JP2000229263A - 被覆物の製造方法 - Google Patents

被覆物の製造方法

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JP2000229263A
JP2000229263A JP11031626A JP3162699A JP2000229263A JP 2000229263 A JP2000229263 A JP 2000229263A JP 11031626 A JP11031626 A JP 11031626A JP 3162699 A JP3162699 A JP 3162699A JP 2000229263 A JP2000229263 A JP 2000229263A
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silicone
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Masaaki Minamoto
政明 源
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Sekisui Chemical Co Ltd
Tokuyama Sekisui Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被覆の主目的を損なうことなく、特に大量の
物体についての被覆物を同時にかつ簡便に製造すること
が可能な被覆物の製造方法を提供する。 【解決手段】 被覆される複数個の物体に加熱硬化型コ
ーティング剤の液状物を塗布した後、減圧下において該
コーティング剤の硬化温度より低い温度で該液状物中の
溶媒又は分散媒を留去し、次に該コーティング剤の硬化
温度以上で加熱することを特徴とする被覆物の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加熱硬化型コーティ
ング剤を使用した、被覆物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、物体表面を被覆した物体、すなわ
ち被覆物を製造する方法として、加熱硬化型コーティン
グ剤を使用した製造方法が用いられている。この方法に
おいてコーティング剤を加熱硬化させるために種々の方
法が用いられており、例えば、熱風硬化、加熱炉中硬
化、蒸気硬化、高温液体硬化等を挙げることができる。
特に熱風硬化や加熱炉中硬化が代表的な方法であるが、
この他にも、特開昭57−110433号公報に開示さ
れているように、赤外線を利用した硬化方法等がある。
【0003】しかし、上記に挙げた従来の硬化方法、特
に熱風硬化、加熱炉中硬化、赤外線硬化、蒸気硬化にお
いては、複数個の物体について同時に被覆する場合、被
覆される物体同士が接触しないように配慮する必要があ
った。これは、硬化過程において、物体同士が接触する
と、合着や被覆表面の仕上がりが悪くなるという問題が
あるためである。この問題を解消するために、各物体を
完全に隔離して硬化することが考えられるが、作業性及
びスペース上の問題から大量の物体について同時に行う
被覆物の製造方法には不向きである。さらに、物体同士
の合着を防止するため、容器中で複数個の物体を攪拌し
ながら硬化させる方法が考えられるが、この方法では、
コーティング剤の硬化途中において、物体が攪拌容器に
こすれることや物体同士こすれ合うことで硬化途中もし
くは硬化したコーティング剤から剥離クズが発生して物
体に付着したり、余剰コーティング剤が硬化して生じた
クズが付着したり、また被覆面に凹凸が形成されたりし
て、被覆の仕上がりが悪くなるという問題があった。ま
た、赤外線硬化では、赤外線照射装置といった大掛りな
装置が必要であるという問題もあり、高温液体硬化や蒸
気硬化では、塗布されたコーティング剤が硬化する前
に、物体表面から拡散等により剥がれてしまう問題点が
あった。以上のように従来の方法では、複数個、特に多
数個の物体について、同時にかつ簡便に被覆物を製造す
ることができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するためになされたものであり、上述した従来技術
の欠点を解消し、被覆の主目的を損なうことなく、特に
