JP2002029249A - 暖房用熱交換器 - Google Patents

暖房用熱交換器

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JP2002029249A
JP2002029249A JP2000216438A JP2000216438A JP2002029249A JP 2002029249 A JP2002029249 A JP 2002029249A JP 2000216438 A JP2000216438 A JP 2000216438A JP 2000216438 A JP2000216438 A JP 2000216438A JP 2002029249 A JP2002029249 A JP 2002029249A
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Mikio Fukuoka
幹夫 福岡
Norimasa Baba
則昌 馬場
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気発熱体から、電気発熱体を保持する板部
材へ伝熱される熱量の減少を抑制する。 【解決手段】 電気発熱体9と保持板10との間を電気
的に絶縁する絶縁弾性部材20は、弾性変形して電気発
熱体9の電極板9b、9cおよび保持板10の平板部1
0c、10dと密着するので、絶縁弾性部材20と保持
板10との間に従来のような隙間CLが形成されてしま
うことを防止できる。よって、電気発熱体9から保持板
10へ伝導される熱は、隙間CL内の空気を介すること
なく絶縁弾性部材20のみを介して伝導されるため、電
気発熱体9から保持板10へ伝導される熱量の減少を抑
制でき、通風空気の加熱度合の減少を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気発熱体を一体化
した暖房用熱交換器に関するもので、車両エンジン(内
燃機関)にて加熱された温水(エンジン冷却水)を熱源
として空気を加熱する車両暖房用熱交換器に用いて好適
である。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平11−48759号公報に
て、温水(エンジン冷却水)を熱源として通風空気を加
熱する暖房用熱交換器に電気発熱体を一体化したものが
提案されている。これにより、エンジン始動直後のよう
に温水温度が低いときには、電気発熱体へ通電して、電
気発熱体の発生熱により通風空気を加熱するようにして
いる。
【0003】ところで、図4(a)、(b)は上記公報
に基づいて本発明者らが試作検討した暖房用熱交換器で
あり、熱交換用コア部を形成する積層されたコルゲート
フィン7の間に断面U字形状の金属製保持板10を配置
し、保持板10のうち互いに向かい合う2枚の板部材1
0c、10dの間に電気発熱体9を配置している。ま
た、保持板10と電気発熱体9との間を電気的に絶縁す
るために、電気発熱体9全体をフィルム状の絶縁部材3
0で覆っている。
【0004】従って、電気発熱体9の発生熱は絶縁部材
30、保持板10を介して両側のコルゲートフィン7に
伝導されて、このコルゲートフィン7から通風空気に放
熱される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そして、上述の本発明
者らの試作検討により、保持板10の板部材10c、1
0d表面の凹凸が大きいことに起因して、電気発熱体9
により加熱される通風空気の加熱度合が大きく減少して
いることが分かった。
【0006】すなわち、板部材10c、10d表面の凹
凸により、絶縁部材30と板部材10c、10dとの間
に隙間CLが形成されてしまうので、電気発熱体9から
保持板10へ伝導される熱は、絶縁部材30の他に隙間
CL内の空気を介することになる。ここで、空気の熱伝
導率は、絶縁部材30や板部材10c、10d等の固体
物質の熱伝導率に比べて極めて低いため、電気発熱体9
から保持板10へ伝導される熱量が減少して通風空気の
加熱度合は減少してしまう。
【0007】なお、上記板部材10c、10d表面の凹
凸は、保持板10の熱交換用コア部へのろう付け時やプ
レス成形時等により、表面粗さが大きくなったり、部分
的に凹み10e(図4参照)が生じたりして形成されて
しまうものである。
