JP2000218817A - 印刷装置、インク残量監視方法、および記録媒体 - Google Patents

印刷装置、インク残量監視方法、および記録媒体

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JP2000218817A JP8080799A JP8080799A JP2000218817A JP 2000218817 A JP2000218817 A JP 2000218817A JP 8080799 A JP8080799 A JP 8080799A JP 8080799 A JP8080799 A JP 8080799A JP 2000218817 A JP2000218817 A JP 2000218817A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク収容器内のインクを吐出して画像を印
刷する印刷装置において、収容器内のインク使用量の算
出精度を向上させる。 【解決手段】 インク滴1滴当たりの重量たるインク滴
重量を、基準条件で予め計測しておく。画像の印刷時に
際しては、インク滴重量に影響を与える種々の条件であ
るインク供給条件を検出し、吐出したインク滴数を計数
する。インク滴重量にインク滴数を乗算してインク使用
量を算出する際に、検出したインク供給条件と基準条件
との違いを補正しながらインク使用量を算出する。この
ようにインク吐出条件を考慮しながらインク使用量を算
出しているので、インク使用量の算出精度を向上させる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、記録媒体上にイ
ンク滴を吐出して画像を印刷する技術に関し、詳しくは
該インクを収容するインク収容器内のインク残量を正確
に監視する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】記録媒体上にインク滴を吐出して画像を
印刷する印刷装置は、コンピュータ等が出力する各種画
像の出力装置として広く使用されている。これら印刷装
置は、インク収容器に収容されたインクを用いてインク
滴を吐出しているため、インク収容器内のインクを使い
切ってしまうと画像を印刷することができなくなる。
【0003】そこで、インク収容器内のインク残量を監
視する技術が開発されている。そのような技術の1つと
して、インク収容器にセンサを設けてインク残量を監視
する技術が存在する。この技術を用いた場合、センサを
設置しなければならないが、インク残量を直接監視する
ことができる。また、インク滴の吐出数に、予め計測し
ておいたインク滴1滴あたりの重量を乗算してインクの
使用量を算出し、算出したインク使用量からインク収容
器内のインク残量を推定するという技術も知られてい
る。印刷装置はコンピュータの制御の下でインク滴を吐
出しているから、インク滴の総吐出数を制御用コンピュ
ータで計数することは容易であり、かかる技術を用いれ
ば、センサ等を設けることなくインク残量を監視するこ
とができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
方法を用いてインク残量を監視する場合、実際のインク
残量と計算上のインク残量とに誤差が生じることがある
という問題があった。もとより、ノズルから吐出される
インク滴の大きさは、吐出されるインクの粘度が違えば
変わってくることが知られていた。吐出されるインクの
温度の違いによって粘度が変化することを考慮し、イン
ク残量の算出精度を向上させる試みも存在したが、依然
として十分な精度を得ることはできなかった。
【0005】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、インク使用量を
正確に見積もることによって、インク収容器内のインク
残量を精度良く監視する技術を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第
1の印刷装置は、次の構成を採用した。すなわち、イン
ク滴を吐出するインク吐出ヘッドと該インクを所定量収
容可能なインク収容器とを備え、該ヘッドがインク滴を
吐出してインクドットを形成することにより、印刷媒体
上に画像を印刷する印刷装置であって、前記インク吐出
ヘッドへのインクの供給に影響を与える条件たるインク
供給条件を検出する供給条件検出手段と、前記インク供
給条件の中の所定条件において前記インク吐出ヘッドか
ら吐出されるインク滴当たりの重量を、単位インク量と
して予め記憶しておくインク量記憶手段と、所定期間内
に吐出されるインク滴数に対応する値たるインク吐出数
を計数するインク吐出数計数手段と、該計数されたイン
ク吐出数と前記記憶されたインク量と前記検出されたイ
ンク供給条件とに基づいて、前記所定期間内に吐出され
るインク吐出量を算出する吐出量算出手段と、前記イン
ク吐出量を累積し、該累積値と前記所定のインク収容量
とを用いて、前記インク収容器のインク残量を監視する
インク残量監視手段とを備えることを要旨とする。
【0007】また、上記第1の印刷装置に対応する本発
明のインク残量監視方法は、インク滴を吐出するインク
吐出ヘッドと該インクを所定量収容可能なインク収容器
とを備え、該ヘッドがインク滴を吐出してインクドット
を形成することにより印刷媒体上に画像を印刷する印刷
装置で用いられ、該インク収容器のインク残量を監視す
るインク残量監視方法であって、前記インク吐出ヘッド
へのインクの供給に影響を与える条件たるインク供給条
件を検出し、所定期間内に吐出されるインク滴数に対応
する値たるインク吐出数を計数し、該計数されたインク
吐出数と、前記インク供給条件の中の所定条件において
吐出されるインク滴当たりの重量と、前記検出されたイ
ンク供給条件とを用いて、前記所定期間内に吐出される
インク吐出量を算出し、該算出されたインク吐出量を累
積し、前記インク吐出量の該累積値と前記所定のインク
収容量とを用いて、前記インク収容器のインク残量を監
視することを要旨とする。
【0008】本願の発明者は吐出されるインク滴の重量
あるいは体積が、インク滴を吐出する際の種々の条件の
うち、特にインクの供給に関わる条件によって左右され
ていることを見い出して、本願発明を完成させた。そこ
で、本願の印刷装置およびインク残量監視方法の作用・
効果について説明する前に、本願発明者が見い出した現
象すなわちインク滴を吐出する際の種々の条件のうち、
インクの供給に関わる条件によって、インク滴重量ある
いはインク滴体積が変化する現象について説明する。
【0009】図27(a)は、記録媒体上にインクドッ
トを形成して画像を印刷する印刷装置において、インク
滴を吐出する代表的な機構を概念的に示す説明図であ
る。図示するように、インク滴吐出機構の基本的な構成
は、インク収容器から供給されたインクを一時的に貯め
ておくインク室Aと、インク滴を吐出するノズルBと、
インク室AとノズルBとをつなぐインク通路Cと、イン
ク収容器内のインクをインク室Aに供給するインク供給
通路Dと、インク室内の圧力を高めるためのアクチュエ
ータEとから構成されている。アクチュエータEはイン
ク室Aの圧力を高める手段であれば他の手段を使用する
こともでき、例えばヒータでインクを加熱してインク中
に泡(バブル)を生成させてインク室内圧力を高める手
段が用いられる場合もある。また、図27(a)では、
インク通路Cおよびインク供給通路Dの通路抵抗をそれ
ぞれオリフィスCo,Doで模式的に表現している。
【0010】図27(a)に示すようなインク吐出機構
において、アクチュエータEを駆動してインク室Aの圧
力を高め、オリフィスCoの前後に差圧を発生させる
と、オリフィスCoをインクが通過してノズルBからイ
ンク滴が吐出される。インク滴を吐出した後は、吐出し
たインク量相当のインクを供給してインク室Aをインク
で満たし、次のインク吐出に備えなければならない。し
かし供給されるインクの温度が低いとインクの粘度が大
きくなり、インク供給通路Dをインクが流れ難くなっ
て、インク室Aへのインクの供給が間に合わなくなる場
合がある。インク室Aにインクが満たされていない状態
でインクを吐出すれば、ノズルBからは小さなインク滴
が吐出される。
【0011】インク室に供給されるインクの粘度に影響
を与える要因は、供給されるインクの温度だけに限られ
ない。例えば、インクの種類が違えばインクの組成も違
うので、通常、インクの粘度は異なってくる。また、長
い間使用する間にインク中の揮発成分が徐々に揮発し
て、インクの粘度が増加する場合も生じ得る。
【0012】また、インク収容器内のインク残量の変化
によっても、インク滴の大きさは変動する場合がある。
この理由について、以下に簡単に説明する。
【0013】ノズルBは、図27(b)に示すように、
インクを吐出しない状態ではノズルBに形成されるイン
クの界面(Me)が若干内側に引き込まれた状態になる
ように設計される。これは、不必要な時にノズルからイ
ンクが漏れ出すこと等を避けるためである。ノズル部の
インク界面Meを引き込んだ状態にしておくためには、
種々の方法が用いられるが、インク収容器内にウレタン
フォームを入れておく方法もしばしば使用される。ウレ
タンフォームには無数の小孔が空いており、インクはこ
れら小孔の中に染み込んで、小孔とインクと空気との間
に働く表面張力の作用によってウレタンフォームに保持
される。このとき、小孔の大きさや密度等のパラメータ
を調整することにより、インクに働く表面張力がノズル
の界面Meに発生する表面張力より若干大きくなるよう
に設計しておけば、インク滴を吐出しない状態では、イ
ンク界面Meが若干内側に引き込まれた状態に保つこと
ができる。
【0014】このように設計されたインク収容器におい
て、インク残量が少なくなってくるとインクが空気と接
している面積が増え、このためウレタンフォームとイン
クとの表面張力の作用が強くなって、ノズルBでのイン
ク界面Meは内側に大きく引き込まれるようになる。イ
ンク界面Meが大きく引き込まれた状態でインク滴を吐
出しても、小さめのインク滴しか吐出することはできな
い。このため、インク収容器内のインク残量の変化によ
って、インク滴の大きさが変動する場合がある。
【0015】更に、インク滴の大きさは、記録媒体上に
形成されるインクドットの配列たるドットパターンの違
いによっても変動しうる。この現象にも種々の原因が存
在する。例えば、記録媒体上のインクドットの密度を増
加させようとする場合、ドットの形成時間が同じなら、
単位時間当たりのインク滴吐出回数(吐出頻度)を増加
させなければならない。ところがインク滴の吐出頻度が
あまりに高くなると、インク供給通路Dからインク室A
へのインクの供給が間に合わなくなり(図27(a)参
照)、その結果、ノズルから吐出されるインク滴の大き
さは小さくなってしまう。
【0016】インク室が多数並んで形成されているよう
な印刷装置においては、あるインク室でインク滴を吐出
すると、隣のインク室に供給するインクが不足気味とな
り、その結果、隣のインク室で吐出するインク滴の大き
さが変動する現象、いわゆるクロストークと呼ばれる現
象も発生する。
【0017】以上説明したように、吐出されるインク滴
の重量は、インク滴を吐出する際のインク供給条件の影
響を様々な形で受けている。本願発明の印刷装置および
インク残量監視方法は、上述のような、インク吐出重量
とインク供給条件との関係に着目して完成されたもので
あり、以下に述べるように、インク供給条件を検出する
ことによってインク吐出重量を精度良く見積もることが
可能である。
【0018】本発明の印刷装置およびインク残量監視方
法においては、所定の条件におけるインク滴当たりの重
量を、単位インク量として予め計測しておく。そして、
画像の印刷に際しては、先ず、インクの供給に関わるイ
ンク供給条件を検出し、次いで、所定期間内に吐出され
るインク滴数に対応する値(インク吐出数)を計数す
る。検出されたインク供給条件の影響を考慮しつつ、イ
ンク吐出数の計数値とインク量とを乗算することによっ
て、所定期間内に吐出されたインク吐出量を算出する。
ここでインク吐出数として、吐出されたインク滴数その
ものを計数しても良いが、他に計数が容易でインク滴数
に換算可能な変数であれば、どのようなものを計数して
も構わない。こうして求めたインク吐出量を累積し、該
累積値とインク収容器の所定のインク収容量とに基づい
て、インク収容器内のインク残量を監視する。このよう
に本発明では、所定期間内のインク吐出量を算出する際
に、インク供給条件を考慮して算出しているので、イン
ク吐出量を正確に算出することができ、インク収容器内
のインク残量を精度良く監視することが可能となる。
【0019】かかる印刷装置では、インク滴当たりの重
量に代えてインク滴当たりの体積を、単位インク量とし
て記憶しておくことも好ましい。画像の印刷に際して
は、インク供給条件を検出し、次いで所定期間内のイン
ク吐出数を計数する。そして、検出されたインク供給条
件を考慮しながら、記憶されたインク滴当たりの体積と
インク吐出数とに基づいて、所定期間内に吐出されたイ
ンク吐出量を算出し、この値を累積することによって、
インク収容器内のインク残量を監視する。こうすれば、
インク吐出量の算出に当たって、インク供給条件を考慮
して算出するために、正確にインク吐出量を算出するこ
とができ、インク残量の監視精度を向上させることが可
能となる。
【0020】所定期間内のインク吐出量を算出する際に
は、次のようにしてインク供給条件の影響を考慮するこ
とも好適である。予め適切な補正係数をインク供給条件
に対応付けて記憶しておき、吐出されるインク量と所定
期間内のインク吐出数とを乗算する際に、検出されたイ
ンク供給条件に対応付けられている補正係数もあわせて
乗算する。こうすれば、インク供給条件の変化により吐
出されるインク量が変動することを補正して、所定期間
内のインク吐出量を精度良く算出することが可能とな
る。
【0021】所定条件で吐出されるインク量に代えて、
各インク供給条件で吐出されるインク滴当たりの重量
を、インク供給条件に対応付けて記憶しておくことも好
適である。所定期間内のインク吐出量を算出するにあた
っては、検出されたインク供給条件に対応するインク量
と、計数されたインク吐出数とを乗算してインク吐出量
を算出する。このようにしても、インク供給条件の違い
によってインク滴の大きさが変動することを考慮して、
インク吐出量を精度良く算出することが可能である。
【0022】本発明の印刷装置においては、インク供給
条件として、インク室に供給されるインク温度を検出す
ることも好適である。インク温度を検出すれば、インク
の粘度増加によりインクが供給されにくくなることを考
慮して、インク吐出量を算出することが可能であり、イ
ンク収容器内のインク残量を精度良く監視することが可
能となる。
【0023】インク供給条件として、インク滴の吐出に
伴って経時的に変化する条件、例えばインク収容器内の
インク残量やインク吐出回数の累積回数といった条件を
検出することも好適である。このような条件を検出すれ
ば、例えば、インク収容器内のインク残量の影響や、長
い間の使用に伴うインクの増粘等の影響により、インク
滴の大きさが変動することを考慮してインク吐出量を算
出することが可能であり、インク収容器内のインク残量
の監視精度を向上させることができる。
【0024】また、インク供給条件として、インクの組
成に依存する条件を検出することも好ましい。インクの
組成に依存する条件とは、インクの溶剤や染料の種類、
配合といった条件はもちろんのこと、例えば、インクの