大量の物体についての被覆物を同時にかつ簡便に製造す
ることが可能な被覆物の製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下「本発明1」という)は、被覆される複数個の物体に
加熱硬化型コーティング剤の液状物を塗布した後、減圧
下において該コーティング剤の硬化温度より低い温度で
該液状物中の溶媒又は分散媒を留去し、次に該コーティ
ング剤の硬化温度以上で加熱することを特徴とする被覆
物の製造方法である。
【0006】請求項2記載の発明(以下「本発明2」と
いう)は、被覆される複数個の物体に加熱硬化型コーテ
ィング剤の水分散物を塗布した後、水蒸気中又は熱水中
において該コーティング剤を加熱硬化させ、かつ、加熱
硬化前に上記物体と該コーティング剤との接着性を強化
する手段を施すことを特徴とする被覆物の製造方法であ
る。
【0007】請求項3記載の発明は、加熱硬化型コーテ
ィング剤が、加熱硬化型シリコーンから成ることを特徴
とする請求項1または2記載の被覆物の製造方法であ
る。
【0008】請求項4記載の発明は、被覆される複数個
の物体が複数個の容器栓体であることを特徴とする請求
項1〜3のいずれか1項記載の被覆物の製造方法であ
る。
【0009】本発明1では、加熱硬化型コーティング剤
の液状物を使用する。液状物としては、溶液又は分散液
があり、さらに、分散液には、乳濁液又は懸濁液があ
る。溶媒及び分散媒としては、特に限定されないが、各
種有機溶媒や水を挙げることができる。本発明において
は、特に、有機溶剤や水を溶媒若しくは分散媒とする加
熱硬化型コーティング剤の溶液状びエマルジョン等の分
散液を好適に用いることができる。また、コーティング
剤の液状物のタイプについては、特に限定されず、1液
タイプ、2液タイプ及び3液以上の多液配合タイプ等で
あってもよい。
【0010】本発明1に用いられる加熱硬化型コーティ
ング剤の種類としては、特に限定されず、被覆される物
体の材質や用途、使用環境などにより適宜選択される。
例えば、シリコーン系コーティング剤やフッ素系コーテ
ィング剤などを用いることができ、比較的被覆される物
体(基材)との接着性に優れ、比較的低温での処理が可
能なシリコーン系コーティング剤を好適に用いることが
できる。また、加熱硬化型コーティング剤としてシリコ
ーン系のものを用いると、防撥水性、耐候性、防食性、
電気絶縁性、耐熱性、弾性、離型性、潤滑性、粉体処理
等の性能を付与することができる。上記コーティング剤
は、主剤及び硬化剤の他、必要に応じて触媒、添加剤等
の成分からなるものが挙げられるが、特にこれのみに限
定されるものではない。
【0011】本発明1において、被覆される物体への加
熱硬化型コーティング剤の液状物の塗布方法は特に限定
されず、例えば、はけ塗り、スプレー、ディッピング、
ローラー塗り等が挙げられる。複数個の物体へのコーテ
ィング剤の塗布を短時間に行うには、スプレーやディッ
ピングまたは容器中で所定量のコーティング剤を添加し
て攪拌する方法が挙げられる。特にディッピングは、極
めて短時間の内に大量の被覆される物体へのコーティン
グ剤塗布が可能であり好適に用いることができる。
【0012】本発明1では、コーティング剤の液状物の
塗布後、被覆される物体表面に存在する液状物中の溶媒
もしくは分散媒(以下、溶媒等という)を減圧下で留去
する。このときの留去温度は、コーティング剤の硬化温
度より低い温度とする。これは、留去温度がコーティン
グ剤の硬化温度以上である場合、溶媒等の留去と同時に
コーティング剤の硬化が進行するため、物体が攪拌容器
や他の物体にこすれると硬化途中もしくは硬化したコー
ティング剤から剥離クズが発生して物体に付着したり、
余剰コーティング剤が硬化して生じたクズが付着した
り、また被覆表面に凹凸が形成されたりして、被覆の仕
上がりが悪くなるためである。溶媒等留去時の減圧度は
特に限定されないが、その留去温度における飽和蒸気圧
以下とすることが好ましい。なお、−760mmHgに
近いほど留去時間を短縮することができる。
【0013】上記溶媒等の留去時には、物体を回転容器
中もしくは攪拌翼等で攪拌を行う方が、溶媒等の留去ム
ラが発生し難いため、より好ましい。これは、攪拌を行
わないと、物体の凹部等にコーティング剤が溜ったり、
物体同士が接している面の溶媒等が留去しづらかったり
