JP2000230334A - 西面通りを玄関土間とした住宅 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 北入りの玄関を明るい雰囲気で使用できるよ
うにした上で、南面まで続く広い玄関土間が場所毎には
っきりとした機能性を有し、玄関の雰囲気を損なわずに
多目的に使用できる技術の提供。 【解決手段】 北入り玄関５の土間７が建物２の南面ま
で延設され該南面の壁９に庭への出入り口７ｃを有して
建物の西面に配置され、玄関ホール前の土間７ａと延設
部分の土間７ｂとの間であって通りに沿って所定長さ土
間幅を狭める棚１０ａ，１０ｂを有しくびれ部１０を設
けている。土間７ｂに面して和室１１が配置されてもよ
く、和室は土間との間に配置された間仕切り壁１２と南
面側の外壁９とに開口部１３，１４を有してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は西面通りを玄関土間
とした住宅に関し、特に、広い玄関土間の場所毎にはっ
きりとした機能性を持たせた住宅に関する。

【０００２】

【従来の技術】北入りの玄関は、とかく暗く寒く湿りが
ちの空間となり易く、ほとんど住居内への出入りのみに
使用されている。また、一般的に、住宅は採光を確保す
るため南側を大きく開口し、西側は西日を防ぐため小開
口のみとする場合が多く、このため西側にはトイレや洗
面所など小開口ですむものを配置し、居室を西側配置す
る場合は西側を窓無しとするか、小開口のみを設けた構
造のものが多い。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】北入りの玄関に対し土
間を南面まで延長してその南面を開口したものがある
が、この場合玄関は明るくでき、また南側配置の庭に対
して動線が良いものとなっている。しかしながら、この
従来の土間は、北側玄関ホールの位置から南側まで同じ
調子で単に連続させただけのものであるから奥まですっ
かりと見え、格別飾りとならないような物を奥の方にで
も置いておくと、来客者には玄関が所帯じみて見える場
合があり、このようなことを気にして何もしないとただ
の通路にだけ利用され有効利用されないという問題があ
る。本発明はかかる従来の問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的とするところは、北入りの
玄関を明るい雰囲気で使用できるようにした上で、南面
まで続く広い玄関土間が場所毎にはっきりとした機能性
を有し、玄関の雰囲気を損なわずに多目的に使用できる
ようにした西面通りを玄関土間とした住宅を提供するこ
とにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の手段として、本発明請求項１記載の西面通りを玄関土
間とした住宅では、北寄りに玄関ホールを有し北入り玄
関の土間が建物の南面まで延設され該南面の壁に庭への
出入り口を有する住宅において、前記土間が建物の西面
に配置されると共に、前記玄関ホール前の土間と延設部
分の土間との間であって通りに沿って所定長さ土間幅を
狭める突出構造部を有することを特徴とする。このよう
に玄関土間を建物の西面に配置させることによって、土
間に面するように居室を配置して土間側を開口させても
西日は入りにくく、かつ土間南面側の開口から十分な採
光を得ることができる。また、土間の途中に土間幅を狭
めるように突出構造部を設けることにより、広々とした
土間であっても玄関ホール位置の土間と延設部分の土間
とに視覚的なけじめが生じ、玄関の雰囲気を壊さないよ
うにして明るい生活空間として使用することができる。

【０００５】請求項２記載の西面通りを玄関土間とした
住宅では、請求項１記載の西面通りを玄関土間とした住
宅において、前記突出構造部がドア付きの物入れである
ことを特徴とする。このように、土間を狭めている突出
構造部を物入れとしたことで、視覚的な作用をさせた
上、実用的に使用することができる。

