JP2000229514A - 暖房用熱交換器 - Google Patents

暖房用熱交換器

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JP2000229514A
JP2000229514A JP11031777A JP3177799A JP2000229514A JP 2000229514 A JP2000229514 A JP 2000229514A JP 11031777 A JP11031777 A JP 11031777A JP 3177799 A JP3177799 A JP 3177799A JP 2000229514 A JP2000229514 A JP 2000229514A
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heat
tube
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flow direction
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Reijirou Okano
令二郎 岡野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気発熱体から低温の熱源流体に伝熱される
熱量を低減する。 【解決手段】 熱源流体の通路16aの空気流れ方向長
さが短い短縮チューブ16と、空間形成部材16c、1
6dとを直列に配置し、それらを各々3本以上隣接して
並列配置し、隣接する空間形成部材16c、16dの
内、中央寄りの空間形成部材の空間16bに電気発熱体
9を配置することにより、電気発熱体9を配置していな
い空間16bを空気断熱層として機能させる。また、コ
ルゲートフィン7のルーバ7aの開口部を空気断熱層と
して機能させ、電気発熱体9から短縮チューブ16内の
熱源流体に伝熱される熱量を抑制する。これらの空気断
熱層により、電気発熱体9の熱が低温の熱源流体に伝熱
されるのを抑制して、電気発熱体9による暖房即効性を
効果的に発揮させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気発熱体を一体化
した暖房用熱交換器に関するもので、車両エンジン(内
燃機関)にて加熱された温水(エンジン冷却水)を熱源
として空気を加熱する車両暖房用熱交換器に用いて好適
である。
【0002】
【従来の技術】近年、車両エンジンの高効率化に伴い、
エンジン暖機後においても車両エンジンの冷却水(温
水)温度が従前に比して低めの温度となる傾向にある。
そのため、エンジン冷却水からの廃熱を利用して車室内
の暖房を行う温水式空調装置においては、暖房能力不足
が課題になっている。
【0003】そこで、特開平5−69732号公報等で
は、温水式の暖房用熱交換器に電気発熱体を一体化し、
温水温度が低いときには電気発熱体に通電して、電気発
熱体の発熱により暖房空気を加熱することにより、暖房
能力の不足を解消するものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術では、車両エンジンの始動直後のように温水の低温時
には、暖房即効性の向上のために、電気発熱体の最大能
力を必要とするのであるが、暖房用熱交換器に電気発熱
体が一体化されているので、電気発熱体の発生熱の一部
が暖房用熱交換器内を流通する低温の温水に奪われてし
まい、電気発熱体の発生熱により暖房空気を効率良く加
熱することができない。
【0005】その結果、暖房空気の車室内への吹出空気
温度が十分上昇せず、電気発熱体による暖房即効性を効
果的に発揮できないという不具合がある。本発明は上記
点に鑑みてなされたもので、温水等の熱源流体の低温時
に、電気発熱体から熱源流体に伝熱される熱量を低減す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1〜4記載の発明では、流体通路の空気流れ
方向長さがコルゲートフィン(7)の空気流れ方向長さ
と略等しい第1チューブ(6)と、前記流体通路の空気
流れ方向長さが第1チューブ(6)の流体通路の空気流
れ方向長さよりも短い第2チューブ(16、26)とを
有し、内部に空間(16b、30a)を形成した空間形
成部材(16c、16d、30)を、第2チューブ(1
