JP2000225977A - 自動二輪車の後輪用チェーンケース構造 - Google Patents

自動二輪車の後輪用チェーンケース構造

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JP2000225977A
JP2000225977A JP11030565A JP3056599A JP2000225977A JP 2000225977 A JP2000225977 A JP 2000225977A JP 11030565 A JP11030565 A JP 11030565A JP 3056599 A JP3056599 A JP 3056599A JP 2000225977 A JP2000225977 A JP 2000225977A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動スプロケット中心からスイングアームの
スイング中心までの距離を変えても、ケースカバーの後
端とリヤケースの前端との間を容易に塞ぐことができる
ようにする。 【解決手段】 車体フレーム11にエンジン21を取付
け、車体フレームにスイングアーム23を介して上下動
可能に後輪を取付け、エンジン側の駆動スプロケット6
1と後輪側の従動スプロケット63との間に掛け渡した
チェーン64を囲う、自動二輪車の後輪用チェーンケー
ス80である。チェーンケースは、チェーンの前部を囲
うためにエンジンに取付けたケースカバー81と、チェ
ーンの後部を囲うためにスイングアームに取付けたリヤ
ケース82と、ケースカバーの後端とリヤケースの前端
との間を塞ぐためにスイングアームに取付けた中間遮蔽
板91とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動二輪車の後輪用
チェーンケース構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車における、エンジンから後輪
へ動力を伝達する動力伝達機構のうち、最終減速装置の
動力伝達方式には、チェーンドライブ方式、ベルトドラ
イブ方式、シャフトドライブ方式などがある。チェーン
ドライブ方式は、車体フレームにスイングアームを介し
て後輪を取付け、エンジンの出力側に接続した変速機か
ら後輪へ、チェーンにて動力を伝達するものである。こ
のようなチェーンドライブ方式として、例えば実公昭6
2−5434号「オートバイのチェンケース」がある。
【0003】上記従来の技術は、その公報の第2図〜第
4図によれば、車体に、エンジン4(番号は公報に記載
されたものを引用した。以下同じ。)を搭載するととも
に後ホーク2を介して後輪3を取付け、エンジン4側の
スプロケット5と後輪3側のスプロケット6をチェン7
で連結するというものである。エンジン4側のスプロケ
ット5の側方並びにチェン7の前部の側方をエンジンケ
ース9で覆い、後輪3側のスプロケット6並びにチェン
7の残りの部分をチェンケース8で覆う。チェンケース
8は、揺動軸1を中心としてホーク2と共に上下スイン
グすることになる。チェンケース8の前端とエンジンケ
ース9の後端とは、重ね合わせによってシールするもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動二輪車
は車種によって、エンジン4側のスプロケット5の中心
から揺動軸1の中心までの距離(以下「軸間距離」と言
う。)を設計変更することがある。これに対し、上記従
来の技術によれば、チェンケース8並びにエンジンケー
ス9の寸法や取付け位置が常に一定である。従って、軸
間距離が大きくなると、チェンケース8の前端とエンジ
ンケース9の後端との重ね合わせ部分が無くなり、隙間
を生じる。これでは、隙間からチェン7が見えるので、
外観性上、好ましくない。隙間が生じないように、チェ
ンケース8の前端やエンジンケース9の後端を延すこと
