JPH11151926A - 暖房用熱交換器 - Google Patents

暖房用熱交換器

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JPH11151926A
JPH11151926A JP31980397A JP31980397A JPH11151926A JP H11151926 A JPH11151926 A JP H11151926A JP 31980397 A JP31980397 A JP 31980397A JP 31980397 A JP31980397 A JP 31980397A JP H11151926 A JPH11151926 A JP H11151926A
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JP
Japan
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heating element
hot water
electric heating
heat
heat exchanger
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JP31980397A
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Shinji Naruse
新二 成瀬
Reijirou Okano
令二郎 岡野
Mitsugi Nakamura
貢 中村
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温水の低温時に、電気発熱体の発熱量による
暖房効果を向上する。 【解決手段】 車室内に吹き出される空気を加熱する、
温水熱源の熱交換用コア部3に、電気発熱体9を一体に
組み込む。熱交換用コア部3の偏平チューブ6のうち、
電気発熱体9の両隣に隣接する偏平チューブ6に、温水
の流れを制限する流れ制限手段としての蓋部材6dを付
加する。これにより、電気発熱体9に隣接する偏平チュ
ーブ6への温水の流れを制限して、低温の温水に電気発
熱体9の熱が吸熱されるのを効果的に抑制できる。従っ
て、電気発熱体9による暖房即効性を効果的に発揮でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気発熱体を一体化
した暖房用熱交換器に関するもので、車両エンジン(内
燃機関)にて加熱された温水(エンジン冷却水)を熱源
として空気を加熱する車両暖房用熱交換器に用いて好適
である。
【0002】
【従来の技術】近年、車両エンジンの高効率化に伴い、
エンジン暖機後においても車両エンジンの冷却水(温
水)温度が十分上昇せず、従前に比して低めの温度とな
る傾向にある。そのため、エンジン冷却水からの廃熱を
利用して車室内の暖房を行う温水式空調装置において
は、暖房能力不足が課題になっている。
【0003】そこで、特開平5−69732号公報等で
は、温水式の暖房用熱交換器に電気発熱体を一体化し、
温水温度が低いときには電気発熱体に通電して、電気発
熱体の発熱により暖房空気を加熱することにより、暖房
能力の不足を解消するものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術では、車両エンジンの始動直後のように温水の低温時
には、暖房即効性の向上のために、電気発熱体の最大能
力を必要とするのであるが、暖房用熱交換器に電気発熱
体が一体化されているので、電気発熱体の発熱量の一部
が暖房用熱交換器内を流通する低温の温水に奪われてし
まい、電気発熱体の発熱量により暖房空気を効率良く加
熱することができない。
【0005】その結果、暖房空気の車室内への吹出空気
温度が十分上昇せず、電気発熱体による暖房即効性を効
果的に発揮できないという不具合がある。本発明は上記
点に鑑みてなされたもので、電気発熱体の発熱量による
暖房効果を向上することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】電気発熱体の発熱量の一
