアリールスルホン酸塩、エステル結合アルキルア
リールスルホン酸塩、アミド結合アルキルアリールスル
ホン酸塩等のアニオン系界面活性剤類;オルトリン酸と
オレイルアルコール、ステアリルアルコール等のモノま
たはジエステルまたは両者の混合物であって、それらの
酸型またはアルカリ金属塩またはアミン塩等のリン酸エ
ステル類;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(βメトキシエトキシ)シラン、β−(3、4エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
メチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;イ
ソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロ
ピルトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネ
ート、イソプロピルトリ(N−アミノエチルーアミノエ
チル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンス
ルホニルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシ
ルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロ
フォスフェート)オキシアセテートチタネート、イソプ
ロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テ
トライソプロピルビス(ジオクチルフォスファイト)チ
タネート、テトラ(2、2−ジアリルオキシメチル−1
−ブチル)ビスー(ジトリデシル)ホスファイトチタネ
ート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)エチレ
ンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネー
ト、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネ
ート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チ
タネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネー
ト、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジ
イソステアロイルエチレンチタネート等のチタネート系
カップリング剤類;アセトアルコキシアルミニウムジイ
ソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤類、
トリフェニルホスファイト、ジフェニル・トリデシルホ
スファイト、フェニル・ジトリデシルホスファイト、フ
ェニル・イソデシルホスファイト、トリ・ノニルフェニ
ルホスファイト、4、4’−ブチリデン−ビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフェニル)−ジトリデシルホスフ
ァイト、トリラウリルチオホスファイト等、グリセリン
モノステアレート、グリセリンモノオレエート等の多価
アルコールと脂肪酸のエステル類。
【0012】前記した表面処理剤を使用して、水酸化マ
グネシウム粒子の表面コーティング処理をするには、そ
れ自体公知の湿式または乾式法により実施できる。例え
ば湿式法としては、水酸化マグネシウム粒子のスラリー
に該表面処理剤を液状またはエマルジョン状で加え、約
100℃までの温度で機械的に十分混合すればよい。乾
式法としては、水酸化マグネシウム粒子をヘンシェルミ
キサー等の混合機により、十分撹拌下で表面処理剤を液
状、エマルジョン状、固形状で加え、加熱または非加熱
下で十分混合すればよい。表面処理剤の添加量は、適宜