も考えられるが、軸間距離が変わる度に、チェンケース
8やエンジンケース9も変更するのでは、設計の自由度
が低く、改良の余地がある。
【0005】そこで本発明の目的は、駆動スプロケット
中心からスイングアームのスイング中心までの距離を変
えても、ケースカバーの後端とリヤケースの前端との間
を容易に塞ぐことができる技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、車体フレームにエンジンを取付け、車体
フレームにスイングアームを介して上下動可能に後輪を
取付け、エンジン側の駆動スプロケットと後輪側の従動
スプロケットとの間に掛け渡したチェーンを囲うチェー
ンケースにおいて、このチェーンケースが、チェーンの
前部を囲うためにエンジンに取付けたケースカバーと、
チェーンの後部を囲うためにスイングアームに取付けた
リヤケースと、ケースカバーの後端とリヤケースの前端
との間を塞ぐためにスイングアームに取付けた中間遮蔽
板とからなることを特徴とする。
【0007】駆動スプロケット中心からスイングアーム
のスイング中心までの距離が、大きくなるように変更し
ても、ケースカバーの後端とリヤケースの前端との間を
中間遮蔽板で塞ぐことができる。従って、自動二輪車の
外観性は良好である。しかも、ケースカバー並びにリヤ
ケースを設計変更したり、交換する必要はない。
【0008】請求項2は、ケースカバーの後部に側面視
で略縦に延び且つ車体中心へ向うリブを設け、側面視で
このリブを越えるまで中間遮蔽板を前方へ延し、平面視
でリブと中間遮蔽板とでT字形状にしたことを特徴とす
る。
【0009】平面視において、縦板状のリブと中間遮蔽
板とをT字形状に配列したものであるから、固定側のリ
ブの先端を可動側の中間遮蔽板の側面に接近させること
は、容易である。従って、縦板状のリブと中間遮蔽板と
の間の隙間を減少させることができる。隙間が小さい
と、自動二輪車の外観性は一層良好である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、
「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向
に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右
側、CLは車体中心(車幅中心)を示す。また、図面は
符号の向きに見るものとする。
【0011】図1は本発明に係る自動二輪車の左側面図
である。自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体
フレーム11のヘッドパイプ12に左右回転可能に取付
けたフロントフォーク13と、フロントフォーク13に
取付けた前輪14並びにフロントフェンダ15と、フロ
ントフォーク13に連結したハンドル16と、ハンドル
16周りを覆ったハンドルカバー17と、車体フレーム
11の中央部に取付けたエンジン21付パワーユニット
22と、車体フレーム11の後部に取付けたスイングア
ーム23と、スイングアーム23の後部に取付けた後輪
24と、スイングアーム23の後部を懸架したリヤクッ
ション25と、車体フレーム11の後部上部に取付けた
シート26と、車体フレーム11を覆うボディカバー4
0とからなる、2人乗り自動二輪車である。
【0012】車体フレーム11は、ヘッドパイプ12か
ら後下方へ延びた車幅中央の1本のメインパイプ31
と、メインパイプ31の後端に接合し後上方へ延びたリ
ヤパイプ32と、メインパイプ31とリヤパイプ32の
接合部分を補強する補強パイプ33とからなる。シート
26は、運転者並びに同乗者が着座可能な座部を備えた
ダブルシートである。
【0013】ボディカバー40は、ヘッドパイプ12の
前部を覆うフロントカバー41と、運転者の脚部を覆う
ためのレッグシールド42と、車体フレーム11の中央
部から後部にかけて覆うセンターカバー43と、車体フ
