JP2000219031A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2000219031A
JP2000219031A JP11023985A JP2398599A JP2000219031A JP 2000219031 A JP2000219031 A JP 2000219031A JP 11023985 A JP11023985 A JP 11023985A JP 2398599 A JP2398599 A JP 2398599A JP 2000219031 A JP2000219031 A JP 2000219031A
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damper
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air
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Yutaka Yamashita
豊 山下
Yasushi Ota
靖 太田
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Suzuki Motor Corp
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部環境に応じた快適な空調状態を得られる
車両用空調装置を提供すること。 【解決手段】 春夏や冬といった気温の差または雨や快
晴等といった日射量の差を条件として外部環境をパター
ン分けし、各パターン毎に目標吹出し温度と空気吹出口
のダンパ位置との関係を一対一に対応させて記憶させて
おく。外気温センサ21および日射センサ22により外
気温や日射量を検出し、現時点での外部環境がどのパタ
ーンに当てはまるかを求め、対応するパターンから目標
吹出し温度に対応するダンパ112,113の位置を求
め、外部環境に応じた空気吹出口115または116か
ら送風を行うようにする。エンジン起動直後の状態でも
外部環境に適した空気吹出口からの送風を得ることがで
き、快適な空調状態が保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調装置の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は車両用空調装置の機構部100の
一般的な構成例について示す模式図である。空気通路と
なるダクト101の上流部には、外部からの空気を取り
入れるための外気取入れ口102と車両内の循環空気を
取り入れるための内気取入れ口103とが設けられ、ア
クチュエータ104によって揺動されるインテークダン
パ105の回転角度に応じて、外気または内気、もしく
は、その混合気がダクト101内に取り入れられるよう
になっている。そして、ダクト101内に取り入れられ
た空気はモータ106で駆動されるブロアワファン10
7によって下流側に送られ、更に、冷却器となるエバポ
レータ108の配備された位置を通り、アクチュエータ
109で揺動されるミックスダンパ110でヒータコア
111側とバイパス側とに分流されて熱量を調整され、
最終的に、空気吹出口のダンパ112,113により空
気の出先を規制されて、空気吹出口を構成するベント吹
出口115やヒート吹出口116、あるいは、デフロス
タ吹出口114から車内に放出される。
【0003】空気吹出口のダンパ112,113は、ダ
ンパ112,113の揺動動作を連携させるためのリン
ク機構117を介してダンパ駆動手段としてのアクチュ
エータ118によって駆動される。また、空気吹出口の
ダンパ112,113の回転位置は、温度設定スイッチ
によって設定された設定温度や内気温センサの検出値に
基づいて算出された目標吹出し温度の値に応じて自動調
整されるようになっている。例えば、目標吹出し温度が
高い場合には一方の空気吹出口であるヒート吹出口11
6に空気を振り分ける位置(以下、この位置をヒート位
置という)に、また、必要吹出し温度が低い場合にはも
う一方の空気吹出口であるベント吹出口115の側に空
