JP2000228853A - 車両用交流発電機 - Google Patents

車両用交流発電機

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JP2000228853A
JP2000228853A JP11202073A JP20207399A JP2000228853A JP 2000228853 A JP2000228853 A JP 2000228853A JP 11202073 A JP11202073 A JP 11202073A JP 20207399 A JP20207399 A JP 20207399A JP 2000228853 A JP2000228853 A JP 2000228853A
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中村  重信
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真 谷口
Tsutomu Shiga
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オルタネータの立ち上がり回転数を低くす
る。 【解決手段】 p対のNS磁極を持つ回転子鉄心71、
72と、m相の巻線を構成する電機子巻線31と、電機
子巻線31を保持する複数のスロットを有する電機子鉄
心32とを備える車両用交流発電機において、各スロッ
ト内に電機子巻線を構成する導体を内層側と外層側に配
置し、隣接するn個(n≧3の自然数)のスロットに各
2本収納された導体を直列接続して1つの位相の巻線を
形成した。これによると、各スロットに導体を2本配置
し、かつ3個以上の隣接するスロット内の導体を接続し
ているため、見かけ上のターン数(2nターン/相)が
多くなり、立ち上がり回転数を低くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用交流発電機
に関する。
【0002】
【従来技術】近年、環境問題対策として車両エンジンの
アイドル回転数の低減により、車両用交流発電機(以下
オルタネータ)には、より低速回転からの出力供給が求
められるようになった。この出力供給を開始できるオル
タネータの回転数を、立ち上がり回転数と呼び、この立
ち上がり回転数はオルタネータの起電圧がバッテリー電
圧よりも高くなる回転数に相当する。また、電力を要す
る環境対策装置の搭載などにより要求出力が増加してい
る。一方、燃費向上のための軽量化や、車室空間の確保
のために、エンジンルーム内に搭載される部品への小型
化要求も年々強まっている。しかも、コスト低減要求
は、いうまでもない。
【0003】これらの要求に応えるべく、国際公開92
/06527号公報には、断面が長方形の導体で電機子
巻線を構成することによりスロット内の占積率を上げ、
また、1つのスロット内に内層側導体と外層側導体とを
配置し、異なるスロット内の内層側導体と外層側導体と
を交互に順次接続して、1つの相で2回巻回した(2タ
ーン/相)巻線構造のオルタネータが示されている。
【0004】そして、上記した従来のオルタネータに使
用される導体は、図9に示すように形成される。すなわ
ち、例えば銅よりなる導体100は、幅が広い第1の面
101と幅が狭い第2の面102とを有する断面が略長
方形の細長い板であり、最初は図9aの如く直線状にな
っている。次に、図9bに示すように第2の面102を
支点としてU字形状に曲げた後に、図9cに示すように
ターン部103の両側の片を逆方向にひねり、さらに、
図9dに示すように両側の片を中間部で曲げて、スロッ
ト内に配置される内部導体部104とスロット外に配置
される斜行部105とを形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のオルタネータは、巻線のターン数が少ないた
め、立ち上がり回転数を要求されるレベルまで下げるこ
とは困難であった。
【0006】一方、導体100のターン部103には、
図9bの加工により曲げ応力が発生するとともに、幅が
狭い第2の面102を支点として曲げているため、ター
ン部103の外周部および内周部ではその応力が極めて
大きくなる。また、図9cの加工により、ターン部10
3にはねじり荷重が作用してせん断応力が発生する。こ
のように、導体100のターン部103には、曲げ応力
とせん断応力の両方が発生するため、導体100のター
ン部103では、導体表面の絶縁皮膜の破損や導体自体
の亀裂が生じやすく、被水による導体間の電気短絡や、