製品番号等のインクの種類を表す単純な条件であっても
良い。インクの種類が分かればインク組成は自ずから定
まる。このようにして、インクの組成に依存する条件を
検出し、組成の違いによってインク粘度等のインク供給
条件が変化することを考慮してインク吐出量を算出すれ
ば、インク収容器内のインク残量を精度よく監視するこ
とが可能となる。
【0025】本発明においては、インク供給条件とし
て、インク吐出ヘッドに供給すべきインク量を検出する
ことも好適である。前述したように、吐出されるインク
滴の大きさはインク吐出ヘッドに供給するインク供給量
の影響を受けるので、該ヘッドに供給すべきインク量を
検出し、検出結果を考慮してインク吐出量を算出すれ
ば、インク収容器内のインク残量を精度良く監視するこ
とが可能である。
【0026】インク吐出ヘッドが印刷媒体との相対位置
を変更しながらインク滴を吐出して画像を印刷する印刷
装置においては、インク供給条件として、設定されてい
る印刷解像度を検出することも好適である。ここで印刷
解像度とは、ヘッドがインク滴を連続して吐出しながら
印刷媒体との相対位置を変更した場合に、印刷媒体上に
形成されるインクドットの間隔を示す指標をいう。印刷
解像度を表す代表的に指標としては、インチ当たりに形
成可能なインクドットの数を示すdpiが広く用いられ
る。例えば印刷解像度720dpiとは、1インチ当た
りにインクドット720個分の解像度を有することを意
味する。これら印刷装置では、求める印刷品質や印刷速
度等に応じて印刷解像度を切り替えて使用する場合があ
り、印刷解像度が高くなれば、単位時間当たりに吐出す
るインク滴数が多くなり、インクの供給が不足気味とな
って小さなインク滴が吐出され易い傾向にある。印刷解
像度とインク滴の大きさとの関係にはこのような傾向が
あるので、インク供給条件として印刷解像度を検出すれ
ば、簡便な方法でインク吐出量の算出精度を向上させる
ことができ、インク残量を精度良く監視することが可能
となる。
【0027】かかる印刷装置においては、インク供給条
件として記録モードを検出することも好適である。ここ
で記録モードとは、1つのラスタを完成するために必要
な、ヘッドと印刷媒体との相対移動の回数をいう。ラス
タとは、ヘッドがインク滴を吐出しながら印刷媒体との
相対移動を行うことで形成されるインクドットの列をい
う。印刷装置では、高い印刷品質を必要とする場合に1
つのラスタを1回の相対移動で形成せずに、何回かに分
けて印刷することがある。1つのラスタを何回かに分け
て印刷すれば、1回当たりに吐出するインク滴の数は少
なくなるが、逆に1回で印刷しようとすれば短時間当た
りに吐出されるインク滴数が多くなるので、小さなイン
ク滴が吐出され易い傾向にある。従って、ドットパター
ンとして記録モードを検出すれば、簡便な方法でインク
吐出量の算出精度を向上させることができる。
【0028】また本発明においては、インク供給条件と
して、記録媒体上に形成されるインクドットの配列たる
ドットパターンを検出することも好ましい。こうすれ
ば、ドットパターンの違いにより吐出されるインク滴の
大きさが異なることを考慮してインク吐出量を算出する
ことができるので、インク収容器内のインク残量を精度
良く監視することが可能となる。
【0029】また、相対駆動周波数をドットパターンと
して検出することも好適である。ここで相対駆動周波数
とは、各ノズルがインク滴を吐出する時間的な頻度を表
す指標であり、具体的には次のように定義される。ある
ノズルが記録媒体上を移動しながらインク滴を吐出して
ドットを形成していく様子を想定し、記録媒体上に形成
されたあるドットに着目する。その着目ドットの直前に
もドットが形成されている状態、すなわち、ドットが連
続して形成されている場合に、その着目ドットの相対駆
動周波数は100%であると定義される。また、着目ド
ットの直前にはドットが形成されていないが、1ドット
の間をおいた隣のドットにはドットが形成されている場
合は、その着目ドットの相対駆動周波数は50%である
と定義される。同様に、2ドットの間隔をおいてドット
が形成されている場合は相対駆動周波数33%、3ドッ
トの間隔をおいてドットが形成されている場合は25%
と定義される。ノズルから吐出されるインク滴の大きさ
は、該インク滴が形成するドットの相対駆動周波数の変
化によっても変動するので、相対駆動周波数を検出すれ
ば、かかる変動要因を考慮してインク吐出量を算出する
ことが可能となり、インク収容器内のインク残量を精度
良く監視することができる。
【0030】一度に複数のインクドットを形成可能なイ
ンク吐出ヘッドを備えた印刷装置においては、駆動デュ
ーティをドットパターンとして検出することも好適であ
る。ここで駆動デューティとは、インク吐出ヘッドが一
度に形成可能なインクドットの数と、一度に形成される
インクドットの数と割合を表す指標であり、具体的には
次のように定義される。例えば、記録媒体上に48個の
ドットを一度に形成可能な場合を想定すると、一度に1
2個のドットを形成すれば駆動デューティは25%、一
度に24個とのドットを形成すれば駆動デューティは5
0%であると定義される。ノズルから吐出されるインク
滴の大きさは駆動デューティの変化によって変動するた
め、駆動デューティを検出してかかる変動要因を考慮し
ながらインク吐出量を算出すれば、インク収容器内のイ
ンク残量を精度良く算出することが可能となる。
【0031】かかる印刷装置においては、ドットパター
ンとして次のような条件を検出することも好ましい。す
なわち、一度に形成されるインクドットの数が所定量よ
り多い条件(以下、第1の記録条件)であるか、所定量
より少ない条件(以下、第2の記録条件)であるかの、
いずれであるかを検出することも好ましい。かかる記録
条件の違いによっても、インク滴の大きさは変動するた
め、かかる変動要因を考慮しながらインク吐出量を算出
するれば、簡便な方法によって、インク収容器内のイン
ク残量を精度良く算出することが可能となる。
【0032】更には、一度に形成可能な複数のインクド
ットが、所定の関係に基づいて複数のグループにグルー
プ分けされる場合においては、各グループ毎に駆動デュ
ーティを検出することも好ましい。
【0033】ここで所定の関係に基づいて分けられたグ
ループとは、どのようなグループであるかについて説明
しておく。例えば、複数のインク室を備えた印刷装置に
おいては、製造上の都合から、隣接するインク室のいく
つかは同じインク供給通路からインクの供給を受けるよ
うに構成される場合がある。また、インク室の一側壁を
形成する振動板をアクチュエータで振動させてインク滴
を吐出させるインク滴吐出方式においては、同じく製造
上の都合から、隣接するインク室の振動板の端部をつな
げて1枚の板で形成している場合がある。これらの場合
に、インク供給通路が共通するインク室のグループや、
振動板がつながっているインク室のグループ等が、ここ
でいう所定の関係の基づいて分けられたグループに相当
する。
【0034】所定期間内に吐出されるインク吐出数を各
グループ毎に計数し、各グループの駆動デューティを考
慮しながら、インク吐出数と単位インク滴数当たりのイ
ンク量とに基づいてインク吐出量を算出する。こうして
各グループ毎に算出すれば、インク吐出量の算出精度を
向上させることができ、インク収容器内のインク残量を
精度良く監視することが可能となる。
【0035】一度に形成可能な複数のインクドットが、
所定の関係に基づいて複数のグループにグループ分けさ
れる場合においては、一度に形成されるインクドットの
数が所定量より多い条件(以下、第1の記録条件)であ
るか、所定量より少ない条件(以下、第2の記録条件)
であるかを各グループ毎に検出することも好ましい。
【0036】所定期間内のインク滴数の計数や、ドット
パターンが第1の記録条件であるか第2の記録条件であ
るかの検出を各グループ毎に行い、検出したドットパタ
ーンを考慮しながら、インク吐出数と単位インク滴数当
たりのインク量とに基づいてインク吐出量を算出する。
こうして、各グループ毎に算出すれば、インク吐出量の
算出精度を向上させることができ、インク収容器内のイ
ンク残量を精度良く監視することが可能となる。
【0037】記録媒体上にインク滴を吐出する機構に、
印刷媒体上の反射光強度を検出する光学センサを併設
し、実際に形成されているインクドットの配列を、該光
学センサを用いて検出することも好ましい。こうすれ
ば、印刷媒体上に実際に形成されるインクドットの配列
の違いを考慮してインク吐出量を算出することが可能で
あり、インク収容器内のインク残量の監視精度を更に向
上させることが可能である。
【0038】大きさの異なる2種類以上のインク滴を吐
出可能なインク吐出ヘッドを備えた印刷装置において
は、次のようにすることも好ましい。先ず、形成可能な
インクドットの大きさを区別してインク滴当たりの重量
を記憶しておく。所定期間内のインク吐出数を計数する
際にはインクドットの大きさを区別して計数し、インク
吐出量を算出する際にはインクドットの大きさを区別し
てインク吐出量を算出する。インクドットの大きさを区
別する方法に関しては、種々の方法を用いることができ
る。例えば、インク滴当たりの重量を形成可能なインク
ドットの大きさ毎に記憶し、所定期間内のインク吐出数
の計数やインク吐出量の算出はインクドットの大きさ毎
に別々に行う。こうして算出したそれぞれのインク吐出
量を合計して、所定期間内のインク吐出量を算出し、該
算出したインク吐出量を累積しても良い。こうすれば、
大きさの異なる2種類以上のインク滴を吐出可能な印刷
装置においても、インク吐出量を正確に算出して、イン
ク収容器内のインク残量を精度良く監視することが可能
となる。
【0039】また、次のようにすることも好適である。
例えば最も小さなインクドットについてのみ、インク滴
当たりの重量を記憶しておき、他の大きさのインクドッ
トについては、最も小さなインクドットの何倍に相当す
るかを記憶しておく。所定期間内のインク吐出数の計数
に際しては、記録媒体上に形成されるインクドットの大
きさを区別して、最も小さなインクのインクドットに相
当するインク吐出数に換算して計数する。こうして計数
されたインク吐出数と、最も小さなインクドットが相当
するインク量とからインク吐出量を算出してもよい。こ
うすれば、大きさの異なる2種類以上のインクドットを
形成可能な印刷装置においても、インク吐出量の算出精
度を向上させ、インク残量を精度良く監視することがで
きる。かかる方法には、前述の方法、すなわちインク吐
出量の算出をインクドットの大きさ毎に別々に行ってか
ら各吐出量を加算する方法に比べて、計算が簡便になる
という利点がある。
【0040】各色のインクを収容可能なインク収容器を
備え、該各色のインク滴を吐出することによって、記録
媒体上に各色のインクドットを形成可能な印刷装置にお
いては、次のようにして、インク残量を各色毎に監視す
ることも好ましい。所定期間内のインク吐出数を各色イ
ンク毎に計数し、該計数した各色毎のインク吐出数とイ
ンク滴当たりの重量とから各色毎のインク吐出量を算出
する。こうして算出したインク吐出量を各色毎に累積
し、該累積値と、各色インク毎の所定のインク収容量と
を用いて、インク収容器のインク残量を各色毎に監視す
る。こうすれば、各色インクによる各色のインクドット
を形成可能な印刷装置においても、各色インク毎にイン
ク吐出量を正確に算出して、各色毎にインク収容器内の
インク残量を精度良く監視することが可能となる。
【0041】本発明の印刷装置においては、インク吐出
量の累積値とインク収容器の予め定められたインク収容
量との差の値が所定値以下になったときに、例えば警報
ランプを点灯させたり、ブザーを鳴らしたり、CRT画
面上にメッセージを表示する等して警告を発するように
することも好適である。ここで、「警告を発する」こと
には、印刷操作者に対して直接に警告を発することの他
に、印刷装置が他の機器(例えば、該印刷装置の制御を
行うためのコンピュータ等)に対して警告を発するよう
に促すこと等も含まれる。また、両者の差の値によっ
て、ランプの色を変更したり、ブザーの音を変更する
等、警告の方法を変更することも好ましい。こうして警
告を発すればインク残量の監視が容易になる。尚、ここ
でいう「インク吐出量の累積値とインク収容器の予め定
められたインク収容量との差が所定値以下になったと
き」とは、両者の差が実質的に所定値以下になっていれ
ばよく、例えば、前記インク収容量に対するインク吐出
量の累積値の比が所定値以上となることを検出すること
によって、実質的に両者の差が所定値以下になったこと
を検出するようなものであっても構わない。
【0042】更には、インク吐出量の累積値と、インク
収容器の所定のインク収容量との大小関係を、アナログ
表示あるいはデジタル表示などの、所定の方法で通知す
ることも好適である。例えば、印刷装置に設けられた専
用の表示板で通知したり、あるいは印刷装置を制御する
ために使用されるコンピュータの画面上で通知するよう
にしても良い。こうすれば、インク残量の監視が更に容
易になる。
【0043】また、例えば残量インクでA4の印刷用紙
何枚分の印刷が可能であるかを表示する等、印刷装置
に、より適合した方法を用いて警告することも好適であ
る。印刷装置に適した方法で表示すれば、インク残量の
監視が容易になるからである。
【0044】ヘッド保守動作、すなわちインク滴の吐出
状態を保つために強制的にインク滴を吐出する動作を行
うような印刷装置においては、インク供給条件として、
ヘッド保守動作の種類を検出することも好適である。例
えば、ヘッド保守動作としては、インク滴の吐出状況が
悪化しないように行う動作もあれば、悪化した吐出状況
を回復するために行う動作もあり、更には、軽微の悪化
を回復させる動作から、重度の悪化を回復させる動作ま
で、ヘッド保守動作として種々の動作を備えている場合
がある。強制的に吐出するインク滴の大きさは、ヘッド
保守動作の種類によって異なる場合があるので、このよ
うな動作の種類を検出すれば、ヘッド保守動作中に吐出
したインク吐出量を精度良く算出することが可能とな
り、インク残量の監視精度を向上させることができるの
で好適である。もちろん、ヘッドの保守動作中であって
も、前述してきたように、インク供給条件の検出とイン
ク吐出数の計数とを行い、所定期間中にインク吐出量を
累積すれば、インク残量の監視精度が向上することは言
うまでもない。
【0045】本発明のインク残量監視方法は、インク収
容器内のインクを吐出する印刷装置と、該印刷装置を制
御するコンピュータとを組み合わせ、インク吐出数を計
数する等の所定の処理を該コンピュータで行うことによ
っても実現しうる。従って本発明には、かかる所定の処
理を行うプログラムをコンピュータで読み取り可能に記
憶した記録媒体としての態様も含まれている。すなわ
ち、本発明のインク残量監視方法に対応する記録媒体
は、インク滴を吐出するインク吐出ヘッドと該インクを
所定量収容可能なインク収容器とを備え、該ヘッドがイ
ンク滴を吐出してインクドットを形成することにより印
刷媒体上に画像を印刷する印刷装置で用いられ、該イン
ク収容器のインク残量を監視するプログラムをコンピュ
ータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、前記
インク吐出ヘッドへのインクの供給に影響を与える条件
たるインク供給条件を検出する機能と、所定期間内に吐
出されるインク滴数に対応する値たるインク吐出数を計
数する機能と、該計数されたインク吐出数と、前記イン
ク供給条件の中の所定条件において吐出されるインク滴
当たりの重量と、前記検出されたインク供給条件とを用
