JP2000225910A - エアバッグモジュ―ル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステアリングホイール内での振動ダンパとし
ても作用する新規なエアバッグモジュールを提供する。 【解決手段】 自動車のステアリングホイールのための
エアバッグモジュールは、ガスバッグ（１）と、膨張器
（２）と、カバーキャップ（３）と、膨張器支持体
（４）と、これらの構成部品をモジュールとして相互連
結する手段（５）とを有する。膨張器（２）を支持する
ために、膨張器支持体（４）上に配置された取り付け板
（６）、及び、弾性材料で作られ、ステアリングホイー
ルの軸線に平行に指向した取り付けシリンダ（９）を設
ける。取り付けシリンダ（９）の自由リム（１０、１
１）は、一方では取り付け板（６）に結合され、他方で
は膨張器（２）に結合される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動車のステアリン
グホイールのためのエアバッグモジュールであって、ガ
スバッグと、膨張器と、カバーキャップと、膨張器支持
体と、これらの構成部品をモジュールとして相互に結合
する手段とを有するエアバッグモジュールに関する。

【０００２】

【従来の技術】既知のステアリングホイールにおいて
は、上述の型式のエアバッグモジュールは、全体的に又
は部分的に、シャシーにより発生し且つステアリングホ
イールへ伝達される望ましくない振動を抑制するための
振動ダンパ（緩衝器）として作用する（ＤＥ３９２５７
６１Ａ１）。この目的のために、ステアリングホイール
に対するエアバッグモジュールのある運動が可能となる
ような方法で、エアバッグモジュール又はその一部がス
テアリングホイールに結合される。実際の結合手段はリ
ベット又はボルトであるが、互いに連結すべき部品間に
弾性手段を設けて、剛直な結合とならないことを保証
し、エアバッグモジュール又はその一部がステアリング
ホイールに対して自由に振動でき、従って振動ダンパと
して利用できることを保証する。

【０００３】しかし、経験から、エアバッグモジュール
とステアリングホイールとの間の既知の弾性的な連結に
よれば、極めて小さな振動振幅しか達成できず、弾性変
形に使用される弾性材料の能力が実際の連結手段（リベ
ット、ボルト）により大いに拘束されるため、比較的狭
い周波数範囲内でのみ緩衝が有効であることが判明し
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ステアリングホイールの望ましくない振動を良好に
抑制する改善を伴った、ステアリングホイール内での振
動ダンパとしてのエアバッグモジュールの利用を可能に
することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、膨張器支持体上に配置された環状の取り付け板と、
弾性材料で作られ且つステアリングホイールの軸線に平
行に指向する取り付けシリンダとを有し、取り付けシリ
ンダの自由リムが一方では取り付け板に結合され、他方
では取り付けフランジに結合されることを特徴とするエ
アバッグモジュールが提案される。

【０００６】このようにして、エアバッグモジュールの
最大の単体質量となる膨張器は弾性材料の取り付けシリ
ンダを介してエアバッグモジュールの残りの構成部品に
単独で結合され、従って、振動ダンパとして使用でき
る。材料を適当に設計し、選択することにより、車両の
型式毎に異なる不快な振動を有効に抑制するように、取
り付けシリンダを種々の要求に容易に適合させることが
できる。膨張器を取り付け板に結合する他の手段を廃止
すると、取り付けシリンダの設計における制約がなくな
り、従って、信頼ある結合に必要な強度は別として、振
動系の要求に十分に適合できる。補助のフランジ（請求
項１２参照）により、ガスバッグの爆発的な膨張におい
て、設計に応じた反作用力が取り付けシリンダを破壊さ
せる程度を越えた場合でさえも、膨張器がエアバッグモ
ジュールから全体的に分離できないことを保証できる。
一方、本発明に係る取り付けシリンダは小さな設置空間
で済む比較的簡単な設計の構成部品であり、更に、エア
バッグの内部を周囲環境からシールして、汚染物がエア
バッグ内へたどり着くことができないようにし、充填ガ
スが作動時に逃げることができないようにする。