振動による断線を生じて、発電不良に至る恐れがあっ
た。
【0007】そこで本発明は、オルタネータの立ち上が
り回転数を低くすることを第1の目的とする。
【0008】また、その目的を達成するにあたり、上記
した絶縁皮膜の破損や導体自体の亀裂が大きな問題とな
る。そこで本発明は、絶縁皮膜の破損や導体自体の亀裂
を防止可能にすることを他の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、p対のNS磁極を持つ
回転子鉄心と、m相の巻線を構成する電機子巻線と、電
機子巻線を保持する複数のスロットを有する電機子鉄心
とを備える車両用交流発電機において、各スロット内に
電機子巻線を構成する導体を内層側と外層側に配置し、
隣接するn個(n≧3の自然数)のスロットに各2本収
納された導体を直列接続して1つの位相の巻線を形成し
たことを特徴としている。
【0010】これによると、各スロットに導体を2本配
置し、かつ3個以上の隣接するスロット内の導体を接続
しているため、見かけ上のターン数(2nターン/相)
が多くなり、立ち上がり回転数を低くすることができ
る。
【0011】請求項2に記載の発明では、導体(31
0、3100〜3103)は、幅が広い第1の面(31
1)と幅が狭い第2の面(312)とを有する略長方形
の断面形状であり、異なる2つの前記スロット(35)
内に配置される第1および第2の内部導体部(31c
1、31c2)と、スロット(35)外に配置されて第
1および第2の内部導体部(31c1、31c2)から
延びる第1および第2の斜行部(31a1、31a2)
と、この第1および第2の斜行部(31a1、31a
2)を繋げるターン部(31a0、31a3)とを有
し、ターン部(31a0、31a3)から離れた位置
で、第1および第2の斜行部(31a1、31a2)を
逆方向に折り曲げたことを特徴としている。
【0012】ここで、請求項1に記載の発明のように3
個以上の隣接するスロット内の導体を接続する構成で
は、スロット数が増加するため導体がより偏平になり、
上記した絶縁皮膜の破損や導体の亀裂がさらに生じ易く
なってしまう。
【0013】これに対し、請求項2に記載の発明によれ
ば、ターン部(31a0、31a3)から離れた位置で
2つの斜行部(31a1、31a2)を逆方向に折り曲
げるようにしているから、ターン部(31a0、31a
3)にはせん断応力が発生しなくなる。従って、ターン
部(31a0、31a3)での絶縁被膜の破損や導体の
亀裂を防止することが可能となり、より偏平な断面の導
体を使用することができる。よって、体格を大きくする
ことなく、立ち上がり回転数が低く、しかも耐久性の高
いオルタネータを実現できる。
【0014】請求項3に記載の発明では、ターン部(3
1a0、31a3)は第1の面(311)に折曲頂部
(313)が形成されるように折り曲げられていること
をを特徴としている。これによると、ターン部(31a
0、31a3)は幅が広い第1の面(311)で折り曲
げられるので、従来のように幅が狭い第2の面を支点と
して曲げる場合よりもターン部(31a0、31a3)
の応力が小さくなり、さらに耐久性を向上できる。
【0015】請求項4に記載の発明では、ターン部(3
1a0)は第2の面(312)を支点として曲げられて
いることを特徴としている。これにより、1回の曲げ加
工でターン部(31a0)を形成できるので、加工工数
を低減して製造コストを低減できる。
【0016】請求項5に記載の発明では、ターン部(3
1a0)は第1の面(311)を湾曲面とするアーチ形
状であることを特徴としている。これにより、ターン部
(31a0)の応力が著しく小さくなって耐久性を向上
できるとともに、ターン部形成の工数も低減できるので
製造コストを低減できる。
【0017】請求項6に記載の発明では、ターン部(3
1a0)の表面を覆う絶縁被膜はタ−ン部(31a0)
の成形時に破損を生じない延性を持つことを特徴として
いる。これにより、ターン部の表面の絶縁皮膜の破損が
防止され、耐久性を向上できる。
【0018】請求項7に記載の発明では、導体(31
0、3100〜3102)はセグメント導体により構成
され、セグメント導体は、軸方向の一端側にタ−ン部
(31a0)が配置され、軸方向の他端側には他のセグ
メント導体との接合部(31b0、31b0’)が配置
されていることを特徴としている。これにより、スロッ
トの一方からセグメント導体をそろえて挿入し、反対側
のコイルエンドに接合部(31b0、31b0’)を集
中できるので、導体挿入作業および接合作業を能率的に
行うことができ、製造コストを低減できる。