レーム11の側面を覆うサイドカバー44と、後輪24
の上部を覆うリヤフェンダ45とからなる。図中、51
はヘッドランプ、52はキャリア、53は運転者用バー
状ステップ、54はシフトペダル、55はメインスタン
ド、56はバー状補助ステップ、57は後輪用サイドカ
バー、58はテールランプである。
【0014】図2は本発明に係るパワーユニット並びに
スイングアーム周りの左側面図である。パワーユニット
22は、ユニットケース22aに内蔵した図示せぬクラ
ッチや変速機によって、エンジン21の動力を変速して
出力軸22bから出力するようにしたものであり、車体
フレーム11に2個のマウントボルト27,27にて取
付けた構造である。スイングアーム23は、リヤパイプ
32の下端部にピボット軸35を介して上下スイング可
能に取付け、後方へ延びた後輪用リヤフォークである。
このため、後輪24(図1参照)は、車体フレーム11
に対して上下動可能である。
【0015】ところで、自動二輪車10は、エンジン2
1から後輪24へ動力を伝達する動力伝達機構のうち、
最終減速装置60をチェーンドライブ方式にしたもので
ある。最終減速装置60は、出力軸22bに取付けたエ
ンジン側の駆動スプロケット61と、後輪用車軸62に
取付けた後輪側の従動スプロケット63と、これら駆動
スプロケット61と従動スプロケット63との間に掛け
渡したチェーン64とからなる。出力軸22bの中心で
もある駆動スプロケット61の中心O1からピボット軸
35の中心O2までの距離(以下「軸間距離」と言
う。)はXである。このような最終減速装置60を、チ
ェーンケース80で囲った。
【0016】チェーンケース80は、駆動スプロケット
61並びにチェーン64の前部を囲うためにエンジン2
1側、すなわち、ユニットケース22aに取付けたケー
スカバー81と、従動スプロケット63並びにチェーン
64の後部を囲うためにスイングアーム23に取付けた
リヤケース82と、ケースカバー81の後端とリヤケー
ス82の前端との間を塞ぐためにスイングアーム23に
取付けた中間遮蔽板91とからなる。この図では、ユニ
ットケース22aにケースカバー81を2個のボルト8
5,85にて取付けたことを示す。
【0017】図3は本発明に係るスイングアーム及び中
間遮蔽板の分解斜視図である。スイングアーム23は、
想像線にて示すピボット軸35に嵌合した左右一対の被
支承パイプ71,71と、これら左右の被支承パイプ7
1,71から後方へ延ばした左右一対のサイドメンバ7
2,72と、ピボット軸35の近傍で左右のサイドメン
バ72,72に掛け渡したクロスメンバ73と、左右の
サイドメンバ72,72とクロスメンバ73との接合部
分を補強する左右のガセット74,74とからなる。サ
イドメンバ72,72は縦長矩形断面の角パイプであ
り、クロスメンバ73は横長矩形断面の角パイプであ
る。
【0018】左右のガセット74,74は、サイドメン
バ72,72とクロスメンバ73との後部コーナーに接
合した平面視三角形部材である。この三角形部材は、上
水平板と下水平板と垂直板とからなる縦断面視コ字状部
材であって、前端部分で、上水平板と下水平板とでクロ
スメンバ73を挟み込んで接合するとともに、側端部分
で、サイドメンバ72の背面(車体中心側の面)に突き
合せて接合するようにしたものである。
【0019】また、スイングアーム23は、クロスメン
バ73から後方へサイドメンバ72,72と並行な位置
決めピース75を延したことを特徴とする。位置決めピ
ース75は、左のサイドメンバ72の背面から車体中心
側へ、所定の間隔を開けて配置した縦板状の部材であ
る。位置決めピース75を左側に設けたのは、チェーン
64(図2参照)が左側を通るからである。この実施例
では、左のサイドメンバ72に接近している位置決めピ
ース75を、左のガセット74に接合した。
【0020】さらに、スイングアーム23は、チェーン
