JP2000227675A - 負摩擦帯電性トナー及び画像形成方法 - Google Patents

負摩擦帯電性トナー及び画像形成方法

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JP2000227675A JP14615699A JP14615699A JP2000227675A JP 2000227675 A JP2000227675 A JP 2000227675A JP 14615699 A JP14615699 A JP 14615699A JP 14615699 A JP14615699 A JP 14615699A JP 2000227675 A JP2000227675 A JP 2000227675A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温定着性及び耐高温オフセット性が十分
で、定着器の加熱方式によらずオフセットを生じない負
摩擦帯電性のトナーを提供することにある。 【解決手段】 結着樹脂、着色剤及び有機金属化合物を
少なくとも含有する負摩擦帯電性トナーにおいて、
(a)該有機金属化合物がジルコニウムと、芳香族ジオ
ール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族モノカルボ
ン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなるグループから選
択される芳香族化合物とが配位又は/及び結合している
有機ジルコニウム化合物であり、(b)該結着樹脂がポ
リエステルユニットとビニル系重合体ユニットとを有し
ているハイブリッド樹脂成分を含有し、(c)該結着樹
脂の酸価が2乃至50mgKOH/gであり、(d)該
トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分がゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における
分子量分布において、分子量3,000乃至20,00
0の領域にメインピークを有し、分子量50万以上の成
分を3乃至25%含有していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法,静電
記録法,静電印刷法,トナージェット方式記録法などを
利用した記録方法に用いられる負摩擦帯電性トナー及び
画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報及
び特公昭43−24748号公報に記載されている如く
多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利
用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、
次いで該静電荷像をトナーを用いて現像し、必要に応じ
て紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱,圧
力,加熱加圧或いは溶剤蒸気により定着し、トナー画像
を得るものである。
【0003】上述のトナーを現像する工程では、トナー
に現像される静電荷像の極性及び現像方法(正規現像ま
たは反転現像)に応じて正または負の電荷を有する必要
がある。
【0004】トナーに電荷を付与するためには、トナー
の成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することもできる
が、この方法ではトナーの帯電が安定しないので初期画
像濃度が低く、カブリ濃度が高くなりやすい。そこで、
トナーに所望の摩擦帯電能を付与するために帯電制御剤
を添加することが行われている。
【0005】トナーに負の電荷を付与する負帯電制御剤
は、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ヒドロキシカルボ
ン酸、ジカルボン酸、芳香族ジオールの如き金属錯塩ま
たは錯体、酸成分を含む高分子化合物等が知られてい
る。トナーに正の電荷を付与する正帯電制御剤として、
ニグロシン染料、アジン染料、トリフェニルメタン系染
顔料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩を側鎖
に有するポリマー等が知られている。
【0006】しかしながら、これらの帯電制御剤のほと
んどは、有色でありカラートナーには使えないものが多
い。そして、カラートナーに適用可能な無色、白色ある
いは淡色のものは、性能的に改良すべき点がある。それ
らはハイライト部の均一性が得られにくかったり、耐久
試験での画像濃度の変動が大きい等の改良すべき点を有
する。
【0007】従来、芳香族カルボン酸の金属錯体または
金属錯塩は、特開昭53−127726号公報、特開昭
57−111541号公報、特開昭57−124357
号公報、特開昭57−104940号公報、特開昭61
−69073号公報、特開昭61−73963号公報、
特開昭61−267058号公報、特開昭62−105
156号公報、特開昭62−145255号公報、特開
昭62−163061号公報、特開昭63−20886
5号公報、特開平3−276166号公報、特開平4−
84141号公報、特開平8−160668号公報に提
案されている。
【0008】しかしながら、これらの公報に提案されて
いるのは摩擦帯電付与という観点からはいずれも優れた
ものであるが、簡略な構造の現像器で環境変動、経時変
化、使用状況に関わらず安定した画像濃度が得られるも
のは少なく、高速機において長期間耐久しても安定した
画像濃度が得られるものも少ない。更にはトナーを構成
する原材料(結着樹脂、着色剤等)によっては弊害が発
生し、使用するうえで制約を受ける場合もある。
【0009】また、上述の最終工程であるトナー像を紙
の如きシートに定着する工程に関して種々の方法や装置
が開発されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラ
ー又は耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによる圧着
加熱方式である。
【0010】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する熱ローラーの表面と被定着シー
トのトナー像面を加圧下で接触しながら被定着シートを
通過せしめることによりトナー像の定着を行なうもので
ある。この方法は熱ローラーの表面と被定着シート上の
トナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着
シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅
速に定着を行うことができる。
【0011】加熱ローラー表面と軟化・溶融状態にある
トナー像とが加圧下で接触する為に、トナー像の一部が
定着ローラー表面に付着し転移し、次の被定着シートに
これが再転移し、被定着シートを汚す、オフセット現象
が生じる。このオフセット現象は定着速度や定着温度の
影響を大きく受ける。一般に定着速度が遅い場合は、加
熱ローラーの表面温度は比較的低く設定され、定着速度
が速い場合は、加熱ローラーの表面温度は比較的高く設
定される。これは、トナーを定着させる為に加熱ローラ
ーからトナーに与える熱量を、定着速度によらずほぼ一
定にするためである。
【0012】被定着シート上のトナーは、何層かのトナ
ー層を形成している為、特に定着速度が速く、加熱ロー
ラーの表面温度が高い系においては、加熱ローラーに接
触するトナー層と、被定着シートに接触している最下層
のトナー層との温度差が、大となる為に、加熱ローラー
の表面温度が高い場合には、最上層のトナーがオフセッ
ト現象を起こしやすく、加熱ローラーの表面温度が低い
場合は、最下層のトナーは十分に溶けない為に、被定着
シートにトナーが定着せず低温オフセットという現象が
起きやすい。
【0013】この問題を解決する方法として、定着速度
が速い場合には、定着時の圧力を上げ、被定着シートへ
トナーをアンカーリングさせる方法が、通常行われてい
る。この方法だと、加熱ローラー温度をある程度下げる
ことができ、最上トナー層の高温オフセット現象を防ぐ
ことは可能となる。しかし、トナーにかかるせん断力が
非常に大となる為に、被定着シートが定着ローラーに巻
きつき、巻きつきオフセットが発生したり、定着ローラ
ーから被定着シートを分離するための分離爪の分離あと
が定着画像に出現しやすい。さらには、圧力が高いがゆ
えに、定着時にライン画像が押しつぶされたり、トナー
が飛びちったりして定着画像の画質劣化を生じ易い。
【0014】近年、廃棄されるOA用紙の減量化あるい
は省資源化は社会的要請であり、古紙を再利用した再生
紙をコピーあるいはプリンター用紙として使用する機会
が増えてきた。再生紙では白色度を向上するためにタル
ク、炭酸カルシウム等を主原料とする填料を多く添加し
て製造され、その添加量は紙の灰分として非再生紙の約
5%に対して再生紙では10〜20%に及ぶ。この様な
再生紙を長期間使用した複写機、プリンターでは再生紙
から分離した填料が定着ローラー、加圧ローラー等の定
着部材に付着・蓄積して離型性を低下させ、定着画像面
あるいは転写紙の裏面にトナーが付着しやすく画像欠陥
となる場合があり、改善を求められている。
【0015】また、トナー用樹脂としてはポリエステル
樹脂及びスチレン系樹脂などのビニル系共重合体が主に
使用されている。ポリエステル樹脂は低温定着性に優れ
た性能を有しているが、その反面高温でのオフセット現
象を発生しやすいという問題点を有すると言われ、この
問題点を補うためにポリエステル樹脂の分子量を上げて
粘弾性特性を改良する試みが行なわれてきたが、この場
合には低温定着性を損なうという問題点があり、また、
トナー製造時の粉砕性についても悪化させてしまいトナ
ーの微粒子化にも適さない結着樹脂となってしまう。
【0016】またスチレン系樹脂などのビニル系共重合
体は、トナー製造時の粉砕性に優れ、高分子量化が容易
なため耐高温オフセット性には優れているが、低温定着
性を向上させるために低分子量化したり、ガラス転移温
度を下げたりと耐ブロッキング性や現像性が悪化してし
まうという問題点があった。
【0017】これら2種類の樹脂の長所を有効に生か
し、欠点を補うためにこれらの樹脂を混合して使用する
方法もいくつか検討されている。
【0018】例えば、特開昭54−114245号公報
では、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体を混合した
樹脂を含有するトナーが開示されている。しかしなが
ら、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体とは化学的な
構造が大きく異なるために相溶性が悪く、低温定着性、
耐高温オフセット性、耐ブロッキング性をすべて満足す
るものとするのは難しい。
【0019】また、トナー製造時に添加される種々の添
加剤、特にワックスの均一分散が困難でありトナーの定
着性能ばかりでなく、現像性にも問題が生じやすく、特
に近年、微粒子化が進んでいるトナーにおいてはこの問
題が顕著となる。
【0020】また、特開昭56−116043号公報、
特開昭58−159546号公報では、ポリエステル樹
脂の存在下で単量体を重合して得られる重合体を含有す
ることを特徴とするトナーが開示されている。
【0021】特開昭58−102246号公報、特開平
1−156759号公報では、不飽和ポリエステル存在
下でビニル系共重合体を重合して得られる重合体を含有
することを特徴とするトナーが開示されている。
【0022】特開平6−214421号公報では、アル
ミニウム錯体を帯電促進添加剤として含有するトナーを
用いた画像形成方法が開示されている。
【0023】特開平8−196199号公報では、特定
の分子量範囲にピークを有し、特定のTHF不溶分を有
するトナーが開示されている。
【0024】特開平10−10785号公報では、荷電
制御剤として金属錯体型モノアゾ化合物及び芳香族ヒド
ロキシカルボン酸金属錯体を含有するトナーが開示され
ている。
【0025】特開平10−90939号公報では、結着
樹脂が実質的にTHF不溶分を含有せず、特定の分子量
範囲にピークを有し、特定の酸価を有するトナーが開示
されている。
【0026】特開平9−146292号公報では、特定
の動摩擦係数を有するポリアルキレン微粒子を含むトナ
ーにおいて、OHPシート上に定着されたベタ画像表面
の接触角が特定の範囲にあるトナーが開示されている。
【0027】特開平9−244294号公報では、特定
の動摩擦係数を有するポリアルキレン微粒子を含むトナ
ーにおいて、トナーの接触角とトナーの誘電正接が特定
の関係を満足するトナーが開示されている。
【0028】これらのトナーでは定着性はある程度改善
されるものの、トナーが定着器の加熱部材である加熱ロ
ーラーまたは耐熱フィルムにオフセットする現象を防止
するには不十分である。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
問題点を解決した負摩擦帯電性トナー及び画像形成方法
を提供するものである。
【0030】すなわち、本発明の目的は、熱ロール定着
器を使用する中〜高速機、あるいは、耐熱フィルムを介
した固定発熱ヒーターによる圧着加熱定着方式を使用す
る中〜低速機であっても良好な低温定着性を示し、かつ
低温から高温までオフセットによる加熱部材の汚染を生
じることのない負摩擦帯電性トナー及び画像形成方法を
提供するものである。
【0031】本発明の目的は、着色剤(特に磁性体)の
含有量が増大した小粒径化したトナーの結着樹脂に使用
した場合においても良好なハーフトーン部の定着性を示
す低温定着性に優れた負摩擦帯電性トナー及び画像形成
方法を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明は、結着樹脂、着
色剤及び有機金属化合物を少なくとも含有する負摩擦帯
電性トナーにおいて、(a)該有機金属化合物がジルコ
ニウムと、芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン
酸,芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸か
らなるグループから選択される芳香族化合物とが配位又
は/及び結合している有機ジルコニウム化合物であり、
(b)該結着樹脂がポリエステルユニットとビニル系重
合体ユニットとを有しているハイブリッド樹脂成分を含
有し、(c)該結着樹脂の酸価が2乃至50mgKOH
/gであり、(d)該トナーのテトラヒドロフラン(T
HF)可溶分がゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)における分子量分布において、分子量3,
000乃至20,000の領域にメインピークを有し、
分子量50万以上の成分を3乃至25%含有しているこ
とを特徴とする負摩擦帯電性トナーに関する。
【0033】さらに本発明は、潜像担持体に担持されて
いる静電潜像を負摩擦帯電性トナーにより現像してトナ
ー画像を形成する現像工程;該潜像担持体上に形成され
たトナー画像を中間転写体を介して、又は、介さずに記
録材に転写する転写工程;及び該記録材に転写されたト
ナー画像を該記録材に加熱定着する定着工程を有する画
像形成方法において、該負摩擦帯電性トナーは、結着樹
脂、着色剤及び有機金属化合物を少なくとも含有してお
り、(a)該有機金属化合物がジルコニウムと、芳香族
ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族モノカ
ルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなるグループか
ら選択される芳香族化合物とが配位又は/及び結合して
いる有機ジルコニウム化合物であり、(b)該結着樹脂
がポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットとを
有しているハイブリッド樹脂成分を含有し、(c)該結
着樹脂の酸価が2乃至50mgKOH/gであり、
(d)該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分
がゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
における分子量分布において、分子量3,000乃至2
0,000の領域にメインピークを有し、分子量50万
以上の成分を3乃至25%含有していることを特徴とす
る画像形成方法に関する。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明者らの検討によれば、定着
器の加熱方式によらずオフセットによる定着部材の汚染
を発生させないためには、トナーの低温定着性、耐高温
オフセット性を改良するだけでは不十分であり、定着部
材に対するトナーの離型性を向上させることが重要であ
ることが判った。
【0035】従来は、トナーのオフセット現象を改良す
ることとトナーの定着性を改良することは同一視されて
きたが、結着樹脂、トナーに含有されるワックス等の改
良による定着性向上に付随する形でのオフセット改良で
は限界があり、不十分である。
【0036】また、定着部材、クリーニング部材の離型
性が向上してもトナーの離型性が不十分である場合に
は、これらの部材の使用初期の段階では充分なオフセッ
ト防止効果が期待できても長期間使用した場合には各部
材の経年劣化を生じ、最終的にはオフセットが発生する
場合がある。
【0037】従来、トナーの結着樹脂がクロロホルムや
THF等の有機溶媒に対する不溶分を有することは、ト
ナーの耐ホットオフセット性改良の観点で提案される
が、この様なトナーであっても経年劣化した定着部材、
クリーニング部材に対しては充分なオフセット防止効果
を発揮しない場合がある。また、トナーは離型性を付与
する目的でワックスを含有させる場合があるが、経年劣
化した定着部材、クリーニング部材に対しては充分なオ
フセット防止効果を維持するためには多量のワックスを
含有させる必要がある。この場合にはトナーの現像性す
なわち、耐久による画像濃度の低下、カブリ濃度の上昇
等の問題が生じる場合がある。更にはトナー粒子に含有
されるワックスの分散状態を制御するのが困難であり、
トナーが遊離したワックスを多量に含有することにな
る。結果的に、感光体上のトナーのクリーニングが充分
にできずに残存し、画像欠陥となる場合がある。
【0038】結着樹脂としてポリエステルユニットとビ
ニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成
分を含有するトナーにおいて、経年劣化した定着部材及
びクリーニング部材に対しても充分なオフセット防止効
果を維持するには、トナーの離型性の向上とトナーの現
像性を両立する必要がある。
【0039】本発明者らは、ジルコニウムと、芳香族ジ
オール、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族モノカル
ボン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなるグループから
選択される芳香族化合物とが配位又は/及び結合してい
る有機ジルコニウム化合物(例えば、有機ジルコニウム
錯体、有機ジルコニウム錯塩、有機ジルコニウム塩)を
負荷電制御剤として含有させ、さらにトナーの結着樹脂
としてポリエステルユニットとビニル系重合体ユニット
を有しているハイブリッド樹脂成分を用いてトナーの結
着樹脂の酸価と分子量分布を特定の範囲に調整すること
により、トナーの帯電の立ち上がりの良さを保持しつ
つ、高温高湿環境下においても高い帯電量を得ることが
でき、低温低湿環境下においても帯電過剰となることが
なく、さらに耐久により(経年)劣化した定着部材及び
クリーニング部材に対しても充分なオフセット防止効果
を維持することができ、トナーの離型性とトナーの現像
性とを両立できるトナーを得ることができることを見出
した。
【0040】本発明においては、トナーのテトラヒドロ
フラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)における分子量分布において、
分子量3,000乃至20,000の領域、好ましくは
4,000乃至15,000の領域、より好ましくは
5,000乃至12,000の領域にメインピークを有
し、分子量50万以上の成分を3乃至25%、好ましく
は5乃至22%、より好ましくは7乃至20%含有して
いることが良い。
【0041】トナーのTHF可溶分のGPCにおける分
子量分布において、分子量3,000未満の領域にメイ
ンピークが存在する場合には、高湿環境下での現像性が
低下し易くなり、特にこの高湿環境下での放置後の画像
濃度が下がり易くなる。分子量3,000乃至20,0
00の領域にメインピークがなく、分子量20,000
よりも高分子量領域にメインピークが存在する場合に
は、低温定着性が低下する。
【0042】トナーのTHF可溶分のGPCにおける分
子量分布において、分子量50万以上の成分の含有量が
3%未満の場合には、多数枚耐久によって転写紙中の填
料が定着部材表面に付着するのに伴って、トナーの堆積
が生じ易くなり、トナー画像汚れが発生し易くなる。分
子量50万以上の成分の含有量が25%より多い場合に
は、低温定着性が低下する。
【0043】本発明のトナーは、トナー中に含有される
結着樹脂が5乃至70重量%のテトラヒドロフラン(T
HF)不溶分を含有することが好ましく、より好ましく
は10乃至60重量%、更に好ましくは15乃至50重
量%含有することが良い。トナー中に含有されている結
着樹脂のTHF不溶分の含有量が5重量%未満となる場
合及び70重量%超となる場合には、いずれも、有機ジ
ルコニウム化合物を含有するトナーにおいては、トナー
に含有されるワックスの分散を最適な状態に保持するこ
とが困難であり、耐久により定着部材へのトナー付着が
顕在化する場合がある。
【0044】結着樹脂として、ビニル系重合体ユニット
とポリエステルユニットを有しているハイブリッド樹脂
組成物に含むトナーにおいて、耐久により(経年)劣化
した定着部材及びクリーニング部材に対しても充分なオ
フセット防止効果を維持するには、トナーの水に対する
接触角で規定されるトナーの離型性を向上する必要があ
る。
【0045】本発明者らの検討によれば、水に対する接
触角が高いトナーは、結着樹脂が特定の酸価を有し、特
定の有機金属化合物を架橋剤として含有し、特定のピー
ク分子量及び構造を有するワックスを含有して達成され
る。
【0046】本発明のトナーにおいて、トナーの水に対
する接触角は95乃至130度であることが好ましく、
より好ましくは100乃至127度、更に好ましくは1
05乃至125度であることが良い。トナーの水に対す
る接触角が95度未満となる場合には、耐久により劣化
した定着部材及びクリーニング部材に対する充分なオフ
セット防止効果を維持することが困難であり、トナーの
水に対する接触角が130度超となる場合には、トナー
の現像性、感光体上に残存したトナーのクリーニング性
に問題が生じる場合がある。
【0047】本発明のトナーに結着樹脂として含有され
る「ハイブリッド樹脂成分」とは、ビニル系重合体ユニ
ットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂
を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと(メ
タ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を
有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとが
エステル交換反応によって形成されるものであり、好ま
しくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニッ
トを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブロッ
ク共重合体)を形成するものである。
【0048】従って、本発明において、ハイブリッド樹
脂成分のビニル重合体ユニットとポリエステルユニット
とは、
【0049】
【化19】 を介して結合するものである。
【0050】このハイブリッド樹脂成分のポリエステル
ユニットは、ワックスの分散を制御する効果を有するア
ルコール成分及び/またはカルボン酸を含有するもので
ある。
【0051】また、ハイブリッド樹脂はポリエステルの
モノマーであるアルコールと(メタ)アクリル酸エステ
ルとのエステル交換反応により生成する。上記ハイブリ
ッド樹脂成分は、ビニル系重合体ユニットを構成する
(メタ)アクリル酸エステルの10乃至60モル%がポ
リエステルユニットとエステル化反応していることが好
ましく、より好ましくは15乃至50モル%、更に好ま
しくは20乃至45モル%がエステル化反応しているこ
とが良い。ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系重合体ユ
ニットを構成する(メタ)アクリル酸エステルの10モ
ル%未満しかポリエステルユニットとエステル化反応し
ていない場合には、ワックスの分散状態を制御すること
が困難であり、60モル%超となる場合には相対的に分
子量の大きな成分が増大する結果トナーの低温定着性が
悪化する場合がある。
【0052】ハイブリッド樹脂成分を構成するポリエス
テルユニットとビニル系重合体ユニットの組成は、重量
比で30:70乃至90:10であることが好ましく、
より好ましくは40:60乃至80:20、更に好まし
くは50:50乃至70:30であることが良い。ハイ
ブリッド樹脂成分を形成するポリエステルユニットの組
成比が30重量%未満となる場合、または90重量%超
となる場合には、いずれもハイブリッド樹脂成分と有機
ジルコニウム化合物との相互作用を最適化することが困
難であり、さらにワックスの分散状態を制御することが
困難となる場合がある。
【0053】本発明のトナーにおいては、詳細は不明で
あるが、有機ジルコニウム化合物とハイブリッド樹脂成
分とが一種のアイオノマー形成あるいは錯形成と推定さ
れる架橋体の生成を伴う反応をしてワックスの固定分散
を助長する。ワックスの分散状態を制御するためにトナ
ー化する前の結着樹脂は5乃至60mgKOH/gの酸
価を有することが好ましく、より好ましくは10乃至5
0mgKOH/g、更に好ましくは15乃至40mgK
OH/gの酸価を有することが良い。トナー化する前の
結着樹脂の酸価が5mgKOH/g未満となる場合に
は、錯形成反応が不十分であり、60mgKOH/g超
となる場合には過剰な錯形成反応が進行し、どちらの場
合もワックスの分散状態を制御することが困難となる。
【0054】本発明のトナーにおいて、トナー中に含有
されている結着樹脂の酸価(Av・B)は2乃至50m
gKOH/g、好ましくは5乃至45mgKOH/g、
更に好ましくは10乃至40mgKOH/gであること
が良い。トナー中に含有されている結着樹脂の酸価(A
v・B)が2mgKOH/g未満となる場合及び50m
gKOH/g超となる場合には、いずれも、有機ジルコ
ニウム化合物を含有するトナーにおいては、耐久により
画像濃度が低下する場合があり好ましくない。
【0055】本発明のトナーにおいて、トナー中に含有
されている結着樹脂は2乃至60重量%のクロロホルム
不溶分を含有することが好ましく、より好ましくは5乃
至55重量%、更に好ましくは10乃至45重量%含有