6、26)に対して空気流れ方向に直列に配置し、この
空間形成部材(16c、16d、30)および第2チュ
ーブ(16、26)を各々3本以上隣接して並列配置
し、隣接して並列配置した空間形成部材(16c、16
d、30)のうち、中央寄りの空間形成部材(16c、
16d、30)の空間(16b、30a)に電気発熱体
(9)を配置し、コルゲートフィン(7)のうち、隣接
する空間形成部材(16c、16d、30)および第2
チューブ(16、26)間に位置するコルゲートフィン
(7)に、電気発熱体(9)から第2チューブ(16、
26)内の熱源流体に伝熱される熱量を抑制する伝熱抑
制部(7b、7c)を形成したことを特徴としている。
【0007】これによると、空間形成部材(16c、1
6d、30)の空間(16b、30a)のうち、電気発
熱体(9)を配置していない空間(16b、30a)が
空気断熱層として機能し、この空気断熱層と伝熱抑制部
(7a、7c)とにより、電気発熱体(9)の熱が低温
の熱源流体に伝熱されるのを効果的に抑制できる。従っ
て、電気発熱体(9)の熱で効率よく暖房空気を加熱で
き、電気発熱体による暖房即効性を効果的に発揮でき
る。
【0008】本発明は、請求項2に記載のように、空気
流れ方向と直交する方向に形成されたルーバの開口部
(7b)を伝熱抑制部として利用することにより、コル
ゲートフィン(7)は従来のものをそのまま使用するこ
とができる。また、請求項3に記載のように、伝熱抑制
部として、空気流れ方向と直交する方向に形成されたス
リット(7c)を新規に設けてもよい。
【0009】請求項4に記載の発明では、第2チューブ
(16、26)と空間形成部材(16c、16d、3
0)との間に、電気発熱体(9)から第2チューブ(1
6、26)内の熱源流体に伝熱される熱量を抑制する第
2伝熱抑制部(16f、31)を形成したことを特徴と
している。これによると、第2チューブ(16、26)
と空間形成部材(16c、16d、30)との間の伝熱
も抑制でき、電気発熱体による暖房即効性をさらに効果
的に発揮できる。
【0010】請求項5に記載の発明では、流体通路の空
気流れ方向長さがコルゲートフィン(7)の空気流れ方
向長さと略等しい第1チューブ(6)と、前記流体通路
の空気流れ方向長さが第1チューブ(6)の流体通路の
空気流れ方向長さよりも短い第2チューブ(16、2
6)とを有し、電気発熱体(9)を、第2チューブ(1
6、26)に対して空気流れ方向に直列に、かつ空気流
れ下流側に配置したことを特徴としている。
【0011】これによると、仮に電気発熱体(9)をチ
ューブ(16、26)の上流側に配置した場合、電気発
熱体(9)にて加熱された暖房空気がチューブ(16、
26)間を通過する際に暖房空気の熱がチューブ(1
6、26)内の低温の熱源流体に伝熱されるのに対し、
本発明によれば電気発熱体(9)にて加熱された暖房空
気は、上流側に配置されたチューブ(16、26)側に
は流れないので、暖房空気の熱がチューブ(16、2
6)内の低温の熱源流体に伝熱されるのを効果的に抑制
でき、電気発熱体による暖房即効性を効果的に発揮でき
る。
【0012】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。 (第1実施形態)図1〜図4は本発明を適用した車両暖
房用熱交換器の第1実施形態を示すもので、図1におい
て、暖房用熱交換器Hは、温水入口側タンク1と、温水
出口側タンク2と、この両タンク1、2の間に設けられ
た熱交換用コア部3とを有している。
【0014】温水入口側タンク1には図示しない車両エ
ンジンからの温水(エンジン冷却水、熱源流体)が流入
する入口パイプ4が設けられ、温水出口側タンク2には
温水を外部へ流出させ、エンジン側に還流させる出口パ
イプ5が設けられている。なお、本例の熱交換器は図1
に示すように左右対称形であるので、温水入口側タンク
1と温水出口側タンク2とを左右逆転してもよい。
【0015】各タンク1、2はそれぞれタンク本体部1
a、2aと、このタンク本体部1a、2aの開口端面を
閉じるシートメタル1b、2bとからなり、図1〜3の
上下方向が長手方向となる周知のタンク構造である。そ
して、シートメタル1b、2bには偏平状のチューブ挿
入穴(図示せず)が多数個、図1〜3の上下方向に1列
または複数列並んで形成されている。
【0016】熱交換用コア部3は暖房用空気の流れ方向
Aに対して平行な偏平状に形成された2種類の偏平チュ
