JPH1085973A - レーザ溶接制御装置 - Google Patents

レーザ溶接制御装置

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JPH1085973A
JPH1085973A JP8238764A JP23876496A JPH1085973A JP H1085973 A JPH1085973 A JP H1085973A JP 8238764 A JP8238764 A JP 8238764A JP 23876496 A JP23876496 A JP 23876496A JP H1085973 A JPH1085973 A JP H1085973A
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JP
Japan
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welding
laser
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laser beam
leakage
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JP8238764A
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English (en)
Inventor
Yasuo Kondo
康夫 近藤
Toshifumi Matsumoto
敏史 松本
Naoaki Fukuda
直晃 福田
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KINKI KOU ENERG KAKO GIJUTSU K
KINKI KOU ENERG KAKO GIJUTSU KENKYUSHO
Original Assignee
KINKI KOU ENERG KAKO GIJUTSU K
KINKI KOU ENERG KAKO GIJUTSU KENKYUSHO
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光が溶接部の裏面側へ貫通漏洩する状
態で溶接が進行するレーザ溶接において、溶接の品質を
適正良好に維持させるための制御装置を提供すること。 【解決手段】 漏洩レーザ光検出手段18と、レーザ溶
接条件制御手段34とを備え、漏洩レーザ光検出手段1
8は、被溶接物Wの裏面側へ貫通漏洩するレーザ光のパ
ワーを検出し、レーザ溶接条件制御手段34は、予め設
定された適正溶接時の漏洩レーザ光パワーの範囲と前記
漏洩レーザ光検出手段18が検出した漏洩レーザ光パワ
ーとを比較し、検出漏洩レーザ光パワーが設定適正範囲
から外れているときに、検出漏洩レーザ光パワーが設定
適正範囲内に入るようにレーザ溶接条件を自動調整する
構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被溶接物の突き合
わせ溶接部に対しレーザ溶接ヘッドからのレーザ光を照
射した状態で被溶接物とレーザ光とを溶接方向に相対移
動させることにより前記溶接部を連続的に溶接するレー
ザ溶接、特にレーザ光が溶接部の裏面側へ貫通漏洩する
状態で溶接が進行するレーザ溶接において、溶接部の品
質を適正良好に維持させるための制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】レーザ溶接においては、レーザ出力や溶
接速度(レーザ光と被溶接物との溶接方向の相対移動速
度)、あるいは溶接部の雰囲気を調整するアシストガス
やシールドガスなどの流量によって、溶接部の品質が大
きく左右される。従って、被溶接物の材質や厚さなどに
応じて適正なレーザ出力を予め設定し、この適正レーザ
出力において溶接速度や雰囲気調整ガス流量を調整しな
がら実際に溶接を試みて適正な溶接速度や雰囲気調整ガ
ス流量などを求め、この後、実際の溶接作業を実行する
のが一般的であった。
【0003】このような方法では、多大の手間と時間が
必要であるばかりでなく、実際の溶接作業時に突発的に
生じる溶接条件の変動に対してリアルタイムな自動補正
が行えない。そこで最近では、適正良好な溶接が行われ
ているときに溶接部に発生するプラズマの光量や溶接音
の音量、あるいは輻射熱の熱量の適正範囲を記憶させて
おき、実際の溶接時に検出されるプラズマの光量や溶接
音の音量、あるいは輻射熱の熱量を記憶設定されている
適正範囲と比較して、検出値が適正範囲から外れている
とき、当該検出値が適正範囲内に入るように溶接条件を
自動補正するような制御方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の制御方法では、検出するプラズマの光量や溶
接音の音量、あるいは輻射熱の熱量が周囲の環境の変化
による影響、所謂外乱の影響を受け易いものであるか
ら、高精度の制御が難しく、常に高品質の溶接結果を得
ることが困難である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような従
来の問題点を解消し得るレーザ溶接制御装置を提供する
ことを目的とするものであって、その手段を後述する実
施形態の参照符号を付して示すと、漏洩レーザ光検出手
段18と、レーザ溶接条件制御手段34とを備え、漏洩
レーザ光検出手段18は、被溶接物Wの裏面側へ貫通漏
洩するレーザ光のパワーを検出し、レーザ溶接条件制御
手段34は、予め設定された適正溶接時の漏洩レーザ光
パワーの範囲P1〜P2と前記漏洩レーザ光検出手段が
検出した漏洩レーザ光パワーLPとを比較し、検出漏洩
レーザ光パワーLPが設定適正範囲P1〜P2から外れ