【0008】本発明は、上記点に鑑み、電気発熱体か
ら、電気発熱体を保持する板部材へ伝熱される熱量の減
少を抑制することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、熱交換用コア部(3)
の一部に配置され、互いに向かい合う2枚の板部材(1
0c、10d)と、2枚の板部材(10c、10d)の
間に挟まれて保持され、通電により発熱して通風空気を
加熱する電気発熱体(9)と、電気発熱体(9)と板部
材(10c、10d)との間に配置され、電気発熱体
(9)および板部材(10c、10d)と密着する弾性
変形可能な電気絶縁材からなる絶縁弾性部材(20)と
を備えることを特徴としている。
【0010】これにより、電気発熱体(9)と板部材
(10c、10d)との間を電気的に絶縁する絶縁弾性
部材(20)は、弾性変形して電気発熱体(9)および
板部材(10c、10d)と密着するので、絶縁弾性部
材(20)と板部材(10c、10d)との間に従来の
ような隙間が形成されてしまうことを防止できる。よっ
て、電気発熱体(9)から板部材(10c、10d)へ
伝導される熱は、隙間内の空気を介することなく絶縁弾
性部材(20)のみを介して伝導されるため、電気発熱
体(9)から板部材(10c、10d)へ伝導される熱
量の減少を抑制でき、通風空気の加熱度合の減少を抑制
できる。
【0011】また、請求項2に記載の発明では、絶縁弾
性部材(20)を、弾性変形可能な弾性材(21)と、
電気絶縁材からなる絶縁フィルム(22、23)とから
構成することを特徴としている。
【0012】これにより、絶縁弾性部材(20)が必要
とされる絶縁機能および弾性変形機能の2つの機能を、
絶縁フィルム(22、23)および弾性材(21)の2
種類の部材で分担することができるので、両機能を有す
る絶縁弾性部材(20)の形成を容易に実現できる。
【0013】なお、絶縁フィルム(22、23)は弾性
材(21)に比べて肉厚の薄いフィルム形状であるの
で、弾性材(21)の弾性変形した面形状とほぼ同様の
面形状に変形できる。よって、絶縁フィルム(22、2
3)により弾性変形機能が損なわれることは無視でき
る。
【0014】ところで、板部材(10c、10d)表面
の凹凸に対する絶縁弾性部材(20)の追従性を向上さ
せて、絶縁弾性部材(20)が板部材(10c、10
d)と密着できるようにするためには、弾性材(21)
をやわらかい材質(例えばシリコン樹脂)にすることが
好ましい。しかし、一般にやわらかい材質では表面硬度
が低下してしまうため、表面が損傷し易くなってしま
う。
【0015】これに対し、請求項3に記載の発明では、
弾性材(21)の両面を絶縁フィルム(22、23)で
覆うようにするので、絶縁フィルム(22、23)を弾
性材(21)に比べて表面硬度の高い材質(例えばポリ
イミド樹脂)にすれば、弾性材(21)を絶縁フィルム
(22、23)で保護することができる。
【0016】また、絶縁フィルム(22、23)を弾性
材(21)に比べて摩擦係数の小さい材質にすれば、絶
縁弾性部材(20)を2枚の板部材(10c、10d)
の間に挿入して配置させる場合において、絶縁弾性部材
(20)のうち板部材(10c、10d)に対向する面
が弾性材(21)である場合に比べて絶縁弾性部材(2
0)の挿入抵抗を小さくでき、この挿入作業を容易にで
きる。
【0017】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0019】図1〜図3は本発明を適用した車両暖房用
熱交換器を示すもので、図1において、暖房用熱交換器
Hは、温水入口側タンク1と、温水出口側タンク2と、
この両タンク1、2の間に設けられた熱交換用コア部3
とを有している。
【0020】温水入口側タンク1には図示しない車両エ
ンジンからの温水(エンジン冷却水)が流入する入口パ
イプ4が設けられ、温水出口側タンク2には温水を外部
へ流出させ、エンジン側に還流させる出口パイプ5が設
けられている。なお、本例の熱交換器は図1に示すよう
に左右対称形であるので、温水入口側タンク1と温水出
口側タンク2とを左右逆転してもよい。
【0021】各タンク1、2はそれぞれタンク本体部1
a、2aと、このタンク本体部1a、2aの開口端面を
閉じるシートメタル1b、2bとからなり、図1の上下
方向が長手方向となる周知のタンク構造である。そし
