JPH11301249A - 暖房用熱交換器 - Google Patents

暖房用熱交換器

Info

Publication number
JPH11301249A
JPH11301249A JP10502598A JP10502598A JPH11301249A JP H11301249 A JPH11301249 A JP H11301249A JP 10502598 A JP10502598 A JP 10502598A JP 10502598 A JP10502598 A JP 10502598A JP H11301249 A JPH11301249 A JP H11301249A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
electric heating
heating element
heat exchanger
holding plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10502598A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Sato
広之 佐藤
Mitsugi Nakamura
貢 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP10502598A priority Critical patent/JPH11301249A/ja
Publication of JPH11301249A publication Critical patent/JPH11301249A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温水の低温時に、電気発熱体の発熱量による
暖房効果を向上する。 【解決手段】 車室内に吹き出される空気を加熱する、
温水熱源の熱交換用コア部3に、電気発熱体9を一体に
組み込む。熱交換用コア部3の多数本の偏平チューブ6
のうち、電気発熱体9に最も隣接するチューブ60と、
電気発熱体9に隣接配置されて電気発熱体9からの熱が
伝導されるコルゲートフィン70との間に、保持板14
により保持された断熱材15を配置する。これにより、
電気発熱体9の熱が隣接する偏平チューブ60内の低温
の温水に吸熱されるのを効果的に抑制できる。従って、
電気発熱体9による暖房即効性を効果的に発揮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気発熱体を一体化
した暖房用熱交換器に関するもので、車両エンジン(内
燃機関)にて加熱された温水(エンジン冷却水)を熱源
として空気を加熱する車両暖房用熱交換器に用いて好適
である。
【0002】
【従来の技術】近年、車両エンジンの高効率化に伴い、
エンジン暖機後においても車両エンジンの冷却水(温
水)温度が十分上昇せず、従前に比して低めの温度とな
る傾向にある。そのため、エンジン冷却水からの廃熱を
利用して車室内の暖房を行う温水式空調装置において
は、暖房能力不足が課題になっている。
【0003】そこで、特開平5−69732号公報等で
は、温水式の暖房用熱交換器に電気発熱体を一体化し、
温水温度が低いときには電気発熱体に通電して、電気発
熱体の発熱により暖房空気を加熱することにより、暖房
能力の不足を解消するものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術では、車両エンジンの始動直後のように温水の低温時
には、暖房即効性の向上のために、電気発熱体の最大能
力を必要とするのであるが、暖房用熱交換器に電気発熱
体が一体化されているので、電気発熱体の発熱量の一部
が暖房用熱交換器内を流通する低温の温水に奪われてし
まい、電気発熱体の発熱量により暖房空気を効率良く加
熱することができない。
【0005】その結果、暖房空気の車室内への吹出空気
温度が十分上昇せず、電気発熱体による暖房即効性を効
果的に発揮できないという不具合がある。本発明は上記
点に鑑みてなされたもので、電気発熱体の発熱量による
暖房効果を向上することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】電気発熱体の発熱量の一
部が暖房用熱交換器内を流通する低温の温水に奪われて
しまうことが電気発熱体の発熱量を暖房のために有効利
用できない原因になっている点に着目して、請求項1〜
8記載の発明では、電気発熱体(9)に最も隣接して配
置されるチューブ(60)への熱伝導経路に断熱手段