することが良い。トナー中に含有されている結着樹脂の
クロロホルム不溶分が2重量%未満となる場合及び60
重量%超となる場合には、いずれも、有機ジルコニウム
化合物と結着樹脂との錯形成反応が不適切であることを
示唆するものであり好ましくない。
【0056】本発明のトナー中に含有されている結着樹
脂において、クロロホルム可溶分の酸価(Av・S)と
クロロホルム不溶分の酸価(Av・G)との差(Av・
G−Av・S)は10乃至150mgKOH/gである
ことが好ましく、より好ましくは差(Av・G−Av・
S)が20乃至130mgKOH/g、更に好ましくは
差(Av・G−Av・S)が30乃至100mgKOH
/gであることが良い。差(Av・G−Av・S)が1
0mgKOH/g未満となる場合には有機ジルコニウム
化合物との錯形成反応が不充分となる場合があり、差
(Av・G−Av・S)が150mgKOH/g超とな
る場合には有機ジルコニウム化合物との錯形成反応が過
剰となる場合があり、いずれの場合にしても荷電制御剤
の分散状態を最適な状態に保持することが困難となり、
トナーの帯電安定性が不安定となり易く耐久により画像
濃度が低下する場合がある。
【0057】また、本発明のトナーにおいて、クロロホ
ルム可溶分の酸価は10乃至50mgKOH/gである
ことが良く、より好ましくは15乃至45mgKOH/
g、更に好ましくは20乃至40mgKOH/gである
ことが良い。クロロホルム可溶分の酸価が10mgKO
H/g未満となる場合には有機ジルコニウム化合物との
錯形成反応が不充分となり、クロロホルム可溶分の酸価
が50mgKOH/g超となる場合には、有機ジルコニ
ウム化合物との錯形成反応が過剰となり易い。
【0058】本発明のトナーは、後述する有機ジルコニ
ウム化合物を結着樹脂100重量部に対して好ましくは
0.1乃至10重量部、より好ましくは0.5乃至10
重量部、さらに好ましくは1乃至8重量部、より更に好
ましくは1.5乃至5重量部含有することが良い。含有
量が0.1重量部未満となる場合には結着樹脂と有機ジ
ルコニウム化合物との錯形成反応が不十分となり、10
重量部超となる場合には錯形成反応が過剰となり、どち
らの場合でもワックスの分散状態を制御することが困難
となり易い。
【0059】本発明のトナーは、トナー化する前の結着
樹脂が含有しているTHF不溶分はトナーに耐ホットオ
フセット性を付与するだけではなく、トナー製造時の混
練工程で結着樹脂の溶融粘度はワックスの分散を制御す
るためにも重要である。トナー化する前の結着樹脂は、
THF不溶分を5乃至60重量%含有していることが好
ましく、より好ましくは7乃至55重量%、更に好まし
くは10乃至50重量%含有していることが良い。トナ
ー化する前の結着樹脂のTHF不溶分の含有量が5重量
%未満となる場合には、トナーの耐ホットオフセット性
が悪化するばかりでなく、混練工程での溶融粘度が低く
なりすぎてワックスの再凝集が生じ分散状態を制御する
のが難しく、60重量%超となる場合には、低温オフセ
ットが生じ易くなるばかりでなく、混練工程での溶融粘
度が高い成分と低い成分が混在することになりワックス
の分散粒度が広くなり分散状態を制御するのが難しい。
【0060】本発明のトナーに含有されるワックスは、
GPCで測定されるMpが500乃至5000及び比
(Mw/Mn)が1.1乃至15であることが好まし
く、より好ましくは700乃至4500及び比(Mw/
Mn)が1.2乃至10、更に好ましくは800乃至4
000及び比(Mw/Mn)が1.5乃至8であること
が良い。Mpが500未満又は比(Mw/Mn)が1.
1未満となる場合にはトナー粒子におけるワックスの分
散粒径が小さくなりすぎ、Mpが5000超又は比(M
w/Mn)が15超となる場合には分散粒径が大きくな
りすぎ、どちらの場合でもワックスの分散粒径を適度に
制御することが難しい。
【0061】本発明のトナーにおいて、異なる2種以上
のワックスを含有していても良く、その場合には、トナ
ー中に含有されているワックス全体のGPCで測定され
るMpが500乃至5000及び比(Mw/Mn)が
1.2乃至15であることが好ましく、より好ましくは
700乃至4500及び比(Mw/Mn)が1.5乃至
12であり、更に好ましくは800乃至4000及び比
(Mw/Mn)が2乃至10であることが良い。Mpが
500未満又は比(Mw/Mn)が1.2未満となる場
合及びMpが5000超又は比(Mw/Mn)が15超
となる場合には、いずれもトナー粒子内のワックスの分
散粒径の粒度分布が広くなり、適度に制御することが難
しい。
【0062】本発明のトナーに含有されるワックスとし
ては、炭化水素系ワックス、ポリエチレン系ワックス及
びポリプロピレン系ワックスが挙げられる。
【0063】本発明のトナーに含有される好ましいワッ
クスとしては、一酸化炭素・水素からなるアーゲ法によ
り得られる炭化水素の蒸留残分から得られる、あるいは
これらを水素添加して得られる合成炭化水素のワックス
がよい。更に、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用
や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行った
ものが、より好ましく用いられる。
【0064】本発明のトナーに含有されるワックスは、
式(I)で表せる構造を有するものである。
【0065】
【化20】 (式中、Aは水酸基またはカルボキシル基を表し、aは
20乃至60の整数を表し、好ましくは、Aが水酸基を
表し、aが30乃至50の整数を表す。) 本発明のトナーに含有されるワックスが、酸変性ポリエ
チレンである場合には、1乃至20mgKOH/gの酸
価を有し、且つポリエチレンをマレイン酸、マレイン酸
ハーフエステル及び無水マレイン酸のうち少なくとも1
種類以上の酸モノマーにより変性されているものが好ま
しく、より好ましくは2乃至15mgKOH/gの酸価
を有するものである。
【0066】本発明のトナーに含有されるワックスが、
酸変性ポリプロピレンである場合には、1乃至20mg
KOH/gの酸価を有し、且つポリエチレンをマレイン
酸、マレイン酸ハーフエステル及び無水マレイン酸のう
ち少なくとも1種類の酸モノマーにより変性されている
ものが好ましく、より好ましくは2乃至15mgKOH
/gを有するものである。
【0067】本発明のトナーに2種のワックスが含有さ
れる場合には、少なくとも1種のワックスが上述したワ
ックスを使用することが好ましい。
【0068】本発明のトナーに2種のワックスが含有さ
れる場合の好ましいワックスの組合せを以下の表1に示
す。
【0069】
【表1】
【0070】本発明のトナーに含有されるワックスは、
ワックスを含有するトナーの示差走査熱量計(DSC)
で測定されるDSC曲線において、温度70乃至140
℃の領域に吸熱メインピークを有することが好ましく、
より好ましくは温度75乃至135℃の領域に、更に好
ましくは温度80乃至130℃の領域に吸熱メインピー
クを有することが好ましい。さらに、これらの温度領域
に吸熱メインピークと同時に吸熱サブピークまたは吸熱
ショルダーが存在していても良い。もし、上記温度領域
以外に吸熱メインピークを有する場合には、低温定着
性、耐ホットオフセット性及び耐ブロッキング性の全て
を満足することが困難となる。
【0071】上記のトナーのDSC曲線における吸熱メ
インピークは、トナー中に含有されているワックスに起
因するものであることが良い。
【0072】本発明のトナーは、ジルコニウムと、芳香
族ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族モノ
カルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなるグループ
から選択される芳香族化合物とが配位又は/及び結合し
ている有機ジルコニウム化合物を負荷電制御剤として含
有している。
【0073】「有機ジルコニウム化合物」とは、芳香族
ジオール、芳香族モノカルボン酸、芳香族ポリカルボン
酸又は/及び芳香族ヒドロキシカルボン酸とジルコニウ
ム化合物とが反応した化合物(例えば、有機ジルコニウ
ム錯化合物(錯体、錯塩)又は有機ジルコニウム塩)で
ある。
【0074】有機ジルコニウム化合物としては、(i)
金属元素としてジルコニウムを有し、配位子として芳香
族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ポ
リカルボン酸を配位しているジルコニウム錯体;(i
i)金属元素としてジルコニウムを有し、配位子として
芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香
族ポリカルボン酸を配位しているジルコニウム錯塩;又
は(iii)金属イオンとしてジルコニウムイオンを有
し、酸イオンとして芳香族カルボン酸イオン、芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸イオン又は芳香族ポリカルボン酸イ
オンを有しているカルボン酸ジルコニウム塩が挙げられ
る。
【0075】配位子として、芳香族ジオール、芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸を1〜4個
キレート形成しているジルコニウム錯体あるいはジルコ
ニウム錯塩が好ましい。また、これらジルコニウム錯体
又は錯塩に、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族カル
ボン酸又は芳香族ポリカルボン酸のカルボキシアニオン
を1〜6個配位させても良い。
【0076】有機ジルコニウム塩の場合は、芳香族カル
ボン酸イオン、芳香族ヒドロキシカルボン酸イオン、芳
香族ポリカルボン酸イオンを1〜4個有しているものが
好ましく、更には1〜3個有しているものが好ましい。
またキレート形成数の異なる錯体,錯塩あるいは配位子
の異なる錯体,錯塩の混合物であってもよい。また酸イ
オンの数の異なる塩の混合物であってもよい。
【0077】また、有機ジルコニウム化合物は、有機ジ
ルコニウム錯化合物と有機ジルコニウム塩との混合物で
あっても良い。
【0078】さらに、上記ジルコニウム化合物を磁性体
を含有する磁性トナーに使用したり、あるいは有機ジル
コニウム化合物を有するトナーを一成分系現像方法に適
用することにより、優れた現像性が得られることを見い
だした。すなわち、少ない摩擦帯電機会で素速い帯電の
立ち上がりと、高い帯電量を必要とする磁性トナーや一
成分現像用トナーにとって、本発明で使用する有機ジル
コニウム化合物はこれらの要件を満たす好適な負帯電制
御剤となるのである。非磁性一成分現像方法に用いられ
る非磁性トナーにも最適である。
【0079】有機ジルコニウム化合物は、酸価を有する
結着樹脂と共に用いると、トナーの構成成分が保有する
水分子の持つ極性を利用し、帯電が強調される効果の寄
与を大きいものとすることができる。また、融点又は分
子量の異なるワックスあるいは組成成分の異なるワック
スを二種類以上と用いることで非常に分散性を良好にす
ることができ、耐久性や帯電均一性を向上させることが
できる。
【0080】有機ジルコニウム化合物を使用したトナー
は、低湿又は高湿環境での帯電量が十分になるだけでな
く、長期の耐久での濃度低下も抑えられる。有機ジルコ
ニウム化合物の使用は、特に種々の異種元素を有する磁
性酸化鉄を含有する磁性トナーにとって最適になる。異
種元素の酸化物、水酸化物、異種元素を取り込んだ酸化
鉄、異種元素を混晶させた酸化鉄が、水分子を吸着し、
水分子の極性を利用した帯電の向上及び安定化を効果的
に行うことができる。また酸価を有する結着樹脂と共に
用いると一層効果的に帯電の向上及び安定化を行うこと
ができる。
【0081】本発明に使用する有機ジルコニウム化合物
は、ジルコニウムイオンが八配位をとりやすくカルボキ
シル基又は水酸基の酸素を配位又は結合し易い。官能基
にカルボキシル基を有するポリエステルユニットとビニ
ル系重合体ユニットとを有しているハイブリッド樹脂成
分の如き酸価を有する結着樹脂を用いると、結着樹脂中
へのなじみがよく分散性に優れ、トナー粒子中からの脱
落を防ぎ、帯電均一化と帯電の耐久安定性が得られる。
更には、有機ジルコニウム化合物はトナーの透明性への
影響が小さく、鮮やかな色彩を表現するカラートナーを
形成するのに好ましいものとなる。また、結着樹脂のカ
ルボキシル基、水酸基のジルコニウムイオンヘの配位を
介し、ポリマー鎖の架橋を施すことができるため、結着
樹脂をゴム弾性の大きいものとすることができ、離型性
に優れ、定着部材の汚れを効果的に防止できる。従っ
て、THF不溶分を結着樹脂が有する程度に架橋してい
るのが良い。また、トナー製造時の溶融混練時に混練物
にシェアをかけることができ、磁性体、顔料、染料の分
散を向上させることができ、着色力の高い、色味の鮮明
なトナーとすることができる。
【0082】本発明に使用する有機ジルコニウム化合物
は、摩擦帯電能力にすぐれ、高い帯電量が得られるの
で、高い帯電量を必要とする磁性トナーにとって好適な
荷電制御剤となるのである。さらに、有機ジルコニウム
化合物自体の良好な結着樹脂への分散性に加え、結着樹
脂に酸価を有するものを用いると磁性体の分散性向上に
働くので、耐久性、帯電均一性が得られるようになるの
である。
【0083】また、本発明に使用する有機ジルコニウム
化合物は、トナーに用いる結着樹脂の表面張力に何らか
の影響を及ぼし、複数種のワックスと用いると、非常に
離型性に優れることが見いだされた。このことから耐オ
フセット性に優れ、定着部材汚れ防止に効果のあるトナ
ーを形成することができる。また、酸価を有する結着樹
脂と共に用いると特にこの効果は顕著である。
【0084】また、本発明の有機ジルコニウム化合物
は、放置によるトナーの現像性の低下が小さいことが特
徴的である。例えば、高湿下で使用した後、休止してし
ばらく放置した後、再び使用し始めた際に、画像濃度の
低下を少ないものとすることができる。
【0085】さらに、本発明の有機ジルコニウム化合物
は、帯電量不良トナー粒子の発生が少なく、飛散するト
ナー粒子が少ないことが特徴的である。例えば、磁性ト
ナーにおいては凝集力の低下する低湿下では飛散が多く
なり、コロナ帯電方式では、飛散トナーが帯電ワイヤー
に付着し、放電異常を生じ、一次帯電においては静電像
の帯電異常から筋状の画像異常が発生したり、転写帯電
においては筋状の転写不良を発生しやすくなるが、本発
明のトナーではこれらの現象を低減することができる。
接触帯電方式においては、接触転写部で飛散トナーによ
る汚れが転写紙等に転移し、裏汚れを生じることがある
が、本発明のトナーはこれらの現象も低減できる。
【0086】トナー粒子飛散現象は、非磁性トナーにお
いては、静電気力のみでトナー担持体に拘束されている
ので高湿下の方が顕著となるが、この飛散現象も本発明
のトナーは低減することができ、機内飛散等による画像
汚れを減少させることができる。また、非磁性トナーは
低湿下で帯電不良粒子の発生の影響で、ハーフトーンな
どに濃度ムラが発生することがあるが、この現象も本発
明のトナーは低減させることができる。
【0087】本発明に使用される芳香族ジオール、芳香
族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ポリカルボン酸のジ
ルコニウム錯体あるいはジルコニウム錯塩又は有機ジル
コニウム塩の如き有機ジルコニウム化合物を以下により
具体的に説明する。
【0088】一般式(l)又は(2)に好ましいジルコ
ニウム錯体あるいは錯塩を示す。
【0089】
【化21】 一般式(1)において、Arは置換基としてアルキル
基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、
アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、ハ
ロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミド基又は
カルバモイル基を有していてもよい芳香族残基を表わ
し、X及びYは−O−、−CO−O−を表わし、X及び
Yは同じであっても異なっていてもよく、Lは中性配位
子、水、アルコール、アンモニア、アルキルアミン又は
ピリジンを表わし、C1は1価のカチオン、水素、1価
の金属イオン、アンモニウム又はアルキルアンモニウム
を表わし、C2は2価のカチオン又は2価の金属イオン
を表し、nは2,3又は4を表わし、mは0,2又は4
を表わす。各錯体または各錯塩において配位子となる芳
香族カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じものであっ
ても異なるものであってもよく、またn又は/及びmの
数の異なる錯化合物の混合物であっても良い。対イオン
のC1及びC2が異なる錯塩の混合物であっても良い。結
着樹脂中への錯体又は錯塩の分散性向上の観点あるいは
帯電性向上の観点から、芳香族残基(Ar)としては、
ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環又はフェナ
ントレン環が好ましく、置換基としてはアルキル基、カ
ルボキシル基又は水酸基が好ましく、Lとしては水が好
ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリウム、ア
ンモニウム、アルキルアンモニウムが好ましい。
【0090】
【化22】 一般式(2)において、Arは置換基としてアルキル
基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、
アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、ハ
ロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミド基又は
カルバモイル基を有していてもよい芳香族残基を表わ
し、X及びYは−O−、−CO−O−を表わし、X及び
Yは同じであっても異なっていてもよく、Lは中性配位
子、水、アルコール、アンモニア、アルキルアミン又は
ピリジンを表わし、Aは、アニオン、ハロゲン、水酸イ
オン、カルボン酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、硫
酸イオン、シアンイオン又はチオシアンイオンを表わ
し、Aは相互に異なるイオンを有していても良く、C1
は1価のカチオン、水素、1価の金属イオン、アンモニ
ウム又はアルキルアンモニウムを表わし、C2は2価の
カチオン又は2価の金属イオンを表し、nは1,2,3
又は4を表わし、kは1,2,3,4,5又は6を表わ
し、mは0,1,2,3又は4を表わす。各錯体または
各錯塩において配位子となる芳香族カルボン酸類、芳香
族ジオール類は同じものであっても異なるものであって
もよく、またn又は/及びmの数の異なる錯化合物の混
合物であっても良い。対イオンのC1及びC2が異なる錯
塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への錯体又は錯
塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、
芳香族残基(Ar)としては、ベンゼン環、ナフタレン
環、アントラセン環又はフェナントレン環が好ましく、
置換基としてはアルキル基、カルボキシル基又は水酸基
が好ましく、Lとしては水が好ましく、C1としては水
素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルア
ンモニウムが好ましく、Aとしては水酸イオン又はカル
ボン酸イオンが好ましい。Aが2価のアニオンの場合に
は、カウンターカチオンの係数kは2倍する。
【0091】さらに、好ましいジルコニウム錯体又は錯
塩を一般式(3),(4),(5),(6),(7)及
び(8)に示す。
【0092】
【化23】 一般式(3),(4)及び(5)において、Rは水素、
アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアル
キル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキ
シル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基又はカルバモイ
ル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香族環ある
いは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基
Rを有していても良く、置換基Rを1乃至8個持ってい
てもよく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよ
く、C1は1価のカチオン、水素、アルカリ金属、アン
モニウム又はアルキルアンモニウムを表わし、lは1〜
8の整数を表わし、nは2,3又は4を表わし、mは
0,2又は4を表わし、各錯体または錯塩において配位
子となる芳香族カルボン酸類又は芳香族ジオール類は同
じものであっても異なるものであってもよく、またn又
は/及びmの数の異なる錯化合物の混合物であっても良
い。また、対イオンのC1が異なる錯塩の混合物であっ
ても良い。結着樹脂中への錯体又は錯塩の分散性向上の
観点あるいは帯電性向上の観点から、置換基Rとしては
アルキル基、アルケニル基、カルボキシル基又は水酸基
が好ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリウ
ム、アンモニウム又はアルキルアンモニウムが好まし
い。
【0093】特に好ましいのは、一般式(4)で表わさ
れる錯化合物あるいはカウンターイオンを有さない、一
般式(3),(4)又は(5)においてn=2の場合の
ジルコニウム中性錯体であり、優れた環境安定性が得ら
れ、結着樹脂中への分散性にも優れ、良好な耐久性が得
られる。
【0094】
【化24】 一般式(6)、(7)及び(8)において、Rは水素、
アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアル
キル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキ
シル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基又はカルバモイ
ル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香族環ある
いは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基
Rを有していても良く、置換基Rを1乃至8個持ってい
てもよく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよ
く、Aは、アニオン、ハロゲン、水酸イオン、カルボン
酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、シア
ンイオン又はチオシアンイオンを表わし、Aは相互に異
なるイオンを有していても良く、C1は1価のカチオ
ン、水素、1価の金属イオン、アンモニウム又はアルキ
ルアンモニウムを表わし、nは1,2,3又は4を表わ
し、kは1,2,3,4,5又は6を表わし、mは0,
1,2,3又は4を表わす。各錯体または各錯塩におい
て配位子となる芳香族カルボン酸類、芳香族ジオール類
は同じものであっても異なるものであってもよく、また
n又は/及びmの数の異なる錯化合物の混合物であって
も良い。カチオンC1又は/及びアニオンAが異なる2
種以上の錯化合物の混合物であっても良い。Aが2価の
アニオンの場合には、カウンターカチオンの係数kは2
倍する。
【0095】結着樹脂中への錯体又は錯塩の分散性の向
上の観点あるいは帯電性向上の観点から、置換基Rとし
ては、アルキル基、アルケニル基、カルボキシル基、水
酸基が好ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリ
ウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが好まし
く、Aとしては水酸イオン又はカルボン酸イオンが好ま
しい。
【0096】特に好ましいのは、一般式(7)で表わさ
れる錯化合物あるいは、カウンターイオンを有さない、
一般式においてn=2の場合のジルコニウム中性錯体で
あり、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中への分散
性にも優れ、良好な耐久性が得られる。
【0097】本発明に用いられるジルコニウム錯体ある
いは錯塩は、六配位または八配位の錯化合物で、八配位
の中には、配位子が橋かけした複核錯化合物となり示性
式上六配位となる錯化合物があり、また、水酸基などの
配位子が橋かけし、次々と錯化合物を重合した複核錯化
合物などもある。
【0098】このような錯化合物の構造の代表的なもの
を、以下の一般化学式(9)〜(33)でその構造を例
示する。以下の構造の中には配位子Lを持たないものも
包含する。尚、一般化学式(30)〜(33)は、カウ
ンターカチオンを省略する。
【0099】
【化25】
【0100】
【化26】
【0101】
【化27】
【0102】
【化28】
【0103】
【化29】
【0104】
【化30】
【0105】また、芳香族環の水酸基又はカルボキシル
基が異なるジルコニウムに配位した構造を有する錯化合
物であってもよく、例えば部分構造として式(34)に
示されるものである。
【0106】
【化31】
【0107】具体的構造では式(35)で表わされる。
【0108】
【化32】
【0109】ここで、pは1以上の整数を表わし、qは
2以上の整数を表わし、式(35)ではアニオン配位
子、中性配位子及び対カチオンは省略してある。
【0110】本発明に使用される好ましい芳香族カルボ
ン酸のジルコニウム塩を一般式(36)及び(37)に
示す。
【0111】
【化33】 一般式(36)及び(37)において、Arは置換基と
してアルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロ
アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボ
キシル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、
アミド基又はカルバモイル基を有していてもよい芳香族
残基を表わし、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオ
ン、水酸イオン、硝酸イオン又はカルボン酸イオンを表
わし、A2は2価のアニオン、硫酸イオン、リン酸水素
イオン又は炭酸イオンを表わし、nは1,2,3又は4
を表わす。各金属塩においてアニオンA1,アニオン
2,酸イオンとなる芳香族カルボン酸類及び芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸は同じものであっても異なるもので
あってもよい。また、nの数が異なる塩の混合物であっ
ても良い。結着樹脂中への金属塩の分散性向上の観点あ
るいは帯電性向上の観点から、芳香族残基としては、ベ
ンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環又はフェナン
トレン環が好ましく、置換基としてはアルキル基、カル
ボキシル基、水酸基又はアシルオキシ基が好ましい。
【0112】更に好ましい金属塩は一般式(38)及び
(39)で表わせるジルコニウム塩である。
【0113】