気を振り分ける位置(以下、この位置をベント位置とい
う)に、更に、必要吹出し温度が中程度の場合には、ヒ
ート吹出口116とベント吹出口115の双方に略均等
に空気を振り分ける位置(以下、この位置をバイレベル
位置という)に空気吹出口のダンパ112,113が移動
されるようになっている。
【0004】図6は、従来の車両用空調装置における空
気吹出口のダンパ112,113の回転位置の制御につ
いて概念的に示す線図である。この種の空調装置におい
ては、ダンパ112,113の不用意なハンチングを防
止する必要上、ダンパ位置の切り替え基準となる目標吹
出し温度に適当な不感帯が設定されるのが一般的であ
る。例えば、図6の例では、ベント位置とバイレベル位
置との間の切り替え基準となる温度にaからbに至る温度
幅の不感帯が設定され、また、バイレベル位置とヒート
位置との間の切り替え基準となる温度には、cからdに至
る温度幅の不感帯が設定されている。
【0005】これにより、車両用空調装置の定常運転中
に設定温度や内気温センサの検出値に基づいて自動的に
算出される目標吹出し温度が低温側から中温側に変化す
る場合にはb点付近の温度でダンパ112,113の回転
位置がベント位置からバイレベル位置に切り替わり、ま
た、目標吹出し温度が中温側から低温側に変化する場合
にはa点付近の温度でダンパ112,113の回転位置が
バイレベル位置からベント位置に切り替わる。これと同
様に、目標吹出し温度が中温側から高温側に変化する場
合にはd点付近の温度でダンパ112,113の回転位置
がバイレベル位置からヒート位置に切り替わり、また、
目標吹出し温度が高温側から中温側に変化する場合には
c点付近の温度でダンパ112,113の回転位置がヒー
ト位置からバイレベル位置に切り替わるようになってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の車両
用空調装置においては、定常運転中における目標吹出し
温度の現在値とその変化方向、要するに、目標吹出し温
度が以前に比べて高くなっているか、または、低くなっ
ているかに応じてダンパ112,113の回転位置が自
動制御されるだけであるため、目標吹出し温度の変化方
向を検知するために必要とされる過去の温度データを持
たない状態、つまり、エンジン起動直後の段階における
ダンパ112,113の回転位置の制御については格別
に考慮されていなかった。従って、エンジン起動直後の
段階では、算出された目標吹出し温度の値が同じであっ
てもダンパ112,113の揺動位置は2つの異なる態
様をとる可能性があり、最終的な回転位置が定まらなく
なるといった問題がある。例えば、エンジン起動直後に
算出された目標吹出し温度の値がa点からb点の間の不感
帯の範囲にある場合、前回にエンジンを停止したときに
ダンパ112,113がベント位置にあればダンパ11
2,113は外部環境とは関わり無くそのままベント置
に保持され、また、これとは逆に、前回にエンジンを停
止したときにダンパ112,113がバイレベル位置に
あったとすれば、ダンパ112,113は外部環境とは
関わり無くそのままバイレベル位置に保持されることに
なる。
【0007】そこで、このような曖昧な問題が発生する
のを回避するため、不感帯となる温度幅に対応させてエ
ンジン起動直後のダンパ112,113の揺動位置を強
制的に決めるようにした車両用空調装置が提案されてい
る。例えば、目標吹出し温度がa点からb点の範囲にあれ
ば、他の要因とは関わりなく、必ずダンパ112,11
3をベント位置に移動させ、また、目標吹出し温度がc
点からd点の範囲にあれば、必ずダンパ112,113を
ヒート位置に移動させるようにしている。しかし、この
ような構成を採用すると、季節や天候または昼夜の別等
の要因を加味してダンパ112,113の回転位置を調
整することができず、例えば、ベント吹出口115から
の送風が欲しいにも関わらずヒート吹出口116から風
が吹き出す等といった快適さに欠ける選択がなされると
いった問題が生じる。
【0008】そこで、このような問題に対処すべく、前
回のイグニッション停止時の内気温を記憶しておき、こ
の値を用いてエンジン起動直後の目標吹出し温度の算出