部が暖房用熱交換器内を流通する低温の温水に奪われて
しまうことが電気発熱体の発熱量を暖房のために有効利
用できない原因になっている点に着目して、請求項1〜
5記載の発明では、電気発熱体(9)に隣接して配置さ
れ、温水等の熱源流体が流れるチューブ(6)に、熱源
流体の流れを制限する流れ制限手段(6d、6e)を付
加することにより、上記目的を達成しようとするもので
ある。
【0007】これによれば、電気発熱体(9)に隣接す
るチューブ(6)への熱源流体の流れを制限できるの
で、低温の熱源流体に電気発熱体(9)の熱が吸熱され
るのを効果的に抑制できる。そのため、電気発熱体
(9)の熱で効率よく暖房空気を加熱でき、電気発熱体
による暖房即効性を効果的に発揮できる。特に、請求項
3記載の発明では、流れ制限手段を、断面偏平状のチュ
ーブ(6)のうち、暖房用空気の流れ方向(A)の下流
側の部位のみに形成することを特徴としている。
【0008】熱交換用コア部(3)において、電気発熱
体(9)と断面偏平状のチューブ(6)の間に接合され
るコルゲートフィン(7)の温度は空気流れ下流側の方
が温度が高くなるので、チューブ(6)内の熱源流体へ
の吸熱量は空気流れ下流側で増加しようとするが、請求
項3によると、空気流れ下流側に形成した流れ制限手段
により、この空気流れ下流側での熱源流体への吸熱量増
加を効果的に抑制できる。
【0009】本発明における流れ制限手段は、具体的に
は、請求項4に記載のように、チューブ(6)の端部に
一体形成され、チューブ(6)の通路の少なくとも一部
を閉塞する蓋部材(6d)から構成したり、あるいは、
請求項5に記載のように、チューブ(6)の端部を押し
潰すように形成され、チューブ(6)の通路の少なくと
も一部を閉塞する絞り部(6e)から構成することがで
きる。
【0010】これらの蓋部材(6d)や絞り部(6e)
は、チューブ(6)の端部に簡単に一体形成することが
できるので、熱交換用コア部(3)の大型化を招くこと
なく、低コストで形成できる。なお、上記各手段の括弧
内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対
応関係を示すものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。 (第1実施形態)図1〜図3は本発明を適用した車両暖
房用熱交換器の第1実施形態を示すもので、図1におい
て、暖房用熱交換器Hは、温水入口側タンク1と、温水
出口側タンク2と、この両タンク1、2の間に設けられ
た熱交換用コア部3とを有している。
【0012】温水入口側タンク1には図示しない車両エ
ンジンからの温水(エンジン冷却水)が流入する入口パ
イプ4が設けられ、温水出口側タンク2には温水を外部
へ流出させ、エンジン側に還流させる出口パイプ5が設
けられている。なお、本例の熱交換器は図1に示すよう
に左右対称形であるので、温水入口側タンク1と温水出
口側タンク2とを左右逆転してもよい。
【0013】各タンク1、2はそれぞれタンク本体部1
a、2aと、このタンク本体部1a、2aの開口端面を
閉じるシートメタル1b、2bとからなり、図1、2の
上下方向が長手方向となる周知のタンク構造である。そ
して、シートメタル1b、2bには偏平状のチューブ挿
入穴(図示せず)が多数個、図1、2の上下方向に1列
または複数列並んで形成されている。
【0014】熱交換用コア部3は暖房用空気の流れ方向
Aに対して平行な断面偏平状に形成された偏平チューブ
6を多数個図1、2の上下方向に並列配置している。そ
して、この多数個の偏平チューブ6相互の間に波形状に
成形されたコルゲートフィン(フィン部材)7を配置し
接合している。このコルゲートフィン7には周知のごと
く暖房用空気の流れ方向Aに対して所定角度で斜めに多
数のルーバ7a(図3)が切り起こし成形されており、
このルーバ7aの成形によりフィン熱伝達率を向上させ
ている。
【0015】偏平チューブ6の両端開口部はシートメタ
ル1b、2bのチューブ挿入穴内にそれぞれ挿通され、
接合される。また、コア部3の最外側(図1の上下両端
部)のコルゲートフィン7のさらに外側にはサイドプレ