ーブ6、16を多数個図1〜3の上下方向に並列配置し
ている。そして、この多数個の偏平チューブ6、16相
互の間に波形状に成形されたコルゲートフィン(フィン
部材)7を配置し接合している。このコルゲートフィン
7には周知のごとく暖房用空気の流れ方向Aに対して所
定角度で斜めに多数のルーバ7aが切り起こし成形され
ており、このルーバ7aによりフィン熱伝達率を向上さ
せている。ルーバ7a切り起こし成形に伴い、ルーバ7
aの部分に開口部(伝熱抑制部)7bが形成され、暖房
用空気の一部がこの開口部7bを通過するようになって
いる。
【0017】この開口部7bの端部と第2偏平チューブ
16(詳細後述)との間の寸法Lを約0.5mmに設定
することにより、電気発熱体9(詳細後述)からコルゲ
ートフィン7を介して第2偏平チューブ16の温水通路
16a側に熱を伝える伝熱面積を十分小さくできる。2
種類の偏平チューブの内、第1偏平チューブ6は温水が
流通する温水通路6aのみが形成されている。一方、第
2偏平チューブ(短縮チューブ)16は温水通路16a
が形成されると共に、電気発熱体9を収納可能な空間1
6bが一体に形成されている。この空間16bは対向す
る2枚の板部(空間形成部材)16c,16d間に形成
され、一端は開放されている。
【0018】第2偏平チューブ16は、空気流れ方向A
の中間の接合部16eにて温水通路16aと空間16b
が分離されており、接合部16eにおいて空間16bに
近いほうには、チューブ16の長手方向に延びるスリッ
ト(伝熱抑制部)16fが貫通して形成されている。な
お、温水通路16aを形成するチューブ部分と板部16
c,16dとを連結するために、幅の狭い連結部16g
を残してスリット16fが形成されている。
【0019】ここで、スリット16fの幅を約1〜2m
mとし、連結部16gのの幅を約2mmに設定すること
により、電気発熱体9から第2偏平チューブ16自体を
介して温水通路16a側に熱を伝える伝熱面積を十分小
さくできる。第1偏平チューブ6の温水通路6aの空気
流れ方向長さとコルゲートフィン7の空気流れ方向長さ
は略等しく、第2偏平チューブ16の温水通路16aの
空気流れ方向の長さは、第1偏平チューブ6の温水通路
6aの空気流れ方向長さよりも短くなっている。また、
板部16c,16dを含む第2偏平チューブ16の空気
流れ方向長さと第1偏平チューブ6の空気流れ方向長さ
とが等しくなっており、従ってコルゲートフィン7は第
2偏平チューブ16の空気流れ方向長さ全域で第2偏平
チューブ16と接合される。
【0020】なお、第2偏平チューブ16は1枚のプレ
ートからなり、プレスにて図示形状に成形されると共に
スリット16fが打抜き形成され、後述するろう付け工
程にて接合部16eがろう付け接合される。熱交換用コ
ア部3の一部の部位に、第2偏平チューブ16が3本を
1セットにして並列に隣接して配置され、かつ温水通路
16aの空気流れ下流側に空間16bが位置するように
配置されている。そして、各セットの3本の第2偏平チ
ューブ16の内、中央に位置する第2偏平チューブ16
の空間16bにのみ電気発熱体9が設置され、両側に位
置する第2偏平チューブ16の空間16bには電気発熱
体9は設置されない。図1の例では、熱交換用コア部3
の4箇所(斜線部)に電気発熱体9を等間隔で設置して
いる。
【0021】第1、第2偏平チューブ6、16の両端開
口部はシートメタル1b、2bのチューブ挿入穴内にそ
れぞれ挿通され、接合される。また、コア部3の最外側
(図1の上下両端部)のコルゲートフィン7のさらに外
側にはサイドプレート8a、8bが配設され、このサイ
ドプレート8a、8bは最外側のコルゲートフィン7お
よびシートメタル1b、2bに接合される。
【0022】 ところで、本例における熱交換器では、電
気発熱体9を除く上記各構成部品1〜8b、16のすべ
てがアルミニュウム(アルミニュウム合金も含む)にて
成形されている。電気発熱体9は図2に示す構造になっ
ており、板状の発熱体素子9aと、この発熱体素子9a
の表裏両面に配置された細長の平板状の電極板9b、9
cとからなる3層のサンドウイッチ構造になっている。
そして、この電極板9b、9cの周囲を全周にわたって
電気的絶縁材料からなる被覆部材9dにより被覆してい
る。ここで、発熱体素子9aは所定の設定温度(例え
ば、200°C付近)T0 にて抵抗値が急増する正の抵