【0019】請求項8に記載の発明では、電機子巻線
(31)は、各相ごとに連続する導体(3103)によ
って形成されていることを特徴としている。これによ
り、セグメント導体を使用する場合に比べ、各セグメン
ト間の接合工数を無くすことができる。
【0020】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0021】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1〜図4は第
1実施形態を示しており、NS磁極対p=6(磁極数=
12)、位相数m=3(X相、Y相、Z相)、1つの位
相の巻線を構成する導体が隣接して配置されるスロット
の数n=3の例を示したものである。図1はオルタネー
タの断面図、図2〜4は本発明の電機子に関する説明図
である。
【0022】図1に示すように、オルタネータ1は、界
磁として働く界磁回転子2と、この回転子2からの回転
磁束によって起電力を発生する電機子3と、回転子2と
電機子3を支持するフレ−ム4と、電機子3の巻線31
の出力線が接続されて交流電力を直流に変換する整流器
5等から構成されている。
【0023】回転子2は、ランデル型磁極鉄心(回転子
鉄心)71、72、界磁コイル8、スリップリング9、
10を備えている。ランデル型磁極鉄心71、72は、
シャフト6に組付られたボス部から径方向外方に向かっ
てディスク部が延び、ディスク部からそれぞれ6個の爪
状磁極部73が軸方向に延びている。また、スリップリ
ング9、10を介して励磁電流が流れる界磁コイル8
は、磁極鉄心71、72に取り囲まれるように配置され
ている。
【0024】回転子2は、シャフト6と一体になって回
転するもので、シャフト6はプーリ20に連結され、自
動車に搭載された走行用のエンジン(図示せず)により
ベルトを介して回転駆動される。なお、各磁極鉄心7
1、72の軸方向両側面には冷却ファン11、12が、
溶接やかしめなど適宜な手段によって固定されており、
冷却ファン11、12は回転子2と一体となって回転し
て冷却風の流れを生じさせる。
【0025】フレ−ム4の軸方向両端側には、冷却風吸
入のための吸気孔41が設けられている。また、フレ−
ム4には、電機子巻線31の第一コイルエンド31aお
よび第二コイルエンド31bにそれぞれ対向した外周部
分に、冷却風排出のための排気孔42が設けられてい
る。
【0026】図2に示すように、電機子鉄心32には、
多相の電機子巻線31を収容できるように、複数のスロ
ット35が形成されている。本実施形態では、回転子2
の磁極数(12極)に対応して、3相の電機子巻線31
を収納するように、108個のスロット35が周方向に
等間隔に配置されている。電機子鉄心32のスロット3
5に装備された電機子巻線31は、1本1本の電気導体
として把握することができ、スロット35のそれぞれの
中には、例えば銅よりなる2本の電気導体が収容され、
2本の電気導体とスロット35の内壁との間はインシュ
レータ34によって絶縁してある。なお、電気導体の断
面は、スロット深さ方向(径方向)長さをa、スロット
幅方向(周方向)長さをbとすると、a>bである扁平
な長方形であり、2本の電気導体はスロット深さ方向に
1列に配置されている。
【0027】次に、図3にて巻線仕様を説明する。図3
において、実線は外層導体を、破線は内層導体を、数字
はスロットの番号を、それぞれ示している。なお、スロ
ット数は2pmn個、本例では108個であり、NS磁
極ピッチは9個のスロットに対応する。
【0028】本実施形態では、第kスロットの内層側導
体と第(k±9)スロットの外層側導体が第kスロット
と第(k±9)スロットの間の任意の位置で半径方向に
転移する様に繋がっている。但し(k+9)>108の
場合、及び(k−9)<1の場合は、第100スロット
と第1スロット、第101スロットと第2スロット、…
………、第107スロットと第8スロット、第108ス
ロットと第9スロットの、各導体が繋がる。
【0029】X相を抜き出して具体的に説明すると、第
1スロットの内層側導体は第1コイルエンド31a側で
第10スロットの外層側導体と繋がり、第10スロット
の外層側導体は第2コイルエンド31b側で第19スロ
ットの内層側導体と繋がり、更に第19スロットの内層
側導体は第1コイルエンド31a側で第28スロットの
外層側導体と繋がっている。同じルールで順次接続する
ことにより、第(1+9k)スロットの導体群は1つの
ループ状となり電機子鉄心32を2回巻回することにな
る。つまり2ターン/スロットの巻線が形成される。こ
