JP4059640B2 - 暖房用熱交換器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る暖房用熱交換器は、例えば自動車室内を暖房すべく空気を加温する為の暖房用熱交換器のうち、主としてエンジンの冷却水(加温流体)によりこの空気を加温するが、この冷却水の温度が低い場合には電熱ヒータによってもこの空気の加温を行なう暖房用熱交換器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車室内の暖房を行なう為に従来から、自動車の走行用エンジンの冷却水により空気を加温するヒータコアが、広く使用されている。但し、近年に於けるエンジンの燃焼効率の向上、或はハイブリッド自動車の実現等に伴うエンジンの廃熱量の減少により、寒冷地で暖房を行なう事等を考慮した場合に、上記冷却水の温度が必ずしも十分に上昇しない場合が生じている。この様な事情に鑑みて従来から、ヒータコアと電熱ヒータとを組み合わせた暖房用熱交換器が考えられている。
【0003】
図40〜41は、この様な事情に鑑みて考えられ、特開平11−235918号公報に記載された暖房用熱交換器1の1例を示している。この暖房用熱交換器1は、互いに間隔をあけて配置した1対のヘッダ2a、2bと、これら1対のヘッダ2a、2bの間に設けたコア部6とを有する。このコア部6は、それぞれの両端開口部をこれら各ヘッダ2a、2b内に通じさせた複数の伝熱管3、3と、隣り合う伝熱管3、3同士の間に挟持したコルゲート型のフィン4、4とから成る。上記各伝熱管3、3の内側には加温流体である、冷却水を流す為の図示しない流路を設けている。そして、これら各伝熱管3、3の両端開口を、上記各ヘッダ2a、2b内に通じさせている。更に、上記コア部6を構成するいずれかの伝熱管3、3同士の間にプレート状の電熱ヒータ5、5を配置すると共に、この電熱ヒータ5、5の両面と隣り合う伝熱管3、3との間にもフィン4、4を挟持している。
【0004】
上記各電熱ヒータ5、5は、通電により発熱する抵抗体7と、この抵抗体7の両側に設けた1対の絶縁部材72とから成る。又、上記抵抗体7の両端部を上記各絶縁部材72の外側に導出させると共に、これら各絶縁部材72の間部分に設けた、上記抵抗体7の中間部の全体を、波形に形成している。即ち、この抵抗体7の中間部は、それぞれが電熱ヒータ5の長さ方向(図40、41及び後述する図42の左右方向)に延びる複数の第一部分8、8と、それぞれが上記電熱ヒータ5の幅方向(図40、42の表裏方向、図41の上下方向)に延びる複数の第二部分9、9とを、交互に連結して成る。又、これら複数の第二部分9、9を、互いに隙間10、10をあけて平行に形成している。そして、上記抵抗体7の中間部の全体を、上記電熱ヒータ5の長さ方向に関して波形に形成している。そして、図示しない電源の端子にそれぞれの一端を接続した図示しないハーネスの他端に設けた端子を、上記抵抗体7の両端部に接続自在としている。この様な電熱ヒータ5、5は、コア部6の複数個所で互いに隣り合う1対のフィン4、4同士の間にそれぞれ1個ずつ、断面U字形の保持部材(図示せず)を介して挟持する状態で設けている。
【0005】
上述の様な暖房用熱交換器1の使用時には、流体送り込み管11を通じて、エンジンで或る程度加温された冷却水を1対のヘッダ2a、2bのうち、一方(図40の左方)のヘッダ2aの内部に送り込む。上記一方のヘッダ2aに送り込まれた冷却水は、この一方のヘッダ2aの内部を流れた後、この一方のヘッダ2aにそれぞれの一端を接続した複数の伝熱管3、3の内部に設けた流路を通じて、上記1対のヘッダ2a、2bのうち、他方(図40の右方)のヘッダ2bに向け流れる。この様に複数の伝熱管3、3内を冷却水が流れる間に、この冷却水は、上記コア部6の外部を流れる空気調和用の空気と熱交換を行なって、この空気を加温して、自動車室内の暖房に寄与する。又、上記冷却水の温度が暖房を行なうのに十分に上昇していない場合には、上記各電熱ヒータ5、5に通電しこれら各電熱ヒータ5、5及び隣接するフィン4、4の温度を上昇させて、上記空気の温度上昇を助ける。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様な従来の暖房用熱交換器1の場合、各電熱ヒータ5、5の周囲に断面U字形の保持部材を設けている為、コストが嵩む原因となる。この為、図42に示す様に、上記各電熱ヒータ5の両側に1対のフィン4、4を、これら各電熱ヒータ5、5に上記各フィン4、4の一部を直接接触させた状態で設ける事が、従来から考えられている。但し、従来構造の場合には、上記各フィン4、4を上記各電熱ヒータ5の長さ方向に関して波形に形成している為、図41、42に鎖線で示す様に、これら各フィン4、4と電熱ヒータ5とは、これら各フィン4、4の波形の頂部12、12の方向と上記各電熱ヒータ5の長さ方向とが互いに直交した状態で接触する。又、従来構造の場合には、これら各電熱ヒータ5に設ける抵抗体7(図41)の中間部の全体を、上記各電熱ヒータ5の長さ方向に関して波形に形成している。従って、上記各フィン4、4の複数の頂部12、12の一部が、図41に示す様に、上記各電熱ヒータ5のうち、隣り合う第二部分9、9同士の間に存在する隙間10部分に接触した状態となる可能性がある。この場合、上記各フィン4、4の頂部12、12のうち、抵抗体7との接触面積が小さいものからは、上記各頂部12、12同士の間に存在する上記各フィン4、4の中間部73、73に、抵抗体7で生じた熱が伝達されにくい。この為、従来構造の場合には、上記各電熱ヒータ5で生じた熱を上記各フィン4、4の中間部73、73に均一に伝達できず、上記各電熱ヒータ5から上記各フィン4、4への熱の伝達性能(伝熱性能)を十分に確保できない可能性がある。
【0007】
これに対して、上記各電熱ヒータ5に設けた抵抗体7を構成する複数の第二部分9、9同士の間の隙間10、10の幅を十分に小さくして、上記各フィン4、4への伝熱性能を向上させる事も考えられる。但し、この様に隙間10、10を十分に小さくした場合でも、上記各フィン4、4の頂部12、12のほぼ総てを上記各第二部分9、9に接触させた状態で、1対のフィン4、4同士の間に電熱ヒータ5を設ける事は難しい。この為、従来構造の場合には、各電熱ヒータ5からフィン4、4への伝熱性能を十分に確保した暖房用熱交換器1を実現するのは難しかった。
本発明の暖房用熱交換器は、この様な事情に鑑みて、電熱ヒータからフィンへの伝熱性能を十分に確保した構造を、安価且つ容易に実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の暖房用熱交換器は、前述した従来から知られている暖房用熱交換器と同様に、内側に加温流体が流れる流路を有する複数の伝熱管と、複数のコルゲート型のフィンとを備えたコア部を有し、このコア部の一部に、通電により発熱する電熱ヒータを設けている。
【0009】
特に、本発明の暖房用熱交換器に於いては、上記電熱ヒータが、上記各フィンの長さ方向に長い絶縁部材の両側面に1対の抵抗体を設けており、且つ、これら各抵抗体の中間部が、互いに隙間をあけて平行に形成された、それぞれが上記絶縁部材の長さ方向に長い複数の直線部と、隣り合う直線部の端部同士を連結する連結部とから成り、全体を上記絶縁部材の幅方向に関して波形に形成している。又、上記コア部の一部を構成する、互いに隣り合う1対のフィン同士の間に上記電熱ヒータを直接挟持した状態で、これら各フィンの波形の頂部の方向と、上記各直線部の方向とが、互いに直交する。
【0010】
又、本発明の場合、上記電熱ヒータで発生する熱量を、この電熱ヒータの長さ方向片側で長さ方向他側よりも多くしている。
【0011】
更に、本発明の場合、上記各伝熱管の内側を流れる加温流体の流れ方向に関してコア部の上流側に、上記電熱ヒータの長さ方向片側部分を設けている。
【0012】
又、請求項2に記載した暖房用熱交換器に於いては、上記絶縁部材の両側に設ける1対の抵抗体の端部同士を、上記電熱ヒータの一部に一体的に設けた導通部を介して電気的に接続している。
【0013】
更に、請求項3に記載した暖房用熱交換器に於いては、上記導通部の少なくとも一部を安全装置により構成している。そして、この安全装置を流れる電流が所定値以上となる事を防止している。
【0014】
又、請求項4に記載した暖房用熱交換器に於いては、電熱ヒータを構成する絶縁部材の幅方向一端に突部を形成すると共に、この突部の片側面に、上記絶縁部材の両側面に設ける1対の抵抗体のうち、一方の抵抗体の端部、又はこの一方の抵抗体の端部に電気的に接続された導体を設けており、且つ、上記突部の他側面のうち、少なくとも上記各抵抗体に通電する為のハーネスの端部に設けた端子と対向する部分に、上記1対の抵抗体のうち、他方の抵抗体及びこの他方の抵抗体の端部に電気的に接続された導体の何れをも設けていない。
【0015】
【作用】
上述の様に構成する本発明の暖房用熱交換器の場合、コア部の一部を構成する、互いに隣り合う1対のフィン同士の間に電熱ヒータを直接挟持した状態で、これら各フィンの頂部の方向と、各抵抗体の中間部を構成する、それぞれが上記絶縁部材の長さ方向に長い複数の直線部の方向とが、互いに直交している。従って、本発明によれば、これら各直線部の長さを十分に大きくする事で、上記各フィンの頂部のほぼ総てを上記各直線部に対し均一に、且つ、広い面積で接触させる事ができる。又、これら各直線部同士の間隔を小さくする事で、上記各抵抗体とフィンの頂部とをより広い面積で接触させる事ができる。従って、本発明によれば、電熱ヒータからフィンへの伝熱性能を十分に確保した暖房用熱交換器を、容易に実現できる。又、本発明によれば、上記電熱ヒータの両側面に弾性を有する適宜の弾性材をコーティング等して、この弾性材を電熱ヒータとフィンとの間に介在させる事で、電熱ヒータの周囲に保持板を設ける必要がなくなり、コスト低減を図れる。
【0016】
又、本発明の場合、各伝熱管の内側を流れる加温流体の流れ方向に関して上流側に、電熱ヒータの長さ方向片側部分を設けた状態で、コア部の一部に上記電熱ヒータを設ける事ができる。又、上記各伝熱管の上流側を流れる加温流体の温度は比較的高くなるのに対して、同じく下流側を流れる加温流体の温度は比較的低くなる。この為、上記電熱ヒータとフィンを介して隣り合う伝熱管のうち、上記加温流体の流れ方向に関して上流側部分を流れる加温流体と、この上流側部分とフィンを介して隣り合う電熱ヒータとの間の温度差は比較的小さくなる。従って、この電熱ヒータの長さ方向片側部分で生じた熱が、フィンを介して上記上流側部分を流れる加温流体に奪われるのを抑える事ができる。
【0017】