抗温度特性を有する抵抗体材料(例えば、チタン酸バリ
ウム)からなるPTCヒータ素子であり、その板厚は
1.0〜2.0mm程度である。
【0023】発熱体素子9aの両電極板9b、9cはア
ルミニュウム、銅、ステンレス等の導電金属材から成形
されており、その板厚は0.1〜0.5mm程度であ
る。この両電極板9b、9cの長手方向の寸法(図1の
左右方向の寸法)は第2偏平チューブ16と略同一であ
る。そして、この両電極板9b、9cの長手方向におい
て発熱体素子9aは複数箇所(例えば、4箇所)配置さ
れている。発熱体素子9aと両電極板9b、9cは互い
に圧接することにより、両者間の電気的導通を得るよう
にしてある。
【0024】被覆部材9dが板部16c、16dの内側
面に圧接するようにして、電気発熱体9は空間16bに
組み付けられる。ここで、被覆部材9dは板部16c、
16dと両電極板9b、9cとの間の電気的な絶縁作用
を果たすものであるが、発熱体素子9aの熱を板部16
c、16dに伝導する役割を果たすため、板部16c、
16dと両電極板9b、9cとの間の被覆部材9dの厚
さは25μ〜100μ程度の薄膜状にして、良好な熱伝
導作用を確保している。被覆部材9dの具体的材質とし
ては、高耐熱性の樹脂(例えば、ポリイミド樹脂等)が
好ましい。
【0025】上記電極板9bは正極側電極板であり、ま
た、上記電極板9cは負極側電極板であり、それぞれ外
部回路との電気接続用の端子部9e、9f(図1)が一
体成形されている。この両端子部9e、9fは本例では
熱交換用コア部3の後方側(空気流れ方向Aの下流側)
に突出している。また、正極側電極板9bの端子部9e
は図1に示すように正極側電極板9bの右側端部に形成
され、負極側電極板9cの端子部9fは負極側電極板9
cの左側端部に形成されている。
【0026】なお、各電気発熱体9の電極板9b、9c
に一体成形された端子部9e、9fには、図示しない外
部制御回路が電気接続され、この外部制御回路を介して
車載電源から各電気発熱体9に通電されるようになって
いる。ここで、端子部9e、9fは一体成形でなく溶接
等により電極板9b、9cに接合してもよいことはもち
ろんである。
【0027】12、13はステンレスのような耐食性に
優れた金属材料からなる締結(バンド)部材であって、
熱交換用コア部3の空気入口側の面および空気出口側の
面の両方に配置される。締結部材12、13はその両端
に折り曲げ形状からなる引掛け部を有しており、この引
掛け部を上下のサイドプレート8a、8bの長手方向の
中央部に形成された係止溝部8c、8dに引掛けて、上
下のサイドプレート8a、8bの間に装着する。
【0028】この締結部材12、13の装着により、電
気発熱体9を第2偏平チューブ16の板部16c、16
d間に圧接保持させる締付け力を熱交換用コア部3に対
して作用させる。なお、図1では、コア部3の幅方向
(図1の左右方向)の中央の1箇所のみに締結部材1
2、13を装着しているが、コア部3の幅方向の複数箇
所に締結部材12、13を装着してもよいことはいうま
でもない。また、電気発熱体9はコア部3の空気出口側
に配置されているから、空気出口側にのみ締結部材12
を設置するだけでも、電気発熱体9の保持固定が可能と
なる。
【0029】次に、上記した暖房用熱交換器Hの製造方
法を説明すると、まず、最初に図1に示す熱交換器構成
を組み付けるコア組付工程を行う。すなわち、2種類の
チューブ6、16とコルゲートフィン7を交互に積層す
るとともに、タンク1、2、パイプ4、5、およびサイ
ドプレート8a、8bを組み付ける。次に、上記のごと
くして組み付けた熱交換器組付体の組付状態を図示しな
い適宜の治具により保持して、ろう付け炉内に搬入し、
ろう付け工程を行う。すなわち、ろう付け炉内で熱交換
器組付体をろう付け温度(600°C程度)に加熱し
て、熱交換器各部材のアルミニウムクラッド材のろう材
を溶融し、熱交換器組付体の各部材間を一体ろう付けす
る。
【0030】ろう付け終了後に、熱交換器組付体をろう
付け炉から搬出し、常温まで熱交換器組付体の温度が低
下した後に、電気発熱体9の組付工程を行う。すなわ
ち、電気発熱体9はそれ単独で、熱交換器組付体とは別
に、板状の発熱体素子9aの表裏両面を平板状の電極板
9b、9cにより挟み込んで3層のサンドウイッチ構造
とし、電極板9b、9cの周囲を全周にわたって被覆部
材9dにより被覆しておく。