(14、15、16)を付加することにより、上記目的
を達成しようとするものである。
【0007】すなわち、請求項1記載の発明では、熱交
換用コア部(3)の多数本のチューブ(6)のうち、電
気発熱体(9)に最も隣接するチューブ(60)と、電
気発熱体(9)に隣接配置されて前記電気発熱体(9)
からの熱が伝導されるフィン手段(70)との間に、断
熱手段(14、15、16)を配置したことを特徴とし
ている。
【0008】これによると、電気発熱体(9)に隣接す
るチューブ(60)内の低温の熱源流体に電気発熱体
(9)の熱が吸熱されるのを断熱手段(14、15、1
6)により効果的に抑制できる。そのため、電気発熱体
(9)の熱で効率よく暖房空気を加熱でき、電気発熱体
による暖房即効性を効果的に発揮できる。請求項2記載
の発明では、電気発熱体(9)に隣接配置されるフィン
手段(70)と、電気発熱体(9)に最も隣接するチュ
ーブ(60)に接合されるフィン手段(7)との間に、
断熱手段(14、15、16)を配置することを特徴と
している。
【0009】これによると、電気発熱体(9)と、電気
発熱体(9)に最も隣接するチューブ(60)との間
に、フィン手段(70、)と断熱手段(14、15、1
6)とフィン手段(7)とが介在するので、チューブ
(60)内の低温の熱源流体に電気発熱体(9)の熱が
吸熱されるのをより確実に抑制できる。断熱手段は、請
求項3記載の発明のごとく金属製の保持板(14)と、
この保持板(14)により保持される断熱材(15)と
を用いて構成できる。
【0010】また、断熱手段は、請求項4記載の発明の
ごとく金属製の保持板(14)により形成される空隙部
(14′)を用いて構成してもよい。請求項3、4記載
の発明における保持板(14)は、具体的には、請求項
5記載のごとく1枚の金属板を折り曲げ形成した断面U
状の形状とすることができる。
【0011】さらに、断熱手段は、請求項6記載の発明
のごとくチューブ(6、60)と同一形状のチューブの
両端を閉塞した閉塞チューブ部材(16)により構成す
ることができる。これによると、断熱手段を既存のチュ
ーブを用いて低コストで容易に製造できる。
【0012】請求項6の閉塞チューブ部材(16)は、
具体的には、請求項7記載のごとく別体で形成された蓋
部材(16a)により両端部を閉塞したり、あるいは、
請求項8記載のように両端部を押し潰すことにより閉塞
してもよい。なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。 (第1実施形態)図1〜図3は本発明を適用した車両暖
房用熱交換器の第1実施形態を示すもので、図1におい
て、暖房用熱交換器Hは、温水入口側タンク1と、温水
出口側タンク2と、この両タンク1、2の間に設けられ
た熱交換用コア部3とを有している。
【0014】温水入口側タンク1には図示しない車両エ
ンジンからの温水(エンジン冷却水)が流入する入口パ
イプ4が設けられ、温水出口側タンク2には温水を外部
へ流出させ、エンジン側に還流させる出口パイプ5が設
けられている。なお、本例の熱交換器は図1に示すよう
に左右対称形であるので、温水入口側タンク1と温水出
口側タンク2とを左右逆転してもよい。
【0015】各タンク1、2はそれぞれタンク本体部1
a、2aと、このタンク本体部1a、2aの開口端面を
閉じるシートメタル1b、2bとからなり、図1の上下
方向が長手方向となる周知のタンク構造である。そし
て、シートメタル1b、2bには偏平状のチューブ挿入
穴(図示せず)が多数個、図1の上下方向に1列または
複数列並んで形成されている。
【0016】熱交換用コア部3は暖房用空気の流れ方向
Aに対して平行な断面偏平状に形成された偏平チューブ
6、60を多数本図1の上下方向に並列配置している。
そして、この多数個の偏平チューブ6、60相互の間に
波形状に成形されたコルゲートフィン(フィン部材)
7、70を配置し接合している。このコルゲートフィン
7、70には周知のごとく暖房用空気の流れ方向Aに対
して所定角度で斜めに多数のルーバ7a(図3)が切り
起こし成形されており、このルーバ7aの成形によりフ
ィン熱伝達率を向上させている。
【0017】偏平チューブ6、60の両端開口部はシー
トメタル1b、2bのチューブ挿入穴内にそれぞれ挿通
され、接合される。また、コア部3の最外側(図1の上
下両端部)のコルゲートフィン7のさらに外側にはサイ
ドプレート8a、8bが配設され、このサイドプレート
8a、8bは最外側のコルゲートフィン7およびシート
メタル1b、2bに接合される。
