JP2000218383A - レーザ溶接における溶接温度制御方法 - Google Patents
レーザ溶接における溶接温度制御方法Info
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Abstract
なくても、簡単な操作によって最適の温度条件で溶接作
業を行うことのできる溶接温度制御方法を提供するこ
と。 【解決手段】 適切な溶接状態が得られるときの溶接部
102の温度を標準温度として設定しておき、赤外線セ
ンサ2により溶接部102の温度をリアルタイムで検出
して溶接部102の温度が標準温度と一致するようにレ
ーザ発生器105の出力をフィードバック制御する。ワ
ーク101の状態を直接検出して溶接温度のフィードバ
ック制御を行うので、ワーク101の融点や沸点等の特
性さえ分かっていれば、目標値となる温度の条件設定を
簡単に行うことができる。
Description
る溶接温度制御方法に関する。
(b)に示すように、レーザ光100を金属板等のワーク
101の溶接部102に照射して溶接作業を行うもので
あり、溶接の溶け込み幅が狭い等の特徴があるため精密
な溶接作業に向くが、溶接部102の熱放散が早いの
で、ポロシティの発生や凝固割れ、および、内部歪の発
生等の問題もあり、適切な溶接条件を選択して制御装置
107に設定するための作業が難しいといった問題があ
る。特に、レーザ光100の光軸を移動させながら連続
的な溶接作業を行うような場合には、図11(b)に示す
ように、キーホールと呼ばれる溶融部103の状態が不
安定となり、溶接条件によってはポロシティの発生や凝
固割れの発生が重大な問題となることがある。
成を簡略化して示すブロック図である。レーザ溶接装置
104は、レーザ発生器105、および、レーザ発生器
105に電力を供給するためのパワー発生ユニット10
6と、パワー発生ユニット106を駆動制御するための
制御装置107によって構成される。レーザ発生器10
5には、ミラー109を介して取り出された分岐光の強
度を監視してレーザ発生器105の出力をリアルタイム
で測定するパワーメータ108が配備されており、この
パワーメータ108からの帰還信号を利用して制御装置
107がレーザ発生器105の出力をクローズド・ルー
プで制御するようになっている。
らかなように、制御装置107によるレーザ発生器10
5の駆動制御で操作量として利用できるパラメータは、
パワー発生ユニット106の出力だけであり、従って、
溶接作業に適した条件設定を行う際にオペレータが調整
できるのもレーザ発生器105の出力目標値それ自体し
かない。しかも、その条件設定によってどのような溶接
作業が行われるかを知るためには、実際に溶接作業を行
ってワーク101の状態を目視確認する以外にないの
で、適切な溶接結果を得るための出力の設定作業は試行
錯誤の繰り返しによるほかはなく、条件出し作業が著し
く煩雑化するといった問題がある。
れるような物理的な特性、例えば、熱伝導率等のような
一般的な特性もあるのだが、前述したように、従来の溶
接方法では、パワー発生ユニット106に指令する操作
量、要するに、レーザ発生器105の出力だけを制御対
象としているため、たとえワーク101の特性自体が既
知であったとしても、それを溶接のための条件設定に役
立てることはできない。この結果、溶接ラインの形状や
厚みまたはワークの相対送り速度等の異なる新たな溶接
作業を行う度に、面倒な条件出し作業を改めて行わなけ
ればならなくなるといった弊害も生じる。
続的な溶接作業を行うような場合には、レーザ発生器1
05の出力を調整する代わりに、ワーク101に対する
レーザ光100の相対的な移動速度を変えることで溶接
部102に与える単位時間当たりの熱量を調整して溶接
に適した溶融状態を得ることも理論的には可能である。
しかし、そのような場合も、溶接作業に適した相対送り
速度は様々な送り速度を試して試行錯誤で求める以外に
なく、前述したレーザ発生器105の出力制御による場
合と同様、適切な条件設定を見つけるのは著しく困難で
ある。
の欠点を解消し、面倒な試行錯誤を要する条件出し作業
を行わなくても、簡単な操作によって最適の温度条件で
溶接作業を行うことのできるレーザ溶接における溶接温
度制御方法を提供することにある。
態が得られるときの溶接部の温度を制御装置に標準温度
として設定しておき、レーザ溶接の実行中、非接触式の
温度センサによって前記溶接部の温度をリアルタイムで
検出し、前記温度センサによって検出される溶接部の温
度が前記標準温度と一致するようにレーザ発生器への供
給電力を自動制御するようにしたことを特徴とする構成
により前記目的を達成した。適切な溶接状態が得られる
ときの溶接部の温度を標準温度として設定し、その値を
目標値として溶接部の温度を直接的にクローズド・ルー
プで自動制御するようにしているので、試行錯誤を必要
とする面倒な条件出し作業を行わなくても、適切な温度
での溶接作業を確実に実施することができる。しかも、
溶接の対象となるワークの材質が同一であれば、溶接ラ
インの形状やワークの厚みまたはワークの相対送り速度
等の条件をある程度変更した場合であっても、それらの