処理を実施するようにした装置が特開平5−16996
1号等として提案されているが、車両を長時間に亘って
駐車していたような場合には、イグニッション停止時の
内気温が現在の外部環境に対応しているとは限らず、ダ
ンパ112,113の回転位置を外部環境と無関係に規
制することによって生じる問題が依然として残る。
【0009】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、前記従来技術
の欠点を解消し、エンジン起動直後の段階においても外
部環境に応じた快適な空調状態を得ることのできる車両
用空調装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、目標とする吹
出し温度に応じて空気吹出口のダンパ位置を求める主制
御部と、主制御部で求められた位置にダンパを移動させ
るダンパ駆動手段とを有する車両用空調装置において、
前記主制御部に、外部環境を検出するための外部環境検
出手段と、外部環境に対応させて目標吹出し温度と空気
吹出口のダンパ位置との関係を記憶したダンパ動作条件
記憶手段と、前記外部境環検出手段により検出された外
部環境と目標吹出し温度とに基づいて前記ダンパ動作条
件記憶手段から現在の外部環境および目標吹出し温度に
対応する空気吹出口のダンパ位置を求めるダンパ位置演
算手段とを備えたことを特徴とする構成により前記目的
を達成した。実際の外部環境に対応した目標吹出し温度
と空気吹出口のダンパ位置との関係に基づいてダンパ位
置が一義的に求められるので、エンジン起動直後の状態
であっても、外部環境と目標吹出し温度との組み合わせ
に最も適した位置に空気吹出口のダンパを移動させるこ
とができる。
【0011】また、車両内の温度が安定化した定常運転
時においては外部環境が目標吹出し温度の変化に与える
影響は必ずしも大きくはないので、エンジン起動直後の
場合に限って実際の外部環境と目標吹出し温度とに基づ
いてダンパ位置を求めるようにし、その後の定常運転時
においては、従来と同様、目標吹出し温度と空気吹出口
のダンパ位置との関係にのみ基づいて吹出口のダンパ位
置を求めるようにしてもよい。
【0012】外部環境検出手段としては、外気温センサ
や日射センサ等を採用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。図3は本実施形態の車両用空調装
置の制御部1の概略を示すブロック図である。車両用空
調装置の機構部自体の構成に関しては既に図5に示した
機構部100と同様であり、ダクト101の上流側に外
気取入れ口102および内気取入れ口103が設けら
れ、また、下流側にはデフロスタ吹出口114と、空気
吹出口となるベント吹出口115およびヒート吹出口1
16とが設けられている。従来の技術の項でも述べた通
り、インテークダンパ105およびミックスダンパ11
0や空気吹出口のダンパ112,113は電磁ソレノイ
ド等で構成されるアクチュエータ104,109,118
で駆動されるようになっている。
【0014】図3に示す通り、制御部1は、R0MやRAM
等を備えた1チップ型のマイクロプロセッサで構成され
る主制御部2(以下、MPUという)を有し、車両用空調装
置の機構部100に設けられたブロアワファン107を
回転駆動するモータ106、インテークダンパ105を
揺動するアクチュエータ104、ミックスダンパ110
を揺動するためのアクチュエータ109、リンク機構1
17を介して空気吹出口のダンパ112,113を揺動
させるためのアクチュエータ118の各々が夫々の駆動
回路3,4,5,6を介してMPU2によって駆動制御され
る。
【0015】また、ミックスダンパ110を揺動するた
めのアクチュエータ109および空気吹出口のダンパ1
12,113を揺動させるためのアクチュエータ118
には、各々のアクチュエータの回転位置、即ち、ミック
スダンパ110の回転位置や空気吹出口のダンパ11
2,113の回転位置を検出するためのミックスダンパ
位置検出センサ7と吹出口ダンパ位置検出センサ8が設
けられ、各々の信号処理回路9,10を介してミックス
ダンパ110および空気吹出口のダンパ112,113
の揺動位置がMPU2によって検出されるようになってい
