JP2008534892A - エアバッグインフレーターの振動ダンパ - Google Patents

Abstract

自動車のステアリングコラムなどにおいて、インフレーターをエアバッグモジュールに結合するための振動ダンパ。当該振動ダンパは、しなやかなで弾力性のある環状のダンパ部材を備えている。当該ダンパ部材は第１リング部材に結合されている第１端部、および、第２リング部材に結合されている、反対側の第２端部を有している。第１リング部材はダンパ部材から外側に延びた環状の縁を備え、環状の縁の外端において、内側に延びた戻り止めを有している。当該戻り止めはインフレーターの拡散器上に外側に延びた縁部にスナップフィットされるように構成されている。第２リング部材は、エアバッグモジュールに結合されるよう構成されている。

Description

発明の詳細な説明

〔発明の分野〕
本発明はエアバッグインフレーターのための振動ダンパに関し、より詳しくは、自動車のステアリングコラムにおいて、インフレーターとエアバッグモジュールとの間に位置する振動ダンパに関する。

〔関連技術の説明〕
自動車において、モーターの稼動中に移動するか、もしくはアイドリングする間に発生する振動は、多くの場合、ステアリングコラムへ伝わり、それからステアリングホイールに伝わる。ステアリングホイールの所でそれらの振動を弱まらせるため、そして、運転の快適性を向上するために、様々な種類の振動ダンパ装置がステアリングコラムの内部に組み込まれる。ある場合では振動ダンパ装置は、ステアリングコラムの内部に組み込まれたエアバックインフレーターの組立品と一体化されたり、他の場合では振動ダンパ装置は前述のエアバックインフレーターの組立品から分離されたりしている。

そのような振動ダンパ装置は、下記の１以上の不利点の影響を受けていた。：
１．振動ダンパ装置の構造が、複雑である；
２．振動ダンパ装置の設置が、困難である；
３．振動ダンパ装置の製造が、困難、および／または、高価である；
４．振動ダンパ装置の稼動が、信頼できない；ならびに／あるいは、
５．振動ダンパ装置が、ステアリングコラム内において、非常に多くのスペースを占有する。

本発明の振動ダンパは、上述した何れかの不利点の影響を受けず、且つ、先行技術における同じ一般型のダンパ装置には発見されないある種の利点を所有している。

〔発明の概要〕
本発明の振動ダンパは、任意の適した材料（例えば、ゴム、熱可塑性高分子弾性体、もしくは熱硬化性高分子弾性体）から形成された、しなやかで弾力性のある環状のダンパ部材を備えている。前記ダンパ部材は、円錐台の形式であってもよいし、円筒形であってもよいし、もしくは任意の他の適した形状であってもよい。任意の適した材料（例えば鋼もしくはアルミニウムなどの金属）から形成された、２つの十分に硬いリング部材が、任意の適した様式で、ダンパ部材の端に付着されている。説明のための実施例としてのダンパ部材は、リング部材に適合して形成されることがある。

リング部材のひとつは、１以上の内側に延びた戻り止め部を備えている。この戻り止め部は、スナップフィット（snap-fit）によってエアバッグインフレーターの拡散器と結合するように構成されている。前記拡散器は外側に延びた環状の縁部を有している。この環状の縁部は、インフレーターをダンパに連結させるために、１つのリング部材内に、戻り止め部（１または複数）と係合してスナップフィットされるように構成されている。

もうひとつのリング部材は、ステアリングコラムにおいて、ダンパとインフレーターとをエアバッグモジュールに結合するための、任意の適した形状または構造の取り付けフランジの形態である。前記ダンパの構造によって、インフレーターの運動をある程度自由にすることができる。その結果、ステアリングコラムにおける振動を弱まらせて、且つ、ステアリングコラム内部に別々のダンパシステムが必要とされることを解消することができる。本発明のダンパは、インフレーターの組立が完成した後に取り付けられるか、もしくは設置されることが可能である。その結果、インフレーターを製造する間に、場合によっては、インフレーターの外側に弾性材料が存在することによって引き起こされる、ヘリウム質量分析が不正確になりえることに関するどのような懸念も軽減される。

〔図面の簡単な説明〕
図１は、本発明の、振動ダンパの１実施の形態の斜視図である。

図２は、図１に示された振動ダンパの側面図である。

図３は、図１に示された振動ダンパの断面における側面図である。

〔発明の詳細説明〕
図１‐３を参照すると、本発明の振動ダンパ１０は、概略的には、しなやかで弾力性のある環状のダンパ部材１２を備えている。当該ダンパ部材１２の端には、それぞれ、十分硬い第１リング部材１４および第２リング部材１６が取り付けられている。振動ダンパ１０の目的は、自動車のステアリングコラムなどにおいて、ステアリングコラムの振動が弱くなるように、インフレーターの動作をある程度自由にさせるために、インフレーターをエアバッグモジュールに結合させることである。