ているときに、検出漏洩レーザ光パワーLPが設定適正
範囲P1〜P2内に入るようにレーザ溶接条件を自動調
整する構成となっている。
【0006】具体的には、前記レーザ溶接条件制御手段
34が制御する対象として、溶接速度調整手段(ワーク
テーブル位置制御装置11、ワークテーブル4、及びサ
ーボモーター12)とレーザ出力調整手段2の何れか少
なくとも一方を利用し、検出漏洩レーザ光パワーLPが
設定適正範囲P1〜P2から外れているとき、前記溶接
速度調整手段による溶接速度調整または前記レーザ出力
調整手段によるレーザ出力調整を行うことができる。こ
の場合、前記レーザ溶接条件制御手段34が制御する対
象として、溶接速度調整手段とレーザ出力調整手段2の
他にレーザ光焦点位置調整手段(サーボモーター6及び
溶接ヘッド位置制御装置5)を利用し、検出漏洩レーザ
光パワーLPが設定適正範囲P1〜P2より低いとき、
前記レーザ光焦点位置調整手段によるレーザ光焦点位置
調整を行い、この結果でも検出漏洩レーザ光パワーLP
が設定適正範囲P1〜P2から外れているとき、さらに
前記溶接速度調整手段による溶接速度調整または前記レ
ーザ出力調整手段によるレーザ出力調整を行うことがで
きる。
【0007】また、レーザ溶接条件制御手段34が制御
する対象として溶接部雰囲気調整手段26を利用し、検
出漏洩レーザ光パワーLPが設定適正範囲P1〜P2か
ら外れたとき、前記溶接部雰囲気調整手段26による雰
囲気調整ガスの噴射流量の調整を行うように構成するこ
ともできる。
【0008】上記の制御装置では、漏洩レーザ光検出手
段18が検出した漏洩レーザ光パワーLPが設定適正範
囲P1〜P2内か否かに基づいてレーザ溶接条件を自動
調整しているが、各種の不適正溶接時の漏洩レーザ光パ
ワーLPの経時変化パターン(図3〜図6)と適正溶接
時の漏洩レーザ光パワーLPの経時変化パターン(図
2)とを予め設定しておき、前記漏洩レーザ光検出手段
18が検出した漏洩レーザ光パワーLPの経時変化パタ
ーンと前記設定パターン(図2〜図6)とを比較し、検
出パターンが不適正設定パターン(図3〜図6)に一致
するとき、当該不適正設定パターンの不適正溶接条件に
基づいて検出パターンが設定適正パターン(図2)にな
るようにレーザ溶接条件を自動調整することもできる。
【0009】具体的には、溶接速度不足設定パターン
(図3A)、溶接速度過大設定パターン(図3B)、及
びレーザ出力不適正設定パターン(図4)を設定してお
き、レーザ溶接条件制御手段34が制御する対象とし
て、レーザ光焦点位置調整手段(サーボモーター6及び
溶接ヘッド位置制御装置5)、レーザ出力調整手段2、
及び溶接速度調整手段(ワークテーブル位置制御装置1
1、ワークテーブル4、及びサーボモーター12)を利
用し、制御開始時(T2)に検出パターンが溶接速度過
大設定パターン(図3B)と一致するときは、レーザ光
焦点位置調整手段によるレーザ光焦点位置調整を行い、
その結果でも検出パターンが適正設定パターン(図2)
にならないときは溶接速度調整手段による溶接速度減速
調整を行い、検出パターンが速度不足設定パターン(図
3A)と一致するときは溶接速度調整手段による溶接速
度増速調整を行い、検出パターンが出力不適正設定パタ
ーン(図4)と一致するときはレーザ出力調整手段によ
るレーザ出力調整を行うように構成することができる。
【0010】また、上記のパターン制御においても、レ
ーザ溶接条件制御手段34が制御する対象として溶接部
雰囲気調整手段29を利用し、設定適正範囲P1〜P2
内にあった漏洩レーザ光パワーLPが一時的に設定適正
範囲P1〜P2から外れる雰囲気不適正設定パターン
(図5)を設定しておき、検出パターンが雰囲気不適正
設定パターン(図5)と一致するとき、前記溶接部雰囲
気調整手段29による雰囲気調整ガスの噴射流量の調整
を行わせることができる。
【0011】前記漏洩レーザ光検出手段18は、被溶接
物Wの裏面側へ貫通漏洩するレーザ光を受光するパワー
メーター19を備えたものとし、当該パワーメーター1
9を介して漏洩レーザ光パワーLPを直接電力量として
検出することができるし、被溶接物Wの裏面側へ貫通漏
洩するレーザ光の横断面を撮像する撮像手段21を利用
し、この撮像手段21を介して計測される漏洩レーザ光
の横断面の大きさから漏洩レーザ光パワーLPを間接的
に検出することもできる。
【0012】被溶接物Wの裏面側へ貫通漏洩するレーザ
光の横断面を撮像する撮像手段21を使用する場合、こ
の撮像手段21の撮像エリア40内に設定された漏洩レ
ーザ光横断面画像41の中心位置42に対する実際の漏
洩レーザ光横断面画像41の位置ずれを解消するよう
に、レーザ光の光軸Lに対し直交する二次元方向(X,
Y方向)にレーザ溶接ヘッド1と前記撮像手段21側の
光学系とを相対移動させる位置ずれ補正手段(溶接ヘッ
ド位置制御装置5、サーボモーター7,8、及び溶接条
件など制御手段34)を併用することができる。
【0013】漏洩レーザ光検出手段18には、被溶接物
Wからの漏洩レーザ光の貫通方向に対し横側方に離れた
位置へ漏洩レーザ光をガイドする光学的ガイド(反射鏡
16)を設け、漏洩レーザ光の貫通方向に対し横側方に
離れた位置で漏洩レーザ光パワーLPを検出するように
構成することができる。また、被溶接物Wの溶接部裏面
に近い位置で漏洩レーザ光の光軸Lに対し略直交する向
きにスパッタ飛散のためのガスを噴射するガス噴射手段
32や、被溶接物Wの溶接部裏面に近い位置に、漏洩レ
ーザ光は透過するがスパッタは遮断するスパッタ遮蔽手
段33を配設することができる。
【0014】また、被溶接物Wの裏面側へ貫通漏洩する
レーザ光の横断面を撮像する漏洩レーザ光撮像手段21
と、被溶接物Wにおける溶接ラインを撮像する溶接ライ
ン撮像手段26と、溶接位置自動補正手段(ワークテー