る。
【0016】エバポレータ108はコンプレッサ11と
共に車両用空調装置の冷却器部分を構成し、駆動回路1
2を介してMPU2によりON/OFF制御される。また、エバ
ポレータ108には熱電対等によって構成されるエバポ
温センサ13が配備され、信号処理回路14を介してエ
バポレータ108の現在温度がMPU2によって検出され
るようになっている。
【0017】また、イグニッションスイッチ15を作動
させたときに出力される起動信号やダッシュパネルに配
備された各種パネルスイッチ16からの信号、および、
温度設定スイッチ17に目標値として設定された設定温
度は、各々の信号処理回路18,19,20を介してMPU
2に入力され、更に、車両の外部環境を検出するために
配備された外気温センサ21と日射センサ22からの信
号も各々の信号処理回路23,24を介してMPU2に入力
されるようになっている。同様にして、エンジン冷却水
の現在温度を検出する水温センサ25および車両室内の
温度を検出する内気温センサ26からの信号は各々の信
号処理回路27,28を介してMPU2に入力される。
【0018】また、MPU2は表示回路29を介して表示
パネル30の表示状態を制御し、温度設定スイッチ17
によって設定された目標温度、および、内気温度の現在
値やエンジン冷却水の現在値等を表示する。
【0019】図1は主制御部となるMPU2によって形成
される機能実現手段の概要を示すブロック図である。こ
れらの要素のうち、内気温センサ26,温度設定スイッ
チ17、および、目標吹出し温度演算手段31と定常運
転用ダンパ位置演算手段32、ならびに、目標揺動位置
設定手段33とダンパ112,113の駆動手段となる
アクチュエータ118の駆動回路6の構成に関しては既
に公知である。即ち、車両用空調装置の定常運転時にお
いては、外気温センサ21によって検出される外気温度
と日射センサ22によって検出される単位時間当たりの
日射量ならびに内気温センサ26によって検出される車
両内の室温と、目標値として温度設定スイッチ17に設
定された設定温度とに基づいて、目標吹出し温度演算手
段31が、従来と同様にして、車両の室内温度を目標設
定値に一致させるために必要とされる目標吹出し温度の
値を算出するようになっている。そして、算出された目
標吹出し温度の値に基づいて、定常運転用ダンパ位置演
算手段32が、図6に示されるような線図に従って目標
吹出し温度に対応する空気吹出口のダンパ112,11
3の回転位置をベント位置にするかバイレベル位置にす
るか、または、ヒート位置にするかを選択することにな
る。
【0020】しかし、従来の技術の項でも述べた通り、
エンジン起動直後の状態で目標吹出し温度が不感帯に含
まれる場合、例えば、図6のa点からb点の範囲にあるよ
うな場合には、その時点で空気吹出口のダンパ112,
113の揺動位置がベント位置となっているかバイレベ
ル位置となっているかは前回にエンジンを停止した時の
状態に依存して様々に変化し、一貫性がないので、更
に、目標揺動位置設定手段33が予め設定された優先順
位に従って最終的なダンパ112,113の揺動位置を
決める必要があった。例えば、目標吹出し温度が図6の
a点からb点の範囲内にあるときには必ずダンパ112,
113を強制的にベント位置に移動させるといった具合
である。
【0021】そして、従来技術によれば、最終的に目標
揺動位置設定手段33によって確定された位置への移動
指令がアクチュエータ118の駆動回路6に出力され、
定常用ダンパ位置演算手段32および目標揺動位置設定
手段33によって特定された位置へと空気吹出口のダン
パ112,113が揺動されるようになっていた。
【0022】ところが、このような構成の場合、目標揺
動位置設定手段33が予め設定された優先順位にのみ従
って最終的なダンパ112,113の揺動位置を単純に
特定するので、目標吹出し温度が不感帯に含まれるよう
な場合には、ベント吹出口115からの風が欲しいにも
関わらずヒート吹出口116からの風のみが吹き出る等
といった問題が発生する場合がある。
【0023】そこで、本実施形態においては、更に、エ
ンジン起動直後の状態であるか否かを判定するための判