一方、上記電熱ヒータとフィンを介して隣り合う伝熱管のうち、上記加温流体の流れ方向に関して下流側部分を流れるこの加温流体の温度は比較的低くなるが、この下流側部分とフィンを介して隣り合う電熱ヒータの長さ方向他側部分の温度も比較的低くなる。この為、上記下流側部分を流れる加温流体に電熱ヒータの長さ方向他側部分で生じた熱が奪われるのを抑える事ができる。従って、上記電熱ヒータへの通電に基づく空気の加温を効率良く行なわせる事ができると共に、上記電熱ヒータに通電する為の電力の消費の低減を図れる。
【0018】
更に、請求項2、4に記載した暖房用熱交換器によれば、絶縁部材の一部に、電熱ヒータに通電する為のハーネスの端部に設けた端子と接続自在に設けた、突部の両側面のうちの片側面のみに、1対の抵抗体のうち、一方の抵抗体、又はこの一方の抵抗体と電気的に接続された導体を設ける事ができる。この為、上記端子のうち、上記突部の片側と対向する部分を、上記一方の抵抗体、又はこの一方の抵抗体と電気的に接続された導体に広い面積で接触させれば、上記端子のうち、上記突部の他側と対向する部分を、この突部の他側に広い面積で接触させる必要はなくなる。この為、上記端子又はハーネスに外部から不用意に大きな力が加わった場合でも、このハーネスと上記各抵抗体とが電気的に接続不良になる事を防止できる。従って、安全性を十分に確保できると共に、上記電熱ヒータに十分に大きな電流を流す事ができる。しかも、上記端子として、従来から一般的に使用しているものを使用できて、コスト低減を図れる。
【0019】
又、請求項3に記載した暖房用熱交換器によれば、各抵抗体に過大な電流が流れる事を防止できて、安全性を十分に確保できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1〜13は、本発明に関する参考例の第1例を示している。尚、本参考例に限らず、本発明の暖房用熱交換器を構成する各部材は、電熱ヒータに関する部分を除き、アルミニウム合金により造っている。そして、これらアルミニウム合金製の部品同士を、互いにろう付け接合している。ろう付けの為のろう材は、互いに当接する部材のうち、少なくとも一方の部材の表面に積層したものを使用する。
【0021】
本参考例の暖房用熱交換器1aは、横方向に適当な間隔をあけて互いに平行に配置した1対のヘッダ2a、2bと、これら1対のヘッダ2a、2bの間に、上下方向に適当な間隔をあけて互いに平行に配置した複数の扁平状の伝熱管3、3と、これら複数の伝熱管3、3のうち、互いに隣り合う一部の伝熱管3、3同士の間に挟持した複数のコルゲート型のフィン4、4とを備えたコア部6を有する。このうちの複数の伝熱管3、3は、それぞれの内側に加温流体である、冷却水を流す為の流路13、13(図11、13)を設けている。そして、これら各伝熱管3、3の両端開口を、上記各ヘッダ2a、2b内に通じさせている。更に、上記コア部6の複数個所(図示の例の場合は3個所)で互いに隣り合う1対のフィン4、4同士の間に、それぞれが通電により発熱するプレート状の電熱ヒータ5a、5aを、1個ずつ挟持する状態で設けている。又、上記1対のヘッダ2a、2bのうち、一方(図1、13の左方)のヘッダ2aの内側に仕切部15を設けて、この一方のヘッダ2aの内側を、入口室16と出口室17(図13)とに2分割している。そして、上記一方のヘッダ2aのうち、上記入口室16に対応する部分に流体送り込み管11の下流端を、同じく上記出口室17に対応する部分に流体取り出し管18の上流端を、それぞれ接続している。
【0022】
上記各電熱ヒータ5aは、図2〜6に詳示する様に、平板状の絶縁部材19の表裏両面に抵抗体21、21の薄膜を添着し、これら各抵抗体21、21を絶縁層27、27により被覆して成る。このうちの絶縁部材19は、基材となる鋼板の表面に例えば10μm程度のガラス質の皮膜を形成したほうろう板等を使用する。又、上記各抵抗体21、21としては、例えば上記絶縁部材19の表面に一体焼き付けした、膜厚が10μm程度のAgPd等を使用できる。例えば、上記各抵抗体21、21は、上記絶縁部材19の両側面に、それぞれペースト状の材料を厚膜印刷法により印刷、又は塗布等した後、焼成する事で設ける。更に、上記各絶縁層27、27としては、やはり上記絶縁部材19の表裏両面に上記各抵抗体21、21を覆う状態で一体焼き付けしたガラス質等、膜厚が10μm程度のものを使用できる。又、上記各抵抗体21、21は、上記絶縁部材19の両側面に蛇行状に形成している。即ち、本参考例の場合には、上記各抵抗体21を、1対の脚部22a、22bと、これら両脚部22a、22bの間部分に設けた波形部23とにより構成している。この波形部23は、互いに隙間をあけて平行に形成した、それぞれが上記絶縁部材19の長さ方向に長い複数の直線部24、24と、隣り合う直線部24、24の端部同士を連結する、それぞれが上記絶縁部材19の幅方向に長い複数の連結部25、25とから成る。そして、上記波形部23の全体を、上記各絶縁部材19の幅方向(図2、4、5の左右方向、図3、6の上下方向)に関して波形に形成している。
【0023】
又、本参考例の場合には、上記波形部23を構成する複数の連結部25、25を上記絶縁部材19の両端部近くに設けている。従って、上記各直線部24、24の長さは、上記絶縁部材19の長さ方向に関する長さとほぼ同じになる。又、本参考例の場合には、隣り合う直線部24、24同士の間隔d24を、0.5mmと十分に小さくしている。又、上記絶縁部材19の幅方向一端縁(図2、4、5の右端縁、図3、6の下端縁)の長さ方向(図3、6の左右方向、図2、4、5の表裏方向)両端近くの2個所位置に、突部20a、20bを突出形成している。そして、上記各抵抗体21、21の両端部に設けた各脚部22a、22bの端部を、上記各突部20a、20bの側面に導出すると共に、これら各突部20a、20bの両側面に設けた導体26、26の基端部に電気的に接続している。尚、これら各導体26、26の基端部も、前記絶縁層27、27により覆っている。従って、本参考例の場合には、各電熱ヒータ5aのうち、電気が通る部分である、上記各抵抗体21、21と、上記各導体26、26の基端部とが、上記絶縁部材19と絶縁層27、27との絶縁材により覆われた状態となる。
【0024】
上記各抵抗体21、21に通電する場合には、図示しない電源にそれぞれの一端を接続した複数のハーネス28(図7)の他端に設けた雌端子29を、上記各突部20a、20bに接続する。この雌端子29は、図7、8に示す様に、導電材製の金属板を曲げ加工する事により、断面略コ字形の基部30と、この基部30のコ字形の両端縁からこの基部30の内側に向け傾斜する状態でそれぞれ連結した1対の傾斜部31、31と、これら両傾斜部31、31の端縁から上記基部30の底部33の側面に対し直交する方向に連結した1対の突き当て部32、32とを有する形状に形成している。又、上記基部30は、底部33と、この底部33の両側に設けた1対の脚部53、53とから成る。尚、上記雌端子29は、図示しない合成樹脂製のケースの内側に保持する事で、図示しないコネクタを構成している。又、上記ハーネス28の他端と上記雌端子29とは、上記コネクタの内側で接続している。
【0025】
上記雌端子29を上記突部20a(又は20b)に接続する場合には、上記雌端子29の内側に上記突部20a(又は20b)を、上記1対の突き当て部32、32の先端と上記基部30の底部33の側面との間を弾性的に押し広げつつ挿入する。そして、上記雌端子29の内側に上記突部20a(又は20b)が挿入された状態では、上記各突き当て部32、32の先端と上記底部33の側面とが、上記突部20a(又は20b)の両側面に、それぞれ弾性的に押し付けられ、上記雌端子29が上記突部20a(又は20b)から不用意に外れる事が防止される。又、この状態で、上記各突き当て部32、32の先端と上記底部33の側面とは、上記突部20a(又は20b)の両側面に設けた導体26、26に接触させて、上記ハーネス28と1対の抵抗体21、21とを電気的に接続する。
【0026】
尚、前記各電熱ヒータ5a、5aで上記各突部20a、20bに接続する1対のハーネス28、28のうち、一方のハーネス28の一端は、図示しない電源の正極側端子に、他方のハーネス28の一端は、この電源の負極側端子に、それぞれ接続する。この為、上記1対のハーネス28、28の他端にそれぞれ設けた雌端子29を上記各突部20a、20bにそれぞれ接続した状態で、上記各電熱ヒータ5a、5aの両側に設けた1対の抵抗体21、21同士は、図9に示す様に、電気的に並列に接続された状態となる。
【0027】
それぞれが上述の様に構成する各電熱ヒータ5a、5aは、前記1対のヘッダ2a、2bと、複数の伝熱管3、3と、複数のフィン4、4とを一体的にろう付けした後に、前記コア部6の複数個所に組み付けている。この為に、先ず、上記1対のヘッダ2a、2bと、複数の伝熱管3、3と、複数のフィン4、4とを仮組み付けする。又、この仮組み付けを行なった状態で、上記コア部6の複数個所で互いに隣り合う1対のフィン4、4同士の間に、各電熱ヒータ5a、5aの厚さと同程度の厚さを有する空間14、14を設ける。又、本参考例の場合には、電熱ヒータ5a、5aを設けないヒータコアとして従来から一般的に使用しているもの(従来品)を利用している。この為に、本参考例の場合には、従来品で、コア部6を構成する複数の伝熱管のうちの一部を抜き取って、上記複数の空間14、14を設けている。この様に従来品から一部の伝熱管を抜き取ると、上記各ヘッダ2a、2bの一部に上記各伝熱管3、3の両端部を挿入すべく設けている複数の通孔34、34のうちの一部の通孔34が、伝熱管3の端部により塞がれず開口した状態になる。この為、本参考例の場合には、上記各通孔34、34のうち、内側から一部の伝熱管を抜き取った通孔34内に、図10、11に示す様な、アルミニウム合金等の金属製で平板状の塞ぎ部材35の中間部をがたつきなく挿入している。
【0028】
そして、この塞ぎ部材35の両側に存在する互いに隣り合う1対のフィン4、4同士の間に、電熱ヒータ5aを挿入できる空間14、14を設けている。そして、この状態で、互いにろう付け接合すべき上記各部材同士、即ち、1対のヘッダ2a、2bと、複数の伝熱管3、3と、複数のフィン4、4と、複数の塞ぎ部材35とを、一方のヘッダ2aの一部に流体送り込み管11と流体送り出し管18との端部を接続した状態で仮組み付けし、加熱炉中で加熱して、上記各部材2a、2b、3、4、35、11、18を一体ろう付け接合している。又、これら各部材を仮組み付けした状態で、上記コア部6の複数個所で互いに隣り合う1対のフィン4、4同士の間に存在する、上記電熱ヒータ5a、5aを設けるべき複数の空間14、14に、長尺で所定の厚さを有する平板状のダミー板36を、上記1対のフィン4、4の間に挟持する状態で設けている。このダミー板36は、ろう付け時の熱に対して十分な耐熱性を有し、且つ、溶融したろう材により他の部材とろう付け接合されない性質を有する材料(カーボン等)から造っている。又、上記各部材の一体ろう付け時には、ヘッダ2a、2bの一部の通孔34に挿入した塞ぎ部材35の中間部周辺と、この一部の通孔34の内周縁との間もろう付け接合されて、この一部の通孔34が密に塞がれる。