ブル位置制御装置11及びサーボモーター13)とを設
け、この溶接位置自動補正手段により、前記漏洩レーザ
光撮像手段21が撮影した漏洩レーザ光横断面画像の中
心位置と前記溶接ライン撮像手段26が撮影した溶接ラ
イン画像との位置ずれを計測して、この位置ずれを解消
するように、レーザ光の光軸Lと溶接方向(X方向)と
に直交する方向(Y方向)にレーザ光の光学系(レーザ
溶接ヘッド4から漏洩レーザ光検出手段18までの光学
系)と被溶接物W(ワークテーブル4)とを相対移動さ
せることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適実施形態を添
付図に基づいて説明すると、図1において、1はレーザ
溶接ヘッドであり、レーザ出力調整手段2により制御さ
れるレーザ発振器3から適当な光学的ガイドを介して供
給されるレーザ光を、ワークテーブル4上に載置固定さ
れる被溶接物Wの溶接部に対し収束照射する。レーザ溶
接ヘッド1は、溶接ヘッド位置制御装置5により制御さ
れるサーボモーター6〜8によって照射レーザ光の光軸
Lの方向(Z方向)と当該光軸方向に対し直交する二次
元方向(X,Y方向)とに位置調整される。6a〜8a
は各サーボモーター6〜8に連動するパルスエンコーダ
ーであって、溶接ヘッド位置決め用制御装置5にレーザ
溶接ヘッド1の各方向の移動量をフィードバックする。
【0016】被溶接物Wを載置固定するワークテーブル
4は、ワークテーブル位置制御装置11によって制御さ
れるサーボモーター12により、照射レーザ光の光軸L
の方向(Z方向)に対し直交する溶接方向(X方向)に
移動せしめられるとともに、ワークテーブル位置制御装
置11によって制御されるサーボモーター13により前
記光軸方向(Z方向)と溶接方向(X方向)とに対して
直交する方向(Y方向)に位置調整される。12a,1
3aはサーボモーター12,13に連動するパルスエン
コーダーであって、ワークテーブル位置制御装置11に
ワークテーブル4の各方向の移動量をフィードバックす
る。
【0017】16は被溶接物Wの溶接部を貫通して裏面
側へ漏洩するレーザ光をその光軸Lに対し直角横方向に
反射させる反射鏡、17は当該反射鏡16で反射した漏
洩レーザ光を平行レーザ光に収束させるコリメートレン
ズ、18はコリメートレンズ17を経由した漏洩レーザ
光を検出する漏洩レーザ光検出手段である。この漏洩レ
ーザ光検出手段18は、パワーメーター19を介して漏
洩レーザ光のパワーを直接電力量として計測するパワー
計測装置20と、漏洩レーザ光の横断面形状を撮像する
撮像手段21とを備えている。撮像手段21は、コリメ
ートレンズ17とパワーメーター19との間に配設した
半透過鏡22により取り出した漏洩レーザ光の横断面を
撮像するもので、ビューア23、CCDカメラ24、及
び画像処理装置25から構成されている。
【0018】26は、ワークテーブル4上の被溶接物W
の溶接ラインを撮像する撮像手段であって、CCDカメ
ラ27と画像処理装置28とから構成されている。ま
た、29は、被溶接物Wの溶接部に向けてシールドガス
やアシストガスを噴射する溶接部雰囲気調整手段であっ
て、シールドガス流量制御装置30とアシストガス流量
制御装置31とを備えている。
【0019】32は、被溶接物Wの溶接部裏面に近い位
置で漏洩レーザ光の光軸Lに対し略直交する向きにクロ
スジェットガスを噴射するガス噴射手段である。33
は、漏洩レーザ光は透過するがスパッタは遮断するスパ
ッタ遮蔽手段であって、CO2レーザの場合であれば、
例えばジンクセレン(ZnSe)製のガラスまたはレン
ズなどが使用され、被溶接物Wの溶接部裏面に近い位置
に配設される。これらガス噴射手段32とスパッタ遮蔽
手段33とは、何れも溶接時に被溶接物Wの裏面側へ飛
散するスパッタが漏洩レーザ光検出のための光学系部
品、この実施形態の場合は反射鏡16、に付着するのを
防止するためのものであるから、何れか一方のみを配設
しても良い。
【0020】34は溶接条件など制御手段であって、マ
イクロコンピューターなどから構成され、その入出力端
には適当なインターフェースを介して、レーザ出力調整
手段2、溶接ヘッド位置制御装置5、ワークテーブル位
置制御装置11、漏洩レーザ光検出手段18の漏洩レー
ザ光パワー計測装置20と画像処理装置25、溶接ライ
ン撮像手段26の画像処理装置28、及び溶接部雰囲気
調整手段29のシールドガス流量制御装置30とアシス
トガス流量制御装置31が接続されている。
【0021】以上のレーザ溶接装置において、ワークテ
ーブル4上の所定位置に溶接ラインが位置するように被
溶接物Wを載置固定し、レーザ溶接ヘッド1からレーザ
光を照射するとともに、ワークテーブル位置制御装置1
1によって制御されるサーボモーター12によりワーク
テーブル4を溶接方向(X方向)に移動せしめることに
より、被溶接物Wを溶接ラインに沿ってレーザ溶接する
ことができる。このとき、溶接部雰囲気調整手段29の
シールドガス流量制御装置30とアシストガス流量制御
装置31によって流量調整されたシールドガス及びアシ
ストガスが溶接部に噴射され、所期通りの雰囲気調整が
行われる。
【0022】また、被溶接物Wの溶接部から裏面側へ貫
通漏洩する漏洩レーザ光は、反射鏡16により漏洩レー
ザ光の光軸Lに対し横側方へ転向せしめられ、コリメー
トレンズ17を経由して漏洩レーザ光検出手段18のパ
ワーメーター19により直接電力量として計測され、パ
ワー計測装置20により漏洩レーザ光パワーが所定のデ
ジタルデータに変換される。一方、半透過鏡22から取
り出された漏洩レーザ光が撮像手段21のビューア23
を経由してCCDカメラに取り込まれることにより漏洩
レーザ光の横断面が撮影され、その画像データが画像処
理装置25により処理されて、漏洩レーザ光横断面の大