【０００７】弾性取り付けシリンダは更に膨張器のハウ
ジングに結合された周辺取り付けフランジに固定するこ
とができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１を参照すると、既知の方法及
び手段により、ガスバッグ１と、膨張器２と、カバーキ
ャップ３と、膨張器支持体４と、上述の部品をモジュー
ルとして相互連結する手段５とを備えた実施の形態を断
面にて示す。膨張器２は、Ｌ字状の横断面を呈し、膨張
器２のハウジング７に対して同心的に延びる脚部１３
と、この脚部からこれにほぼ直角に外方へ突出している
別の脚部１４とを備えた周辺取り付けフランジ８を有す
る。本発明に係るエアバッグモジュールは更に、膨張器
支持体４の下面に平行な締結部分内に位置する環状の取
り付け板６を有する。本発明に従って設けられた弾性材
料の取り付けシリンダ９は、その自由リム１０により、
一方では、取り付け板６に結合され、他方では、膨張器
２の取り付けフランジ８に結合されている。従って、膨
張器２はエアバッグモジュールの他の構成部品に対して
振動できるように取り付けされ、望ましくない振動を緩
衝するために使用することができる。

【０００９】入口開口を取り巻くエアバッグ１のリム
は、ガスバッグ保持板２１と膨張器支持体４との間で既
知の方法及び手段により適所にクランプされる。図示の
ような実施の形態においては、モジュールの部品を連結
する手段５はボルト２２及びナットからなる。ガスバッ
グ保持板２１及び膨張器支持体４と一緒に、取り付け板
６及び帽子状の横断面を呈する補助のフランジ１９がボ
ルト２２により一緒にボルト止めされる。本発明に係る
取り付けシリンダ９は、その上方の自由リムにより取り
付け板６の内側リムに結合されて、それに垂直に起立し
ている。取り付けシリンダ９の下方のリムＬは外方へ突
出する脚部１４の外側リム１５に結合されている。

【００１０】ここで、図２を参照すると、取り付けシリ
ンダ９をモジュールの部品に結合する方法が拡大して詳
細に示されている。クランプ領域において、ガスバッグ
保持板２１、エアバッグ１のリム、膨張器支持体４、取
り付け板６及び補助のフランジ１９はそれぞれ上下に重
なって位置している。環状の取り付け板６の内側リム１
２は取り付けシリンダ９の上方リム１０に結合される。
膨張器２のハウジング７に設けられた取り付けフランジ
８はＬ字状の横断面を呈し、ハウジング７の壁に対して
同心的に延びる脚部１３と、これに対してほぼ直角に外
方へ突出している別の脚部１４とを具備し、その外端１
５は取り付けシリンダの下端１１に結合されている。

【００１１】取り付けシリンダ９の下方リム１１に形成
されたストッパ１６は取り付けフランジ８の外側リム１
５のためのものであり、この構成が構成部品の相互割り
当てを容易にする。ストッパは下方へ突出する壁部分１
７により形成される。取り付けシリンダ９の下方リム１
１に関連して、取り付けフランジと取り付けシリンダと
の相互接触位置は軸方向及び半径方向の双方において明
白に画定される。ほぼ帽子状の横断面を呈する補助フラ
ンジ１９は、中央のくぼみ２０を具備し、その直径は取
り付けフランジの外径よりも小さい。超過負荷のために
取り付けシリンダ９が破裂するか又は過剰圧迫された場
合、取り付けフランジ８の半径方向外方へ突出している
脚部１４は、補助フランジ１９の内側に当接して膨張器
２を支持し、取り付けシリンダ９が破壊された場合でさ
えもエアバッグモジュール内での膨張器の保持を維持す
る。更に、取り付けシリンダ９の下方リム１１は故意に
又は偶然に補助のフランジ１９と接触したときに内部を
周囲環境からシールするために使用することができる。