【０００６】請求項３載の西面通りを玄関土間とした住
宅では、請求項１または請求項２記載の西面通りを玄関
土間とした住宅において、前記建物の南面側であって前
記土間に面して和室が配置され、該和室は前記土間との
間に配置された間仕切り壁と南面側の外壁とに開口部を
有することを特徴とする。このように、和室は少なくと
も二面が広々と開口するから、書院、客間、居間などと
して多様に使用することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図１は本発明の一実施の形
態にかかる西面通りを玄関土間とした住宅を示す一階平
面図、図２は同上の西面通りを玄関土間とした住宅を示
す二階平面図である。

【０００８】図に示すように、本実施の形態の西面通り
を玄関土間とした住宅は、略東西に通る道路の南側に配
置された敷地１内で北寄りに配置された二階建ての建物
２と、敷地１の南側に配置された庭３と、敷地１の西側
に配置された駐車場４とを主要な構成とし、まず、一階
から説明すると、前記建物２の北側であって西の角に玄
関５、ポーチ６が配置されている。

【０００９】前記玄関５の土間７は、ホール５ａに面す
る位置から建物２の西側外壁８に沿って南側外壁９まで
延設され、その南側外壁９には庭３に出入り可能な開口
部７ｃが開設されている。前記土間７内には、ホール５
ａ側の土間７ａと南側外壁９側の土間７ｂとの間が少し
くびれている、あるいは少し通路が狭まっているという
ような感覚を与えるように、土間７内に両側から棚１０
ａ，１０ｂを突出させてくびれ部１０を設けている。そ
の突出量は圧迫感を与えない程度である。従って、くび
れ部１０を配置させることにより、土間７に玄関土間部
分と奥側の土間部分にけじめがつき、このため、玄関が
北側配置にかかわらず南側に通じて明るい雰囲気とまだ
奥側に連続していると見られる土間によって受ける広々
感とを受けて明るく積極的に利用することができる。棚
１０ａ，１０ｂは玄関、広い土間７、庭３のいずれにも
関わった位置にあるから、様々な物品を収納し効果的に
使用することができる。

【００１０】また、本実施の形態の住宅では、前記建物
２の南面側であって前記土間７ｂに面して和室１１が配
置され、この和室１１は前記土間７ｂとの間に配置され
た間仕切り壁１２と南面側の外壁９とには、いずれも出
入り可能な開口部１３、１４が開設されている。図中１
５は前記開口部１３の土間側に、その開口部いっぱいに
設けられた板縁である。従って、前記玄関の土間７ａに
連通する土間７ｂは、土足のまま庭から玄関あるいは玄
関や和室から庭へと往来し、和室と土間、庭を広く一体
となった生活空間として、また玄関に気兼ねなく利用す
ることができる。

【００１１】また和室１１は土間側の開口部１３を大き
く開口していても前記くびれ部１０の配置により、不意
の来客に対して目隠しの用をなすことができる。尚、本
実施の形態の西側外壁８には、前記和室１１の土間側開
口部１３に対向する位置に小開口８ａが開設されてお
り、長い土間に解放感を与えている。図中１６は和室１
１に隣接して配置されたリビング・ダイニング、１７は
キッチン、１８は階段、１９は洗面室、１９ａはトイ
レ、２０は浴室である。また、２５は二階に配置された
主寝室、２６は主寝室のウォークキングスルークローゼ
ット、２７、２８は子供部屋、２９は階段室ホール、３
０は洗面室、３０ａはトイレである。

【００１２】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更
等があっても本発明に含まれる。例えば、本実施の形態
においては、二階建て建物について説明したが、階数に
ついては任意であり、一階建ての構成、三階建て以上の
構成のものについても適用可能である。また、本実施の
形態においては、土間７のくびれ部１０は棚１０ａ，１
０ｂを突出させて設けるとしたが、収納庫や押し入れな
どの背面が突出して形成される出張りであっても良い。
和室１１に代え、ダイニングやキッチン、リビングルー
ムなどが配置されても良い。