選択できるが、該水酸化マグネシウム粒子の重量に基づ
いて、約10重量%以下とするのが好ましい。表面処理
をした水酸化マグネシウム粒子は、必要により、例えば
水洗、脱水、造粒、乾燥、粉砕、分級等の手段を適宜選
択して実施し、最終製品形態とすることができる。
【0013】本発明者の研究によれば、前記したアスペ
クト比(H)によって特徴付けられる水酸化マグネシウ
ム粒子は、塩化マグネシウムまたは酸化マグネシウムを
原料としてそれ自体公知の方法で水酸化マグネシウム粒
子を製造する方法において、その反応工程または水熱処
理工程に、有機酸、硼酸、珪酸およびそれらの水可溶性
塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を特
定割合存在させることにより得ることが見出された。か
くして本発明によれば、前記水酸化マグネシウム粒子の
製造方法として下記(I)〜(IV)の方法が提供され
る。
【0014】製造方法(I):この製造方法(I)は、
塩化マグネシウムとアルカリ物質とを水性媒体中で反応
させて水酸化マグネシウム粒子を製造する方法において
前記反応は、有機酸、硼酸、珪酸およびそれらの水可溶
性塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物
(以下“添加化合物”と略称することがある。)を塩化
マグネシウムに対して0.01〜150モル%添加して
行なうことを特徴とする水酸化マグネシウム粒子の製造
方法である。
【0015】前記製造方法(I)は、塩化マグネシウム
とアルカリ物質との水性媒体中における反応によるそれ
自体公知の水酸化マグネシウム粒子の製造において、そ
の反応系に所定量の添加化合物を存在させる点に特徴が
ある。アルカリ物質としては、例えば、アンモニア、水
酸化アルカリ金属(代表的には水酸化カリおよび水酸化
ナトリウム)および水酸化カルシウムが好適なものとし
て挙げられる。これらアルカリ物質は、塩化マグネシウ
ム1当量当り、0.7〜1.2当量、好ましくは0.8〜
1.1当量の割合で使用される。
【0016】反応系に存在せしめる添加化合物は、有機
酸、硼酸、珪酸またはこれらの水可溶性塩であり、これ
らは2種以上を組合せて使用することもできる。有機酸
としては、クエン酸、酒石酸、酢酸および修酸を例示す
ることができる。これら有機酸および硼酸の水可溶性塩
としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アン
モニウム塩および有機アミン塩などが挙げられる。添加
化合物としては、硼酸、珪酸またはこれらの水可溶性塩
を使用するのが好ましい。
【0017】添加化合物は、塩化マグネシウムに対して
0.01〜150モル%、好ましくは0.02〜140モ
ル%の割合で使用される。この添加化合物の割合をこの
範囲で変化させることにより、得られる水酸化マグネシ
ウム粒子のアスペクト比(H)を任意にコントロールす
ることができる。所望の値のアスペクト比(H)の粒子
を得るためには、予め簡単な実験により主として添加化
合物の種類およびその割合を決定することができる。概
して、添加化合物の割合(濃度)が高い方が低い場合に
比べて、アスペクト比(H)の大きいものが得られる傾
向にある。添加化合物の添加割合の好適な範囲は、添加
化合物の種類より異なり、硼酸、珪酸またはそれらの塩
の場合は、塩化マグネシウムに対して、好ましくは0.
01〜20モル%、特に好ましくは0.02〜10モル
%が適当である。一方、添加化合物が、有機酸またはそ
の水可溶性塩の場合は、塩化マグネシウムに対して、好
ましくは0.1〜140モル%の範囲である。前記塩化
マグネシウムとアルカリ物質との水性媒体(好ましくは
水)中での反応は、通常0〜60℃、好ましくは10〜
50℃の範囲の温度で撹拌下に実施される。
【0018】前記反応により本発明の目的とする形状を
有する水酸化マグネシウム粒子を得ることができる。し
かし、得られた水酸化マグネシウム粒子をさらに水熱処