差異を吸収して正常な溶接作業を実施することが可能と
なる。
設定してもよいし、また、適当な幅を持つ温度範囲とし
て設定し、温度センサによって検出される溶接部の温度
がその温度範囲内に収まるようにレーザ発生器への供給
電力を自動制御するようにしてもよい。
および溶解熱入力のための定常加熱領域と溶接終了時の
急冷領域の3つの区間に分けて時系列の関数として設定
することにより、溶接作業における急加熱/定常加熱/
急冷の各工程を最適な温度条件によって実施することが
できる。
させて連続的な溶接作業を行う場合には、レーザ発生器
への供給電力を自動制御する代わりに、ワークに対する
光軸の相対移動速度を自動制御することによって溶接部
の温度を標準温度と一致させるようにしてもよい。
溶接部の温度を標準温度と一致させる場合も、レーザ発
生器への供給電力を自動制御する場合と同様、温度幅を
持たせた標準温度を目標値として利用することが可能で
ある。
連続的な溶接作業を行う場合も、標準温度を急加熱領域
/定常加熱領域/急冷領域の3つの区間に分けて時系列
の関数として設定することができる。その場合、実質的
な光軸の相対移動を伴う定常加熱領域においてはワーク
に対する光軸の相対移動速度を自動制御することによっ
て溶接部の温度を標準温度と一致させ、また、光軸の移
動を伴わない急加熱領域と急冷領域においては、溶接部
の温度が標準温度内に収まるようにレーザ発生器への供
給電力を自動制御するようにする。定常加熱領域におい
ては、ワークに対する光軸の相対移動速度の自動制御と
レーザ発生器への供給電力の自動制御とを重畳して行う
ようにしてもよい。
施形態の幾つかについて説明する。図1は非接触式の温
度センサとなる赤外線センサ2によって検出される溶接
部102の温度を標準温度に一致させるようにレーザ発
生器105への供給電力を自動制御するようにしたレー
ザ溶接装置1の一例を示す機能ブロック図である。レー
ザ発生器105,パワー発生ユニット106,パワーメー
タ108ならびにミラー109の構成および作用に関し
ては図12に示した従来例のレーザ溶接装置104と同
様であるので説明は省略する。
・プロセッサおよびROM,RAM、ならびに、溶接条件記憶
用の不揮発性メモリやディスプレイ付き手動データ入力
装置等を備えた通常の数値制御装置によって構成され、
溶接条件記憶用の不揮発性メモリには、溶接温度の目標
値となる標準温度を表すためのデータが予め記憶されて
いる。
度指令Tcmdが出力され、その値が差動増幅器4に入力さ
れる。また、赤外線センサ2によって検出された溶接部
102の現在温度は差動増幅器4に帰還され、差動増幅
器4は、制御部3からの温度指令Tcmdと赤外線センサ2
で検出された溶接部102の現在温度との差分を求めて
その値を増幅し、加熱指令として第2の差動増幅器5に
出力する。そして、第2の差動増幅器5は、与えられた
加熱指令とパワーメータ108で検出されたレーザ発生
器105の出力とを比較して差分を求め、その値を増幅
してレーザ発生器105のパワー発生ユニット106に
駆動指令として出力することにより、差動増幅器4から
出力された加熱指令が達成されるようにパワー発生ユニ
ット106の出力を制御し、最終的に、溶接部102の
温度が制御部3からのTcmdと一致するようにパワー発生
ユニット106の出力を制御する。
102の温度を直接的に温度指令Tcmdで指定することに
よって溶接部102の温度自体をフィードバック制御す
るものであって、図12に示すような従来例、即ち、溶
接部102の実温度に関わりなくパワー発生ユニット1
06の出力のみを制御するものとでは構成が根本的に異
なる。
な溶接状態が保証される溶接部102の温度範囲の上限
値と下限値とにより温度幅をもって設定されており、し
かも、その標準温度は、レーザ溶接作業における3つの
工程、即ち、溶接開始時の急加熱工程と溶解熱入力のた
めの定常加熱工程および溶接終了時の急冷工程の3つの
区間に分けて、時系列の関数として各々個別に設定され
ている。
設定した標準温度の一例を示す概念図である。レーザ光
100の光軸をワーク101に対して相対移動させなが
ら連続的な溶接作業を行う定常加熱工程では、ワーク1
01を確実に溶解して溶接作業を行う必要があるので、
目標値となる標準温度の下限値Tminは、最低でも、溶接
の対象となるワーク101の融点以上とする必要があ
る。また、定常加熱工程における標準温度の上限値Tmax
は、ワーク101の沸騰を防止する必要上、ワーク10
1の沸点からある程度のマージンをとって、それよりも
低い値に設定する必要がある。従って、この実施形態で
は、図2に示すように、定常加熱工程における標準温度
の下限値Tminをワーク101の融点と同じ温度Tmin0に
設定し、また、標準温度の上限値Tmaxは、融点と沸点と
の間で僅かに沸点寄りの温度Tmax0に設定している。
了時の急冷工程の標準温度は、ワーク101に歪みや割
れが発生するのを防止する必要上、適切な温度勾配を持
たせた時系列の変数として設定する必要がある。急加熱
工程の標準温度の下限値Tminは、下限値の温度勾配の傾
きをamin1、また、急加熱工程開始後の経過時間をTとし