きさ(面積)や、撮像エリア内における漏洩レーザ光横
断面画像の中心位置を示すデジタルデータに変換され
る。
【0023】さらに、溶接ライン撮像手段26のCCD
カメラ27は、ワークテーブル4上の被溶接物Wの溶接
ラインを撮影し、その画像データが画像処理装置28に
より処理されて、撮像エリア内における溶接ラインの位
置を示すデジタルデータに変換される。
【0024】上記構成のレーザ溶接装置における溶接条
件は、レーザ溶接ヘッド1から照射されるレーザ光の出
力、ワークテーブル4の溶接方向(X方向)の移動速度
である溶接速度、レーザ溶接ヘッド1から照射されるレ
ーザ光の焦点位置、及び溶接部雰囲気調整用ガス流量な
どであり、レーザ出力は、レーザ出力調整手段2による
レーザ発振器3の制御により調整可能であり、溶接速度
は、ワークテーブル位置制御装置11によるサーボモー
ター12の回転速度制御により調整可能であり、レーザ
光の焦点位置は、溶接ヘッド位置制御装置5で制御され
るサーボモーター6によるレーザ溶接ヘッド1のレーザ
光光軸方向(Z方向)の位置調整により可能であり、そ
して溶接部雰囲気調整用ガス流量は、溶接部雰囲気調整
手段29におけるシールドガス流量制御装置30とアシ
ストガス流量制御装置31とにより調整可能である。
【0025】従って、ある被溶接物Wの溶接に際して、
上記の各溶接条件を適正に設定することにより最良品質
の溶接結果が得られることになるが、この適正溶接条件
での溶接時に漏洩レーザ光パワー検出手段18により計
測される漏洩レーザ光パワーの経時変化を示したのが図
2である。図3Aは、上記の各溶接条件の内、溶接速度
のみを適正速度より低速にしたときの漏洩レーザ光パワ
ーの経時変化を示し、図3Bは、同様に溶接速度のみを
適正速度より高速にしたときの漏洩レーザ光パワーの経
時変化を示している。また、図4Aは、上記の各溶接条
件の内、レーザ出力のみを適正出力より高めたときの漏
洩レーザ光パワーの経時変化を示し、図4Bは、同様に
レーザ出力のみを適正出力より低くしたときの漏洩レー
ザ光パワーの経時変化を示している。さらに、図5A
は、上記の各溶接条件の内、雰囲気調整ガス流量のみを
適正流量より少なくしたときの漏洩レーザ光パワーの経
時変化を示し、図5Bは、同様に雰囲気調整ガス流量の
みを適正流量より多くしたときの漏洩レーザ光パワーの
経時変化を示している。また、図6は、上記の各溶接条
件の内、レーザ光焦点位置のみを前後にずらしたときの
漏洩レーザ光パワーの経時変化を示している。
【0026】図2〜図6において、横軸は時間軸であっ
て、T1は溶接開始時間(レーザ光照射開始及びワーク
テーブル移動開始時間)、T2は溶接速度(ワークテー
ブル移動速度)が定速に達した制御開始時間、T3は制
御終了時間、T4は溶接終了時間である。また、縦軸は
漏洩レーザ光パワー軸であって、P1〜P2は溶接速度
が定速に達した後の定速時設定適正範囲(制御時設定適
正範囲)であり、P3〜P4は溶接速度が定速に達する
前の加速時での設定適正範囲である。これら図から明ら
かなように、溶接速度が定速に達する前では、レーザ出
力が適正である場合、他の溶接条件が不適正であっても
漏洩レーザ光パワーは加速時設定適正範囲P3〜P4内
にあることが判る。換言すれば、このような条件を満足
するように加速時設定適正範囲P3〜P4を設定してい
る。また、レーザ光焦点位置に関しては、そのずれの方
向に関係なく漏洩レーザ光パワーは適正範囲より低くな
る。
【0027】漏洩レーザ光パワーは、漏洩レーザ光検出
手段18におけるパワーメーター19を備えたパワー計
測装置20で計測される電力量かまたは、漏洩レーザ光
撮像手段21により計測される漏洩レーザ光横断面の大
きさ(面積)によって検出することができる。従って、
図1では漏洩レーザ光検出手段18にパワーメーター1
9を備えたパワー計測装置20と漏洩レーザ光撮像手段
21の両方を併設したが、漏洩レーザ光パワーの計測に
は基本的に何れか一方のみを使用すれば良い。
【0028】溶接条件など制御手段34には、学習溶接
作業により求められた図2〜図6に示す溶接条件の適正
時及び不適正時の漏洩レーザ光パワーの経時変化のパタ
ーンに基づいて作成された制御プログラムが設定されて
いる。この制御プログラムによる基本的な制御手順を図
7のフローチャートに基づいて説明すると、制御開始時
間T2に達したときの漏洩レーザ光パワーLPが定速時
設定適正範囲P1〜P2内にあるか否かを判別し、漏洩
レーザ光パワーLPが定速時設定適正範囲P1〜P2の
下限P1より小さいとき(図6参照)は、先ず溶接ヘッ
ド位置制御装置5でサーボモーター6を制御してレーザ
溶接ヘッド1をレーザ光光軸方向(Z方向)の前後に移
動させてレーザ光焦点位置の調整を行う。レーザ光焦点
位置が適正位置に補正されると、漏洩レーザ光パワーL
Pは定速時設定適正範囲P1〜P2内に入る。
【0029】しかしながら、レーザ溶接ヘッド1を前後
何れに移動させても漏洩レーザ光パワーRPが低下する
だけの場合は、漏洩レーザ光パワーLPが定速時設定適
正範囲P1〜P2の下限P1より小さい原因が、レーザ
光焦点位置のずれではなく、図3Bに示すように溶接速
度が適正速度より高い場合であるから、ワークテーブル
位置制御装置11によるサーボモーター12の回転速度
制御によりワークテーブル4の移動速度(溶接速度)を
減速する。もし、制御開始時間T2に達したときの漏洩
レーザ光パワーLPが定速時設定適正範囲P1〜P2の
上限P2より大きいときは、図3Aに示すように溶接速
度が適正速度より低い場合であるから、前記の要領でワ
ークテーブル4の移動速度(溶接速度)を増速する。
【0030】上記制御により漏洩レーザ光パワーLPが
定速時設定適正範囲P1〜P2内に収まった場合、ある
いは制御開始時間T2に達したときに漏洩レーザ光パワ