定手段34と、外部環境を考慮して空気吹出口のダンパ
112,113の回転位置を決めるための起動時用ダン
パ位置演算手段35とを設け、エンジン起動直後の場合
に限り、定常用ダンパ位置演算手段32を無視し、外気
温センサ21と日射センサ22で検出される外部環境と
目標吹出し温度演算手段31で算出された目標吹出し温
度とに基づいて起動時用ダンパ位置演算手段35でダン
パ112,113の回転位置を特定するようにしてい
る。
【0024】次に、外気温センサ21と日射センサ22
により外部環境を特定して空気吹出口のダンパ112,
113の回転位置を決めるための原理について図2(b)
〜図2(d)に例を挙げて示す。なお、図2(a)に示す定常
運転時のための線図は図6のものと同様である。
【0025】まず、図2(b)に示すのは、外気温センサ
21と日射センサ22とによって春または夏に相当する
外部環境を検出する場合の判別基準であり、この例で
は、単純に、外気温センサ21によって検出される外気
温が設定値t1よりも高い状態を春または夏として判定
するようにしている。このような環境下においては車内
をより涼しい状態に維持することが望まれるので、図2
(b)に示すように、ベント位置からバイレベル位置への
切替温度b1およびバイレベル位置からヒート位置への
切替温度d1の各々を相対的に高い温度に設定し、低温
側のダンパ位置が優先的に使用されるような設定にして
いる。
【0026】また、図2(c)に示すのは、冬の季節の夜
または雨が降った状態に相当する外部環境を検出する場
合の判別基準であり、外気温センサ21によって検出さ
れる外気温が設定値t1よりも低く、かつ、日射センサ
22によって検出される日射量が設定値u1よりも低い
状態がこの判別基準に合致する。このような環境下にお
いては、一般に車内をより暖かい状態に維持することが
望まれるので、ベント位置からバイレベル位置への切替
温度b2およびバイレベル位置からヒート位置への切替
温度d2の各々を相対的に低い温度に設定し、高温側の
ダンパ位置を優先する。
【0027】更に、図2(d)に示すのは、外気温センサ
21と日射センサ22とによって冬の快晴の日に相当す
る外部環境を検出する場合の判別基準であり、外気温セ
ンサ21によって検出される外気温が設定値t1よりも
低く、かつ、日射センサ22で検出される日射量が設定
値u2よりも高い状態がこの判別基準に合致する。この
ように、外気温自体は低くても日射量が多いような場合
には、密封された室内の温度が上昇しているので涼しい
風が欲しい場合が多く、また、ダンパ112,113を
バイレベル位置として風を体に受けたいことも多いの
で、ベント位置からバイレベル位置への切替温度b3は
図2(c)の場合に比べて高く、つまり、相対的にバイレ
ベルのダンパ位置を優先して使用する設定とし、また、
風が体にあたるバイレベルの吹出し状態を幅の広い温度
範囲に亘って保持する必要上、バイレベル位置からヒー
ト位置への切替温度d3も高めに設定している。
【0028】つまり、図2(b)〜図2(d)に示す線図の各
々は、“春または夏”,“冬の夜または雨”,“冬の快
晴”の外部環境に対応させて目標吹出し温度と空気吹出
口のダンパ位置との関係を一対一に記憶したダンパ動作
条件記憶手段であり、また、図2(a)に示す線図は、外
部環境とは無関係に目標吹出し温度と空気吹出口のダン
パ位置との関係を記憶した定常運転用のダンパ動作条件
記憶手段である。なお、“春または夏”,“冬の夜また
は雨”,“冬の快晴”の他にも、外気温センサ21や日
射センサ22で検出されるデータの組み合わせを利用し
て他の環境を特定することができ、更には、湿度計等の
別の外部環境検出手段を付加して温度や日射量以外のデ
ータを検出することにより一層くわしく環境を特定する
ことも可能であって、このように環境を3つのパターン
に分類するのは一例に過ぎない。また、判定基準となる
温度の設定値t1や日射量の設定値u1の値は、適当な実
験を行うことによって、快適な吹出し条件を達成するた
めの値を求めることができる。
【0029】起動時用ダンパ位置演算手段35は、エン
ジン起動直後であるか否かを判定する判定手段34から
の信号を受けてエンジンの起動時に1回のみ動作して、