【0029】
そして、上記ダミー板36を除いた、上記各部材を一体ろう付け接合した後に、加熱炉中からろう付け接合したものを取り出し、常温迄温度低下させた後、上記各ダミー板36を抜き取っている。そして、上記コア部6の複数個所で上記各ダミー板36を抜き取った後に存在する複数の空間14、14に前記各電熱ヒータ5a、5aを、これら各空間14、14の両側にそれぞれ存在する1対のフィン4、4により挟持する状態で挿入している。又、本参考例の場合には、上記電熱ヒータ5a、5aの両側の絶縁層27、27の外側面に、絶縁性及び弾性を有し、しかも、比較的良好な熱伝導性を有する弾性材をコーティングしている。特に、本参考例の場合には、この弾性材として、シリコン接着剤のうち、比較的良好な熱伝導性を有するものを使用している。そして、この様なシリコン接着剤の一種を両側面にコーティングした上記各電熱ヒータ5a、5aを上記各空間14、14に挿入して、上記各フィン4、4の頂部12、12と上記各電熱ヒータ5a、5aの側面とを、上記シリコン接着剤の一種により結合している。
【0030】
尚、上述の様に、暖房用熱交換器1aの各構成部材のうち、各電熱ヒータ5a、5aを除いたものを仮組み付けし、更にろう付け接合する際に、上記コア部6の複数個所に設けた空間14、14に複数のダミー板36を挿入するのは、組み付け時やろう付けの為の加熱時に、上記空間14、14が隣り合うフィン4、4同士の接近により潰れて、上記各電熱ヒータ5a、5aを上記各空間14、14に挿入できなくなる事を防止する為である。又、上記ダミー板36の厚さを上記各電熱ヒータ5a、5aの厚さよりも少し小さくする事で、上記ダミー板36を取り除いた後、隣り合う1対のフィン4、4同士の間に上記各電熱ヒータ5a、5aを挟持した状態で、これら各フィン4、4により上記各電熱ヒータ5a、5aを押し付ける力を大きくする事ができる。
【0031】
上述の様に構成する本参考例の暖房用熱交換器の使用時には、暖房用熱交換器1aを、空気調和用の空気を流す為の図示しないダクトの内側に固定する。そして、前記流体送り込み管11を通じて上記コア部6の内部に、エンジンで或る程度加温された冷却水を送り込むと共に、上記コア部6の外部に空気調和用の空気を通過させる。又、上記冷却水の温度が暖房を行なうのに十分に上昇していない場合には、上記各電熱ヒータ5a、5aに通電する。上記流体送り込み管11を通じて、1対のヘッダ2a、2bのうち、一方のヘッダ2aに設けた入口室16に送られた冷却水は、この入口室16内を図13に矢印イで示す方向に流れた後、上記コア部6を構成する一部の伝熱管3、3に設けた流路13、13に送り込まれる。そして、上記冷却水は、これら各流路13、13内を、上記各伝熱管3、3及びフィン4、4の外部を通過する空気間で熱交換を行ないつつ、同図に矢印ロ、ロで示す方向に流れて、上記1対のヘッダ2a、2bのうち、他方のヘッダ2bに達する。
【0032】
そして、この冷却水は上記他方のヘッダ2b内を、上記空気との間で熱交換を行ないつつ、同図に矢印ハで示す方向に流れた後、上記コア部6を構成する残部の伝熱管3、3に設けた流路13、13内に送り込まれる。そして、上記冷却水は、これら各流路13、13を同図に矢印ニ、ニで示す方向に流れた後、上記一方のヘッダ2aの出口室17に達する。そして、上記冷却水は、同図に矢印ホで示す方向に流れた後、流体取り出し管18を通じて外部に取り出される。この結果、上記コア部6を通過する空気は、上記各伝熱管3、3内を流れる冷却水との間で熱交換を行なって、加温される。又、上記各電熱ヒータ5a、5aに通電した場合には、通電により発生した熱が、上記各電熱ヒータ5a、5aに接する各フィン4、4に伝達される。従って、これら各フィン4、4の間及び上記各電熱ヒータ5a、5aの周囲を通過する空気は、上記各電熱ヒータ5a、5aで生じた熱によっても加温される。
【0033】
前述の様に構成し、上述の様にエンジンにより加温された冷却水と各電熱ヒータ5a、5aとにより、コア部6の外部を通過する空気を加温する、本参考例の暖房用熱交換器の場合、上記各電熱ヒータ5a、5aをそれぞれ構成する各抵抗体21、21の中間部を構成する波形部23の全体を、絶縁部材19の幅方向に関して波形に形成している。従って、上記コア部6の複数個所で互いに隣り合うそれぞれ1対ずつの波形のフィン4、4同士の間に上記各電熱ヒータ5a、5aを直接挟持させた状態で、これら各フィン4、4の波形の頂部12、12の方向と、上記絶縁部材19の長さ方向に長い複数の直線部24、24の方向とは、互いに直交する。又、本参考例の場合には、これら各直線部24、24の総ての長さを、上記絶縁部材19とほぼ同じ長さに迄十分に大きくしている。従って、本参考例の場合には、上記各電熱ヒータ5a、5aに接する上記各フィン4、4の波形の頂部12、12のほぼ総てを、上記各直線部24、24に対し均一に、且つ、広い面積で接触させる事ができる。
【0034】
更に、本参考例の場合には、隣り合う直線部24、24同士の間隔を0.5mm程度に十分に小さくしている為、上記各フィン4、4の頂部12、12のほぼ総てを上記各直線部24、24に対しより広い面積で接触させる事ができる。従って、本参考例によれば、上記各頂部12、12同士の間に存在する上記各フィン4、4のほぼ総ての中間部73、73に、上記各電熱ヒータ5a、5aから十分に、且つ、均一に熱を伝達できる。従って、空気調和用の空気を流すダクトに−20℃程度に極めて低温の空気を送り込んだ場合でも、この空気に上記各電熱ヒータ5a、5a及び冷却水の熱を伝達して、この空気を十分に加温できる。この様に本参考例によれば、上記各電熱ヒータ5a、5aから上記各フィン4、4への伝熱性能を十分に確保した暖房用熱交換器1aを、容易に実現できる。
【0035】
又、本参考例の場合には、上記各電熱ヒータ5a、5aの絶縁層27、27の外側面に、絶縁性及び弾性を有し、しかも、比較的良好な熱伝導性を有する弾性材である、シリコン接着剤の一種をコーティングしている。この為、本参考例の様に、一部のフィン4、4と上記各電熱ヒータ5a、5aの側面とを、上記シリコン接着剤の一種を介して接触させた場合でも、このシリコン接着剤の一種により、上記絶縁層27、27がフィン4、4により傷付けられるのを防止できて、安全性を十分に確保できる。しかも、本参考例の場合には、前述した従来構造の場合に各電熱ヒータ5(図40〜41)の周囲に設けていた断面U字形の保持部材が不要となる為、コスト低減を図れる。又、上記シリコン接着剤の一種は、弾性を有する為、このシリコン接着剤の膜厚の寸法を厳密に規制する事なく、隣り合うフィン4、4同士の間に電熱ヒータ5a、5aを、容易に挟持させる事ができて、コスト低減を図れる。
【0036】
又、本参考例の場合には、上記各電熱ヒータ5a、5aを構成する絶縁部材19の両側に設けた各抵抗体21、21の外側に、絶縁層27、27を一体焼き付けして、これら各抵抗体21、21を上記絶縁部材19及び絶縁層27、27との絶縁材により覆っている。この為、上記ダクトに雨天走行時等に水分を多く含む空気が送られて、この水分が各電熱ヒータ5a、5aやフィン4、4に付着した場合でも、これら各電熱ヒータ5a、5aから上記各フィン4、4等への漏電を防止して、安全性を十分に確保できる。
【0037】
更に、本参考例の場合には、ヘッダ2a、2bに設けた一部の通孔34に塞ぎ部材35を挿入し、この塞ぎ部材35と一部の通孔34とをろう付け接合する事で、この一部の通孔34を密に塞いでいる。この為、本参考例の暖房用熱交換器1aを造る為に、電熱ヒータを設けないヒータコアとして従来から一般的に使用しているものを利用できる。即ち、本参考例の暖房用熱交換器1aを造る為に、通孔34、34を各伝熱管3、3の本数分だけ形成したヘッダを新たに造る必要がなくなり、新たな金型が不要となる為、暖房用熱交換器1aのコスト低減を図れる。
【0038】
又、本参考例の場合には、上記塞ぎ部材35の一部で、上記一部の通孔34からコア部6の中央寄りに突出する部分の長さを容易に変更できる。そして、このコア部6の幅方向(図1、10〜13の左右方向)に関して、上記各電熱ヒータ5a、5aの両側にそれぞれ1対ずつ存在する塞ぎ部材35同士の間隔を、上記各電熱ヒータ5a、5aの長さよりも少し大きい長さ等に容易に規制できる。この為、これら各電熱ヒータ5a、5aを設ける位置や、これら各電熱ヒータ5a、5aの大きさに応じて、上記コア部6の複数個所に、上記各電熱ヒータ5a、5aを挿入する為の所定の長さを有する空間14、14を設ける事ができる。又、これら各空間14、14に各電熱ヒータ5a、5aを設けた後、これら各電熱ヒータ5a、5aが長さ方向にずれ動く事を、上記各塞ぎ部材35によっても防止できる。
【0039】
次に、図14〜15は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合には、各ヘッダ2a、2bに設けた複数の通孔34、34のうちの一部の通孔34を塞ぐ為の塞ぎ部材35aの一部で、この一部の通孔34からコア部6の中央寄りに突出する部分の長さを、上述した参考例の第1例の場合よりも大きくしている。そして、上記コア部6の中央寄りに突出した上記各塞ぎ部材35aの長さ方向一端寄り部分(図14、15の左端寄り部分)を、これら各塞ぎ部材35aの両側に設けた1対のフィン4、4の端部同士の間に挟持させている。
【0040】
この様な本参考例の場合には、電熱ヒータ5a以外の暖房用熱交換器1aの各構成部材を仮組み付けし、更にろう付け接合する際に、上記コア部6の複数個所に設けた空間14、14にダミー板36(図11参照)を挿入する事なく、仮組み付け時やろう付け接合の為の加熱時に上記空間14、14が潰れる事を防止できる。この様に本参考例の場合には、暖房用熱交換器1aを造る際にダミー板36を使用する必要がなくなる為、この暖房用熱交換器1aの組み付け作業に要するコストの低減と、この組み付け作業の容易化とを図れる。
その他の構成及び作用に就いては、上述した参考例の第1例の場合と同様である為、重複する説明ならびに図示は省略する。
【0041】