ーLPが定速時設定適正範囲P1〜P2内に収まってい
る場合は、そのままの溶接条件で溶接を継続し、その
間、漏洩レーザ光パワーLPが定速時設定適正範囲P1
〜P2から外れないかを監視する。もし、漏洩レーザ光
パワーLPが定速時設定適正範囲P1〜P2から外れた
場合は、上記の要領で溶接速度調整を行う。以下、この
制御を制御終了時間T3になるまで継続することにな
る。
【0031】上記制御方法では、レーザ溶接条件制御手
段34によって制御する対象を、ワークテーブル4、ワ
ークテーブル位置制御装置11、サーボモーター12か
ら成る溶接速度調整手段としたが、レーザ出力調整手段
2をレーザ溶接条件制御手段34の制御対象とし、図4
に基づいて漏洩レーザ光パワーLPが定速時設定適正範
囲P1〜P2から外れたときにレーザ出力を調整するよ
うにプログラムすることも可能である。
【0032】また、図8のフローチャートで示すよう
に、溶接速度調整により漏洩レーザ光パワーLPが定速
時設定適正範囲P1〜P2内に収まった場合、あるいは
制御開始時間T2に達したときに漏洩レーザ光パワーL
Pが定速時設定適正範囲P1〜P2内に収まっている場
合は、それ以降は溶接速度の調整は不要と考え、そのま
まの溶接速度で制御終了時間T3になるまで溶接を継続
し、その間、漏洩レーザ光パワーLPが定速時設定適正
範囲P1〜P2から外れないかを監視し、溶接途中に漏
洩レーザ光パワーLPが定速時設定適正範囲P1〜P2
の下限P1より低くなれば、図5Aに示すように雰囲気
調整ガス流量の不足であるから、溶接部雰囲気調整手段
29におけるシールドガス流量制御装置30とアシスト
ガス流量制御装置31とにより噴射ガス流量を増大さ
せ、逆に、溶接途中に漏洩レーザ光パワーLPが定速時
設定適正範囲P1〜P2の上限P2より高くなれば、図
5Bに示すように雰囲気調整ガス流量が過大であるか
ら、シールドガス流量制御装置30とアシストガス流量
制御装置31とにより噴射ガス流量を減少させることも
可能である。
【0033】即ち、図8のフローチャートに示す制御方
法では、レーザ光焦点位置調整と溶接速度の調整とは、
制御時間T2になったときの漏洩レーザ光パワーの値に
基づいて制御開始時にのみ行い、それ以後は溶接部雰囲
気ガス流量の調整のみが行われることになるが、溶接部
雰囲気ガス流量を調整しても漏洩レーザ光パワーLPが
定速時設定適正範囲P1〜P2内に納まらないときには
溶接速度の調整を行うようにプログラムすることもでき
る。
【0034】以上の制御方法は、溶接途中の漏洩レーザ
光パワーLPをリアルタイムに監視し、その漏洩レーザ
光パワーLPが設定適正範囲P1〜P2から外れたとき
に、その原因と見られる溶接条件を、漏洩レーザ光パワ
ーLPが設定適正範囲P1〜P2内に納まるように自動
制御するものであるが、図2〜図6で示す漏洩レーザ光
パワーの経時変化のパターンを記憶設定しておき、漏洩
レーザ光検出手段18によって検出される実際の漏洩レ
ーザ光パワーの経時変化のパターン、即ち検出パターン
が図2〜図6の何れの設定パターンに相当するかを判別
させて、不適正設定パターンの一つに相当するときは、
それ以後の検出パターンが適正設定パターンとなるよう
に当該不適正設定パターンに対応する溶接条件を適正値
に自動調整させることができる。
【0035】例えば、図6に示すレーザ光焦点位置不適
正時の漏洩レーザ光パワーの経時変化のパターンは、図
3Bに示す溶接速度過大時の漏洩レーザ光パワーの経時
変化のパターンと類似であるから、図2〜図5に示す各
溶接条件不適正時の漏洩レーザ光パワーの経時変化パタ
ーンを設定しておき、図9のフローチャートに示すよう
に、制御開始時間T2に達した以後、先ず最初に検出パ
ターンが図3Bに示す速度過大設定パターンと一致する
か否かを判別し、一致するときは、溶接ヘッド位置制御
装置5とサーボモーター6とを利用するレーザ光焦点位
置の調整を行う。レーザ光焦点位置が適正位置に補正さ
れると、漏洩レーザ光パワーLPは定速時設定適正範囲
P1〜P2内に入り、それ以後の検出パターンは、適正
設定パターンとなる。
【0036】上記のレーザ光焦点位置調整手段によるレ
ーザ光焦点位置調整を行っても、それ以後の検出パター
ンが適正設定パターンにならないときは、ワークテーブ
ル位置制御装置11によりサーボモーター12の回転速
度を減速する溶接速度減速調整を行う。検出パターンが
図4に示す出力不適正設定パターンと一致するときは、
レーザ出力調整手段2によりレーザ光出力調整を行う。
勿論、検出パターンが図3Aに示す速度不足設定パター
ンと一致するときは、ワークテーブル位置制御装置11
によりサーボモーター12の回転速度を増速する溶接速
度増速調整を行う。さらに、検出パターンが図5に示す
雰囲気不適正設定パターンと一致するときは、溶接部雰
囲気調整手段29による雰囲気調整ガスの噴射流量の調
整を行う。このパターン比較制御が制御終了時間T3ま
で実行される。
【0037】なお、漏洩レーザ光検出手段18に漏洩レ
ーザ光撮像手段21を利用する場合、レーザ溶接ヘッド
1と前記撮像手段21側の光学系(反射鏡16、コリメ
ートレンズ17、半透過鏡22、ビューア23、及びC
CDカメラ24)とがレーザ光の光軸Lに対し直交する
二次元方向にずれていると、図10に仮想線で示すよう
にその撮像エリア40内から漏洩レーザ光横断面画像4
1が外れる可能性があり、このような場合、当該漏洩レ
ーザ光横断面画像41の大きさ(面積)から正確に漏洩
レーザ光パワーを計測することができない。
【0038】そこで、撮像エリア40に漏洩レーザ光横
断面画像41の中心位置42を設定しておき、この中心
位置42に対する実際の漏洩レーザ光横断面画像41の
位置ずれを画像処理装置25により計測し、この計測結
果に基づいて実際の漏洩レーザ光横断面画像41が設定