【００１２】図３の実施の形態によれば、膨張器２は吊
るされていないが、取り付けシリンダ内で起立してい
る。従って、膨張器の作動時に、（図２の実施の形態に
係る引っ張り力ではなく）押圧力が取り付けシリンダ９
上に作用する。押圧力は取り付けシリンダ９の応力を減
少させ、膨張時の取り付けシリンダの損傷の危険性を減
少させる。膨張器２の作動時に、膨張器は停止リング３
１に接触するまで軸方向に移動する。

【００１３】取り付けシリンダ９の（取り付けシリンダ
９が膨張器に取り付けられる）領域において、対応する
車両のドライブモード中に振動する膨張器２のための半
径方向のストッパが設けられている。この半径方向のス
トッパは半径方向に突出する壁部分１７と接触できるデ
ィフューザ１８の内側表面により画定される。

【００１４】車両のドライブモード中における突出して
いる円周方向に延びた壁部分１７とディフューザ１８と
の接触は、不快なノイズ（大きな音をたてる接触即ち音
が高いキスのようなノイズ）を生じさせることがある。
このノイズは、壁部分１７の外側円周表面において数個
の円周方向に変位したくぼみ３５を設けることにより回
避することができる。図４から分かるように、細長いく
ぼみが壁部分１７の円周表面の一部にわたって延びてい
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】エアバッグモジュールを通る断面図である。

【図２】図１の一部の拡大図である。

【図３】別の実施の形態に係るエアバッグモジュールの
１つの半部分を通る断面図である。

【図４】取り付けシリンダの突出する壁部分の外側円周
表面の展開図である。

【符号の説明】

２ 膨張器 ３ カバーキャップ ４ 膨張器支持体 ５ 結合手段 ６ 取り付け板 ７ ハウジング ８ 取り付けフランジ ９ 取り付けシリンダ １０ 上方リム １１ 下方リム １２ 内側リム １３、１４ 脚部 １５ リム １６ ストッパ １７ 壁部分 １８ ディフューザ １９ 補助のフランジ ２０ くぼみ ３５ くぼみ