【0018】さらに、熱交換用コア部3の一部の部位
に、偏平チューブ6、60の代わりに、電気発熱体9を
設置している。図1の例では、熱交換用コア部3の4箇
所(斜線部)に電気発熱体9を等間隔で設置している。
なお、偏平チューブ60およびコルゲートフィン70
は、電気発熱体9に最も隣接するチューブ、フィンであ
る。
【0019】そして、熱交換用コア部3のうち、電気発
熱体9が設置される部位では、隣接するコルゲートフィ
ン70の折り曲げ頂部の間に、偏平チューブ6、60の
長手方向に延びる断面U字状の保持板10を配置してい
る。図2、3に示すように、この保持板10のU字状曲
げ形状からなる閉塞端部10aが熱交換用コア部3の空
気入口側に向き、他端側の開口部10bが熱交換用コア
部3の空気出口側に向くように、保持板10の配置方向
が設定されている。
【0020】また、保持板10は、その対向する2つの
板面10c、10d相互の間に所定間隔を設定し、その
状態で、この2つの板面10c、10dをそれぞれコル
ゲートフィン70の折り曲げ頂部に接合するようにして
ある。電気発熱体9は、開口部10bから保持板10の
内部に挿入されて保持される。ここで、電気発熱体9は
保持板10に対して後述の構造により電気的に絶縁して
保持される。
【0021】なお、保持板10の全体の厚さは、偏平チ
ューブ6、60の厚さと同一に設定してあるので、偏平
チューブ6、60の代わりに保持板10を隣接するコル
ゲートフィン70相互の間に設置できる。 ところで、本
例における熱交換器では、上記各構成部品1〜8bのす
べてがアルミニュウム(アルミニュウム合金も含む)に
て成形されており、また、断面U字状の保持板10も同
様にアルミニュウムにて成形されている。保持板10の
幅(暖房空気の流れ方向Aの幅)はコア部厚さと略同一
であり、また、保持板10の長手方向の寸法(図1の左
右方向の寸法)はシートメタル1b、2b間の寸法と略
同一である。
【0022】電気発熱体9は図2に示す構造になってお
り、板状の発熱体素子9aと、この発熱体素子9aの表
裏両面に配置された細長の平板状の電極板9b、9cと
からなる3層のサンドウイッチ構造になっている。そし
て、この電極板9b、9cの周囲を全周にわたって電気
的絶縁材料からなる被覆部材9dにより被覆している。
ここで、発熱体素子9aは所定の設定温度(例えば、2
00°C付近)T0 にて抵抗値が急増する正の抵抗温度
特性を有する抵抗体材料(例えば、チタン酸バリウム)
からなるPTCヒータ素子である。
【0023】発熱体素子9aの両電極板9b、9cはア
ルミニュウム、銅、ステンレス等の導電金属材から成形
されており、この両電極板9b、9cの長手方向の寸法
(図1の左右方向の寸法)は保持板10と略同一であ
る。そして、この両電極板9b、9cの長手方向におい
て発熱体素子9aは複数箇所(例えば、4箇所)配置さ
れている。発熱体素子9aと両電極板9b、9cは互い
に圧接することにより、両者間の電気的導通を得るよう
にしてある。
【0024】被覆部材9dが保持板10の板面10c、
10dの内側面に圧接するようにして、電気発熱体9は
保持板10の内部に組み付けられる。ここで、被覆部材
9dは保持板10と両電極板9b、9cとの間の電気的
な絶縁作用を果たすものであるが、被覆部材9dは厚さ
25〜100μ程度の薄膜状のものであるので、電気発
熱体9の発熱は被覆部材9dを経て保持板10に良好に
伝導される。被覆部材9dの具体的材質としては、高耐
熱性の樹脂(例えば、ポリイミド樹脂等)が好ましい。
【0025】上記電極板9bは正極側電極板であり、ま
た、上記電極板9cは負極側電極板であり、それぞれ外
部回路との電気接続用の端子部9e、9f(図1)が一
体成形されている。この両端子部9e、9fは本例では
熱交換用コア部3の後方側(空気流れ方向Aの下流側)
に突出している。なお、端子部9e、9fには、図示し
ない外部制御回路が電気接続され、この外部制御回路を
介して車載電源から各電気発熱体9に通電されるように
なっている。
【0026】12、13はステンレスのような耐食性に
優れた金属材料からなる締結(バンド)部材であって、
熱交換用コア部3の空気入口側の面および空気出口側の
面の両方に配置される。締結部材12、13はその両端
に折り曲げ形状からなる引掛け部を有しており、この引
掛け部を上下のサイドプレート8a、8bの長手方向の
中央部に形成された係止溝部8c、8dに引掛けて、上
下のサイドプレート8a、8bの間に装着する。この締
結部材12、13の装着により、電気発熱体9を保持板
10の板面10c、10d間に圧接保持させる締付け力