【化34】 一般式(38)及び(39)において、Rは水素、アル
キル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシル
基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、アミド基又はカル
バモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香環
あるいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置
換基Rを有していても良く、置換基Rを1乃至8個持っ
ていてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていて
もよく、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、水酸
イオン、硝酸イオン又はカルボン酸イオンを表わし、A
2は2価のアニオン、硫酸イオン、リン酸水素イオン又
は炭酸イオンを表し、1は1〜8の整数を表わし、nは
1,2,3又は4を表わす。各金属塩においてアニオン
1,アニオンA2及び酸イオンとなる芳香族カルボン酸
類は同じものであっても異なるものであってもよい。ま
た、nの数が異なる塩の混合物であっても良い。結着樹
脂中への金属塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上
の観点から、置換基としてはアルキル基、アルケニル
基、カルボキシル基、水酸基又はアシルオキシ基が好ま
しく、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中への分散
性にも優れ、優れた耐久性が得られる。
【0114】更に好ましい金属塩は一般式(40)及び
(41)で表わせるジルコニウム塩である。
【0115】
【化35】 一般式(40)及び(41)において、Rは水素、アル
キル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシル
基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、アミド基又はカル
バモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香環
あるいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置
換基Rを有していても良く、置換基Rは1から8個持っ
ていてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていて
もよく、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、水酸
イオン、硝酸イオン又はカルボン酸イオンを表わし、A
2は2価のアニオン、硫酸イオン、リン酸水素イオン又
は炭酸イオンを表し、lは1〜7の整数を表わし、nは
1,2,3又は4を表わす。各金属塩においてアニオン
A1、アニオンA2及び酸イオンとなる芳香族カルボン
酸類は同じものであっても異なるものであってもよい。
また、nの数が異なる塩の混合物であっても良い。結着
樹脂中への金属塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向
上の観点から、置換基としてはアルキル基、アルケニル
基、カルボキシル基、水酸基又はアシルオキシ基が好ま
しく、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中への分散
性にも優れ、優れた耐久性が得られる。
【0116】本発明の有機ジルコニウム化合物は、塩化
酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、有機酸ジルコニ
ウムなどのジルコニウム化合物を水、アルコール、アル
コール水溶液に溶解し、芳香族カルボン酸、芳香族ジオ
ールおよびこれらのアルカリ金属塩を添加するか、ある
いは芳香族カルボン酸、芳香族ジオールとアルカリ剤を
添加することにより合成される。これらの有機ジルコニ
ウム化合物は、アルコール水溶液などで再結晶し、アル
コール洗浄で精製する。また、錯塩の場合は、生成物を
鉱酸、アルカリ剤、アミン剤で処理することにより種々
のカウンターイオンを持つ錯塩が得られる。本発明にお
いては、ジルコニウム錯塩のカウンターイオンに水素イ
オン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンなど複
数種有しているものも含む。
【0117】以下に、本発明に用いられる有機ジルコニ
ウム化合物の具体例を挙げるが、ここでは、示性式を示
す。水分子を2〜4個配位しているものも含まれるが、
ここでは水分子の記載を省略する。また、カウンターイ
オンは複数種有するものも含むが、ここでは一番多いカ
ウンターイオンのみを記載する。
【0118】
【化36】
【0119】
【化37】
【0120】
【化38】
【0121】
【化39】
【0122】
【化40】
【0123】
【化41】
【0124】
【化42】
【0125】
【化43】
【0126】
【化44】
【0127】
【化45】
【0128】
【化46】
【0129】
【化47】
【0130】
【化48】
【0131】
【化49】
【0132】
【化50】
【0133】
【化51】
【0134】
【化52】
【0135】
【化53】
【0136】
【化54】
【0137】
【化55】
【0138】
【化56】
【0139】
【化57】
【0140】
【化58】
【0141】
【化59】
【0142】
【化60】
【0143】
【化61】
【0144】
【化62】
【0145】
【化63】
【0146】本発明に使用する有機ジルコニウム化合物
は、トナー粒子中に内添させることに加えて、さらにト
ナー粒子に外添することもできる。トナー粒子に有機ジ
ルコニウム化合物を外添する場合は、トナー粒子100
重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、特に
メカノケミカル的にトナー粒子表面に固着させるのが好
ましい。
【0147】また本発明に使用する有機ジルコニウム化
合物は、従来の技術で述べたような公知の電荷制御剤と
組み合わせて使用することもできる。例えば、他の電荷
制御剤として有機金属錯体、金属塩又はキレート化合物
が挙げられる。具体的には、モノアゾ金属錯体、アセチ
ルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、
ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体などがあ
げられる。そのほかには、カルボン酸の金属塩、カルボ
ン酸無水物、エステル類などのカルボン酸誘導体や芳香
族系化合物の縮合体などもあげられる。またビスフェノ
ール類、カリックスアレーンの如きフェノール誘導体が
挙げられる。
【0148】次に、本発明のトナーにおいて、結着樹脂
として含有されるハイブリッド樹脂成分について説明す
る。
【0149】ハイブリッド樹脂成分のポリエステルユニ
ットは、好ましくは、式(a)乃至(d)で表わせる2
価のカルボン酸、式(e)で表せる1価のカルボン酸ま
たは式(f)で表わせる1価のアルコールの少なくとも
1種以上を含有するものである。
【0150】
【化64】 [式中、R1は炭素数14以上の直鎖、分岐または環状
のアルキル基、アルケニル基を表わし、R3,R4,R5
及びR6は水素原子、炭素数3以上の直鎖、分岐または
環状のアルキル基、アルケニル基を表わし、同一の置換
基であってもよいが、同時に水素原子になることはな
く、R7及びR8は炭素数12以上の直鎖、分岐または環
状のアルキル基、アルケニル基を表わし、nは12乃至
40の整数を表わす。]
【0151】式(a)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(a−1)〜(a−6)が挙げられる。
【0152】
【化65】
【0153】式(b)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(b−1)〜(b−4)が挙げられる。
【0154】
【化66】
【0155】式(c)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(c−1)〜(c−3)が挙げられる。
【0156】
【化67】
【0157】式(d)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(d−1)〜(d−2)が挙げられる。
【0158】
【化68】
【0159】式(e)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(e−1)〜(e−5)が挙げられる。
【0160】
【化69】
【0161】式(f)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(f−1)〜(f−5)が挙げられる。
【0162】
【化70】
【0163】ハイブリッド樹脂成分のポリエステルユニ
ットを生成するためのモノマーとしては以下のものが挙
げられる。
【0164】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル1,3−ヘキ
サンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(g)式
で表わされるビスフェノール誘導体及び下記(h)式で
示されるジオール類が挙げられる。
【0165】
【化71】
【0166】
【化72】
【0167】酸性分としては、フタル酸、イソフタル酸
及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその
無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼラ
イン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;
炭素数6〜12のアルキル基で置換されたこはく酸もし
くはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン
酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げ
られる。
【0168】ハイブリッド樹脂成分のビニル系重合体ユ
ニットを生成するためのビニル系モノマーとしては、次
のようなものが挙げられる。
【0169】スチレン;o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロ
スチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽
和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不
飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビ
ニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビ
ニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカ
ルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリ
ル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチル
エーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケト
ンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビ
ニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニル
ピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等
が挙げられる。
【0170】さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の
如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸
無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物
の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフ
エステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン
酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエ
ステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコ
ン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエ
ステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フ
マル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフ
エステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメ
チルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基
酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、
ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,
β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロ
ン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、
これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカル
ボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0171】さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモ
ノマーが挙げられる。
【0172】本発明のトナーにおいて、ハイブリッド樹
脂成分のポリエステルユニットは、三価以上の多価カル
ボン酸またはその無水物、または、三価以上の多価アル
コールで架橋された架橋構造を有しているものである。
三価以上の多価カルボン酸またはその無水物としては、
例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,
2,4,−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4
−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸及びこれ
らの酸無水物または低級アルキルエステル等が挙げら
れ、三価以上の多価アルコールとしては、例えば、1,
2,3−プロパントリオール、トリメチロールプロパ
ン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等が挙
げられるが、好ましくは1,2,4−ベンゼントリカル
ボン酸及びその酸無水物である。
【0173】本発明のトナーにおいて、ハイブリッド樹
脂成分のビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以
上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよ
い。この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化
合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート
化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペン
タンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに
代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖
で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ
アクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアク
リレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレ
ート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上
の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたも
のが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結
ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキ
シエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン
(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートを
メタクリレートに代えたものが挙げられ;ポリエステル
型ジアクリレート類として例えば、商品名MANDA
(日本化薬)が挙げられる。
【0174】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0175】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0重量部に対して、0.01〜10重量部(さらに好ま
しくは0.03〜5重量部)用いることができる。
【0176】これらの架橋性モノマーのうち、トナーの
定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるもの
として、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼ
ン)、芳香族基及びエーテル結合を1含む鎖で結ばれた
ジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0177】本発明ではビニル系共重合体ユニット及び
/又はポリエステルユニット中に、両樹脂ユニットと反
応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエス
テル樹脂ユニットを構成するモノマーのうちビニル系重
合体ユニットと反応し得るものとしては、例えば、フタ
ル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不
飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビ
ニル系重合体ユニットを構成するモノマーのうちポリエ
ステルユニットと反応し得るものとしては、カルボキシ
ル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もし
くはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
【0178】ビニル系重合体ユニットとポリエステルユ
ニットの反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビ
ニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットのそれ
ぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーユニット
が存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の
ポリマーユニットの重合反応をさせることにより得る方
法が好ましい。
【0179】本発明のビニル系重合体ユニットを製造す
る場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニ
トリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレー
ト、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニ
トリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニト
リル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペ
ンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−
メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メ
チル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノ
ンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,
2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチ
ルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、
α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパ
ーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリ
オイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジ
カーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカ
ーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、
ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、
ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカー
ボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキ
サイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチル
パーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオ
デカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサ
ノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソ
フタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネー
ト、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、
ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレー
ト,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられ
る。
【0180】第2の発明のトナーの結着樹脂は、上述し
たビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットとを
有しているハイブリッド樹脂成分を少なくとも有してい
れば良いが、ハイブリッド樹脂成分に加えて、ビニル系
重合体及びポリエステル樹脂を含有している樹脂組成物
であることが、本発明のトナーに含有されている有機ジ
ルコニウム化合物の分散を好適な状態に保持し、トナー
の現像性と定着性を共に満足し、かつ定着部材へのトナ
ー付着を防止することが可能となる点で好ましい。
【0181】このようなハイブリッド樹脂成分、ビニル
系重合体及びポリエステル樹脂を有する樹脂組成物を調
製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜
(6)に示す製造方法を挙げることができる。
【0182】(1)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及
びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造後にブレンドす
る方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレ
ン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去するものであ
り、好ましくは、このブレンド工程でワックスを添加し
て製造される。尚、ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系
重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機
溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコール
を添加し、加熱することによりエステル交換反応を行な
って合成されるエステル化合物を用いることができる。
【0183】(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、
これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノ
マーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコー
ル、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応に
より製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用する
ことができる。好ましくは、この工程でワックスを添加
する。
【0184】(3)ポリエステルユニット製造後に、こ
れの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモ
ノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/または
ビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。好
ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0185】(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエ
ステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在
下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマ
ー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハ
イブリッド樹脂成分を製造される。この場合も適宜、有
機溶剤を使用することができる。好ましくは、この工程
でワックスを添加する。
【0186】(5)ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビ
ニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(ア
ルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は
縮重合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及
びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイ
ブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法に
より製造されるものを使用することもでき、必要に応じ
て公知の製造方法により製造されたものを使用すること
もできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することがで
きる。好ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0187】(6)ビニル系モノマー及びポリエステル
モノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加
重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系
重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッ
ド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使
用することができる。好ましくは、この工程でワックス
を添加する。
【0188】上記(1)乃至(5)の製造方法におい
て、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステル
ユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体
ユニットを使用することができる。
【0189】上記の(1)〜(6)の製造方法の中で
も、特に(3)の製造方法が、ビニル系重合体ユニット
の分子量制御が容易であり、ハイブリッド樹脂成分の生
成を制御することができ、かつワックスを添加する場合
にはその分散状態を制御できる点で好ましい。
【0190】本発明のトナーは、着色剤として磁性体を
含有する磁性トナーとして用いることができる。
【0191】本発明に用いられる磁性体は、異種元素を
含有するマグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の
磁性酸化鉄及びその混合物が好ましく用いられる。
【0192】中でもリチウム、ベリリウム、ボロン、マ
グネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、イオウ、
ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、錫、鉛、亜鉛、
カルシウム、バリウム、スカンジウム、バナジウム、ク
ロム、マンガン、コバルト、銅、ニッケル、ガリウム、
インジウム、銀、パラジウム、金、白金、タングステ
ン、モリブデン、ニオブ、オスミウム、ストロンチウ
ム、イットリウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウ
ム、ビスマスから選ばれる少なくとも一つ以上の元素を
含有する磁性酸化鉄であることが好ましい。特にリチウ
ム、ベリリウム、ボロン、マグネシウム、アルミニウ
ム、シリコン、リン、ゲルマニウム、ジルコニウム、
錫、イオウ、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナ
ジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、
亜鉛及びガリウムが好ましい。最も好ましくは、異種元
素としてマグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン
及びジルコニウムからなるグループから選択される元素
を含む磁性酸化鉄である。これらの元素は酸化鉄結晶格
子の中に取り込まれても良いし、酸化物として酸化鉄中
に取り込まれていても良いし、表面に酸化物あるいは水
酸化物として存在しても良い。また、酸化物として含有
されているのが好ましい形態である。
【0193】これらの元素は、磁性体生成時に各々の元
素の塩を混在させpH調整により、粒子中に取り込むこ
とが出来る。また、磁性体粒子生成後にpH調整、ある
いは各々の元素の塩を添加しpH調整することにより粒
子表面に析出させることが出来る。
【0194】これらの元素を有する磁性体は、結着樹脂
に対し馴染みが良く、非常に分散性が良い。更にこの分
散性のよさが、本発明で用いられる有機ジルコニウム化
合物の分散性を向上することができ、有機ジルコニウム
化合物の効果を十分に発揮することが出来る。磁性体が
分散メディアとして働き、有機ジルコニウム化合物の分
散を磁性体の分散性の良さが援助し、有機ジルコニウム
化合物の分散性を向上させる。また、これらの磁性体は
水分子を吸着し、有機ジルコニウム化合物が、水分子に
よる帯電に強調を発揮しやすくする効果を持っている。
この効果は酸価を有する結着樹脂と共に用いると一層効
果的に発揮できる。
【0195】またこれらの磁性体は、粒度分布が揃って
いると、結着樹脂中への分散性がより向上することか
ら、上記の有機ジルコニウム化合物の分散性の向上効果
とあいまって、トナーの帯電性を安定化することが出来
る。また近年はトナー粒径の小径化が進んできており、
トナーの重量平均粒径が2.5乃至10μmの場合で
も、帯電均一性が促進され、トナーの凝集性も軽減さ
れ、画像濃度の向上、カブリの改善等現像性が向上す
る。特にトナーの重量平均粒径が2.5乃至6.0μm
の場合にはその効果は顕著であり、極めて高精細な画像
が得られる。トナーの重量平均粒径は2.5μm以上で
あると十分な画像濃度が得られて好ましい。一方でトナ
ーの小粒径化が進むとジルコニウム化合物の遊離も生じ
やすくなるが、本発明のトナーは帯電均一性に優れてい
るので多少のジルコニウム化合物が存在してもスリーブ
汚染の影響を受けにくくなる。したがって、磁性トナー
は、重量平均粒径が好ましくは2.5乃至10μm(よ
り好ましくは、2.5乃至6.0μm)が良い。非磁性
トナーの場合でも、重量平均粒径は2.5〜10μmよ
り好ましくは2.5乃至6.0μmが良い。
【0196】上述した磁性酸化鉄の異種元素の含有率
は、磁性酸化鉄の鉄元素を基準として0.05〜10重
量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜7
重量%であり、さらに好ましくは0.2〜5重量%、特
に好ましくは0.3〜4重量%であることが良い。異種
元素含有量が0.05重量%より少ないと、これら元素
の含有効果が得られなく、良好な分散性、帯電均一性が
得られなくなり、10重量%より多くなると、電荷の放
出が多くなり帯電不足を生じ、画像濃度が低くなった
り、カブリが増加することがある。
【0197】また、これら異種元素の含有分布におい
て、磁性酸化鉄体の表面に近い方に多く存在しているも
のが好ましい。たとえば、磁性酸化鉄の鉄元素の溶解率
が20%のときの異種元素の溶解率が、全異種元素の存
在量の20%〜100%が好ましく、より好ましくは2
5%〜100%、さらに好ましくは30%〜100%で
あることが良い。表面存在量を多くすることにより分散
効果や電気的拡散効果を、より向上させることができ
る。
【0198】これらの磁性酸化鉄は個数平均粒径が0.
05〜1.0μmであることが好ましく、より好ましく
は0.1〜0.5μmであることが良い。磁性体はBE
T比表面積が好ましくは2〜40m2/g、より好まし
くは、4〜20m2/gであることが良い。磁性酸化鉄
は、形状には特に制限はなく、任意の形状のものが用い
られる。磁気特性としては、磁場795.8kA/m下
で飽和磁化が10〜200Am2/kg(より好ましく
は、70〜100Am2/kg)、残留磁化が1〜10
0Am2/kg(より好ましくは、2〜20Am2/k
g)、抗磁力が1〜30kA/m(より好ましくは、2
〜15kA/m)であるものが好ましく用いられる。こ
れらの磁性体は結着樹脂100重量部に対し、20〜2
00重量部で用いられる。
【0199】本発明のトナーに使用できる着色剤として
は、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。例えば顔
料として、カーボンブラック、アニリンブラック、アセ
チレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロ
ー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、
フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等があ
る。これらの顔料は、定着画像の光学濃度を維持するた
めに必要な量が用いられ、結着樹脂100重量部に対し
0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の
含有量が良い。また、同様の目的で、更に染料が用いら
れる。例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、キ
サンテン系染料、メチン系染料がある。これらの染料
は、顔料の場合と同じ理由で結着樹脂100重量部に対
し0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部
の添加量が良い。
【0200】本発明のトナーにおいては、シリカ、アル
ミナ、酸化チタンの如き無機酸化物や、カーボンブラッ
ク、フッ化カーボンの如き粒径の細かい粒子の無機微粉
体をトナー粒子に外添することが好ましい。
【0201】シリカ微粉体、アルミナ微粉体又は酸化チ
タン微粉体は、トナー粒子表面に分散させた時に細かい
粒子となる方が流動性付与性が高くなるので好ましい。
これら微粉体は、個数平均粒径が好ましくは5〜100
nm、より好ましくは5〜50nmであることが良い。
BET法で測定した窒素吸着による比表面積、好ましく
は30m2/g以上、より好ましくは60〜400m2
gである母体微粉体を表面処理したものが好適であり、
表面処理された微粉体は、上記の比表面積が、好ましく
は20m2/g以上(特に40〜300m2/g)の範囲
のものが好ましい。
【0202】これらの微粉体は、トナー粒子100重量
部に対して、0.03〜5重量部外添した時に適切な表
面被覆率になる。
【0203】本発明に用いる無機微粉体の疎水化度とし
ては、メタノールウエッタビリティーで30%以上の値
を示すのが好ましく、更に好ましくは50%以上である
ことが良い。疎水化処理剤としては、含ケイ素表面処理
剤であるシラン化合物とシリコーンオイルが好ましい。
【0204】例えば、ジメチルジメトキシシラン、トリ
メチルエトキシシラン、ブチルトリメトキシシランの如
きアルキルアルコキシシラン;ジメチルジクロルシラ
ン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチルクロルシ
ラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロ
ルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニル
クロルシラン、ジメチルビニルクロルシランの如きシラ
ンカップリング剤を用いることができる。
【0205】本発明のトナーは、キャリアと混合して二
成分現像剤として使用しても良い。キャリアの抵抗値
は、キャリア表面の凹凸度合い、被覆する樹脂の量を調
整して106〜1010Ω・cmにするのが良い。
【0206】キャリア表面を被覆する樹脂としては、ス
チレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合
体、メタクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、
フッ素含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、
ポリフェニレンサルファイド樹脂或いは、これらの混合
物を用いることができる。
【0207】キャリアコアの磁性材料としては、フェラ
イト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄
等の酸化物や、鉄、コバルト、ニッケルのような金属或
いはこれらの合金を用いることができる。また、これら
の磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニ
ッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、
亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウ
ム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジ
ウムが挙げられる。
【0208】本発明で用いられる各種特性付与を目的と
した添加剤としては、例えば、以下のようなものが用い
られる。
【0209】(1)研磨剤:金属酸化物(チタン酸スト
ロンチウム,酸化セリウム,酸化アルミニウム,酸化マ
グネシウム,酸化クロムなど)、窒化物(窒化ケイ素な
ど)・炭化物(炭化ケイ素など)、金属塩(硫酸カルシ
ウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウム)など。
【0210】(2)滑剤:フッ素系樹脂粉末(ポリフッ
化ビニリデン,ポリテトラフルオロエチレンなど)、脂
肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウ
ムなど)など。
【0211】(3)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化
錫,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化アルミニ
ウムなど)、カーボンブラック、樹脂微粒子など。
【0212】これら添加剤は、トナー粒子100重量部
に対し、好ましくは0.05〜10重量部、より好まし
くは0.1〜5重量部外添されていることが良い。これ
ら添加剤は、単独で用いても、また、複数併用しても良
い。
【0213】磁性トナーの場合は、2種以上の無機酸化
物あるいは金属酸化物の微粉体を用いることが現像の耐
久安定性、放置後の現像安定性を得る上で好ましい。非
磁性一成分現像方法の場合は、酸化チタン又はアルミナ
を用いることが流動性向上、画像均一性を得る為に好ま
しい。
【0214】本発明のトナーを製造する方法としては、
上述したような結着樹脂、着色剤及び有機ジルコニウム
化合物を含むトナー構成材料をボールミルその他の混合
機により十分混合した後、熱ロールニーダー、エクスト
ルーダーの如き熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化
後、機械的に粉砕し、粉砕粉を分級することによってト
ナーを得る方法が好ましい。他には、結着樹脂を構成す
べき単量体に所定の材料を混合して乳化懸濁液とした後
に、重合させてトナーを得る重合法トナー製造法;コア
材及びシェル材から成るいわゆるマイクロカプセルトナ
ーにおいて、コア材あるいはシェル材、あるいはこれら
の両方に所定の材料を含有させる方法;結着樹脂溶液中
に構成材料を分散した後、噴霧乾燥することによりトナ
ーを得る方法が挙げられる。さらに必要に応じ所望の添
加剤とトナー粒子とをヘンシェルミキサーの如き混合機
により十分に混合し、本発明のトナーを製造することが
できる。
【0215】次に本発明のトナーが好ましく用いられる
画像形成方法について説明する。
【0216】まず、本発明の画像形成方法に適用できる
現像手段について説明する。
【0217】図1において、公知のプロセスにより形成
された静電潜像を担持する像担持体、例えば電子写真感
光体ドラム7は、矢印B方向に回転される。現像剤担持
体としての現像スリーブ14は、ホッパー9から供給さ
れた一成分現像剤としてのトナー10を担持して、矢印
A方法に回転することにより、現像スリーブ14と感光
体ドラム7とが対向した現像部Dにトナー10を搬送す
る。現像スリーブ14内には、トナー10が磁性トナー
である場合には、現像スリーブ14上に磁気的に吸引及
び保持するために、磁石11が配置されている。トナー
10は現像スリーブ14との摩擦により、感光体ドラム
7上の静電荷像を現像可能な摩擦帯電電荷を得る。
【0218】現像部Dに搬送されるトナー10の層厚を
規制するために、磁性トナーである場合には強磁性金属
からなる規制磁性ブレード8が、現像スリーブ14の表
面から約200〜300μmのギャップ幅を持って現像
スリーブ14に臨むように、ホッパー9から垂下されて
いる。磁石11の磁極N1からの磁力線がブレード8に
集中することにより、現像スリーブ14上にトナー10
の薄層が形成される。ブレード8としては非磁性ブレー
ドを使用することもできる。また、トナー10が非磁性
トナーである場合には、ウレタンゴム、シリコーンゴ
ム、チップブレードなどの弾性ブレードが用いられる。
【0219】現像スリーブ14上に形成されるトナー1
0の薄層の厚みは、現像部Dにおける現像スリーブ14
と感光体ドラム7との間の最小間隙よりも更に薄いもの
であることが好ましい。このようなトナー薄層により静
電潜像を現像する方式の現像装置(即ち非接触型現像装
置)に、本発明の現像方法は特に有効である。しかし、
現像部において、トナー層の厚みが現像スリーブ14と
感光体ドラム7との間の最小間隙以上の厚みである現像
装置(即ち接触型現像装置)にも、本発明の現像方法は
適用することができる。
【0220】以下、非接触型現像装置の例を説明する。
【0221】上記現像スリーブ14には、これに担持さ
れた一成分現像剤であるトナー10を飛翔させるため
に、電源15により現像バイアス電圧が印加される。こ
の現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、
静電潜像の画像部(トナー10が付着して可視化される
領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧が、現像
スリーブ14に印加されることが好ましい。一方、現像
画像の濃度を高め或は階調性を向上するために、現像ス
リーブ14に交番バイアス電圧を印加して、現像部Dに
向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この
場合、上記画像部の電位と背景部の電位の間の値を有す
る直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を現像ス
リーブ14に印加することが好ましい。
【0222】また、高電位部と低電位部を有する静電潜
像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、いわゆ
る正規現像では、静電潜像の極性と逆極性に帯電するト
ナーを使用し、一方、静電潜像の低電位部にトナーを付
着させて可視化する、反転現像では、トナーは静電潜像
の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。高電位と
低電位というのは、絶対値による表現である。いずれに
しても、トナー10は現像スリーブ14との摩擦により
静電潜像を現像するための極性に帯電する。
【0223】図2の現像装置では、現像スリーブ14上
のトナー10の層厚を規制する部材として、ウレタンゴ
ム,シリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、或は
リン青銅,ステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料で
形成された弾性板17を使用し、この弾性板17を現像
スリーブ14に圧接させていることが特徴である。この
ような現像装置では、現像スリーブ8上に更に薄いトナ
ー層を形成することができる。図2の現像装置のその他
の構成は、図1に示した現像装置と基本的に同じで、図
2において図1に付した符号と同一の符号は同一の部材
を示す。
【0224】上記のようにして現像スリーブ14上にト
ナー層を形成する図2に示すような現像装置は、弾性板
17によりトナーを現像スリーブ14上に擦りつけるた
め、トナーの摩擦帯電量も多くなり、画像濃度の向上が
図られる。また、非磁性一成分トナーにおいては、この
ような現像装置が用いられる。
【0225】本発明に用いられる現像剤担持体である現
像スリーブは、円筒状基体と、該基体表面を被覆する被
膜層(樹脂層)を有することも好ましい。その構成は図
3に示したようなものである。該樹脂層1は、結着樹脂
4、場合によっては導電性物質2、充填剤3、固体潤滑
剤5等を含有し、円筒状基体6上に被覆されている。導
電性物質2が含有されている場合、樹脂層1は導電性な
のでトナーの過剰帯電が防止できる。また充填剤3が含
有されている場合には、トナーによる該樹脂層1の摩耗
を防ぎ、更に充填剤3の帯電付与性により、トナーの帯
電も好適にコントロールできる。また、固体潤滑剤5が
含有される場合には、トナーと現像スリーブとの離型性
が向上され、その結果トナーの現像スリーブ上への融着
が防止できる。
【0226】本発明のスリーブにおいて、樹脂層に導電
性物質を含有させる場合、該樹脂層の体積抵抗が106
Ω・cm以下、好ましくは103Ω・cm以下であるも
のがよい。樹脂層の体積抵抗が106Ω・cmを超える
場合には、トナーのチャージアップが発生しやすくな
り、ブロッチの発生や現像特性の劣化を引き起こすこと
がある。
【0227】また、該樹脂層の表面粗さは、JIS中心
線平均粗さ(Ra)で0.2〜3.5μmの範囲にある
ことが好ましい。Raが0.2μm未満ではスリーブ近
傍のトナーの帯電量が高くなりすぎ、鏡映力によりトナ
ーがスリーブ上に引きつけられ、新たなトナーがスリー
ブから帯電付与を受けられず、現像性が低下する。Ra
が3.5μmを超えると、スリーブ上のトナーコート量
が増加しすぎてトナーが十分な帯電量を得られず、かつ
不均一な帯電となり、画像濃度の低下や濃度ムラの原因
となる。
【0228】次に樹脂層1を構成する各材料について説
明する。
【0229】図3において導電性物質2としては、例え
ばアルミニウム、銅、ニッケル、銀の如き金属粉体;酸
化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズの如き金属酸
化物;カーボンファイバー、カーボンブラック、グラフ
ァイトの如き炭素同素体が挙げられる。このうちカーボ
ンブラックは特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填
して導電性を付与したり、添加量のコントロールで、あ
る程度任意の導電度を得ることができるために好適に用
いられる。本発明に使用するカーボンブラックは、個数
平均粒径が好ましくは0.001〜1.0μm、より好
ましくは0.01μm〜0.8μmであるものが良い。
カーボンブラックの個数平均粒径が1μmを超える場合
には、樹脂層の体積抵抗を制御しづらくなり好ましくな
い。
【0230】導電性物質の含有量としては、結着樹脂1
00重量部に対して、好ましくは0.1〜300重量部
であり、より好ましくは1〜100重量部である。
【0231】充填剤3としては、従来より公知のトナー
用ネガ帯電性荷電制御剤、あるいはポジ帯電性荷電制御
剤を添加しても良い。このほかの物質として、例えばア
ルミナ、アスベスト、ガラス繊維、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、シリ
カ、ケイ酸カルシウムの如き無機化合物;フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、P
MMA、メタクリレートのターポリマー(例えばポリス
チレン/n−ブチルメタクリレート/シランターポリマ
ー)、スチレン−ブタジエン系共重合体、ポリカプロラ
クトン;ポリカプロラクタム、ポリビニルピリジン、ポ
リアミドの如き含窒素化合物;ポリフッ化ビニリデン、
ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリク
ロロトリフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシル
トリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロアルコキシ
エチレン、ヘキサフルオロプロピレン−ポリテトラフル
オロエチレン共重合体、トリフルオロクロロエチレン−
塩化ビニル共重合体といった高度にハロゲン化された重
合体;ポリカーボネート、ポリエステルが挙げられる。
このうちシリカ及びアルミナが、それ自身の硬さ及びト
ナーに対する帯電制御性を有するので好ましく用いられ
る。
【0232】充填剤の含有量としては、結着樹脂100
重量部に対して、好ましくは0.1〜500重量部、よ
り好ましくは1〜200重量部であることが良い。
【0233】固体潤滑剤5としては、例えば二硫化モリ
ブデン、窒化硼素、グラファイト、フッ化グラファイ
ト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシウム−グラファイ
ト、滑石が挙げられる。このうちグラファイトは潤滑性
と共に導電性を有し、高すぎる電荷を有するトナーを減
少させ、現像に好適な帯電量を持たせる働きがあること
から好適に用いられる。
【0234】固体潤滑剤の含有量としては、結着樹脂1
00重量部に対して、好ましくは0.1〜300重量部
であり、より好ましくは1〜150重量部であることが
良い。
【0235】場合によっては、導電性物質2、充填剤3
や固体潤滑剤5が分散される結着樹脂4としては、フェ
ノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、スチ
レン系樹脂、アクリル系樹脂の如き樹脂が用いられる。
特に熱硬化性もしくは光硬化性の樹脂が好ましい。
【0236】また本発明におけるスリーブ表面の樹脂層
中の導電性物質、或いは充填剤や固体潤滑剤を表面に好
適に露出させるために、または、表面を平滑化処理して
均一な凹凸表面を作るために、後述の磨き加工等の手段
により表面を平滑化処理することにより、さらに好まし
い性能を付与することが可能である。特に、ベタ黒やハ
ーフトーン画像に発生する縦スジ現象や初期の画像濃度
の立上がりに効果があり、特に高温高湿下での効果が大
きい。フェルトや砥粒の付着した帯状研磨材での磨き加
工を施すことで、スリーブの表面凹凸を均一に仕上げる
ことができるので、スリーブ上のトナーコート量が均一
化し、その結果スリーブとの摩擦帯電を受けたトナーの
みが現像領域に搬送されるようになる。従って、上記効
果が得られるものと考えられる。
【0237】上記のように平滑化処理を施した後も、コ
ート層表面はJIS B 0601におけるRaで0.