て、シートメタル1b、2bには偏平状のチューブ挿入
穴(図示せず)が多数個、図1の上下方向に1列または
複数列並んで形成されている。
【0022】熱交換用コア部3は暖房用空気の流れ方向
(図1の矢印E方向)に対して平行な偏平状に形成され
た偏平チューブ6を多数個図1の上下方向に並列に積層
配置している。そして、この多数個の偏平チューブ6相
互の間に波形状に成形されたコルゲートフィン(フィン
部材)7を配置し接合している。このコルゲートフィン
7には周知のごとく暖房用空気の流れ方向Eに対して所
定角度で斜めに多数のルーバ(図示せず)が切り起こし
成形されており、このルーバの成形によりフィン熱伝達
率を向上させている。
【0023】偏平チューブ6の両端開口部はシートメタ
ル1b、2bのチューブ挿入穴内にそれぞれ挿通され、
接合される。また、コア部3の最外側(図1の上下両端
部)のコルゲートフィン7のさらに外側にはサイドプレ
ート8a、8bが配設され、このサイドプレート8a、
8bは最外側のコルゲートフィン7およびシートメタル
1b、2bに接合される。
【0024】さらに、熱交換用コア部3の一部位に、偏
平チューブ6の代わりに、電気発熱体9を設置してい
る。図1の例では、熱交換用コア部3の4箇所(斜線
部)に電気発熱体9を等間隔で設置している。
【0025】そして、熱交換用コア部3のうち、電気発
熱体9が設置される部位では、隣接する両コルゲートフ
ィン7の各折り曲げ頂部の間に、偏平チューブ6の長手
方向に延びる断面二つ折り形状(U字形状)の保持板1
0を配置している。図2、図3に示すように、この保持
板10の折り曲げ部からなる閉塞端部10aが熱交換用
コア部3の空気入口側に向き、他端側の開口部10bが
熱交換用コア部3の空気出口側に向くように、保持板1
0の配置方向が設定されている。
【0026】また、保持板10は、その対向する両平板
部(板部材)10c、10d相互の間に所定間隔L1を
設定し、その状態で、これら両平板部10c、10dを
それぞれコルゲートフィン7の折り曲げ頂部に接合する
ようにしてある。そして、電気発熱体9を、保持板10
の両平板部10c、10d間に挿入して配置するように
なっている。
【0027】なお、保持板10のうち、一方の平板部1
0cの外面と他方の平板部10dとの間の長さ(保持板
10全体の厚さ)は、偏平チューブ6の厚さと略同一に
設定してある。このため、偏平チューブ6の代わりに保
持板10を隣接するコルゲートフィン7相互の間に設置
できる。
【0028】ところで、本例における熱交換器では、上
記各構成部品1〜8bのすべてがアルミニュウム(アル
ミニュウム合金も含む)にて成形されており、また、保
持板10も同様にアルミニュウムにて成形されている。
保持板10は板厚0.1〜0.5mm程度の金属薄板で
あり、また、当該保持板10の幅(通風空気の流れ方向
Eの幅)はコア部3厚さと略同一であり、また、保持板
10の長手方向の寸法(図1の左右方向の寸法)はシー
トメタル1b、2b間の寸法と略同一である。
【0029】電気発熱体9は、図2の斜線部に示す絶縁
弾性部材20に覆われた状態で、保持板10の両平板部
10c、10d間に開口部10bから挿入されて当該保
持板10の内部に保持される。これにより、電気発熱体
9は絶縁弾性部材20により電気的に絶縁された状態で
保持板10に保持される。以下に、電気発熱体9および
本発明の要部である絶縁弾性部材20の構造を詳述す
る。
【0030】電気発熱体9は図2および図3にて示す構
造になっている。この電気発熱体9は、円形板状の複数
個の発熱体素子9aと、この発熱体素子9aの表裏両面
に配置された細長の平板状の電極板9b、9cと、両電
極板9b、9cの間のうち発熱体素子9aの周面部分に
配置される樹脂枠9dとからなる3層のサンドウイッチ
構造を有している。そして、樹脂枠9dにより発熱体素
子9aは両電極板9b、9cの間に保持されるようにな
っている。
【0031】ここで、発熱体素子9aは所定の設定温度
(例えば、200℃付近)T0にて抵抗値が急増する正
の抵抗温度特性を有する抵抗体材料(例えば、チタン酸
バリウム)からなるPTC(Positive Temprature Coef
ficient)ヒータ素子であり、周知のごとく、その発熱
温度を設定温度T0に自己制御する自己温度制御機能を
備えている。この発熱体素子9aの板厚は1.0〜2.