64が通る側の左のサイドメンバ72から前方へ遮蔽板
用ステー76を延したことを特徴とする。詳しくは、左
の被支承パイプ71から前方へ縦板状の遮蔽板用ステー
76を延した。遮蔽板用ステー76はその側面に、且
つ、ピボット軸の中心O2から前方へ所定距離Yだけ離
れた位置に、上開放の第1切欠き溝76aと、ボルト孔
76bと、下開放の第2切欠き溝76cとを、上からこ
の順に並べて開けたものである。
【0021】左のサイドメンバ72は、さらに前部上面
から上方へ上カバー用ステー77を延すとともに、前部
下面から下方へ下カバー用ステー78を延したものであ
る。これらの上・下カバー用ステー77,78は、サイ
ドメンバ72の長手に沿った縦板である。図中、O4
後輪用車軸の中心である。
【0022】中間遮蔽板91は、上半体92と下半体9
3の上下二分割体であり、これらの上・下半体92,9
3の後端部に前後に細長い遮蔽延長部94の前端部を一
体に形成したものである。遮蔽延長部94は、後端を基
準に上下開閉可能な上下二股状部材である。中間遮蔽板
91と遮蔽延長部94との組合せ構造は、遮蔽部材90
をなす。遮蔽部材90は、ポリプロピレン樹脂等からな
る樹脂製品である。以下、遮蔽部材90の詳細な構成に
ついて、説明する。
【0023】図4は本発明に係る遮蔽部材の左側面図で
ある。中間遮蔽板91は、遮蔽部材90の軸挿通中心O
3(図3に示すピボット軸の中心O2に相当する)より前
方にある縦板であり、しかも、軸挿通中心O3を基準に
して上半体92と下半体93とに上下二分割したもので
ある。上半体92と下半体93とは、軸挿通中心O3
通る水平線Hに対して概ね対象形の部材である。上・下
半体92,93はその側面に、且つ、軸挿通中心O3
ら前方へ所定距離Yだけ離れた垂直線Z上に、3個の孔
91a,91b,91cを開けたものである。具体的に
は、軸挿通中心O3を通る水平線H上のボルト挿通孔9
1aと、ボルト挿通孔91aを挟んだ上下の爪掛け孔9
1b,91cである。これら3個の孔91a,91b,
91cは、板を貫通した貫通孔である。
【0024】遮蔽延長部94は、軸挿通中心O3を通る
水平線Hを基準に上下二分割状の円筒部95と、円筒部
95の外周から後方へ延びた細長い延長部96とからな
る。延長部96は、上板96a並びに下板96bと、上
板96aの後端と下板96bの後端とに掛け渡した後部
縦板96cとからなる。さらに延長部96は、左側面
(図手前)に第1鍔部96dを形成し、右側面(図向こ
う側)に第2鍔部96eを形成したものである。このよ
うな遮蔽延長部94は、後部縦板96cを基端に上下開
閉可能(矢印V,V方向に開閉可能)なように弾性変形
可能である。
【0025】図5は本発明に係る遮蔽部材の平面図であ
り、第1鍔部96dの上下から、すなわち、遮蔽延長部
94の上面並びに下面から車体外方へ挟持部96f,9
6f(この図では上の挟持部96fのみ示す。)を延し
たことを示す。
【0026】図6は図4の6矢視図であり、上半体92
と下半体93を縦一直線上に並べたことを示す。上半体
92は、水平線Hから上に厚肉部91dとその上の先細
り傾斜部91eと先端の薄肉部91fとに形成したもの
である。下半体93は上半体92と同様形状である。ま
た、この図は、正面視で円筒部95が中間遮蔽板91よ
り車体中心側(図の左側)が欠円であることを示す。
【0027】一旦図3に戻って、遮蔽部材90の説明を
続けると、円筒部95の内径は、被支承パイプ71を挿
通可能な大きさである。挟持部96f,96f間の間隔
は、サイドメンバ72の厚みと同一であり、しかも、ク
ロスメンバ73を挿通可能な大きさである。後部縦板9
6cは、左のガセット74の斜面に沿った平面視斜め材
である。
【0028】図7は本発明に係るチェーンケースの前半
部周りの左側面図であり、ピボット軸35の前方におい
て、ケースカバー81の後端部とリヤケース82の前端
部と中間遮蔽板91とを重ね合わせたことを示す。具体