して、コーティング剤の被覆ムラが生じる場合があるた
めである。
【0014】本発明1において、加熱硬化前に液状物中
の溶媒等の減圧留去を行うことで以下のような利点があ
る。 1)液状物の流動性をなくし、物体表面に固定化するこ
とができる。 2)加熱硬化時において、液状物に流動性がないため、
被覆ムラや合着が発生し難く、硬化時の攪拌はほとんど
必要がない。この結果、硬化コーティング剤の剥離クズ
等が発生し難い。 3)加熱硬化前に流動する余剰コーティング剤をなくす
ことができるため、硬化時に硬化したコーティング剤の
クズが発生し難い。さらに、溶媒等の減圧留去時に十分
に攪拌しながら乾燥を行うと、均一な被覆層膜厚を硬化
する前に形成することができる利点もある。
【0015】本発明1では、液状物中の溶媒等の減圧留
去後、コーティング剤の硬化温度以上に加熱してコーテ
ィング剤を硬化させる。その加熱硬化方法としては、熱
風硬化、加熱炉中硬化、蒸気硬化、高温液体硬化、赤外
線硬化など特に限定されないが、中でも熱伝達効率の点
から高温液体硬化若しくは蒸気硬化が好ましく、液体と
して水を使用した熱水硬化が特に好ましい。
【0016】上記高温液体硬化を行った場合は、物体同
士の接触が生じても衝撃がやわらげられるため表面状態
が劣化し難く、また、硬化したコーティング剤の剥離ク
ズも発生し難いという利点がある。また、本発明におい
ては、予め、コーティング剤の溶媒等を減圧下で留去し
ているため、液体中でも拡散等により物体表面からコー
ティング剤が散逸しにくい。さらに、この液体は硬化温
度以上の高温とされているため、物体表面のコーティン
グ剤は液体に接触した時点から速やかに硬化反応が開始
される。つまり、仮にコーティング剤が流動しやすい状
況においても、散逸が生じる前に硬化反応が進行を開始
するため、コーティング剤の散逸は極めて起こりにくい
といえる。特に、エマルジョン系のコーティング剤で熱
水硬化を行う場合、この方法はコーティング剤の散逸を
防ぐために極めて有効である。
【0017】また、上記高温液体硬化の利点として、物
体表面の洗浄や被覆層中からの抽出作用によって被覆品
の不純物の除去が可能である点も挙げられる。特にエマ
ルジョン系のコーティング剤では、熱水硬化によりコー
ティング剤の硬化と同時にエマルジョンに添加されてい
る乳化剤を除去することが可能である。被覆品の用途に
より、乳化剤等の不純物を除去する必要がある場合、硬
化後改めて不純物除去の操作をする必要がなく、極めて
効果的である。また、蒸気硬化においても蒸気が高温液
体と同様の作用をするため、物体表面の洗浄や被覆層中
からの不純物の除去が可能である。
【0018】本発明1においては、上記の高温液体硬化
以外の硬化方法も利用できる。例えば、100℃以上の
硬化温度が必要な場合、蒸気硬化や熱風硬化、乾燥炉中
硬化を利用するのが簡便である。上記の硬化処理におい
ては、コーティング剤の硬化をより均一とするために適
度な攪拌を行うことが好ましい。
【0019】エマルジョン系のコーティング剤を用いる
場合において最も好ましい方法としては、被覆される物
体をコーティング剤に浸漬して均一に塗布し、余剰のコ
ーティング剤を液切りした後、回転容器で攪拌しながら
硬化温度未満で減圧乾燥し、物体表面のぬれが認められ
なくなった段階で、熱水に浸漬してゆっくりと攪拌して
コーティング剤を硬化して、被覆物を製造する方法が挙
げられる。
【0020】本発明1において、コーティング剤と被覆
される物体の接着性が低い場合、必要に応じて、プライ
マーを使用したり、基材との密着性を向上させるための
添加剤を予め硬化型コーティング剤中に配合したものを
使用してもよい。
【0021】本発明1では、被覆される物体の材質や形
状、大きさ等は特に限定されない。材質としては、例え
ば、合成ゴムや天然ゴム、PET等のプラスチック、金
属などが挙げらる。被覆される物体としては、例えば、
装置の部品、容器や容器栓体等が挙げられる。本発明の
被覆物の製造方法は、複数個の物体についての被覆物を
一括して製造する場合に有効であり、特に大量の比較的
小さな物体についての被覆物を一括して製造する場合に
極めて有効に利用できる。
【0022】上記高温液体硬化を用いる場合は、物体同
士の接触が生じても物体の表面状態が劣化し難く、また
硬化したコーティング剤の剥離クズも発生し難い利点が