0mm程度である。
【0032】発熱体素子9aの両電極板9b、9cはア
ルミニュウム、銅、ステンレス等の導電金属材から成形
されており、その板厚は0.1〜0.5mm程度であ
る。この両電極板9b、9cの長手方向の寸法(図1の
左右方向の寸法)は保持板10と略同一である。そし
て、この両電極板9b、9cの長手方向において発熱体
素子9aは複数箇所(図1の例では4箇所)配置されて
いる。発熱体素子9aと両電極板9b、9cは互いに圧
接することにより、両者間の電気的導通を得るようにし
てある。
【0033】そして、上記電極板9bは正極側電極板
(負極側電極板)であり、また、上記電極板9cは負極
側電極板(正極側電極板)であり、それぞれ外部回路と
の電気接続用の端子部9e、9fが一体成形されてい
る。この両端子部9e、9fは本例では熱交換用コア部
3の後方側(空気流れ方向Eの下流側)に突出してい
る。また、正極側電極板(負極側電極板)9bの端子部
9eは図1に示すように正極側電極板(負極側電極板)
9bの右側端部に形成され、負極側電極板(正極側電極
板)9cの端子部9fは負極側電極板(正極側電極板)
9cの左側端部に形成されている。また、図示しない
が、端子部9e、9fは、左右いずれかの同一方向に形
成されていてもよい。
【0034】なお、各電気発熱体9の電極板9b、9c
に一体成形された端子部9e、9fには、図示しない外
部制御回路が電気接続され、この外部制御回路を介して
車載電源から各電気発熱体9に通電されるようになって
いる。ここで、端子部9e、9fは一体成形でなく溶接
等により電極板9b、9cに接合してもよいことはもち
ろんである。
【0035】絶縁弾性部材20は、電気発熱体9と板部
材10a、10bとの間に配置され、電気発熱体9の電
極板9b、9cと板部材10a、10bとの間を電気的
に絶縁する絶縁機能と、弾性変形して電極板9b、9c
および板部材10a、10bと密着する弾性機能とを有
するものである。
【0036】具体的には、絶縁弾性部材20は、電気絶
縁性を有するとともに弾性変形可能な平板形状の弾性材
21と、弾性材21の面と同じ大きさの面を有し、電気
絶縁性を有する2枚の絶縁フィルム22、23とから構
成されており、弾性材21の両面を2枚の絶縁フィルム
22、23で挟んだ3層構造に形成されている。
【0037】そして、図2、図3に示すように、絶縁弾
性部材20は電気発熱体9の長手方向に延びており、断
面二つ折り形状(断面U字形状)に曲げられて、電気発
熱体9全体を覆うように接着剤等の接着手段により電気
発熱体9に接着されている。なお、図3は、弾性材21
が弾性変形していない自然状態を示している。
【0038】弾性材21および絶縁フィルム22、23
は、電気発熱体9の発熱に耐え得る程度の耐熱性を有す
る材質である。また、絶縁フィルム22、23は、弾性
材21に比べて表面硬度が高く、弾性材21に比べて摩
擦係数の小さい材質である。また、絶縁フィルム22、
23は、良好な熱伝導作用を確保するとともに、絶縁弾
性部材20の弾性変形機能を損なわないように、薄膜状
のフィルム(例えば厚さ50μm〜100μm)形状に
形成されている。また弾性材21の厚みは、平板部10
c、10d表面の凹凸に密着するのに十分な弾性変形量
を有する厚さ(弾性変形していない自然状態において例
えば0.2mm〜0.5mm)に形成されている。ま
た、前述のように電気発熱体9に接着されて弾性変形し
ていない自然状態の絶縁弾性部材20全体の厚みL2
(例えば1.4mm〜2.0mm)は、保持板10の平
板部10c、10d相互の間に所定間隔L1(例えば
1.1mm〜1.3mm)よりも大きくなるように設定
されている。よって、絶縁弾性部材20が接着された電
気発熱体9を保持板10内に配置した状態では、弾性材
21がチューブ6の積層方向(図1の上下方向)に弾性