いて、前記所定期間内に吐出されるインク吐出量を算出
する機能と、該算出されたインク吐出量を累積する機能
と、前記インク吐出量の該累積値と前記所定のインク収
容量とを用いて、前記インク収容器のインク残量を監視
する機能とを実現するプログラムを記録した記録媒体と
しての態様である。
【0046】かかる記録媒体に記憶されたプログラムが
コンピュータに読み込まれ、該コンピュータが、インク
滴の吐出条件の検出・インク吐出数の計数・インク吐出
量の算出および累積等の処理を行うことにより、インク
吐出量を精度良く算出して、インク収容器内のインク残
量を精度良く監視することが可能となる。
【0047】また、本発明の第2の印刷装置は、前述の
課題の少なくとも一部を解決するために、次の構成を採
用した。すなわち、インク滴を吐出するインク吐出ヘッ
ドを該インクを所定量収容可能なインク収容器とを備
え、該ヘッドがインク滴を吐出してインクドットを形成
することにより印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置で
あって、前記インク吐出ヘッドへの前記インクの供給に
影響を与える条件たるインク供給条件を検出する供給条
件検出手段と、所定期間内に吐出されるインク滴数に対
応する値たるインク吐出数を計数するインク吐出数計数
手段と、前記検出されたインク供給条件に基づいて、前
記計数されたインク吐出数を補正するインク吐出数補正
手段と、該補正されたインク吐出数を累積した累積値
と、前記所定のインク収容量に対応する所定値とを用い
て、前記インク収容器のインク残量を監視するインク残
量監視手段とを備えることを要旨とする。
【0048】かかる第2の印刷装置においては、画像の
印刷に際して、インク供給条件を検出し、次いで所定期
間内に吐出されるインク吐出数を計数する。該計数され
たインク吐出数を、前記検出されたインク供給条件に基
づいて補正し、補正されたインク吐出数を累積する。こ
うして得られた累積値と、所定のインク収容量に対応し
て定まる所定値とを比較することにより、インク収容器
内のインク残量を精度良く監視することができる。以下
に、具体例を用いて説明する。予め、所定条件(基準条
件)において、単位インク吐出数当たりのインク重量を
計測しておき、インク収容器内のインクが計測したイン
ク重量の何倍に相当するかを求めて、この値をインク収
容量に対応して定まる所定値として記憶しておく。すな
わちこの所定値は、インク収容量が、基準条件で吐出さ
れるインク吐出数の何倍に相当するかを示す値である。
画像の印刷に際しては、先ずインク供給条件を検出して
から、所定期間内のインク吐出数を計数する。ここで同
じインク吐出数が係数されたとしても、インクの吐出条
件が異なれば実際に吐出されるインクの総量は異なって
いる。そこで、係数したインク吐出数を検出されたイン
ク供給条件に基づき補正して、基準条件でのインク吐出
数に変換した後に累積していく。こうして得られた累積
値と、予め求めておいた所定値(インク収容器内のイン
クがインク吐出数の何倍に相当するかを示す値)とを比
較することにより、インク収容器内のインク残量を精度
良く監視することが可能となる。
【0049】
【発明の実施の形態】A.装置の構成 本発明の実施の形態を、実施例に基づいて説明する。図
1は、本発明の実施例において使用される印刷装置の構
成を示す説明図である。図示するように、この印刷装置
は、コンピュータ80にカラースキャナ21とカラープ
リンタ20とが接続されており、コンピュータ80に所
定のプログラムがロードされ実行されることによって、
全体として印刷装置として機能する。印刷しようとする
カラー原稿は、コンピュータ80が認識可能なカラー画
像データORGにカラースキャナ21で変換された後、
コンピュータ80に入力される。コンピュータ80は、
所定の画像処理を行って、カラー画像データORGをプ
リンタで印刷可能な画像データに変換し、カラープリン
タ20に出力する。コンピュータ80が扱う画像データ
には、カラースキャナ21で取り込んだ画像の他に、コ
ンピュータ80上で各種のアプリケーションプログラム
91により作成した画像や、カラースキャナ21から取
り込んだ画像に加工を加えた画像等も用いられる。これ
ら画像データの変換結果は、プリンタで印刷可能な画像
データFNLとして、カラープリンタ20に出力され、
この画像データFNLに従って、カラープリンタ20は
印刷用紙上に各色のインクドットを形成する。この結
果、コンピュータ80から出力されたカラー画像データ
に対応したカラー画像が、印刷用紙上に得られることに
なる。
【0050】コンピュータ80は、各種の演算処理を実
行するCPU81・ROM82・RAM83・入力イン
ターフェース84・出力インターフェース85・CRT
コントローラ(CRTC)86・ディスクコントローラ
(DDC)87・シリアル入出力インターフェース(S
IO)88等から構成されており、これらはバス89で
接続されて相互にデータのやり取りが可能となってい
る。CRTC86はカラー表示可能なCRT23への信
号出力を制御し、DDC87はフレキシブルディスクド
ライブ25やハードディスク26あるいは図示しないC
D−ROMドライブ等とのデータのやり取りを制御す
る。ROM82やハードディスク26には、RAM83
にロードされCPU81で実行される各種のプログラム
や、デバイスドライバの形式で提供される各種のプログ
ラムが記憶されている。また、SIO88をモデム24
を経由して公衆電話回線PNTに接続すれば、外部のネ
ットワーク上にあるサーバSVから必要なデータやプロ
グラムをハードディスク26にダウンロードすることが
可能となる。
【0051】コンピュータ80に電源を投入すると、R
OM82およびハードディスク26に記憶されていたオ
ペレーティングシステムが起動し、オペレーティングシ
ステムの管理の下で、各種アプリケーションプログラム
91が動くようになっている。
【0052】カラープリンタ20は、カラー画像の印刷
が可能なプリンタであり、本実施例では、印刷用紙上に
シアン・マゼンタ・イエロ・ブラックの合計4色のイン
クを吐出することによってカラー画像を印刷するインク
ジェットプリンタを使用している。もちろん、これら4
色インクの他に、ライトシアン・ライトマゼンタのイン
クを加えた合計6色のインクを使用するカラープリンタ
であっても構わない。本実施例で使用したインクジェッ
トプリンタのインク吐出方式は、後述するようにピエゾ
素子PEを用いる方式を採用しているが、他の方式によ
りインクを吐出するヘッドを備えたプリンタを用いるも
のとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒータ
に通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によっ
てインクを吐出する方式のプリンタに適用するものとし
てもよい。
【0053】また、本実施例のカラープリンタ20はバ
リアブルドットプリンタ、すなわち大きさの異なる大・
中・小の3種類のドットを、各色毎に形成することが可
能なプリンタである。本実施例のカラープリンタ20
は、インクの吐出方法を工夫することによって、単一の
インク吐出ノズルを用いて3種類の大きさのドットを形
成している。かかるインクの吐出方法については後述す
る。また、インク吐出方法の説明から明らかな通り、ド
ットの大きさは3種類に限られるものではなく、大小2
種類のドットを形成するものであっても、更には4種類
以上のドットを形成するものであっても構わない。
【0054】図2は、本印刷装置のソフトウェアの構成
を概念的に示すブロック図である。コンピュータ80に
おいては、すべてのアプリケーションプログラム91は
オペレーティングシステムの下で動作する。オペレーテ
ィングシステムには、ビデオドライバ90やプリンタド
ライバ92が組み込まれていて、各アプリケーションプ
ログラム91から出力される画像データは、これらのド
ライバからデータ入出力モジュール97を介して、カラ
ープリンタ20に出力される。
【0055】アプリケーションプログラム91が印刷命
令を発すると、コンピュータ80のプリンタドライバ9
2は、アプリケーションプログラム91から画像データ
を受け取って所定の画像処理を行い、プリンタが印刷可
能な画像データに変換する。図2に概念的に示すように
プリンタドライバ92が行う画像処理は、解像度変換モ
ジュール93と、色変換モジュール94と、ハーフトー
ンモジュール95と,インターレースモジュール96の
大きく4つのモジュールから構成されている。各モジュ
ールで行う画像処理の内容は後述するが、プリンタドラ
イバ92が受け取った画像データはこれらモジュールで
変換された後、データ入出力モジュール97を介して、
最終的な画像データFNLとしてカラープリンタ20に
出力される。
【0056】また、本印刷装置ではインク吐出量を正確
に見積もることによってインク残量を精度良く監視して
いる。この機能はインク残量監視モジュールが行う機能
であり、このインク残量監視モジュールは通常はカラー
プリンタ内に組み込まれていることが多い。インク残量
監視モジュールは、コンピュータ80内のインターレー
スモジュール96と情報をやり取りしながらインク残量
を監視していることから、以下では、説明を分かり易く
するためにインク残量監視モジュール100はプリンタ
ドライバ92内に組み込まれているものとして説明す
る。もちろん図3に示すように、インク残量監視モジュ
ール100がカラープリンタ20に組み込まれていても
構わないのは言うまでもない。尚、本実施例のカラープ
リンタ20は、画像データFNLに従ってドットを形成
する役割を果たすのみであるが、画像処理やインク吐出
重量監視等の機能の一部をカラープリンタ20で行うも
のであっても良いのはもちろんである。
【0057】図4に、本実施例のカラープリンタ20の
概略構成を示す。このカラープリンタ20は、図示する
ように、キャリッジ40に搭載された印字ヘッド41を
駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、
このキャリッジ40をキャリッジモータ30によってプ
ラテン36の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモー
タ35によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御回路
60とから構成されている。キャリッジ40をプラテン
36の軸方向に往復動させる機構は、プラテン36の軸
と並行に架設されたキャリッジ40を摺動可能に保持す
る摺動軸33と、キャリッジモータ30との間に無端の
駆動ベルト31を張設するプーリ32と、キャリッジ4
0の原点位置を検出する位置検出センサ34等から構成
されている。印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン3
6と、プラテン36を回転させる紙送りモータ35と、
図示しない給紙補助ローラと、紙送りモータ35の回転
をプラテン36および給紙補助ローラに伝えるギヤトレ
イン(図示省略)とから構成されている。制御回路60
は、プリンタの操作パネル59と信号をやり取りしつ
つ、紙送りモータ35やキャリッジモータ30、印字ヘ
ッド41の動きを適切に制御し、更に、プリンタのイン
ク残量表示パネル58の表示も制御している。カラープ
リンタ20に供給された印刷用紙Pは、プラテン36と
給紙補助ローラの間に挟み込まれるようにセットされ、
プラテン36の回転角度に応じて所定量だけ送られる。
【0058】キャリッジ40には黒(K)インクを収納
するインクカートリッジ42と、シアン(C)・マゼン
タ(M)イエロ(Y)のインクを収納するインクカート
リッジ43と、インクカートリッジ42・43の装着状
況を検知する接点スイッチ(図示省略)と、印字ヘッド
41の温度を計測する温度センサ37とが装着されてい
る。インクカートリッジ42(図5参照)あるいはイン
クカートリッジ43(図示省略)には、図5に示すよう
な突起部55が設けられていて、インクカートリッジ4
2あるいは43がキャリッジ40に装着されていれば、
キャリッジの接点スイッチが突起部55に押されて接点
が閉じるように構成されている。このため、インクカー
トリッジ42・43のどちらかを脱着すると対応する側
の接点が開いて、インクカートリッジが交換されたこと
を検知することができる。また、インクカートリッジ4
2・43には、図5に示すように、識別ラベル56が添
付されていて、インクカートリッジの製品型式・製造番
号・インク収容容量等の各種情報がバーコードにより表
示されている。
【0059】キャリッジ40の下部にある印字ヘッド4
1には、K・C・M・Yの各インクに対して、インク吐
出用ヘッド44・45・46・47がそれぞれ形成され
ている。キャリッジ40の底部には図示しない導入管が
各インク毎に立設されており、キャリッジ40にインク
カートリッジを装着すると、カートリッジ内の各インク
は導入管を通じて、それぞれのインク吐出用ヘッド44
ないし47に供給される。各ヘッドに供給されたインク
は、後述する方法によって印字ヘッド41から吐出さ
れ、印刷用紙上にドットを形成する。
【0060】図6(a)は各色ヘッドの内部構造を示し
た説明図である。各色のインク吐出用ヘッド44ないし
47には、各色毎に48個のノズルNzが設けられてい
て、各ノズルには、インク通路50とその通路上にピエ
ゾ素子PEが設けられている。ピエゾ素子PEは周知の
ように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速
に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施
例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所
定時間幅の電圧を印可することにより、図6(b)に示
すようにピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、
インク通路50の一側壁を変形させる。この結果、イン
ク通路50の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて伸縮
し、この収縮分に相当するインクが粒子Ipとなってノ
ズルNzから高速で吐出される。このインクIpがプラ
テン36に装着された印刷用紙Pに染み込むことによ
り、印刷用紙Pの上にドットが形成される。
【0061】図7は、インク吐出用ヘッド44ないし4
7におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明
図である。図示するように、インク吐出用ヘッドの底面
には、各色毎のインクを吐出する4組のノズルアレイが
形成されており、1組のノズルアレイ当たり48個のノ
ズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥状に配列されて
いる。尚、各ノズルアレイに含まれる48個のノズルN
zは千鳥状に配列されている必要はなく、一直線上に配
列されていてもよい。ただし、図7(a)に示すように
千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッチkを小さく
設定し易いという利点がある。
【0062】図7に示すように、各色のインク吐出用ヘ
ッド44ないし47は、キャリッジ40の搬送方向にヘ
ッドの位置がずれている。また、各色ヘッド毎のノズル
