JP4186317B2 - 車両用交流発電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、環境問題対策として車両エンジンのアイドル回転数の低減により、車両用交流発電機(以下オルタネータ)には、より低速回転からの出力供給が求められるようになった。この出力供給を開始できるオルタネータの回転数を、立ち上がり回転数と呼び、この立ち上がり回転数はオルタネータの起電圧がバッテリー電圧よりも高くなる回転数に相当する。また、電力を要する環境対策装置の搭載などにより要求出力が増加している。一方、燃費向上のための軽量化や、車室空間の確保のために、エンジンルーム内に搭載される部品への小型化要求も年々強まっている。しかも、コスト低減要求は、いうまでもない。
【0003】
これらの要求に応えるべく、国際公開92/06527号公報には、断面が長方形の導体で電機子巻線を構成することによりスロット内の占積率を上げ、また、1つのスロット内に内層側導体と外層側導体とを配置し、異なるスロット内の内層側導体と外層側導体とを交互に順次接続して、1つの相で2回巻回した(2ターン/相)巻線構造のオルタネータが示されている。
【0004】
そして、上記した従来のオルタネータに使用される導体は、図9に示すように形成される。すなわち、例えば銅よりなる導体100は、幅が広い第1の面101と幅が狭い第2の面102とを有する断面が略長方形の細長い板であり、最初は図9aの如く直線状になっている。次に、図9bに示すように第2の面102を支点としてU字形状に曲げた後に、図9cに示すようにターン部103の両側の片を逆方向にひねり、さらに、図9dに示すように両側の片を中間部で曲げて、スロット内に配置される内部導体部104とスロット外に配置される斜行部105とを形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のオルタネータは、巻線のターン数が少ないため、立ち上がり回転数を要求されるレベルまで下げることは困難であった。
【0006】
一方、導体100のターン部103には、図9bの加工により曲げ応力が発生するとともに、幅が狭い第2の面102を支点として曲げているため、ターン部103の外周部および内周部ではその応力が極めて大きくなる。また、図9cの加工により、ターン部103にはねじり荷重が作用してせん断応力が発生する。このように、導体100のターン部103には、曲げ応力とせん断応力の両方が発生するため、導体100のターン部103では、導体表面の絶縁皮膜の破損や導体自体の亀裂が生じやすく、被水による導体間の電気短絡や、振動による断線を生じて、発電不良に至る恐れがあった。
【0007】
そこで本発明は、オルタネータの立ち上がり回転数を低くすることを第1の目的とする。
【0008】
また、その目的を達成するにあたり、上記した絶縁皮膜の破損や導体自体の亀裂が大きな問題となる。そこで本発明は、絶縁皮膜の破損や導体自体の亀裂を防止可能にすることを他の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、p対のNS磁極を持つ回転子鉄心と、m相の巻線を構成する電機子巻線と、電機子巻線を保持する複数のスロットを有する電機子鉄心とを備える車両用交流発電機において、各スロット内に電機子巻線を構成する導体を内層側と外層側に配置し、隣接するn個(n≧3の自然数)のスロットに各2本収納された導体を直列接続して1つの位相の巻線を形成し、導体(310、3103)は、幅が広い第1の面(311)と幅が狭い第2の面(312)とを有する略長方形の断面形状であり、異なる2つのスロット(35)内に配置される第1および第2の内部導体部(31c1、31c2)と、スロット(35)外に配置されて第1および第2の内部導体部(31c1、31c2)から延びる第1および第2の斜行部(31a1、31a2)と、この第1および第2の斜行部(31a1、31a2)を繋げるターン部(31a0、31a3)とを有し、ターン部(31a0、31a3)から離れた位置で、第1および第2の斜行部(31a1、31a2)を逆方向に折り曲げ、ターン部(31a0、31a3)は、第1の面(311)が対向するように複数箇所で折り曲げられていることを特徴としている。
【0010】
これによると、各スロットに導体を2本配置し、かつ3個以上の隣接するスロット内の導体を接続しているため、見かけ上のターン数(2nターン/相)が多くなり、立ち上がり回転数を低くすることができる。
【0012】
ここで、3個以上の隣接するスロット内の導体を接続する構成では、スロット数が増加するため導体がより偏平になり、上記した絶縁皮膜の破損や導体の亀裂がさらに生じ易くなってしまう。