変形する。
【0039】因みに、本実施形態では以上の条件を満足
する弾性材21の材質として、例えばシリコン系エラス
トマーやシリコン系ゴム等のシリコン樹脂を適用し、絶
縁フィルム22、23の材質として、例えばポリイミド
樹脂を適用している。
【0040】帯状の両締結部材12、13は、ステンレ
ス又はばね鋼に表面処理されたような耐食性に優れた金
属材料からなるもので、これら両締結部材12、13
は、図1にて示すごとく、熱交換用コア部3の空気入口
側の面および空気出口側の面の両方又は空気出口側のみ
に配置される。
【0041】両締結部材12、13はその両端に折り曲
げ形状からなる引掛け部を有しており、これら両締結部
材12、13は、その各両引掛け部を、上下のサイドプ
レート8a、8bの長手方向の中央部に形成された係止
溝部8c、8dに引掛けて、上下のサイドプレート8
a、8bの間に装着される。これら締結部材12、13
の装着により、熱交換用コア部3に対して、チューブ6
の積層方向(図1の上下方向)の締付け力を作用させ
る。この締付け力により電気発熱体9は絶縁弾性部材2
0を介して保持板10の両平板部10c、10d間に圧
接保持されている。なお、図1では、コア部3の幅方向
(図1の左右方向)の中央の1箇所のみに締結部材1
2、13を装着しているが、コア部3の幅方向の複数箇
所に両締結部材12、13を装着してもよいことはいう
までもない。
【0042】次に、上記構成において作動を説明する。
【0043】車室の暖房を行うときには、空調用送風フ
ァン(図示せず)が作動して、暖房用熱交換器Hのコア
部3の偏平チューブ6とコルゲートフィン7との間の空
隙部に矢印Eのように暖房用空気が通過する。一方、車
両用エンジンのウォータポンプ(図示せず)の作動によ
りエンジンからの温水(熱源流体)が入口パイプ4より
温水入口側タンク1内に流入する。
【0044】そして、温水は、入口側タンク1にて多数
本の偏平チューブ6に分配され、この偏平チューブ6を
並列に流れる間にコルゲートフィン7を介して暖房用空
気に放熱する。多数本の偏平チューブ6を通過した温水
は、温水出口側タンク2に流入し、ここで集合され、出
口パイプ5から温水は熱交換器外部へ流出し、エンジン
側に還流する。
【0045】一方、暖房時において、エンジンからの温
水の温度が設定温度(例えば、80℃)より低いとき
は、外部制御回路から両電極板9b、9cの端子部9
e、9f間に車載電源の電圧を加える。これにより、発
熱体素子9aが通電され発熱する。発熱体素子9aの発
熱は、電極板9b、9c、絶縁フィルム22、弾性材2
1、絶縁フィルム23、保持板10の平板部10c、1
0dを介して両側のコルゲートフィン7に伝導されて、
このコルゲートフィン7から暖房用空気に放熱される。
【0046】次に、上述の暖房用熱交換器Hの製造方法
を説明する。
【0047】まず、最初に図1に示す熱交換器構成を組
み付けるコア組付工程を行う。すなわち、熱交換用コア
部3のチューブ6とコルゲートフィン7を交互に積層す
るとともに、熱交換用コア部3のうち、電気発熱体9が
設置される部位(図1の4箇所の斜線部)では、隣接す
る両コルゲートフィン7の折り曲げ頂部の間に、チュー
ブ6の長手方向に延びる保持板10を配置する。
【0048】ここで、この保持板10の両平板部10
c、10dの間隔を所定間隔L1に保持するために、こ
の保持板10の内部に、この所定間隔L1の板厚を持っ
たダミー板(図示せず)を挿入する。
【0049】このダミー板は後述の一体ろう付けの工程
に対する耐熱性を有し、かつアルミニュウムろう付けさ
れない特性を持った材質(例えば、カーボン等)で形成
しておく。この組付工程で、タンク1、2、パイプ4、
5、およびサイドプレート8a、8bも組み付けること
はもちろんである。