理をすることにより、均一性があり、粒度分布が狭い優
れた粒子とすることができる。水熱処理は、水性媒体中
100〜250℃、好ましくは120〜200℃の温度
で20分〜10時間、好ましくは30分〜8時間実施す
るのが適当である。
【0019】製造方法(II):この製造方法(II)
は、塩化マグネシウムとアルカリ物質とを水性媒体中で
反応させて、次いで得られた水酸化マグネシウム粒子ス
ラリーを水熱処理して水酸化マグネシウム粒子を製造す
る方法において、前記水熱処理は有機酸、硼酸、珪酸お
よびそれらの水可溶性塩よりなる群から選ばれた少なく
とも一種の化合物を水酸化マグネシウムに対して0.0
1〜150モル%添加して行なうことを特徴とする水酸
化マグネシウム粒子の製造方法である。
【0020】この製造方法(II)は、前記製造方法
(I)の反応工程においては添加化合物を存在させず
に、水熱処理工程に添加化合物を存在させる点において
実質的に相違する。従ってこの製造方法(II)におい
て塩化マグネシウムとアルカリ物質との反応は、アルカ
リ物質の種類と割合、反応条件など前記製造方法(I)
に説明した内容と変更はない。水熱処理における添加化
合物の種類も同様に前記したとおりであり添加化合物の
割合も、生成した水酸化マグネシウムを基準にすること
を除けば実質的に変更はない。
【0021】製造方法(III):この製造方法(II
I)は、酸化マグネシウムを水性媒体中で水和反応させ
て水酸化マグネシウム粒子を製造する方法において、前
記水和反応は有機酸、硼酸、珪酸およびそれらの水可溶
性塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を
酸化マグネシウムに対して0.01〜150モル%以上
添加して行なうことを特徴とする水酸化マグネシウム粒
子の製造方法である。前記製造方法(III)は、酸化
マグネシウムの水性媒体中における水和反応による、そ
れ自体公知の水酸化マグネシウム粒子の製造方法におい
て、その反応系に所定量の添加化合物を存在させる点に
特徴がある。この水和反応は通常0〜100℃、好まし
くは20〜80℃の温度で、20分〜5時間、好ましく
は30分〜4時間撹拌下に実施される。
【0022】反応系に加えられる添加化合物は、前記製
造方法(I)において説明したものと同じ化合物から選
択される。その添加化合物の使用割合は、酸化マグネシ
ウムに対して0.01〜150モル%、好ましくは0.0
2〜140モル%である。前記水和反応により、本発明
の目的とする形状を有する水酸化マグネシウム粒子が得
られる。また得られた水酸化マグネシウム粒子をさらに
水熱処理することにより、粒子がより均一になり、粒度
分布が狭い優れた粒子とすることができる。この水熱処
理は、水性媒体中、100〜250℃、好ましくは12
0〜200℃の温度で、20分〜10時間、好ましくは
30分〜8時間実施するのが望ましい。
【0023】製造方法(IV):この製造方法(IV)
は、酸化マグネシウムを水性媒体中で水和反応させて、
次いで得られた水酸化マグネシウム粒子のスラリーを水
熱処理して水酸化マグネシウム粒子を製造する方法にお
いて、前記水熱処理は有機酸、硼酸、珪酸およびそれら
の水可溶性塩よるなる群から選ばれた少なくとも一種の
化合物を、水酸化マグネシウムに対して0.01〜15
0モル%添加して行なうことを特徴とする水酸化マグネ
シウム粒子の製造方法である。
【0024】この製造方法(IV)は、前記製造方法
(III)の水和反応においては添加化合物を存在させ
ずに、水熱処理工程に添加化合物を存在させる点におい
て実質的に相違する。従ってこの製造方法(IV)にお
いて水和反応の条件は、前記製造方法(III)に説明
した内容と実質的に変わらない。水熱処理における添加
化合物の種類も同様に製造方法(I)で説明したものが
挙げられる。添加化合物の割合も、生成した水酸化マグ
ネシウムを基準にすることを除けば実質的に前記製造方
法(III)と特に変わらない。