を熱交換用コア部3に対して作用させることができる。
【0027】次に、熱交換用コア部3において、第1実
施形態による断熱手段の具体例を図3について説明する
と、熱交換用コア部3は本例では暖房用空気の流れ方向
Aに対して偏平チューブ6を1列のみ配置した構成とな
っている。そして、多数本のチューブ6のうち、電気発
熱体9に最も隣接するチューブ60、60と、電気発熱
体9に隣接配置されて電気発熱体9からの熱が保持板1
0を介して伝導されるコルゲートフィン70、70との
間に断熱手段(14、15)を配置している。すなわ
ち、図3に示す例では、断熱手段として、金属製の保持
板14により保持された断熱材15を用いている。
【0028】この保持板14は、電気発熱体9の保持板
10と同材質で同一形状(断面U字状)に成形され、同
一部分(14a〜14d)を有している。ここで、保持
板10、14の具体的材質例を説明すると、アルミニウ
ム芯材(例えば、A3103)の片面にろう材(例え
ば、A4045)をクラッドした片面クラッド材を用
い、ろう材が外側面となるようにクラッド材をU字形状
に曲げ加工したものである。
【0029】なお、保持板14の板厚は例えば、0.1
mm以上、U字形状の全体の厚さは例えば、0.7mm
以上、U字形状の内側空間の厚さは例えば、0.5mm
以上とする。そして、この保持板14の内側空間にて平
板状の断熱材15を保持している。この断熱材15とし
ては断熱作用を持つ種々な断熱材を使用できるが、比較
的、耐熱性、断熱性等に優れた樹脂(例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等)が好ましい。
【0030】なお、図3では、1箇所の電気発熱体9部
分のみを示しているが、他の3箇所の電気発熱体9部分
においても、上記保持板14と断熱材15との組み合わ
せからなる断熱手段を同様に配置している。但し、図1
では、コア部の図示構造簡略化のために、上記断熱手段
(14、15)の図示を省略している。また、コルゲー
トフィン70、70の山高さ(図3左右方向の高さ寸
法)は、他のコルゲートフィン7と同じであるので、コ
ルゲートフィン70、70とチューブ60、60との間
に、保持板14と断熱材15とからなる断熱手段が介在
されることにより、電気発熱体9とチューブ60、60
との間隔は、断熱手段の厚さ分だけ、他のチューブ6同
志の間隔よりも大きくなる。
【0031】次に、上記した暖房用熱交換器Hの製造方
法を説明すると、まず、最初に図1に示す熱交換器構成
を組み付けるコア組付工程を行う。すなわち、熱交換用
コア部3の偏平チューブ6とコルゲートフィン7を交互
に積層するとともに、熱交換用コア部3のうち、電気発
熱体9が設置される部位(図1の4箇所の斜線部)で
は、隣接するコルゲートフィン70、70の折り曲げ頂
部の間に、偏平チューブ6の長手方向に延びる断面U字
状の保持板10を配置する。
【0032】また、電気発熱体9の両隣のコルゲートフ
ィン70、70と偏平チューブ60、60との間にも断
面U字状の保持板14を配置する。そして、上記保持板
10の対向する2つの板面10c、10dの間隔、およ
び上記保持板14の対向する2つの板面14c、14d
の間隔をそれぞれ所定間隔に保持するために、この保持
板10、14の内部に、それぞれ上記所定間隔の板厚を
持ったダミー板(治具、図示せず)を挿入する。
【0033】このダミー板は後述の一体ろう付けの工程
に対する耐熱性を有し、かつアルミニュウムろう付けさ
れない特性を持った材質(例えば、カーボン等)で形成
しておく。この組付工程で、タンク1、2、パイプ4、
5、およびサイドプレート8a、8bも組み付けること
はもちろんである。次に、上記のごとくして組み付けた
熱交換器組付体の組付状態を図示しない適宜の治具によ
り保持して、ろう付け炉内に搬入し、ろう付け工程を行
う。すなわち、ろう付け炉内で熱交換器組付体をろう付
け温度(600°C程度)に加熱して、熱交換器各部材
のアルミニウムクラッド材のろう材を溶融し、熱交換器
組付体の各部材間を一体ろう付けする。
【0034】このろう付け工程において、電気発熱体9
の保持板10はその両隣のコルゲートフィン70、70
にろう付けされ、また、断熱材15の保持板14はコル
ゲートフィン70、70と偏平チューブ60、60にろ
う付けされる。ろう付け終了後に、熱交換器組付体をろ
う付け炉から搬出し、常温まで熱交換器組付体の温度が
低下した後に、電気発熱体9の組付工程を行う。すなわ
ち、電気発熱体9はそれ単独で、熱交換器組付体とは別
に、板状の発熱体素子9aの表裏両面を平板状の電極板