【0050】次に、上述のごとく、組み付けた熱交換器
組付体の組付状態を図示しない適宜の治具により保持し
て、ろう付け炉内に搬入し、ろう付け工程を行う。すな
わち、ろう付け炉内で熱交換器組付体をろう付け温度
(600℃程度)に加熱して、熱交換器各部材のアルミ
ニウムクラッド材のろう材を溶融し、熱交換器組付体の
各部材間を一体ろう付けする。
【0051】ろう付け終了後に、熱交換器組付体をろう
付け炉から搬出し、常温まで熱交換器組付体の温度が低
下した後に、電気発熱体9の組付工程を行う。すなわ
ち、電気発熱体9はそれ単独で、熱交換器組付体とは別
に、板状の発熱体素子9aの表裏両面を平板状の電極板
9b、9cにより挟み込んで3層のサンドウイッチ構造
とし、電極板9b、9cの周囲を全周にわたって絶縁弾
性部材20により被覆しておく。
【0052】そして、熱交換器組付体の熱交換用コア部
3における4箇所の保持板10の内側に挿入されている
ダミー板を取り出す。この後に、保持板10の対向する
両平板部10c、10dの内側に形成される所定間隔L
1の空間に、開口部10bから閉塞端部10a側へ向か
って電気発熱体9を弾性体21を弾性変形させながら挿
入する。
【0053】この挿入後は、絶縁弾性部材20の弾性材
21は弾性変形して、絶縁弾性部材20を保持板10の
平板部10c、10dに密着させている。なお、図2に
示すように、平板部10cに凹み10eが生じている場
合であっても、弾性材21の弾性変形により、絶縁弾性
部材20は、電気発熱体9の電極板9b、9cおよび保
持板10の平板部10c、10dと密着するようになっ
ている。
【0054】そして、この電気発熱体9の組付の後に、
両締結部材12、13の各両端の引掛け部を上下のサイ
ドプレート8a、8bの係止溝部8c、8dに引掛け
て、上下のサイドプレート8a、8bの間に両締結部材
12、13を熱交換用コア部3が圧縮されるように装着
する。
【0055】これにより、電気発熱体9を保持板10の
内側に圧接保持させる締付け力を熱交換用コア部3に対
して作用させ得る。
【0056】次に、本実施形態の特徴を述べる。
【0057】電気発熱体9と保持板10との間を電気的
に絶縁する絶縁弾性部材20は、弾性変形して電気発熱
体9の電極板9b、9cおよび保持板10の平板部10
c、10dと密着するので、絶縁弾性部材20と保持板
10との間に従来のような隙間CL(図4参照)が形成
されてしまうことを防止できる。よって、電気発熱体9
から保持板10へ伝導される熱は、隙間CL内の空気を
介することなく絶縁弾性部材20のみを介して伝導され
るため、電気発熱体9から保持板10へ伝導される熱量
の減少を抑制でき、通風空気の加熱度合の減少を抑制で
きる。
【0058】また、弾性材21は絶縁フィルム22、2
3により覆われており、絶縁フィルム22、23は、弾
性材21に比べて表面硬度が高い材質であるので、弾性
材21は、絶縁フィルム22、23に保護されて、保持
板10と接触して損傷してしまうことを防止できる。ま
た、絶縁フィルム22、23は弾性材21に比べて摩擦
係数の小さい材質であるので、保持板10の所定間隔L
1の空間に電気発熱体9を挿入する挿入作業を容易にで
きる。
【0059】ところで、電気発熱体9と保持板10との
密着性を向上させるために、従来では、電気発熱体9の
厚さと保持板10の所定間隔L1の寸法を精度よく管理
する必要があり、また、締結部材12、13による熱交
換用コア部3への締付け力を精度よく管理する必要があ
った。
【0060】これに対し、本実施形態では、絶縁弾性部
材20は、弾性変形した状態で電気発熱体9および保持
板10と密着するように配置されているので、従来に比
べて、電気発熱体9の厚さL2および保持板10の所定
間隔L1の寸法の精度を低い精度で管理することができ