2〜3.5μmの範囲の凹凸を保持していることが好ま
しく、より好ましくは0.3〜2.5μm程度であるこ
とが良い。理由は前記と同様である。
【0238】円筒基体6としては、非磁性金属円筒管、
樹脂円筒が好ましく用いられ、例えば、ステンレス円筒
管、アルミニウム円筒管、銅合金円筒管等の非磁性の円
筒管が用いられる。円筒管を作製する方法としては、引
き抜き法や押し出し法があり、更に円筒管自体の寸法精
度を上げる場合には、切削や研磨を施して所定の寸法精
度とする。円筒管の真直度は30μm以下であることが
好ましく、さらには20μm以下が好ましく良好な画像
が得られる。また必要に応じて適度な凹凸を表面に付与
するためにサンドブラストや研磨により粗面を形成して
もよい。ブラストに用いられる砥粒は定形粒子でも不定
形粒子でも構わない。
【0239】次に、本発明の現像方法を適用し得る画像
形成方法を、図4に概略的に示す接触帯電手段及び接触
転写手段を有する画像形成装置を参照しながら説明す
る。本発明の現像方法は、コロナ帯電方式及び/又はコ
ロナ転写方式を使用する画像形成方法にも適用できる。
【0240】光導電層801a及び導電性基層801b
を有するドラム型の感光体801は、図面上時計の針の
回転方向に所定の周速(プロセススピード)で回転され
る。導電性弾性層802a及び芯金802bを有してい
る帯電ローラ802は、帯電バイアス電源803により
バイアスが印加されている。帯電ローラ802は、感光
体801に押圧力により圧接されており、感光体801
の回転に伴い従動回転する。
【0241】帯電ローラ802にバイアスV2が印加さ
れることで感光体801の表面が所定の極性・電位に帯
電される。次いで画像露光804によって静電潜像が形
成され、現像手段805によりトナー画像として順次可
視化されていく。
【0242】現像手段805を構成する現像スリーブに
は、現像バイアス印加手段813よりバイアスV1が印
加される。現像により感光体801上に形成されたトナ
ー画像は、転写バイアス電源807により転写バイアス
3が印加された転写材808を感光体801に押圧す
る当接転写手段としての転写ローラー806(導電性弾
性層806a,芯金806b)により転写材808に静
電転写され、転写材上のトナー画像は、加熱ローラ81
1a及び加圧ローラ811bを有する加熱加圧手段81
1により加熱加圧定着される。トナー画像転写後の感光
体801面では転写残りトナーの如き付着汚染物質を、
感光体801にカウンター方向に圧接した弾性クリーニ
ングブレードを具備したクリーニング装置809で清浄
面化され、更に除電露光装置810により除電されて、
繰り返して作像される。
【0243】一次帯電手段としては、以上のごとく接触
帯電手段として帯電ローラー802を用いて説明した
が、帯電ブレード、帯電ブラシの如き接触帯電手段でも
よく、更に、非接触のコロナ帯電手段でもよい。接触帯
電手段の方が帯電工程におけるオゾンの発生が少ない。
転写手段としては、以上のごとく転写ローラー806を
用いて説明したが転写ブレード又は転写ベルトの如き接
触帯電手段でもよく、更に非接触のコロナ転写手段でも
よい。当接転写手段の方が転写工程におけるオゾンの発
生が少ない。
【0244】また更に、本発明の画像形成方法に適用で
きる別の定着法について図5に示す定着手段を用いて説
明する。図5は、トナー画像が形成されている記録材5
19を固定支持された加熱体511と、該加熱体に対向
圧接し且つフィルム515を介して該記録材を該加熱体
に密着させる加圧部材518とにより加熱定着する手段
を示す。
【0245】図5に示す定着装置において加熱体511
は、従来の熱ロールに比べて熱容量が小さく、線状の加
熱部を有するものであって、加熱部の最高温度は100
〜300℃であることが好ましい。
【0246】また、加熱体511と加圧部材としての加
圧ローラー518との間に位置する定着フィルム515
は、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが
好ましく、これら耐熱性シートとしては耐熱性の高い、
ポリエステル,PET(ポリエチレンテレフタレー
ト),PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体),PTFE(ポリテ
トラフルオロエチレン),ポリイミド,ポリアミドの如
きポリマーシートの他、アルミニウムの如き金属シート
及び、金属シートとポリマーシートから構成されたラミ
ネートシートが用いられる。
【0247】より好ましい定着フィルムの構成として
は、これら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を
有していることである。
【0248】511は、装置に固定支持された低熱容量
線状加熱体であって、一例として厚み1.0mm,幅1
0mm,長手長240mmのアルミナ基板512に抵抗
材料513を幅1.0mmに塗工したもので、長手方向
両端より通電される。通電はDC100Vの周期20m
secのパルス状波形で検温素子514によりコントロ
ールされた所望の温度、エネルギー放出量に応じたパル
スをそのパルス幅を変化させて与える。略パルス幅は
0.5msec〜5msecとなる。この様にエネルギ
ー及び温度を制御された加熱体511に当接して、図中
矢印方向に定着フィルム515は移動する。
【0249】この定着フィルムの一例として厚み20μ
mの耐熱フィルム(例えば、ポリイミド,ポリエーテル
イミド,PES,PFAに少なくとも画像当接面側にP
TFE,PAFの如き弗素樹脂)に導電剤を添加した離
型層を10μmコートしたエンドレスフィルムである。
一般的には総厚は100μm未満、より好ましく40μ
m未満が良い。フィルムの駆動は駆動ローラー516と
従動ローラー517による駆動とテンションにより矢印
方向に皺を生じることなく移動する。
【0250】518は、シリコーンゴムの如き離型性の
良いゴム弾性層を有する加圧ローラーで、総圧4〜20
kgでフィルムを介して加熱体を加圧し、フィルムと圧
接回転する。記録材519上の未定着トナー520は、
入口ガイド521により定着部に導かれ、上述の加熱に
より定着画像を得るものである。
【0251】なお、定着フィルム515は、エンドレス
ベルトで説明したが、シート送り出し軸及び巻き取り軸
を使用し、定着フィルムは有端のフィルムであってもよ
い。
【0252】本発明のトナーに係る物性の測定方法を以
下に列挙する。
【0253】(1)結着樹脂及びトナー中に含有されて
いる結着樹脂のTHF不溶分の測定 トナーサンプル0.5〜1.0gを秤量し(W1g)、
円筒濾紙(例えば東洋濾紙社製No.86R)を入れて
ソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF200m
lを用いて10時間抽出し、溶媒によって抽出された可
溶成分溶液をエバポレートした後、100℃で数時間真
空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を秤量する(W
2g)。トナー中の樹脂成分以外の重さを求める(W
3g)。トナー中に含有されている結着樹脂のTHF不
溶分は下記式から求められる。
【0254】
【数1】
【0255】あるいは、抽出残分(W4g)を秤量し、
THF不溶分を下記式から求めてもよい。
【0256】
【数2】
【0257】トナー化する前の結着樹脂のTHF不溶分
の測定は、サンプルとして結着樹脂を用いて上記と同様
にして抽出を行い、抽出前のサンプルの重量(W5g)
と抽出後の抽出残分の重量(W6g)から下記式から求
められる。
【0258】
【数3】 (2)結着樹脂、トナー中に含有されている結着樹脂及
びワックスの酸価の測定 JIS K0070に記載の測定方法に準拠して行う。 測定装置 :電位差自動滴定装置 AT−400(京都
電子社製) 装置の校正:トルエン120mlとエタノール30ml
の混合溶媒を使用する。 測定温度 :25℃ 試料調製 :トナー1.0gをトルエン120mlに添
加して室温(約25℃)で約10時間マグネチックスタ
ーラーで撹拌して溶解する。更にエタノール30mlを
添加して試料溶液とする。
【0259】測定操作: 1)試料は予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を
除去して使用するか、結着樹脂及び架橋された結着樹脂
以外の成分の酸価及び含有量を予め求めておく。試料の
粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し、重合体成分の重
さをW(g)とする。例えば、トナーから結着樹脂の酸
価を測定する場合は、着色剤又は磁性体等の酸価及び含
有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を
求める。 2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン
/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え
溶解する。 3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用い
て、電位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、京都電
子株式会社製の電位差滴定装置AT−400(win
workstation)とABP−410電動ビュレ
ットを用いての自動滴定が利用できる)。 4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同
時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量を
B(ml)とする。 5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクタ
ーである。
【0260】酸価(mgKOH/g)={(S−B)×
f×5.61}/W なお、クロロホルム不溶分の酸価は下記式により算出す
ることができる。
【0261】
【数4】
【0262】(3)結着樹脂及びトナーのTHF可溶分
のGPCによる分子量分布の測定 本発明において、結着樹脂又はトナーのTHF可溶分の
THF(テトラハイドロフラン)を溶媒としたGPCに
よる分子量分布は次の条件で測定し、分子量1000以
上を測定するものとする。
【0263】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTH
Fを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約10
0μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたって
は試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレ
ン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント
値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチ
レン試料としては、例えば東ソー社製あるいは昭和電工
社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なく
とも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適
当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用
いる。なお、カラムをしては、市販のポリスチレンジェ
ルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電
工社製のshodex GPC KF−801、80
2、803、804、805、806、807、800
Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgel G10
00H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H
(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H
(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H
(HXL)、TSKgurd columnの組み合わせ
を挙げることができる。
【0264】上記の方法で得られたGPCによる分子量
分布から、分子量1000以上の分子量積分値に対する
分子量50万以上の分子量積分値の割合を算出すること
によって、分子量50万以上の成分の含有量を求める。
【0265】また、試料は以下の様にして作製する。
【0266】試料をTHF中に入れ、数時間放置した
後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無
くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時TH
F中への放置時間が24時間以上となるようにする。そ
の後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜
0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2
(東ソー社製)などが使用できる。)を通過させたもの
をGPCの試料とする。また、試料濃度は、樹脂成分
が、0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0267】(4)トナー中に含有されている結着樹脂
のクロロホルム不溶分の定量 トナー1gを精秤200mlのクロロホルムをいれたビ
ーカーに添加する。室温でマグネチックスターラーを用
いて約24時間撹拌・溶解する。デカンテーションによ
り上澄み液をミリポアフィルター(目開き0.15μ
m)を用いて磁性体等が混入しないように慎重に濾過す
る。クロロホルム不溶物(例えば、磁性体等)を2回約
50mlのクロロホルムで洗浄・濾過する。得られた濾
液を蒸発、乾固したのちに40℃で約24時間真空乾燥
することにより結着樹脂のクロロホルム可溶分を定量す
る。トナーに含有される結着樹脂成分の総量と可溶分の
差からクロロホルム不溶成分を定量する。
【0268】(5)ワックスの融点測定 示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0269】測定試料は2〜10mg、好ましくは5m
gを精密に秤量する。
【0270】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0271】この昇温過程で、温度30〜200℃の範
囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得
られる。この吸熱メインピークの温度をもってワックス
の融点とする。
【0272】(6)トナーのDSC曲線の測定 上記ワックスの融点の測定と同様にして、トナーの昇温
過程におけるDSC曲線を測定する。
【0273】(7)結着樹脂のガラス転移温度(Tg)
の測定 示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0274】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0275】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲
におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0276】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0277】(8)ワックスの分子量分布の測定 GPC測定装置:GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0278】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Hou
wink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン
換算することによって算出される。
【0279】(9)トナーの水に対する接触角の測定 測定装置:FACE接触角測定装置(協和界面化学社
製) 測定温度:23〜25℃ 測定湿度:相対湿度40〜60% 試料調製:約10gのトナーを200kgf/cm2
圧力で2分間圧縮成型して、直径25mm,厚さ約10
mmの円盤状の試料を作製する。これを内径約27mm
のガラス製サンプルビン(例えば、スナップカップN
o.30)に入れ、100〜120℃に加熱されたホッ
トプレート上でテフロン製のシートを介して5〜10分
程度5〜10kgf/cm2の圧力をかける。トナーが
軟化・溶融したならば、室温まで冷却してガラス製サン
プルビンを破壊してトナーの溶融・成型物を取り出す。
これを#280→#800→#1500の研磨紙を用い
て順次研磨することにより直径25mm,厚さ5mmの
円盤状試料とする。接触角の測定面は目視で傷がない様
に仕上げる。尚、測定にはイオン交換水または市販の精
製水を使用し、各試料について5回接触角を測定してそ
の平均値をもってトナーの接触角とする。
【0280】(10)トナーの粒度分布の測定 本発明のトナーの粒度分布の測定は、コールターカウン
ターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー
(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナト
リウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例え
ば、ISOTONR−II(コールターサイエンティフ
ィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、
前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界
面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩
を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加
える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜
3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパー
チャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm
以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分
布とを算出した。
【0281】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜
4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.
04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未
満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜1
2.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;
16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.