に関しても、ノズルが千鳥状に配置されている関係上、
キャリッジ40の搬送方向に位置がずれている。カラー
プリンタ20の制御回路60は、キャリッジ40を搬送
しながらノズルを駆動する際に、ノズルの位置の違いに
よるヘッド駆動タイミングの違いを考慮しながら、適し
たタイミングでそれぞれのヘッドを駆動している。
【0063】本実施例のカラープリンタ20は、図7に
示したように一定径のノズルNzを備えているが、かか
るノズルNzを用いて互いに大きさの異なる3種類のド
ットを形成することができる。以下にこの原理について
説明する。図8は、インクが吐出される際のノズルNz
の駆動波形と吐出されるインクIpとの関係を示した説
明図である。図8において破線で示した駆動波形が通常
のドットを吐出する際の波形である。区間d2において
一旦、基準電圧よりも低い電圧をピエゾ素子PEに印加
すると、先に図6で説明したのとは逆にインク通路50
の断面積を増大する方向にピエゾ素子PEが変形する。
ノズルへのインクの供給速度には限界があるため、イン
ク通路50の拡大に対してインクの供給量が不足し、図
8の状態Aに示した通り、インク界面MeはノズルNz
の内側にへこんだ状態となる。また、図8の実線で示す
駆動波形を用いて区間d1に示すように電圧を急激に低
くすると、インクの供給量が更に不足して、状態aで示
すように状態Aに比べて大きく内側にへこんだ状態とな
る。
【0064】次に、ピエゾ素子PEに高い電圧を印加す
ると(区間d3)、インク通路50の断面積の減少によ
り通路内のインクが圧縮され、インク滴がインクノズル
から吐出される。このとき、インク供給量が不足してい
ると吐出されるインク滴も小さくなる。従って、インク
界面があまり内側にへこんでいない状態(状態A)から
は、状態Bおよび状態Cに示すごとく大きなインク滴が
吐出され、インク界面が大きくへこんだ状態(状態a)
からは状態bおよび状態cに示すごとく小さなインク滴
が吐出される。このように、駆動電圧を低くする際(区
間d1,d2)の変化率を変えれば、形成されるドット
の大きさを変化させることができる。
【0065】カラープリンタ20は、2種類の駆動波形
を連続的に出力する。この様子を図9に示した。電圧を
低くする際の変化率を比べれば、駆動波形W1とW2
は、それぞれ小さなインク滴Ipsと大きなインク滴I
pmとに対応していることが分かる。キャリッジ40が
主走査方向に移動しながら、駆動波形W1を出力し、次
いで駆動波形W2を出力する場合を考える。駆動波形W
1により吐出される小さなインク滴Ipsは飛翔速度が
比較的小さく、駆動波形W2により吐出される大きなイ
ンク滴Ipmは飛翔速度が大きいので、吐出されてから
印刷用紙に到着するまでの所要時間は、小さなインク滴
Ipsの方が長くなる。当然、インクの吐出位置から印
刷用紙に到着した位置の主走査方向へ移動距離も、小さ
なインク滴Ipsの方が大きなインク滴Ipmより長く
なる。従って、駆動波形W1と駆動波形W2のタイミン
グを調節すれば、図9に示すように、小さなインク滴I
psと大きなインク滴Ipmとを同一画素に吐出するこ
とが可能となる。
【0066】本実施例のカラープリンタ20では、駆動
波形W1のみをピエゾ素子PEに供給することによって
小さなドットを、駆動波形W2のみをピエゾ素子PEに
供給することによって中ドットを、駆動波形W1とW2
をともに供給し、2つのインク滴を同一画素に吐出する
ことによって大ドットを形成している。もちろん、駆動
波形の種類を増やすことによって、更に多種類の大きさ
のドットを形成することも可能である。
【0067】図10は、カラープリンタ20の制御回路
60の内部構成を示す説明図である。図示するように、
制御回路60の内部には、CPU61・PROM62・
RAM63・コンピュータ80とのデータのやり取りを
行うPCインターフェース64・周辺機器とのデータの
やり取りを行う周辺機器入出力部(PIO)65・タイ
マ66・駆動バッファ67等が設けられている。紙送り
モータ35や、キャリッジモータ30,インク残量表示
パネル58、インクカートリッジの装着状況を検知する
接点スイッチ71・72等は、PIO65を介してデー
タの受け渡しを行う。駆動バッファ67は、インク吐出
用ヘッド44ないし47にドットのオン・オフ信号を供
給するバッファとして使用される。これらは互いにバス
68で接続され、相互にデータにやり取りが可能となっ
ている。また、制御回路60には、所定周波数で駆動波
形を出力する発振器70、および発振器70からの出力
をインク吐出用ヘッド44ないし47に所定のタイミン
グで分配する分配出力器69も設けられている。
【0068】図10に示す構成を有する制御回路60
は、コンピュータ80から画像データFNLを受け取る
と、ドットのオン・オフ信号を一時RAM63に蓄え
る。CPU61は、紙送りモータ35やキャリッジモー
タ30の動きと同期を採りながら、所定のタイミングで
ドットデータを駆動バッファ67に出力する。
【0069】次に、CPU61が駆動バッファ67にド
ットのオン・オフ信号を出力することによって、ドット
が吐出されるメカニズムについて説明する。図11は、
インク吐出用ヘッド44ないし47の1つのノズル列を
例にとって、その接続を示す説明図である。インク吐出
用ヘッド44ないし47のノズル列は、駆動バッファ6
7をソース側とし、分配出力器69をシンク側とする回
路に介装されており、ノズル列を構成する各ピエゾ素子
PEは、その電極の一方が駆動バッファ67の各出力端
子に、他方が一括して分配出力器69の出力端子に、そ
れぞれ接続されている。分配出力器69からは、図11
に示す通り、発振器70の駆動波形が出力されている。
CPU61が駆動バッファ67に、各ノズル毎のドット
のオン・オフ信号を出力すると、オン信号を受け取った
ピエゾ素子PEだけが駆動波形によって駆動される。こ
の結果、駆動バッファ67からオン信号を受け取ってい
たピエゾ素子PEのノズルから一斉にインク粒子Ipが
吐出される。
【0070】以上のようなハードウェア構成を有するカ
ラープリンタ20は、キャリッジモータ30を駆動する
ことによって、各色のインク吐出用ヘッド44ないし4
7を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙
送りモータ35を駆動することによって、印刷用紙Pを
副走査方向に移動させる。制御回路60の制御の下、キ
ャリッジ40の主走査および副走査を繰り返しながら、
適切なタイミングで印字ヘッド41を駆動することによ
って、カラープリンタ20は印刷用紙上にカラー画像を
印刷している。
【0071】B.画像処理の概要 上述のように、カラープリンタ20は、画像データFN
Lの供給を受けてカラー画像を印刷する機能を有する
が、画像データFNLは、コンピュータ80がカラー画
像に所定の画像処理を行って生成する。図12はコンピ
ュータ80のプリンタドライバ92内で、CPU81が
行う画像処理の概要を示すフローチャートである。以
下、同図に従って、画像処理の概要を説明する。
【0072】画像処理を開始するとCPU81は、画像
データを入力する(ステップS100)。この画像デー
タは図2で説明したようにアプリケーションプログラム
91から供給されるデータであり、画像を構成する各画
素毎にR・G・Bそれぞれの色について、0〜255の
値の256階調を有するデータである。この画像データ
の解像度は、原画像のデータORGの解像度等に応じて
変化する。
【0073】CPU81は、入力された画像データの解
像度をカラープリンタ20が印刷するための解像度に変
換する(ステップS102)。画像データの解像度が印
刷解像度よりも低い場合には、線形補間により隣接する
原画像データの間に新たなデータを生成することで解像
度変換を行う。逆に画像データの解像度が印刷解像度よ
りも高い場合には、一定の割合でデータを間引くことに
より解像度変換を行う。
【0074】次に、CPU81は色変換処理を行う(ス
テップS104)。色変換処理とはR・G・Bの階調値
からなる画像データをカラープリンタ20で使用するC
・M・Y等の各色の階調値のデータに変換する処理であ
る。この処理は、色変換テーブルLUTを用いて行われ
ており(図2参照)、LUTにはR・G・Bのそれぞれ
の組合せからなる色をカラープリンタ20で表現するた
めのC・M・Y・Kの組合せが記憶されている。色変換
テーブルを用いて色変換を行う処理自体については、公
知の種々の技術が適用可能であり、例えば補間演算によ
る処理が適用できる。
【0075】色変換処理を終了すると多値化処理を開始
する(ステップS106)。本実施例においては、色変
換後の画像データはC・M・Y・Kの4色の256階調
画像となっている。一方、本実施例のカラープリンタ2
0では、「ドットを形成しない」、「小ドットを形成す
る」、「中ドットを形成する」、「大ドットを形成す
る」の合計4つの状態しか採り得ない。従って、256
階調を有する画像を、カラープリンタ20が表現できる
4階調で表現された画像に変換する必要がある。すなわ
ち、記録媒体上で大・中・小の各ドットの形成され易さ
を、原画像の階調値に応じて変化させることによって、
原画像の256階調をカラープリンタ20が表現可能な
4階調値で表現するのである。尚、このような変換を行
う処理を階調数変換処理と呼び、特に、変換される階調
数が2値であるような処理を2値化処理と、それより多
い階調数へ変換する処理を多値化処理と呼ぶ。
【0076】CPU81は多値化処理を終了すると、イ
ンターレース処理を開始する(ステップS108)。こ
の処理は、多値化処理によってドットの形成有無を表す
形式に変換された画像データを、カラープリンタ20に
転送すべき順序に並べ替える処理である。すなわち、前
述のようにカラープリンタ20は、キャリッジ40の主
走査と副走査を繰り返しながら、印字ヘッド41を駆動
して印刷用紙Pの上にドット列(ラスタ)を形成してい
く。図6を用いて説明したように、各色毎のインク吐出
用ヘッド44ないし47には、複数のノズルNzが設け
られているので、1回の主走査で複数本のラスタを形成
することができる。それらラスタは互いにノズルピッチ
kだけ離れている。その結果、画素間隔で並ぶラスタを
形成するには、まず、ノズルピッチkだけ離れた複数の
ラスタを形成し、次にヘッド位置を少しずらして、ラス
タの間に新たなラスタを形成していくといった制御が必
要となる。
【0077】また、印刷画質を向上させるために、1本
のラスタを複数回の主走査に分けて形成したり、更には
印刷時間を短縮するために、主走査の往動時と復動時の
それぞれでドットを形成するといった制御も行われる。
これらの制御を行うと、カラープリンタ20が実際にド
ットを形成する順序は、画像データ上で画素の順序と異
なった順序となるので、インターレース処理において画
像データの並べ替えを行うのである。
【0078】インターレース処理が終了すると、画像デ
ータはプリンタが印刷可能な画像データFNLとして、
カラープリンタ20に出力される(ステップS11
0)。
【0079】C.インク残量の監視方法 コンピュータ80から出力された画像データFNLに従
ってカラープリンタ20がインク滴を吐出すれば、記録
媒体上に所望の画像を印刷することができる。吐出する
インク滴の形成にはインクカートリッジ42・43に収
容されているインクが使用される。カートリッジ内のイ
ンクを使い切ってしまえば、それ以上印刷することがで
きないので、インクカートリッジを交換してインクを補
充しなければならない。インクカートリッジを早め早め
に交換すれば、画像の印刷中にインク切れから印刷不能
となるおそれはないが、交換時にカートリッジ内に残っ
ているインクが無駄となる。本実施例の印刷装置は、イ
ンク残量を精度良く監視することができるので、カート
リッジ内に残存するインクの無駄を最小限に抑制しなが
ら、印刷中のインク切れを回避することが可能である。
以下に、本実施例の印刷装置で用いられているインク残
量の監視方法について説明する。
【0080】(1)ソフトウェア構成 図2の説明においても触れたが、インク残量監視モジュ
ール100はインターレースモジュール96と情報のや
り取りを行いつつインク残量の監視を行う。このことに
鑑みて説明を分かり易くするために、本実施例の印刷装
置ではインク残量監視モジュール100はプリンタドラ
イバ92の中に組み込まれているものとして説明してい
る。もちろん、カラープリンタ20にインク残量監視モ
ジュール100を内蔵し、コンピュータ80内のプリン
タドライバ92と情報のやり取りを行いながら、インク
残量の監視を行うものであっても良いことは言うまでも
ない。
【0081】図13は、インク残量監視モジュール10
0を中心とした各モジュールの関連を示す説明図であ
る。図示するように、インク残量監視モジュール100
は、インターレースモジュール96あるいはデータ入出
力モジュール97とデータをやり取りして、インク供給
条件の検出あるいはインク滴数の計数などを行い、イン
ク残量の監視結果はデータ入出力モジュール97を介し
て出力する。
【0082】インク残量監視モジュール100の内部構
成は、大きくは4つのモジュール、すなわちインクの供
給条件検出モジュール101と、インク滴数計数モジュ
ール102と、インク吐出量算出モジュール103と、
インク吐出量累積・監視モジュール104から構成され
ている。
【0083】供給条件検出モジュール101は、インク
温度やカートリッジ内のインク残量あるいは記録媒体上
のインクドットのドットパターン等、インクの供給に関
わるインク供給条件を検出するモジュールである。本実
施例の印刷装置は、後述するインク吐出重量の算出に際
して、インク供給条件を検出し、これを考慮することに
よってインク吐出重量の算出精度を向上させている。
【0084】インク滴数計数モジュール102は、イン
ク吐出用ヘッド44ないし47が所定期間内に吐出する
インク滴の数を、各色毎に計数するモジュールである。
インク滴数の計数に際しては、同じくプリンタドライバ
92を構成するインターレースモジュール96(図2参
照)のドットデータを利用する。また、インク滴数を計
数する所定の期間は、必要に応じて種々の期間に設定す
ることができるが、本実施例の印刷装置では、キャリッ
ジ40が主走査を1回行う期間に設定されている。
【0085】インク吐出量算出モジュール103は、イ
ンク滴数計数モジュール102で計数されたインク滴数
とインク滴1滴当たりのインク重量(以下では、インク
滴重量と呼ぶ)とを乗算することにより、吐出されたイ
ンク重量を算出するモジュールである。つまり、このモ
ジュールでは、所定期間(本実施例の印刷装置では主走
査1回毎)に吐出されるインク重量を各色毎に算出して
いることになる。但し、本実施例の印刷装置では、イン
ク吐出重量を算出する際に、供給条件検出モジュール1
01が検出したインク供給条件を考慮することによっ
て、インク吐出重量の算出精度を向上させている。尚、
インク滴重量は、インク吐出量算出モジュール103内
の定数として、予め実測値がメモリに書き込まれてい
る。
【0086】インク吐出量累積・監視モジュール104
は、インク吐出量算出モジュール103が算出したイン
ク吐出重量を累積して、累積した値とインクカートリッ
ジのインク収容量とを比較して、インク残量を分かり易
く表示する。また、インク残量が少なくなった場合には
インクカートリッジの交換を促す警報を発する。これら
の表示あるいは警報は、データ入出力モジュール97を
介して行われる。インクカートリッジのインク収容量
は、インク吐出量累積・監視モジュール104内の定数