中心位置42に来るように、レーザ光の光軸Lに対し直
交する二次元方向にレーザ溶接ヘッド1と前記撮像手段
21側の光学系とを相対移動させる位置ずれ補正手段を
設けておくことができる。この位置ずれ補正手段として
は、例えば、溶接ヘッド位置制御装置5とこれにより制
御されるサーボモーター7,8を利用することができ、
画像処理装置25からの画像位置ずれデータに基づいて
溶接条件など制御手段34から溶接ヘッド位置制御装置
5にレーザ溶接ヘッド1に対するX,Y両方向の位置補
正量を指令し、これに基づいてレーザ溶接ヘッド1を
X,Y両方向に所定量だけ移動させるように構成すれば
良い。
【0039】漏洩レーザ光パワーを計測するのにパワー
メーター19を利用する場合においても、前記のように
レーザ溶接ヘッド1とパワーメーター19側の光学系
(反射鏡16、コリメートレンズ17、及びパワーメー
ター19)とがレーザ光の光軸Lに対し直交する二次元
方向にずれていると、パワーメーター19から漏洩レー
ザ光が外れてしまって正確に漏洩レーザ光パワーを計測
することができないので、この場合にも前記撮像手段2
1と画像位置ずれ補正手段(図示例では、溶接ヘッド位
置制御装置5、サーボモーター7,8、及び溶接条件な
ど制御手段34)を併用し、撮像エリア内での漏洩レー
ザ光横断面画像の位置ずれを解消することにより、漏洩
レーザ光が正確にパワーメーター19に取り込まれるよ
うに構成することができる。
【0040】また、レーザ溶接ヘッド1から照射される
レーザ光の光軸Lと被溶接物Wにおける溶接ライン(被
溶接物どうしの突き合わせ端面)とが正確に一致しなけ
れば、高品質な溶接は期待できないが、レーザ光の光軸
Lと被溶接物Wにおける溶接ラインとの位置ずれ(レー
ザ光の光軸Lと溶接方向(X方向)とに対し直交するY
方向の位置ずれ)を自動補正する手段、換言すれば溶接
位置自動補正手段に、図1に示す溶接ライン撮像手段2
6、前記漏洩レーザ光撮像手段21、溶接条件など制御
手段34、ワークテーブル位置制御装置11、及びワー
クテーブル4をY方向に位置調整するサーボモーター1
3を利用することができる。
【0041】すなわち、図10に示すように、前記漏洩
レーザ光撮像手段21が撮影した漏洩レーザ光横断面画
像41の中心位置42を画像処理装置25により計測す
る一方、前記溶接ライン撮像手段26が撮影した溶接ラ
イン画像の位置データも画像処理装置28により計測し
て、両者のY方向の位置ずれ量を溶接条件など制御手段
34において演算させ、その演算結果に基づいてワーク
テーブル位置制御装置11によりサーボモーター13を
駆動し、前記位置ずれを解消するように、レーザ光の光
軸Lと溶接方向(X方向)とに直交するY方向にワーク
テーブル4(被溶接物W)を移動させることができる。
【0042】なお、漏洩レーザ光パワーの経時変化パタ
ーンを利用する制御の場合、図3〜図6に示した不適正
溶接時の漏洩レーザ光パワーの経時変化パターンは、そ
の一例であって、例えば複数の溶接条件が不適正の場合
の漏洩レーザ光パワーの経時変化パターンなども設定し
ておき、検出パターンがこの設定パターンに一致したと
き、同時に複数の溶接条件を自動調整させるように構成
することもできる。
【0043】
【発明の効果】本発明は以上のように実施し得るもので
あって、請求項1に記載の本発明のレーザ溶接制御装置
によれば、予め設定された適正溶接時の漏洩レーザ光パ
ワーの範囲と前記漏洩レーザ光検出手段が検出した漏洩
レーザ光パワーとを比較し、検出漏洩レーザ光パワーが
設定適正範囲から外れているときに、検出漏洩レーザ光
パワーが設定適正範囲内に入るようにレーザ溶接条件を
自動調整するものであるから、溶接部に発生するプラズ
マの光量や溶接音の音量、あるいは輻射熱の熱量などを
監視して溶接条件を自動制御する、溶接部周囲の環境変
化の影響を受け易い従来の制御装置と比較して、高精度
のレーザ溶接制御が可能となり、確実に高品質の溶接を
自動的に行わせることができる。
【0044】なお、請求項2に記載のように、検出漏洩
レーザ光パワーが設定適正範囲から外れているとき、溶
接速度調整手段による溶接速度調整またはレーザ出力調
整手段によるレーザ出力調整を行うのが、溶接を適正良
好な状態に速やかに復帰させる上で効果的である。ま
た、請求項3に記載のように検出漏洩レーザ光パワーが
設定適正範囲より低いとき、レーザ光焦点位置調整手段
によるレーザ光焦点位置調整を行い、この結果でも検出
漏洩レーザ光パワーが設定適正範囲から外れていると
き、さらに前記溶接速度調整手段による溶接速度調整ま
たは前記レーザ出力調整手段によるレーザ出力調整を行
うことは、レーザ光焦点位置のずれに起因する不適正溶
接をも解消することができる。さらに請求項4に記載の
ように、検出漏洩レーザ光パワーが設定適正範囲から外
れたとき、溶接部雰囲気調整手段による雰囲気調整ガス
の噴射流量の調整を行うことにより、雰囲気調整ガスの
噴射流量の不適正に起因する不適正溶接を解消すること
ができる。
【0045】請求項5に記載の構成によれば、漏洩レー
ザ光パワーの経時変化のパターンを監視するのであるか
ら、漏洩レーザ光パワーが適正範囲から外れた場合でも
それに至る履歴を考慮して不適正溶接条件を的確に判別
することができ、場合によっては複数の溶接条件が不適
正であることも判別可能であるから、不適正溶接状態に
至ったときに溶接条件の調整を的確に行わせて、速やか
に適正溶接状態に復帰させることが可能になる。
【0046】また、請求項6に記載の構成によれば、溶
接速度過大設定パターン、溶接速度不足設定パターン、
及びレーザ出力不適正設定パターンの設定だけで、レー
ザ光焦点位置のずれ、溶接速度の不適正、及びレーザ出
力の不適正が生じたとき、これらの状態を速やかに解消
して、適正溶接状態に復帰させることができる。さらに