ート8a、8bが配設され、このサイドプレート8a、
8bは最外側のコルゲートフィン7およびシートメタル
1b、2bに接合される。
【0016】さらに、熱交換用コア部3の一部の部位
に、偏平チューブ6の代わりに、電気発熱体9を設置し
ている。図1の例では、熱交換用コア部3の4箇所(斜
線部)に電気発熱体9を等間隔で設置している。そし
て、熱交換用コア部3のうち、電気発熱体9が設置され
る部位では、隣接するコルゲートフィン7の折り曲げ頂
部の間に、偏平チューブ6の長手方向に延びる断面U字
状の保持板10を配置している。図2、3に示すよう
に、この保持板10のU字状曲げ形状からなる閉塞端部
10aが熱交換用コア部3の空気入口側に向き、他端側
の開口部10bが熱交換用コア部3の空気出口側に向く
ように、保持板10の配置方向が設定されている。
【0017】また、保持板10は、その対向する2つの
板面10c、10d相互の間に所定間隔を設定し、その
状態で、この2つの板面10c、10dをそれぞれコル
ゲートフィン7の折り曲げ頂部に接合するようにしてあ
る。電気発熱体9は、開口部10bから保持板10の内
部に挿入されて保持される。ここで、電気発熱体9は保
持板10に対して後述の構造により電気的に絶縁して保
持される。
【0018】なお、保持板10の全体の厚さは、偏平チ
ューブ6の厚さと同一に設定してあるので、偏平チュー
ブ6の代わりに保持板10を隣接するコルゲートフィン
7相互の間に設置できる。 ところで、本例における熱交
換器では、上記各構成部品1〜8bのすべてがアルミニ
ュウム(アルミニュウム合金も含む)にて成形されてお
り、また、断面U字状の保持板10も同様にアルミニュ
ウムにて成形されている。保持板10の幅(暖房空気の
流れ方向Aの幅)はコア部厚さと略同一であり、また、
保持板10の長手方向の寸法(図1の左右方向の寸法)
はシートメタル1b、2b間の寸法と略同一である。
【0019】電気発熱体9は図2に示す構造になってお
り、板状の発熱体素子9aと、この発熱体素子9aの表
裏両面に配置された細長の平板状の電極板9b、9cと
からなる3層のサンドウイッチ構造になっている。そし
て、この電極板9b、9cの周囲を全周にわたって電気
的絶縁材料からなる被覆部材9dにより被覆している。
ここで、発熱体素子9aは所定の設定温度(例えば、2
00°C付近)T0 にて抵抗値が急増する正の抵抗温度
特性を有する抵抗体材料(例えば、チタン酸バリウム)
からなるPTCヒータ素子であり、その板厚は1.0〜
2.0mm程度である。
【0020】発熱体素子9aの両電極板9b、9cはア
ルミニュウム、銅、ステンレス等の導電金属材から成形
されており、その板厚は0.1〜0.5mm程度であ
る。この両電極板9b、9cの長手方向の寸法(図1の
左右方向の寸法)は保持板10と略同一である。そし
て、この両電極板9b、9cの長手方向において発熱体
素子9aは複数箇所(例えば、4箇所)配置されてい
る。発熱体素子9aと両電極板9b、9cは互いに圧接
することにより、両者間の電気的導通を得るようにして
ある。
【0021】被覆部材9dが保持板10の板面10c、
10dの内側面に圧接するようにして、電気発熱体9は
保持板10の内部に組み付けられる。ここで、被覆部材
9dは保持板10と両電極板9b、9cとの間の電気的
な絶縁作用を果たすものであるが、発熱体素子9aの熱
を保持板10に伝導する役割を果たすため、保持板10
と両電極板9b、9cとの間の被覆部材9dの厚さは2
5μ〜100μ程度の薄膜状にして、良好な熱伝導作用
を確保している。被覆部材9dの具体的材質としては、
高耐熱性の樹脂(例えば、ポリイミド樹脂等)が好まし
い。
【0022】上記電極板9bは正極側電極板であり、ま
た、上記電極板9cは負極側電極板であり、それぞれ外
部回路との電気接続用の端子部9e、9f(図1)が一
体成形されている。この両端子部9e、9fは本例では
熱交換用コア部3の後方側(空気流れ方向Aの下流側)
に突出している。なお、各電気発熱体9の電極板9b、
9cに一体成形された端子部9e、9fには、図示しな
い外部制御回路が電気接続され、この外部制御回路を介