次に、図16は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の場合には、各電熱ヒータ5bの両側に設ける各抵抗体7の面積を、これら各電熱ヒータ5bの長さ方向片側(図16の左側)で、同じく長さ方向他側(図16の右側)よりも大きくしている。即ち、本例の場合には、上記各抵抗体7の一部の直線部24、24の長さを小さくする事で、上記各電熱ヒータ5bの長さ方向他側に存在する直線部24、24の面積を、上記各電熱ヒータ5bの長さ方向片側に存在する、上記各直線部24、24の面積よりも小さくしている。そして、本例の場合には、暖房用熱交換器1aのコア部6(図1等参照)の複数個所に上記各電熱ヒータ5bを、隣り合う1対のフィン4(図1等参照)同士の間に挟持する状態で設けている。又、本例の場合には、上記コア部6を構成する複数の伝熱管3(図1等参照)内を流れる冷却水の流れ方向に関して上流側に上記各電熱ヒータ5bの長さ方向片側部分を、同じく下流側に上記各電熱ヒータ5bの長さ方向他側部分を、それぞれ位置させている。従って、本例の場合には、暖房用熱交換器1aの使用時に、上記各電熱ヒータ5bに図示しない電源により通電した場合に、上記各電熱ヒータ5bの片側部分で生じる熱量が、他側部分で生じる熱量よりも多くなる。又、これら各電熱ヒータ5bの両側に接する1対のフィン4のうち、上記各伝熱管3内を流れる冷却水の流れ方向に関して上流側部分に、上記各電熱ヒータ5bから比較的多くの熱が伝達され、逆に、上記1対のフィン4のうち、上記冷却水の流れ方向に関して下流側部分には、上記各電熱ヒータ5bから比較的少ない熱が伝達される。
【0042】
上述の様に構成する本例の暖房用熱交換器によれば、上記各電熱ヒータ5bで生じる熱量を、上記コア部6の内部での冷却水の流れ方向に関して上流側に設けた長さ方向片側部分で、同じく下流側に設けた長さ方向他側部分よりも多くする事ができる。又、上記コア部6を構成する各伝熱管3の流路13(図13参照)の上流側を流れる冷却水の温度は比較的高くなるのに対して、上記各流路13の下流側を流れる冷却水の温度は比較的低くなる。この為、上記各電熱ヒータ5bとフィン4を介して隣り合う伝熱管3のうち、上記冷却水の流れ方向に関して上流側部分を流れる冷却水と、この上流側部分とフィン4を介して隣り合う電熱ヒータ5bの長さ方向片側部分との間の温度差は比較的小さくなる。従って、これら各電熱ヒータ5bの長さ方向片側部分で生じた熱がフィン4を介して上記上流側部分を流れる冷却水に奪われるのを抑える事ができる。
【0043】
一方、上記各電熱ヒータ5bとフィン4を介して隣り合う伝熱管3のうち、上記冷却水の流れ方向に関して下流側部分を流れるこの冷却水の温度は比較的低くなるがこの下流側部分とフィン4を介して隣り合う電熱ヒータ5bの長さ方向他側部分の温度も比較的低くなる。この為、上記下流側部分を流れる冷却水に、上記各電熱ヒータ5bの長さ方向他側部分で生じた熱が奪われるのを抑える事ができる。従って、これら各電熱ヒータ5bへの通電に基づく空気の加温を効率良く行なわせる事ができると共に、上記各電熱ヒータ5bに通電する為の電力の消費の低減を図れる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜13に示した参考例の第一例の場合と同様である為、重複する説明ならびに図示は省略する。
【0044】
次に、図17〜18は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の場合には、電熱ヒータ5aの両側に接する状態でそれぞれ1対ずつ設けるフィン4、4と上記電熱ヒータ5aとを接着する接着剤、及びこれら各フィン4、4とこれら各フィン4、4に隣り合う状態で接する伝熱管3、3とを接着する接着剤に、互いに異なるものを使用している。即ち、本参考例の場合には、上記各電熱ヒータ5aと各フィン4、4とを接着する接着剤として、比較的良好な熱伝導性を有する放熱用接着剤37、37を使用している。例えば、この放熱用接着剤37、37として、東芝シリコン株式会社製のTSE3941(商品名)等を使用できる。これに対して、上記各フィン4、4と各伝熱管3、3とを接着する接着剤としては、比較的低い熱伝導性を有する断熱用接着剤38、38を使用している。例えば、この断熱用接着剤38、38として、東芝シリコン株式会社製のTSE3976−B(商品名)等を使用できる。尚、一般的に、上記放熱用接着剤37、37は上記断熱用接着剤38、38に対し、熱伝導率が4〜5倍程度高くなる。又、上記コア部6を構成する複数のフィン4、4のうち、隣り合う伝熱管3、3同士の間に挟持する状態で設けるフィン4、4と各伝熱管3、3とは、上述した各例の場合と同様に、ろう付け接合している。
【0045】
又、本参考例の暖房用熱交換器1aを造る場合には、先ず、ろう付け接合すべき各構成部材同士を仮組み付けする。又、この様に仮組み付けした状態で、上記コア部6の複数個所で隣り合う1対の伝熱管3、3同士の間に、1対のフィン4、4と1個の電熱ヒータ5aとを重ね合わせたまま挿入できる厚さを有する空間39、39を設ける。そして、ろう付け接合すべき上記各構成部材同士を、加熱炉中で加熱して一体ろう付け接合した後、上記加熱炉から取り出す。そして、一体ろう付け接合した上記各部材を常温迄温度低下させた後、上記各空間39、39の両側にそれぞれ1対ずつ存在する伝熱管3、3の互いに対向する側面に、上記断熱用接着剤38、38を塗布する。
【0046】
又、それぞれ1対ずつのフィン4、4とそれぞれ1個ずつの電熱ヒータ5aとを、これら1対のフィン4、4同士の間に上記電熱ヒータ5aを挟持する状態で重ね合わせて、組み合わせ素子40とする。又、これら各組み合わせ素子40を構成する電熱ヒータ5aと各フィン4、4とを、上記電熱ヒータ5aの両側面に予めコーティングした放熱用接着剤37、37により結合する。そして、上記コア部6の複数個所に設けた上記各空間39、39に上記各組み合わせ素子40を、これら各空間39、39の両側にそれぞれ存在する1対の伝熱管3、3の間に挟持する状態で設ける。そして、上記各空間39、39の両側にそれぞれ設けた各伝熱管3、3と、上記各組み合わせ素子40を構成する各フィン4、4とを、上記断熱用接着剤38、38により結合する。
【0047】
上述の様に構成する本参考例の暖房用熱交換器によれば、互いに接する各電熱ヒータ5aとフィン4、4とを、放熱用接着剤37、37により結合している為、上記各電熱ヒータ5aで生じた熱を上記各フィン4、4に効率良く伝達できる。この為、上記コア部6を通過する空気調和用の空気を十分に加温できる。更に、本参考例の場合には、上記各電熱ヒータ5aの両側に設けるとフィン4、4と、これら各フィン4、4と接する伝熱管3、3とを断熱用接着剤38、38により結合している為、上記各電熱ヒータ5aから上記各フィン4、4に伝達された熱を、上記各伝熱管3、3内を流れる冷却水に奪われにくくできる。従って、これら各電熱ヒータ5aに通電する為の電力の消費の低減を図れる。
【0048】
又、本参考例の場合には、上記各電熱ヒータ5aから上記各伝熱管3、3内を流れる冷却水へ放熱されるのを抑えるべく、上記各電熱ヒータ5aの両側に設ける各フィン4、4にスリットを形成する等の特別な加工を施して、上記各電熱ヒータ5aから上記冷却水への伝熱を抑える必要がなくなる。この為、本参考例の場合には、暖房用熱交換器1aのコストの低減を図れる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜13に示した参考例の第1例の場合と同様である為、重複する説明ならびに図示は省略する。
【0049】
尚、上述した各参考例及び実施の形態の1例の場合には、未だ次の様な改良すべき点が存在する。即ち、上述した各参考例及び実施の形態の1例の場合、例えば図2〜5に示した様に、各電熱ヒータ5aの両側に1対の抵抗体21、21を設けると共に、上記各電熱ヒータ5aの端部に設けた1対の突部20a、20bの両側面に、上記各抵抗体21、21の端部に接続した導体26、26を設けていた。そして、ハーネス28の端部に設けたコネクタの雌端子29(図7、8)を、上記各突部20a、20bに接続する事で、上記各抵抗体21、21同士を電気的に並列に接続していた。
【0050】
但し、この様な電熱ヒータ5aを使用する場合、上記雌端子29に外部から不用意に大きな力が加わった場合に、これら各雌端子29が上記各突部20a、20bに対し傾斜する可能性がある。この様に上記各雌端子29が傾斜した場合でも、これら各雌端子29を構成する基部30の底部33の側面と上記各突部20a、20bの片側面とは十分に広い面積で接触する為、比較的良好な通電状態を確保できる。これに対して、上記各雌端子29を構成する1対の突き当て部32、32の先端と上記各突部20a、20bの他側面とは狭い面積で接触する為、上記各雌端子29が傾斜した場合に、上記各突き当て部32、32の先端と上記各突部20a、20bの他側面とが十分に接触できず、上記ハーネス28と上記各突部20a、20bの他側面に設けた導体26との通電状態が不良になる可能性がある。この場合には、上記ハーネス28から上記各電熱ヒータ5aの両側に設けた1対の抵抗体21、21のうち、一方の抵抗体21のみに通電される為、この一方の抵抗体21に過大な電流が流れて、火花や異常に多くの熱が発生する、所謂レアショートが生じる可能性がある。従って、上述した各例の場合には、上記レアショートを確実に抑えるために上記各電熱ヒータ5aに流す電流を抑えていた。又、上記レアショートを確実に抑えるべく、上記各ハーネス28に設ける雌端子として、上記各突部20a、20bの両側に均一且つ十分に接触できる構造を有するものを採用する事も考えられるが、この場合には、上述した各例で使用していた様な、従来から一般的に使用している雌端子29を使用できなくなり、コストが大きく嵩む原因となる。
次に、図19〜22に示す、請求項2、4に関連する、本発明に関する参考例の第4例は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0051】
本参考例の暖房用熱交換器は、コア部6(図1等)を構成する各電熱ヒータ5cの構造に特徴を有する。その他の構造に就いては、前述の図1〜13に示した参考例の第1例の場合とほぼ同様である為、重複する説明並びに図示は省略して、以下、本参考例の特徴部分を中心に説明する。本参考例の場合、各電熱ヒータ5cの両側に、第一、第二抵抗体41a、41bを設けている。そして、上記各電熱ヒータ5cの幅方向一端縁{図19(a)の上端縁、図19(b)の下端縁}に設けた1対の突部20a、20bの両側面のうち、一方の側面のみに、上記第一、第二の抵抗体41a、41bの端部に接続した導体26、26を設けている。この為に、本参考例の場合には、上記各電熱ヒータ5cの両側面に設ける各第一、第二の抵抗体41a、41bを、波形部23とこの波形部23の一端に接続した脚部42とから構成している。そして、上記各電熱ヒータ5cの片側{図19(a)の裏側、図19(b)の表側}に設ける第一の抵抗体41aを構成する脚部42を、上記1対の突部20a、20bのうち、他方(図19の右方)の突部20bの片側{図19(a)の裏側、図19(b)の表側}に設けた導体26の端部に接続している。この他方の突部20bの他側{図19(a)の表側、図19(b)の裏側}には、導体を設けていない。