てTmin=amin1・Tで示すことができる。一方、急加熱工
程の標準温度の上限値Tmaxは、上限値の温度勾配の傾き
をamax1、また、急加熱工程開始後の経過時間をTとして
Tmax=amax1・Tで示すことができる。同様に、急冷工程
の標準温度の下限値Tminは、定常加熱工程における標準
温度の下限値をTmin0、急冷工程の下限値の温度勾配の
傾きをamin3、また、急冷開始後の経過時間をTとしてTm
in=Tmin0-amin3・Tで示され、急冷工程の標準温度の上
限値Tmaxは、定常加熱工程における標準温度の上限値を
Tmax0、急冷工程の上限値の温度勾配の傾きをamax3、ま
た、急冷開始後の経過時間をTとしてTmax=Tmax0-amax3
・Tで示される。
は、予め適当な実験を行ってワークの材質に応じた値を
求め、パラメータとして制御部3の不揮発性メモリに記
憶させておく。また、急加熱時間t1,急冷時間t3,定常加
熱時間t2の値と定常加熱工程の下限値Tmin0および上限
値Tmax0の値は、溶接作業を実施する際に制御部3のディ
スプレイ付き手動データ入力装置を利用してオペレータ
がその都度設定する。
セッサ(以下、単にMPUという)によって実施される温度
制御処理の概略を示すフローチャートである。以下、図
3乃至図4を参照してMPUの実質的な処理動作について
説明する。
ィスプレイ付き手動データ入力装置の表示画面にデータ
入力のためのガイダンスメッセージを表示し、前述した
急加熱時間t1,急冷時間t3,定常加熱時間t2の値と定常加
熱工程の下限値Tmin0および上限値Tmax0の値、ならび
に、レーザ発生器105およびパワー発生ユニット10
6の損傷を防止するための出力制限値の値がオペレータ
によって入力されるのを待ち、これらの値が入力された
ならば、それらの値をRAMに記憶して(ステップa1)、溶
接開始指令が入力されるまで待機する(ステップa2)。
えるとMPUはステップa2の判別処理でこの操作を検出
し、経過時間計測タイマTrを起動して溶接作業開始後の
経過時間の測定を開始すると共に(ステップa3)、温度指
令値記憶レジスタTcmdに初期値ゼロをセットする(ステ
ップa4)。従って、溶接開始直後の温度目標値は図2に
示す通りゼロということになる。
関する各軸の補間処理を従来と同様に実施した後(ステ
ップa5)、溶接開始後の経過時間Trの現在値が急加熱時
間t1の範囲内にあるか否か、要するに、現時点で急加熱
工程の処理が実施されているか否かを判別する(ステッ
プa6)。そして、Tr≦t1の範囲内にあれば、急加熱工程
の処理が実施されていることを意味するので、MPUは、T
min=amin1・T(但し、T=Tr)およびTmax=amax1・T(但し、
T=Tr)の演算式に基づいて急加熱工程の標準温度の下限
値Tminと上限値Tmaxを求め、その値を下限許容値記憶レ
ジスタTminおよび上限許容値記憶レジスタTmaxの各々に
セットする(ステップa11)。
場合、MPUは、更に、溶接開始後の経過時間Trの現在値
が急加熱時間t1+定常加熱時間t2の範囲内にあるか否
か、要するに、現時点で定常加熱工程の処理が実施され
ているか否かを判別する(ステップa7)。そして、Tr≦t1
+t2の範囲内にあれば定常加熱工程の処理が実施されて
いることを意味するので、MPUは、定常加熱工程の標準
温度の下限値Tmin0を下限許容値記憶レジスタTminにセ
ットし、また、上限値Tmax0を上限値記憶レジスタTmax
にセットする(ステップa10)。
場合、MPUは、溶接開始後の経過時間Trの現在値が急加
熱時間t1+定常加熱時間t2+急冷時間t3の範囲内にあるか
否か、要するに、現時点で急冷工程の処理が実施されて
いるか否かを判別する(ステップa8)。そして、Tr≦t1+t
2+t3の範囲内にあれば急冷工程の処理が実施されている
ことを意味するので、MPUは、Tmin=Tmin0-amin3・T(但
し、T=Tr-t1-t2)およびTmax=Tmax0-amax3・T(但し、T=T
r-t1-t2)の演算式に基づいて急冷工程の標準温度の下限
値Tminと上限値Tmaxを求め、その値を下限許容値記憶レ
ジスタTminおよび上限許容値記憶レジスタTmaxの各々に
セットする(ステップa9)。
検出されている溶接部102の表面温度T’の値を読み
込み(ステップa12)、その値T’が現時点で下限許容値記
憶レジスタTminにセットされている標準温度の下限値Tm
inよりも小さいか否かを判別する(ステップa13)。そし
て、表面温度T’が標準温度の下限値Tminよりも小さい
場合には、温度指令値記憶レジスタTcmdの値に所定値α
を加算して温度指令値Tcmdの値を増大させることにより
溶接部102の表面温度T’を増大させる方向に補正を
かけ(ステップa15)、更に、差動増幅器5からの出力を読
み込み、その値がステップa1の処理で設定された出力制
限値を越えているか否かを判別する(ステップa16)。そ
して、差動増幅器5からの出力が出力制限値を越えてい
なければTcmdの値をそのまま保持し、また、差動増幅器
5からの出力が出力制限値を越えている場合には、温度
指令値Tcmdの値を元の値に戻し、差動増幅器5からの出