して車載電源から各電気発熱体9に通電されるようにな
っている。
【0023】12、13はステンレスのような耐食性に
優れた金属材料からなる締結(バンド)部材であって、
熱交換用コア部3の空気入口側の面および空気出口側の
面の両方に配置される。締結部材12、13はその両端
に折り曲げ形状からなる引掛け部を有しており、この引
掛け部を上下のサイドプレート8a、8bの長手方向の
中央部に形成された係止溝部8c、8dに引掛けて、上
下のサイドプレート8a、8bの間に装着する。この締
結部材12、13の装着により、電気発熱体9を保持板
10の板面10c、10d間に圧接保持させる締付け力
を熱交換用コア部3に対して作用させることができる。
【0024】次に、熱交換用コア部3、特に、本発明の
特徴とする偏平チューブ6の具体的形態について詳述す
ると、図3に示すように、熱交換用コア部3は本例では
暖房用空気の流れ方向Aに対して偏平チューブ6を1列
のみ配置した構成となっている。ここで、偏平チューブ
6は、空気流れ方向Aの中間部位に耐圧強度向上用の仕
切り部6aを有する構造であり、この仕切り部6aによ
り仕切られた2つの温水通路6b、6cを空気流れ方向
Aに沿って構成している。
【0025】そして、熱交換用コア部3のチューブ、フ
ィン積層方向(図3の左右方向)において、電気発熱体
9の左右両側に隣接する偏平チューブ6を次のごとく構
成している。すなわち、この発熱体左右両側の偏平チュ
ーブ6においては、その長手方向の端部に、仕切り部6
aより空気流れ下流側の温水通路6bを閉塞する蓋部材
6dを設けている。この蓋部材6dは、偏平チューブ6
への温水の流れを制限する流れ制限手段を構成する。
【0026】この蓋部材6dは具体的には、図4
(a)、(b)に示すように、偏平チューブ6の長手方
向の端部において、空気流れ下流側の部位に突出片6
d′を一体成形しておき、この突出片6d′を曲げ加工
して温水通路6bを閉塞するようにしたものである。こ
こで、蓋部材6dは偏平チューブ6の両端部のうち、温
水入口側の端部のみ、あるいは温水出口側の端部のみに
形成してもよい。また、偏平チューブ6の両端部に蓋部
材6dを形成してもよい。
【0027】次に、上記した暖房用熱交換器Hの製造方
法を説明すると、まず、最初に図1に示す熱交換器構成
を組み付けるコア組付工程を行う。すなわち、熱交換用
コア部3の偏平チューブ6とコルゲートフィン7を交互
に積層するとともに、熱交換用コア部3のうち、電気発
熱体9が設置される部位(図1の4箇所の斜線部)で
は、隣接するコルゲートフィン7の折り曲げ頂部の間
に、偏平チューブ6の長手方向に延びる断面U字状の保
持板10を配置する。
【0028】ここで、偏平チューブ6のうち、電気発熱
体9の左右両側に位置する偏平チューブ6のみを上記図
3、4に示した蓋部材6dを付加した偏平チューブ6を
用いる。また、上記保持板10の対向する2つの板面1
0c、10dの間隔を所定間隔に保持するために、この
保持板10の内部に、この所定間隔の板厚を持ったダミ
ー板(図示せず)を挿入する。
【0029】このダミー板は後述の一体ろう付けの工程
に対する耐熱性を有し、かつアルミニュウムろう付けさ
れない特性を持った材質(例えば、カーボン等)で形成
しておく。この組付工程で、タンク1、2、パイプ4、
5、およびサイドプレート8a、8bも組み付けること
はもちろんである。次に、上記のごとくして組み付けた
熱交換器組付体の組付状態を図示しない適宜の治具によ
り保持して、ろう付け炉内に搬入し、ろう付け工程を行
う。すなわち、ろう付け炉内で熱交換器組付体をろう付
け温度(600°C程度)に加熱して、熱交換器各部材
のアルミニウムクラッド材のろう材を溶融し、熱交換器
組付体の各部材間を一体ろう付けする。
【0030】ろう付け終了後に、熱交換器組付体をろう
付け炉から搬出し、常温まで熱交換器組付体の温度が低
下した後に、電気発熱体9の組付工程を行う。すなわ
ち、電気発熱体9はそれ単独で、熱交換器組付体とは別
に、板状の発熱体素子9aの表裏両面を平板状の電極板
9b、9cにより挟み込んで3層のサンドウイッチ構造