9b、9cにより挟み込んで3層のサンドウイッチ構造
とし、電極板9b、9cの周囲を全周にわたって被覆部
材9dにより被覆しておく。
【0035】そして、熱交換器組付体の熱交換用コア部
3における4箇所の保持板10の内側に挿入されている
ダミー板を取り出す。この後に、保持板10の対向する
2つの板面10c、10dの内側に形成される所定間隔
の空間に、開口部10bから閉塞端部10a側へ向かっ
て電気発熱体9を挿入する。このとき、被覆部材9dが
保持板10に圧接するようにして、電気発熱体9を保持
板10内に組み付ける。
【0036】同様に、各電気発熱体9の両隣に位置する
合計8箇所の保持板14の内側に挿入されているダミー
板も取り出して、保持板14の内側空間に、開口部14
bから閉塞端部14a側へ向かって平板状の断熱材15
を挿入する。この電気発熱体9および断熱材15の組付
後に、締結部材12、13の両端の引掛け部を上下のサ
イドプレート8a、8bの係止溝部8c、8dに引掛け
て、上下のサイドプレート8a、8bの間に締結部材1
2、13を熱交換用コア部3が圧縮されるように装着す
る。
【0037】これにより、電気発熱体9および断熱材1
5を保持板10、14の内側に圧接保持させる締付け力
を熱交換用コア部3に対して作用させ、電気発熱体9お
よび断熱材15を保持板10、14の内側に確実に保持
固定できる。また、同時に、電気発熱体9の内部におい
て、発熱体素子9aの表裏両面が平板状の電極板9b、
9cに確実に圧接するので、小さな接触抵抗で良好な電
気導通状態が得られる。
【0038】次に、上記構成において作動を説明する。
車室の暖房を行うときには、図示しない空調用送風ファ
ンが作動して、暖房用熱交換器Hのコア部3の偏平チュ
ーブ6、60とコルゲートフィン7、70との間の空隙
部に矢印Aのように暖房用空気が通過する。一方、車両
用エンジンのウォータポンプ(図示せず)の作動により
エンジンからの温水(熱源流体)が入口パイプ4より温
水入口側タンク1内に流入する。
【0039】そして、温水は、入口側タンク1にて多数
本の偏平チューブ6、60に分配され、この偏平チュー
ブ6、60を並列に流れる間にコルゲートフィン7、7
0を介して暖房用空気に放熱する。多数本の偏平チュー
ブ6、60を通過した温水は、温水出口側タンク2に流
入し、ここで集合され、出口パイプ5から温水は熱交換
器外部へ流出し、エンジン側に還流する。
【0040】一方、暖房能力を最大に設定する最大暖房
時において、エンジンからの温水の温度が設定温度(例
えば、80°C)より低いときは、外部制御回路から両
電極板9b、9cの端子部9e、9f間に車載電源の電
圧を加える。これにより、発熱体素子9aが通電され発
熱する。発熱体素子9aの発熱は電極板9b、9c、被
覆部材9d、保持板10を経て、両隣のコルゲートフィ
ン70、70に伝導されて、このコルゲートフィン7
0、70から暖房用空気に放熱される。
【0041】しかも、電気発熱体9の両隣の偏平チュー
ブ60、60と両隣のコルゲートフィン70、70との
間には、保持板14により保持された断熱材15を介在
しているから、電気発熱体9の熱が両隣のコルゲートフ
ィン70、70から両隣の偏平チューブ60、60内の
低温の温水に伝導することを断熱材15にて良好に防止
できる。
【0042】このため、電気発熱体9の熱を両隣のコル
ゲートフィン70、70から暖房用空気に対して効果的
に放熱できるので、温水の低温時でも、電気発熱体9の
発熱によって暖房空気を速やかに加熱して即効暖房を行
うことができる。なお、電気発熱体9の発熱体素子9a
は所定の設定温度T0 にて抵抗値が急増する正の抵抗温
度特性を有するPTC素子であるから、周知のごとく、
その発熱温度を設定温度T0 に自己制御する自己温度制
御機能を備えている。
【0043】また、図3において、熱交換用コア部3の
吹出側の矢印A1 は電気発熱体9の両隣のコルゲートフ
ィン70、70により加熱された高温の温風を示し、矢
印A 2 は、低温の温水が流れる偏平チューブ6に接合さ
れたコルゲートフィン7の部位を通過した低温の温風を
示す。 (第2実施形態)図4は第2実施形態を示もので、上記
の第1実施形態では、電気発熱体9の保持板10に接合
される両隣のコルゲートフィン70、70と、電気発熱
体9に最も隣接する偏平チューブ60、60との間に、
保持板14と断熱材15とからなる断熱手段を配置して
いるので、この断熱手段の保持板14が偏平チューブ6
0、60に接合される構成になっているが、第2実施形
態では、断熱手段の設置部位における偏平チューブ6