として、予めメモリに書き込まれている。もちろん、コ
ンピュータ80のCRT画面上で設定した値を用いた
り、また、インクカートリッジに付された識別ラベル5
6を認識し(図5参照)、あるいはインクカートリッジ
内部に電気的に記録されたデータを読み出すことによっ
てカートリッジを識別し、予め設定しておいた値の中か
ら適切な値を認識結果に応じて自動的に選択するように
しても良い。インクカートリッジが交換されて、前述の
接点スイッチ71あるいは72(図10参照)の接点が
開くと、インク吐出量累積・監視モジュール104はデ
ータ入出力モジュール97を介してこれを検知し、イン
ク吐出重量の累積値をリセットして、新たにインク吐出
重量を累積していく。
【0087】(2)インク残量監視処理の内容 図14は、本実施例の印刷装置がインク残量を監視する
処理の流れを示すフローチャートである。図13を用い
て説明したように、インク残量監視モジュール100は
プリンタドライバ92の一部を構成しており、各種アプ
リケーションプログラム91がプリンタドライバ92を
起動させると同時に、図14に示したインク残量監視ル
ーチンが起動して待機状態となり、以降、画像処理ルー
チンがインク残量監視ルーチンに対して適宜割り込みを
発生させると、以下の処理が実行される。尚、本実施例
ではインク残量監視モジュール100はプリンタドライ
バ92に組み込まれているものとして説明しており、図
14の処理はコンピュータ80内のCPU81が行う。
前述したように、インク残量監視モジュール100がカ
ラープリンタ20に組み込まれている場合は、以下の処
理はカラープリンタ20内の制御用CPU61が実施す
ることになる。以下、図14にフローチャートに従っ
て、インク残量監視処理の内容を説明する。
【0088】(a)インク吐出量累積値読込・インク残
量表示(ステップS200) インク残量監視ルーチンが起動すると、CPU81はR
AM83に記憶されているインク吐出重量の累積値を読
み出す(ステップS200)。インク残量監視ルーチン
が処理を終了する場合には、次回ルーチンを起動すると
きのためにインク吐出量の累積値を不揮発メモリに書き
込んでおくので、ルーチンが起動されたら先ず初めにこ
の累積値を読み出すのである。本実施例のカラープリン
タ20は、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエ
ロ)・K(黒)の4色のインクを使用することに対応し
て、インク吐出重量の累積値も各色インク毎に記憶され
ている。
【0089】インク吐出量累積値を読み込んだ後、読み
込んだ値とインクカートリッジのインク収容量とを比較
することによりカートリッジ内のインク残量を求めて、
カラープリンタ20のインク残量表示パネル58に表示
する。図15は、インク残量表示パネル58がインク残
量を表示する方法を示す説明図である。図示するよう
に、本実施例の印刷装置では、インク残量はインク収容
量に対する比率で表示され、対応するLED(発光ダイ
オード)が緑色に点灯してインク残量が分かるようにな
っている。また、インク収容量からインク吐出量の累積
値を引いた値が所定値以下になると、対応するLED
(図中のA)の色が緑色から赤色に変化して、インクカ
ートリッジの交換を促すようになっている。
【0090】(b)インク供給条件検出(ステップS2
02) インク吐出量累積値の読込を行った後、CPU81はイ
ンク供給条件を検出する(ステップS202)。本実施
例の印刷装置はインク室へのインクの供給に関わる条件
として、インク温度と、インク種類と、インクカートリ
ッジ内のインク残量と、インクドットのドットパターン
とを検出するが、ステップS202ではこの中のドット
パターンを除く条件を検出する。インク温度は印字ヘッ
ド41に設置した温度センサ37を用いて検出し、イン
ク種類はコンピュータ80のCRT画面上に表示した中
からユーザが選択する。インクカートリッジ内のインク
残量は、インクカートリッジのインク収容量からインク
吐出量の累積値を減算することにより算出する。
【0091】尚、本実施例の印刷装置では、プリンタド
ライバ92が起動される度に一度だけインク供給条件を
検出している。これは、インク供給条件は緩慢にしか変
化しないと考えられることから、条件の検出をプリンタ
ドライバ92の起動時にのみ行うことにして、制御の簡
略化を図っているためである。もちろん、一定時間毎に
割り込みを発生させて種々のインク供給条件を検出した
り、また、印刷ページが変わる度に検出する等しても構
わない。こうすれば、長時間の印刷中にインク温度が変
化する等しても、インク供給条件の変化を検出して、イ
ンク使用量の算出精度を更に向上させることができる。
【0092】(c)所定期間内のインク滴数計数(ステ
ップS204) CPU81は、インク供給条件の検出が終わると、所定
期間内に吐出されるインク滴数を各色インク毎に計数す
る(ステップS204)。本実施例の印刷装置では、キ
ャリッジ40が主走査を1回行う間に吐出するインク滴
数を計数する。カラープリンタ20は大・中・小の3種
類のインクドットを形成しており、CPU81は、イン
クドットの大きさを区別して計数している。
【0093】インク滴数の計数は、前述したインターレ
ースモジュール96(図2、図12を参照)のドットデ
ータを利用して行う。すなわち、前述したように、画像
データは、ハーフトーンモジュール95で大・中・小の
3種類のドットの有無による表現形式に変換され、続く
インターレースモジュール96で各色毎のインク吐出ヘ
ッドがドットを形成する順序に応じて並べ替えられて、
ドットデータとしてRAM83上に展開される。そこ
で、インク滴数計数処理においては、インターレースモ
ジュール96がRAM83上に展開したドットデータを
読み出して計数するのである。もちろん、インク残量監
視モジュール100がカラープリンタ20に内蔵されて
いる場合には、コンピュータ80のデータ入出力モジュ
ール97(図2参照)から画像データFNLとして出力
されるドットデータを、カラープリンタ20内のCPU
61が計数しても良い。
【0094】(d)インク吐出量算出(ステップS20
6) 所定期間内のインク滴数を計数すると、CPU81は、
計数値にインク滴重量(インク滴1滴当たりのインク重
量)を乗算してインク吐出重量を算出する(ステップS
206)。インクの供給に関わるインク供給条件が異な
ると、吐出されるインク滴重量も異なってくるので、ス
テップS206の処理においては、予めステップS20
2で検出されたインク供給条件を反映させることによ
り、インク吐出重量の算出精度を向上させている。
【0095】尚、本実施例ではインク滴数当たりの重量
を予め記憶しておき、該記憶しておいた重量と計数され
たインク吐出数とを乗算してインク吐出重量を算出して
いる。もちろん、インク滴数当たりの体積を記憶してお
き、インク吐出数とインクの体積とを乗算することでイ
ンク吐出体積を算出することも可能である。
【0096】具体的には、本実施例の印刷装置は、次式
のように、インク供給条件によって定まる補正係数を乗
算してインク吐出重量を算出している。 (インク吐出重量)=(インク滴計数値)×(インク滴
重量)×(補正係数) ここに(補正係数)=Kt×Kz×Kd、で与えられ
る。また、Ktはインク温度による補正係数、Kzはイ
ンク残量による補正係数、Kdは記録媒体上に形成され
るインクドットのドットパターンによる補正係数であ
る。これら各種の補正係数はインクの種類によって異な
っており、プリンタドライバ92に対して使用インクを
設定すると、使用インクに対応した値が自動的に選択さ
れて使用される。インク滴重量の値は、予め所定の条件
(基準条件)で、大・中・小の3種類のドット毎に計測
した値をメモリに格納しておき、これらの値を使用す
る。尚、各種補正係数の設定方法については、後ほど詳
述する。
【0097】本実施例の印刷装置では、温度補正係数K
tあるいはインク残量補正係数Kzは、それぞれインク
温度あるいはインク残量に対するマップデータとして、
RAM83上に記憶されており、種々の条件を検出する
度に(ステップS202)、検出された値に応じた補正
係数に更新される。図16(a)、(b)はそれぞれR
AM83上にマップデータとして記憶されている温度補
正係数Kt、あるいはインク残量補正係数Kzの一例を
示したものである。インク温度あるいはインク残量によ
ってインク滴の重量が変動するので、図16(a)、
(b)に示すような補正係数を用いてこれを補正するの
である。尚、インク温度が高くなればインクの粘度が低
くなるために、インク滴重量は増加するものと予想され
る。ところが、図16(a)に示すように、本実施例の
温度補正係数Ktは、インク温度が高くなるとインク滴
重量が減少するような設定となっている。この理由につ
いては後述する。
【0098】ドットパターン補正係数Kdは、次のよう
にして選択される。すなわち、インターレースモジュー
ル96がRAM83上に展開したドットデータに基づい
て、ドットパターンが「ベタ印字パターン」か「キャラ
クタ印字パターン」かを判断する。「ベタ印字パター
ン」とは、主に自然画像を印刷するときに現れるドット
配列であり、ほとんど全てのノズルから同時にインク滴
を吐出して形成されるようなドット配列である。「キャ
ラクタ印字パターン」とは、テキスト画像を印刷すると
きに現れるドット配列であり、全てのノズルから同時に
はインク滴を吐出することなく形成されたドット配列で
ある。CPU81は、RAM83に展開された主走査1
回分のドットデータを解析し、どちらのドットパターン
であるかを判断して、対応する補正係数を選択するので
ある。
【0099】もちろん、上記2種類のドットパターンに
限らず更に多種類のドットパターンを選定しておき、対
応するドットパターン補正係数を使用してインク吐出重
量を算出しても構わない。更には、RAM83上のドッ
トデータを詳細に解析し、解析結果に基づいてドットパ
ターン補正係数を算出して、インク吐出重量の算出精度
を更に向上させることも可能である。かかる補正係数の
算出方法については、別に項を立てて後ほど詳述する。
【0100】(e)インク吐出量累積・インク残量表示
等(ステップS208〜S212) 所定期間内のインク吐出重量を算出すると、CPU81
は得られた値を、前回算出したインク吐出重量に加算す
る。つまり、インク吐出重量を主走査毎に算出し、算出
した値を累積して、吐出したインクの総量を各色毎に算
出するのである。こうして得られたインク吐出量累積値
に基づいて、インク残量表示を更新し、必要があれば前
述の警報ランプを点灯させる(図15参照)。
【0101】以上の処理が終わると、印刷が終了したか
否かを判断し(ステップS210)、印刷が終了してい
なければ再びステップS204に戻って、続く一連の処
理を繰り返す。印刷が終了していれば、次回印刷時に読
み出せるように、インク吐出量累積値を不揮発メモりに
格納する(ステップS212)。こうすれば、印刷装置
の電源を切断しても、インク吐出量を累積してインクカ
ートリッジ内のインク残量を監視することができる。
【0102】尚、以上の説明では、インク吐出量を表す
値としてインク重量を用いているが、インク体積を用い
ても構わないことはもちろんである。
【0103】ここで、図16(a)に示したように、本
実施例の温度補正計数Ktの設定によれば、インク温度
が高くなるほどインク滴重量が少なっている理由につい
て説明する。
【0104】図16(c)は、インク温度の違いによっ
て、吐出されるインク滴重量が異なる様子を示した説明
図である。図16(c)の横軸に採った相対駆動周波数
は、各種ドットパターンを表す1つの指標であり、相対
駆動周波数が高くなるほど単位時間当たりのインク吐出
回数は多くなる。相対駆動周波数の内容については後ほ
ど詳述する。インク温度25℃はカラープリンタのもっ
とも一般的な使用温度であるため、カラープリンタ20
はインク温度25℃でドットパターンによらず一定のイ
ンク滴重量となるように設計される。インク温度が低く
なりインク粘度が高くなると、インクが流れ難くなるの
でインク滴重量は減少する。相対駆動周波数が高くなる
ほどインクの供給が間に合わなくなるので、インク滴重
量が減少する。従ってインク温度が低い場合(図16
(c)の10℃の条件)に吐出されるインク滴重量は、
相対駆動周波数が低い領域ではインク温度25℃の場合
より少なく、相対駆動周波数が高くなるほど更に少なく
なる傾向となる。
【0105】逆にインク温度が高くなると、インク粘度
が低くなりインクが流れやすくなるのでインク滴重量が
増加する。このため、相対駆動周波数が低い領域ではイ
ンク温度25℃の場合より多くなる。更に相対駆動周波
数を高くしていくと、吐出されるインク滴重量は更に多
くなっていく。これは、次のようなメカニズムによるも
のである。インク滴の吐出の際にはインク室内の圧力は
一旦上昇し、インク滴の吐出が終わるとインク室の圧力
が下降して、圧力下降に従ってインク室にインクが流れ
込む。このように、インク滴を吐出する際には、インク
室内圧力は増減をくり返し、それに伴ってノズル付近で
のインク界面の微小な振動や、インク供給通路内でイン
クが出入りするような微小な流動が発生する。また、イ
ンク室の側壁が振動板で構成されていて、振動板がたわ
むことによってインク室圧力を上昇させるような構造で
は、インク滴の吐出に伴い振動板の微小な振動も発生す
る。インクの粘性はこれら振動や流動等を減衰させる作
用を持っており、通常のインク温度では、これら微小な
振動はすぐに消滅してしまう。ところが、インク温度が
40℃になるとインクの粘性が小さくなるので、振動が
なかなか減衰せず、次のインク滴吐出のタイミングまで
残存するようになる。次回インクを吐出するタイミング
が、残存している振動の位相に一致すると、ノズルから
は大きなインク滴が吐出される。この実施例では、相対
駆動周波数100%で印刷すると、インク滴の吐出タイ
ミングが残存する振動の位相とちょうど一致して大きな
インク滴が吐出される条件となっている。
【0106】ところが図16(c)に示したようなイン
ク滴重量の特性では、ベタ印刷が不完全となる問題があ
るので、実際にはカラープリンタ20では、ピエゾ素子
PEに印加する駆動波形をインク温度に応じて変化さ
せ、インク滴重量の補正を行っている。ベタ印刷が不完
全になるとはベタが塗りつぶされていない状態で、いわ
ゆるバンディングが発生し、場合によっては印刷用紙の
地色がそのまま残って白筋を生じさせる。ベタ印刷は印
刷用紙の全面にインクドットが形成されるため、相対駆
動周波数100%の条件で印刷される。このときに吐出
されるインク滴重量があまりに少ないとインクドットの
大きさが小さくなり、印刷用紙の地色がそのまま残って
白筋が発生する。逆にインク滴重量が多くインクドット
が大きくなると、インクドットが重なって形成された部
分で色の濃い部分が発生しバンディングの問題が生じ
る。このため、ベタ印刷の品質を安定させるために、相
対駆動周波数100%でのインク滴重量が一定となるよ
うに、ピエゾ素子PEに印加する駆動波形を補正するの
である。
【0107】以上の理由により、インク温度に応じて駆
動波形を切り替えた結果、カラープリンタ20のインク
滴重量の特性は図16(d)に示すようなものとなって
いる。すなわち相対駆動周波数100%でのインク滴重
量を安定させるため、ピエゾ素子PEに印加される駆動
波形は、インク温度10℃では全体的に大きめのインク
滴が吐出されるような駆動波形とし、インク温度40℃
では全体的に小さめのインク滴が吐出されるような駆動
波形に切り替えられる。その結果、図16(c)に示す