【0025】前記した製造方法(I)〜(IV)のいず
れの方法によっても、本発明の目的とする水酸化マグネ
シウム粒子を得ることができる。前記方法のうち、製造
方法(I)および(III)が、他の方法に比べて好ま
しく、特にこれらの方法において反応後に水熱処理を施
すことにより、粒径並びにアスペクト比が均一で良好な
品質の粒子を得ることができる。得られた水酸化マグネ
シウム粒子は濾過、脱水後乾燥、粉砕などの手段によっ
て粉末とすることができる。
【0026】
【実施例】以下実施例を揚げて本発明を説明する。実施
例において、水酸化マグネシウム粒子の(1)平均2次
粒子径(2)BET法比表面積(3)アスペクト比およ
び(4)粒度分布幅は、以下に記載する測定方法によっ
て測定された値を意味する。
【0027】(1)水酸化マグネシウム粒子の平均2次
粒子径 MICROTRAC粒度分析計SPAタイプ[LEED
S &NORTHRUPINSTRUMENT
S社製]を用いて測定決定する。試料粉末700mgを
70mlの水に加えて、超音波(NISSEI社製、M
ODEL US−300、電流300μA)で3分間分
散処理した後、その分散液の2〜4mlを採って、25
0mlの脱気水を収容した上記粒度分析計の試料室に加
え、分析計を作動させて2分間その懸濁液を循環した
後、粒度分布を測定する。合計2回の測定を行い、それ
ぞれの測定について得られた50%累積2次粒子径の算
術平均値を算出して、試料の平均2次粒子径とする。
【0028】(2)水酸化マグネシウム粒子のBET法
による比表面積 液体窒素の吸着法により測定した。 (3)水酸化マグネシウム粒子のアスペクト比の測定 水酸化マグネシウム粒子は、図1に示すように単一結晶
で同一粒子径の正六角柱の構造であるとして、下記A〜
Eの実測値、計算値および文献値を基礎にしてXおよび
Yを求め、アスペクト比を算出した。 A (μm) ;平均2次粒子径 (実測値) B (m2/g) ;BET法比表面積 (実測値) C (m2) ;粒子1個当りの表面積 (計算値) D (cm3) ;粒子1個当りの体積 (計算値) E (g/cm3) ;水酸化マグネシウムの真比重 (文献値) H ;アスペクト比 (計算値)
【0029】 A=(4x2+y21/2 C=(3*31/22+6xy)*10-12 D=3/2*31/22y*10-12 E=2.38 B=C/(D*E) H=2x/y (ただし H>1.30)
【0030】上記式よりx、yを求めアスペクト比を算
出する。
【0031】(4)粒度分布幅 (1)項で測定された粒度分布より粒子径が平均2次粒
子径×0.3である累積体積分布度数を求めた。次いで
同様に求めた粒子径が平均2次粒子径×1.7である累
積体積分布度数から前数値を引いた値[すなわち、式
(2)を満足する粒子の体積割合]を粒度分布幅(%)
とした。
【0032】比較例1 オートクレーブに0.5mol/Lの濃度に調整された
塩化マグネシウム水溶液(和光純薬(株))400ml
を入れ撹拌条件下に、3Nの苛性ソーダ溶液121ml
を滴下しながら添加し、室温(25℃)にて30分間反
応させて水酸化マグネシウム粒子サスペンジョン液を得
た。このサスペンジョン液を、180℃、2時間の条件
下でまたは160℃、2時間の条件下で水熱処理し、脱
水後、水洗し(200ml)、105℃で24時間乾燥
して水酸化マグネシウム粒子を得た。得られた各サンプ
ルの平均2次粒子径、BET法比表面積、粒度分布幅お
よびアスペクト比を下記表1に示した。
【0033】実施例1 オートクレーブに0.5mol/Lの濃度に調整された
塩化マグネシウム水溶液(和光純薬(株))400ml
および塩化マグネシウムに対して0.2mol%の硼酸
(BORAX製)を入れ撹拌条件下に、3Nの苛性ソー
ダ溶液121mlを滴下しながら添加し、室温(25
℃)にて30分間反応させて水酸化マグネシウム粒子サ
スペンジョン液を得た。このサスペンジョン液を、下記
条件下で水熱処理し、脱水後、水洗し(200ml)、
105℃で24時間乾燥して水酸化マグネシウム粒子を