40μm未満;25.40〜32.00μm未満;3
2.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用い
る。
【0282】(11)1H−NMR及び13C−NMR測
定によるハイブリッド樹脂成分のポリエステルユニット
及びビニル系重合体ユニットの組成比の定量 H−NMR及び13C−NMRを用いて各モノマー組成
存在比率をモル比率で求め、このモル比率での各モノマ
ー組成存在比率から各モノマーの分子量を用い、エステ
ル化に伴う脱水量は無視してポリエステル樹脂成分の含
有量を重量%で算出する。
【0283】(1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトル
の測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:400MHz パルス条件:5.0μs データポイント:32768 周波数範囲:10500Hz 積算回数 :10000回 測定温度 :60℃ 試料 :測定試料50mgをφ5mmのサンプルチ
ューブに入れ、溶媒としてCDCl3を添加し、これを
60℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
【0284】(13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトル
の測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:400MHz パルス条件:5.0μs データポイント:32768 遅延時間:25sec. 周波数範囲:10500Hz 積算回数 :16回 測定温度 :40℃ 試料 :測定試料200mgをφ5mmのサンプル
チューブに入れ、溶媒としてCDCl3(TMS0.0
5%)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて
調製する。
【0285】H−NMR及び13C−NMR測定による
酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成分中のポリエス
テル樹脂の含有量の定量の一具体例を図8及び9乃至1
1を用いて下記に記載する。
【0286】 1H−NMR測定によるアルコール成分
の存在比率の決定(図9及び10参照) プロポキシ化ビスフェノールA(PO−BPA)及びエ
トキシ化ビスフェノールA(EO−BPA)の存在比率
は、1H−NMRスペクトルにおける5.2ppm、
5.3ppm及び5.4ppm付近のプロポキシ基の水
素(各1H相当:図11参照)のシグナルと4.3pp
m及び4.65ppm付近のエトキシ基の水素(各4H
相当)のシグナルとの強度比から求める。
【0287】 1H−NMR測定による芳香族カルボン
酸成分の存在比率の決定(図9及び10参照) テレフタル酸及びトリメリット酸の存在比率は、1H−
NMRスペクトルにおける8ppm付近のテレフタル酸
の水素(4H相当)のシグナルと7.6ppm7.8p
pm及び8.4ppm付近のトリメリット酸の水素(各
1H相当)のシグナルとの強度比から求める。
【0288】 1HNMR測定によるスチレンの存在比
率の決定(図9及び10参照) スチレンの存在比率は、1H−NMRスペクトルにおけ
る6.6ppm付近の水素(1H相当)のシグナルの強
度比から求める。
【0289】 13C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸、(メタ)アクリル酸エステル及びPO−BPA、E
O−BPAの(メタ)アクリル酸エステル化合物(ビニ
ル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成物)の存在
比率の決定(図8参照) 脂肪族カルボン酸、(メタ)アクリル酸エステル及びビ
ニル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成物の存在
比率は、13C−NMRスペクトルにおける173.5p
pm及び174ppm付近の脂肪族カルボン酸のカルボ
キシル基の炭素(各1C相当)のシグナルと176pp
m付近の(メタ)アクリル酸エステルのカルボキシル基
の炭素(1C相当)のシグナルと169ppm付近の新
たに検出されたピークの(メタ)アクリル酸エステルの
カルボキシル基の炭素(1C相当)のシグナルと強度比
から求める。
【0290】 13C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸と芳香族カルボン酸の存在比率の決定(図8参照) 脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸の存在比率は、13
C−NMRスペクトルにおける165ppm付近のテレ
フタル酸及びトリメリット酸のカルボキシル基の炭素
(1C相当)のシグナルと上記の脂肪族カルボン酸の
カルボキシル基の炭素(各1C相当)のシグナルの強度
比の比較から求める。
【0291】 13C−NMR測定によるスチレンの存在
比率の決定(図8参照) スチレンの存在比率は、13C−NMRスペクトルにおけ
る125ppm付近のパラ位の炭素(1C相当)のシグ
ナルの強度比から求める。
【0292】酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成
分中のポリエステル樹脂成分の含有量の決定 上記乃至の1H−NMRスペクトルから、PO−B
PA、EO−BPA、テレフタル酸、トリメリット酸及
びスチレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算出
し、さらに上記乃至の13C−NMRスペクトルか
ら、PO−BPA、EO−BPAの(メタ)アクリル酸
エステル化合物(ビニル系重合体とポリエステル樹脂と
の反応生成物)、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸
及びスチレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算
出することにより、全構成モノマーの組成存在比率をモ
ル比率で算出する。このモル比率での各モノマー組成存
在比率から各モノマーの分子量を用い、エステル化に伴
う脱水量は無視してポリエステル樹脂成分の含有量を重
量%で算出する。
【0293】(12)トナーに含有されるハイブリッド
樹脂成分の13C−NMRによる定量 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:100.40MHz パルス条件:5.0μs(45°)DEPT法による データポイント:32768 遅延時間 :25sec. 積算回数 :50000回 測定温度 :30℃ 試料 :室温でトナー10gを100mlの濃塩酸
(約12M)に添加して約70時間撹拌して、トナーに
含有される磁性体を溶解する。次に、濾液が弱酸性(約
pH5)になるまで濾過・洗浄する。得られた樹脂組成
物を60℃で約20時間真空乾燥して測定試料とする。
この測定試料約1gをφ10mmのサンプルチューブに
入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)3ml
を添加し、これを55℃の恒温槽内で溶解させて調整す
る。
【0294】(13)磁性酸化鉄中の異種元素の含有量
の測定 磁性酸化鉄中の元素量は、蛍光X線分析装置SYSTE
M3080(理学電機工業(株)社製)を使用し、JI
S K0119蛍光X線分析通則に従って、蛍光X線分
析を行なうことにより測定することができる。
【0295】(14)磁性酸化鉄中の異種元素の含有分
布の測定 磁性酸化鉄中の異種元素の含有分布については、塩酸又
はフッ酸溶解しながらの元素量をプラズマ発光分光(I
CP)により測定定量し、各元素の全溶時の濃度に対す
る各溶解時の各元素濃度からその溶解率を求めることに
より得られる。
【0296】(15)磁性体の個数平均粒径の測定 磁性体の個数平均径は、透過電子顕微鏡により拡大倍率
4万倍で拡大撮影した写真を用いて、ランダムに300
個の磁性体を選びデジタイザーで測定することにより求
めることができる。
【0297】(16)磁性体の磁気特性の測定 磁性体の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S
−15」(東英工業社製)を用いて外部磁場795.8
kA/mの下で測定する。
【0298】(17)外添剤微粉体のBET法で測定し
た窒素吸着による比表面積の測定 外添剤微粉体の比表面積は、BET法に従って、比表面
積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を
用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を
用いて比表面積を算出する。
【0299】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0300】本発明の樹脂組成物の製造: (樹脂製造例1) (1)ポリエステル樹脂の製造 ・テレフタル酸 :6.0mol ・式(a−3)で表せるコハク酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :3.0mol ・PO−BPA :7.2mol ・EO−BPA :3.0mol 上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒とともにオ
ートクレーブに仕込み、減圧装置,水分離装置,窒素ガ
ス導入装置,温度測定装置及び撹拌装置を付し、窒素ガ
ス雰囲気下で210℃まで加熱しながら縮重合反応を行
い、ポリエステル樹脂を得た。
【0301】(2)ハイブリッド樹脂成分の製造 上記ポリエステル樹脂80重量部をキシレン100重量
部に溶解・膨潤した。次に、スチレン15重量部、2−
エチルヘキシルアクリレート5重量部及びエステル化触
媒としてジブチルスズオキサイド0.1重量部を添加し
てキシレンの還流温度まで加熱してポリエステル樹脂の
カルボン酸とアクリル酸エステルとのエステル交換反応
を開始した。更にラジカル重合開始剤としてt−ブチル
ハイドロパーオキサイド1重量部をキシレン30重量部
に溶解したキシレン溶液を約1時間かけて滴下した。そ
の温度で更に6時間保持してラジカル重合反応を終了
し、減圧下210℃まで加熱して脱溶剤することにより
ポリエステル樹脂のカルボン酸とアクリル酸エステルと
のエステル交換反応を完結してポリエステル樹脂、ビニ
ル系重合体及びポリエステルユニットとビニル系重合体
ユニットがエステル結合することにより生成したハイブ
リッド樹脂成分を含有する樹脂組成物(1)を得た。
【0302】得られた樹脂組成物(1)は、酸価が1
8.2mgKOH/gであり、Tgが59.8℃であ
り、GPCにおける分子量分布においてピーク分子量が
7,200、重量平均分子量(Mw)が38,000で
あり、Mw/Mnが13.5であり、THF不溶分の含
有量が15.1重量%であった。
【0303】また、THF可溶分及び樹脂組成物(1)
13C−NMR測定を行ったところ、ハイブリッド樹脂
成分は樹脂組成物(1)からは検出されたが、THF可
溶分からは検出されなかったことからTHF不溶分とし
て樹脂組成物中に存在していることを確認した。
【0304】(樹脂製造例2〜14)樹脂製造例1にお
いて、表2に示すワックスを樹脂組成物(1)のハイブ
リッド樹脂の製造工程で添加した以外は同様にして、ハ
イブリッド樹脂成分を含有する樹脂組成物(2)〜(1
4)を得た。
【0305】(樹脂製造例15)製造例1で使用したポ
リエステル樹脂を構成するモノマーを下記に示すものを
使用し、表2に示したワックス(3)7重量部をハイブ
リッド樹脂の製造工程で添加した以外は同様にして、ハ
イブリッド樹脂成分を含有する樹脂組成物(15)を得
た。 ・テレフタル酸 :6.0mol ・式(a−3)で表せるコハク酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :5.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol なお、得られた樹脂組成物(15)は、酸価が43.6
mgKOH/gであり、Tgが58.9℃であり、GP
Cにおける分子量分布においてピーク分子量が3,60
0、重量平均分子量(Mw)が12,000であり、M
w/Mnが10.5であり、THF不溶分の含有量が
5.4重量%含有であった。
【0306】また、THF可溶分及び樹脂組成物(1
5)の13C−NMR測定を行ったところ、ハイブリッド
樹脂成分は樹脂組成物(15)からは検出されたが、T
HF可溶分からは検出されなかったことからTHF不溶
分として樹脂組成物中に存在していることを確認した。
【0307】(樹脂製造例16〜19)樹脂製造例1で
使用したポリエステル樹脂を構成するモノマーを下記に
示すものを使用し、表2に示したワックスをハイブリッ
ド樹脂の製造工程で添加した以外は同様にして、ハイブ
リッド樹脂成分を含有する樹脂組成物(16)〜(1
9)を得た。 ・テレフタル酸 :6.0mol ・式(a−3)で表せるコハク酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :5.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol なお、得られた樹脂組成物(16)は、酸価が32.7
mgKOH/gであり、Tgが59.3℃であり、GP
Cにおける分子量分布においてピーク分子量が6,20
0、重量平均分子量(Mw)が29,000であり、M
w/Mnは11.9でり、THF不溶分の含有量が1
3.7重量%含有であった。
【0308】また、THF可溶分及び樹脂組成物(1
6)の13C−NMR測定を行ったところ、ハイブリッド
樹脂成分は樹脂組成物(16)からは検出されたが、T
HF可溶分からは検出されなかったことからTHF不溶
分として樹脂組成物中に存在していることを確認した。
【0309】 (比較樹脂製造例1) (a)ポリエステル樹脂の製造 ・テレフタル酸 :8.0mol ・無水トリメリット酸 :3.0mol ・PO−BPA :5.0mol ・EO−BPA :5.0mol 上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒とともにオ
ートクレーブに仕込、減圧装置,水分離装置,窒素ガス
導入装置,温度測定装置及び撹拌装置を付し、窒素ガス
雰囲気下で210℃まで加熱しながら縮重合反応を行
い、ポリエステル樹脂を得た。
【0310】 (b)ビニル系重合体及びポリエステル樹脂との混合物の製造 ・スチレン :15重量部 ・2−エチルヘキシルアクリレート : 5重量部 上記ビニルモノマーをキシレン100重量部に添加して
窒素雰囲気下、キシレンの還流温度まで加熱した。次に
キシレン50重量部にt−ブチルパーオキサイド1重量
部を溶解したキシレン溶液を約1時間かけて滴下し、更
に8時間加熱してラジカル重合反応を終了した。次に、
このビニル系重合体が溶解しているキシレン溶液に上記
ポリエステル樹脂を80重量部を添加して溶解混合し
た。減圧下、キシレンを留去することによりポリエステ
ル樹脂とビニル系重合体の混合物を得た。これを比較用
樹脂組成物(1)とする。
【0311】なお、得られた比較用樹脂組成物(1)
は、酸価が52.7mgKOH/gであり、Tgが5
9.9℃であり、GPCにおける分子量分布においてピ
ーク分子量が6,200、重量平均分子量(Mw)が2
8,000であり、Mw/Mnが6.3であり、THF
不溶分の含有量が1重量%以下であった。
【0312】また、比較用樹脂組成物(1)の13C−N
MR測定を行ったところ、ハイブリッド樹脂成分は存在
していないことを確認した。
【0313】(比較樹脂製造例2〜3)比較樹脂製造例
1において、ポリエステル樹脂とビニル系重合体を混合
する工程で、表2に示すワックスを添加した以外は同様
にして比較用樹脂組成物(2)及び(3)を得た。
【0314】(比較樹脂製造例4)減圧装置,水分離装
置,窒素ガス導入管,温度測定装置及び撹拌装置を装着
したオートクレーブに、スチレン−2−エチルヘキシル
アクリレート共重合体(スチレン84重量部、2−エチ
ルヘキシルアクリレート16重量部、数平均分子量80
00、Mw/Mn=2.7)200重量部及び下記組成
からなるポリエステルモノマー及びジブチルスズオキサ
イド2重量部を仕込み、窒素雰囲気下、減圧しながら常
法に従って200℃まで加熱しながら縮重合反応を行う
ことにより、比較用樹脂組成物(4)を得た。 ・テレフタル酸 :249重量部 ・トリメリット酸 : 29重量部 ・EO−BPA :195重量部 ・PO−BPA :840重量部 なお、得られた比較用樹脂組成物(4)は、酸価が1.