あるため、被覆品の仕上がりの観点からは硬化前のコー
ティング剤の液状物中の溶媒等の減圧留去を省略できる
場合も考えられる。しかし、このように被覆品の仕上が
りにおける不具合回避の可能性はあるものの、予め減圧
留去によりコーティング剤の液状物中の溶媒等を取り除
いておかなければ、液体中に浸漬した際に、物体表面の
コーティング剤が液体中に拡散してしまう問題が残る。
特に水分散されたコーティング剤の熱水硬化においては
顕著である。また、蒸気硬化においても、乾燥環境下で
硬化させる熱風硬化・乾燥炉中硬化・赤外線硬化等と比
較して、物体が常に潤うため、物体同士の接触が生じて
も物体の表面状態が劣化し難く、また硬化したコーティ
ング剤の剥離クズも発生し難い利点がある。
【0023】本発明2は、被覆される複数個の物体に加
熱硬化型コーティング剤の水分散物を塗布した後、水蒸
気中又は熱水中において該コーティング剤を加熱硬化さ
せ、かつ、加熱硬化前に上記物体とコーティング剤との
接着性を強化する手段を施すことを特徴とする被覆物の
製造方法である。
【0024】本発明2に用いられる加熱硬化型コーティ
ング剤の液状物の性状については、上記本発明1で挙げ
たもののうち、水分散物を用いる。水分散物とは、乳濁
液又は懸濁液であって、分散媒が水のものである。ま
た、コーティング剤のタイプについては、特に限定され
ず本発明1で説明したものと同様のものを用いることが
できる。
【0025】本発明2に用いられる加熱硬化型コーティ
ング剤の種類、成分については、特に限定されず、本発
明1で説明したものと同様のものを用いることができ
る。
【0026】本発明2において、被覆される物体への加
熱硬化型コーティング剤の水分散物の塗布方法は、特に
限定されず本発明1で説明したものと同様のものを用い
ることができる。
【0027】本発明2においては、コーティング剤を加
熱硬化させる前に、被覆される物体とコーティング剤と
の接着性を強化する手段を施す。具体的には、以下に示
す手段のうち少なくとも一つの手段を利用することがで
きる。以下の手段以外でも、接着性を強化できる手段で
あれば、いかなる手段を用いてもよい。 1)物体をコーティング剤の水分散物中に、室温で、硬
化反応に要する時間の5倍以上、好ましくは10倍以
上、より好ましくは100倍以上の間浸漬する。 2)コーティング剤の水分散物塗布後若しくは水分散物
中で、硬化しない範囲内での室温以上での加温、具体的
には、硬化反応が進行する最低温度より5℃以上低く、
より好ましくは、5〜10℃低い温度での加温を行う。
この場合、加温時間は特に限定されないが、硬化時間の
1/10〜10倍程度が好ましい。 3)コーティング剤の水分散物塗布後若しくはコーティ
ング剤の水分散物中、硬化温度において、硬化時間の1
/2以下の時間での加熱、より好ましくは、1/5〜1
/10の時間での加温を行う。 4)予めコーティング剤に基材との接着性向上剤等を添
加する。 5)予め被覆される物体にプライマー処理を施す。
【0028】本発明2においては、上記被覆される物体
とコーティング剤との接着性を強化する手段のいずれか
または併用による前処理を施すことで、物体とコーティ
ング剤との接着性を高める。物体とコーティング剤との
接着性を高めることにより、本発明1のようにコーティ
ング剤の液状物中の溶媒等の減圧留去を行うことなく、
直接加熱硬化処理を行うことが可能である。
【0029】本発明2においては、物体にコーティング
剤の水分散物を塗布した後、水蒸気中若しくは熱水中に
おいて該コーティング剤を加熱硬化させる。具体的に
は、本発明1で説明した、蒸気硬化または高温液体硬化
により行うことができる。硬化方法として熱水硬化を用
いた場合、物体に塗布されたコーティング剤の一部は熱
水中に拡散するものの、物体とコーティング剤との接着
性が高められているため全ては拡散せず、一部のコーテ
ィング剤が物体表面に残り、被覆膜を形成する。
【0030】本発明2でコーティング剤を熱水硬化した
場合の利点として、物体表面の凹部等に溜まった余剰の
コーティング剤を熱水中に浸漬することで熱水中に拡散
させることができ、著しくコーティング剤の被覆量の多
い部分が生じにくいことが挙げられる。この場合、拡散
せずに物体表面に残った一定量のコーティング剤のみが
硬化して物体表面に固定され、各物体において比較的均