の導体群がX相の巻線を構成する1つのコイルx1であ
る。但し、コイルx1において、第100スロットの外
層側導体と第1スロットの外層側導体は、第1コイルエ
ンド31a側で接続する。
【0030】同様に、(2+9k)のスロットに挿入さ
れるコイル群はX相の巻線を構成するコイルx2であ
り、(3+9k)のスロットに挿入されるコイル群はX
相の巻線を構成するコイルx3である。
【0031】そして、コイルx1の第91スロットの内
層側導体と、コイルx2の第101スロットの内層側導
体とを第1コイルエンド31a側で接続し、コイルx2
の第92スロットの内層側導体と、コイルx3の第10
2スロットの内層側導体とを第1コイルエンド31a側
で接続することにより、3つのコイルx1、x2、x3
が直列に接続され、X相は、6ターン/相の巻線を構成
する。
【0032】同様に、(4+9k)、(5+9k)、
(6+9k)のスロットに挿入される導体を上記と同じ
ルールで接続すると、コイルx1、x2、x3とは電気
的に240度位相のずれたコイルz1、z2、z3が形
成され、これらを直列に接続してZ相コイルを得る。
【0033】同様に、(7+9k)、(8+9k)、
(9+9k)のスロットに挿入される導体を上記と同じ
ルールで接続すると、コイルx1、x2、x3とは電気
的に120度位相のずれたコイルy1、y2、y3が形
成され、これらを直列に接続してY相コイルを得る。
【0034】以上のように、本実施形態では、各スロッ
ト35に導体を2本配置し、かつ3個の隣接するスロッ
ト内の導体を接続しているため、見かけ上のターン数が
6ターン/相となり、立ち上がり回転数を低くすること
ができる。
【0035】次に、巻線を構成するセグメント導体につ
いて説明する。図4は、導体の一部(第1スロットと第
10スロットに挿入されるセグメント導体310)を示
している。導体310は例えば銅材の表面に絶縁皮膜
(例えば、ポリアミドイミド樹脂)を施したもので、幅
が広い第1の面311と幅が狭い第2の面312とを有
する断面が略長方形の偏平な板であり、曲げ加工前は直
線状である。
【0036】この直線状の偏平な板は、図4aに示すよ
うに、直線状の板の長手方向中央部の位置で2箇所折り
曲げられてタ−ン部31a0が形成される。このタ−ン
部31a0の折り曲げは、一方側(図4a右側)は第1
の面311に折曲頂部313が形成されるように谷折り
され、他方側(図4a左側)は第1の面311に折曲頂
部313が形成されるように山折りされ、これにより、
タ−ン部31a0で繋がる2つの片(後に、斜行部等が
形成される部分)はタ−ン部31a0から同方向に延び
ている。
【0037】図4aのように成形された後、タ−ン部3
1a0で繋がる2つの片が図4bのように成形される。
すなわち、ターン部31a0から離れた第1折曲部31
4において第1の面311で谷折りされて、外層側の斜
行部31a1と内層側の斜行部31a2とが逆方向に延
ばされ、さらに、第2折曲部315において第1の面3
11で山折りされて、所定ピッチだけ離れたスロット3
5に挿入される外層側の内部導体部31c1と内層側の
内部導体部31c2とが形成されている。また、第3折
曲部316において第1の面311で谷折りされて、外
層側の斜行部31b1と内層側の斜行部31b2とが逆
方向に延ばされ、さらに、第4折曲部316において第
1の面311で山折りされて、外層側の接合部31b
0’と内層側の接合部31b0とが形成されている。
【0038】成形されたセグメント導体310は、図4
bで上方側のターン部31a0および斜行部31a1、
31a2を第1コイルエンド31aに配置して、外層側
の内部導体部31c1が本例では第10スロットに挿入
され、内層側の内部導体部31c2が本例では第1スロ
ットに挿入される。そして、スロットに挿入後、第2コ
イルエンド31b側において、接合部31b0、31b
0′を他のスロットからのセグメント導体の接合部と半
田付けや溶接等によって接続して巻線を形成する。な
お、1つのスロットから軸方向両側に延びる2つの斜行
部が互いに逆向きになるように、また内層側導体の斜行
部と外層側導体の斜行部とは逆の周方向に向くように、
配置されている。
【0039】以上のように、第1コイルエンド31a側
にセグメント導体310のタ−ン部31a0をそろえて
スロット35に挿入することにより、反対側のコイルエ
ンドに接合部を集中できるので、接合のための絶縁皮膜
剥離や、接合後の絶縁処理も片側のコイルエンドだけで
よい。よって、製造工数を低減して製造コストを低減で
きる。また、直線形状の偏平導体にターン部31a0を