2mgKOH/gであり、Tgが60.1℃であり、G
PCにおける分子量分布においてピーク分子量が20,
800、重量平均分子量が45,000であり、Mw/
Mnが6.3であり、THF不溶分の含有量が1重量%
以下であった。
【0315】また、比較用樹脂組成物(4)の13C−N
MR測定を行ったところ、ハイブリッド樹脂成分は存在
していないことを確認した。
【0316】(比較樹脂製造例5〜6)表2に示すワッ
クスをポリエステルの縮重合反応の工程で添加した以外
は同様にして比較用樹脂組成物(5)及び(6)を得
た。
【0317】上記の樹脂製造例11〜19及び比較樹脂
製造例1〜6で得られた樹脂組成物1〜19及び比較用
樹脂組成物1〜6の構成及び物性を表3及び表4に示す
【0318】
【表2】
【0319】
【表3】
【0320】
【表4】
【0321】 [実施例1] ・樹脂組成物(1) 100重量部 ・有機ジルコニウム化合物(164) 1重量部 ・鉄を含有する荷電制御剤 2重量部 ・ワックス(3) 7重量部 ・磁性酸化鉄 100重量部 (平均粒径0.18μm、保磁力10.7KA/m、残留磁化11.2Am2/ kg、飽和磁化81.5Am2/kg) 上記混合物を、130℃に加熱された二軸エクストルー
ダーで溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗
粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られ
た微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平均径7.3μ
mの磁性トナー(磁性トナー粒子)を得た。
【0322】磁性トナー中の結着樹脂のTHF不溶分
は、混在するワックス量を除いた樹脂組成物に換算して
11重量%であった。磁性トナー中に含有されている磁
性酸化鉄及びワックスを除いて換算した結着樹脂の酸価
は17.4mgKOH/gであった。
【0323】この磁性トナー中の結着樹脂に含有される
ハイブリッド樹脂成分の存在は、図8及び表5に示すト
ナーの結着樹脂の13C−NMR測定により確認され、ビ
ニル系重合体ユニットに含有される2−エチルヘキシル
アクリレートの16mol%がポリエステルユニットと
エステル交換反応してハイブリッド樹脂組成物を形成し
ていることを確認した。また、磁性トナーの水に対する
接触角は106度であった。
【0324】
【表5】
【0325】この磁性トナー100重量部に対して、疎
水性乾式シリカ(BET=200m2/g)1.0重量
部をヘンシェルミキサーにて外添添加して外添磁性トナ
ー1とした。この外添磁性トナーの物性を表6に示す。
この外添磁性トナー1を用いて、キヤノン製デジタル複
写機GP−215及びキヤノン製複写機NP−6650
及びNP−6085の定着器からトナーのクリーニング
部材を取り外す改造を加え、5万枚の画出し耐久テスト
を行って、画像濃度及び感光体上のトナーのクリーニン
グ性の評価を行ったところ、表8に示したように良好な
結果が得られた。
【0326】またGP−215、NP−6650及びN
P−6085の定着器を取り外して外部駆動装置及び定
着器の温度制御装置をつけた。定着スピードはそれぞれ
の複写機と同じに設定して定着温度を変えて定着試験を
行って、低温定着性、耐高温オフセット及び定着器の加
熱部材(耐熱フィルム、加熱ローラー、加圧ローラー)
のトナーの付着状態を評価したところ、表9に示したよ
うに良好な結果が得られた。
【0327】[実施例2〜28]表3及び4に示す樹脂
組成物及びワックスを使用した以外は実施例1と同様に
して外添磁性トナー(2)〜(28)を得た。実施例1
と同様に分析及び評価した結果をそれぞれ表6乃至9に
示す。
【0328】[比較例1〜6]表4に示す比較用樹脂組
成物(1)〜(6)を用いた以外は実施例1と同様にし
て外添磁性トナー(29)〜(34)を製造した。分析
及び評価を行った結果を表7及び9に示す。
【0329】(画像濃度の評価方法)「画像濃度」は、
マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを
使用して、反射濃度の測定を行い、直径5mmの円形画
像を測定した。
【0330】(感光体上のトナークリーニング性の評価
方法)感光体の耐久後の「クリーニング性」は、次の基
準で評価を行った。 A:感光体表面上に、フィルミングが全く無い B:感光体表面上に、非通紙部に軽微なフィルミングが
認められた C:感光体表面上に、通紙領域部に軽微なフィルミング
が認められたが、画像に影響なし D:感光体表面上に、画像カブリとなるフィルミングが
発生 E:感光体表面上に、画像斑点となるトナー融着が発生 (GP−215による低温定着性の評価方法)150℃
に設定した定着器に画像濃度1.3〜1.4のベタ黒画
像を通紙して定着し、50g/cm2の荷重をかけダス
パー(小津産業製)で摺擦したときの濃度低下率で判定
する。 ランク5:摺擦による濃度低下率が5%未満 ランク4:摺擦による濃度低下率が10%未満 ランク3:摺擦による濃度低下率が15%未満 ランク2:摺擦による濃度低下率が20%未満 ランク1:摺擦による濃度低下率が20%以上
【0331】(NP−6550による低温定着性の評価
方法)定着器の設定温度を180℃とした以外はGP−
215による定着テストと同様の条件で行った。 ランク5:摺擦による濃度低下率が5%未満 ランク4:摺擦による濃度低下率が10%未満 ランク3:摺擦による濃度低下率が15%未満 ランク2:摺擦による濃度低下率が20%未満 ランク1:摺擦による濃度低下率が20%以上
【0332】(ホットオフセットの評価方法) ランク5:まったく発生せず ランク4:軽微なオフセット発生するが、実用的には許
容できる ランク3:目視で容易に判別できるオフセット発生 ランク2:顕著なオフセット発生 ランク1:紙がローラーに巻き付く
【0333】(定着器の加熱部材のトナー汚染の評価方
法) ランク5:まったくトナー汚染発見られず ランク4:軽微な汚染有るが、実用的には許容できる ランク3:目視で容易に判別できる汚染見られる ランク2:顕著な汚染見られる ランク1:紙の表面、裏面等に汚染トナーが付着する
【0334】(トナーにおけるワックス分散性の評価方
法)トナーを偏光板を取り付けた光学顕微鏡を用いて低
倍率(例えば、30〜100倍)で観察し、約500個
のトナー粒子当りで、トナーから遊離しているワックス
の粒子の存在を示す輝点の数を測定した。 ランク5:偏光板を通して輝点なし ランク4:1〜10個の輝点(実用上問題ない程度) ランク3:11〜20個の輝点(画像のカブリ濃度が高
くなる程度) ランク2:21〜30個の輝点(感光体ドラム上にワッ
クスが固着する程度) ランク1:31個以上の輝点(感光体ドラム上にワック
ス及びトナーが固着する程度)
【0335】
【表6】
【0336】
【表7】
【0337】
【表8】
【0338】
【表9】
【0339】
【発明の効果】本発明は、トナーの低温定着性及び耐高
温オフセット性が十分なことに加え、定着部材に対する
離型性の向上がなされているため、定着器の加熱方式に
よらず長期使用によってもオフセットが発生せず、高品
質の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法に使用し得る現像剤担持
体が組み込まれる現像剤補給系現像装置の一例(規制部
材に磁性ブレードを使用)を示す概略図である。
【図2】本発明の画像形成方法に使用し得る現像剤担持
体が組み込まれる現像剤補給系現像装置の一例(規制部
材に弾性ブレードを使用)を示す概略図である。
【図3】本発明の画像形成方法に使用し得る現像剤担持
体の一部分の断面の概略図である。
【図4】本発明の画像形成方法が適用し得る画像形成方
法の概略的説明図である。
【図5】本発明の画像形成方法に適用し得る定着装置の
概略図である。
【図6】低架橋度ポリエステル樹脂組成物の13C−NM
Rスペクトルを示す。
【図7】スチレン・2−エチルヘキシルアクリレート共
重合体の13C−NMRスペクトルを示す。
【図8】本発明に係る結着樹脂(1)の13C−NMRス
ペクトルを示す。
【図9】本発明に係る結着樹脂(1)の酢酸エチル可溶
成分の1H−NMRスペクトルを示す。
【図10】本発明に係る結着樹脂(1)の酢酸エチル不
溶成分の1H−NMRスペクトルを示す。
【図11】PO−BPAのPO基の1H−NMRシグナ
ルの帰属を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 道上 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 遠藤 巌一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 溝尾 祐一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柴山 寧子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中原 俊章 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 CA04 CA08 CA13 CA14 CA17 CA18 CA25 DA02 DA06 DA10 EA03 EA06 EA07 EA10

Claims (86)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、着色剤及び有機金属化合物を
    少なくとも含有する負摩擦帯電性トナーにおいて、
    (a)該有機金属化合物がジルコニウムと、芳香族ジオ
    ール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族モノカルボ
    ン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなるグループから選
    択される芳香族化合物とが配位又は/及び結合している
    有機ジルコニウム化合物であり、(b)該結着樹脂がポ
    リエステルユニットとビニル系重合体ユニットとを有し
    ているハイブリッド樹脂成分を含有し、(c)該結着樹
    脂の酸価が2乃至50mgKOH/gであり、(d)該
    トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分がゲルパ
    ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における
    分子量分布において、分子量3,000乃至20,00
    0の領域にメインピークを有し、分子量50万以上の成
    分を3乃至25%含有していることを特徴とする負摩擦
    帯電性トナー。
  2. 【請求項2】 該有機ジルコニウム化合物が、芳香族ジ
    オール、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ポリカ
    ルボン酸を配位しているジルコニウム錯体であることを
    特徴とする請求項1に記載の負摩擦帯電性トナー。
  3. 【請求項3】 該有機ジルコニウム化合物が、芳香族ジ
    オール、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ポリカ
    ルボン酸を配位しているジルコニウム錯塩であることを
    特徴とする請求項1に記載の負摩擦帯電性トナー。
  4. 【請求項4】 該有機ジルコニウム化合物が、芳香族カ
    ルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ポリ
    カルボン酸を有している芳香族カルボン酸ジルコニウム
    塩であることを特徴とする請求項1に記載の負摩擦帯電
    性トナー。
  5. 【請求項5】 該有機ジルコニウム化合物が、下記式
    (1)で示される構造を有していることを特徴とする請
    求項1に記載の負摩擦帯電性トナー。 【化1】 〔式中、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、
    アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカ
    ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、
    アシルオキシ基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ
    基、シアノ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基
    を有していてもよい芳香族残基を表わし、X及びYは−
    O−、−CO−O−を表わし、X及びYは同じであって
    も異なっていてもよく、Lは中性配位子、水、アルコー
    ル、アンモニア、アルキルアミン又はピリジンを表わ
    し、C1は1価のカチオン、水素、1価の金属イオン、
    アンモニウム又はアルキルアンモニウムを表わし、C2
    は2価のカチオン又は2価の金属イオンを表し、nは
    2,3又は4を表わし、mは0,2又は4を表わし、各
    錯体または各錯塩において配位子となる芳香族カルボン
    酸類、芳香族ジオール類は同じものであっても異なるも
    のであってもよく、またn又は/及びmの数の異なる錯
    化合物の混合物であっても良く、対イオンのC1及びC2
    が異なる錯塩の混合物であっても良い。〕
  6. 【請求項6】 該有機ジルコニウム化合物が、下記式
    (2)で示される構造を有していることを特徴とする請
    求項1に記載の負摩擦帯電性トナー。 【化2】 〔式中、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、
    アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカ
    ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、
    アシルオキシ基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ
    基、シアノ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基
    を有していてもよい芳香族残基を表わし、X及びYは−
    O−、−CO−O−を表わし、X及びYは同じであって
    も異なっていてもよく、Lは中性配位子、水、アルコー
    ル、アンモニア、アルキルアミン又はピリジンを表わ
    し、Aはアニオン、ハロゲン、水酸イオン、カルボン酸
    イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、シアン
    イオン又はチオシアンイオンを表わし、Aは相互に異な
    るイオンを有していても良く、C1は1価のカチオン、
    水素、1価の金属イオン、アンモニウム又はアルキルア
    ンモニウムを表わし、C2は2価のカチオン又は2価の
    金属イオンを表し、nは1,2,3又は4を表わし、k
    は1,2,3,4,5又は6を表わし、mは0,1,
    2,3又は4を表わし、各錯体または各錯塩において配
    位子となるアニオンA、芳香族カルボン酸類及び芳香族
    ジオール類は同じものであっても異なるものであっても
    よく、またn又は/及びmの数の異なる錯化合物の混合
    物であっても良く、対イオンのC1及びC2が異なる錯塩
    の混合物であっても良く、Aが2価のアニオンの場合に
    は、カウンターカチオンの係数kは2倍する。〕
  7. 【請求項7】 該有機ジルコニウム化合物は、下記式
    (3),(4)又は(5)で示される構造を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の負摩擦帯電性トナ
    ー。 【化3】 〔式中、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアル
    キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アル
    コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ア
    シル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ
    基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族
    環、芳香族環あるいは複素環を形成しても良く、この場
    合この環に置換基Rを有していても良く、置換基Rを1
    乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、
    異なっていてもよく、C1は1価のカチオン、水素、ア
    ルカリ金属、アンモニウム又はアルキルアンモニウムを
    表わし、lは1〜8の整数を表わし、nは2,3又は4
    を表わし、mは0,2又は4を表わし、各錯体または錯
    塩において配位子となる芳香族カルボン酸類又は芳香族
    ジオール類は同じものであっても異なるものであっても
    よく、またn又は/及びmの数の異なる錯化合物の混合
    物であっても良く、また対イオンのC1が異なる錯塩の
    混合物であっても良い。〕
  8. 【請求項8】 該有機ジルコニウム化合物は、下記式
    (6),(7)又は(8)で示される構造を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の負摩擦帯電性トナ
    ー。 【化4】 〔式中、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアル
    キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アル
    コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ア
    シル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ
    基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族
    環、芳香族環あるいは複素環を形成しても良く、この場
    合この環に置換基Rを有していても良く、置換基Rを1
    乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、
    異なっていてもよく、Aはアニオン、ハロゲン、水酸イ
    オン、カルボン酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、硫
    酸イオン、シアンイオン又はチオシアンイオンを表わ
    し、Aは相互に異なるイオンを有していても良く、C1
    は1価のカチオン、水素、1価の金属イオン、アンモニ
    ウム又はアルキルアンモニウムを表わし、nは、1,
    2,3又は4を表わし、kは、1,2,3,4,5又は
    6を表わし、mは0,1,2,3又は4を表わし、各錯
    体または各錯塩において配位子となる芳香族カルボン酸
    類、芳香族ジオール類は同じものであっても異なるもの
    であってもよく、またn又は/及びmの数の異なる錯化
    合物の混合物であっても良く、カチオンC1又は/及び
    アニオンAが異なる2種以上の錯化合物の混合物であっ
    ても良く、Aが2価のアニオンの場合には、カウンター
    カチオンの係数kは2倍する。〕
  9. 【請求項9】 該有機ジルコニウム化合物が下記式(3
    6)又は(37)で示される構造を有していることを特
    徴とする請求項1に記載の負摩擦帯電性トナー。 【化5】 〔式中、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、
    アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ
    基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ
    基、シアノ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基
    を有していてもよい芳香族残基を表わし、A1は1価の
    アニオン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオン又
    はカルボン酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、
    硫酸イオン、リン酸水素イオン又は炭酸イオンを表わ
    し、nは1,2,3又は4を表わし、各金属塩において
    アニオンA1,アニオンA2,酸イオンとなる芳香族カル
    ボン酸類及び芳香族ヒドロキシカルボン酸は同じもので
    あっても異なるものであってもよく、また、nの数が異
    なる塩の混合物であっても良い。〕
  10. 【請求項10】 該有機ジルコニウム化合物が、下記式
    (38)又は(39)で示される構造を有していること
    を特徴とする請求項1に記載の負摩擦帯電性トナー。 【化6】 〔式中、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアル
    キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、ア
    シル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ
    基、アミド基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結
    して脂肪族環、芳香環あるいは複素環を形成しても良
    く、この場合この環に置換基Rを有していても良く、置
    換基Rを1乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じで
    あっても、異なっていてもよく、A1は1価のアニオ
    ン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオン又はカル
    ボン酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫酸イ
    オン、リン酸水素イオン又は炭酸イオンを表し、lは1
    〜8の整数を表わし、nは1,2,3又は4を表わし、
    各金属塩においてアニオンA1,アニオンA2及び酸イオ
    ンとなる芳香族カルボン酸類は同じものであっても異な
    るものであってもよく、また、nの数が異なる塩の混合
    物であっても良い。〕
  11. 【請求項11】 該有機ジルコニウム化合物が、下記式
    (40)又は(41)で示される構造を有していること
    を特徴とする請求項1に記載の負摩擦帯電性トナー。 【化7】 〔式中、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアル
    キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、ア
    シル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ
    基、アミド基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結
    して脂肪族環、芳香環あるいは複素環を形成しても良
    く、この場合この環に置換基Rを有していても良く、置
    換基Rを1乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じで
    あっても、異なっていてもよく、A1は1価のアニオ
    ン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオン又はカル
    ボン酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫酸イ
    オン、リン酸水素イオン又は炭酸イオンを表し、lは1
    〜7の整数を表わし、nは1,2,3,4を表し、各金
    属塩においてアニオンA1,アニオンA2及び酸イオンと
    なる芳香族カルボン酸類は同じものであっても異なるも
    のであってもよく、また、nの数が異なる塩の混合物で
    あっても良い。〕
  12. 【請求項12】 有機ジルコニウム化合物が結着樹脂1
    00重量部に対して0.1乃至10重量部トナーに内添
    されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれ
    かに記載の負摩擦帯電性トナー。
  13. 【請求項13】 該結着樹脂の酸価が5乃至45mgK
    OH/gであることを特徴とする請求項1乃至12のい
    ずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  14. 【請求項14】 該結着樹脂の酸価が10乃至40mg
    KOH/gであることを特徴とする請求項1乃至12の
    いずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  15. 【請求項15】 該結着樹脂のポリエステルユニット
    は、三価以上の多価カルボン酸またはその無水物、また
    は、三価以上の多価アルコールで架橋された架橋構造を
    有している請求項1乃至14のいずれかに記載の負摩擦
    帯電性トナー。
  16. 【請求項16】 該結着樹脂のビニル系重合体ユニット
    は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋
    構造を有している請求項1乃至15のいずれかに記載の
    負摩擦帯電性トナー。
  17. 【請求項17】 該トナーのTHF可溶成分が、GPC
    における分子量分布において分子量4,000乃至1
    5,000の領域にメインピークを有することを特徴と
    する請求項1乃至16のいずれかに記載の負摩擦帯電性
    トナー。
  18. 【請求項18】 該トナーのTHF可溶成分が、GPC
    における分子量分布において分子量5,000乃至1
    2,000の領域にメインピークを有することを特徴と
    する請求項1乃至16のいずれかに記載の負摩擦帯電性
    トナー。
  19. 【請求項19】 該トナーのTHF可溶成分が、GPC
    における分子量分布において分子量50万以上の成分を
    5乃至22%含有していることを特徴とする請求項1乃
    至18のいずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  20. 【請求項20】 該トナーのTHF可溶成分が、GPC
    における分子量分布において分子量50万以上の成分を
    7乃至20%含有していることを特徴とする請求項1乃
    至18のいずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  21. 【請求項21】 該トナー中に含有されている樹脂成分
    は、THF不溶分を該トナー中の全樹脂成分を基準とし
    て5乃至70重量%含有することを特徴とする請求項1
    乃至20のいずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  22. 【請求項22】 該トナー中に含有されている樹脂成分
    は、THF不溶分を該トナー中の全樹脂成分を基準とし
    て10乃至60重量%含有することを特徴とする請求項
    1乃至20のいずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  23. 【請求項23】 該トナー中に含有されている樹脂成分
    は、THF不溶分を該トナー中の全樹脂成分を基準とし
    て15乃至50重量%含有することを特徴とする請求項
    1乃至20のいずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  24. 【請求項24】 該トナーの水に対する接触角が95乃
    至130度であることを特徴とする請求項1乃至23の
    いずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  25. 【請求項25】 該トナーの水に対する接触角が100
    乃至127度であることを特徴とする請求項1乃至23
    のいずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  26. 【請求項26】 該トナーの水に対する接触角が105
    乃至125度であることを特徴とする請求項1乃至23
    のいずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  27. 【請求項27】 該トナーは、ワックスを含有してお
    り、該ワックスが、GPCにおける分子量分布において
    分子量300乃至5000にメインピークを有し、重量
    平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.
    1乃至15であることを特徴とする請求項1乃至26の
    いずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  28. 【請求項28】 該トナーは、ワックスを含有してお
    り、該ワックスが、GPCにおける分子量分布において
    分子量500乃至4500にメインピークを有し、重量
    平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.
    2乃至10であることを特徴とする請求項1乃至26の
    いずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  29. 【請求項29】 該トナーは、ワックスを含有してお
    り、該ワックスが、GPCにおける分子量分布において
    分子量700乃至4000にメインピークを有し、重量
    平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.