【0013】
これに対し、ターン部(31a0、31a3)から離れた位置で2つの斜行部(31a1、31a2)を逆方向に折り曲げるようにしているから、ターン部(31a0、31a3)にはせん断応力が発生しなくなる。従って、ターン部(31a0、31a3)での絶縁被膜の破損や導体の亀裂を防止することが可能となり、より偏平な断面の導体を使用することができる。よって、体格を大きくすることなく、立ち上がり回転数が低く、しかも耐久性の高いオルタネータを実現できる。
【0014】
また、ターン部(31a0、31a3)は、第1の面(311)が対向するように複数箇所で折り曲げられている。これによると、ターン部(31a0、31a3)は幅が広い第1の面(311)で折り曲げられるので、従来のように幅が狭い第2の面を支点として曲げる場合よりもターン部(31a0、31a3)の応力が小さくなり、さらに耐久性を向上できる。
【0017】
請求項2に記載の発明では、ターン部(31a0)の表面を覆う絶縁被膜はタ−ン部(31a0)の成形時に破損を生じない延性を持つことを特徴としている。これにより、ターン部の表面の絶縁皮膜の破損が防止され、耐久性を向上できる。
【0018】
請求項3に記載の発明では、導体(310)はセグメント導体により構成され、セグメント導体は、軸方向の一端側にタ−ン部(31a0)が配置され、軸方向の他端側には他のセグメント導体との接合部(31b0、31b0’)が配置されていることを特徴としている。これにより、スロットの一方からセグメント導体をそろえて挿入し、反対側のコイルエンドに接合部(31b0、31b0’)を集中できるので、導体挿入作業および接合作業を能率的に行うことができ、製造コストを低減できる。
【0019】
請求項4に記載の発明では、電機子巻線(31)は、各相ごとに連続する導体(3103)によって形成されていることを特徴としている。これにより、セグメント導体を使用する場合に比べ、各セグメント間の接合工数を無くすことができる。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1〜図4は第1実施形態を示しており、NS磁極対p=6(磁極数=12)、位相数m=3(X相、Y相、Z相)、1つの位相の巻線を構成する導体が隣接して配置されるスロットの数n=3の例を示したものである。図1はオルタネータの断面図、図2〜4は本発明の電機子に関する説明図である。
【0022】
図1に示すように、オルタネータ1は、界磁として働く界磁回転子2と、この回転子2からの回転磁束によって起電力を発生する電機子3と、回転子2と電機子3を支持するフレ−ム4と、電機子3の巻線31の出力線が接続されて交流電力を直流に変換する整流器5等から構成されている。
【0023】
回転子2は、ランデル型磁極鉄心(回転子鉄心)71、72、界磁コイル8、スリップリング9、10を備えている。ランデル型磁極鉄心71、72は、シャフト6に組付られたボス部から径方向外方に向かってディスク部が延び、ディスク部からそれぞれ6個の爪状磁極部73が軸方向に延びている。また、スリップリング9、10を介して励磁電流が流れる界磁コイル8は、磁極鉄心71、72に取り囲まれるように配置されている。
【0024】
回転子2は、シャフト6と一体になって回転するもので、シャフト6はプーリ20に連結され、自動車に搭載された走行用のエンジン(図示せず)によりベルトを介して回転駆動される。なお、各磁極鉄心71、72の軸方向両側面には冷却ファン11、12が、溶接やかしめなど適宜な手段によって固定されており、冷却ファン11、12は回転子2と一体となって回転して冷却風の流れを生じさせる。
【0025】
フレ−ム4の軸方向両端側には、冷却風吸入のための吸気孔41が設けられている。また、フレ−ム4には、電機子巻線31の第一コイルエンド31aおよび第二コイルエンド31bにそれぞれ対向した外周部分に、冷却風排出のための排気孔42が設けられている。
【0026】
図2に示すように、電機子鉄心32には、多相の電機子巻線31を収容できるように、複数のスロット35が形成されている。本実施形態では、回転子2の磁極数(12極)に対応して、3相の電機子巻線31を収納するように、108個のスロット35が周方向に等間隔に配置されている。電機子鉄心32のスロット35に装備された電機子巻線31は、1本1本の電気導体として把握することができ、スロット35のそれぞれの中には、例えば銅よりなる2本の電気導体が収容され、2本の電気導体とスロット35の内壁との間はインシュレータ34によって絶縁してある。なお、電気導体の断面は、スロット深さ方向(径方向)長さをa、スロット幅方向(周方向)長さをbとすると、a>bである扁平な長方形であり、2本の電気導体はスロット深さ方向に1列に配置されている。