力がそれ以上に増大するのを防止して装置の損傷を防ぐ
(ステップa17)。
た場合、つまり、溶接部102の表面温度T’の値が現
時点で下限許容値記憶レジスタTminにセットされている
標準温度の下限値Tminよりも大きいと判別された場合に
は、MPUは、更に、表面温度T’の値が上限許容値記憶レ
ジスタTmaxにセットされている標準温度の上限値Tmaxよ
りも大きいか否かを判別する(ステップa14)。そして、
表面温度T’が上限値Tmaxを越えている場合には、MPU
は、温度指令値記憶レジスタTcmdの値から所定値αを減
算し、溶接部102の表面温度T’を減少させる方向に
補正をかける(ステップa17)。
た場合、即ち、温度指令値記憶レジスタTcmdの値が標準
温度の下限値Tminと上限値Tmaxとの間にあると判別され
た場合には、現在のTcmdの値が適切であることを意味す
るので、MPUは、補正処理は行わずにTcmdの現在値をそ
のまま保持する。
の処理が繰り返し実行される結果、制御部3から出力さ
れる温度指令値Tcmndの値は、急加熱工程/定常加熱工
程/急冷工程の全ての加熱工程を通じて標準温度の下限
値Tminと上限値Tmaxとの間に確実に保持される。また、
溶接部102の表面温度T’は図1の説明で述べた制御
方式に従ってTcmndを目標値としてクローズド・ループ
で制御されるので、図2に示すように、標準温度の下限
値Tminと上限値Tmaxとの間に確実に保持され、最適な温
度条件による的確な溶接作業を実施することができ、し
かも、レーザの光軸の送り速度の変動や気温等の環境変
化による影響にも十分に対処することができる。
標準温度の下限値Tminと上限値Tmaxの値はワーク101
の形状や大きさ等に関わりなくワーク101の材質によ
って決まることが多いので、厚みや形状の異なるワーク
101に対して溶接作業を行うような場合であっても、
amin1,amax1,amin3,amax3等のパラメータの値を頻繁に
設定変更する必要はない。なお、ワークの材質や厚みに
応じたamin1,amax1,amin3,amax3の値を幾つか実験的に
求めてファイル手段に記憶させておき、溶接の開始段階
でワークの材質や厚みを指定してその条件に対応するパ
ラメータの値を読み出して使用するようにしてもよい。
要時間が全て経過すると、MPUはステップa8の判別処理
でこれを検出し、パワー発生ユニット106への電源供
給の停止や光軸の原点復帰等の終了処理を行った後(ス
テップa18)、温度制御に関わる全ての処理を終了する。
溶接部102の温度を標準温度に一致させるようにワー
ク101に対するレーザ発生器105の相対移動速度を
自動制御するようにした実施形態の一例を示す機能ブロ
ック図である。レーザ発生器105およびパワー発生ユ
ニット106の構成および作用に関しては前述した実施
形態と同様である。
05に送りをかけるヘッド駆動機構8が設けられ、レー
ザ発生器105がワーク101に対して相対移動しなが
ら連続的な溶接作業を行うようになっている。モータコ
ントロールユニット9はヘッド駆動機構8に装備された
X,Y,Z各軸のサーボモータを駆動制御するためのもので
ある。モータコントロールユニット9は、制御部7から
の移動指令Pcmdによって各軸のサーボモータを駆動制御
し、レーザ発生器105を移動させる。また、制御部7
からは速度指令Vcmdが出力され、その値が差動増幅器1
0で増幅されてモータコントロールユニット9に入力さ
れ、各軸の送り速度が決められるようになっている。
は、目標位置と現在位置との間の位置偏差を増幅して速
度指令を算出し、この速度指令が達成されるようにモー
タの駆動トルクを制御するといったように位置,速度,電
流ループの各処理を直列的に行うものではなく、制御部
7からの移動指令Pcmdと速度指令Vcmdとによって並列的
に行われる。従って、例えば、移動指令Pcmdが入力され
てモータコントロールユニット9のエラーレジスタに位
置偏差が蓄積された場合であっても、速度指令Vcmdの値
がゼロである場合には各軸のサーボモータは実質的に動
作しない。
する温度指令値Tcmdが出力され、その値が差動増幅器1
1に入力される。赤外線センサ2によって検出された溶
接部102の現在温度は差動増幅器11に帰還され、差
動増幅器11は、制御部7からの温度指令値Tcmdと赤外
線センサ2で検出された溶接部102の現在温度との差
分を求め、その値を増幅し、加熱指令としてパワー発生
ユニット106に出力する。同時に、差動増幅器11か
らの差分出力は符号を反転した減速指令として差動増幅
器10の側にも入力され、差動増幅器10は、制御部7
からの速度指令値Vcmdと差動増幅器11からの減速指令
との差分をとり、その値を増幅して最終的な速度指令と
してモータコントロールユニット9に入力する。
大きな場合、つまり、温度指令値Tcmdで指定された温度
よりも溶接部102の実質的な温度が低ければ低いほ
ど、差動増幅器10に入力される減速指令の値は大きく
なり、最終的な速度指令である差動増幅器10からの差
分出力は最初の速度指令Vcmdの値よりも小さくなって、
レーザ発生器105の相対移動速度が遅くなる。これに