的には、ケースカバー81の後部内にリヤケース82の
前部の一部を挿入し、ケースカバー81の後端81aと
リヤケース82の前端82aとの間の隙間S1を中間遮
蔽板91で塞いだものである。スイングアーム23に取
付けたリヤケース82及び遮蔽部材90は、スイングア
ーム23と共に上下スイング可能である。
【0029】さらにこの図は、ケースカバー81の後部
に、側面視で略縦に延びる補強用のリブ81bを設け、
側面視でこのリブ81bを越えるまで中間遮蔽板91を
前方(図の左側)へ延したことを示す。上半体92と下
半体93とを、ピボット軸35の前方で、連結部材10
1を介して遮蔽板用ステー76(図3参照)に1個のボ
ルト102にて止めることによって、スイングアーム2
3に中間遮蔽板91を取付けることができる。
【0030】図8は本発明に係るチェーンケースの前半
部周りの平面図であり、次の(1)〜(3)の構成を示
す。 (1)車体フレーム11の支承パイプ34にピボット軸
35を挿入することによって、スイングアーム23を支
承したこと。 (2)遮蔽延長部94を左のサイドメンバ72の背面7
2aに沿わせて後方へ延し、後部縦板96cを左のガセ
ット74の斜面に沿わせたこと。 (3)ケースカバー81の内面に設けたリブ81bが車
体中心CLへ向い、平面視でリブ81bと中間遮蔽板9
1とでT字形状にしたこと。
【0031】図9は図7の9−9断面図であり、リヤケ
ース82が上ケース83と下ケース84とからなる上下
二分割ケースであり、このケースによって、チェーン6
4を囲うようにしたことを示す。さらにこの図は、左の
サイドメンバ72の背面72aと位置決めピース75と
の間に遮蔽延長部94を通すことによって、遮蔽延長部
94の車幅方向(図の左右方向)の位置決めをしたこと
を示す。具体的には、左のサイドメンバ72の背面72
aと位置決めピース75とで、第1鍔部96d並びに第
2鍔部96eを挟み込むことによって、遮蔽延長部94
の位置決めをすることができる。
【0032】さらに、左のサイドメンバ72の背面72
aと第1鍔部96dの間に、上・下ケース83,84の
外方の側板83a,84aを挟み込み、第2鍔部96e
の内面で、上・下ケース83,84の内方の側板83
b,84bを受けるようにすることで、リヤケース82
の車幅方向の位置決めをすることができる。上ケース8
3の下端面をガセット74の上面に当て、下ケース84
の上端面をガセット74の下面に当てることによって、
リヤケース82の上下方向の位置決めをすることができ
る。
【0033】図10は図7の10−10断面図であり、
遮蔽延長部94の上面並びに下面から車体外方へ延した
挟持部96f,96fで、左のサイドメンバ72の上下
面を挟み込むことによって、遮蔽延長部94の上下方向
の位置決めをすることができることを示す。挟持部96
f,96fは、上・下カバー用ステー77,78を通す
ための貫通孔96g,96gを有する。上・下カバー用
ステー77,78は、上・下ケース83,84の外方の
側板83a,84aを、ボルト104,104にて取付
けるものである。105,105は上・下カバー用ステ
ー77,78に接合したナットである。
【0034】図11は図7の11−11断面図であり、
上半体92と下半体93の止め構造を示す。具体的に
は、遮蔽板用ステー76と連結部材101とで上・下半
体92,93の側面を挟み込み、第1・第2切欠き溝7
6a,76cに連結部材101の上下の爪101a,1
01cを掛けて上半体92と下半体93との上下の開き
を規制し、さらに、連結部材101のボルト孔101b
にボルト102を差込み、連結部材101と遮蔽板用ス
テー76と上・下半体92,93とをボルト102で共
締めすることによって、遮蔽板用ステー76に上・下半
体92,93をボルト止めすることができる。103は
遮蔽板用ステー76に接合したナットである。
【0035】図12は図7の12−12断面図であり、