とし、電極板9b、9cの周囲を全周にわたって被覆部
材9dにより被覆しておく。
【0031】そして、熱交換器組付体の熱交換用コア部
3における4箇所の保持板10の内側に挿入されている
ダミー板を取り出す。この後に、保持板10の対向する
2つの板面10c、10dの内側に形成される所定間隔
の空間に、開口部10bから閉塞端部10a側へ向かっ
て電気発熱体9を挿入する。このとき、被覆部材9dが
保持板10に圧接するようにして、電気発熱体9を保持
板10内に組み付ける。
【0032】この電気発熱体9の組付の後に、締結部材
12、13の両端の引掛け部を上下のサイドプレート8
a、8bの係止溝部8c、8dに引掛けて、上下のサイ
ドプレート8a、8bの間に締結部材12、13を熱交
換用コア部3が圧縮されるように装着する。これによ
り、電気発熱体9を保持板10の内側に圧接保持させる
締付け力を熱交換用コア部3に対して作用させ、電気発
熱体9を保持板10の内側に確実に保持固定できる。ま
た、同時に、電気発熱体9の内部において、発熱体素子
9aの表裏両面が平板状の電極板9b、9cに確実に圧
接するので、小さな接触抵抗で良好な電気導通状態が得
られる。
【0033】次に、上記構成において作動を説明する。
車室の暖房を行うときには、図示しない空調用送風ファ
ンが作動して、暖房用熱交換器Hのコア部3の偏平チュ
ーブ6とコルゲートフィン7との間の空隙部に矢印Aの
ように暖房用空気が通過する。一方、車両用エンジンの
ウォータポンプ(図示せず)の作動によりエンジンから
の温水(熱源流体)が入口パイプ4より温水入口側タン
ク1内に流入する。
【0034】そして、温水は、入口側タンク1にて多数
本の偏平チューブ6に分配され、この偏平チューブ6を
並列に流れる間にコルゲートフィン7を介して暖房用空
気に放熱する。多数本の偏平チューブ6を通過した温水
は、温水出口側タンク2に流入し、ここで集合され、出
口パイプ5から温水は熱交換器外部へ流出し、エンジン
側に還流する。
【0035】一方、暖房能力を最大に設定する最大暖房
時において、エンジンからの温水の温度が設定温度(例
えば、80°C)より低いときは、外部制御回路から両
電極板9b、9cの端子部9e、9f間に車載電源の電
圧を加える。これにより、発熱体素子9aが通電され発
熱する。発熱体素子9aの発熱は電極板9b、9c、被
覆部材9d、保持板10を経て、両隣のコルゲートフィ
ン7に伝導されて、このコルゲートフィン7から暖房用
空気に放熱される。
【0036】しかも、電気発熱体9の両隣の偏平チュー
ブ6については、その2つの温水通路6b、6cのう
ち、空気流れ下流側の温水通路6bを蓋部材6dにより
閉塞して、温水通路6bにおける温水流れを遮断してい
るので、電気発熱体9の発熱時に電気発熱体9の熱が温
水通路6b内の温水に吸熱される量を効果的に抑制でき
る。
【0037】このため、電気発熱体9の熱を電気発熱体
9両隣の第1列目のコルゲートフィン7−のみなら
ず、第2列目のコルゲートフィン7−にも伝熱するこ
とができ、この第1列目および第2列目のコルゲートフ
ィン7−、7−を通して電気発熱体9の熱を暖房用
空気に放熱できる。その結果、電気発熱体9の発熱量を
暖房空気の加熱のために有効利用できるので、温水の低
温時でも、電気発熱体9の発熱によって暖房空気を速や
かに加熱して即効暖房を行うことができる。
【0038】特に、熱交換用コア部3において、空気流
れ下流側の部位では、電気発熱体9両隣の第1列目のコ
ルゲートフィン7−の温度が上昇して、第1列目のコ
ルゲートフィン7−の温度と両隣の偏平チューブ6内
の温水の温度との差が拡大するので、両隣の偏平チュー
ブ6内の温水への吸熱量が増大する傾向にあるが、本実
施形態によると、この空気流れ下流側の部位に位置する
温水通路6bを蓋部材6dにより閉塞しているから、両
隣の偏平チューブ6内の温水への吸熱量をより効果的に
抑制できる。
【0039】また、本実施形態では、電気発熱体両隣の
偏平チューブ6において、その2つの温水通路6b、6
cのうち、空気流れ上流側の温水通路6cは閉塞してい
ないので、電気発熱体9の非発熱時、すなわち、電気発