【0052】
一方、上記各電熱ヒータ5cの他側{図19(a)の表側、図19(b)の裏側}に設ける第二の抵抗体41bを構成する脚部42を、上記1対の突部20a、20bのうち、一方(図19の左方)の突部20aの他側{図19(a)の表側、図19(b)の裏側}に設けた導体26の端部に接続している。この一方の突部20aの片側{図19(a)の裏側、図19(b)の表側}には、導体を設けていない。
【0053】
そして、本参考例の場合には、上記第一、第二の抵抗体41a、41bを構成する波形部23の他端部同士を、上記各電熱ヒータ5cの一部で電気的に接続している。この為に、本参考例の場合には、上記各第一、第二の抵抗体41a、41bの他端部が存在する、上記各電熱ヒータ5cの絶縁部材19の隅部に、この絶縁部材19の両側面を貫通する通孔43を形成している。そして、この通孔43の内周面の全面に、図22に示す様に、上記各抵抗体41a、41bを構成する材料と同じものから成る導通部44を設けて、この導通部44の両端部を上記各第一、第二の抵抗体41a、41bの他端部に電気的に接続している。例えば、上記各電熱ヒータ5cの両側に上記第一、第二の抵抗体41a、41bを設ける場合、これら各抵抗体41a、41bを構成するペースト状の材料を上記絶縁部材19の両側面に塗布し、更に焼成する事で、上記各抵抗体41a、41bを上記各電熱ヒータ5cの両側に薄膜に設ける。そして、上記各抵抗体41a、41bを構成する、焼成前のペースト状の材料の一部を、上記通孔43の内側に流し込んだ状態で焼成すれば、この通孔43の内周面に上記導通部44を設ける事ができる。それぞれが上述の様に構成する複数の電熱ヒータ5cは、暖房用熱交換器1a(図1等)を構成するコア部6の複数個所に、隣り合う伝熱管3(図1等)同士の間に挟持する状態で設けている。
【0054】
上記暖房用熱交換器1aの使用時には、上記各電熱ヒータ5cに設けた1対の突部20a、20bのうち、他方の突部20bに、それぞれの一端を図示しない電源の正極側端子に接続した複数のハーネス28の他端に設けたコネクタの雌端子29を接続する。この場合、この雌端子29を構成する底部33を上記他方の突部20bの両側のうち、上記第一の抵抗体41aの端部に接続した導体26が存在する片側に設ける。従って、上記電源の正極側端子に接続したハーネス28の他端に設けた雌端子29と、上記他方の突部20bの片側に設けた導体26とは十分に広い面積で接触する。
【0055】
一方、上記1対の突部20a、20bのうち、一方の突部20aに、それぞれの一端を上記電源の負極側端子に接続した複数のハーネス28の他端に設けたコネクタの雌端子29を接続する。又、この場合には、この雌端子29を構成する底部33を上記一方の突部20aの両側のうち、上記第二の抵抗体41bの端部に接続した導体26が存在する他側に設ける。従って、上記電源の負極側端子に接続したハーネス28の他端に設けた雌端子29と、上記一方の突部20aの他側に設けた導体26とは十分に広い面積で接触する。上述の様に上記各電熱ヒータ5c毎にそれぞれ1対ずつ設けた各突部20a、20bに上記各雌端子29を接続した状態で、これら各雌端子29の底部33を設けた側は、前記絶縁部材19に関して上記各雌端子29同士で逆になる。又、この状態で、上記各電熱ヒータ5cの両側に設けた第一、第二の抵抗体41a、41b同士は、図21に示す様に、互いに電気的に直列に接続された状態となる。
【0056】
上述の様に構成する本参考例の暖房用熱交換器によれば、各ハーネス28に設けた雌端子29を構成する突き当て部32、32を、各抵抗体41a、41bの端部に接続した導体26に接触させる必要がなくなる。この為、これら各雌端子29や各ハーネス28に外部から不用意に大きな力が加わった場合でも、上記各電熱ヒータ5cに設けた第一、第二抵抗体41a、41bに接続した導体26と上記各ハーネス28とが接触不良になり、ハーネス28と第一の抵抗体41a(又は第二の抵抗体41b)とが電気的に接続不良になる事を防止できる。従って、安全性を十分に確保できると共に、上記各電熱ヒータ5cに十分に大きな電流を流す事ができる。しかも、本参考例の場合には、上記各雌端子29として、従来から一般的に使用しているものを使用できて、コスト低減を図れる。
【0057】
尚、本参考例の場合には、電源の正極側端子に接続したハーネス28の他端に設けた雌端子29を上記他方の突部20bに、上記電源の負極側端子に接続したハーネス28の他端に設けた雌端子29を上記一方の突部20aに、それぞれ接続しているが、上記各雌端子29を互いに逆の突部20b、20aに接続する事もできる。この場合にも、各雌端子29を構成する底部33を、これら各雌端子29を接続する突部20a、20bの両側面のうち、導体26が存在する側に設けるのは勿論である。又、本参考例の場合には、上記各電熱ヒータ5cの一部に設ける導通部44を、これら各電熱ヒータ5cの一部に設けた通孔43の内側に、ペースト状の材料を流し込んだ状態で焼成する事で、上記通孔43の内周面に設けている。但し、この通孔43の内側に図示しない金属製で円筒状の導体を内嵌固定すると共に、この導体の両端部を上記第一、第二の抵抗体41a、41bの他端部に電気的に接続して、この導体により導通部を構成する事もできる。
【0058】
次に、図23は、やはり請求項2、4に関連する、本発明に関する参考例の第5例を示している。本参考例の場合には、各電熱ヒータ5cを構成する絶縁部材19の長さ方向一端縁(図23の左端縁)の幅方向他端部(図23の上端部)に切り欠き45を形成すると共に、この切り欠き45の内周面の一部に導通部44aを、この切り欠き45の全長に亙り形成している。そして、上記導通部44aの両端を、各電熱ヒータ5cの両側に設けた第一、第二の抵抗体41aの端部に電気的に接続している。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図19〜22に示した参考例の第4例の場合と同様である。
【0059】
次に、図24〜25は、やはり請求項2、4に関連する、本発明に関する参考例の第6例を示している。本参考例の場合には、前述の図19〜22に示した参考例の第4例、及び上述の図23に示した参考例の第5例の場合と異なり、各電熱ヒータ5cの両側に設ける第一、第二の抵抗体41a、41bを、それぞれ1対の脚部22a、22bとこれら両脚部22a、22bの間に設けた波形部23とから構成している。そして、上記第一、第二の抵抗体41a、41bのうち、第一の抵抗体41aを構成する1対の脚部22a、22bの一端部を、上記絶縁部材19を構成する1対の突部20a、20bの片側{図24(a)の裏側、図24(b)の表側}面に設けた導体26、26の端部に接続している。
【0060】
これに対して、上記1対の突部20a、20bの他側{図24(a)の表側、図24(b)の裏側}面には導体を設けていない。又、上記各電熱ヒータ5cを構成する第二の抵抗体41bに設けた1対の脚部22a、22bの一端部を、上記各突部20a、20bの他側面の先半部から中間部に亙る部分に設けていない。そして、上記各第一、第二の抵抗体41a、41bを構成する各脚部22a、22bの一端部が存在する、上記各突部20a、20bの基端部の両側面同士を通孔43、43により貫通させると共に、これら各通孔43、43の内周面に導通部44、44を設け、これら各導通部44、44の両端を上記第一、第二の抵抗体41a、41bに電気的に接続している。
【0061】
暖房用熱交換器1a(図1等参照)の使用時には、各ハーネス28、28の端部に設けた雌端子29(図20参照)を上記各突部20a、20bに、これら各雌端子29を構成する底部33(図20参照)を上記各突部20a、20bの片側にそれぞれ設けた状態で接続する。この状態で、上記各電熱ヒータ5cの両側に設けた各第一、第二の抵抗体41a、41b同士は、図25に示す様に、互いに電気的に並列に接続された状態となる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図19〜22に示した参考例の第4例の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
【0062】
尚、上述の図24〜25に示した参考例の第6例の場合と異なり、図26に、請求項2に関連する、本発明に関する参考例の第7例として示す様に、各電熱ヒータ5cを構成する各突部20a、20bの両側に各第一、第二の抵抗体41aの両端に接続した導体26、26を、それぞれ設けると共に、上記各突部20a、20bの一部に、これら各突部20a、20bの両側面同士を貫通する通孔43、43を設ける事もできる。そして、この場合には、これら各通孔43、43の内周面に導通部44、44を設けて、これら各導通部44、44の両端を、上記各突部20a、20bの両側面に設けた導体26、26に電気的に接続する。本参考例の場合には、ハーネスの端部に設けた雌端子29を上記各突部20a、20bに接続する際に、この雌端子29を構成する底部33(図20)を、上記各突部20a、20bの何れの側にも設ける事ができる。
【0063】
次に、図27は、請求項2〜4に関連する、本発明に関する参考例の第8例を示している。本例の場合には、前述の図19〜22に示した参考例の第4例の構造で、各電熱ヒータ5cの一部に設ける導通部44の代わりに、安全装置46を設けている。即ち、本参考例の場合には、上記各電熱ヒータ5cを構成する絶縁部材19の一部に設けた通孔43の内側に、柱状の安全装置46を充填している。この安全装置46は、例えばSn、Ag等の合金から成り、融点を比較的低くしている。そして、この安全装置46の両端を、上記各電熱ヒータ5cの両側に設けた第一、第二の抵抗体41a、41bの波形部23の端部に接続している。
【0064】