インク温度10℃の特性が上側に平行移動し、図16
(c)のインク温度40℃の特性が下側に平行移動し
て、図16(d)に示すような特性となるのである。こ
のため本実施例の温度補正係数Ktは、図16(a)に
示すように、インク温度が高くなるほど小さくなる。
【0108】D.メモリ構成 インク残量監視モジュールのメモリ構成を、図17を用
いて簡単に説明しておく。各種アプリケーションプログ
ラム91が印刷命令を発すると、インク残量監視モジュ
ール100が起動して、RAM83あるいはハードディ
スク26の上に各種の領域が確保され、各領域はCPU
81の管理の下で、以下に説明するデータを記憶する。
【0109】作業用メモリ150は、CPU81が各種
処理を行うためのデータを一時記憶するために使用され
るメモリであり、CPU81は作業用メモリ150に格
納されているデータを直接読み書きすることができる。
インク収容量記憶部160は、新品のインクカートリッ
ジに収容されるインク収容量を記憶しておく領域であ
り、C・M・Y・Kの各色インク毎にそれぞれのインク
収容量Cwo・Mwo・Ywo・Kwoが記憶されてい
る。インク使用量記憶部161は、インク吐出重量の累
積値を記憶しておく領域であり、C・M・Y・Kの各色
毎にインク使用量Cza・Mza・Yza・Kzaが記
憶されている。
【0110】インク滴重量記憶部162は、基準条件で
吐出されるインク滴1滴当たりの重量(インク滴重量)
を記憶しておく領域であり、インク滴数計数部165
は、インク滴数の計数値を記憶しておく領域である。本
実施例のカラープリンタ20は、各色インク毎に大・中
・小の3種類のドットを形成するので、これに対応し
て、インク滴重量記憶部162およびインク滴数計数部
165には、各色インク毎に各大きさのドットに対応す
るインク滴重量が記憶されている。尚、図17に示した
インク滴重量記憶部162およびインク滴数計数部16
5内には、それぞれに符号が記載されているが、各符号
が表わす意味について説明しておく。先頭の大文字のC
・M・Y・KはそれぞれC・M・Y・Kの各色インクを
意味しており、二番目の小文字のw・nはそれぞれイン
ク滴重量とインク滴数とを表し、最後の小文字のs・m
・lはそれぞれ小・中・大の各ドットを意味している。
例えば、Cインクの大・中・小の各ドットのインク滴重
量は、それぞれCwl・Cwm・Cwsと表現されてい
ることになる。供給条件記憶部163には、吐出条件を
検出するために使用する各種データが記憶されており、
補正係数記憶部164には各種補正係数が記憶されてい
る。CPU81は、これら各主記憶部から作業用メモリ
150に必要なデータを読み込んで、前述の各種処理と
実行する。尚、上述の各領域は、RAM83あるいはハ
ードディスク26上に確保されているが、各領域毎に専
用のRAM等の記憶素子を設けるようにしてもよいのは
もちろんである。
【0111】E.各種補正係数の設定 本実施例の印刷装置では、インク温度・インク残量・イ
ンク種類・記録媒体上のドットパターン等のインク供給
条件の違いによるインク滴重量(インク滴1滴当たりの
重量)の変動を補正するために、各種補正係数を記憶し
ている。これら補正係数の数値は、インク吐出重量の実
測値に基づき設定されている。また、ドットパターン補
正係数Kdについては、インターレースモジュール96
がRAM83上に展開したドットデータを解析すること
により、補正値を精密に算出することも可能である。以
下では、補正係数を設定するための実測的な手法と、補
正係数を算出する解析的な手法について説明する。
【0112】(1)補正係数の実測的な設定手法 図18は、インク吐出量を実測するための装置構成を、
概念的に示した説明図である。図示するように、計測装
置は、インク滴を吐出するヘッド200と、ヘッドに駆
動信号を供給しつつヘッドの制御を行う制御装置201
と、ヘッド200へインクを供給するインクカートリッ
ジ202ないし204と、専用の記録用紙209と、印
刷画像のインク濃度を読み取る光学的読み取り装置21
0、あるいはインクカートリッジの重量減少を高精度に
計測する電子天秤205ないし207とから構成されて
いる。3つのインクカートリッジ202・203・20
4は、カートリッジ内のインク温度がそれぞれ10℃・
25℃・40℃に保たれていて、切り換え弁208を操
作することにより、ヘッドに供給するインク温度を切り
換えられるようになっている。制御装置201は、予め
定められたパターンでヘッド200を駆動して、専用用
紙上に所定の画像を印刷する。本計測装置ではヘッド2
00は主走査・副走査を行うことができないが、代わり
に、専用用紙を移動可能なステージ(図示省略)にセッ
トしておき、このステージを主走査方向・副走査方向に
移動させることによって用紙上に画像を印刷する。この
ステージの制御も制御装置201が行っている。
【0113】ヘッド200が印刷する所定画像の一例
を、図19に示す。図示した例では、インク温度10℃
・25℃・40℃の各条件毎に、予め選択された2種類
のドットパターン(ベタ印字パターンとキャラクタ印字
パターンの2種類)で印刷された各画像が印刷されてい
る。つまり、図18の例では、インクの供給に関わる条
件を6通りの組合せに変更して、それぞれの画像が1枚
の用紙上に印刷されていることになる。各条件でのイン
ク滴重量を計測する際には、インクカートリッジ内のイ
ンク残量やインク種類等の他の条件を変更しながら、図
18に示すような画像を印刷するのである。
【0114】1つの条件での印刷が終了する度に、イン
クを供給したインクカートリッジの重量減少量を計測
し、計測された減少量をインク滴数で除算すれば、その
条件でのインク滴重量(インク滴1滴当たりの重量)を
求めることができる。吐出されるインク滴数は、所定画
像毎に決まっているので、予め計測しておけばよい。こ
うにして、インク温度・インク種類・カートリッジ内の
インク残量・形成されるドットパターン等のインク供給
に関わる諸条件を変更しながら、各条件におけるインク
滴重量を計測する。各条件でのインク滴重量の計測が終
了したら、そのうちの1条件を基準条件として選択して
記憶するとともに、他の条件でのインク滴重量と基準条
件でのインク滴重量との比を求めることによって、各条
件の補正係数を算出することができる。
【0115】また、光学的読み取り装置210により、
専用用紙上に印刷された所定画像のインク濃度を計測し
て、各種補正係数を求めることも可能である。すなわ
ち、図19の例に示すように、ヘッド200が印刷する
画像の面積は一定であり、各画像のインク濃度はインク
吐出重量と正比例する。従って、インク濃度を計測し、
インク濃度の比からインク吐出重量の比を求めるのであ
る。尚、インク濃度の計測に際しては、次のような理由
から専用用紙を使用することが好ましい。光学的読み取
り装置210は、基準光源の光を投射して印刷画像から
の反射光強度を計測している。すなわち、画像のインク
濃度が高いほど用紙上の染料濃度が高くなり、染料濃度
が高いほど印刷画像の反射率は低くなるので、光学的読
み取り装置210は反射光強度を測定し、反射率を求め
ることによってインク濃度を計測しているのである。と
ころが、インクには染料の他にもアルコール等の各種溶
媒が含まれており、インク吐出量が多くなると、これら
溶媒の影響で印刷用紙の表面が毛羽立つ等して反射率が
変化するため、インク濃度の計測値に誤差が混入するこ
とがある。そこで、かかる誤差の混入をできるだけ避け
るため、溶媒による表面状態の変化が小さい専用用紙を
使用することが好ましいのである。
【0116】尚、以上説明した方法で各種補正係数を求
め、全プリンタに対して画一的に同じ補正係数を適用す
る代わりに、インク吐出ヘッドの製造時にヘッド毎に各
種補正係数を求め、この補正係数をヘッドに印刷表示し
ておき、ヘッドをカラープリンタに組み付ける際にカラ
ープリンタ内部の不揮発性メモリに格納したり、あるい
はヘッドに不揮発性メモリを設けてこれに格納しておく
ことにしてもよい。こうすれば、全ヘッドに画一的に同
じ補正係数を適用するのではなく、各ヘッドに適した補
正係数を適用することができるので、インク残量の監視
精度が更に向上させることができるので、いっそう好ま
しい。
【0117】(2)補正係数の解析的な算出手法 CPU81は、以下に述べるようにして、インターレー
スモジュール96がRAM83上に展開したドットデー
タを解析し、ドットパターン補正係数Kdを精度良く算
出することも可能である。
【0118】ドットパターン補正係数Kdを解析的に算
出する場合は、図20に示すようなデータを予め求めて
おく。図20(a)は、インク温度10℃・25℃・4
0℃の各温度における、ノズルの相対駆動周波数100
%・50%・33%以下の各条件での補正係数の値を示
した説明図である。相対駆動周波数とは、時間的にどの
ような頻度でインク滴を吐出するかを表す指標である。
相対駆動周波数が、具体的にはどのようにして定義され
るかについては前述した。図20(a)を見れば明らか
なように、インク温度10℃・25℃・40℃以外のイ
ンク温度においては、図に示された補間式を用いて算出
している。
【0119】図20(b)は、ノズルの駆動デューティ
に対する補正係数の値を示した説明図である。駆動デュ
ーティとは、副走査方向に並んだノズルで構成される1
本のノズル列(図7参照)について、同時にインク滴を
吐出する割合を示す指標である。駆動デューティが、具
体的にどのように定義されるかについては前述した。図
20(b)に示した例では、駆動デューティ100%か
ら13%までの合計8つの条件において、各条件での補
正係数が設定されている。これら図20に示した各デー
タは、図19の計測装置を用いて実験的に求めることが
できる。
【0120】図21は、図20のデータに基づいて、ド
ットパターン補正係数Kdを算出する方法の流れを示す
フローチャートである。CPU81は、ドットパターン
補正係数処理を開始すると、インターレースモジュール
96がRAM83上に展開しているドットデータを読み
込む(ステップS300)。このドットデータは、画像
を構成する各画素について、大・中・小のいずれのドッ
トを形成すべきかが書き込まれたデータである。尚、図
21のフローチャートでは、大・中・小の各ドットは特
に区別せず、単にドットの形成有無に基づいた処理を行
っているが、ドットの大きさを区別しながら処理を行う
ことも好ましい。
【0121】ドットデータを読み込むと、ドットが形成
されることになっている画素を探しだし(ステップS3
02)、ドットが形成されていない画素については補正
係数Kdbの値に「0」を代入する(ステップS30
4)。ドットが形成されている画素が見つかると、直前
の画素のドットの形成有無を判断する(ステップS30
6)。直前画素にもドットが形成されることになってい
る場合は、その画素の駆動周波数は100%であると判
断されるので、図20(a)のデータに従って補正係数
Kdbに「1.00」を代入する(ステップS30
8)。尚、インク温度は10℃であるものとしている。
直前画素にドットが形成されないことになっている場合
は、2画素前のドット形成有無を判断し(ステップS3
10)、ドットが形成されることになっている場合は、
その画素の駆動周波数は50%であると判断されるので
補正係数Kdbに「1.07」の値を代入する(ステッ
プS312)。2画素前にもドットが形成されないこと
になっている場合は、その画素の駆動周波数は33%以
下であると判断し、補正係数Kdbに「1.10」を代
入する(ステップS314)。次いで、読み込んだ全デ
ータについて判断が終了下か否かを判断し(ステップS
316)、終了していなければステップS302に戻っ
て続く処理を行う。全データの判断が終了している場合
は、判断結果に基づいてドットパターン補正係数Kdの
算出を行う(ステップS318)。
【0122】ここでステップS318において、ドット
パターン補正係数Kdを算出する方法について、図22
を用いて具体的に説明する。図22(a)は、ステップ
S300で読み込まれるドットデータの一例を示したも
のである。実際のドットデータのデータサイズは、図2
2(a)の例より大きいが、説明の都合上、ノズル数が
8個、主走査方向の画素数16個のデータとして表示し
ている。前述したように、ここではドットの大きさは区
別していないので、いずれかのドットが形成される画素
は「1」で、ドットが形成されない画素は「0」で表示
している。
【0123】図22(a)のドットデータから各画素の
駆動周波数を判断し、対応する補正係数Kdbを書き込
んだ結果を示したのが図22(b)である。ステップS
318の処理を開始する時点ではこのようなデータが得
られている。尚、図22(b)の下段には、駆動デュー
ティの判断結果もまとめて表示してあるが、駆動デュー
ティを用いてドットパターン補正係数を算出する方法に
ついては後述する。
【0124】ステップS318(図21参照)の処理を
開始すると、CPU81は補正係数Kdbを各ノズル位
置毎に加算する。例えば、ノズル位置1番のノズルにつ
いては「10.34」が、2番のノズルについては
「8.41」と求められる。こうして求められた各ノズ
ル毎の補正係数の合計値を、互いに加算する。この値
(図22(b)中では「62.16」)は次のような意
味を持つ値である。仮に、ドットパターンを考慮した補
正を行わないとした場合、すなわち全ての補正係数Kd
b=1の場合は、ドットを形成する画素数である「5
9」となるところが、駆動周波数によるインク吐出量の
違いを考慮した結果、「62.16」が得られたのであ
る。従って、この値「62.16」をドットを形成する
画素数「59」で除算した値がドットパターン補正係数
Kdに相当している。図21のステップS318では、
このようにしてドットパターン補正係数Kdを算出する
のである。
【0125】また、ステップS318においては、駆動
周波数の代わりに駆動デューティに基づいて、ドットパ
ターン補正係数Kdを算出するものとしても良い。すな
わち、図22(a)のドットデータから、各シリアル位
置での駆動デューティを求める(図22(b)の下段の
データを参照のこと)。次いで、図20(b)のデータ
に従って、各駆動デューティに対応する補正係数を求
め、それらの合計値を算出する。得られた合計値をドッ
トを形成する画素数で除算することによっても、ドット
パターン補正係数Kdを求めることができる。
【0126】最後に、駆動周波数と駆動デューティとの
両方を考慮して、ドットパターン補正係数Kdを算出す
る方法について説明しておく。ステップS318では、
このような処理を行っても良い。図22(a)に示すド
ットデータは、ノズル位置8カ所・シリアル位置16カ
所のデータであるから、8行16列の行列と見ることも
できる。この行列から、駆動周波数に基づく補正係数行
列Aと、駆動デューティに基づく補正係数行列Bの、2
つの行列を求める。駆動周波数に基づく補正係数行列A
とは、行列の各要素が、対応する画素の補正係数Kdb
となっている行列である。例えば、図22(b)に示し
たように、ノズル位置2・シリアル位置3の画素につい
ての補正計数Kdbの値は「1.1」であるから、補正
係数行列Aの2行3列の要素の値が「1.1」となる。
従って行列Aは8行16列のサイズを有する行列とな
る。また、駆動デューティに基づく補正係数行列Bと
は、各要素が、対応するシリアル位置の駆動デューティ
に基づいて求めた補正係数となっている行列である。例
えば、図22(b)から、シリアル位置3の駆動デュー
ティは50%であり、これに対応する補正係数は「1.