図２、３に示されるように、ダンパ部材１２は、円錐台の形式であってもよいし、もしくは、任意の他の適した環状の形状（例えば円筒形など）を有していてもよい。ダンパ部材１２は、しなやかで弾力性のある任意の適した材料（例えばゴム、熱可塑性高分子弾性体、もしくは熱硬化性高分子弾性体）から形成されてもよい。

第１端部１８において、ダンパ部材１２は、十分に硬い任意の適した材料から形成された第１リング部材１４に、任意の適した様式で固定されている。上記十分に硬い任意の適した材料としては、例えばアルミニウム、もしくは鋼などの金属、あるいは例えば、ナイロン、ガラス繊維入りのナイロン、ポリプロピレン、もしくはガラス繊維入りのポリプロピレンなどの適切なプラスチック材料が挙げられる。図３に示されるように、第１リング部材１４は、内側に延びた環状フランジ２０、および、外側に延びた環状の縁２２を備えている。前記環状フランジ２０は、ダンパ部材１２の第１端部１８に結合されている。また、前記環状の縁２２は、その外端において、一般に、内側に放射状に延びた戻り止め部２４を有している。戻り止め部２４は連続していることがあるし、または、間隔の空いた部分から形成されることがある。ダンパ部材１２は、任意の適した様式で（例えば適合するように形成されること（molding）によって）、第１リング部材１４のフランジ２０に結合されている。

ダンパ部材１２の第２端部２６は、任意の適した様式で（例えば適合するように形成されることことによって）、第２リング部材１６に結合されている。第２リング部材１６は、任意の適した形状の取り付けフランジである。当該第２リング部材１６は、開口部２８を有していることがあり、これによりエアバッグモジュール（図示せず）と第２リング部材１６との結合が容易になる。第２リング部材１６は、任意の適した材料（例えばアルミニウムもしくは鋼などの金属、あるいは、ナイロン、ポリプロピレン、もしくはガラス繊維入りのポリプロピレンなどの適切なプラスチック）から形成されることがある。

図３に示されるように、エアバッグインフレーターは任意の適した構造の拡散器３０を備え、拡散器３０の内端において、一般的に、外側に放射状に延びた環状の縁部３２を有している。また、前記縁部３２は、第１リング部材１４の環状の縁２２内部に、戻り止め部２４と係合してスナップフィットされるように構成されている。縁部３２の内端がダンパ部材１２の第１端部１８に置かれ、且つ、縁部３２の外端が第１リング部材１４の戻り止め部２４と係合することができるように、縁部３２は湾曲していることがある。図３に示すように、拡散器３０の縁部３２の外端部の外径は、第１リング部材１４の縁部２２の内径とおおよそ同じである。これによれば、縁部３２上において第１リング部材１４をスナップフィットすること、および、拡散器３２をダンパ部材１２に結合するための縁部３２の外端と戻り止め部２４との係合が容易になる。拡散器３０の縁部３２は連続していることがあるし、または、間隔の空いた複数の部分から形成されることがある。

図２に示すように、第１リング部材１４の縁２２に、縁２２のしなやかさを増し、拡散器３０とダンパ部材１２とのスナップフィットを容易にするための、１以上のスロット３４が備えられていることがある。

上述の説明により、本発明が、簡素で効果的な振動ダンパを提供することが明らかである。前記振動ダンパは、インフレーターのエアバッグモジュールに関連した運動をある程度自由にして、ステアリングコラムにおける振動を弱めるために、前記振動ダンパはステアリングコラムに容易に設置されることがある。

現在のところ、最も実用的で、且つ、好ましい実施の形態であると考えられたものに関連して、本発明が述べられている。しかし、本発明は開示された実施の形態に限定されず、反対に、添付の請求項の精神および範囲内に含まれる、様々な改良と同等の構成とを包含することを意図されていることが理解される。

本発明の、振動ダンパの実施の形態の斜視図である。 図１に示された振動ダンパの側面図である。 図１に示された振動ダンパの断面における側面図である。

Claims (21)