【0027】
次に、図3にて巻線仕様を説明する。図3において、実線は外層導体を、破線は内層導体を、数字はスロットの番号を、それぞれ示している。なお、スロット数は2pmn個、本例では108個であり、NS磁極ピッチは9個のスロットに対応する。
【0028】
本実施形態では、第kスロットの内層側導体と第(k±9)スロットの外層側導体が第kスロットと第(k±9)スロットの間の任意の位置で半径方向に転移する様に繋がっている。但し(k+9)>108の場合、及び(k−9)<1の場合は、第100スロットと第1スロット、第101スロットと第2スロット、…………、第107スロットと第8スロット、第108スロットと第9スロットの、各導体が繋がる。
【0029】
X相を抜き出して具体的に説明すると、第1スロットの内層側導体は第1コイルエンド31a側で第10スロットの外層側導体と繋がり、第10スロットの外層側導体は第2コイルエンド31b側で第19スロットの内層側導体と繋がり、更に第19スロットの内層側導体は第1コイルエンド31a側で第28スロットの外層側導体と繋がっている。同じルールで順次接続することにより、第(1+9k)スロットの導体群は1つのループ状となり電機子鉄心32を2回巻回することになる。つまり2ターン/スロットの巻線が形成される。この導体群がX相の巻線を構成する1つのコイルx1である。但し、コイルx1において、第100スロットの外層側導体と第1スロットの外層側導体は、第1コイルエンド31a側で接続する。
【0030】
同様に、(2+9k)のスロットに挿入されるコイル群はX相の巻線を構成するコイルx2であり、(3+9k)のスロットに挿入されるコイル群はX相の巻線を構成するコイルx3である。
【0031】
そして、コイルx1の第91スロットの内層側導体と、コイルx2の第101スロットの内層側導体とを第1コイルエンド31a側で接続し、コイルx2の第92スロットの内層側導体と、コイルx3の第102スロットの内層側導体とを第1コイルエンド31a側で接続することにより、3つのコイルx1、x2、x3が直列に接続され、X相は、6ターン/相の巻線を構成する。
【0032】
同様に、(4+9k)、(5+9k)、(6+9k)のスロットに挿入される導体を上記と同じルールで接続すると、コイルx1、x2、x3とは電気的に240度位相のずれたコイルz1、z2、z3が形成され、これらを直列に接続してZ相コイルを得る。
【0033】
同様に、(7+9k)、(8+9k)、(9+9k)のスロットに挿入される導体を上記と同じルールで接続すると、コイルx1、x2、x3とは電気的に120度位相のずれたコイルy1、y2、y3が形成され、これらを直列に接続してY相コイルを得る。
【0034】
以上のように、本実施形態では、各スロット35に導体を2本配置し、かつ3個の隣接するスロット内の導体を接続しているため、見かけ上のターン数が6ターン/相となり、立ち上がり回転数を低くすることができる。
【0035】
次に、巻線を構成するセグメント導体について説明する。図4は、導体の一部(第1スロットと第10スロットに挿入されるセグメント導体310)を示している。導体310は例えば銅材の表面に絶縁皮膜(例えば、ポリアミドイミド樹脂)を施したもので、幅が広い第1の面311と幅が狭い第2の面312とを有する断面が略長方形の偏平な板であり、曲げ加工前は直線状である。
【0036】
この直線状の偏平な板は、図4aに示すように、直線状の板の長手方向中央部の位置で2箇所折り曲げられてタ−ン部31a0が形成される。このタ−ン部31a0の折り曲げは、一方側(図4a右側)は第1の面311に折曲頂部313が形成されるように谷折りされ、他方側(図4a左側)は第1の面311に折曲頂部313が形成されるように山折りされ、これにより、タ−ン部31a0で繋がる2つの片(後に、斜行部等が形成される部分)はタ−ン部31a0から同方向に延びている。
【0037】
図4aのように成形された後、タ−ン部31a0で繋がる2つの片が図4bのように成形される。すなわち、ターン部31a0から離れた第1折曲部314において第1の面311で谷折りされて、外層側の斜行部31a1と内層側の斜行部31a2とが逆方向に延ばされ、さらに、第2折曲部315において第1の面311で山折りされて、所定ピッチだけ離れたスロット35に挿入される外層側の内部導体部31c1と内層側の内部導体部31c2とが形成されている。また、第3折曲部316において第1の面311で谷折りされて、外層側の斜行部31b1と内層側の斜行部31b2とが逆方向に延ばされ、さらに、第4折曲部316において第1の面311で山折りされて、外層側の接合部31b0’と内層側の接合部31b0とが形成されている。