【0031】そして、熱交換器組付体の熱交換用コア部
3における4箇所の第2偏平チューブ16の空間16b
に、開放端側から電気発熱体9を挿入する。このとき、
被覆部材9dが板部16c,16dに圧接するようにし
て、電気発熱体9を空間16b内に組み付ける。この電
気発熱体9の組付の後に、締結部材12、13の両端の
引掛け部を上下のサイドプレート8a、8bの係止溝部
8c、8dに引掛けて、上下のサイドプレート8a、8
bの間に締結部材12、13を熱交換用コア部3が圧縮
されるように装着する。
【0032】これにより、電気発熱体9を板部16c,
16dの内側に圧接保持させる締付け力を熱交換用コア
部3に対して作用させ、電気発熱体9を板部16c,1
6dの内側に確実に保持固定できる。また、同時に、電
気発熱体9の内部において、発熱体素子9aの表裏両面
が平板状の電極板9b、9cに確実に圧接するので、小
さな接触抵抗で良好な電気導通状態が得られる。
【0033】次に、上記構成において作動を説明する。
車室の暖房を行うときには、図示しない空調用送風ファ
ンが作動して、暖房用熱交換器Hのコア部3の第1、第
2偏平チューブ6、16とコルゲートフィン7との間の
空隙部に矢印Aのように暖房用空気が通過する。一方、
車両用エンジンのウォータポンプ(図示せず)の作動に
よりエンジンからの温水(熱源流体)が入口パイプ4よ
り温水入口側タンク1内に流入する。
【0034】そして、温水は、入口側タンク1にて多数
本の両偏平チューブ6、16に分配され、この偏平チュ
ーブ6、16を並列に流れる間にコルゲートフィン7を
介して暖房用空気に放熱する。多数本の偏平チューブ
6、16を通過した温水は、温水出口側タンク2に流入
し、ここで集合され、出口パイプ5から温水は熱交換器
外部へ流出し、エンジン側に還流する。
【0035】一方、暖房能力を最大に設定する最大暖房
時において、エンジンからの温水の温度が設定温度(例
えば、80°C)より低いときは、外部制御回路から両
電極板9b、9cの端子部9e、9f間に車載電源の電
圧を加える。これにより、発熱体素子9aが通電され発
熱する。発熱体素子9aの発熱は電極板9b、9c、被
覆部材9d、板部16c,16dを経て、両隣のコルゲ
ートフィン7に伝逹されて、このコルゲートフィン7か
ら暖房用空気に放熱される。
【0036】なお、電気発熱体9の発熱体素子9aは所
定の設定温度T0 にて抵抗値が急増する正の抵抗温度特
性を有するPTC素子であるから、周知のごとく、その
発熱温度を設定温度T0 に自己制御する自己温度制御機
能を備えている。本実施形態によれば、エンジン始動直
後のような温水の低温時に、電気発熱体9から第2偏平
チューブ16内の低温の水に伝熱される熱量を、次のよ
うにして抑制できる。
【0037】まず、コルゲートフィン7にはルーバ7a
の部分に開口部7bが形成してあり、この開口部7bが
空気断熱層として機能するため、電気発熱体9からコル
ゲートフィン7を介して第2偏平チューブ16の通路1
6a側に熱を伝える伝熱面積を十分小さくでき、低温の
水に伝熱される熱量を抑制できる。また、第2偏平チュ
ーブ16にはスリット16fが形成してあり、このスリ
ット16fが空気断熱層として機能するため、電気発熱
体9から第2偏平チューブ16自体を介して温水通路1
6a側に熱を伝える伝熱面積は、幅の狭い連結部16g
のみで十分小さくでき、低温の水に伝熱される熱量を抑
制できる。
【0038】さらに、電気発熱体9が設置されていない
第2偏平チューブ16の板部16c,16dには、コル
ゲートフィン7を介して容易に熱が伝わるが、その第2
偏平チューブ16の空間16bには空気層が存在して断
熱効果が働くため、低温の水に伝熱される熱量を抑制で
きる。さらにまた、仮に電気発熱体9を温水通路16a
の空気流れ上流側に配置した場合、電気発熱体9にて加
熱された暖房空気が温水通路16aの側方を通過する際
に暖房空気の熱が温水通路16a内の低温の水に伝熱さ
れるのに対し、本実施形態によれば、電気発熱体9にて
加熱された暖房空気は、温水通路16aの側方を流れな
いので、暖房空気の熱が低温の水に伝熱されるのを抑制
できる。
【0039】以上のように、温水の低温時に電気発熱体
9から低温の水に伝熱される熱量を効果的に抑制でき
る。従って、温水の低温時でも、電気発熱体9の発熱に
よって暖房空気を速やかに加熱して即効暖房を行うこと
ができる。なお、温水通路16aを電気発熱体9の空気