る。また、締結部材12、13による熱交換用コア部3
への締付け力を低減することができるため、締付け力の
精度を低い精度で管理でき、また、締結部材12、13
の板厚を薄くできる等、締付けのための構造を簡易にす
ることができる。
【0061】(他の実施形態)上述の実施形態では、保
持板10を、両平板部(板部材)10c、10dとこれ
らを連結する閉塞端部10aとから構成して断面U字形
状に形成しているが、閉塞端部10aを廃止して、2枚
の平板部(板部材)10c、10dのみから保持板10
を構成するようにしてもよい。
【0062】また、上述の実施形態では、絶縁弾性部材
20は断面二つ折り形状(断面U字形状)に曲げられ
て、電気発熱体9全体を覆うようになっているが、電気
発熱体9のうち少なくとも両電極板9b、9cの表面を
覆うようになっていればよく、断面U字形状を廃止し
て、両電極板9b、9cをそれぞれ覆う2枚の平板形状
の絶縁弾性部材20を用いるようにしてもよい。
【0063】また、上述の実施形態では、絶縁弾性部材
20を構成する1枚の弾性材21および2枚の絶縁フィ
ルム22、23のうち、3枚いずれもが絶縁性を有する
材質で形成されているが、3枚のうちいずれか1枚が少
なくとも絶縁性を有する材質であれば本発明を適用でき
る。
【0064】また、上述の実施形態では、絶縁弾性部材
20を、1枚の弾性材21とその両面を覆う2枚の絶縁
フィルム22、23から構成しているが、弾性材21の
片面のみを覆うようにして、2枚の絶縁フィルム22、
23のうちいずれか一方を廃止するようにしてもよい
し、弾性材21に絶縁性を有する材質を適用すれば、2
枚の絶縁フィルム22、23を廃止するようにしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す暖房用熱交換器の斜
視図である。
【図2】図1の電気発熱体設置部の拡大斜視図である。
【図3】図2の電気発熱体の断面図である。
【図4】従来の暖房用熱交換器を示し、(a)は電気発
熱体設置部の拡大斜視図であり、(b)は電気発熱体の
断面図である。
【符号の説明】
3…熱交換用コア部、10…保持板、10c、10d…
平板部、9…電気発熱体、9a…発熱体素子、9b、9
c…電極板、9d…樹脂枠、20…絶縁弾性部材、21
…弾性材、22、23…絶縁フィルム。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を流通する熱源流体と通風空気との
    間で熱交換する熱交換用コア部(3)の一部に配置さ
    れ、互いに向かい合う2枚の板部材(10c、10d)
    と、 前記2枚の板部材(10c、10d)の間に挟まれて保
    持され、通電により発熱して前記通風空気を加熱する電
    気発熱体(9)と、 前記電気発熱体(9)と前記板部材(10c、10d)
    との間に配置され、前記電気発熱体(9)および前記板
    部材(10c、10d)と密着する弾性変形可能な電気
    絶縁材からなる絶縁弾性部材(20)とを備えることを
    特徴とする暖房用熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記絶縁弾性部材(20)は、弾性変形
    可能な弾性材(21)と、電気絶縁材からなる絶縁フィ
    ルム(22、23)とから構成されていることを特徴と
    する請求項1に記載の暖房用熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記弾性材(21)の両面を前記絶縁フ
    ィルム(22、23)で覆うようにしたことを特徴とす
    る請求項2に記載の暖房用熱交換器。
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