0、60を廃止して、断熱手段の保持板14を電気発熱
体9両隣のコルゲートフィン70、70と、その側方に
位置するコルゲートフィン7、7(すなわち、電気発熱
体9に最も隣接する偏平チューブ60、60に接合され
るコルゲートフィン7、7)との間に配置し、接合して
いる。
【0044】第2実施形態によると、断熱手段の設置部
位における偏平チューブ60、60を廃止し、電気発熱
体9と、これに最も隣接する偏平チューブ60、60と
の間に、コルゲートフィン70、70と、保持板14お
よび断熱材15からなる断熱手段と、コルゲートフィン
7、7とが介在するので、電気発熱体9から偏平チュー
ブ60、60内の低温温水への熱伝導をより確実に防止
できる。
【0045】(第3実施形態)図5は第3実施形態を示
もので、第1実施形態(図3)における保持板14の内
側空間で保持される断熱材15を廃止したものである。
このようにしても、保持板14の内側空隙部14′の断
熱作用にて電気発熱体9から偏平チューブ60、60内
の低温温水への熱伝導を防止できる。
【0046】(第4実施形態)図6は第4実施形態を示
もので、第2実施形態(図4)における保持板14の内
側空間で保持される断熱材15を廃止したものである。
このようにしても、保持板14の内側空隙部14′の断
熱作用にて電気発熱体9から偏平チューブ60、60内
の低温温水への熱伝導を防止できる。
【0047】(第5実施形態)図7は第5実施形態を示
もので、第2実施形態(図4)および第4実施形態(図
6)による断熱手段を偏平チューブを利用して構成して
いる。すなわち、電気発熱体9両隣のコルゲートフィン
70、70と、その側方に位置するコルゲートフィン
7、7との間に、断熱用閉塞チューブ部材16を配置し
ている。この閉塞チューブ部材16の両端部には、これ
と別体で形成された蓋部材16aを嵌着し、閉塞チュー
ブ部材16の両端部に蓋部材16aを接合(ろう付け)
することにより、閉塞チューブ部材16の両端部を閉塞
している。
【0048】閉塞チューブ部材16の両端部は他の偏平
チューブ6、60と同様に、タンク1、2のシートメタ
ル1b、2bのチューブ挿入穴内に挿通され、接合され
る。しかし、第5実施形態によると、閉塞チューブ部材
16の内部はタンク1、2内の温水雰囲気から遮断さ
れ、空隙部を維持しているので、閉塞チューブ部材16
が断熱手段としての役割を果たすことができる。
【0049】しかも、閉塞チューブ部材16は基本的に
は他の偏平チューブ6、60と同一部材を用いて形成で
きるので、比較的低コストで製造できる。 (第6実施形態)図8は第6実施形態を示もので、上記
第5実施形態の変形であり、蓋部材16aを廃止して、
その代わりに閉塞チューブ部材16の両端部を押し潰す
ように絞り加工を行って、閉塞チューブ部材16の両端
部に絞り閉塞部16bを形成したものである。このよう
にすれば、閉塞チューブ部材16の製造コストをより一
層低減できる。
【0050】(他の実施形態) 上記の各実施形態では、いずれも、電気発熱体9の左
右両隣の偏平チューブ60、60に対する断熱手段を設
けているが、電気発熱体9の左右両隣の偏平チューブ6
0、60のうち、片側の偏平チューブ60のみに断熱手
段を設けるようにしてもよい。
【0051】上記第5、第6実施形態の変形例とし
て、閉塞チューブ部材16の長さを他の偏平チューブ
6、60よりも短くして、閉塞チューブ部材16の両端
部をタンク1、2のシートメタル1b、2bの外面側
(空気側の面)に接合するようにしてもよい。 上記の各実施形態では、熱交換用コア部3において、
偏平チューブ6、60を暖房用空気の流れ方向Aに1列
のみ配置しているが、暖房用空気の流れ方向Aに偏平チ
ューブ6、60を2列配置するものも周知であり、この
ようなコア部3を持つ熱交換器に対しても本発明は適用
できる。
【0052】この場合、熱交換用コア部3の一部におい
て、空気流れ方向Aの上流側に位置する1列の偏平チュ
ーブ6の代わりに電気発熱体9を配置してもよく、ま
た、空気流れ方向Aに沿って配置される2列の偏平チュ
ーブ6の代わりに電気発熱体9を配置してもよい。そし
て、この場合も、電気発熱体9に隣接する偏平チューブ
60、60に対する断熱手段を設ければよい。
【0053】上記の各実施形態では、熱交換用コア部
3を温水が流れる偏平チューブ6、60と、これに接合
されるコルゲートフィン7、70との組み合わせで構成
しているが、これに限らず、丸チューブとプレートフィ
ンとの組み合わせ等からなる熱交換用コア部3に対して
も本発明を適用できる。 暖房用熱交換器Hに電気発熱体9を一体化する場合に