【００１３】

【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項１
記載の西面通りを玄関土間とした住宅においては、北寄
りに玄関ホールを有し北入り玄関の土間が建物の南面ま
で延設され該南面の壁に庭への出入り口を有する住宅に
おいて、前記土間が建物の西面に配置されると共に、前
記玄関ホール前の土間と延設部分の土間との間であって
通りに沿って所定長さ土間幅を狭める突出構造部を有す
る構成としたため、土間の途中がくびれた状態となって
長い土間に玄関土間部分と奥側の土間部分に視覚的なけ
じめがつくようになり、訪問客がある場合の正式な接客
のための玄関としての役割を維持し、またその場合の印
象としてまだ奥側に広々と連続していると見れる土間空
間が解放感や信頼感を与えると共に北側配置の玄関にか
かわらず明るい雰囲気を与えるなどの効果が得られる。
また、南面側の土間は、玄関土間の連続体として、土足
のまま庭から玄関あるいは玄関から庭へと往来し、様々
な生活空間、例えば菜園、ホビー、運動などの準備や実
施の場として土間や庭を広く一体として使用できるなど
の効果が得られる。

【００１４】また、請求項２記載の西面通りを玄関土間
とした住宅においては、請求項１記載の西面通りを玄関
土間とした住宅において、前記突出構造部がドア付きの
物入れである構成としたため、棚が玄関、広い土間、居
室、庭のいずれにも関わった位置に配置された状態とな
り、各所で使用する様々な物品を集約的に収納し、どの
場所からでも簡単に取り出して使用することができると
いう効果が得られる。

【００１５】また、請求項３記載の西面通りを玄関土間
とした住宅では、請求項１または請求項２記載の西面通
りを玄関土間とした住宅において、前記建物の南面側で
あって前記土間に面して和室が配置され、該和室は前記
土間との間に配置された間仕切り壁と南面側の外壁とに
開口部を有する構成としたため、和室は西日が差す側も
西日が入らないようにして大きく開口できるようにした
開口部も加えて広々と開口できる開口面が少なくとも二
面得られるから、書院、客間、居間などとして多様に使
用することができる。また、前記玄関側の土間に連通す
る南面側の土間は、土足のまま庭から玄関あるいは玄関
や和室から庭へと往来し、和室と土間、庭を広く一体と
なった生活空間として利用でき、また、土間側の開口部
を大きく開口していても前記くびれ部の配置により、不
意の来客に対して目隠しの用をなし玄関に気兼ねなく利
用することができるなどの効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態にかかる西面通りを玄関
土間とした住宅を示す一階平面図である。

【図２】一実施の形態の西面通りを玄関土間とした住宅
を示す二階平面図である。

【符号の説明】

１ 敷地 ２ 建物 ５ 玄関 ５ａ 玄関ホール ７ 土間 ７ａ 玄関側の土間 ７ｂ 南面側の土間 ８ 西側外壁（西面） ９ 南側外壁（南面） １０ 棚による土間のくびれ部 １０ａ 棚 １０ｂ 棚 １１ 和室 １４ 南側外壁の開口部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 英雄 大阪市北区大淀中１丁目１番88号 積水ハ ウス株式会社内 Ｆターム(参考） 2E025 AA01 AA26

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 北寄りに玄関ホールを有し北入り玄関の
   土間が建物の南面まで延設され該南面の壁に庭への出入
   り口を有する住宅において、 前記土間が建物の西面に配置されると共に、前記玄関ホ
   ール前の土間と延設部分の土間との間であって通りに沿
   って所定長さ土間幅を狭める突出構造部を有することを
   特徴とする西面通りを玄関土間とした住宅。
2. 【請求項２】 前記突出構造部がドア付きの物入れであ
   ることを特徴とする請求項１記載の西面通りを玄関土間
   とした住宅。
3. 【請求項３】 前記建物の南面側であって前記土間に面
   して和室が配置され、該和室は前記土間との間に配置さ
   れた間仕切り壁と南面側の外壁とに開口部を有すること
   を特徴とする請求項１または請求項２記載の西面通りを
   玄関土間とした住宅。