形成することができるので、材料歩留まりを向上でき、
材料コストを低減できる。
【0040】さらに、ターン部31a0から離れた位置
で2つの斜行部31a1、31a2を逆方向に折り曲げ
るようにしているから、ターン部31a0には曲げ応力
が発生するのみで、せん断応力は発生しない。しかも、
ターン部31a0は幅が広い第1の面311で折り曲げ
られるので、従来のように幅が狭い第2の面を支点とし
て曲げる場合よりもターン部31a0の曲げ応力も小さ
くなる。従って、ターン部での絶縁被膜の破損や導体の
亀裂を防止することが可能となり、より偏平な断面の導
体を使用することができる。よって、体格を大きくする
ことなく、立ち上がり回転数が低く、しかも耐久性の高
いオルタネータを実現できる。
【0041】なお、図3には磁極数=12、直列接続さ
れるスロット数n=3の例を示したが、さらに立ち上が
り回転数を低減するためにこれらを大きく設定しても、
本発明の構成を採用することにより、不具合防止および
製造容易の効果を同様に得ることができる。 (第2実施形態)図5は第2実施形態を示すもので、第
1実施形態とは導体のターン部の構成のみが異なってい
る。第2実施形態の導体3100は、図5aに示すよう
に、直線状の板の長手方向中央部の位置で、幅が狭い第
2の面312を支点としてU字形状に曲げられてタ−ン
部31a0が形成される。図5aのように成形された
後、ターン部31a0から離れた第1折曲部314にお
いて第1の面311で谷折りされて、外層側の斜行部3
1a1と内層側の斜行部31a2とが逆方向に延ばされ
る。以下、第1実施形態と同様にして、図5bの形状に
成形される。これによれば、1回の曲げ加工でターン部
31a0を形成できるので、安価な曲げ成形用の設備で
セグメント導体を製作できる。
【0042】なお、図5aのようにU字形状に曲げる際
の、ターン部31a0の絶縁皮膜の破損や導体の亀裂防
止のために、絶縁皮膜や導体は延性の高い材料を使った
り、加熱による延性向上の状態で曲げてもよい。あるい
は、図5aのようにU字形状に曲げた後に、ターン部の
絶縁処理を行ってもよい。 (第3実施形態)図6は第3実施形態を示すもので、第
1実施形態とは導体のターン部の構成のみが異なってい
る。第3実施形態の導体3101は、図6aに示すよう
に、直線状の板の長手方向中央部の位置で、幅が広い第
1の面311を湾曲面とするアーチ状に曲げられてタ−
ン部31a0が形成され、導体3101全体としてはU
字状になっている。ここで、タ−ン部31a0の曲げR
は、第1の面311の幅と略同一にしている。図6aの
ように成形された後、図6bに示すように、ターン部3
1a0から離れたひねり部318において、タ−ン部3
1a0で繋がる2つの片(後に、斜行部等が形成される
部分)が図6aの状態から90°ひねられる。以下、第
1実施形態と同様にして、図6cの形状に成形される。
【0043】これによれば、ターン部31a0の曲げR
が大きいので、ターン部31a0の応力が著しく小さく
なって耐久性を向上できるとともに、ターン部31a0
形成の工数も低減できるので製造コストを低減できる。 (第4実施形態)図7は第4実施形態を示すもので、第
1実施形態とは、導体のターン部の構成やターン部の形
成方法が異なっている。第4実施形態のセグメント導体
3102は、図7aに示すように、偏平断面を持つ長尺
の裸導体の中央に、導体の長手方向の一端から他端側端
部の直前まで延びるスリット3102aをプレス加工な
どにより設け、スリット3102aのない端部をターン
部31a0としている。図7aのように成形された後、
ターン部31a0から離れた第1折曲部314において
第1の面311で谷折りされて、外層側の斜行部31a
1と内層側の斜行部31a2とが逆方向に延ばされ、以
下、第1実施形態と同様にして、図7bの形状に成形さ
れ、その後で導体表面の絶縁処理を行う。これによれ
ば、ターン部31a0の折り曲げが不要となるので、導
体自体の亀裂も無く、安価な設備で、耐久性をさらに向
上することができる。 (第5実施形態)上記した各実施形態では、セグメント
導体を使用したが、図8に示すように両側のコイルエン
ドにターン部31a3、31b3を持つ連続線3103
を用いて、各相の巻線を形成してもよい。これにより、
セグメント導体間の接合工数を無くすことができる。 (他の実施形態)導体をスロット35の内周側開口部か
ら挿入し、その後にこの開口部を狭めるように塑性加工
してスロット35内の導体を固定してもよい。この場
合、あらかじめ導体のコイルエンド形状を成形できるの