より、単位時間当たりに溶接部102に供給される熱量
が増大し、結果的に、溶接部102の温度を増大させる
方向の補正がかけられることになる。また、これとは逆
に温度指令Tcmdで指定された温度よりも溶接部102の
実質的な温度の方が高くなった場合には、差動増幅器1
0に入力される減速指令は実質的な加速指令となり、最
終的な速度指令である差動増幅器10からの差分出力は
最初の速度指令Vcmdの値よりも大きくなってレーザ発生
器105の相対移動速度が速くなる。これにより、単位
時間当たりに溶接部102に供給される熱量が減少し、
結果的に、溶接部102の温度を減少させる方向の補正
がかけられることになる。
・プロセッサおよびROM,RAMならびに溶接条件記憶用の
不揮発性メモリやディスプレイ付き手動データ入力装置
等を備えた通常の数値制御装置によって構成され、前述
した差動増幅器10の機能に相当する実質的な処理は、
そのマイクロ・プロセッサによって実現されるようにな
っている。また、溶接条件記憶用の不揮発性メモリに
は、溶接温度の目標値となる標準温度を表すためのデー
タが予め記憶されている。
な溶接状態が保証される溶接部102の温度範囲の上限
値と下限値とにより温度幅をもって設定されており、し
かも、その標準温度は、溶接作業における3つの工程、
即ち、溶接開始時の急加熱工程と溶解熱入力のための定
常加熱工程および溶接終了時の急冷工程の3つの区間に
分けて、時系列の関数として各々個別に設定されてい
る。
定した標準温度の一例を示す概念図である。先に述べた
実施形態の場合と同様、レーザ光の光軸をワーク101
に対して相対移動させながら連続的な溶接作業を行う定
常加熱工程では、ワーク101を確実に溶解して溶接作
業を行う必要があるので、目標値となる標準温度の下限
値Tminは、最低でも溶接の対象となるワーク101の融
点以上とする必要がある。また、定常加熱工程における
標準温度の上限値Tmaxは、ワーク101の沸騰を防止す
る必要上、ワーク101の沸点からある程度のマージン
をとって、それよりも低い値に設定する必要がある。従
って、この実施形態では、図6に示すように、定常加熱
工程における標準温度の下限値Tminをワーク101の融
点と同じ温度Tmin0に設定し、また、標準温度の上限値
Tmaxは、融点と沸点との間で僅かに沸点寄りの温度Tmax
0に設定している。
了時の急冷工程の標準温度は、ワーク101に歪みや割
れが発生するのを防止する必要上、適切な温度勾配を持
たせた時系列の変数として設定する必要がある。急加熱
工程の標準温度の下限値Tminは、下限値の温度勾配の傾
きをamin1、また、急加熱工程開始後の経過時間をTとし
てTmin=amin1・Tで示すことができる。一方、急加熱工
程の標準温度の上限値Tmaxは、上限値の温度勾配の傾き
をamax1、また、急加熱工程開始後の経過時間をTとして
Tmax=amax1・Tで示すことができる。同様に、急冷工程
の標準温度の下限値Tminは、定常加熱工程における標準
温度の下限値をTmin0、急冷工程の下限値の温度勾配の
傾きをamin3、また、急冷工程開始後の経過時間をTとし
てTmin=Tmin0-amin3・Tで示され、急冷工程の標準温度
の上限値Tmaxは、定常加熱工程における標準温度の上限
値をTmax0、急冷工程の上限値の温度勾配の傾きをamax
3、また、急冷工程開始後の経過時間をTとしてTmax=Tma
x0-amax3・Tで示される。
は、予め適当な実験を行ってワークの材質に応じた値を
求め、パラメータとして制御部7の不揮発性メモリに記
憶させておく。また、定常加熱工程の下限値Tmin0およ
び上限値Tmax0の値と溶接開始位置Poおよび溶接終了位
置Peの値は、溶接作業を実施する際に制御部7のディス
プレイ付き手動データ入力装置を利用してその都度設定
する。
ンサ2によって検出される溶接部102の温度を標準温
度に一致させるようにワーク101に対するレーザ発生
器105の相対移動速度を自動制御するものであるが、
実際にレーザ発生器105の相対移動速度を自動制御す
ることが可能なのは、ヘッド駆動機構8によってレーザ
発生器105に実質的な送りをかける区間だけである。
の温度が十分に上昇していない急加熱工程の段階では、
レーザ発生器105の送りを伴う実質的な溶接作業が実
施されることはないので、レーザ発生器105の相対移
動速度を制御することによって溶接部102の温度を適
切な温度範囲に調整することもできない。また、溶接部
102を冷却する急冷工程ではレーザ発生器105の送
りを停止させて溶接部102の冷却を待つことになるの
で、この急冷工程においても、やはり、レーザ発生器1
05の相対移動速度を制御することによって溶接部10
2の温度を適切な温度範囲に調整することはできない。
レーザ発生器105の相対移動速度を制御することによ
って溶接部102の温度を調整できるのは、実際には、
図7に示す通り、溶接開始位置Poで溶接部102の温度
が溶接可能温度に達してからレーザ発生器105が溶接
終了位置Peに到達するまでの移動区間である。
工程の溶接区間においてはレーザ発生器105の相対移
動速度を制御することによって溶接部102の温度を適