得た。それぞれの水熱処理条件で得られた水酸化マグネ
シウム粒子のサンプルをサンプルA−1、A−2と呼
ぶ。 水熱処理条件 サンプル名 (1)180℃、2時間 A−1 (2)160℃、2時間 A−2 得られた各サンプルの平均2次粒子径、BET法比表面
積、粒度分布幅およびアスペクト比を下記表1に示し
た。
【0034】実施例2 オートクレーブに0.5mol/Lの濃度に調整された
塩化マグネシウム水溶液(和光純薬(株))400ml
および塩化マグネシウムに対して1.7mol%の硼酸
(BORAX製)を入れ撹拌条件下に、3Nの苛性ソー
ダ溶液121mlを滴下しながら添加し、室温(25
℃)にて30分間反応させて水酸化マグネシウム粒子サ
スペンジョン液を得た。このサスペンジョン液を、下記
条件下で水熱処理し、脱水後、水洗し(200ml)、
105℃で24時間乾燥して水酸化マグネシウム粒子を
得た。それぞれの水熱処理条件で得られた水酸化マグネ
シウム粒子のサンプルをサンプルB−1、B−2と呼
ぶ。 水熱処理条件 サンプル名 (1)180℃、2時間 B−1 (2)160℃、2時間 B−2 得られた各サンプルの平均2次粒子径、BET法比表面
積、粒度分布幅およびアスペクト比を下記表1に示し
た。
【0035】
【表1】
【0036】比較例2 オートクレーブに0.5mol/Lの濃度に調整された
塩化マグネシウム水溶液(イオン苦汁)400mlを入
れ撹拌条件下に、水酸化カルシウムのスラリー(3mo
l/L)60mlを滴下しながら添加し、室温(25
℃)にて30分間反応させて水酸化マグネシウム粒子サ
スペンジョン液を得た。このサスペンジョン液を、16
0℃、2時間の条件下で水熱処理し、脱水後、水洗し
(200ml)、105℃で24時間乾燥して水酸化マ
グネシウム粒子を得た。得られた各サンプルの平均2次
粒子径、BET法比表面積、粒度分布幅およびアスペク
ト比を下記表2に示した。
【0037】実施例3 比較例2において、塩化マグネシウム水溶液(イオン苦
汁)に硼酸(BORAX製)を塩化マグネシウムに対し
て0.2mol%添加する以外、比較例2と同様に水熱
処理して水酸化マグネシウム粒子を得た。得られた各サ
ンプルの平均2次粒子径、BET法比表面積、粒度分布
幅およびアスペクト比を下記表2に示した。
【0038】実施例4 比較例2において、塩化マグネシウム水溶液(イオン苦
汁)に硼酸(BORAX製)を塩化マグネシウムに対し
て0.4mol%添加する以外、比較例2と同様に水熱
処理して水酸化マグネシウム粒子を得た。得られた各サ
ンプルの平均2次粒子径、BET法比表面積、粒度分布
幅およびアスペクト比を下記表2に示した。
【0039】
【表2】
【0040】比較例3 オートクレーブに0.5mol/Lの濃度に調整された
塩化マグネシウム水溶液(和光純薬(株))400ml
を入れ撹拌条件下に、水酸化カルシウムのスラリー(3
mol/L)60mlを滴下しながら添加し、室温(2
5℃)にて30分間反応させて水酸化マグネシウム粒子
サスペンジョン液を得た。このサスペンジョン液を、1
60℃、2時間の条件下で水熱処理し、脱水後、水洗し
(200ml)、105℃で24時間乾燥して水酸化マ
グネシウム粒子を得た。得られた粒子の平均2次粒子
径、BET法比表面積、粒度分布幅およびアスペクト比
を下記表3に示した。
【0041】実施例5 オートクレーブに0.5mol/Lの濃度に調整された
塩化マグネシウム水溶液(和光純薬(株))400ml
を入れ撹拌条件下に、水酸化カルシウムのスラリー(3
mol/L)60mlを滴下しながら添加し、室温(2
5℃)にて30分間反応させて水酸化マグネシウム粒子
サスペンジョン液を得た。このサスペンジョン液に酢酸
カルシウム(和光純薬(株))12.6g(水酸化マグ
ネシウムに対し44mol%)を添加する。さらに下記
条件下で水熱処理し、脱水後、水洗し(200ml)、
105℃で24時間乾燥して水酸化マグネシウム粒子を
得た。それぞれの水熱処理条件で得られた水酸化マグネ