08」となる(図20(b)参照)。従って、駆動デュ
ーティに基づく補正係数行列Bの1行3列の要素の値が
「1.08」となる。行列Bは1行16列のサイズを有
する行列である。図22のドットデータから求めた2つ
の補正係数行列、すなわち、補正係数行列Aと補正係数
行列Bをそれぞれ図23(a)と図23(b)に示す。
【0127】こうして2つの補正係数行列が求められた
ら、次はこれら行列の乗算を行う。行列Aは8行16列
の行列であり、行列Bは1行16列の行列であるから、
行列Aに行列Bの転置行列tBを乗算する必要がある。
この結果、8行1列の列行列が得られ、この行列の各要
素の値は、駆動周波数と駆動デューティに基づく補正が
反映された値となっている(図23(c)参照)。そこ
で、この列行列の各要素の値を合計し、得られた合計値
「66.9」をドットを形成する画素数「59」で除算
することによって、ドットパターン補正係数Kdを得ら
れることができる。
【0128】以上に説明してきた実施例(第1の実施
例)においては、RAM83上に展開されたドットデー
タに基づいて、ドットパターン補正係数Kdを選択して
いるがピエゾ素子PEに供給される駆動パルスを解析
し、この結果得られたドットデータに基づいてドットパ
ターン補正係数Kdを選択することも可能である。
【0129】また、ドットデータを解析してドットパタ
ーン補正係数Kdを選択する以外に、印刷媒体上に実際
に形成されたドットパターンを、光学的なセンサ等によ
り直接読み取り、読み取った結果に基づいて適切なドッ
トパターン補正係数Kdを選択するようにしても構わな
い。以下では、このような実施例(第2の実施例)につ
いて、第1の実施例と異なる部分を中心に説明する。
【0130】図4に示すように、第2の実施例では、カ
ラープリンタ20のキャリッジ40に、記録媒体表面の
反射光強度を光学的に計測する光学的センサ38が併設
されている。画像が印刷されている用紙をカラープリン
タ20のプラテン36にセットし、紙送りモータ35で
用紙を少しずつ送りながらキャリッジ40を走査させつ
つ、キャリッジ40に取り付けた光学的センサ38を用
いて用紙上の画像を読み取っていくことにより、カラー
プリンタ20は簡易的なスキャナとしても機能し得るよ
うになっている。光学的センサ38の制御は、図24に
示した簡易スキャナドライバ110が行う。簡易スキャ
ナドライバ110は、プリンタドライバ92を介して紙
送りモータ35やキャリッジモータ30とデータのやり
取りを行いながら、光学的センサ38が取り込んだデー
タを解析して画像データを生成する。
【0131】図24は、第2の実施例におけるインク残
量監視モジュールのソフトウェア構成を示す説明図であ
る。第1の実施例におけるソフトウェア構成とほぼ同様
であるが、第2の実施例のインク残量監視モジュール1
00は、ドットパターンのデータをインターレースモジ
ュール96からではなく、簡易スキャナドライバ110
から取り込むところが異なっている。
【0132】このような第2の実施例においては、プリ
ンタドライバ92が起動すると、インク残量監視モジュ
ール100に加えて簡易スキャナドライバ110も起動
し、プリンタドライバ92が印刷を実行すると簡易スキ
ャナドライバ110が印刷用紙上のドットパターンを読
み取っていく。プリンタドライバ92は、インク残量監
視モジュール100と簡易スキャナドライバ110に対
して、適宜、割り込み命令を発生させる。割り込み命令
を受け取ったインク残量監視モジュール100では、図
14を用いて説明したインク残量監視ルーチンと同様な
ルーチンが実行される。一方、割り込み命令を受け取っ
た簡易スキャナドライバ110は、インク残量監視モジ
ュール100にドットデータの受け渡しが完了するま
で、ドットデータを保持しておくとともに、その間に印
刷が続行された場合には、並行して画像の読み取りも実
行する。
【0133】第2の実施例のインク残量監視モジュール
100は、上述のようにして受け取ったドットデータに
基づいて、ドットパターン補正係数Kdを選択している
ので、インク吐出重量の算出精度を向上させて、インク
残量を精度良く監視することが可能となる。
【0134】また、第2の実施例では、光学的センサ3
8を装備しているので、各種補正係数を次のようにして
更正することも可能となっている。すなわち、カラープ
リンタ20に専用の印刷用紙をセットし、図19に示し
たような所定の画像を印刷する。この画像のインク濃度
を光学的センサ38を用いて計測し、計測結果から図1
8を用いて説明した手法によって、各種の補正係数を各
カラープリンタ毎に求めることが可能となっている。こ
れら一連の処理は、専用のアプリケーションプログラム
を起動させて、コンピュータ80のCRT画面を見なが
ら、実行されるようになっている。
【0135】第2の実施例では、上述したように、実測
結果に基づいて、各種補正係数を各カラープリンタ毎に
更正することができるので、インク残量の監視精度を更
に向上させることが可能である。
【0136】更には、以下に説明するような簡便な方法
を用いて、ドットパターン補正係数を選択しても構わな
い。図25は、この第3の実施例におけるドットパター
ン補正係数算出処理の流れを示すフローチャートであ
る。第3の実施例では、ドットパターン補正係数算出処
理を開始すると、初めにカラープリンタ20の印刷解像
度を判断する(ステップS400)。本実施例のカラー
プリンタ20は、印刷に際して画質を優先するのか印刷
速度を優先するのかを選択して、印刷解像度を360d
piあるいは720dpiに切り替えている。「dp
i」とは印刷解像度を表す単位であり、例えば360d
piとは1インチ中に360ドットを形成可能な解像度
で印刷することを意味する。一般的には印刷解像度が高
くなるほど、ノズルの駆動頻度が高くなり、インク滴重
量も低くなる傾向があるので、ステップS400ではカ
ラープリンタ20がいずれの解像度で印刷しているかを
判断するのである。
【0137】次いで、印刷する際に1本のラスタを何回
の主走査で印刷しているかを判断する(ステップS40
2あるいはステップS404)。前述したように、カラ
ープリンタ20は印刷画質を向上させるために、1本の
ラスタを複数回の主走査に分けて印刷するような記録モ
ードを備えている。また印刷速度を優先し、1本のラス
タを1回の主走査で印刷する記録モードも備えている。
1本のラスタを複数回の主走査に分けて印刷する場合に
は、1回の主走査で形成すべきインクドットの数が少な
くなる。これに対し、ラスタを1回の主走査で印刷する
記録モードでは、時間当たりに吐出するインク滴の数が
多くなるので、それだけインク滴重量が小さくなる傾向
がある。尚、ラスタを形成する回数が1回の場合と2回
の場合とではインク滴重量は大きく変わるが、形成回数
が2回の場合と3回の場合とでは大して変わらない。そ
こで、ステップS402あるいはステップS404で
は、ラスタの形成回数が1回(s=1)であるか否かを
判断している。
【0138】以上のように判断した結果、印刷解像度が
720dpiでラスタを1回の主走査で形成していると
判断された場合は、インクドットを高い密度で1回の主
走査で形成しなければならないのでインクの供給が間に
合わず、吐出インク滴は小さくなる傾向にある。そこ
で、ステップS406ではドットパターン補正係数Kd
に比較的小さな値である「0.9」を代入する。
【0139】印刷解像度は720dpiであるがラスタ
は複数回の主走査で形成している場合、あるいは印刷解
像度が360dpiでありラスタは1回で形成している
場合は、インク滴の吐出頻度は大して高くならないの
で、ドットパターン補正係数Kdにはほぼ規定通りのイ
ンク滴が吐出されていることを意味する値「0.98」
を代入する(ステップS408)。また、印刷解像度が
360dpiでありラスタを複数回の主走査で形成して
いる場合は、カラープリンタ20の設定の中ではもっと
もインク吐出頻度の低い条件であり、ドットパターン補
正係数Kdには完全に規定通りのインク滴が吐出される
ことを意味する値「1」を代入する(ステップS41
0)。
【0140】このようにして求めたドットパターン補正
係数Kdを使用して、インク吐出重量を算出すれば、簡
便な方法によりインク残量を監視することができる。
【0141】図7に示すようにカラープリンタ20のイ
ンク字ヘッド41には多数のインク吐出ノズルが設けら
れているが、必ずしもすべてのノズルを使用して印刷し
ているわけではなく、印刷の仕方によっては使用頻度の
低いノズルも発生する。インク滴を吐出しないノズルで
は、ノズル内のインクから揮発成分が抜けてインクの粘
度が増加するので、所定の状態でインク滴を吐出するこ
とができなくなる場合がある。また、しばらくカラープ
リンタを使用しなかった場合等にも、徐々にではある
が、やはりインクの粘度が増加して所定状態のインク滴
を吐出できなくなる場合がある。ひどい場合にはノズル
が目詰まりを起こして、インク滴を吐出できなくなるこ
ともある。このようにノズルが目詰まりを起こしたり、
目詰まりは起こさないまでもインク滴の吐出状態がノズ
ル間でばらつくと、印刷画質に悪影響を及ぼす。そこ
で、カラープリンタ20は、常に安定してインク滴を吐
出することができるように、ヘッドの保守動作が可能に
設計されている。
【0142】ヘッドの保守動作には、強制的にインク滴
を吐出して、ノズル内の増粘インクをノズルから排出す
るフラッシング(あるいは空打ち)と呼ばれる動作と、
インクの充填に使用されるポンプを利用して、ノズル内
から増粘インクを吸い出すクリーニングと呼ばれる動作
とがある。いずれの保守動作においても、インクが消費
されることには変わりがなく、保守動作で消費されるイ
ンク量をも考慮してインク残量監視を行えば、更に監視
精度を向上させることができる。
【0143】図26は、ヘッドの保守動作中に消費され
るインク量をも考慮してインク残量の監視を行うルーチ
ンの流れを示すフローチャートである。以下、このフロ
ーチャートに従って、ヘッド保守動作によるインク消費
を考慮したインク残量監視ルーチンについて説明する。
【0144】カラープリンタ20の操作者が、カラープ
リンタ20に対してヘッドの保守動作を行うよう指示し
たり、あるいはカラープリンタ20の制御回路60に内
蔵されているタイマ66等に基づいてCPU61が保守
動作の開始条件が満たされたことを検出すると、カラー
プリンタ20は保守動作を開始すると同時に、割り込み
を発生させて図26に示すインク残量監視ルーチンを起
動させる。その後、このインク残量監視ルーチンは、カ
ラープリンタ20からヘッドの保守動作に関する情報を
取得しつつ、以下の処理を実行していく。
【0145】カラープリンタ20がヘッドの保守動作を
開始したことを割り込みによって検出すると(ステップ
S500)、保守動作の内容を判断する(ステップS5
02)。つまり、カラープリンタ20の行う保守動作が
フラッシング動作であるのかクリーニング動作であるの
かを検出するのである。フラッシング動作である場合に
は、フラッシング条件を検出する(ステップS50
4)。カラープリンタ20が行うフラッシング動作に
も、インク滴の吐出状況が悪化するのを予防するため
に、あるいは吐出状況の悪化が軽微な場合に行うノーマ
ルフラッシングと呼ばれる動作と、ノズルが目詰まりす
るような重度の悪化が起きている場合に行うパワーフラ
ッシングと呼ばれる動作との2つの動作がある。ノーマ
ルフラッシングとパワーフラッシングとでは、ノズルか
ら強制的に吐出されるインク滴の大きさが異なっている
ので、ステップS504では、どちらのフラッシングを
行うかを検出するのである。次いで、フラッシング動作
中に吐出したインク滴数を計数し(ステップS50
6)、計数したインク滴数とフラッシング条件毎に予め
記憶されているインク滴重量とに基づいて、フラッシン
グ動作中に吐出されたインク吐出重量を算出する(ステ
ップS508)。プリンタドライバ92の起動時に、イ
ンク温度やインク残量等のインクの供給条件を既に取得
している場合は、インク吐出重量を算出する際に各種補
正係数も乗算して、インク吐出重量の精度を向上させ
る。こうしてフラッシング動作で消費されるインク吐出
重量が求めたのち、インク吐出量累積値の更新を行う
(ステップS510)。すなわち、不揮発メモリに記憶
されているインク吐出量の累積値(図14のS200お
よびS212参照)を読み出して、ステップS510で
求めた累積値を加算し、再び不揮発メモリに記憶するの
である。
【0146】ステップS502において、保守動作の内
容がクリーニング動作であると判断された場合は、イン
ク充填用のポンプを逆回転することによりノズル内のイ
ンクを吸い出してしまう。つまりクリーニング動作で消
費されるインク量は、クリーニング動作毎に原則として
一定量であるので、ステップS512では、クリーニン
グ動作毎に予め測定しておいたインクの吸い出し量をイ
ンク消費量として設定する。そして、ステップS510
では、不揮発メモリに記憶されているインク吐出量累積
値を読み出して、これにインク消費量を加算し再びイン
ク吐出量累積値として不揮発メモリに記憶する。
【0147】以上説明したように、フラッシング動作中
のインク吐出量およびクリーニング動作中のインク消費
量を求め、不揮発メモリに記憶されているインク吐出量
累積値に加算しておけば、ヘッドの保守動作中に消費さ
れるインク量をも考慮してインク残量の監視を行うこと
が可能となる。
【0148】以上、各種の実施例について説明してきた
が、本発明は上記すべての実施例に限られるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実
施することができる。例えば、上述の機能を実現するソ
フトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)
を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメ
モリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであって
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の印刷装置の概略構成図である。
【図2】ソフトウェアの構成を示す説明図である。
【図3】ソフトウェアの他の構成を示す説明図である。
【図4】本実施例のプリンタの概略構成図である。
【図5】本実施例のプリンタで用いられるインクカート
リッジの外観形状を表す説明図である。
【図6】本実施例のプリンタにおけるドット形成原理を
示す説明図である。
【図7】本実施例のプリンタにおけるノズル配列を示す
説明図である。
【図8】本実施例のプリンタにより大きさの異なるドッ
トを形成する原理を説明する説明図である。
【図9】本実施例のプリンタにおけるノズルの駆動波形
および該駆動波形により形成されるドットの様子を示す
説明図である。
【図10】本実施例のプリンタの制御装置の内部構成を
示す説明図である。
【図11】本実施例のプリンタヘッドが駆動バッファか
らデータを受けてドットを形成する様子を示す説明図で
ある。
【図12】本実施例における画像処理ルーチンの流れを
示すフローチャートである。
【図13】本実施例におけるインク残量監視モジュール
のソフトウェア構成を示す説明図である。
【図14】本実施例におけるインク残量監視ルーチンの
流れを示すフローチャートである。
【図15】本実施例の印刷装置においてインク残量の表
示を行う一例を示すを説明図である。
【図16】本実施例の印刷装置において用いられる補正
係数の一例を示す説明図である。
【図17】本実施例のインク残量監視モジュールに関連
するメモリ構成を示す説明図である。
【図18】本実施例において各種補正係数を求めるため
の計測装置構成を示す説明図である。
【図19】本実施例において各種補正係数を求めるにあ
たって専用用紙上に印刷される画像の一例を示す説明図
である。
【図20】本実施例において駆動周波数および駆動デュ