又、上記安全装置46は、この安全装置46を流れる電流が所定値以上になり、この安全装置46の温度が異常に上昇した場合に溶融する。従って、この安全装置46は、通常時に、上述の図19〜26に示した参考例の第4〜7例の構造を構成する導通部44と同じ役目を果たすと共に、上記安全装置46に所定値以上の電流が流れた場合に流れる電流を遮断する、温度ヒューズとしての役目も果たす。従って、上記各抵抗体41a、41bに所定値以上の過大な電流が流れた場合には、上記安全装置46を流れる電流が遮断されると共に、上記各抵抗体41a、41bへの通電が停止されて、安全性を十分に確保できる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図19〜22に示した参考例の第4例の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
【0065】
次に、図28は、やはり請求項2〜4に関連する、本発明に関する参考例の第9例を示している。本参考例の場合には、前述の図23に示した参考例の第5例の構造で、絶縁部材19の一部に設けていた切り欠き45の内側に柱状の安全装置46aを、導通部44aの代わりに設けている。この安全装置46aは、温度が所定値以上になった場合に、抵抗が急激に増大する、正の抵抗温度特性を有するPTC素子から成る。そして、この安全装置46aを流れる電流が所定値以上になり、この安全装置46aの温度が上記所定値以上になった場合に、この電流に対する抵抗を急激に増大させて、流れる電流を十分に小さくできる。そして、上記安全装置46aの両端部を、各電熱ヒータ5cの両側に設けた第一、第二の抵抗体41a、41bの端部に電気的に接続している。又、本参考例の場合には、上記各電熱ヒータ5cの一部で、上記安全装置46aの外面のうち、上記切り欠き45の内面に接触しない部分の周囲に、絶縁ゴムやポリイミド樹脂等、温度上昇しても発火しない材料から成る絶縁部47を設けている。そして、上記安全装置46aの周囲をこの絶縁部47と絶縁部材19との絶縁材により外部から覆っている。
【0066】
上述の様に構成する本参考例の構造によれば、使用時に、上記各抵抗体41a、41bに過大な電流が流れる事を防止できて、安全性を十分に確保できる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図23に示した参考例の第5例の場合と同様である為、重複する説明は省略する。尚、前述の図27に示した参考例の第8例の場合にも、参考例の第8例で使用する安全装置46の代わりに、本参考例の構造で使用している、PTC素子から成る安全装置46aを用いる事もできる。
【0067】
次に、図29〜30は、請求項2、4に関連する、本発明に関する参考例の第10例を示している。本参考例の場合には、前述の図19〜22に示した参考例の第4例の構造で、ハーネス28の端部に設けたコネクタ48が、電熱ヒータ5cの端部に設けた突部20a、20bに誤った向きで接続されるのを防止する為に、この電熱ヒータ5cとコネクタ48との構造を工夫している。即ち、本参考例の場合には、上記電熱ヒータ5cを構成する絶縁部材19の幅方向一端縁(図29の下端縁、図30の裏側端縁)の一部で、上記各突部20a、20bとこの絶縁部材19の幅方向中央寄りに隣り合う位置に矩形状の誤組み付け防止用突部49、49を、それぞれ突出形成している。そして、上記絶縁部材19の幅方向一端縁の一部で、上記各突部20a、20bと誤組み付け防止用突部49、49との間部分に凹部50、50を、それぞれ形成している。
【0068】
一方、上記コネクタ48は、合成樹脂製のケース54の内側に、ハーネス28の端部に接続した雌端子29を保持している。そして、上記コネクタ48の先端面(図30の表側端面)で、幅方向(図30の左右方向)中央部に開口部51を形成している。上記各電熱ヒータ5cの端部に設けた各突部20a、20bは、この開口部51を通じて上記雌端子29の内側に挿入自在である。又、本参考例の場合には、上記コネクタ48の先端面の幅方向片端寄り部分(図30の左端寄り部分)に段部52を形成している。これに対して、上記コネクタ48の先端面の一部で、幅方向他端寄り部分(図30の右端寄り部分)には、段部を形成せず、この幅方向他端寄り部分と、上記コネクタ48の長さ方向一端面の開口部51周辺部とを同一平面上に位置させている。
【0069】
そして、上記雌端子29の基部30を構成する1対の脚部53、53のうち、上記コネクタ48の幅方向他端寄りに設けた一方(図30の右方)の脚部53の内側面と上記コネクタ48の幅方向他側面(図30の右側面)との間の長さd1 を、上記絶縁部材19の一部に設けた凹部50の幅方向長さW50よりも大きくし(d1 >W50)ている。これに対して、上記1対の脚部53、53のうち、他方(図30の左方)の脚部53の内側面と、上記コネクタ48の幅方向片側面(図30の左側面)で上記段部52よりも上記コネクタ48の先端寄りに位置する部分との間の長さd2 を、上記凹部50の幅方向長さW50よりも小さくし(d2 <W50)ている。
【0070】
上述の様に構成する本参考例の暖房用熱交換器の使用時に、上記コネクタ48と上記電熱ヒータ5cに設けた突部20a(又は20b)とを接続する場合には、図30に示す様に、上記電熱ヒータ5cの幅方向一端縁に設けた誤組み付け防止用突部49に上記コネクタ48に設けた段部52を対向させる状態で、上記コネクタ48に設けた雌端子29を上記突部20a(又は20b)に接続する。この場合、上記他方の脚部53の内側面の先端寄り部分(図30の表側端寄り部分)と、上記コネクタ48の幅方向片側面で上記段部52よりも上記コネクタ48の先端寄りに位置する部分との間部分は、上記凹部50の内側に進入する。そして、上記コネクタ48に設けた段部52が上記誤組み付け防止用突部49の先端縁に、上記コネクタ48の先端面の幅方向他端寄り部分が上記絶縁部材19の幅方向一端縁で上記突部20a(又は20b)よりも長さ方向端部寄りに位置する部分に、それぞれ突き当たる。この状態で、上記雌端子29を構成する底部33が上記突部20a(又は20b)の片側面(図29、30の裏側面)に設けた導体に接触する状態で、上記雌端子29の内側に上記突部20a(又は20b)が挿入される。
【0071】
これに対して、上記電熱ヒータ5cの幅方向一端縁で、上記突部20a(又は20b)に関して上記誤組み付け防止用突部49と反対側の部分に上記コネクタ48に設けた段部52を対向させる状態で、上記コネクタ48を上記突部20a(又は20b)に接続しようとした場合には、上記コネクタ48の先端面の幅方向他端寄り部分が上記誤組み付け防止用突部49の先端に突き当たって、上記コネクタ48に保持した雌端子29の内側に上記突部20a(又は20b)をそれ以上挿入する事ができなくなる。この為、作業者は、上記コネクタ48を上記突部20a(又は20b)に誤った向きで接続しようとしている事が分かり、このコネクタ48を上記突部20a(又は20b)に正常な向きで確実に接続し直す事ができる。従って、本参考例の構造によれば、上記コネクタ48が上記突部20a(又は20b)に誤った向きで接続されて、暖房用熱交換器1a(図1等参照)の組み付け後にこの暖房用熱交換器1aを正常に使用できなくなる事を防止できる。又、この暖房用熱交換器1aの組み付け後に、上記コネクタ48が上記突部20a(20b)に誤った向きで接続されている事が分かった場合に、作業者が上記コネクタ48を上記突部20a(又は20b)に正常な向きで接続し直す、面倒な手間が不要となる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図19〜22に示した参考例の第4例の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
【0072】
次に、図31〜32は、やはり請求項2、4に関連する、本発明に関する参考例の第11例を示している。本参考例の場合には、各電熱ヒータ5cを構成する絶縁部材19に設ける1対の突部20a、20bを、上記絶縁部材19の幅方向一端縁(図31の下端縁)で、長さ方向一端寄り部分(図31の左端寄り部分)に、互いに狭い間隔をあけて隣り合う状態で設けている。又、上記絶縁部材19の幅方向一端縁で、上記各突部20a、20bのうち、一方(図31の右方)の突部20aと上記絶縁部材19の中央寄りに隣り合う位置に誤組み付け防止用突部49を形成している。
【0073】
そして、本参考例の場合、上記各突部20a、20bにそれぞれ接続する為に設ける1対のハーネス28、28の端部に、1個のコネクタユニット55を設けると共に、このコネクタユニット55を構成するケース56の内側に1対の雌端子29、29を、それぞれの底部33、33を上記コネクタユニット55の厚さ方向に関して互いに逆に設けた状態で保持している。そして、上記コネクタユニット55の先端面(図32の表側端面)で幅方向片端寄り部分(図32の左端寄り部分)に段部52を形成している。又、上記1対の雌端子29、29のうち、一方(図32の右方)の雌端子29を構成する一方(図32の右方)の脚部53の内側面と、上記コネクタユニット55の幅方向他側面(図32の右側面)との間の長さd1 ´を、上記各電熱ヒータ5cの幅方向一端縁で、上記一方の突部20aと誤組み付け防止用突部49との間に設けた凹部50の幅方向長さW50´よりも大きくしている(d1 ´>W50´)。又、上記1対の雌端子29、29のうち、他方(図32の左方)の雌端子29を構成する他方(図32の左方)の脚部の内側面と、上記コネクタユニット55の幅方向片側面(図32の左側面)で上記段部52よりも上記コネクタユニット55の先端寄りに位置する部分との間の長さd2 ´を、上記凹部50の幅方向長さW50´よりも小さくしている(d2 ´<W50´)。
【0074】
上述の様に構成する本参考例の場合にも、上記コネクタユニット55を上記1対の突部20a、20bに正常な向きで確実に接続する事ができる。又、本参考例の場合には、1対のハーネス28、28の端部同士を、1個のコネクタユニット55で結合している為、上記各突部20a、20bに対する上記各ハーネス28、28の端部の着脱を容易に行なえる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図29〜30に示した参考例の第10例の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
【0075】
次に、図33は、やはり請求項2、4に関連する、本発明に関する参考例の第12例を示している。本参考例の場合には、上述の図31〜32に示した参考例の第11例の構造で、各電熱ヒータ5cに設けた誤組み付け防止用突部49aをL字形に形成している。又、コネクタユニット55の端部に設けた段部52の厚さ方向一端部(図33の下端部)に、係止用突部57を突出形成している。そして、この係止用突部57の先端に、上記段部52の厚さ方向中央寄りに向け突出する突起58を形成している。この突起58の先端面は、上記段部52の厚さ方向中央寄りになる程、係止用突部57の基端側に向かう方向に傾斜している。