シウム粒子のサンプルをサンプルC−1、C−2と呼
ぶ。 水熱処理条件 サンプル名 (1)160℃、2時間 C−1 (2)120℃、2時間 C−2 得られた各サンプルの平均2次粒子径、BET法比表面
積、粒度分布幅およびアスペクト比を下記表3に示し
た。
【0042】実施例6 オートクレーブに0.5mol/Lの濃度に調整された
塩化マグネシウム水溶液(和光純薬(株))400ml
を入れ撹拌条件下に、水酸化カルシウムのスラリー(3
mol/L)60mlを滴下しながら添加し、室温(2
5℃)にて30分間反応させて水酸化マグネシウム粒子
サスペンジョン液を得た。このサスペンジョン液に酢酸
カルシウム(和光純薬(株))37.9g(水酸化マグ
ネシウムに対し133mol%)を添加する。さらに下
記条件下で水熱処理し、脱水後、水洗し(200m
l)、105℃で24時間乾燥して水酸化マグネシウム
粒子を得た。それぞれの水熱処理条件で得られた水酸化
マグネシウム粒子のサンプルをサンプルD−1、D−2
と呼ぶ。 水熱処理条件 サンプル名 (1)160℃、2時間 D−1 (2)120℃、2時間 D−2 得られた各サンプルの平均2次粒子径、BET法比表面
積、粒度分布幅およびアスペクト比を下記表3に示し
た。
【0043】
【表3】
【0044】比較例4 水酸化マグネシウム(協和化学工業:キスマ5)を10
50℃の温度で90分間焼成して得られた酸化マグネシ
ウム8gを1.0mol/Lの濃度の塩化カルシウム水
溶液(和光純薬(株)、25℃)500mlを含むオー
トクレーブ中に入れ、170℃、4時間、水和反応およ
び水熱処理を行い脱水後、水洗し(200ml)、10
5℃で24時間乾燥して水酸化マグネシウム粒子を得
た。得られた各サンプルの平均2次粒子径、BET法比
表面積、粒度分布幅およびアスペクト比を下記表4に示
した。
【0045】実施例7 比較例4において、塩化カルシウム水溶液(和光純薬
(株)、25℃)に硼酸(BORAX製)を水酸化マグ
ネシウムに対して0.5mol%添加する以外、比較例
4と同様に水和反応および水熱処理して水酸化マグネシ
ウム粒子を得た。得られた各サンプルの平均2次粒子
径、BET法比表面積、粒度分布幅およびアスペクト比
を下記表4に示した。
【0046】実施例8 比較例4において、塩化カルシウム水溶液(和光純薬
(株)、25℃)に硼酸(BORAX製)を水酸化マグ
ネシウムに対して1.0mol%添加する以外、比較例
4と同様に水和反応および水熱処理して水酸化マグネシ
ウム粒子を得た。得られた各サンプルの平均2次粒子
径、BET法比表面積、粒度分布幅およびアスペクト比
を下記表4に示した。
【0047】
【表4】
【0048】比較例5 ビーカーに4.0mol/Lの濃度に調整された塩化マ
グネシウム水溶液(ブライン;NEDMAG社製)75
mlを入れ撹拌条件下に0.127mol/Lに調整さ
れた塩化カルシウム溶液(NEDMAG社製)225m
lを滴下、室温にて1時間撹拌する。得られた溶液を脱
水濾過し濾液を採取する。オートクレーブにこの濾液を
全量入れ撹拌条件下に、水酸化ナトリウム水溶液(3
N)180mlを滴下しながら添加し、室温(25℃)
にて20分間反応させて水酸化マグネシウム粒子サスペ
ンジョン液を得た。このサスペンジョン液を、170
℃、2時間の条件下で水熱処理し、脱水後、水洗し(3
00ml)、105℃で24時間乾燥して水酸化マグネ
シウム粒子を得た。得られたサンプルの2次粒子径、B
ET法比表面積、粒度分布幅およびアスペクト比を下記
表5に示した。
【0049】実施例9 比較例5において、濾液に硼酸(BORAX製)を塩化
マグネシウムに対して0.3mol%添加する以外、比
較例5と同様に水熱処理して水酸化マグネシウム粒子を
得た。得られたサンプルの2次粒子径、BET法比表面
積、粒度分布幅およびアスペクト比を下記表5に示し
た。
【0050】実施例10 比較例5において、濾液に硼酸(BORAX製)を塩化
マグネシウムに対して0.4mol%添加する以外、比