切な温度範囲に調整する一方、急加熱工程と急冷工程に
おいては、通常の温度制御方法を適用して溶接部102
の温度を適切な温度範囲に調整するようにしている。
ロセッサ(以下、単にMPUという)によって実施される温
度制御処理の概略を示すフローチャートである。以下、
図8乃至図10を参照してMPUの実質的な処理動作につ
いて説明する。
ィスプレイ付き手動データ入力装置の表示画面にデータ
入力のためのガイダンスメッセージを表示し、前述した
定常加熱工程の下限値Tmin0および上限値Tmax0の値と溶
接開始位置Poおよび溶接終了位置Peの値、ならびに、レ
ーザ発生器105の最大送り速度を規制するための速度
制限値の値がオペレータによって入力されるのを待ち、
これらの値が入力されたならば、それらの値をRAMに記
憶して(ステップb1)、溶接開始指令が入力されるまで待
機する(ステップb2)。
えるとMPUはステップb2の判別処理でこの操作を検出
し、溶接開始位置Poへの移動指令Pcmdとジョグ送り速度
に対応する速度指令Vcmdを出力してレーザ発生器105
の光軸を溶接開始位置Poに移動させ(ステップb3)、経過
時間計測タイマTrを起動して溶接作業開始後の経過時間
の測定を開始すると共に(ステップb4)、速度指令値記憶
レジスタVcmdに初期値ゼロをセットする(ステップb5)。
の現在値が急加熱時間t1の範囲内にあるか否か、要する
に、現時点で急加熱工程の処理が実施されているか否か
を判別する(ステップb6)。そして、Tr≦t1の範囲内にあ
れば、急加熱工程の処理が実施されていることを意味す
るので、MPUは、Tmin=amin1・T(但し、T=Tr)およびTmax
=amax1・T(但し、T=Tr)の演算式に基づいて急加熱工程
の標準温度の下限値Tminと上限値Tmaxを算出し(ステッ
プb7)、更に、その平均値を求め、温度指令値Tcmdとし
て差動増幅器11を介してパワー発生ユニット106に
出力する(ステップb8)。
越えるまでの間、前述したステップb6乃至ステップb8の
処理が繰り返し実行される結果、急加熱工程の期間t1中
は、図6に示されるように、経過時間に応じて線形的に
増大する温度指令値Tcmdが制御部7から差動増幅器11
に出力されることになる。この間、赤外線センサ2によ
って検出される溶接部102の現在温度と温度指令値Tc
mdとの温度差に基づいて差動増幅器11がパワー発生ユ
ニット106の出力を調整しながら溶接部102の温度
をフィードバック制御するので、溶接部102の温度
は、その時点における温度指令値Tcmdと同等の値に保持
される。
接部102の温度が光軸の移動を伴う溶接作業に適した
温度に達すると、MPUはステップb6の判別処理でこのこ
とを検出し、光軸を移動させながらの溶接作業を開始す
る。
動等に関する各軸の補間処理、要するに、移動指令Pcmd
や速度指令Vcmdの算出等に関わる処理を従来と同様に実
施した後(ステップb9)、レーザ発生器105の現在位置
Pを現在位置記憶レジスタから読み込み(ステップb10)、
レーザ発生器105の現在位置Pが溶接終了位置Peに到
達しているか否かを判別する(ステップb11)。そして、
現在位置Pが溶接終了位置Peに到達していなければ、MPU
は、下限許容値記憶レジスタTminに定常加熱工程の標準
温度の下限値Tmin0を読み込む一方、上限許容値記憶レ
ジスタTmaxには定常加熱工程の標準温度の上限値Tmax0
を読み込む(ステップb12)。
検出されている溶接部102の表面温度T’の値を読み
込み(ステップb13)、下限許容値記憶レジスタTminと上
限許容値記憶レジスタTmaxの平均をとって溶接部102
の温度として理想的な温度Tmidlを求め(ステップb14)、
溶接部102の表面温度T’が理想値Tmidlに満たないか
どうかを判別する(ステップb15)。そして、表面温度T’
が理想値Tmidlよりも小さい場合、つまり、ステップb15
の判別結果が真となった場合には、MPUは、速度指令値
記憶レジスタVcmdの値から所定値βを減算して速度指令
値Vcmdの値を減少させ、光軸の送り速度を遅くすること
により溶接部102に単位時間当たりに供給させる熱量
を増大させて表面温度T’が増加する方向に送り速度を
補正する(ステップb19)。
た場合には、MPUは、更に、溶接部102の表面温度T’
の値が理想値Tmidlを越えているか否かを判別する(ステ
ップb16)。そして、表面温度T’が理想値Tmidlよりも大
きい場合、つまり、ステップb16の判別結果が真となっ
た場合には、MPUは、速度指令値記憶レジスタVcmdの値
に所定値βを加算して速度指令値Vcmdの値を増大させ、
光軸の送り速度を速くすることにより溶接部102に単
位時間当たりに供給させる熱量を減少させて表面温度
T’が減少する方向に送り速度を補正し(ステップb17)、
更に、速度指令値Vcmdの現在値がステップb1の処理で設
定された速度制限値を越えているか否かを判別する(ス
テップb18)。
えていなければ速度指令値Vcmdの値をそのまま保持し、
また、速度指令値Vcmdが速度制限値を越えている場合に
は、速度指令値Vcmdの値を元の値に戻し、光軸の移動速