1. 自動車のステアリングコラムなどにおいて、インフレーターをエアバッグモジュールに結合するための振動ダンパであって、前記振動ダンパは以下：
   第１端部、および、反対側の第２端部を有している、しなやかで弾力性のある環状のダンパ部材、前記ダンパ部材の第１端部に結合されている第１リング部材、ならびに、前記ダンパ部材の第２端部に結合されている第２リング部材、を具備しており、
   前記第１リング部材が、前記ダンパ部材から外側に延びた環状の縁を備えており、且つ、インフレーターにスナップフィットされるように構成された、内側に延びた戻り止め部を、環状の縁の外端において有しており、
   前記第２リング部材が、エアバッグモジュールに結合されるように構成される、振動ダンパ。
2. 前記ダンパ部材が円錐台の形状であり、前記第１端部が前記第２端部よりも小さい、請求項１に記載の振動ダンパ。
3. 前記ダンパ部材が、ゴム、熱可塑性高分子弾性体、もしくは熱硬化性高分子弾性体から形成される、請求項１に記載の振動ダンパ。
4. 前記第１リング部材の前記環状の縁が、隣接する前記ダンパ部材の外側表面と位置あわせされている、請求項１に記載の振動ダンパ。
5. 前記第１リング部材が内側に延びた環状フランジを前記縁の内端において有しており、当該フランジが前記ダンパ部材に結合されている、請求項４に記載の振動ダンパ。
6. 前記ダンパ部材の前記第１端部が、振動ダンパにスナップフィットされるというインフレーターと係合するための前記第１リング部材のフランジまで及んでいる、請求項５に記載の振動ダンパ。
7. 前記ダンパ部材が、前記第１リング部材、および、前記第２リング部材に適合して形成された、請求項１に記載の振動ダンパ。
8. 前記第１リング部材および前記第２リング部材が、硬い材料から形成されている、請求項１に記載の振動ダンパ。
9. 前記第２リング部材が、エアバッグモジュールと当該第２リング部材との結合を容易にするための複数の開口部を備えた、請求項１に記載の振動ダンパ。
10. 自動車のステアリングコラムなどにおけるエアバッグモジュールのためのインフレーターであって、前記インフレーターは以下：
    拡散器、および、当該拡散器に結合された振動ダンパを具備しており、
    前記拡散器は、その内端において、外側に延びた環状の縁部を有しており、
    前記振動ダンパは、第１端部、および、第２端部を有するしなやかで弾力性のある環状のダンパ部材、前記第１端部に結合されている第１リング部材、ならびに、前記第２端部に結合されている第２リング部材、を具備しており、
    前記第１リング部材が、前記ダンパ部材から外側に延びた環状の縁を備えており、且つ、前記拡散器の縁部にスナップフィットにより係合される、内側に延びた戻り止め部を、環状の縁の外端において有しており、
    前記第２リング部材はエアバッグモジュールに結合されるように構成される、インフレーター。
11. 前記ダンパ部材が円錐台の形状であり、前記第１端部が前記第２端部よりも小さい、請求項１０に記載のインフレーター。
12. 前記ダンパ部材が、ゴム、熱可塑性高分子弾性体、もしくは熱硬化性高分子弾性体から形成される、請求項１０に記載のインフレーター。
13. 前記第１リング部材の前記環状の縁が、隣接する前記ダンパ部材の外表面と位置あわせされている、請求項１０に記載のインフレーター。
14. 前記第１リング部材が内側に延びた環状フランジを前記縁の内端において有しており、当該フランジが前記ダンパ部材に結合されている、請求項１３に記載のインフレーター。
15. 前記ダンパ部材の前記第１端部が、前記拡散器の環状の縁部と係合するための前記第１リング部材のフランジまで及んでいる、請求項１４に記載のインフレーター。
16. 前記ダンパ部材が、前記第１リング部材、および、前記第２リング部材に適合して形成された、請求項１０に記載のインフレーター。
17. 前記第１リング部材および前記第２リング部材が、硬い材料から形成されている、請求項１０に記載のインフレーター。
18. 前記第２リング部材が、エアバッグモジュールと当該第２リング部材との結合を容易にするための複数の開口部を備えた、請求項１０に記載のインフレーター。
19. 前記第１リング部材の前記環状の縁が、当該環状の縁のしなやかさを増やすために、１以上のスロットを有している、請求項１０に記載のインフレーター。
20. 前記拡散器の前記環状の縁部が、湾曲するとともに、前記第１リング部材の前記戻り止め部と係合する外端部を有している、請求項１０に記載のインフレーター。
21. 前記拡散器の前記湾曲した縁部が、前記ダンパ部材の第１端部と係合している、請求項２０に記載のインフレーター。

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