電気発熱体9の設置形態を図1の形態に限らず、暖房用
熱交換器Hの仕様の変化等に対応して種々変更し得るこ
とはもちろんである。
【0054】暖房用熱交換器Hに循環する熱源流体と
しては、温水に限らず、エンジンオイル等の油類であっ
てもよいことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する暖房用熱交換器全体の斜視図
である。
【図2】図1の電気発熱体設置部の拡大斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示す熱交換用コア部の
要部拡大斜視図である。
【図4】第2実施形態を示す熱交換用コア部の要部拡大
斜視図である。
【図5】第3実施形態を示す熱交換用コア部の要部拡大
斜視図である。
【図6】第4実施形態を示す熱交換用コア部の要部拡大
斜視図である。
【図7】第5実施形態を示す熱交換用コア部の要部拡大
斜視図である。
【図8】第6実施形態を示す熱交換用コア部の要部拡大
斜視図である。
【符号の説明】
3…熱交換用コア部、6、60…偏平チューブ、7、7
0…コルゲートフィン、9…電気発熱体、14…保持
板、15…断熱材、16…閉塞チューブ部材。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源流体が流通する多数本のチューブ
    (6)と、この多数本のチューブ(6)に伝熱関係に組
    付けられるフィン手段(7)とにより熱交換用コア部
    (3)が構成されており、 この熱交換用コア部(3)の一部の部位に電気発熱体
    (9)を設置する暖房用熱交換器において、 前記多数本のチューブ(6)のうち、前記電気発熱体
    (9)に最も隣接するチューブ(60)と、前記電気発
    熱体(9)に隣接配置されて前記電気発熱体(9)から
    の熱が伝導されるフィン手段(70)との間に、断熱手
    段(14、15、16)を配置したことを特徴とする暖
    房用熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記電気発熱体(9)に隣接配置される
    フィン手段(70)と、前記電気発熱体(9)に最も隣
    接するチューブ(60)に接合されるフィン手段(7)
    との間に、前記断熱手段(14、15、16)が配置さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の暖房用熱交
    換器。
  3. 【請求項3】 前記断熱手段は、金属製の保持板(1
    4)と、この保持板(14)により保持される断熱材
    (15)とを包含していることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の暖房用熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記断熱手段は、金属製の保持板(1
    4)により形成される空隙部(14′)であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の暖房用熱交換器。
  5. 【請求項5】 前記保持板(14)は、1枚の金属板を
    折り曲げ形成した断面U状の形状からなることを特徴と
    する請求項3または4に記載の暖房用熱交換器。
  6. 【請求項6】 前記断熱手段は、前記チューブ(6、6
    0)と同一形状のチューブの両端を閉塞した閉塞チュー
    ブ部材(16)により構成されていることを特徴とする
    請求項1または2に記載の暖房用熱交換器。
  7. 【請求項7】 前記閉塞チューブ部材(16)は、別体
    で形成された蓋部材(16a)により両端部を閉塞して
    いることを特徴とする請求項6に記載の暖房用熱交換
    器。
  8. 【請求項8】 前記閉塞チューブ部材(16)は、その
    両端部を押し潰すことにより閉塞していることを特徴と
    する請求項6に記載の暖房用熱交換器。
JP10502598A 1998-04-15 1998-04-15 暖房用熱交換器 Pending JPH11301249A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10502598A JPH11301249A (ja) 1998-04-15 1998-04-15 暖房用熱交換器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10502598A JPH11301249A (ja) 1998-04-15 1998-04-15 暖房用熱交換器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11301249A true JPH11301249A (ja) 1999-11-02