【0038】
成形されたセグメント導体310は、図4bで上方側のターン部31a0および斜行部31a1、31a2を第1コイルエンド31aに配置して、外層側の内部導体部31c1が本例では第10スロットに挿入され、内層側の内部導体部31c2が本例では第1スロットに挿入される。そして、スロットに挿入後、第2コイルエンド31b側において、接合部31b0、31b0′を他のスロットからのセグメント導体の接合部と半田付けや溶接等によって接続して巻線を形成する。なお、1つのスロットから軸方向両側に延びる2つの斜行部が互いに逆向きになるように、また内層側導体の斜行部と外層側導体の斜行部とは逆の周方向に向くように、配置されている。
【0039】
以上のように、第1コイルエンド31a側にセグメント導体310のタ−ン部31a0をそろえてスロット35に挿入することにより、反対側のコイルエンドに接合部を集中できるので、接合のための絶縁皮膜剥離や、接合後の絶縁処理も片側のコイルエンドだけでよい。よって、製造工数を低減して製造コストを低減できる。また、直線形状の偏平導体にターン部31a0を形成することができるので、材料歩留まりを向上でき、材料コストを低減できる。
【0040】
さらに、ターン部31a0から離れた位置で2つの斜行部31a1、31a2を逆方向に折り曲げるようにしているから、ターン部31a0には曲げ応力が発生するのみで、せん断応力は発生しない。しかも、ターン部31a0は幅が広い第1の面311で折り曲げられるので、従来のように幅が狭い第2の面を支点として曲げる場合よりもターン部31a0の曲げ応力も小さくなる。従って、ターン部での絶縁被膜の破損や導体の亀裂を防止することが可能となり、より偏平な断面の導体を使用することができる。よって、体格を大きくすることなく、立ち上がり回転数が低く、しかも耐久性の高いオルタネータを実現できる。
【0041】
なお、図3には磁極数=12、直列接続されるスロット数n=3の例を示したが、さらに立ち上がり回転数を低減するためにこれらを大きく設定しても、本発明の構成を採用することにより、不具合防止および製造容易の効果を同様に得ることができる。
(第2実施形態)
図5は第2実施形態を示すもので、第1実施形態とは導体のターン部の構成のみが異なっている。第2実施形態の導体3100は、図5aに示すように、直線状の板の長手方向中央部の位置で、幅が狭い第2の面312を支点としてU字形状に曲げられてタ−ン部31a0が形成される。図5aのように成形された後、ターン部31a0から離れた第1折曲部314において第1の面311で谷折りされて、外層側の斜行部31a1と内層側の斜行部31a2とが逆方向に延ばされる。以下、第1実施形態と同様にして、図5bの形状に成形される。これによれば、1回の曲げ加工でターン部31a0を形成できるので、安価な曲げ成形用の設備でセグメント導体を製作できる。
【0042】
なお、図5aのようにU字形状に曲げる際の、ターン部31a0の絶縁皮膜の破損や導体の亀裂防止のために、絶縁皮膜や導体は延性の高い材料を使ったり、加熱による延性向上の状態で曲げてもよい。あるいは、図5aのようにU字形状に曲げた後に、ターン部の絶縁処理を行ってもよい。
(第3実施形態)
図6は第3実施形態を示すもので、第1実施形態とは導体のターン部の構成のみが異なっている。第3実施形態の導体3101は、図6aに示すように、直線状の板の長手方向中央部の位置で、幅が広い第1の面311を湾曲面とするアーチ状に曲げられてタ−ン部31a0が形成され、導体3101全体としてはU字状になっている。ここで、タ−ン部31a0の曲げRは、第1の面311の幅と略同一にしている。図6aのように成形された後、図6bに示すように、ターン部31a0から離れたひねり部318において、タ−ン部31a0で繋がる2つの片(後に、斜行部等が形成される部分)が図6aの状態から90°ひねられる。以下、第1実施形態と同様にして、図6cの形状に成形される。
【0043】
これによれば、ターン部31a0の曲げRが大きいので、ターン部31a0の応力が著しく小さくなって耐久性を向上できるとともに、ターン部31a0形成の工数も低減できるので製造コストを低減できる。
(第4実施形態)