度が極端に増大するのを防止する(ステップb19)。速度
指令値Vcmdの値が規制された場合、光軸の移動速度を増
大させることによって表面温度T’を減少させることは
難しくなるが、図5に示す通り、差動増幅器11による
温度のフィードバック制御も並列的に行われており、表
面温度T’の増加に応じて差動増幅器11からパワー発
生ユニット106に与えられる操作量(差分出力)が減少
するので、溶接部102の温度を減少させることができ
る。
た場合には表面温度T’の現在値がその時点で最適とさ
れる表面温度の理想値Tmidlと一致していることを意味
するので、速度指令値Vcmdに関する補正作業は行われな
い。
から溶接終了位置Peまで移動する間、前述したステップ
b9乃至ステップb19の処理が繰り返し実行される結果、
溶接部102に供給される熱量が不足する場合には光軸
の送り速度が自動的に減速されて単位時間当たりに溶接
部102に入力される熱量が増大され、また、溶接部1
02に供給される熱量が過剰な場合には、光軸の送り速
度が自動的に加速されて実質的な熱の供給量か抑制され
る。これらの処理のうちステップb12からステップb19に
至る処理が図5に示す差動増幅器10の速度制御機能に
相当する部分である。また、これらの処理が行われる間
にも、ハードウェアによって構成される差動増幅器11
による温度のフィードバック制御が並列的に行われるの
で、光軸移動の速度制御のみによって溶接部102に与
える熱量を調整する場合、および、パワー発生ユニット
106の出力調整のみによって温度制御を行う場合に比
べて高い精度で溶接部102の温度T’を目標値に近似
させることができ、また、環境温度の変化等といった外
乱に対する耐性も遥かに高くなる。
度T’の変化の一例を図7に示す。図7に示すT’の温度
変化が図2に示した最初の実施形態の温度変化T’に比
べて安定している理由は、前述した送り速度とレーザ出
力の並列制御の他、温度の目標値となるTcmdを温度幅と
してではなく幅を持たない数値、即ち、Tmidl=(Tmax+Tm
in)/2によって与えている点にもある(ステップb14参
照)。この結果、本実施形態における表面温度T’の変化
は上限値Tmaxと下限値Tminとの間に収まるのは無論のこ
と、図6に示すような温度指令値Tcmdと実質的に一致す
るまでになり、より精度の高い温度制御が可能となる。
る間に、レーザ発生器105の現在位置Pが溶接終了位
置Peに到達して定常加熱工程の処理が終わったことがス
テップb11の判別処理で検出されると、MPUは、速度指令
値記憶レジスタVcmdの値をゼロに初期化し(ステップb2
0)、経過時間計測タイマTrをリスタートして急冷工程開
始後の経過時間の測定を開始する(ステップb21)。
間Trの現在値が急冷時間t3の範囲内にあるか否か、要す
るに、現時点で急冷工程の処理が実施されているか否か
を判別する(ステップb22)。そして、Tr≦t3の範囲内に
あれば、急冷工程の処理が実施されていることを意味す
るので、MPUは、Tmin=Tmin0-amin3・T(但し、T=Tr)およ
びTmax=Tmax0-amax3・T(但し、T=Tr)の演算式に基づい
て急冷工程の標準温度の下限値Tminと上限値Tmaxを算出
し(ステップb23)、更に、その平均値を求め、温度指令
値Tcmdとして差動増幅器11を介してパワー発生ユニッ
ト106に出力する(ステップb24)。
t3を越えるまでの間、前述したステップb22乃至ステッ
プb24の処理が繰り返し実行される結果、急冷工程の期
間t3中は、図6に示されるように、経過時間に応じて線
形的に減少する温度指令値Tcmdが制御部7から差動増幅
器11に出力されることになる。この間、赤外線センサ
2によって検出される溶接部102の現在温度と温度指
令値Tcmdとの温度差に基づいて差動増幅器11がパワー
発生ユニット106の出力を調整しながら溶接部102
の温度をフィードバック制御するので、溶接部102の
温度はその時点における温度指令値Tcmdと同等の値に保
持される。
熱工程/定常加熱工程/急冷工程を含む一連の溶接作業
が完了したことがステップb22の判別処理で検出される
と、MPUは、パワー発生ユニット106への電源供給の
停止や光軸の原点復帰等の終了処理を行った後(ステッ
プb25)、送り速度制御および温度制御に関する全ての処
理を終了する。
mdを幅のない数値Tmidl=(Tmax+Tmin)/2として与え、ま
た、溶接部102の現在温度T’が適切であるか否かの
判断も上限許容値Tmaxと下限許容値Tminとの比較ではな
く幅を持たない数値Tmidl=(Tmax+Tmin)/2との比較によ
って行うようにしているので、必ずしも上限許容値や下
限許容値といった概念を導入する必要はなく、例えば、
図6に示されるようなTcmd自体を表すデータや関数を生
成して直接用いることによって、ステップb7,b8やステ
ップb12,b14、更には、ステップb23,b24に代わる簡略化
された処理、つまり、平均値の算出を必要としない処理
を実施するように構成することも可能である。本実施形
態においては、融点や沸点等は材質によって一様に決ま