一な被覆層膜厚を得ることが可能である。また、蒸気硬
化においても、熱水硬化と同様の利点を得ることが可能
である。但し、物体への被覆層膜厚のコントロールは、
物体とコーティング剤との接着性を高める前処理による
ところが大きいため、ロット間のばらつきが生じ易く常
に一定の膜厚を得ることは容易でない。本発明2の方法
は、前述のような利点や真空乾燥設備が不要であるとい
った利点がある反面、被覆層の膜厚コントロールの面か
らは、本発明1の方法がより確実な方法であるといえ
る。
【0031】本発明2においても、被覆される物体につ
いては、特に限定されず、本発明1で説明したのと同様
の物体について被覆物を製造することができる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。本実施例及び比較例では、被覆される物体と
して合成ゴム製の容器栓体(外径φ20mm、高さ20
mm)、加熱硬化型コーティング剤としてシリコーン系
コーティング剤を用いた場合を示す。
【0033】実施例1 真空乾燥・回転攪拌・加熱の機能を有する汎用のゴム栓
洗浄乾燥機を使用し、コーティング剤としては、シリコ
ーン、硬化剤、触媒の3液からなるエマルジョン系加熱
硬化型シリコーン(硬化温度は、80℃以上)を使用し
た。栓体5000個をゴム栓洗浄乾燥機に入れ、コーテ
ィング剤に10分間浸漬し、排液後、25℃、−755
mmHgで30分間、5rpmで攪拌しながら真空乾燥
し、コーティング剤中の水を留去した。その後、95℃
の熱水を供給し、1rpmで回転攪拌しながら30分間
熱水に浸漬して、シリコーンを硬化させた。その後、1
20℃の熱風で加熱して栓体を乾燥させた。その結果、
外観及び品質ともに良好で、被覆層中の乳化剤等の不純
物が充分除去された容器栓体のシリコーン被覆物を得る
ことができた。
【0034】実施例2 実施例1において、真空乾燥後、熱水供給する代わり
に、1rpmで回転攪拌しながら、120℃の蒸気を3
0分間供給してシリコーンを硬化させたこと以外、実施
例1と同様に実施した。その結果、外観及び品質ともに
良好で、被覆層中の乳化剤等の不純物が除去された容器
栓体のシリコーン被覆物を得ることができた。
【0035】実施例3 実施例1において、真空乾燥後、熱水供給によるシリコ
ーン硬化及びその後の120℃熱風乾燥の代わりに、1
rpmで回転攪拌しながら、120℃の熱風を90分間
供給してシリコーンを硬化させたこと以外、実施例1と
同様に実施した。その結果、外観及び品質ともに良好な
容器栓体のシリコーン被覆物を得ることができた。
【0036】実施例4 実施例3において、熱風硬化時に回転攪拌を行わなかっ
た以外は実施例3と同様に実施した。その結果、外観及
び品質ともに良好な容器栓体のシリコーン被覆物を得る
ことができた。また、被覆物同士の合着も認められなか
った。
【0037】実施例5 実施例1において、コーティング剤として、シリコー
ン、硬化剤、触媒の3液からなる有機溶剤系硬化型シリ
コーン(硬化温度は、80℃以上)を使用したこと以外
は、実施例1と同様に実施した。その結果、外観及び品
質ともに良好で、被覆層中の乳化剤等の不純物が除去さ
れた容器栓体のシリコーン被覆物を得ることができた。
【0038】実施例6 真空乾燥・回転攪拌・加熱の機能を有する汎用のゴム栓
洗浄乾燥機を使用し、コーティング剤としては、シリコ
ーン、硬化剤、触媒の3液からなるエマルジョン系硬化
型シリコーン(硬化温度は80℃以上、硬化時間は10
分以上)を使用した。栓体5000個をゴム栓洗浄乾燥
機に入れ、1rpmで回転攪拌しながらコーティング剤
に24時間浸漬し、排液後、95℃の熱水を供給し、1
rpmで回転攪拌しながら30分間熱水に浸漬してシリ
コーンを硬化させた。その後、120℃の熱風で加熱し
て栓体を乾燥した。その結果、外観及び品質ともに良好
で、被覆層中の乳化剤等の不純物が充分除去された容器
栓体のシリコーン被覆物を得ることができた。
【0039】実施例7 実施例6において、熱水の代わりに120℃の蒸気を供
給したこと以外は実施例6と同様に実施した。その結
果、外観及び品質ともに良好で、被覆層中の乳化剤等の
不純物が除去された容器栓体のシリコーン被覆物を得る
ことができた。
【0040】実施例8 実施例6において、シリコーン液への浸漬時間を10分