較例5と同様に水熱処理して水酸化マグネシウム粒子を
得た。得られたサンプルの2次粒子径、BET法比表面
積、粒度分布幅およびアスペクト比を下記表5に示し
た。
【0051】
【表5】
【0052】比較例6 オートクレーブに0.5mol/Lの濃度に調整された
塩化マグネシウム水溶液(イオン苦汁)400mlを入
れ撹拌条件下に、水酸化カルシウムのスラリー(3mo
l/L)60mlを滴下しながら添加し、室温(25
℃)にて30分間反応させて水酸化マグネシウム粒子サ
スペンジョン液を得た。このサスペンジョン液を、17
0℃、2時間の条件下で水熱処理し、脱水後、水洗し
(200ml)、105℃で24時間乾燥して水酸化マ
グネシウム粒子を得た。得られたサンプルの2次粒子
径、BET法比表面積、粒度分布幅およびアスペクト比
を下記表6に示した。
【0053】実施例11 比較例6において、得られたサスペンジョン液にSiO
2=1.084g/lに調整された水ガラス(和光純薬
(株))を水酸化マグネシウムに対して0.02mol
%添加する以外、比較例6と同様に水熱処理して水酸化
マグネシウム粒子を得た。得られたサンプルの2次粒子
径、BET法比表面積、粒度分布幅およびアスペクト比
を下記表6に示した。
【0054】実施例12 比較例6において、得られたサスペンジョン液にSiO
2=1.084g/lに調整された水ガラス(和光純薬
(株))を水酸化マグネシウムに対して0.05mol
%添加する以外、比較例6と同様に水熱処理して水酸化
マグネシウム粒子を得た。得られたサンプルの2次粒子
径、BET法比表面積、粒度分布幅およびアスペクト比
を下記表6に示した。
【0055】
【表6】
【0056】比較例7 オートクレーブに0.5mol/Lの濃度に調整された
塩化マグネシウム水溶液(イオン苦汁)400mlを入
れ撹拌条件下に、水酸化カルシウムのスラリー(3mo
l/L)60mlを滴下しながら添加し、室温(25
℃)にて30分間反応させて水酸化マグネシウム粒子サ
スペンジョン液を得た。このサスペンジョン液を、17
0℃、2時間の条件下で水熱処理し、脱水後、水洗し
(200ml)、105℃で24時間乾燥して水酸化マ
グネシウム粒子を得た。得られたサンプルの2次粒子
径、BET法比表面積、粒度分布幅およびアスペクト比
を下記表7に示した。
【0057】実施例13 比較例7において、得られたサスペンジョン液に蓚酸ナ
トリウム(和光純薬(株))1.206g(水酸化マグ
ネシウムに対し5mol%)添加する以外、比較例7と
同様に水熱処理して水酸化マグネシウム粒子を得た。得
られたサンプルの2次粒子径、BET法比表面積、粒度
分布幅およびアスペクト比を下記表7に示した。
【0058】実施例14 比較例7において、得られたサスペンジョン液に蓚酸ナ
トリウム(和光純薬(株))3.618g(水酸化マグ
ネシウムに対し15mol%)添加する以外、比較例7
と同様に水熱処理して水酸化マグネシウム粒子を得た。
得られたサンプルの2次粒子径、BET法比表面積、粒
度分布幅およびアスペクト比を下記表7に示した。
【0059】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、水酸化マグネシウムの単一結晶粒子の
正六角柱を模式的に示した斜視図およびその側面図を示
す。
【符号の説明】
X: 正六角形の一辺の長さ(μm) Y: 柱の厚さ(μm) A: 粒子径(μm)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 六角盤状の結晶形態を有しかつアスペク
    ト比(H)が下記式(1)を満足する水酸化マグネシウ
    ム粒子。 0.45・A・B<H<1.1・A・B (1) (但し式中、Hはアスペクト比を示し、Aはレーザー回
    折散乱法で測定された全粒子の平均2次粒子径(μm)
    を示し、BはBET法で測定された全粒子の平均比表面
    積(m2/g)を示す。)
  2. 【請求項2】 下記式(2)を満足する2次粒子径