流れ上流側に配置したことにより、第2偏平チューブ1
6の空気流れ上流端では暖房空気との温度差が最大にな
り、温水の高温時(定常時)には温水による暖房空気の
加熱を効率よく行うことができる。
【0040】また、車両用空調装置では、空調ケース
(図示せず)内の通風路において冷房用熱交換器(図示
せず)の下流側に暖房用熱交換器Hが配置されているの
で、冷房用熱交換器で発生した凝縮水が空気流れととも
に暖房用熱交換器Hに向かって飛散し、暖房用熱交換器
Hの空気上流側の面に付着することがある。しかし、本
実施形態によると、電気発熱体9が設置された空間16
bの開口部が熱交換用コア部3の空気出口側に向いてい
るから、凝縮水等が暖房用熱交換器Hの空気上流側の面
に付着しても、凝縮水等が空間16bに進入するのを確
実に防止できる。
【0041】(第2実施形態)上記の第1実施形態で
は、空間16bを形成する2枚の板部(空間形成部材)
16c,16dを第2偏平チューブ16に一体に設けて
いるが、第2実施形態では、図5に示すように、温水通
路26aのみが形成された第2偏平チューブ26(短縮
チューブ)と、断面U字状に成形されて内部に空間30
aが形成されたU字状板(空間形成部材)30とに、分
割されている。また、第2偏平チューブ26とU字状板
30は接触しておらず、それらの間に空間(伝熱抑制
部)31が存在し、この空間31が第1実施形態のスリ
ット16fと同様に空気断熱層として機能する。
【0042】また、コルゲートフィン7には、空間31
の側方にスリット(伝熱抑制部)7cが打抜き形成して
あり、このスリット7cがルーバ7aの開口部7bと共
に空気断熱層として機能する。なお、第2偏平チューブ
26とU字状板30は各々3本を1セットにして並列に
隣接して配置され、各セットの3本のU字状板30の
内、中央に位置するU字状板30の空間30aにのみ電
気発熱体9が設置され、両側に位置するU字状板30の
空間30aには電気発熱体9は設置されない。
【0043】このような形態であっても、温水の低温時
に電気発熱体9から低温の水に伝熱される熱量を効果的
に抑制できる。また、第2偏平チューブ26とU字状板
30は接触しておらず、第1実施形態の連結部16gに
相当する部分がないため、低温の水に伝熱される熱量を
さらに効果的に抑制できる。 (他の実施形態)なお、上記の第1、第2実施形態で
は、第2偏平チューブ16、26とU字状板30は各々
3本を1セットにしたが、例えば4本(またはそれ以
上)を1セットにして並列に隣接して配置し、中央寄り
の第2偏平チューブ16の空間16b、またはU字状板
30の空間30aにのみ電気発熱体9を設置してもよ
い。
【0044】また、第2偏平チューブ16およびU字状
板30の内、電気発熱体9が設置されない空間16b、
30aには断熱材を設置してもよい。また、暖房用熱交
換器Hに循環する熱源流体としては、温水に限らず、エ
ンジンオイル等の油類であってもよいことはもちろんで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す暖房用熱交換器全
体の斜視図である。
【図2】図1の電気発熱体設置部の拡大斜視図である。
【図3】図1の熱交換用コア部の拡大斜視図である。
【図4】図1の第2偏平チューブの拡大断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示す熱交換用コア部の
断面図である。
【符号の説明】
3…熱交換用コア部、6…第1偏平チューブ、7…コル
ゲートフィン、7b…開口部(伝熱抑制部)、7c…ス
リット(伝熱抑制部)、9…電気発熱体、16、26…
第2偏平チューブ、16b、30a…空間、16c、1
6d…板部(空間形成部材)、16g…スリット(第2
伝熱抑制部)、30…U字状板(空間形成部材)、31
…空間(第2伝熱抑制部)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源流体の流体通路を有するチューブ
    (6)を多数本並列配置するとともに、この多数本のチ
    ューブ(6)の間にコルゲートフィン(7)を接合する
    ことにより熱交換用コア部(3)が構成されており、 この熱交換用コア部(3)の一部の部位に電気発熱体
    (9)を設置し、 前記熱交換用コア部(3)を暖房用空気が通過する暖房
    用熱交換器において、 前記チューブを、前記流体通路の空気流れ方向長さが前