図7は第4実施形態を示すもので、第1実施形態とは、導体のターン部の構成やターン部の形成方法が異なっている。第4実施形態のセグメント導体3102は、図7aに示すように、偏平断面を持つ長尺の裸導体の中央に、導体の長手方向の一端から他端側端部の直前まで延びるスリット3102aをプレス加工などにより設け、スリット3102aのない端部をターン部31a0としている。図7aのように成形された後、ターン部31a0から離れた第1折曲部314において第1の面311で谷折りされて、外層側の斜行部31a1と内層側の斜行部31a2とが逆方向に延ばされ、以下、第1実施形態と同様にして、図7bの形状に成形され、その後で導体表面の絶縁処理を行う。これによれば、ターン部31a0の折り曲げが不要となるので、導体自体の亀裂も無く、安価な設備で、耐久性をさらに向上することができる。
(第5実施形態)
上記した各実施形態では、セグメント導体を使用したが、図8に示すように両側のコイルエンドにターン部31a3、31b3を持つ連続線3103を用いて、各相の巻線を形成してもよい。これにより、セグメント導体間の接合工数を無くすことができる。
(他の実施形態)
導体をスロット35の内周側開口部から挿入し、その後にこの開口部を狭めるように塑性加工してスロット35内の導体を固定してもよい。この場合、あらかじめ導体のコイルエンド形状を成形できるので、特に連続線3103を用いる場合に適する。
【0044】
また、セグメント導体は、偏平断面を持つ裸導体を使ってターン部31a0を形成した後に、表面の絶縁膜の被覆を行って製造してもよい。これによれば、絶縁膜の破損はなくなるので、より確実な耐久性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による車両用交流発電機の断面図である。
【図2】図1の電機子の部分的な断面図である。
【図3】図1の交流発電機の巻線仕様図である。
【図4】図1のセグメント導体の形成方法を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態によるセグメント導体の形成方法を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態によるセグメント導体の形成方法を示す斜視図である。
【図7】本発明の第4実施形態によるセグメント導体の形成方法を示す斜視図である。
【図8】本発明の第5実施形態によるセグメント導体の斜視図である。
【図9】従来のセグメント導体の形成方法を示すもので、(a)、(b)、(c)は平面図および正面図、(d)は斜視図である。
【符号の説明】
31…電機子巻線、32…電機子鉄心、
35…スロット、71、72…回転子鉄心、
310、3100、3101、3102、3103…導体。
Claims (4)
- p対のNS磁極を持つ回転子鉄心と、m相の巻線を構成する電機子巻線と、前記電機子巻線を保持する複数のスロットを有する電機子鉄心とを備える車両用交流発電機において、
前記各スロット内に前記電機子巻線を構成する導体を内層側と外層側に配置し、隣接するn個(n≧3の自然数)の前記スロットに各2本収納された前記導体を直列接続して1つの位相の巻線を形成し、
前記導体(310、3103)は、幅が広い第1の面(311)と幅が狭い第2の面(312)とを有する略長方形の断面形状であり、異なる2つの前記スロット(35)内に配置される第1および第2の内部導体部(31c1、31c2)と、前記スロット(35)外に配置されて前記第1および第2の内部導体部(31c1、31c2)から延びる第1および第2の斜行部(31a1、31a2)と、この第1および第2の斜行部(31a1、31a2)を繋げるターン部(31a0、31a3)とを有し、
前記ターン部(31a0、31a3)から離れた位置で、前記第1および第2の斜行部(31a1、31a2)を逆方向に折り曲げ、
前記ターン部(31a0、31a3)は、前記第1の面(311)が対向するように複数箇所で折り曲げられていることを特徴とする車両用交流発電機。 - 前記ターン部(31a0)の表面を覆う絶縁被膜を備え、この絶縁被膜は前記タ−ン部(31a0)の成形時に破損を生じない延性を持つことを特徴とする請求項1に記載の車両用交流発電機。
- 前記導体(310)はセグメント導体により構成され、前記セグメント導体は、軸方向の一端側に前記タ−ン部(31a0)が配置され、軸方向の他端側には他のセグメント導体との接合部(31b0、31b0’)が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用交流発電機。
- 前記電機子巻線(31)は、各相ごとに連続する導体(3103)によって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用交流発電機。
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