    (F)を有する水酸化マグネシウム粒子の体積割合が、
    全粒子の体積に対して60%以上である請求項1記載の
    水酸化マグネシウム粒子。 0.3A<F<1.7・A (2) (但し式中、Fはマグネシウム粒子の2次粒子径(μ
    m)を示し、Aは前記式(1)と同じ定義を有する。)
  3. 【請求項3】 レーザー回析散乱法で測定された平均2
    次粒子径(A)が0.15〜5.0μmである請求項1記
    載の水酸化マグネシウム粒子。
  4. 【請求項4】 レーザー回析散乱法で測定された平均2
    次粒子径(A)が0.50〜3.0μmである請求項1記
    載の水酸化マグネシウム粒子。
  5. 【請求項5】 BET法で測定された平均比表面積
    (B)が1〜150m2/gである請求項1記載の水酸
    化マグネシウム粒子。
  6. 【請求項6】 BET法で測定された平均比表面積
    (B)が2〜130m2/gである請求項1記載の水酸
    化マグネシウム粒子。
  7. 【請求項7】 水酸化マグネシウム粒子が高級脂肪酸
    類、アニオン系界面活性剤、リン酸エステル類、カップ
    リング剤及び多価アルコールと脂肪酸のエステル類より
    なる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤によ
    り、表面処理されている請求項1記載の水酸化マグネシ
    ウム粒子。
  8. 【請求項8】 塩化マグネシウムとアルカリ物質とを水
    性媒体中で反応させて水酸化マグネシウム粒子を製造す
    る方法において、前記反応は、有機酸、硼酸、珪酸およ
    びそれらの水可溶性塩よりなる群から選ばれた少なくと
    も一種の化合物を塩化マグネシウムに対して0.01〜
    150モル%添加して行なうことを特徴とする水酸化マ
    グネシウム粒子の製造方法。
  9. 【請求項9】 反応により得られた水酸化マグネシウム
    粒子をさらに水熱処理する請求項8記載の水酸化マグネ
    シウム粒子の製造方法。
  10. 【請求項10】 塩化マグネシウムとアルカリ物質とを
    水性媒体中で反応させて、次いで得られた水酸化マグネ
    シウム粒子スラリーを水熱処理して水酸化マグネシウム
    粒子を製造する方法において、前記水熱処理は有機酸、
    硼酸、珪酸およびそれらの水可溶性塩よりなる群から選
    ばれた少なくとも一種の化合物を水酸化マグネシウムに
    対して0.01〜150モル%添加して行なうことを特
    徴とする水酸化マグネシウム粒子の製造方法。
  11. 【請求項11】 酸化マグネシウムを水性媒体中で水和
    反応させて水酸化マグネシウム粒子を製造する方法にお
    いて、前記水和反応は、有機酸、硼酸、珪酸およびそれ
    らの水可溶性塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種
    の化合物を酸化マグネシウムに対して0.01〜150
    モル%添加して行なうことを特徴とする水酸化マグネシ
    ウム粒子の製造方法。
  12. 【請求項12】 反応により得られた水酸化マグネシウ
    ム粒子をさらに水熱処理する請求項11記載の水酸化マ
    グネシウム粒子の製造方法。
  13. 【請求項13】 酸化マグネシウムを水性媒体中で水和
    反応させて、次いで得られた水酸化マグネシウム粒子の
    スラリーを水熱処理して水酸化マグネシウム粒子を製造
    する方法において、前記水熱処理は有機酸、硼酸、珪酸
    およびそれらの水可溶性塩よりなる群から選ばれた少な
    くとも一種の化合物を、水酸化マグネシウムに対して
    0.05〜150モル%添加して行なうことを特徴とす
    る水酸化マグネシウム粒子の製造方法。
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