    記コルゲートフィン(7)の空気流れ方向長さと略等し
    い第1チューブ(6)と、前記流体通路の空気流れ方向
    長さが前記第1チューブ(6)の流体通路の空気流れ方
    向長さよりも短い第2チューブ(16、26)とで構成
    し、 内部に空間(16b、30a)を形成した空間形成部材
    (16c、16d、30)を、前記第2チューブ(1
    6、26)に対して空気流れ方向に直列に配置し、 この空間形成部材(16c、16d、30)および第2
    チューブ(16、26)を各々3本以上隣接して並列配
    置し、 前記隣接して並列配置した空間形成部材(16c、16
    d、30)のうち、中央寄りの空間形成部材(16c、
    16d、30)の空間(16b、30a)に前記電気発
    熱体(9)を配置し、 前記コルゲートフィン(7)のうち、前記隣接する空間
    形成部材(16c、16d、30)および第2チューブ
    (16、26)間に位置するコルゲートフィン(7)
    に、前記電気発熱体(9)から前記第2チューブ(1
    6、26)内の熱源流体に伝熱される熱量を抑制する伝
    熱抑制部(7b、7c)を形成したことを特徴とする暖
    房用熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記伝熱抑制部は、空気流れ方向と直交
    する方向に形成されたルーバ(7a)の開口部(7b)
    であることを特徴とする請求項1に記載の暖房用熱交換
    器。
  3. 【請求項3】 前記伝熱抑制部は、空気流れ方向と直交
    する方向に形成されたスリット(7c)であることを特
    徴とする請求項1に記載の暖房用熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記第2チューブ(16、26)と前記
    空間形成部材(16c、16d、30)との間に、前記
    電気発熱体(9)から前記第2チューブ(16、26)
    内の熱源流体に伝熱される熱量を抑制する第2伝熱抑制
    部(16f、31)を形成したことを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれか1つに記載の暖房用熱交換器。
  5. 【請求項5】 熱源流体が流通するチューブ(6、1
    6、26)を多数本並列配置するとともに、この多数本
    のチューブ(6、16、26)の間にコルゲートフィン
    (7)を接合することにより熱交換用コア部(3)が構
    成されており、 この熱交換用コア部(3)の一部の部位に電気発熱体
    (9)を設置し、 前記熱交換用コア部(3)を暖房用空気が通過する暖房
    用熱交換器において、 前記チューブを、前記流体通路の空気流れ方向長さが前
    記コルゲートフィン(7)の空気流れ方向長さと略等し
    い第1チューブ(6)と、前記流体通路の空気流れ方向
    長さが前記第1チューブ(6)の流体通路の空気流れ方
    向長さよりも短い第2チューブ(16、26)とで構成
    し、 前記電気発熱体(9)を、前記第2チューブ(16、2
    6)に対して空気流れ方向に直列に、かつ空気流れの下
    流側に配置したことを特徴とする暖房用熱交換器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040007808A (ko) * 2002-07-11 2004-01-28 한라공조주식회사 열교환기
KR100903093B1 (ko) * 2002-10-01 2009-06-16 한라공조주식회사 증발기 유닛
KR100958237B1 (ko) 2003-06-24 2010-05-17 한라공조주식회사 차량 공조장치용 열교환기

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KR20040007808A (ko) * 2002-07-11 2004-01-28 한라공조주식회사 열교환기
KR100903093B1 (ko) * 2002-10-01 2009-06-16 한라공조주식회사 증발기 유닛
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