【0076】
この様な本参考例の構造の使用時に、上記各電熱ヒータ5cに設けた1対の突部20a、20bに上記コネクタユニット55を接続する場合には、上記係止用突部57と上記誤組み付け防止用突部49aとを対向させた状態で、上記コネクタユニット55に設けた1対の雌端子29、29の内側に上記各突部20a、20bを挿入させる。この様な各突部20a、20bの挿入に伴い、上記係止用突部57に設けた突起58の先端は、上記誤組み付け防止用突部49aの先端部に設けた折れ曲がり部59の先端に突き当たる。そして、上記各雌端子29、29の内側へ上記各突部20a、20bを更に挿入するのに伴い、上記係止用突部57の先端部が上記各電熱ヒータ5cの裏側に向けて弾性変形すると共に、上記突起58が上記折れ曲がり部59を通過した後に弾性復帰して、上記係止用突部57と上記誤組み付け防止用突部49aとが係合する。従って、本参考例によれば、上記コネクタユニット55を上記各突部20a、20bに接続した後に、上記ハーネス28、28に外部から不用意に大きな力が加わった場合でも、上記コネクタユニット55を上記各突部20a、20bから外れにくくできる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図31〜32に示した参考例の第11例の場合と同様である。
【0077】
次に、図34〜37は、請求項4に関連する、本発明に関する参考例の第13例を示している。本参考例の場合には、上述の図19〜33に示した、参考例の第4〜12例の場合と異なり、各電熱ヒータ5dに、第一、第二の両抵抗体41a、41bの端部同士を接続する、導通部44、44aや安全装置46、46aを形成していない。その代わりに、本参考例の場合には、上記各電熱ヒータ5dの幅方向一端縁{図34(a)の上端縁、図34(b)の下端縁}の2個所位置に正極側、負極側各突部60a、60b、61a、61bを、それぞれ1対ずつ互いに狭い間隔をあけて隣り合う状態で突出形成している。又、上記第一、第二の抵抗体41a、41bは、波形部23と、この波形部23の両端に接続した1対の脚部22a、22bとから構成している。このうちの第一の抵抗体41aに設けた1対の脚部22a、22bの端部は、上記複数の突部60a、60b、61a、61bのうち、両端の2個の正極側、負極側各突部60a、61bの片側面{図34(a)の裏側面、図34(b)の表側面}にそれぞれ設けた導体26、26の端部に、それぞれ接続している。又、上記第二の抵抗体41bに設けた1対の脚部22a、22bの端部は、上記複数の突部60a、60b、61a、61bのうち、残部の2個の正極側、負極側各突部60b、61aの他側面{図34(a)の表側面、図34(b)の裏側面}にそれぞれ設けた導体26、26の端部に、それぞれ接続している。
【0078】
又、本参考例の場合には、上記各突部60a、60b、61a、61bに接続する為に設ける1対のハーネス28の端部に、図35〜36に示す様な、安全装置付コネクタ62を接続している。この安全装置付コネクタ62は、合成樹脂製のケース54aの内側に1対の雌端子74a、74bを、それぞれの底部33、33を上記安全装置付コネクタ62の厚さ方向に関して互いに逆に設ける状態で保持している。又、これら1対の雌端子74a、74bを構成する底部33、33の側面同士の間に、中間部を曲面状に形成した板ばね63を設けている。即ち、この板ばね63は、導電性を有する金属板製で1対の平板部64、64の間に断面略円弧状の曲面部65を設けている。又、この曲面部65は、上記1対の雌端子74a、74bのうち、一方(図35〜36の右方)の雌端子74aに近づく方向の弾力を有する。又、上記1対の雌端子74a、74bのうち、他方(図35〜37の左方)の雌端子74bの底部33の側面に温度ヒューズ66を固定すると共に、この温度ヒューズ66の側面に上記板ばね63の一端(図35〜36の左端)に設けた平板部64を固着している。この温度ヒューズ66は、Sn、Ag等の合金から成る。そして、上記各雌端子74a、74bを前記各突部60a、60b、61a、61bに接続した状態で、前記各抵抗体41a、41bに過大な電流が流れて、上記温度ヒューズ66の温度が所定値以上に上昇した場合には、この温度ヒューズ66が溶融する。この場合には、上記板ばね63が、図36に二点鎖線で示す様に弾性的に復元し、この板ばね63の一端が上記他方の雌端子74bの側面から離隔して、上記各抵抗体41a、41bへの通電が停止される。
【0079】
又、本例の場合、上記1対の雌端子74a、74bのうち、他方の雌端子74bに、上記各ハーネス28の端部を接続している。そして、本参考例の暖房用熱交換器の使用時には、上記1対のハーネス28のうち、その一端を図示しない電源の正極側端子に接続した、一方のハーネス28の他端に設けた安全装置付コネクタ62を、上記各電熱ヒータ5dの長さ方向一端部(図34の左端部)に設けた2個の正極側各突部60a、60bに接続する。この場合、上記一方のハーネス28の他端に設けた安全装置付コネクタ62を構成する1対の雌端子74a、74bのうち、他方の雌端子74bを片側(図34の左側)の突部60aに、一方の雌端子74aを他側(図34の右側)の突部60bに、それぞれ接続する。
【0080】
これに対して、上記1対のハーネス28のうち、その一端を上記電源の負極側端子に接続した、他方のハーネス28の他端に設けた安全装置付コネクタ62を、上記各電熱ヒータ5dの長さ方向中央寄りに設けた2個の負極側各突部61a、61bに接続する。この場合、上記他方のハーネス28の他端に設けた安全装置付コネクタ62を構成する1対の雌端子74a、74bのうち、他方の雌端子74bを片側の突部61aに、一方の雌端子74aを他側の突部61bに、それぞれ接続する。従って、この状態で、前記第一、第二の抵抗体41a、41b同士は、図37に示す様に、互いに電気的に並列に接続された状態となる。又、これら各抵抗体41a、41bに対して温度ヒューズ66、66が、それぞれ電気的に直列に接続された状態となる。
【0081】
上述の様に構成する本参考例の暖房用熱交換器によれば、各電熱ヒータ5dの一部に安全装置46、46aを設ける事なく、上記各第一、第二の抵抗体41a、41bに過大な電流が流れるのを防止できて、安全性の確保を図れる。又、上記各電熱ヒータ5dに設けた各突部60a、60b、61a、61bの両側面のうち、何れかの側面のみに、上記各抵抗体41a、41bに接続された導体26、26を設けている。この為、安全装置付コネクタ62に設けた各雌端子74a、74bの底部33のみを上記各導体26、26に接触させる事ができて、これら各雌端子74a、74bの突き当て部32、32を上記各導体26、26に接触させる必要がなくなる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜13に示した参考例の第1例又は図19〜22に示した参考例の第4例の場合と同様である為、同等部分に関する説明は省略する。
【0082】
次に、図38は、やはり請求項4に関連する、本発明に関する参考例の第14例を示している。本参考例の場合には、上述の図34〜37に示した参考例の第13例の場合と異なり、安全装置付コネクタ62aの内側に設ける1対の雌端子75a、75bのうち、一方(図38の右方)の雌端子75aの側に温度ヒューズ66を設けている。又、本参考例の場合には、上記各雌端子75a、75bの構造が上記第13例の場合と異なる。即ち、本参考例の場合には、ハーネスの端部に設けた安全装置付コネクタ62aを構成する各雌端子75a、75bが、導電性を有する金属板を略筒状に折り曲げて成る本体部分76と、この本体部分76の内側に設けた抑え部材77とを設けて成る。このうちの本体部分76の一部は、幅方向(図38の左右方向)に所定長さ部分突出させた突出部78a(78b)としている。又、上記抑え部材77は、金属板製で、基部79の両側に断面ハ字形に広がった1対の抑え部80、80を設けている。そして、上記基部79を上記本体部分76の内周面の一部に固定すると共に、上記各抑え部80、80を上記本体部分76の内方に向け突出させている。これら各抑え部80、80は、それぞれの先端同士の間隔が狭くなる方向の弾力を有する。そして、上記安全装置付コネクタ62aを構成するケース54bの内側に上記各雌端子75a、75bを、上記安全装置付コネクタ62aの厚さ方向に関して上記各抑え部材77、77が互いに逆に位置する状態で保持している。
【0083】
又、上記各雌端子75a、75bを構成する突出部78a、78b同士の間に、板ばね63を設けている。そして、本参考例の場合には、この板ばね63の曲面部65が、上記1対の雌端子75a、75bのうち、他方の雌端子75b(図38の左方)に向かう方向の弾力を有する。そして、上記板ばね63の一端(図38の左端)に設けた平板部64を、上記他方の雌端子75bの突出部78bと上記ケース54bの内面との間に挟持させると共に、上記板ばね63の他端(図38の右端)に設けた平板部64を、温度ヒューズ66と上記一方の雌端子75aの突出部78aの側面との間に保持している。
【0084】
この様な安全装置付コネクタ62aを用いる本参考例の使用時には、各電熱ヒータ5d(図34参照)を構成する正極側、負極側各突部60a、60b、61a、61bを、上記安全装置付コネクタ62aを構成する各雌端子75a、75bの本体部分76、76の内側に挿入する。この場合には、上記各突部60a、60b、61a、61bにより、上記各雌端子75a、75bの内面と上記各抑え部80、80の先端縁との間が弾性的に押し広げられる。そして、上記各雌端子75a、75bの内側に上記各突部60a、60b、61a、61bが、これら各雌端子75a、75bの内面と上記各抑え部80、80の先端縁とにより弾性的に押し付けられた状態で接続される。本参考例の構造の使用時に、上記各電熱ヒータ5dを構成する第一、第二の抵抗体41a、41b(図34参照)に過大な電流が流れて、上記温度ヒューズ66の温度が所定値以上に上昇した場合には、この温度ヒューズ66が溶融する。そして、上記板ばね63の一部が、この板ばね63の自重及び弾力に基づいて、図38に二点鎖線で示す様に変形し、この板ばね63の他端が上記一方の雌端子75aの突出部78aの側面から離隔して、上記各抵抗体41a、41bへの通電が停止される。
【0085】