前述した目標吹出し温度演算手段31によって算出され
た目標吹出し温度と外部環境検出手段を構成する外気温
センサ21および日射センサ22で検出されたデータと
に基づいて現在の外部環境を特定し、図2(b)〜図2(d)
の何れかのダンパ動作条件記憶手段を選択して現在の外
部環境および目標吹出し温度に対応する空気吹出口のダ
ンパ112,113の位置を求めるダンパ位置演算手段
である。
【0030】以下、所定周期毎に繰り返し実行されるMP
U2の処理動作の概略を示す図4のフローチャートを参
照して、前述した各々の機能実現手段の実質的な動作に
ついて説明する。
【0031】所定周期毎の処理を開始したMPU2は、ま
ず、この処理周期がエンジン起動直後のものであるか否
かをイグニッションスイッチ15からの起動信号の入力
の有無によって判定し(ステップS1)、エンジン起動直
後であれば、まず、目標吹出し温度温度演算手段として
のMPU2が、外気温センサ21,日射センサ22および内
気温センサ26からの検出データに基づいて従来と同様
にして目標吹出し温度を算出し(ステップS2)、更に、
起動用ダンパ位置演算手段としてのMPU2は、外部環境
検出手段としての外気温センサ21および日射センサ2
2からの検出データに基づいて、現在の外部環境が“春
または夏”,“冬の夜または雨”,“冬の快晴”のいずれ
の環境に相当するかを判別する。
【0032】前述した通り、外気温センサ21によって
検出される外気温が設定値t1よりも高ければ現在の外
部環境は“春または夏”の環境に相当し(ステップS
3)、外気温センサ21によって検出される外気温が設
定値t1よりも低く、かつ、日射量が設定値u1よりも高
ければ現在の外部環境は“冬の快晴”に相当し(ステッ
プS4)、また、外気温センサ21によって検出される外
気温が設定値t1よりも低く、かつ、日射量が設定値u1
よりも低ければ現在の外部環境は“冬の夜または雨”の
外部環境に相当するものとして判定される。
【0033】そこで、ステップS3の判別結果が真とな
った場合、即ち、現在の外部環境が“春または夏”の環
境に相当するものとして判定された場合には、MPU2は
図2(b)に示されるような線図を選択し、この線図に基
づいて現在の目標吹出し温度に対応するダンパ位置を求
めることになる(ステップS5)。つまり、現在の外部環
境が“春または夏”の環境に相当する場合には、目標吹
出し温度がb1以下であれば運転開始時におけるダンパ
112,113の位置はベント位置、また、目標吹出し
温度がb1からd1の範囲内にあればダンパ112,11
3の位置はバイレベル位置、また、目標吹出し温度がd
1以上であればダンパ112,113の位置はヒート位
置ということになる。また、ステップS3の判別結果が
偽でステップS4の判別結果が真となった場合、即ち、
現在の外部環境が“冬の快晴”の環境に相当するものと
して判定された場合には、MPU2は図2(d)に示されるよ
うな線図を選択し、この線図に基づいて現在の目標吹出
し温度に対応するダンパ位置を求めることになる(ステ
ップS6)。つまり、現在の外部環境が“冬の快晴”の環
境に相当する場合には、目標吹出し温度がb3以下であ
れば運転開始時におけるダンパ112,113の位置は
ベント位置、また、目標吹出し温度がb3からd3の範囲
内にあればダンパ112,113の位置はバイレベル位
置、また、目標吹出し温度がd3以上であればダンパ1
12,113の位置はヒート位置ということである。そ
して、ステップS3およびステップS4の判別結果が共に
偽となった場合、即ち、現在の外部環境が“冬の夜また
は雨”の環境に相当するものとして判定された場合に
は、MPU2は図2(c)に示されるような線図を選択し、こ
の線図に基づいて現在の目標吹出し温度に対応するダン
パ位置を求めることになる(ステップS7)。つまり、現
在の外部環境が“冬の夜または雨”の環境に相当する場
合には、目標吹出し温度がb2以下であれば運転開始時
におけるダンパ112,113の位置はベント位置、ま
た、目標吹出し温度がb2からd2の範囲内にあればダン
パ112,113の位置はバイレベル位置、また、目標
吹出温度がd2以上であればダンパ112,113の位置