ーティに対する補正係数の設定例を示す説明図である。
【図21】本実施例のドットパターン補正係数算出処理
の流れを示すフローチャートである。
【図22】本実施例のドットパターン補正係数の算出方
法を説明する説明図である。
【図23】本実施例のドットパターン補正係数の他の算
出方法を説明する説明図である。
【図24】他の実施例におけるインク残量監視モジュー
ルのソフトウェア構成を示す説明図である。
【図25】他の実施例のドットパターン補正係数を求め
る処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】ヘッドの保守動作中に吐出するインク量も同
時に考慮して、インク残量の監視を行う処理の流れを示
すフローチャートである。
【図27】インク吐出機構の代表的な構成を概念的に示
す説明図である。
【符号の説明】
20…カラープリンタ 21…カラースキャナ 23…CRT 24…モデム 25…フレキシブルディスクドライブ 26…ハードディスク 30…キャリッジモータ 31…駆動ベルト 32…プーリ 33…摺動軸 34…位置検出センサ 35…紙送りモータ 36…プラテン 37…温度センサ 38…光学的センサ 40…キャリッジ 41…CPU 41…印字ヘッド 42、43…インクカートリッジ 44〜47…インク吐出用ヘッド 50…インク通路 55…突起部 56…識別ラベル 58…インク残量表示パネル 59…操作パネル 60…制御回路 61…CPU 62…PROM 63…RAM 64…PCインターフェース 65…PIO 66…タイマ 67…駆動バッファ 68…バス 69…分配出力器 70…発振器 71…接点スイッチ 80…コンピュータ 81…CPU 82…ROM 83…RAM 84…入力インターフェース 85…出力インターフェース 86…CRTC 87…DDC 88…SIO 89…バス 90…ビデオドライバ 91…アプリケーションプログラム 92…プリンタドライバ 93…解像度変換モジュール 94…色変換モジュール 95…ハーフトーンモジュール 96…インターレースモジュール 97…データ入出力モジュール 100…インク残量監視モジュール 101…供給条件検出モジュール 102…インク滴数計数モジュール 103…インク吐出量算出モジュール 104…インク残量監視モジュール 110…簡易スキャナドライバ 150…作業用メモリ 160…インク収容量記憶部 161…インク使用量記憶部 162…インク滴重量記憶部 163…供給条件記憶部 164…補正係数記憶部 165…インク滴数計数部 200…ヘッド 201…制御装置 202〜204…インクカートリッジ 205〜207…電子天秤 208…切り換え弁 209…記録用紙 210…光学的読み取り装置
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA29 EB20 EB27 EB30 EB42 EB44 EB49 EB56 EC08 EC26 EC42 EC54 EC57 EC72 ED01 KC22

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するインク吐出ヘッドと
    該インクを所定量収容可能なインク収容器とを備え、該
    ヘッドがインク滴を吐出してインクドットを形成するこ
    とにより、印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置であっ
    て、 前記インク吐出ヘッドへのインクの供給に影響を与える
    条件たるインク供給条件を検出する供給条件検出手段
    と、 前記インク供給条件の中の所定条件において前記インク
    吐出ヘッドから吐出されるインク滴当たりの重量を、単
    位インク量として予め記憶しておくインク量記憶手段
    と、 所定期間内に吐出されるインク滴数に対応する値たるイ
    ンク吐出数を計数するインク吐出数計数手段と、 該計数されたインク吐出数と前記記憶されたインク量と
    前記検出されたインク供給条件とに基づいて、前記所定
    期間内に吐出されるインク吐出量を算出する吐出量算出
    手段と、 前記インク吐出量を累積し、該累積値と前記所定のイン
    ク収容量とを用いて、前記インク収容器のインク残量を
    監視するインク残量監視手段とを備えた印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記インク量記憶手段は、前記インク滴当たりの重量に
    代えて、インク滴当たりの体積を単位インク量として記
    憶しておく手段である印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記供給条件検出手段は、前記インク吐出ヘッドに供給
    される前記インクの温度を検出する手段である印刷装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記供給条件検出手段は、前記インク滴の吐出に伴い経
    時的に変化する条件を検出する手段である印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記供給条件検出手段は、前記インクの組成に依存する
    条件を検出する手段である印刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記供給条件検出手段は、前記インク吐出ヘッドに供給
    すべきインク量を検出する手段である印刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記インク吐出ヘッドは、印刷媒体との相対位置を変更
    しながらインク滴を吐出するヘッドであり、 前記供給条件検出手段は、前記インク供給条件として、
    設定されている印刷解像度を検出する手段である印刷装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記インク吐出ヘッドは、印刷媒体との相対位置を移動
    しながらインク滴を吐出することによって、インクドッ
    トの列たるラスタを形成するヘッドであり、 前記供給条件検出手段は、前記インク供給条件として、
    1のラスタを完成するために必要な相対移動の回数を示
    す指標たる記録モードを検出する手段である印刷装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記供給条件検出手段は、印刷媒体上に形成される前記
    インクドットの配列たるドットパターンを検出する手段
    である印刷装置。
  10. 【請求項10】 請求項9載の印刷装置であって、 前記供給条件検出手段は、前記ドットパターンとして、
    前記インク滴を吐出する時間的な頻度を表す指標たる相
    対駆動周波数を検出する手段である印刷装置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の印刷装置であって、 前記インク吐出ヘッドは、一度に複数のインクドットを
    形成可能なヘッドであり、 前記供給条件検出手段は、前記ドットパターンとして、
    前記一度に形成されるインクドット数と前記一度に形成
    可能なインクドット数との割合を表す指標たる駆動デュ
    ーティを検出する手段である印刷装置。
  12. 【請求項12】 請求項9記載の印刷装置であって、 前記インク吐出ヘッドは、一度に複数のインクドットを
    形成可能なヘッドであり、 前記供給条件検出手段は、前記ドットパターンとして、
    一度に形成されるインクドット数が、所定値より多くな
    る第1の記録条件か、該所定値より少なくなる第2の記
    録条件かの、いずれであるかを検出する手段である印刷
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項9記載の印刷装置であって、 前記供給条件検出手段は、印刷媒体上に形成された前記
    インクドットの配列を、所定の光学的手法によって検出
    する手段である印刷装置。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記ヘッドのインク滴の吐出状態を保つため強制的にイ
    ンク滴を吐出するヘッド保守動作を、複数種類実施可能
    なヘッド保守手段を備え、 前記供給条件検出手段は、前記インク供給条件として、
    前記ヘッド保守動作の種類を検出する手段である印刷装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記インク供給条件に対応付けて補正係数を予め記憶し
    ておく補正係数記憶手段を備え、 前記吐出量算出手段は、前記計数されたインク吐出数と
    前記記憶されたインク量と前記検出されたインク供給条
    件に対応する補正係数とを乗算することにより、前記イ
    ンク吐出量を算出する手段である印刷装置。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記インク吐出ヘッドは、大きさの異なる2種類以上の
    インク滴を吐出可能なヘッドであり、 前記インク量記憶手段は、前記吐出可能なインク滴の大
    きさを区別して、前記インク量を記憶しておく手段であ
    り、 前記インク吐出数計数手段および前記吐出量算出手段
    は、前記吐出されるインク滴の大きさを区別して、それ
    ぞれの処理を行う手段である印刷装置。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記インク吐出ヘッドは、各色のインク滴を吐出するこ
    とにより各色のインクドットの形成が可能なヘッドであ
    り、 前記インク収容器は、前記インクを各色毎に所定量収容
    可能なインク収容器であり、 前記インク吐出数計数手段、前記吐出量算出手段、前記
    インク残量監視手段は、前記インク色毎に、それぞれの
    処理を行う手段である印刷装置。
  18. 【請求項18】 請求項11記載の印刷装置であって、 前記インク吐出ヘッドは、前記一度に形成可能な複数の
    インクドットが、所定の関係に基づいて複数のグループ
    にグループ分けされたヘッドであり、 前記供給条件検出手段は、前記駆動デューティを、前記
    グループ毎に検出する手段であり、 前記インク吐出数計数手段および前記吐出量算出手段
    は、前記グループ毎に、それぞれの処理を行う手段であ
    り、 前記インク残量監視手段は、前記グループ毎に算出され
    た前記インク吐出量を合計し、該合計値を累積して前記
    インク残量を監視する手段である印刷措置。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の印刷装置であって、 前記供給条件検出手段は、前記駆動デューティの検出に
    代えて、一度に形成されるインクドット数が所定値より
    大きい第1の記録条件か、該所定値より小さい第2の記
    録条件であるかを、前記各グループ毎に検出する手段で
    ある印刷装置。
  20. 【請求項20】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記インク量記憶手段は、前記インク供給条件の中の所
    定条件において吐出される前記インク量に変えて、前記
    インク供給条件の各条件で吐出されるインク滴当たりの
    重量をインク量として予め記憶しておく手段であり、 前記吐出量算出手段は、前記計数されたインク吐出数と
    前記検出されたインク供給条件に対応するインク量とを
    用いて、前記インク吐出量を算出する手段である印刷装
    置。
  21. 【請求項21】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記インク残量監視手段は、前記インク吐出量の累積値
    と前記所定のインク収容量と差が、所定値以下になった
    ときに警告を発する手段である印刷装置。
  22. 【請求項22】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記インク残量監視手段は、前記インク吐出量の累積値
    と前記所定のインク収容量との大小関係を通知する手段
    である印刷装置。
  23. 【請求項23】 インク滴を吐出するインク吐出ヘッド
    と該インクを所定量収容可能なインク収容器とを備え、
    該ヘッドがインク滴を吐出してインクドットを形成する
    ことにより印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置で用い
    られ、該インク収容器のインク残量を監視するインク残
    量監視方法であって、 前記インク吐出ヘッドへのインクの供給に影響を与える
    条件たるインク供給条件を検出し、 所定期間内に吐出されるインク滴数に対応する値たるイ
    ンク吐出数を計数し、 該計数されたインク吐出数と、前記インク供給条件の中
    の所定条件において吐出されるインク滴当たりの重量
    と、前記検出されたインク供給条件とを用いて、前記所
    定期間内に吐出されるインク吐出量を算出し、 該算出されたインク吐出量を累積し、 前記インク吐出量の該累積値と前記所定のインク収容量
    とを用いて、前記インク収容器のインク残量を監視する
    インク残量監視方法。
  24. 【請求項24】 インク滴を吐出するインク吐出ヘッド
    と該インクを所定量収容可能なインク収容器とを備え、
    該ヘッドがインク滴を吐出してインクドットを形成する
    ことにより印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置で用い
    られ、該インク収容器のインク残量を監視するプログラ
    ムをコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体で
    あって、 前記インク吐出ヘッドへのインクの供給に影響を与える
    条件たるインク供給条件を検出する機能と、 所定期間内に吐出されるインク滴数に対応する値たるイ
    ンク吐出数を計数する機能と、 該計数されたインク吐出数と、前記インク供給条件の中
    の所定条件において吐出されるインク滴当たりの重量
    と、前記検出されたインク供給条件とを用いて、前記所
    定期間内に吐出されるインク吐出量を算出する機能と、 該算出されたインク吐出量を累積する機能と、 前記インク吐出量の該累積値と前記所定のインク収容量
    とを用いて、前記インク収容器のインク残量を監視する
    機能とを実現するプログラムを記録した記録媒体。
  25. 【請求項25】 インク滴を吐出するインク吐出ヘッド
    を該インクを所定量収容可能なインク収容器とを備え、
    該ヘッドがインク滴を吐出してインクドットを形成する
    ことにより印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置であっ
    て、 前記インク吐出ヘッドへの前記インクの供給に影響を与
    える条件たるインク供給条件を検出する供給条件検出手
    段と、 所定期間内に吐出されるインク滴数に対応する値たるイ
    ンク吐出数を計数するインク吐出数計数手段と、 前記検出されたインク供給条件に基づいて、前記計数さ
    れたインク吐出数を補正するインク吐出数補正手段と、 該補正されたインク吐出数を累積した累積値と、前記所
    定のインク収容量に対応する所定値とを用いて、前記イ
    ンク収容器のインク残量を監視するインク残量監視手段
    とを備えた印刷装置。
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