    5乃至8であることを特徴とする請求項1乃至26のい
    ずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  30. 【請求項30】 ワックスが、示差走査熱量計(DS
    C)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される
    融点が70乃至140℃であることを特徴とする請求項
    27乃至29のいずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  31. 【請求項31】 ワックスが、示差走査熱量計(DS
    C)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される
    融点が80乃至135℃であることを特徴とする請求項
    27乃至29のいずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  32. 【請求項32】 ワックスが、示差走査熱量計(DS
    C)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される
    融点が85乃至130℃であることを特徴とする請求項
    27乃至29のいずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  33. 【請求項33】 ワックスが、炭化水素系ワックス、ポ
    リエチレン系重合体またはポリプロピレン系重合体のい
    ずれかであることを特徴とする請求項27乃至31のい
    ずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  34. 【請求項34】 ワックスが、式(I)で表せる構造を
    有することを特徴とする請求項27乃至34のいずれか
    に記載の負摩擦帯電性トナー。 【化8】 (式中、Aは水酸基またはカルボキシル基を表し、aは
    20乃至60の整数を表し、好ましくは、Aが水酸基を
    表し、aが30乃至50の整数を表す。)
  35. 【請求項35】 ワックスが、1乃至20mgKOH/
    gの酸価を有する酸変性ポリプロピレンであることを特
    徴とする請求項34に記載の負摩擦帯電性トナー。
  36. 【請求項36】 ワックスが、1乃至20mgKOH/
    gの酸価を有する酸変性ポリエチレンであることを特徴
    とする請求項34に記載の負摩擦帯電性トナー。
  37. 【請求項37】 該トナーは、ワックスを2種含有して
    おり、該トナー中に含有されているワックス全体のGP
    Cにおける分子量分布において、分子量500乃至50
    00にメインピークを有し、重量平均分子量と数平均分
    子量との比(Mw/Mn)が1.2乃至15であること
    を特徴とする請求項1に記載の負摩擦帯電性トナー。
  38. 【請求項38】 該トナーは、ワックスを2種含有して
    おり、該トナー中に含有されているワックス全体のGP
    Cにおける分子量分布において、分子量700乃至45
    00にメインピークを有し、重量平均分子量と数平均分
    子量との比(Mw/Mn)が1.5乃至12であること
    を特徴とする請求項1に記載の負摩擦帯電性トナー。
  39. 【請求項39】 該トナーは、ワックスを2種含有して
    おり、該トナー中に含有されているワックス全体のGP
    Cにおける分子量分布において、分子量1000乃至4
    000にメインピークを有し、重量平均分子量と数平均
    分子量との比(Mw/Mn)が2乃至10であることを
    特徴とする請求項1に記載の負摩擦帯電性トナー。
  40. 【請求項40】 少なくとも1種のワックスが炭化水素
    系ワックス、ポリエチレン系重合体またはポリプロピレ
    ン系重合体のいずれかであることを特徴とする請求項2
    7乃至39のいずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。
  41. 【請求項41】 少なくとも1種のワックスが式(I)
    で表せる構造を有することを特徴とする請求項27乃至
    39のいずれかに記載の負摩擦帯電性トナー。 【化9】 (式中、Aは水酸基またはカルボキシル基を表し、aは
    20乃至60の整数を表し、好ましくは、Aが水酸基を
    表し、aが30乃至50の整数を表す。)
  42. 【請求項42】 少なくとも1種のワックスが1乃至2
    0mgKOH/gの酸価を有する酸変性ポリプロピレン
    であることを特徴とする請求項27乃至39のいずれか
    に記載の負摩擦帯電性トナー。
  43. 【請求項43】 少なくとも1種のワックスが1乃至2
    0mgKOH/gの酸価を有する酸変性ポリエチレンで
    あることを特徴とする請求項27乃至39のいずれかに
    記載の負摩擦帯電性トナー。
  44. 【請求項44】 潜像担持体に担持されている静電潜像
    を負摩擦帯電性トナーにより現像してトナー画像を形成
    する現像工程;該潜像担持体上に形成されたトナー画像
    を中間転写体を介して、又は、介さずに記録材に転写す
    る転写工程;及び該記録材に転写されたトナー画像を該
    記録材に加熱定着する定着工程を有する画像形成方法に
    おいて、 該負摩擦帯電性トナーは、結着樹脂、着色剤及び有機金
    属化合物を少なくとも含有しており、(a)該有機金属
    化合物がジルコニウムと、芳香族ジオール,芳香族ヒド
    ロキシカルボン酸,芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポ
    リカルボン酸からなるグループから選択される芳香族化
    合物とが配位又は/及び結合している有機ジルコニウム
    化合物であり、(b)該結着樹脂がポリエステルユニッ
    トとビニル系重合体ユニットとを有しているハイブリッ
    ド樹脂成分を含有し、(c)該結着樹脂の酸価が2乃至
    50mgKOH/gであり、(d)該トナーのテトラヒ
    ドロフラン(THF)可溶分がゲルパーミエーションク
    ロマトグラフィー(GPC)における分子量分布におい
    て、分子量3,000乃至20,000の領域にメイン
    ピークを有し、分子量50万以上の成分を3乃至25%
    含有していることを特徴とする画像形成方法。
  45. 【請求項45】 該有機ジルコニウム化合物が、芳香族
    ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ポリ
    カルボン酸を配位しているジルコニウム錯体であること
    を特徴とする請求項44に記載の画像形成方法。
  46. 【請求項46】 該有機ジルコニウム化合物が、芳香族
    ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ポリ
    カルボン酸を配位しているジルコニウム錯塩であること
    を特徴とする請求項44に記載の画像形成方法。
  47. 【請求項47】 該有機ジルコニウム化合物が、芳香族
    カルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ポ
    リカルボン酸を有している芳香族カルボン酸ジルコニウ
    ム塩であることを特徴とする請求項44に記載の画像形
    成方法。
  48. 【請求項48】 該有機ジルコニウム化合物が、下記式
    (1)で示される構造を有していることを特徴とする請
    求項44に記載の画像形成方法。 【化10】 〔式中、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、
    アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカ
    ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、
    アシルオキシ基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ
    基、シアノ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基
    を有していてもよい芳香族残基を表わし、X及びYは−
    O−、−CO−O−を表わし、X及びYは同じであって
    も異なっていてもよく、Lは中性配位子、水、アルコー
    ル、アンモニア、アルキルアミン又はピリジンを表わ
    し、C1は1価のカチオン、水素、1価の金属イオン、
    アンモニウム又はアルキルアンモニウムを表わし、C2
    は2価のカチオン又は2価の金属イオンを表し、nは
    2,3又は4を表わし、mは0,2又は4を表わし、各
    錯体または各錯塩において配位子となる芳香族カルボン
    酸類、芳香族ジオール類は同じものであっても異なるも
    のであってもよく、またn又は/及びmの数の異なる錯
    化合物の混合物であっても良く、対イオンのC1及びC2
    が異なる錯塩の混合物であっても良い。〕
  49. 【請求項49】 該有機ジルコニウム化合物が、下記式
    (2)で示される構造を有していることを特徴とする請
    求項44に記載の画像形成方法。 【化11】 〔式中、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、
    アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカ
    ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、
    アシルオキシ基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ
    基、シアノ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基
    を有していてもよい芳香族残基を表わし、X及びYは−
    O−、−CO−O−を表わし、X及びYは同じであって
    も異なっていてもよく、Lは中性配位子、水、アルコー
    ル、アンモニア、アルキルアミン又はピリジンを表わ
    し、Aはアニオン、ハロゲン、水酸イオン、カルボン酸
    イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、シアン
    イオン又はチオシアンイオンを表わし、Aは相互に異な
    るイオンを有していても良く、C1は1価のカチオン、
    水素、1価の金属イオン、アンモニウム又はアルキルア
    ンモニウムを表わし、C2は2価のカチオン又は2価の
    金属イオンを表し、nは1,2,3又は4を表わし、k
    は1,2,3,4,5又は6を表わし、mは0,1,
    2,3又は4を表わし、各錯体または各錯塩において配
    位子となるアニオンA、芳香族カルボン酸類及び芳香族
    ジオール類は同じものであっても異なるものであっても
    よく、またn又は/及びmの数の異なる錯化合物の混合
    物であっても良く、対イオンのC1及びC2が異なる錯塩
    の混合物であっても良く、Aが2価のアニオンの場合に
    は、カウンターカチオンの係数kは2倍する。〕
  50. 【請求項50】 該有機ジルコニウム化合物は、下記式
    (3),(4)又は(5)で示される構造を有している
    ことを特徴とする請求項44に記載の画像形成方法。 【化12】 〔式中、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアル
    キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アル
    コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ア
    シル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ
    基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族
    環、芳香族環あるいは複素環を形成しても良く、この場
    合この環に置換基Rを有していても良く、置換基Rを1
    乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、
    異なっていてもよく、C1は1価のカチオン、水素、ア
    ルカリ金属、アンモニウム又はアルキルアンモニウムを
    表わし、lは1〜8の整数を表わし、nは2,3又は4
    を表わし、mは0,2又は4を表わし、各錯体または錯
    塩において配位子となる芳香族カルボン酸類又は芳香族
    ジオール類は同じものであっても異なるものであっても
    よく、またn又は/及びmの数の異なる錯化合物の混合
    物であっても良く、また対イオンのC1が異なる錯塩の
    混合物であっても良い。〕
  51. 【請求項51】 該有機ジルコニウム化合物は、下記式
    (6),(7)又は(8)で示される構造を有している
    ことを特徴とする請求項44に記載の画像形成方法。 【化13】 〔式中、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアル
    キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アル
    コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ア
    シル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ
    基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族
    環、芳香族環あるいは複素環を形成しても良く、この場
    合この環に置換基Rを有していても良く、置換基Rを1
    乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、
    異なっていてもよく、Aはアニオン、ハロゲン、水酸イ
    オン、カルボン酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、硫
    酸イオン、シアンイオン又はチオシアンイオンを表わ
    し、Aは相互に異なるイオンを有していても良く、C1
    は1価のカチオン、水素、1価の金属イオン、アンモニ
    ウム又はアルキルアンモニウムを表わし、nは、1,
    2,3又は4を表わし、kは、1,2,3,4,5又は
    6を表わし、mは0,1,2,3又は4を表わし、各錯
    体または各錯塩において配位子となる芳香族カルボン酸
    類、芳香族ジオール類は同じものであっても異なるもの
    であってもよく、またn又は/及びmの数の異なる錯化
    合物の混合物であっても良く、カチオンC1又は/及び
    アニオンAが異なる2種以上の錯化合物の混合物であっ
    ても良く、Aが2価のアニオンの場合には、カウンター
    カチオンの係数kは2倍する。〕
  52. 【請求項52】 該有機ジルコニウム化合物が下記式
    (36)又は(37)で示される構造を有していること
    を特徴とする請求項44に記載の画像形成方法。 【化14】 〔式中、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、
    アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ
    基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ
    基、シアノ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基
    を有していてもよい芳香族残基を表わし、A1は1価の
    アニオン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオン又
    はカルボン酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、
    硫酸イオン、リン酸水素イオン又は炭酸イオンを表わ
    し、nは1,2,3又は4を表わし、各金属塩において
    アニオンA1,アニオンA2,酸イオンとなる芳香族カル
    ボン酸類及び芳香族ヒドロキシカルボン酸は同じもので
    あっても異なるものであってもよく、また、nの数が異
    なる塩の混合物であっても良い。〕
  53. 【請求項53】 該有機ジルコニウム化合物が、下記式
    (38)又は(39)で示される構造を有していること
    を特徴とする請求項44に記載の画像形成方法。 【化15】 〔式中、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアル
    キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、ア
    シル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ
    基、アミド基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結
    して脂肪族環、芳香環あるいは複素環を形成しても良
    く、この場合この環に置換基Rを有していても良く、置
    換基Rを1乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じで
    あっても、異なっていてもよく、A1は1価のアニオ
    ン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオン又はカル
    ボン酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫酸イ
    オン、リン酸水素イオン又は炭酸イオンを表し、lは1
    〜8の整数を表わし、nは1,2,3又は4を表わし、
    各金属塩においてアニオンA1,アニオンA2及び酸イオ
    ンとなる芳香族カルボン酸類は同じものであっても異な
    るものであってもよく、また、nの数が異なる塩の混合
    物であっても良い。〕
  54. 【請求項54】 該有機ジルコニウム化合物が、下記式
    (40)又は(41)で示される構造を有していること
    を特徴とする請求項44に記載の画像形成方法。 【化16】 〔式中、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアル
    キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、ア
    シル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ
    基、アミド基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結
    して脂肪族環、芳香環あるいは複素環を形成しても良
    く、この場合この環に置換基Rを有していても良く、置
    換基Rを1乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じで
    あっても、異なっていてもよく、A1は1価のアニオ
    ン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオン又はカル
    ボン酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫酸イ
    オン、リン酸水素イオン又は炭酸イオンを表し、lは1
    〜7の整数を表わし、nは1,2,3,4を表し、各金
    属塩においてアニオンA1,アニオンA2及び酸イオンと
    なる芳香族カルボン酸類は同じものであっても異なるも
    のであってもよく、また、nの数が異なる塩の混合物で
    あっても良い。〕
  55. 【請求項55】 有機ジルコニウム化合物が結着樹脂1
    00重量部に対して0.1乃至10重量部トナーに内添
    されていることを特徴とする請求項44乃至54のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  56. 【請求項56】 該結着樹脂の酸価が5乃至45mgK
    OH/gであることを特徴とする請求項44乃至55の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  57. 【請求項57】 該結着樹脂の酸価が10乃至40mg
    KOH/gであることを特徴とする請求項44乃至55
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  58. 【請求項58】 該結着樹脂のポリエステルユニット
    は、三価以上の多価カルボン酸またはその無水物、また
    は、三価以上の多価アルコールで架橋された架橋構造を
    有している請求項44乃至57のいずれかに記載の画像
    形成方法。
  59. 【請求項59】 該結着樹脂のビニル系重合体ユニット
    は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋
    構造を有している請求項44乃至58のいずれかに記載
    の画像形成方法。
  60. 【請求項60】 該トナーのTHF可溶成分が、GPC
    における分子量分布において分子量4,000乃至1
    5,000の領域にメインピークを有することを特徴と
    する請求項44乃至59のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  61. 【請求項61】 該トナーのTHF可溶成分が、GPC
    における分子量分布において分子量5,000乃至1
    2,000の領域にメインピークを有することを特徴と
    する請求項44乃至59のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  62. 【請求項62】 該トナーのTHF可溶成分が、GPC
    における分子量分布において分子量50万以上の成分を
    5乃至22%含有していることを特徴とする請求項44
    乃至61のいずれかに記載の画像形成方法。
  63. 【請求項63】 該トナーのTHF可溶成分が、GPC
    における分子量分布において分子量50万以上の成分を
    7乃至20%含有していることを特徴とする請求項44
    乃至61のいずれかに記載の画像形成方法。
  64. 【請求項64】 該トナー中に含有されている樹脂成分
    は、THF不溶分を該トナー中の全樹脂成分を基準とし
    て5乃至70重量%含有することを特徴とする請求項4
    4乃至63のいずれかに記載の画像形成方法。
  65. 【請求項65】 該トナー中に含有されている樹脂成分
    は、THF不溶分を該トナー中の全樹脂成分を基準とし
    て10乃至60重量%含有することを特徴とする請求項
    44乃至63のいずれかに記載の画像形成方法。
  66. 【請求項66】 該トナー中に含有されている樹脂成分
    は、THF不溶分を該トナー中の全樹脂成分を基準とし
    て15乃至50重量%含有することを特徴とする請求項
    44乃至63のいずれかに記載の画像形成方法。
  67. 【請求項67】 該トナーの水に対する接触角が95乃
    至130度であることを特徴とする請求項44乃至66
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  68. 【請求項68】 該トナーの水に対する接触角が100
    乃至127度であることを特徴とする請求項44乃至6
    6のいずれかに記載の画像形成方法。
  69. 【請求項69】 該トナーの水に対する接触角が105
    乃至125度であることを特徴とする請求項44乃至6
    6のいずれかに記載の画像形成方法。
  70. 【請求項70】 該トナーは、ワックスを含有してお
    り、該ワックスが、GPCにおける分子量分布において
    分子量300乃至5000にメインピークを有し、重量
    平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.
    1乃至15であることを特徴とする請求項44乃至69
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  71. 【請求項71】 該トナーは、ワックスを含有してお
    り、該ワックスが、GPCにおける分子量分布において
    分子量500乃至4500にメインピークを有し、重量
    平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.
    2乃至10であることを特徴とする請求項44乃至69
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  72. 【請求項72】 該トナーは、ワックスを含有してお
    り、該ワックスが、GPCにおける分子量分布において
    分子量700乃至4000にメインピークを有し、重量
    平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.
    5乃至8であることを特徴とする請求項44乃至69の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  73. 【請求項73】 ワックスが、示差走査熱量計(DS
    C)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される
    融点が70乃至140℃であることを特徴とする請求項
    70乃至72のいずれかに記載の画像形成方法。
  74. 【請求項74】 ワックスが、示差走査熱量計(DS
    C)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される
    融点が80乃至135℃であることを特徴とする請求項
    70乃至72のいずれかに記載の画像形成方法。
  75. 【請求項75】 ワックスが、示差走査熱量計(DS
    C)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される
    融点が85乃至130℃であることを特徴とする請求項
    70乃至72のいずれかに記載の画像形成方法。
  76. 【請求項76】 ワックスが、炭化水素系ワックス、ポ
    リエチレン系重合体またはポリプロピレン系重合体のい
    ずれかであることを特徴とする請求項70乃至75のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  77. 【請求項77】 ワックスが、式(I)で表せる構造を
    有することを特徴とする請求項70乃至75のいずれか
    に記載の画像形成方法。 【化17】 (式中、Aは水酸基またはカルボキシル基を表し、aは
    20乃至60の整数を表し、好ましくは、Aが水酸基を
    表し、aが30乃至50の整数を表す。)
  78. 【請求項78】 ワックスが、1乃至20mgKOH/
    gの酸価を有する酸変性ポリプロピレンであることを特
    徴とする請求項77に記載の画像形成方法。
  79. 【請求項79】 ワックスが、1乃至20mgKOH/
    gの酸価を有する酸変性ポリエチレンであることを特徴
    とする請求項77に記載の画像形成方法。
  80. 【請求項80】 該トナーは、ワックスを2種含有して
    おり、該トナー中に含有されているワックス全体のGP
    Cにおける分子量分布において、分子量500乃至50
    00にメインピークを有し、重量平均分子量と数平均分
    子量との比(Mw/Mn)が1.2乃至15であること
    を特徴とする請求項44に記載の画像形成方法。
  81. 【請求項81】 該トナーは、ワックスを2種含有して
    おり、該トナー中に含有されているワックス全体のGP
    Cにおける分子量分布において、分子量700乃至45
    00にメインピークを有し、重量平均分子量と数平均分
    子量との比(Mw/Mn)が1.5乃至12であること
    を特徴とする請求項44に記載の画像形成方法。
  82. 【請求項82】 該トナーは、ワックスを2種含有して
    おり、該トナー中に含有されているワックス全体のGP
    Cにおける分子量分布において、分子量1000乃至4
    000にメインピークを有し、重量平均分子量と数平均
    分子量との比(Mw/Mn)が2乃至10であることを
    特徴とする請求項44に記載の画像形成方法。
  83. 【請求項83】 少なくとも1種のワックスが炭化水素
    系ワックス、ポリエチレン系重合体またはポリプロピレ
    ン系重合体のいずれかであることを特徴とする請求項7
    0乃至82のいずれかに記載の画像形成方法。
  84. 【請求項84】 少なくとも1種のワックスが式(I)
    で表せる構造を有することを特徴とする請求項70乃至
    82のいずれかに記載の画像形成方法。 【化18】 (式中、Aは水酸基またはカルボキシル基を表し、aは
    20乃至60の整数を表し、好ましくは、Aが水酸基を
    表し、aが30乃至50の整数を表す。)
  85. 【請求項85】 少なくとも1種のワックスが1乃至2
    0mgKOH/gの酸価を有する酸変性ポリプロピレン
    であることを特徴とする請求項70乃至82のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  86. 【請求項86】 少なくとも1種のワックスが1乃至2
    0mgKOH/gの酸価を有する酸変性ポリエチレンで
    あることを特徴とする請求項70乃至82のいずれかに
    記載の画像形成方法。
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JP2011508736A (ja) * 2007-12-27 2011-03-17 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア スピロ化合物
JP2018013520A (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 花王株式会社 トナー用結着樹脂組成物

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