はヒート位置ということである。
【0034】このようにして、起動時用ダンパ位置演算
手段35の機能を実現するためのステップS3乃至ステ
ップS7の処理を実施したMPU21は、次いで、予め設定
された優先順位に従って最終的なダンパ112,113
の回転位置を決める目標揺動位置設定手段33としての
目標揺動位置決定処理を従来と同様にして実施すること
になるが(ステップS8)、この場合、ダンパ112,11
3の回転位置はステップS3乃至ステップS7の処理によ
って既に一義的に決定されているので、ステップS8の
処理を実施してもステップS5乃至ステップS7の処理で
求められた演算結果に変化が生じることはなく、MPU2
は、ステップS5乃至ステップS7の何れかの処理で求め
られた回転位置にダンパ112,113を移動させるた
めの指令を駆動回路6に出力し、アクチュエータ118
を駆動してダンパ112,113を目標位置に移動させ
て(ステップS9)、この周期の処理を終了する。
【0035】以上に述べた通り、本実施形態において
は、エンジン起動直後に実施されるMPU2の処理によっ
て外気温センサ21および日射センサ22を用いて外部
環境を検出し、外部環境に対応した線図を選択して目標
吹出し温度に対応するダンパ112,113の回転位置
を一義的に決定するようにしているので、運転開始時に
おけるダンパ112,113の位置が前回にエンジンを
停止したときのダンパ位置による制限を受けたり、また
は、前回のエンジン停止時の外部環境の影響を引きずっ
たりすることなく、飽くまで、改めてエンジンを起動す
るときの外部環境に対応した快適な位置に空気吹出口の
ダンパ112,113を移動させることができるように
なる。
【0036】図4に示す処理はMPU2によって所定周期
毎に繰り返し実行されるが、ステップS2乃至ステップS
7の処理が実行されるのはステップS1の判定処理でエ
ンジン起動直後と判定された場合だけであり、空調の安
定した常運転時の場合においては、従来と同様に、定常
運転用のダンパ動作条件記憶手段に記憶された図2aお
よび図6に示されるような定常運転用の線図に基づい
て、定常運転用ダンパ位置演算手段32としてのMPU2
が、ステップS10の処理によってダンパ112,113
の回転位置を求め、従来と同様に、ステップS8の目標
揺動位置決定処理によって決定された位置にダンパ11
2,113が移動されることになる。つまり、起動用ダ
ンパ位置演算手段35によって求められるのはエンジン
起動時における空気吹出口のダンパ112,113の最
初の位置のみであり、この位置を初期位置として、その
後のダンパ112,113の位置は、図2aおよび図6に
示されるような定常運転用の線図に基づいて従来と同様
に制御されるのである。
【0037】以上、一実施形態として外気温センサ21
および日射センサ22を外部環境検出手段として用いる
場合の例について述べたが、湿度計等の別の外部環境検
出手段を付加することによって更に厳密に外部環境を特
定するようにしてもよく、外部環境を3種以上のパター
ンに分けて、その各々にダンパ動作条件記憶手段となる
様々な特性の線図を対応させて記憶させることもでき
る。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、エンジン起動直後の段
階においても、季節の相違や寒暖の差および昼夜の別等
の外部環境の違いに対処し、所望する目標吹出し温度に
最も適した位置に空気吹出口のダンパを移動させて送風
対象となる空気吹出口を選択することができる。従っ
て、従来のようにベント吹出口からの送風が欲しいにも
関わらずヒート吹出口から風が吹き出す等といった不快
な状態を解消することができ、快適な室内環境を維持す
ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態で採用した機能実現手段の
概要を示すブロック図である。
【図2】外部環境に対応させて目標吹出し温度と空気吹
出口のダンパ位置との関係を記憶したダンパ動作条件記
憶手段の一例を示す概念図であり、(a)は定常運転時の
環境、(b)は春または夏の環境、(c)は冬の夜または雨の