請求項7に記載の構成によれば、設定適正範囲内にあっ
た漏洩レーザ光パワーが一時的に設定適正範囲から外れ
る雰囲気不適正設定パターンを利用して、溶接部雰囲気
調整ガスの流量不適正に伴う不適正溶接状態も解消する
ことができる。
【0047】請求項8に記載の構成によれば、被溶接物
の裏面側へ貫通漏洩するレーザ光を受光するパワーメー
ターにより、漏洩レーザ光パワーを直接電力量として正
確に検出し、制御の信頼性を高めることができる。勿
論、請求項9に記載のように、撮像手段を介して計測さ
れる漏洩レーザ光の横断面の大きさから漏洩レーザ光パ
ワーを間接的に検出することもできるが、特にこの場
合、漏洩レーザ光横断面画像から漏洩レーザ光パワーの
強弱分布や形状を知ることもでき、単に漏洩レーザ光パ
ワーの総量に基づいて制御する場合よりも、より木目の
細かい制御も可能になる。
【0048】請求項10に記載の構成によれば、撮像手
段の撮像エリア内に設定された漏洩レーザ光横断面画像
の中心位置に対する実際の漏洩レーザ光横断面画像の位
置ずれを自動補正する位置ずれ補正手段により、漏洩レ
ーザ光横断面画像の位置ずれを解消するように、レーザ
光の光軸に対し直交する二次元方向にレーザ溶接ヘッド
と前記撮像手段側の光学系とを相対移動させることがで
きるのであるから、前記撮像手段により得られる漏洩レ
ーザ光横断面画像から漏洩レーザ光パワーを計測する場
合や、パワーメーターを利用して漏洩レーザ光パワーを
直接電力量として計測する場合、これら漏洩レーザ光パ
ワーの計測を正確に行わせることができる。
【0049】また、請求項11に記載の構成によれば、
被溶接物からの漏洩レーザ光の貫通方向に対し横側方に
離れた位置、換言すれば、溶接時に飛散するスパッタや
輻射熱などの影響を受けることのない任意の場所に漏洩
レーザ光検出手段を配設することができる。さらに請求
項12や請求項13に記載の構成によれば、仮に漏洩レ
ーザ光検出手段が被溶接物の溶接部裏面に対向する位置
に配設される場合でも、あるいは被溶接物の溶接部裏面
に対向する位置に漏洩レーザ光を他の場所へ導くための
光学的ガイドが配設される場合でも、これら漏洩レーザ
光検出手段や光学的ガイドが溶接部から飛散するスパッ
タの影響を受けることを防止することができる。
【0050】請求項14に記載の構成によれば、レーザ
溶接ヘッドから照射されるレーザ光が被溶接物の溶接ラ
インから外れている不適正事態を自動的に検出して、そ
のレーザ光照射位置のずれを自動的に補正することがで
きるので、さらに高品質の溶接を行わせることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体の構成を説明するブロック線図である。
【図2】 溶接条件が適正なときの漏洩レーザ光パワー
の経時変化パターンを示すグラフである。
【図3】 溶接速度が不適正の場合の漏洩レーザ光パワ
ーの経時変化パターンを示すグラフである。
【図4】 レーザ出力が不適正の場合の漏洩レーザ光パ
ワーの経時変化パターンを示すグラフである。
【図5】 溶接部雰囲気調整用ガスの流量が不適正の場
合の漏洩レーザ光パワーの経時変化パターンを示すグラ
フである。
【図6】 レーザ光焦点位置が不適正の場合の漏洩レー
ザ光パワーの経時変化パターンを示すグラフである。
【図7】 制御手順を説明するフローチャートである。
【図8】 他の制御手順を説明するフローチャートであ
る。
【図9】 さらに他の制御手順を説明するフローチャー
トである。
【図10】 撮像エリアにおける漏洩レーザ光横断面画
像を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ溶接ヘッド 2 レーザ出力調整手段 4 ワークテーブル 5 溶接ヘッド位置制御装置 6 レーザ光焦点位置調整用サーボモーター 7 レーザ光溶接ヘッド位置調整用サーボモーター 8 レーザ光溶接ヘッド位置調整用サーボモーター 11 ワークテーブル位置制御装置 12 ワークテーブル溶接方向駆動用サーボモーター 13 ワークテーブル位置調整用サーボモーター 16 漏洩レーザ光反射鏡 18 漏洩レーザ光検出手段 19 パワーメーター 21 漏洩レーザ光撮像手段 24 CCDカメラ 25 画像処理装置 26 溶接ライン撮像手段 27 CCDカメラ 28 画像処理装置 29 溶接部雰囲気調整手段 32 クロスジェットガス噴射手段 33 スパッタ遮蔽手段 34 溶接条件など制御手段 W 被溶接物

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】漏洩レーザ光検出手段と、レーザ溶接条件
    制御手段とを備え、 漏洩レーザ光検出手段は、被溶接物の裏面側へ貫通漏洩
    するレーザ光のパワーを検出し、 レーザ溶接条件制御手段は、予め設定された適正溶接時
    の漏洩レーザ光パワーの範囲と前記漏洩レーザ光検出手
    段が検出した漏洩レーザ光パワーとを比較し、検出漏洩
    レーザ光パワーが設定適正範囲から外れているときに、
    検出漏洩レーザ光パワーが設定適正範囲内に入るように
    レーザ溶接条件を自動調整するレーザ溶接制御装置。
  2. 【請求項2】レーザ溶接条件制御手段が制御する対象と
    して、溶接速度調整手段とレーザ出力調整手段の何れか
    少なくとも一方を備え、検出漏洩レーザ光パワーが設定
    適正範囲から外れているとき、前記溶接速度調整手段に
    よる溶接速度調整または前記レーザ出力調整手段による
    レーザ出力調整を行う請求項1に記載のレーザ溶接制御
    装置。
  3. 【請求項3】レーザ溶接条件制御手段が制御する対象と
    してレーザ光焦点位置調整手段を備え、検出漏洩レーザ
    光パワーが設定適正範囲より低いとき、前記レーザ光焦