間とし、排液後、70℃で10分間予備加熱してから9
5℃の熱水を供給したこと以外、実施例6と同様に実施
した。その結果、外観及び品質ともに良好で、被覆層中
の乳化剤等の不純物が充分除去された容器栓体のシリコ
ーン被覆物を得ることができた。なお、以上の実施例に
おいて、コーティング液の浸漬・真空乾燥・シリコーン
硬化などの各工程は別々の設備で行ってもよい。また、
熱水供給では、逆に熱水中に栓体を投入して浸漬させて
も構わない。
【0041】比較例1 実施例3と同様のコーティング剤及び処理装置を使用し
た。栓体5000個をゴム栓洗浄乾燥機に入れ、コーテ
ィング剤に10分間浸漬し、排液後、5rpmで回転攪
拌しながら120℃の熱風を90分間供給してシリコー
ンを硬化させた。その結果得られた容器栓体のシリコー
ン被覆物は、硬化したシリコーンの剥離クズが異物とし
て多数付着した外観上の不具合のあるものであった。
【0042】比較例2 比較例1において、熱風によるシリコーン硬化時の回転
数を、シリコーンの剥離クズを発生させないよう1rp
mにした以外は、比較例1と同様に実施した。。その結
果得られた容器栓体のシリコーン被覆物は、攪拌が弱か
ったために、お互いが合着したものであった。
【0043】比較例3 真空乾燥・回転攪拌・加熱の機能を有する汎用のゴム栓
洗浄乾燥機を使用し、コーティング剤としては、シリコ
ーン、硬化剤、触媒の3液からなるエマルジョン系硬化
型シリコーン(硬化温度は80℃以上)を使用した。栓
体5000個をゴム栓洗浄乾燥機に入れ、コーティング
剤に10分間浸漬し、排液後、90℃、−755mmH
gで30分間、5rpmで攪拌しながら真空乾燥し、コ
ーティング剤中の水を留去すると共に、シリコーンを硬
化させた。その結果得られた容器栓体のシリコーン被覆
物は、硬化したシリコーンの剥離クズが異物として多数
付着した外観上の不具合があるものであった。さらに、
この付着異物は、水による洗浄操作を行っても全てを取
り除くことはできなかった。
【0044】比較例4 実施例6において、コーティング剤への浸漬時間を24
時間から10分間に短縮したこと以外は実施例6と同様
に実施した。この方法では、シリコーン硬化時に栓体表
面の大部分のシリコーンが熱水中に拡散し、ここで得ら
れた容器栓体には、シリコーン被覆により期待された性
能が付与されなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明の被覆物の製造方法は、これまで
一括して製造することが困難であった複数物体について
の被覆物を同時に製造する方法である。この方法を用い
ることにより、外観及び品質において優れた被覆物を、
極めて簡便に製造することが可能である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被覆される複数個の物体に加熱硬化型コ
    ーティング剤の液状物を塗布した後、減圧下において該
    コーティング剤の硬化温度より低い温度で該液状物中の
    溶媒又は分散媒を留去し、次に該コーティング剤の硬化
    温度以上で加熱することを特徴とする被覆物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 被覆される複数個の物体に加熱硬化型コ
    ーティング剤の水分散物を塗布した後、水蒸気中又は熱
    水中において該コーティング剤を加熱硬化させ、かつ、
    加熱硬化前に上記物体と該コーティング剤との接着性を
    強化する手段を施すことを特徴とする被覆物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 加熱硬化型コーティング剤が、加熱硬化
    型シリコーンから成ることを特徴とする請求項1または
    2記載の被覆物の製造方法。
  4. 【請求項4】 被覆される複数個の物体が複数個の容器
    栓体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項記載の被覆物の製造方法。
JP11031626A 1999-02-09 1999-02-09 被覆物の製造方法 Pending JP2000229263A (ja)

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