熱体9への通電を遮断して温水のみを熱源として暖房空
気を加熱する場合には、電気発熱体両隣の領域Bにおい
ても、温水通路6cを流れる温水により暖房空気を加熱
できるので、領域Bにおける吹出空気(温風)の温度低
下を少なくすることができる。そのため、電気発熱体9
の非発熱時における吹出空気の温度分布の不均一を抑制
できる。
【0040】なお、電気発熱体9の発熱体素子9aは所
定の設定温度T0 にて抵抗値が急増する正の抵抗温度特
性を有するPTC素子であるから、周知のごとく、その
発熱温度を設定温度T0 に自己制御する自己温度制御機
能を備えている。また、車両用空調装置では、空調ケー
ス(図示せず)内の通風路において冷房用熱交換器(図
示せず)の下流側に暖房用熱交換器Hが配置されている
ので、冷房用熱交換器で発生した凝縮水が空気流れとと
もに暖房用熱交換器Hに向かって飛散し、暖房用熱交換
器Hの空気上流側の面に付着することがある。
【0041】しかし、本実施形態によると、保持板10
のU字状曲げ形状からなる閉塞端部10aが熱交換用コ
ア部3の空気入口側に向き、他端側の開口部10bが熱
交換用コア部3の空気出口側に向くように、保持板10
の配置方向が設定されているから、凝縮水等が暖房用熱
交換器Hの空気上流側の面に付着しても、閉塞端部10
aにより凝縮水等が保持板10の内側の電気発熱体9部
に進入するのを確実に防止できる。
【0042】(第2実施形態)図5は第2実施形態を示
もので、上記の第1実施形態では、発熱体左右両側の偏
平チューブ6において、その長手方向の端部に、仕切り
部6aより空気流れ下流側の温水通路6bを閉塞する蓋
部材6dを設けて、この蓋部材6dにて偏平チューブ6
への温水の流れを制限する流れ制限手段を構成している
が、第2実施形態では図5(a)に示す通常の偏平チュ
ーブ6の長手方向の端部において、仕切り部6aより空
気流れ下流側の部位を押し潰すように絞り加工を行っ
て、図5(b)に示す絞り部6eを形成したものであ
る。
【0043】この絞り部6eにて偏平チューブ6への温
水の流れを制限する流れ制限手段を構成することによ
り、第2実施形態でも第1実施形態と同じ作用効果を発
揮できる。 (他の実施形態) 上記の第1、第2実施形態では、電気発熱体9の左右
両隣の偏平チューブ6のいずれにも、蓋部材6dや絞り
部6eを設ける場合について説明したが、電気発熱体9
の左右両隣の偏平チューブ6のうち、片側の偏平チュー
ブ6のみに蓋部材6dや絞り部6eを設けるようにして
もよい。
【0044】上記の第1、第2実施形態では、電気発
熱体9の左右両隣の偏平チューブ6に対して、蓋部材6
dや絞り部6eを、空気流れ下流側の温水通路6bの温
水流れのみを遮断するように設けているが、空気流れ上
流側および空気流れ下流側の両温水通路6b、6cの温
水流れをいずれも遮断するように蓋部材6dや絞り部6
eを設けてもよい。
【0045】上記の第1実施形態では、熱交換用コア
部3において、偏平チューブ6を暖房用空気の流れ方向
Aに1列のみ配置しているが、暖房用空気の流れ方向A
に偏平チューブ6を2列配置するものも周知であり、こ
のようなコア部3を持つ熱交換器10に対しても本発明
は適用できる。この場合、熱交換用コア部3の一部にお
いて、空気流れ方向Aの上流側に位置する1列の偏平チ
ューブ6の代わりに電気発熱体9を配置してもよく、ま
た、空気流れ方向Aに沿って配置される2列の偏平チュ
ーブ6の代わりに電気発熱体9を配置してもよい。そし
て、この場合も、電気発熱体9に隣接する偏平チューブ
6に、第1、第2実施形態による蓋部材6dや絞り部6
eを形成すればよい。
【0046】上記の第2実施形態では、蓋部材6dや
絞り部6eにて温水通路6bを完全に閉塞しているが、
蓋部材6dや絞り部6eにて温水通路6bを完全に閉塞
せずに、温水通路6bの通路断面積を絞るように、蓋部
材6dや絞り部6eを形成してもよい。 上記の第1、第2実施形態では、熱交換用コア部3を
温水が流れる偏平チューブ6と、これに接合されるコル
ゲートフィン7との組み合わせで構成しているが、これ
に限らず、丸チューブとプレートフィンとの組み合わせ
からなる熱交換用コア部3に対しても本発明を適用でき