    点位置調整手段によるレーザ光焦点位置調整を行い、こ
    の結果でも検出漏洩レーザ光パワーが設定適正範囲から
    外れているとき、さらに前記溶接速度調整手段による溶
    接速度調整または前記レーザ出力調整手段によるレーザ
    出力調整を行う請求項2に記載のレーザ溶接制御装置。
  4. 【請求項4】レーザ溶接条件制御手段が制御する対象と
    して溶接部雰囲気調整手段を備え、検出漏洩レーザ光パ
    ワーが設定適正範囲から外れたとき、前記溶接部雰囲気
    調整手段による雰囲気調整ガスの噴射流量の調整を行う
    請求項1〜3の何れかに記載のレーザ溶接制御装置。
  5. 【請求項5】漏洩レーザ光検出手段と、レーザ溶接条件
    制御手段とを備え、 漏洩レーザ光検出手段は、被溶接物の裏面側へ貫通漏洩
    するレーザ光のパワーを検出し、 レーザ溶接条件制御手段は、各種の不適正溶接時の漏洩
    レーザ光パワーの経時変化パターンと適正溶接時の漏洩
    レーザ光パワーの経時変化パターンとが予め設定され、
    前記漏洩レーザ光検出手段が検出した漏洩レーザ光パワ
    ーの経時変化パターンと前記設定パターンとを比較し、
    検出パターンが不適正設定パターンに一致するとき、当
    該不適正設定パターンの不適正溶接条件に基づいて検出
    パターンが設定適正パターンになるようにレーザ溶接条
    件を自動調整するレーザ溶接制御装置。
  6. 【請求項6】溶接速度過大設定パターン、溶接速度不足
    設定パターン、レーザ出力不適正設定パターンが設定さ
    れ、 レーザ溶接条件制御手段が制御する対象として、レーザ
    光焦点位置調整手段、レーザ出力調整手段、及び溶接速
    度調整手段を備え、 制御開始時に検出パターンが速度過大設定パターンと一
    致するときは、レーザ光焦点位置調整手段によるレーザ
    光焦点位置調整を行い、その結果でも検出パターンが適
    正設定パターンにならないときは溶接速度調整手段によ
    る溶接速度減速調整を行い、 検出パターンが速度不足設定パターンと一致するとき
    は、溶接速度調整手段による溶接速度増速調整を行い、 検出パターンが出力不適正設定パターンと一致するとき
    は、レーザ出力調整手段によるレーザ出力調整を行う請
    求項5に記載のレーザ溶接制御装置。
  7. 【請求項7】レーザ溶接条件制御手段が制御する対象と
    して溶接部雰囲気調整手段を備え、 設定適正範囲内にあった漏洩レーザ光パワーが一時的に
    設定適正範囲から外れる雰囲気不適正設定パターンが設
    定され、 検出パターンが雰囲気不適正設定パターンと一致すると
    き、前記溶接部雰囲気調整手段による雰囲気調整ガスの
    噴射流量の調整を行う請求項5または6に記載のレーザ
    溶接制御装置。
  8. 【請求項8】漏洩レーザ光検出手段は、被溶接物の裏面
    側へ貫通漏洩するレーザ光を受光するパワーメーターを
    備え、当該パワーメーターを介して漏洩レーザ光パワー
    を直接電力量として検出する請求項1〜7の何れかに記
    載のレーザ溶接制御装置。
  9. 【請求項9】漏洩レーザ光検出手段は、被溶接物の裏面
    側へ貫通漏洩するレーザ光の横断面を撮像する撮像手段
    を備え、この撮像手段を介して計測される漏洩レーザ光
    の横断面の大きさから漏洩レーザ光パワーを間接的に検
    出する請求項1〜7の何れかに記載のレーザ溶接制御装
    置。
  10. 【請求項10】被溶接物の裏面側へ貫通漏洩するレーザ
    光の横断面を撮像する撮像手段と、この撮像手段の撮像
    エリア内に設定された漏洩レーザ光横断面画像の中心位
    置に対する実際の漏洩レーザ光横断面画像の位置ずれを
    自動補正する位置ずれ補正手段を備え、この位置ずれ補
    正手段は、前記漏洩レーザ光横断面画像の位置ずれを解
    消するように、レーザ光の光軸に対し直交する二次元方
    向にレーザ溶接ヘッドと前記撮像手段側の光学系とを相
    対移動させる請求項9または10に記載のレーザ溶接制
    御装置。
  11. 【請求項11】漏洩レーザ光検出手段は、被溶接物から
    の漏洩レーザ光の貫通方向に対し横側方に離れた位置へ
    漏洩レーザ光をガイドする光学的ガイドを備えている請
    求項1〜10の何れかに記載のレーザ溶接制御装置。
  12. 【請求項12】被溶接物の溶接部裏面に近い位置で漏洩
    レーザ光の光軸に対し略直交する向きにスパッタ飛散の
    ためのガスを噴射するガス噴射手段を配設した請求項1
    〜11の何れかに記載のレーザ溶接制御装置。
  13. 【請求項13】被溶接物の溶接部裏面に近い位置に、漏
    洩レーザ光は透過するがスパッタは遮断するスパッタ遮
    蔽手段を配設した請求項1〜12の何れかに記載のレー
    ザ溶接制御装置。
  14. 【請求項14】被溶接物の裏面側へ貫通漏洩するレーザ
    光の横断面形状を撮像する漏洩レーザ光撮像手段と、被
    溶接物における溶接ラインを撮像する溶接ライン撮像手
    段と、溶接位置自動補正手段とを備え、この溶接位置自
    動補正手段は、前記漏洩レーザ光撮像手段が撮影した漏
    洩レーザ光横断面画像の中心位置と前記溶接ライン撮像
    手段が撮影した溶接ライン画像との位置ずれを計測し
    て、この位置ずれを解消するように、レーザ光の光軸と
    溶接方向とに直交する方向にレーザ光の光学系と被溶接
    物とを相対移動させる請求項1〜13の何れかに記載の
    レーザ溶接制御装置。
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