上述の様な安全装置付コネクタ62aを用いる本参考例の場合には、上述の図34〜37に示した参考例の第13例の場合と異なり、安全装置付コネクタ62aに設ける雌端子75a、75bとして、従来から一般的に使用されているものを使用できない。但し、 参考例の場合にも、上記参考例の第13例の場合と同様に、各雌端子75a、75bを接続する突部60a、60b、61a、61bの両側面のうち、何れかの側面のみに、上記各抵抗体41a、41bの端部に接続した導体26(図34参照)を設けている。この為、上記各雌端子75a、75bのうち、上記各突部60a、60b、61a、61bの他側面と対向する部分を、これら各突部60a、60b、61a、61bに接触させる必要がなくなる為、構造を簡略化できて、コスト低減を図れる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図34〜37に示した参考例の第13例の場合と同様である。
【0086】
次に、図39は、やはり請求項4に関連する、本発明に関する参考例の第15例を示している。本参考例の場合には、前述の図34〜37に示した参考例の第13例の構造で、安全装置付コネクタ62を構成するケース54aの厚さ方向一端部(図39の下端部)に設けた板部68の一部に、安全装置付コネクタ62の開口部51を設けた側に開口する切り欠き69を形成すると共に、この切り欠き69の底部に係止用突部57を形成している。そして、この係止用突部57の先端に、上記ケース56の内側に向け突出する突起58を形成している。
【0087】
又、各電熱ヒータ5dを構成する絶縁部材19の幅方向一端縁(図39の裏側端縁)で、互いに狭い間隔をあけて隣り合う状態で設けた1対の正極側突部60a、60bの間部分に中間突部70を形成すると共に、この中間突部70の中間部に係止孔71を、この中間突部70の両側面を貫通する状態で形成している。そして、上記各電熱ヒータ5dの2箇所位置に互いに隣り合う状態で設けた1対の正極側突部60a、60bに上記安全装置付コネクタ62の雌端子74a、74bを接続自在としている。又、これら正極側突部60a、60bに上記安全装置付コネクタ62を接続した状態で、上記係止突部57に設けた突起58を上記中間突部70に設けた係止孔71に、図39の下側から係合させる。
【0088】
上述の様な本参考例の構造によれば、前述の図33に示した参考例の第12例の場合と同様に、その端部に安全装置付コネクタ62を設けたハーネスに外部から不用意に大きな力が加わった場合でも、この安全装置付コネクタ62を上記各突部60a、61aから外れにくくできる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図34〜37に示した参考例の第13例の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
【0089】
尚、上述した各参考例及び実施の形態の1例では、各電熱ヒータの両側面に弾性材である、シリコン接着剤のうち、比較的良好な熱伝導性を有するものをコーティングしているが、上記弾性材として、絶縁性及び弾性を有し、しかも比較的良好な熱伝導性を有する両面テープ等の弾性材を使用して、この弾性材を上記各電熱ヒータの両側面に添着させる事もできる。
【0090】
【発明の効果】
本発明の暖房用熱交換器は、以上に述べた通り構成され作用する為、電熱ヒータからフィンへの伝熱性能を十分に確保した構造を、安価且つ容易に得られる。この結果、加温流体の温度が低い場合でも、十分な暖房効果を得られる暖房用熱交換器を、低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関する参考例の第1例を示す略斜視図。
【図2】 電熱ヒータのみを取り出して示す略斜視図。
【図3】 図2の上方から見た図。
【図4】 図3のA−A断面図。
【図5】 同じくB−B断面図。
【図6】 同じくC部拡大図。
【図7】 電熱ヒータに接続する為のハーネスの端部と雌端子とを示す斜視図。
【図8】 電熱ヒータに設けた突部と雌端子との接続状態を示す断面図。
【図9】 各電熱ヒータに設けた1対の抵抗体同士の電気的な接続状態を示す回路図。
【図10】 コア部に電熱ヒータを組み付ける前の状態で、ヘッダの一部に設けた通孔に塞ぎ部材を挿入する状態を示す部分分解斜視図。
【図11】 コア部の一部にダミー板を設けた状態を示す部分断面図。
【図12】 コア部の複数個所に電熱ヒータを組み付ける状態を示す部分斜視図。
【図13】 コア部の内部に冷却水が流れる状態を説明する為の略断面図。
【図14】 本発明に関する参考例の第2例を示す部分断面図。
【図15】 同じく図12に相当する図。
【図16】 本発明の実施の形態の1例を示す、図3に相当する図。
【図17】 本発明に関する参考例の第3例で、コア部の複数個所に電熱ヒータを組み付ける状態を示す斜視図。
【図18】 組み合わせ素子の部分拡大斜視図。
【図19】 本発明に関する参考例の第4例で用いる電熱ヒータを、(a)に裏側から見た場合を、(b)に表側から見た場合を、それぞれ示す図。
【図20】 参考例の第4例で、図8に相当する図。
【図21】 同じく図9に相当する図。
【図22】 同じく導通部を示す部分断面図。
【図23】 本発明に関する参考例の第5例で用いる電熱ヒータを、表側から見た図。
【図24】 同じく第6例で用いる電熱ヒータを示す、図19と同様の図。
【図25】 参考例の第6例で、図9に相当する図。
【図26】 本発明に関する参考例の第7例で用いる電熱ヒータを、表側から見た図。
【図27】 本発明に関する参考例の第8例を示す部分断面図。
【図28】 同じく第9例を示す部分断面図。
【図29】 同じく第10例で用いる電熱ヒータを、表側から見た図。
【図30】 参考例の第10例で、電熱ヒータに設けた突部にコネクタを接続する状態を示す略透視斜視図。
【図31】 本発明に関する参考例の第11例で用いる電熱ヒータを、表側から見た図。
【図32】 参考例の第11例で用いる電熱ヒータに接続する為の、ハーネスの端部及びコネクタユニットを示す略透視斜視図。
【図33】 本発明に関する参考例の第12例で、電熱ヒータに設けた突部にコネクタユニットを接続する状態を示す略透視斜視図。
【図34】 本発明に関する参考例の第13例を示す、図19と同様の図。
【図35】 参考例の第13例で用いる電熱ヒータに接続する為の、ハーネスの端部及び安全装置付コネクタを示す略透視斜視図。
【図36】 温度ヒューズが作動して、板ばねの一部が変形する状態を示す部分略断面図。
【図37】 各電熱ヒータに設けた1対の抵抗体とヒューズとの電気的な接続状態を示す回路図。
【図38】 本発明に関する参考例の第14例で用いる安全装置付コネクタを示す断面図。
【図39】 本発明に関する参考例の第15例で、電熱ヒータに設けた突部に安全装置付コネクタを接続する状態を示す略透視斜視図。
【図40】 従来構造の1例を示す斜視図。
【図41】 従来構造の1例を構成する電熱ヒータの部分拡大図。
【図42】 電熱ヒータの両側に1対のフィンを、この電熱ヒータに上記各フィンの一部を直接接触させつつ設ける状態を示す略斜視図。
【符号の説明】
1、1a 暖房用熱交換器
2a、2b ヘッダ
3 伝熱管
4 フィン
5、5a、5b、5c、5d 電熱ヒータ
6 コア部
7 抵抗体
8 第一部分
9 第二部分
10 隙間
11 流体送り込み管
12 頂部
13 流路
14 空間
15 仕切部
16 入口室
17 出口室
18 流体取り出し管
19 絶縁部材
20a、20b 突部
21 抵抗体
22a、22b 脚部
23 波形部
24 直線部
25 連結部
26 導体
27 絶縁層
28 ハーネス
29 雌端子
30 基部
31 傾斜部
32 突き当て部
33 底部
34 通孔
35、35a 塞ぎ部材
36 ダミー板
37 放熱用接着剤
38 断熱用接着剤
39 空間
40 組み合わせ素子
41a 第一の抵抗体、41b 第二の抵抗体
42 脚部
43 通孔
44、44a 導通部
45 切り欠き
46、46a 安全装置
47 絶縁部
48 コネクタ
49、49a 誤組み付け防止用突部
50 凹部
51 開口部
52 段部
53 脚部
54、54a、54b ケース
55 コネクタユニット
56 ケース
57 係止用突部
58 突起
59 折れ曲がり部
60a、60b 正極側突部
61a、61b 負極側突部
62、62a 安全装置付コネクタ
63 板ばね
64 平板部
65 曲面部
66 温度ヒューズ
68 板部
69 切り欠き
70 中間突部
71 係止孔
72 絶縁部材
73 中間部
74a、74b 雌端子
75a、75b 雌端子
76 本体部分
77 抑え部材
78a、78b 突出部
79 基部
80 抑え部

Claims (4)

  1. 内側に加温流体が流れる流路を有する複数の伝熱管と、複数のコルゲート型のフィンとを備えたコア部を有し、このコア部の一部に、通電により発熱する電熱ヒータを設けた暖房用熱交換器に於いて、上記電熱ヒータが、上記各フィンの長さ方向に長い絶縁部材の両側面に1対の抵抗体を設けており、且つ、これら各抵抗体の中間部が、互いに隙間をあけて平行に形成された、それぞれが上記絶縁部材の長さ方向に長い複数の直線部と、隣り合う直線部の端部同士を連結する連結部とから成り、全体を上記絶縁部材の幅方向に関して波形に形成しており、上記コア部の一部を構成する、互いに隣り合う1対のフィン同士の間に上記電熱ヒータを直接挟持した状態で、これら各フィンの波形の頂部の方向と、上記各直線部の方向とが、互いに直交しており、上記電熱ヒータで発生する熱量を、この電熱ヒータの長さ方向片側で長さ方向他側よりも多くし、上記各伝熱管の内側を流れる加温流体の流れ方向に関してコア部の上流側に、上記電熱ヒータの長さ方向片側部分を設けている事を特徴とする暖房用熱交換器。
  2. 絶縁部材の両側に設ける1対の抵抗体の端部同士を、電熱ヒータの一部に一体的に設けた導通部を介して電気的に接続している、請求項1に記載した暖房用熱交換器。
  3. 導通部の少なくとも一部を安全装置により構成しており、この安全装置を流れる電流が所定値以上となる事を防止する、請求項2に記載した暖房用熱交換器。
  4. 電熱ヒータを構成する絶縁部材の幅方向一端に突部を形成すると共に、この突部の片側面に、上記絶縁部材の両側面に設ける1対の抵抗体のうち、一方の抵抗体の端部、又はこの一方の抵抗体の端部に電気的に接続された導体を設けており、且つ、上記突部の他側面のうち、少なくとも上記各抵抗体に通電する為のハーネスの端部に設けた端子と対向する部分に、上記1対の抵抗体のうち、他方の抵抗体及びこの他方の抵抗体の端部に電気的に接続された導体の何れをも設けていない、請求項1〜3の何れかに記載した暖房用熱交換器。
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