る。
【0047】暖房用熱交換器14に電気発熱体15を
一体化する場合に電気発熱体15の設置形態を図1の形
態に限らず、暖房用熱交換器14の仕様の変化等に対応
して種々変更し得ることはもちろんである。 暖房用熱交換器14に循環する熱源流体としては、温
水に限らず、エンジンオイル等の油類であってもよいこ
とはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す暖房用熱交換器全
体の斜視図である。
【図2】図1の電気発熱体設置部の拡大斜視図である。
【図3】図1の電気発熱体設置部の両隣の偏平チューブ
端部形状を示すコア部の部分斜視図である。
【図4】第1実施形態において偏平チューブ端部の蓋部
材の説明図である。
【図5】第2実施形態において偏平チューブ端部の絞り
部の説明図である。
【符号の説明】
3…熱交換用コア部、6…偏平チューブ、6a…仕切り
部、6b、6c…温水通路、6d…蓋部材(流れ制限手
段)、6d…絞り部(流れ制限手段)、7…コルゲート
フィン、9…電気発熱体。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源流体が流通するチューブ(6)を多
    数本有する熱交換用コア部(3)と、 この熱交換用コア部(3)の一部の部位に電気発熱体
    (9)を設置する暖房用熱交換器において、 前記多数本のチューブ(6)のうち、前記電気発熱体
    (9)に隣接するチューブ(6)に、熱源流体の流れを
    制限する流れ制限手段(6d、6e)を備えたことを特
    徴とする暖房用熱交換器。
  2. 【請求項2】 熱源流体が流通する断面偏平状のチュー
    ブ(6)を多数本並列配置するとともに、この多数本の
    断面偏平状のチューブ(6)の間にコルゲートフィン
    (7)を接合することにより熱交換用コア部(3)が構
    成されており、 この熱交換用コア部(3)の一部の部位に電気発熱体
    (9)を設置する暖房用熱交換器において、 前記多数本の断面偏平状のチューブ(6)のうち、前記
    電気発熱体(9)に隣接するチューブ(6)に、熱源流
    体の流れを制限する流れ制限手段(6d、6e)を備え
    たことを特徴とする暖房用熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記流れ制限手段は、前記断面偏平状の
    チューブ(6)のうち、暖房用空気の流れ方向(A)の
    下流側の部位に形成されていることを特徴とする請求項
    2に記載の暖房用熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記流れ制限手段は、前記チューブ
    (6)の端部に一体形成され、前記チューブ(6)の通
    路の少なくとも一部を閉塞する蓋部材(6d)からなる
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記
    載の暖房用熱交換器。
  5. 【請求項5】 前記流れ制限手段は、前記チューブ
    (6)の端部を押し潰すように形成され、前記チューブ
    (6)の通路の少なくとも一部を閉塞する絞り部(6
    e)からなることを特徴とする請求項1または2に記載
    の暖房用熱交換器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008056044A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 熱媒体加熱装置およびそれを用いた車両用空調装置
WO2011129266A1 (ja) 2010-04-12 2011-10-20 株式会社ヴァレオジャパン 車両空調用電気発熱式ヒーターコア及びそれを配した車両用空調装置
JP2012145311A (ja) * 2011-01-14 2012-08-02 Denso Corp 車両用空調装置

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