ケースカバー81によって駆動スプロケット61及びチ
ェーン64の前部を囲ったことを示す。ケースカバー8
1は、左側板81dと上板81eと下板81fとからな
る、背面断面視略逆コ字状カバーであり、前後方向(こ
の図の紙面表裏方向)を開放したものである。また、こ
の図は、リブ81bの先端81cを、間隔δを有した隙
間S2を開けて中間遮蔽板91の左側面に接近させたこ
とを示す。平面視において、縦板状のリブ81bと中間
遮蔽板91とをT字形状に配列したものであるから、固
定側のリブ81bの先端81cを可動側の中間遮蔽板9
1の側面に接近させることは、容易である。従って、リ
ブ81bと中間遮蔽板91との間の隙間S2を減少させ
ることができる。隙間S2が小さいので、自動二輪車の
外観性は一層良好である。
【0036】図13(a)〜(c)は本発明に係る後輪
用チェーンケース構造の作用説明図である。(a)は、
駆動スプロケット61の中心O1からピボット軸35の
中心O2までの距離、すなわち、軸間距離がX1であるこ
とを示す。この場合には、ケースカバー81の後端81
aとリヤケース82の前端82aとの間の隙間S1を、
中間遮蔽板91で塞ぐことができる。(b)は、軸間距
離がX2であり、上記軸間距離X1よりも小さいことを示
す。この場合には、上記(a)と同一の中間遮蔽板91
で隙間S1を塞ぐことができる。(c)は、軸間距離が
3であり、上記軸間距離X1よりも大きいことを示す。
この場合には、大きい中間遮蔽板91と交換することに
よって、その中間遮蔽板91で隙間S1を塞ぐことがで
きる。
【0037】このように、軸間距離が大きくなるように
変更しても、ケースカバー81の後端とリヤケース82
の前端との間を中間遮蔽板91で容易に塞ぐことができ
る。以上の(a)〜(c)から明らかなように、軸間距
離をX1〜X3に変更しても、ケースカバー81の後端8
1aとリヤケース82の前端82aとの間の隙間S1
を、中間遮蔽板91で容易に塞ぐことができる。従っ
て、自動二輪車の外観性を良好に維持できる。しかも、
ケースカバー81並びにリヤケース82を設計変更した
り、交換する必要がないので、設計の自由度は高い。
【0038】次に、上記構成の遮蔽部材90の取付け手
順を図3に基づき説明する。 (1)先ず、後部縦板96cを基端にして遮蔽延長部9
4を手で上下に開きつつ(矢印)、遮蔽部材90を左
のサイドメンバ72に沿わせて、前方へ移動させる(矢
印)。この結果、中間遮蔽板91並びに遮蔽延長部9
4がクロスメンバ73や左のガセット74を横切りつ
つ、ピボット軸の中心O2に、遮蔽部材90の軸挿通中
心O3を合せることができる。
【0039】(2)次に、上・下カバー用ステー77,
78に貫通孔96g,96gの位置を合せて(矢印
)、手を離すと、遮蔽延長部94は自己復元力によっ
て元の形状に復元する。この結果、左のサイドメンバ7
2の背面72aと位置決めピース75とによって、遮蔽
部材90の車幅方向の位置が決まるとともに、挟持部9
6f,96fで、左のサイドメンバ72の上下面を挟み
込むことによって、遮蔽部材90の上下方向の位置が決
まる。さらに、この状態で、遮蔽板用ステー76の左側
面に中間遮蔽板91(上半体92と下半体93)が重な
る。
【0040】(3)次に、上・下半体92,93に連結
部材101を重ね(矢印)、第1・第2切欠き溝76
a,76cに連結部材101の上下の爪101a,10
1cを掛けて上半体92と下半体93の上下の開きを規
制し、さらに、遮蔽板用ステー76に連結部材101と
上・下半体92,93を1個のボルト102で共締めす
る。以上で、遮蔽部材90の取付け作業を完了する。
【0041】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、チェーンケースを、チェーンの前部
を囲うためにエンジンに取付けたケースカバーと、チェ
ーンの後部を囲うためにスイングアームに取付けたリヤ