Family

ID=14396512

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10502598A Pending JPH11301249A (ja) 1998-04-15 1998-04-15 暖房用熱交換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11301249A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040007808A (ko) * 2002-07-11 2004-01-28 한라공조주식회사 열교환기
JP2007182206A (ja) * 2005-12-06 2007-07-19 Denso Corp 加熱用熱交換器および空調装置
KR100864842B1 (ko) 2002-08-07 2008-10-23 한라공조주식회사 난방용 열교환기
KR100981817B1 (ko) 2003-08-29 2010-09-13 자화전자 주식회사 자동차 공조장치용 전열히터

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040007808A (ko) * 2002-07-11 2004-01-28 한라공조주식회사 열교환기
KR100864842B1 (ko) 2002-08-07 2008-10-23 한라공조주식회사 난방용 열교환기
KR100981817B1 (ko) 2003-08-29 2010-09-13 자화전자 주식회사 자동차 공조장치용 전열히터
JP2007182206A (ja) * 2005-12-06 2007-07-19 Denso Corp 加熱用熱交換器および空調装置
US7931074B2 (en) 2005-12-06 2011-04-26 Denso Corporation Heat exchanger and air conditioner

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0857922B1 (en) Core unit of heat exchanger having electric heater
JP3794116B2 (ja) 暖房用熱交換器
US6178292B1 (en) Core unit of heat exchanger having electric heater
US5057672A (en) Radiator having ptc electric resistance heating elements and spring-biased fin arrangement
KR101903492B1 (ko) 배터리 온도 조절 시스템 및 배터리 온도 조절 유닛
JP2000264042A (ja) 車両用空調装置
US20230271479A1 (en) Electric fluid heater
JP2005526223A (ja) 特に自動車暖房または空調装置用の熱交換器
WO2022022981A1 (en) Electric fluid heater
JP3812031B2 (ja) 車両暖房用熱交換器
JPH11301249A (ja) 暖房用熱交換器
JP4168503B2 (ja) 暖房用熱交換器
JP3855507B2 (ja) 暖房用熱交換器
JP2002029249A (ja) 暖房用熱交換器
JPH11151926A (ja) 暖房用熱交換器
JP3812045B2 (ja) 暖房用熱交換器
JP2000229514A (ja) 暖房用熱交換器
JP3794117B2 (ja) 暖房用熱交換器
JPH11129734A (ja) 暖房用熱交換器
JPH11217019A (ja) 暖房用熱交換器
JPH1191343A (ja) 暖房用熱交換器
KR100864842B1 (ko) 난방용 열교환기
EP4215834A1 (en) Electric fluid heater
JPH1142930A (ja) 暖房用熱交換器
KR100745455B1 (ko) 보조히터 및 이를 구비하는 온수히터