で、特に連続線3103を用いる場合に適する。
【0044】また、セグメント導体は、偏平断面を持つ
裸導体を使ってターン部31a0を形成した後に、表面
の絶縁膜の被覆を行って製造してもよい。これによれ
ば、絶縁膜の破損はなくなるので、より確実な耐久性を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による車両用交流発電機
の断面図である。
【図2】図1の電機子の部分的な断面図である。
【図3】図1の交流発電機の巻線仕様図である。
【図4】図1のセグメント導体の形成方法を示す斜視図
である。
【図5】本発明の第2実施形態によるセグメント導体の
形成方法を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態によるセグメント導体の
形成方法を示す斜視図である。
【図7】本発明の第4実施形態によるセグメント導体の
形成方法を示す斜視図である。
【図8】本発明の第5実施形態によるセグメント導体の
斜視図である。
【図9】従来のセグメント導体の形成方法を示すもの
で、(a)、(b)、(c)は平面図および正面図、
(d)は斜視図である。
【符号の説明】
31…電機子巻線、32…電機子鉄心、35…スロッ
ト、71、72…回転子鉄心、310、3100、31
01、3102、3103…導体。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p対のNS磁極を持つ回転子鉄心と、m
    相の巻線を構成する電機子巻線と、前記電機子巻線を保
    持する複数のスロットを有する電機子鉄心とを備える車
    両用交流発電機において、 前記各スロット内に前記電機子巻線を構成する導体を内
    層側と外層側に配置し、 隣接するn個(n≧3の自然数)の前記スロットに各2
    本収納された前記導体を直列接続して1つの位相の巻線
    を形成したことを特徴とする車両用交流発電機。
  2. 【請求項2】 前記導体(310、3100〜310
    3)は、幅が広い第1の面(311)と幅が狭い第2の
    面(312)とを有する略長方形の断面形状であり、異
    なる2つの前記スロット(35)内に配置される第1お
    よび第2の内部導体部(31c1、31c2)と、前記
    スロット(35)外に配置されて前記第1および第2の
    内部導体部(31c1、31c2)から延びる第1およ
    び第2の斜行部(31a1、31a2)と、この第1お
    よび第2の斜行部(31a1、31a2)を繋げるター
    ン部(31a0、31a3)とを有し、 前記ターン部(31a0、31a3)から離れた位置
    で、前記第1および第2の斜行部(31a1、31a
    2)を逆方向に折り曲げたことを特徴とする請求項1に
    記載の車両用交流発電機。
  3. 【請求項3】 前記ターン部(31a0、31a3)
    は、前記第1の面(311)に折曲頂部(313)が形
    成されるように折り曲げられていることを特徴とする請
    求項2に記載の車両用交流発電機。
  4. 【請求項4】 前記ターン部(31a0)は前記第2の
    面(312)を支点として曲げられていることを特徴と
    する請求項2に記載の車両用交流発電機。
  5. 【請求項5】 前記ターン部(31a0)は前記第1の
    面(311)を湾曲面とするアーチ形状であることを特
    徴とする請求項2に記載の車両用交流発電機。
  6. 【請求項6】 前記ターン部(31a0)の表面を覆う
    絶縁被膜を備え、この絶縁被膜は前記タ−ン部(31a
    0)の成形時に破損を生じない延性を持つことを特徴と
    する請求項2ないし5のいずれか1つに記載の車両用交
    流発電機。
  7. 【請求項7】 前記導体(310、3100〜310
    2)はセグメント導体により構成され、 前記セグメント導体は、軸方向の一端側に前記タ−ン部
    (31a0)が配置され、軸方向の他端側には他のセグ
    メント導体との接合部(31b0、31b0’)が配置
    されていることを特徴とする請求項2ないし6のいずれ
    か1つに記載の車両用交流発電機。
  8. 【請求項8】 前記電機子巻線(31)は、各相ごとに
    連続する導体(3103)によって形成されていること
    を特徴とする請求項2ないし6のいずれか1つに記載の
    車両用交流発電機。
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