っているので上限許容値Tmax0や下限許容値Tmin0の値は
簡単に特定できるとの観点に基づき、設定操作の簡便化
のため、最初に述べた実施形態で採用した上限許容値や
下限許容値といった概念をそのまま導入し、ステップb1
の処理で上限許容値Tmax0や下限許容値Tmin0の値をオペ
レータによって入力させ、温度制御の目標値となる(Tma
x+Tmin)/2の演算処理自体は、その都度MPUによって実行
させるようにしている。
り速度とレーザ発生器105のレーザ出力を共に制御す
ることによって溶接部102の温度T’を温度指令値Tcm
dに一致させるようにしているが、実際に送り動作の行
われる定常加熱工程の区間に限って言えば、レーザ発生
器105の送り速度Vcmdのみを制御することによって溶
接部102の温度を適正な値に保持することも可能であ
る。
温度をリアルタイムで検出し、その温度が指令温度に一
致するようにレーザ発生器への供給電力またはワークに
対する光軸の相対移動速度、もしくは、その両方を自動
制御するようにしているので、溶接対象となるワークの
特性さえ分かれば、溶接作業に用いる溶接条件を簡単に
決めることができ、ポロシティの発生や凝固割れ、およ
び、内部歪等のない的確なレーザ溶接作業を簡単に実施
することができる。従って、ワーク溶接部の実温度を無
視してレーザ発生器の出力のみを制御していた従来の温
度制御方法のような試行錯誤の繰り返しによる面倒な条
件設定作業は必要ない。
が直接的に制御されるので、送り速度や気温の変動等の
外乱があった場合でも、これらの外乱による悪影響を吸
収して的確なレーザ溶接作業を行うことができる。
ザ発生器への供給電力を自動制御するようにしたレーザ
溶接装置の一例を示す機能ブロック図である。
す概念図である。
れる温度制御処理の概略を示すフローチャートである。
きである。
ークに対するレーザ発生器の相対移動速度を自動制御す
るようにしたレーザ溶接装置の一例を示す機能ブロック
図である。
す概念図である。
接部の温度を調整した場合の実温度の変化を例示した概
念図である。
れる温度制御処理の概略を示すフローチャートである。
きである。
続きである。
示す斜視図、図11(b)は溶接個所の状態を示す断面図
である。
すブロック図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 レーザ光を照射して溶接作業を行うレー
ザ溶接であって、 適切な溶接状態が得られるときの溶接部の温度を予め制
御装置に標準温度として設定しておき、レーザ溶接の実
行中、非接触式の温度センサによって前記溶接部の温度
を検出し、前記温度センサによって検出される溶接部の
温度が前記標準温度と一致するようにレーザ発生器への
供給電力を制御するようにしたことを特徴とするレーザ
溶接における溶接温度制御方法。 - 【請求項2】 前記標準温度は、適切な溶接状態が得ら
れるときの溶接部の温度範囲として設定し、前記温度セ
ンサによって検出される溶接部の温度が前記温度範囲内
に収まるようにレーザ発生器への供給電力を制御するよ
うにしたことを特徴とする請求項1記載のレーザ溶接に
おける溶接温度制御方法。 - 【請求項3】 前記標準温度を、溶接開始時の急加熱領
域および溶解熱入力のための定常加熱領域と溶接終了時
の急冷領域の3つの区間に分けて時系列の関数として設
定したことを特徴とする請求項1または2記載のレーザ
溶接における溶接温度制御方法。 - 【請求項4】 レーザ光を照射しながらその光軸を移動
させて連続的な溶接作業を行うレーザ溶接であって、 適切な溶接状態が得られるときの溶接部の温度を予め制
御装置に標準温度として設定しておき、レーザ溶接の実
行中、非接触式の温度センサによって前記溶接部の温度
を検出し、前記温度センサによって検出される溶接部の
温度が前記標準温度と一致するようにワークに対する光
軸の相対移動速度を制御するようにしたことを特徴とす
るレーザ溶接における溶接温度制御方法。 - 【請求項5】 前記標準温度は、適切な溶接状態が得ら
れるときの溶接部の温度範囲として設定し、前記温度セ
ンサによって検出される溶接部の温度が前記温度範囲内
に収まるようにワークに対する光軸の相対移動速度を制
御するようにしたことを特徴とする請求項4記載のレー
ザ溶接における溶接温度制御方法。 - 【請求項6】 前記標準温度を、溶接開始時の急加熱領
域および溶解熱入力のための定常加熱領域と溶接終了時
の急冷領域の3つの区間に分けて時系列の関数として設
定し、急加熱領域および急冷領域においては、前記温度
センサによって検出される溶接部の温度が前記温度範囲
内に収まるようにレーザ発生器への供給電力を制御する
ようにしたことを特徴とする請求項4または5記載のレ
ーザ溶接における溶接温度制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01931799A JP3817949B2 (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | レーザ溶接における溶接温度制御方法 |
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