Claims (19)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガスバッグ（１）と、膨張器（２）と、
   カバーキャップ（３）と、膨張器支持体（４）と、これ
   らの構成部品をモジュールとして相互に連結する手段
   （５）とを有する、車両のステアリングホイールのため
   のエアバッグモジュールにおいて、 上記膨張器支持体（４）上に配置された環状の取り付け
   板（６）と、 弾性材料で作られ、上記ステアリングホイールの軸線に
   平行に指向する取り付けシリンダ（９）と、を備え、 上記取り付けシリンダ（９）の自由リム（１０、１１）
   が、一方では上記取り付け板（６）に結合され、他方で
   は上記膨張器（２）に結合されることを特徴とする請求
   項１に記載の。
2. 【請求項２】 上記膨張器（２）が当該膨張器（２）の
   ハウジング（７）に結合された周辺取り付けフランジ
   （８）を有することを特徴とする請求項１に記載のエア
   バッグモジュール。
3. 【請求項３】 上記リム（１０、１１）が加硫により上
   記膨張器（２）及び上記取り付け板（６）に結合される
   ことを特徴とする請求項１又は２に記載のエアバッグモ
   ジュール。
4. 【請求項４】 上記リム（１０、１１）が接着により上
   記膨張器（２）及び上記取り付け板（６）に結合される
   ことを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の
   エアバッグモジュール。
5. 【請求項５】 上記リム（１０、１１）がクランプによ
   り上記取り付け板（６）及び上記取り付けフランジ
   （８）に結合されることを特徴とする請求項２に記載の
   エアバッグモジュール。
6. 【請求項６】 上記取り付け板（６）が上記ステアリン
   グホイールの軸線に垂直に配置されることを特徴とする
   請求項１ないし５のいずれかに記載のエアバッグモジュ
   ール。
7. 【請求項７】 上記取り付け板（６）の内側リム（１
   ２）が、上記膨張器（２）の上記ハウジング（７）を、
   同心状に且つ同ハウジングから離れた状態で取り囲んで
   いることを特徴とする請求項６に記載のエアバッグモジ
   ュール。
8. 【請求項８】 上記取り付けシリンダ（９）の上記上方
   リム（１０）が、上記取り付け板（６）の上記内側リム
   （１２）に結合され且つそこから垂直に起立しているこ
   とを特徴とする請求項７に記載のエアバッグモジュー
   ル。
9. 【請求項９】 上記膨張器（２）が、Ｌ字状の横断面を
   呈する取り付けフランジ（８）を有し、同取り付けフラ
   ンジは、上記ステアリングホイールの軸線に平行に延び
   るその脚部（１３）により上記膨張器（２）の上記ハウ
   ジング（７）に結合され、半径方向外方へ突出するその
   脚部（１４）のリム（１５）により上記取り付けシリン
   ダ（９）に結合されていることを特徴とする請求項１な
   いし８のいずれかに記載のエアバッグモジュール。
10. 【請求項１０】 上記取り付けシリンダ（９）が、その
    下方のリム（１１）に、上記膨張器（２）の取り付けフ
    ランジ（８）の上記リム（１５）のための環状のストッ
    パ（１６）を具備することを特徴とする請求項１ないし
    ９のいずれかに記載のエアバッグモジュール。
11. 【請求項１１】 上記取り付けシリンダ（９）が同取り
    付けシリンダを上記膨張器（２）に取り付ける領域を有
    し、同領域が半径方向のストッパと接触できる半径方向
    に突出している壁部分（１７）を有することを特徴とす
    る請求項１ないし９のいずれかに記載のエアバッグモジ
    ュール。
12. 【請求項１２】 上記突出している壁部分（１７）がそ
    の外側円周表面にくぼみを有することを特徴とする請求
    項１１に記載のエアバッグモジュール。
13. 【請求項１３】 上記くぼみが上記突出している壁部分
    （１７）の外側円周の一部にわたって延びることを特徴
    とする請求項１２に記載のエアバッグモジュール。
14. 【請求項１４】 上記取り付けシリンダ（９）が、その
    下方リム（１１）に、外方へ突出している壁部分（１
    ７）を具備し、上記ストッパ（１６）が上記壁部分（１
    ７）内に形成されていることを特徴とする請求項１０又
    は請求項１１ないし１３のいずれかに記載のエアバッグ
    モジュール。
15. 【請求項１５】 上記壁部分（１７）が上記取り付けシ
    リンダ（９）のほぼ壁厚だけ外方へ突出するように形成
    され、上記取り付けフランジ（８）の外径が、当該取り
    付けシリンダにおける外方へ突出していない部分の外径
    にほぼ等しいことを特徴とする請求項１４に記載のエア
    バッグモジュール。
16. 【請求項１６】 上記壁部分（１７）が、下方へ突出す
    るように形成され且つ内部をシールするために使用でき
    ることを特徴とする請求項１５に記載のエアバッグモジ
    ュール。
17. 【請求項１７】 上記膨張器（２）の上記ハウジング
    （７）の上方部分が、帽子状の横断面を呈し且つそのす
    べての側部で当該ハウジング（７）から離間維持された
    ディフューザ（１８）により取り囲まれていることを特
    徴とする請求項１ないし１６のいずれかに記載のエアバ
    ッグモジュール。
18. 【請求項１８】 上記膨張器（２）の上記ハウジング
    （７）の下方部分が、帽子状の横断面を呈し且つそのす
    べての側部で当該ハウジング（７）から離間維持され且
    つ中央のくぼみ（２０）を有する補助のフランジ（１
    ９）により取り囲まれており、上記くぼみ（２０）の直
    径が上記取り付けフランジ（８）の外径よりも小さいこ
    とを特徴とする請求項１７に記載のエアバッグモジュー
    ル。
19. 【請求項１９】 上記ディフューザ（１８）及び上記膨
    張器支持体（４）が金属シートの成形された区分により
    一体的に構成されていることを特徴とする請求項１ない
    し１８のいずれかに記載のエアバッグモジュール。