環境、(d)は冬の快晴の環境に対応するダンパ動作条件
を示している。
【図3】車両用空調装置の制御部の構成を概略で示すブ
ロック図である。
【図4】車両用空調装置の主制御部による処理の概略を
示すフローチャートである。
【図5】車両用空調装置の一般的な構成例を示す模式図
である。
【図6】従来の車両用空調装置の空気吹出口のダンパの
位置制御を概念的に示す線図である。
【符号の説明】
1 車両用空調装置の制御部 2 主制御部(MPU) 8 吹出口ダンパ位置検出センサ 15 イグニッションスイッチ 17 温度設定スイッチ 21 環境検出手段としての外気温センサ 22 環境検出手段としての日射センサ 31 目標吹出し温度演算手段 32 定常運転用ダンパ位置演算手段 33 目標揺動位置設定手段 34 判定手段 35 起動時用ダンパ位置演算手段 112 空気吹出口のダンパ 113 空気吹出口のダンパ 115 空気吹出口となるベント吹出口 116 空気吹出口となるヒート吹出口 118 ダンパ駆動手段としてのアクチュエータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標とする吹出し温度に応じて空気吹出
    口のダンパ位置を求める主制御部と、主制御部で求めら
    れた位置にダンパを移動させるダンパ駆動手段とを有す
    る車両用空調装置において、 前記主制御部が、外部環境を検出するための外部環境検
    出手段と、外部環境に対応させて目標吹出し温度と空気
    吹出口のダンパ位置との関係を記憶したダンパ動作条件
    記憶手段と、前記外部境環検出手段により検出された外
    部環境と目標吹出し温度とに基づいて前記ダンパ動作条
    件記憶手段から現在の外部環境および目標吹出し温度に
    対応する空気吹出口のダンパ位置を求めるダンパ位置演
    算手段とを備えたことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 目標とする吹出し温度に応じて空気吹出
    口のダンパ位置を求める主制御部と、主制御部で求めら
    れた位置にダンパを移動させるダンパ駆動手段とを有す
    る車両用空調装置において、 前記主制御部が、エンジン起動直後の状態であるか否か
    を判定する判定手段と、外部環境を検出するための外部
    環境検出手段と、外部環境に対応させて目標吹出し温度
    と空気吹出口のダンパ位置との関係を記憶した起動時用
    のダンパ動作条件記憶手段と、外部環境とは無関係に目
    標吹出し温度と空気吹出口のダンパ位置との関係を記憶
    した定常運転用のダンパ動作条件記憶手段と、エンジン
    起動直後に前記外部境環境検出手段により検出された外
    部環境と目標吹出し温度とに基づいて前記起動時用のダ
    ンパ動作条件記憶手段から現在の外部環境および目標吹
    出し温度に対応する空気吹出口のダンパ位置を求めるダ
    ンパ位置演算手段とを備え、該ダンパ位置演算手段は、
    更に、定常運転時に前記定常運転用のダンパ動作条件記
    憶手段から現在の目標吹出し温度に対応する空気吹出口
    のダンパ位置を求める機能を有するものであることを特
    徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記外部環境検出手段が外気温センサお
    よび日射センサによって構成されていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の車両用空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017140883A (ja) * 2016-02-08 2017-08-17 株式会社デンソー 車両用空調装置

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JP2017140883A (ja) * 2016-02-08 2017-08-17 株式会社デンソー 車両用空調装置

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