ケースと、ケースカバーの後端とリヤケースの前端との
間を塞ぐためにスイングアームに取付けた中間遮蔽板と
で構成したので、駆動スプロケット中心からスイングア
ームのスイング中心までの距離が、大きくなるように変
更しても、ケースカバーの後端とリヤケースの前端との
間を中間遮蔽板で容易に塞ぐことができる。従って、自
動二輪車の外観性を良好に維持できる。しかも、ケース
カバー並びにリヤケースを設計変更したり、交換する必
要がないので、設計の自由度が高まる。
【0042】請求項2は、ケースカバーの後部に側面視
で略縦に延び且つ車体中心へ向うリブを設け、側面視で
このリブを越えるまで中間遮蔽板を前方へ延し、平面視
でリブと中間遮蔽板とでT字形状にしたので、固定側の
リブの先端を可動側の中間遮蔽板の側面に接近させるこ
とが、容易である。従って、縦板状のリブと中間遮蔽板
との間の隙間を減少させることができる。隙間を小さく
することによって、外方から有効に目隠しをすることが
できるので、自動二輪車の外観性を一層高めることがで
きる。しかも、ケースカバーのリブによって、目隠し用
部材を兼ねるので、ケースカバーに別部材からなる目隠
し用部材を取付ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車の左側面図
【図2】本発明に係るパワーユニット並びにスイングア
ーム周りの左側面図
【図3】本発明に係るスイングアーム及び中間遮蔽板の
分解斜視図
【図4】本発明に係る遮蔽部材の左側面図
【図5】本発明に係る遮蔽部材の平面図
【図6】図4の6矢視図
【図7】本発明に係るチェーンケースの前半部周りの左
側面図
【図8】本発明に係るチェーンケースの前半部周りの平
面図
【図9】図7の9−9断面図
【図10】図7の10−10断面図
【図11】図7の11−11断面図
【図12】図7の12−12断面図
【図13】本発明に係る後輪用チェーンケース構造の作
用説明図
【符号の説明】
10…自動二輪車、11…車体フレーム、21…エンジ
ン、22…パワーユニット、23…スイングアーム、2
4…後輪、35…ピボット軸、61…駆動スプロケッ
ト、63…従動スプロケット、64…チェーン、71…
被支承パイプ、72…サイドメンバ、73…クロスメン
バ、75…位置決めピース、76…遮蔽板用ステー、8
0…チェーンケース、81…ケースカバー、81b…リ
ブ、82…リヤケース、91…中間遮蔽板、92…上半
体、93…下半体、94…遮蔽延長部、96f…挟持
部、102…ボルト、S1…隙間、O1…駆動スプロケ
ットの中心、O2…スイングアームのスイング中心(ピ
ボット軸の中心)、X…軸間距離。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体フレームにエンジンを取付け、車体
    フレームにスイングアームを介して上下動可能に後輪を
    取付け、前記エンジン側の駆動スプロケットと後輪側の
    従動スプロケットとの間に掛け渡したチェーンを囲うチ
    ェーンケースにおいて、このチェーンケースは、チェー
    ンの前部を囲うためにエンジンに取付けたケースカバー
    と、チェーンの後部を囲うためにスイングアームに取付
    けたリヤケースと、前記ケースカバーの後端とリヤケー
    スの前端との間を塞ぐためにスイングアームに取付けた
    中間遮蔽板とからなることを特徴とした自動二輪車の後
    輪用チェーンケース構造。
  2. 【請求項2】 前記ケースカバーの後部に側面視で略縦
    に延び且つ車体中心へ向うリブを設け、側面視でこのリ
    ブを越えるまで前記中間遮蔽板を前方へ延し、平面視で
    リブと中間遮蔽板とでT字形状にしたことを特徴とする
    請求項1記載の自動二輪車の後輪用チェーンケース構
    造。
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